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1968-01-31 第58回国会 参議院 石炭対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年一月三十一日(水曜日)    午後二時二十分開会     —————————————    委員異動  一月三十日     辞任         補欠選任      山下 春江君     小林 篤一君  一月三十一日     辞任         補欠選任      加瀬  完君     小柳  勇君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         光村 甚助君     理 事                 小林 篤一君                 吉武 恵市君                 小野  明君     委 員                 石原幹市郎君                 高橋雄之助君                 柳田桃太郎君                 阿部 竹松君                 大河原一次君                 大矢  正君                 宮崎 正義君                 片山 武夫君    政府委員        通商産業政務次        官        熊谷太三郎君        通商産業省石炭        局長       中川理一郎君        通商産業省鉱山        保安局長     西家 正起君        労働政務次官   井村 重雄君        労働省安全衛生        局長       大野雄二郎君    事務局側        常任委員会専門        員        小田橋貞寿君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事辞任及び補欠互選の件 ○当面の石炭対策樹立に関する調査  (美唄炭鉱ガス爆発事故に関する件)  (昭和四十三年度石炭関係予算に関する件) ○委員派遣に関する件     —————————————
  2. 光村甚助

    委員長光村甚助君) ただいまから石炭対策特別委員会を開会いたします。  委員異動について報告いたします。  昨日、山下春江君が委員辞任され、その補欠として小林篤一君が選任され、本日、加瀬完君が委員辞任され、その補欠として小柳勇君が選任されました。     —————————————
  3. 光村甚助

    委員長光村甚助君) 高橋雄之助君及び西田信一君から、文書をもって都合により理事辞任したい旨の申し出がありましたが、これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 光村甚助

    委員長光村甚助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  つきましては、直ちにその補欠互選を行ないたいと存じます。  互選は投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 光村甚助

    委員長光村甚助君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事小林篤一君及び吉武恵市君を指名いたします。     —————————————
  6. 光村甚助

    委員長光村甚助君) 当面の石炭対策樹立に関する調査を議題といたします。  まず、去る二十日に発生いたしました美唄炭鉱ガス爆発事故により、多数の犠牲者が出ましたことは、まことに痛ましい限りでございます。つきましては、なくなられた方々の御冥福をお祈りいたし、黙祷をささげたいと存じますので、御起立をお願いいたします。  黙祷。   〔総員起立黙祷
  7. 光村甚助

    委員長光村甚助君) 黙祷を終わります。御着席願います。  熊谷政務次官及び井村政務次官から発言を求められております。この際これを許します。
  8. 熊谷太三郎

    政府委員熊谷太三郎君) ただいま委員長からお話がございましたように、去る一月二十日午後六時十五分ごろ、北海道の美唄炭鉱においてガス爆発による災害事故発生いたしまして、十六名の死亡者と四名の負傷者を出した次第でございます。かねがね炭鉱保安の問題については、十分留意払い、努力してまいりまして、次第にその犠牲者の数も年々——昨年あたりは非常に低くなってまいってきたような次第でございましたが、今度年初早々このような災害発生を見まして、多数の犠牲者を出しましたことは、まことに遺憾にたえない次第でございまして、罹災されました方々に対しまして、重ねて深甚の弔意を表する次第でございます。  通産省といたしましては、災害発生の当日、直ちに調査団を編成いたしまして、西家鉱山保安局長及び清成監督官に私を加えまして、私が調査団長として現地に参ることになり、また労働省からは伊集院労働衛生課長に御同行を願ったわけでございます。私ども調査団は、翌二十一日の十一時に東京を出まして、三時に現場へ到着いたしまして、通産省の当地の鉱山保安監督局並びに会社当事者労働組合職員組合、その他関係者につきましていろいろ実情の調査につとめますとともに、罹災者皆さま方のために万全の措置がとられますよう、いろいろ協議や措置を進めた次第であります。当夜はいろいろ事実を精査いたしますとともに、当時遺体収容されておりました七人の方々の御遺族を訪問いたしまして、御弔問申し上げ、また美唄労災病院収容中でありました二人の負傷者をお見舞い申し上げましたが、その翌日は札幌市におきまして、札幌通産局長が主催で関係の各役所関係者のお集まりを願いまして、罹災者援護等を中心とします事後措置につきまして、いろいろお打ち合わせ願ったわけでございますが、その結果、事後対策連絡会議を持つことにいたしまして、それによりまして事後対策に統一のある、また万全の体制がとれるようなお打ち合わせをしました上で、私どもこちらに帰ってまいったようなわけでございます。  いろいろ具体的な点につきましては、後ほど保安局長から申し上げると思いますが、一応その点だけ御報告申し上げる次第でございます。
  9. 井村重雄

    政府委員井村重雄君) 今回の炭鉱災害のために多数の犠牲者を出したことについてはまことに遺憾に存じ、また、なくなられた方々に対しても弔意を表する次第でございます。  労働省といたしまして、まずやらねばならない問題は、一酸化炭素中毒に関する特別措置法に基づく健康診断でございます。まず災害当時直ちに美唄労災病院及び市立美唄病院、いま一つ鉱山病院等医師多数を伴いまして、これが採血がきわめてスムーズに、かつ完全に行なわれたという事実でございます。  第二は治療対策でありまして、幸いにして五名のプラスマイナス一酸化炭素中毒を出した以外にほとんど全員健康状態でありまして、非常にこれはこの際は幸いであったということでございます。  第三に労働省としてやるべきことは、患者が出た場合の療養及び遺族に対する補償問題でございまして、これらについては目下詳細に検討中でございまして、いろいろ手続完了次第、これらの補償対策に従事いたしておる状況であります。  なお、詳細については、安全衛生局長を帯同いたしておりますので、詳細の御説明は後ほどいたさせたいと存じます。
  10. 光村甚助

    委員長光村甚助君) それでは美唄炭鉱ガス爆発事故に関する件につきまして、政府側から説明を聴取いたします。西家鉱山保安局長
  11. 西家正起

    政府委員西家正起君) このたび大惨事が発生いたしまして、監督責任者といたしまして、まことに申しわけなく思っている次第でございます。報告をさしていただきます。お手元に差し上げました資料に基づきまして、概略説明をさしていただきたいと存じます。  災害発生いたしました炭鉱名でございますが、美唄炭鉱常盤坑でございます。甲種炭坑でございます。所在地は美唄市でございます。鉱業権者美唄炭鉱株式会社でございまして、社長は近角真観でございます。災害発生日時は、昭和四十三年一月二十日十八時十五分ごろと推定されます。災害発生個所は、常盤坑の中の二坑区域三片下九番層の坑道付近でございまして、災害の種類はガス爆発でございます。鉱山労働者の数でございますが、美唄炭鉱全員といたしましては、昨年の末におきまして二千六百九十九人の方が働いております。出炭量は、昨年の十一月で十万五百トンでございます。今回の災害罹災者は、死亡十六名、負傷者四名、計二十名でございます。  災害状況に入りまして、まず最初に当時の操業状況操業概況につきまして御説明を申し上げます。常盤坑は、鉱山労働者約千三百四十名をもちまして、月産四万九千三百トンの出炭をいたしております甲種炭坑でございます。坑内構造は新坑部内と二坑部内に大別をされておりまして、今回災害発生いたしましたのは、二坑部内でございます。二坑部内には、現在災害個所とはだいぶ離れておりますが、ロング払いが二払い、面長は百六十メートルと八十メートルでございますが、ロング払いが二払いとそのほかに掘進個所が十二カ所でございまして、鉱山労働者六百六十四名で、月産二万二千トンを出炭している状況でございます。  通気は、二坑の立て入れ坑道と隣の新坑から入ってくる風量二つございまして、合わせまして毎分三千二百立方メートルの風が入気として入っております。これが坑内作業所に給気されまして回りまして、人車卸から排気をされておるわけでございます。二百二十五キロワットの主要扇風機によりまして、人車卸から排気をされております。  今回災害発生いたしました三片下九番層坑道は、同区域内の下九番層を後退式ロングで採掘する目的をもちまして、昭和四十二年の四月二十四日に巻き立て口付けをされておりまして、計画といたしましては、巻き立て出発点より五百九十メートルの地点にて一つ上にございます二半片坑道との間に払いを設定いたしまして、後退式採炭をして帰ってくる。この作業昭和四十三年三月から採炭を開始するという予定であったわけでございます。それの掘進の途中でございまして、災害当日までに巻き立てから五百二十六メートルが掘進されておったわけでございます。また当片盤坑道巻き立て口から百六十メートルの位置に一昇りが設定されておりまして、一昇りがさきの坑道掘進に対する掘進の排気に使用されておったわけでございます。また巻き立てから百十メートルの地点にはさらにこの九番層の下の層を掘るために十番層と十一番層への展開を計画しまして、立て入れ坑道が掘進中でございまして、災害当日までに四十メートルが掘進されておったような状況でございます。三片坑道部内の通気は毎分二百五十五立方メートルを親風といたしまして、一昇り手前に設置してございます三キロワットの電動局部扇風機、これに風管をつけまして、掘進先通気をいたしておったようなわけでございまして、掘進先には毎分六十立方メートルの空気が回っておったわけでございます。一方手前のほうの立て入れ掘進にはエアーファンを設置いたしまして、毎分八十立方メートルの空気通気をされておったような次第でございます。  災害概況でございますが、当日二番方として二坑区域内には百三十一名の鉱山労働者が入坑いたしておりました。そして採炭、掘進、仕繰りその他の坑内作業に従事をいたしておりました。災害により直接影響を受けました部内には、このうち二十三名の鉱山労働者の方が配番されておりまして、その状況は次の表にございますとおりでございまして、二片の立て入れ運搬直轄労働者が二人、下九番層の二片の立て入れ、この立て入れ請負組労働者方々係員以下五名、それから下九番層の三片の立て入れ直轄方々係員以下四名、さらに災害の直接起こりました三片の延び先には直轄労働者の方が係員以下五名、さらにその三片坑道運搬直轄労働者の方二名、それから三片のもう一つ上の二半片坑道の取り明け請負組労働者の方が四名、そのほかにポンプの修理といたしまして直轄係員の方が一名、計二十三名が配番されておったわけでございます。この番割りによりまして、各自の作業個所において作業中に十八時十五分ごろ突然爆発がございまして、十六名の死亡者と四名の負傷者を生じたのでございます。災害発生と同時に三名の方は無事脱出をされたのでございますが、二十名の未昇坑者の方がおられまして、救出作業につとめた結果、二片の立て入れ坑道内におきまして二人の生存者を、また少し時間がたちまして、二十二日の十九時二十分ごろに二半片坑道の取り明け作業に配番されておりました労働者の中のお二人の方を生存者として救出をいたしたわけでございましたが、そのほかの十六名の方々遺体として収容したわけでございます。この点につきまして、若干詳細になりますが、図面につきまして御説明申し上げたいと思います。  次の紙の第一図に罹災者位置というのが書いてございますが、はなはだ簡単な略図で恐縮でございますが、災害に関連をいしました地域の図面でございます。二坑区域といたしましては、おもな採炭個所はこの図面には載っておりませんで、この図面手前とそれから図面右下の部分に主要な採炭区域がございます。この図面に載っておりますところは採炭区域ではなくて、目下出炭準備中の掘進坑道であったわけでございまして、まん中からちょっと下に、横のほうに水平に書いてございます坑道災害の起こりました三片の沿層坑道でございます。この一番左の引っ立てのところでガス爆発が起こったと考えられておるわけでございます。それで、この中でマル印をつけましたのが負傷者方々救出いたしました位置でございます。バツ印がなくなられた方の遺体発見した位置でございます。災害が二十日の十八時十五分ごろに起こったのでございますが、一番右のほうに書いてございます二片立て入れと書いてございますところに死亡者の方が二人と負傷者の方が一名、その下のほうに生存者の方が一名ございますが、このうちお二人は災害発生後約三十分以内で遺体収容いたしております。それからその負傷者のお二人も一時間後の十九時二十分ごろに病院救出をいたしております。それから、その日の夜、二十日の二十三時、夜中の二十三時三十分ごろでございますが、その問題のございました三片沿層坑道のちょうどまん中あたりに五名の方の罹災地がございますが、五名の方の遺体発見をいたしておりまして、翌朝までに収容をいたしております。二十一日の午前五時ごろになりまして、救護隊図面のちょうどまん中あたりの一昇りと三片沿層坑道との交り点から若干奥のほうに進入いたしましたところ、非常に濃いメタンガスと濃い一酸化炭素を検出いたしておりまして、坑道の上面に白煙を認めておりまして、爆発あとの残り火による再爆発危険性があるということの保安管理者報告を聞きまして、判断をいたしまして、二十一日の八時ごろから翌朝二十二日の七時四十八分ごろまで一時救護活動を中止いたしております。その後ガスの変化がないということで、二十二日の八時過ぎから三片の沿層坑道の奥のほうに探検を救護隊が試みておりまして、昼ごろまでに引っ立てに到着をいたしまして、火のないことを確認をいたしております。一方、その後ガス排除及び救出作業を同時に開始をいたしまして、二十二日の昼過ぎ、十三時四十五分ころに第一昇におきまして一人の死亡者発見をいたしております。これは一昇に二つしるしがございますが、上の方でございます。それから二十二日の十九時二十分に第一昇から二半片坑道の少し左のほう二十メートルばかり奥に入りましたところでお二人の生存者発見いたしまして、直ちに病院のほうに救出をいたしております。それから二十二日の夕方から翌日の朝までの間に問題の第三片沿層坑道の左のほうの引っ立てに近い延び先に近いところに五名の罹災者がおられますが、この五名の方の遺体発見をいたしまして、収容をいたしております。それから二十三日の朝になりまして、さらに一昇の下のほうの一人の遺体発見をいたしております。さらに二十三日の昼、十二時半ころでございますが、二半片坑道のずっと右のほうでございますが、材料卸との交わるところにお一人の遺体発見いたしました。その後、最後のお一人の遺体発見が非常におくれたのでございますが、翌二十四日の夜八時四十五分に三片沿層坑道と一番右のほうの四片立て入れとの交差点の右のほうにございます四片のポケットの中で最後のお一人の遺体発見いたしまして、収容したような次第でございます。  災害原因でございますが、本災害原因につきましては、札幌鉱山保安監督局におきまして、目下現場調査及び関係者よりの事情聴取等によりまして調査中でございますが、火源として考えられる事項は、ハッパに起因するか、迷走電流等電気関係であるか、キャップランプであるか、この三つ以外には考えられないということでございまして、この一つ一つにつきまして目下検討いたしております。昨日までの状況を申し上げますと、電気関係キャップランプにつきましては、それぞれ試験所のほうにキャップランプ等を送りまして試験中でございます。外見等から見て最も原因の濃厚なのはハッパによるものというふうに、まだ確定したわけではございませんが、九分九厘ハッパに起因するものというふうに大体考えられておる状態でございます。  監督局のその後の調査状況でございますが、何ぶん関係者方々が全部なくなられておりますので、こまかい実況検分等によりまして、原因を割り出していくということになりますので、若干の時日はかかるかと思いますが、昨日までの状態を申し上げますと、災害の起きました三片坑道の引っ立て近く五人の方が罹災されました場所は、相当な崩落がございまして、目下崩落研等の取り明けに鋭意努力中であります。それから散乱いたしておりますハッパ器野帳その他携帯品等発見位置につきましては、正確に記帳を完了いたしております。また引っ立て付近にもハッパあとズリがございますが、このズリの取り明けも大かた終了いたしておりまして、引っ立て状況がようやく明らかになっておりますが、かなり引っ立て状況は埋れたところがあるようでございまして、断層等も四つくらいを発見いたしております。さらに掘り起こした引っ立て面の奥が若干ぐさぐさしたようなところが奥に続いておるようでございまして、今後これら等をさらに取り明けることによりまして、原因究明に当たりたい、こういう状況でございます。  政府のとった措置でございますが、災害発生と同時に札幌鉱山保安監督局長以下十二名が現地に急行いたしまして、罹災者救出作業の指揮に当たるとともに災害原因究明に当たっております。一方通産省といたしましても、先ほど熊谷政務次官の御報告にございましたように、調査団派遣をいたしまして、その後の対策等をとったような次第でございます。  その他の項でございますが、災害当時入坑者に対しましては、災害後直ちに——これは労働省のほうの関係のことになるかと思いますが、罹災者救出作業に従事した人に対してもその都度検診を実施をいたしておりまして、三日以上の休業になる一酸化炭素中毒患者のかたはおられなかった、死亡者には一酸化炭素中毒はおられたわけでございますが、休業者の中にはおられなかったということ、こういうことに相なっておる次第でございます。  なお二番目の図面のほうに坑内崩落崩壊状況を書いておるわけでございますが、坑内各所かなり崩壊と倒枠が見かけられまして、かなり火勢、火風が強かったことを示しておるものでございます。はなはだ簡単でございますが、概略につきまして御説明申し上げました。
  12. 大野雄二郎

    政府委員大野雄二郎君) 先ほど井村政務次官がほとんど要点を申したわけでございますが、若干だけ加えさしていただきます。  最も急を要するヘモグロビン検査につきまして、五名のものがプラスマイナスであったということは、先ほど政務次官から御報告があったことでございますが、五名は翌日退院いたしております。後遺症の心配はございません。それから次に死亡につきましては、八名が外傷なり火傷であり、残り八名が一酸化炭素中毒死と考えられております。それから現在入院をしているものが四名ございますが、そのうち二人が外傷、これはそれぞれ顔面打撲肋骨打撲でございまして、重傷ではございません。五十時間後救出されました二人のかたについては心配でございますが、うちお一人のかたは意識も明瞭であり、順調な回復の経路をたどっております。一名につきましては、現在に至るも——昨日の夕方現地で聞いてまいりましたのですが、依然として意識不明でございます。これは一酸化炭素中毒というよりむしろ酸素欠乏症状況を呈しております。しかしながら血圧その他呼吸脈搏等は正常でございまして、医師の話によりますれば、命はいまのところ懸念されない、こういうことでございます。災害補償のほうにつきましては先ほど御説明ありましたとおり、目下その支払い準備中でございます。
  13. 光村甚助

    委員長光村甚助君) ただいまの説明に対し、質疑のある方は順次御発言を願います。
  14. 大矢正

    大矢正君 保安局長に二、三質問しますけれども、御存じのとおり数年来石炭産業の危機が叫ばれて、目下政府においても、十分ではもちろんないとは私ども思っておりますが、対策を講じておるさなかでありまして、こういう段階にこの種の事故が起きるということは、単に美唄炭鉱のみにとどまらず、日本の全炭鉱に波及する影響は非常に大きいものがあろうかと思います。最近は、特に労働力の不足が石炭産業を乗り切るための重大な障害になっているという事実にかんがみまして、労働力確保の面で一そう——単に美唄炭鉱だけではなくて、他のあらゆる炭鉱に大きな影響を与えていることは間違いのないことで、そういう意味で、この種の事故が起き、さらにまた重ねてこういう事故が起こるということは非常に重大な内容であり、当然局長としても保安確保に一そう万全を期してもらわなきゃならぬことは言うまでもないことでありますが、あの罹災者の中に季節労務者が一人おった。これは冬季間における農村からの季節労務者というのは、今日炭鉱の常識になっております。かなりの数が現実には入ってきておりますが、こういう方々に対しても、またそういう人たち現実に生活をしている人々にとっても、まことに重大なショックを与えたことになるわけでありまして、非常に残念でならないわけであります。そこで、その問題は近い将来通産大臣労働大臣等にも出席をしていただいて、人命尊重の立場から、どのようにして鉱山保安を確保するかということを質問したいと思っておりますので、そういう基本的なことについては一応この際おくこととして、この事故が起こりましてから全遺体収容されるまでの間に起こったできごとの中で、特に私が気になることが二点ばかりあるわけであります。それは私ども石炭にある程度の知識を持っている者はほぼ了解はし理解はするわけでありますが、たとえば爆発地点と見られたこの三片坑道の引っ立て、ここにおけるガス量がちょうど爆発するのに適量となる程度の状態になったために、やむなく手前密閉をしたという保安局発表があって、それが新聞に書かれたわけですね。そこで私ども実際に話を承ってみると、これは密閉などというものではなくて、単に通気を一時遮断をして、中のガス量爆発時点よりももっと高めても再爆のおそれがない措置をとったにすぎないのではないかと解釈をしておったのでありますが、どうも保安局発表その他が不手ぎわであったのかどうかわかりませんが密閉をして、中に最小限度五人は生死不明のまま残っているにもかかわらずふさいでしまって、通気遮断するのはもちろんのこと、この完全に遮断してしまうような結果というものは人道上も許さるべきことではないというような意見がありました。これはやはり技術を担当している、そして現地に行っているあなたの部下においても、発表の際にはその点は十分ひとつ考慮をしてやられないと、あたかも中に生きている人間がいるにもかかわらず密閉をして殺してしまったというふうに聞こえるわけで、この点はいろいろ検討されて、やむなく一時的な通気遮断をやられたことは私どもも認めるわけでありますけれども、それが密閉と言うと大げさに聞こえて、まあ密閉にもいろいろあるにいたしましても、単にビニールのカーテンを下げたようななまやさしいものではなくて、もっともっと重大な密閉、大きな密閉、大がかりな密閉をしたというふうにとられることは非常に問題があると思うので、その点については十分考えるべき余地があったんではないか。  それからもう一つの疑点は、あとに二人生存者がおりました二半片坑道の探検なり、それから救護隊の捜索なりというものがかなり時期を失したのではないか、最終的にはこの結果から見ると、あすこにおったのは二人しかいなくて、あとはじょうごから一人落ちたのと、もう一人の運搬夫は全然別のところに行っていたということで理解がつき、結局残った二人が救出をされたということで、いいにいたしましても、そういう捜索活動、探検というものの指示が手落ちがあったのではないかというようなことを言われておった面もあるので、この際当事者としてのあなたから、一応見解を述べていただきたい、こう思っております。
  15. 西家正起

    政府委員西家正起君) 第一の点でございますが、ただいま先生から御指摘のございました三片坑道密閉したという点でございますが、まさに先生がおっしゃったとおりでございまして、私ども二十一日の午後三時に現場に到着した際、やはり密閉ということばで知らされたのでございますが、私も若干驚いたのでございますが、その後話を聞きますと、その辺の空気が中に入ることによりまして、再爆発の防止をするために布のカーテンをしたということでございまして、当時中にはメタンガスが一〇%、一酸化炭素が機械ではかりましてもスケール・アウトということでありまして、かなり濃厚の一酸化炭素があったということから推しまして、再爆発の防止のためにとりましたこと自身につきましては、支障はないというふうに考えておる次第でございますが、確かに新聞発表その他につきまして誤解を生じたことにつきましては、はなはだ申しわけない、直ちにその後密閉ということばを使わせないようにしたのでございますけれども、一ぺんそういうことがことばとして出ますと、今度は布張りというような言いかえ方になかなかならないということでございます。最初のことばが非常に大事であるというふうに考えておる次第でございます。今後ともこの点につきましては十分留意をいたしまして、発表等に際しましては十分留意いたしたいと、かように考えておる次第でございます。  第二点でございますが、第二点につきましては、二十二日の朝七時四十八分ごろに救護隊が再度救助活動を始めておりまして、当時は、先ほどの布張りをいたしました三片坑道の奥を探検する、残り火がないということを確認することが第一の目的でございまして、そこだけの人数に限りまして三片坑道に入ったわけでございます。もちろん中にはかなり崩壊している場所もございまして、一ぺんではなかなか引っ立てまで行けなかったような状況でございまして、最初は九十メートル、それからその次は百何メートルと、何回か往復して、最後に昼ごろにやっと引っ立てまで到着したような次第でございまして、そこで初めて火がないということを確認をいたしまして、全域にわたる本格的な救護活動に入ったわけでございます。その後三片坑道昇り及び二半片、それぞれ活動をいたしております。何ぶんにも非常に崩落個所がございまして、実際に崩落している個所を通り抜けるのに時間がかかるばかりでなく、崩落の中に人がおったりいたしまして、そういうようなことでだいぶ手間どっておるようなことでございまして、罹災者発見いたしましたのが二十二日の十九時、本格的な活動を始めまして七時間余りたっておるわけでございます。私どもその間の救護活動につきまして、もう少し詳しく現地報告調査いたしたいと考えておりますが、現段階ではあるいはやむを得なかったのじゃないか、かように推測をいたしておる次第でございます。以上のような状況でございます。
  16. 大矢正

    大矢正君 この炭鉱は道内の各ほかの炭鉱と比較いたしてみまして、坑内条件を考えてみますと、非常に浅いところを掘っておる。それだけに炭質は別といたしまして、将来かりに需要さえあれば、大きく展開ができる炭鉱であると私は見ているわけです。したがって、ほかの炭鉱では想像もできない浅い地点を掘っている。ただ、そこで問題になってくるのは、この種の浅い炭鉱は、さほどガス抜きの必要性というものは事前になかろうというような考え方が常識的になっておるわけですね。それからもう一つは、かりにハッパをかける際に、さっきあなたが爆発原因とみられるものは九九%ハッパだと思う、こういう御発言がありましたが、私もそのとおりだと思います。そういたしますと、ほかの炭鉱では、かりにハッパをする際にはガス検定をして、その上でハッパをかけるというようなことを必ず実行してやっているが、この種の浅い炭鉱には、一つにはガス抜きをしなくてもガスがたまっていることはなかろうという判断と、従来がそうであるから、しいてここでガス検定をしなくてもいいではないかというような考え方があったのではないかという感じがするわけですね。しかし相手は自然でありますから、ほかでは通用したことがこの炭鉱にも通用するとは限らないわけです。そういう面においては、この種の浅い炭鉱が比較的怠りがちなガス抜きなりハッパの際における注意なり、それからまた、火源を持ち込むことに対しての十分な注意なりというものが非常に薄いのではないかと思われるので、私はやはりこの際、この種の炭鉱にとどまらず、再度この種の事故がないように、ひとつ通産当局として具体的に当面どういう措置をとっておられるのか。これは私もずいぶんの炭鉱ガス爆発をいままで経験しましたけれども、しかし一月の末、二月、三月にかけて一番気象の変化が激しい、圧力のかかっている時期でありますから、気象の変化によってガス爆発の実績も多いし、それからそういう危険性も高いことは私が申すまでもないところであって、特にこれを契機にして——起きてしまったんだからいまさらどうにもならぬので、特にこれを契機として、やはり私は保安当局としてきびしい指示を保安管理者に与える必要性、鉱業権者に与える必要性があるのではないかと思うので、当面あなたがどういう考えを持っておられるか、この際お聞かせ願いたい。
  17. 西家正起

    政府委員西家正起君) ただいまの点につきましても、先生のおっしゃるとおりでございまして、当鉱山ではガスが平素比較的少ない、同炭鉱では非常に少ないということで、ガス抜きも実施はいたしていなかったのでございます。ただ、将来だんだん深くなっていくにつれまして、ガスもふえてくるということで、ガス抜きの検討を始めておったのでございますが、ただいま先生の御指摘のとおり、深いところに行けば当然でございますけれども、浅いところにおきましても、非常にガスの湧出率がたいへん多いということになりました場合には、十分事前にガス抜き等の検討もさせなくちゃならぬ、かように考えておる次第でございます。  また、ハッパの検定でございますが、今回罹災をいたしました先端のハッパ個所におりました係員が検定をいたしましたか、しなかったかという問題につきましては、現在まだ調査中でございまして、わからないのでございますが、平素からかなり優秀な係員の方であったようでございまして、周囲の人から聞きますと、検定を怠るような人ではないということも聞いているわけでございます。今回どうであったかにつきましては、目下のところまだ不明でございます。ただ、過去のいろいろな例から申しまして、ハッパを何回かに分けてやります場合に、第一回目には必ずやるけれども、第二回目にはつい同じところを、最初に特に岩石なんか掘り起こした場合には、第二回目はつい検定を怠るというようなこともときどき耳にいたしているわけでございまして、今後そういうことのないように十分注意を与えたい、かように考えている次第でございます。  先生の御指摘の、当面保安局長として考えている問題でございますが、早急に原因究明いたしまして、原因のわかりました後には、その原因に基づく同種災害発生しないような十分なる処置を各鉱業権者に対してとりたいとは思っておりますが、その以前に先生御指摘のとおり、この二月、三月は非常に気象の変化等でガス爆発の可能性があるということにかんがみまして、目下早急にとりあえず、ガスの多いところはもちろんでございますが、ガスの非常に少ないところに対しても、十分そういうふうな怠りのないようにという勧告を、各監督局を通じまして鉱山のほうに早急に出したい。また、それぞれ業界の方々に対しまして、本社に対してもそういうような趣旨の勧告を早急に出したいということで、目下準備をいたしているような次第でございます。
  18. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 関連。ガスの検定のことでついでにお伺いしたいのですが、昨年の十二月には検定をしたというふうに聞いていましたけれども、一月はどうだったのですか。その事件の発生当時までどのようなことをやってきたか。
  19. 西家正起

    政府委員西家正起君) 同炭鉱監督局といたしましては、いわゆる監督の格づけといたしましては一番重要な炭鉱にいたしております。大体毎月一回、二日ないし三日にわたりまして炭鉱の検査を行なっております。監督局といたしましては、昨年の十二月十三日から十五日にわたりまして、同炭鉱監督いたしておりまして、先生御指摘のとおり、十二月にはこの災害の起こりました坑道にもまいっておりまして、ガスの検定等も行なっております。その結果はやはり〇・五以下ということでございまして、大量のガス発生を検定はいたしておりません。ことしになりましてからは、監督局からはまだ鉱山のほうには監督には行っていなかったのでございまして、たまたまこの災害の起こる直後に行く予定はしておったようなお話でございます。  なお、現場におきますガス状況でございますが、災害当日の、災害の起こりました二の方の前の一の方につきましては、係員ガス検定を行なっておりまして、その際一の方で何回かはかっておりますが、その数字は〇一四と〇・五、メタンガスの量でございますが、〇・四%ないし〇・五、こういうふうな記録が残っているような次第でございます。
  20. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 いまのお話で、ガスの限界が低かったというので相当甘く見ていたということは、現地のほうでもそういう声を聞いているのですが、いまのお話伺っても、一方のほうではやっているけれども現場のほうにおいては中に入っていなかったということが、検定に対する甘い考え方が根本的にあったのじゃないか、こういうふうに思うわけですが、特にこれからも、こういう事故は多発して今日まできているわけですから、そうじゃなくても、炭鉱離職者というものから考えてみましても、いまお話しありましたように、十二分な検査の手はゆるめないでいかなきゃならぬのは当然であります。安易に自分たちの考え方だけで処理をしていくということじゃなくて、もう少し規則だった行き方、定期的な行き方をもう少しはっきりと、日程等を組む上から計画の上に立ってやるべきだ、こう思うわけでございます。その点についてひとつ御意見を伺っておきたい。
  21. 西家正起

    政府委員西家正起君) 先ほどの説明はちょっとまずいところがあったのでございますが、災害個所におきまして、この二方というのは夕方から入っております。この二方におきましては、作業開始されましてあまり時間がたっておりませんのと、その二方の係員自身が死んでおりますので、検定をしたかしなかったかにつきまして、はっきりしたことはまだわかっていないわけでございますが、その二方の前に入っております一方では、同じ坑道では測定をしておった、こういうことでございます。  なお、監督検査のことにつきましては、先生御指摘のとおり、われわれ大体一カ月に一回ということで計画的、重点的に今後とも検査のやり方等につきまして十分に配慮をいたしまして、粗漏のないようにいたしたい、こういうふうに考えております。
  22. 大矢正

    大矢正君 最後労働省のほうにお願いをいたしておきたいと思うのでありますが、御存じのとおり、労働大臣は通産大臣に対して、鉱山保安について勧告する権限を与えられているわけです。したがって、中央の段階における勧告権というものはいつでも発動できると思うわけです。その発動するかしないかということは、労働省自体が考えることでありますから、私は申しませんが、ただ希望としてこの際述べさしていただきまするならば、この種の事故が続発をするということは、これからの石炭産業にとりまして重大な問題でありますから、中央段階で単に勧告をするしないの問題ではなしに、現地におきましても、やはり労働省の出先機関が保安監督行政の出先機関と話し合いをするなり、あるいはまたきびしく申し入れをするなり、それらを通してこの種の事故防止のための労働省としての役割りも私は果たしてもらいたいと、こう思います。  それから、この災害の中に犠牲者の一人として季節労務者がおり、それからまたこの会社の直接雇用ではなく、組夫として働いておられた人もおり、これらの人々は他の犠牲者と比較して見た場合に、かなり経済的にも、また将来の家族の問題の対策にしても違う面があるわけです。そこで、ひとつでき得る限りの措置労働省としてお取りいただきたいと思うし、また幸いにして奇跡的に生存をすることができた二人の方々のこれからの医療対策その他の措置についても、ひとつ手抜かりのないように処置を願いたい、こう思いますので、要望意見として申し上げておきます。
  23. 井村重雄

    政府委員井村重雄君) ただいまの御意見まことにごもっともと存じます。勧告権のあるなしにかかわらず、労働者保護という意味において、実情に即して通産省と十分意思疎通をはかりまして、今後再びかような事件を繰り返さないように、一段の留意をはかりたいと存じます。  なお、季節労務的な立場にあった人、なお現在負傷、病気で入院しておられる方の措置については、十分御意思を体しまして、今後とも十分関心をもって見守ってまいりたいと存じます。
  24. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 労働省政務次官にお伺いしたいわけですが、きのうから衆議院、きょうから参議院で総理の演説に対する代表質疑があるわけですが、衆議院のほうは別といたしまして、きょう午前中行なわれました参議院の本会議におきましては、佐藤総理の就任以来の一枚看板としておられる人命尊重に対する社会保障制度をはじめ、予算等においていろいろ論戦をかわしました。ところが、ここにさいぜん補足説明されましたあなたのほうの安全局長さんがおられるので、ちょっと発言しにくいわけですが、これは個人を対象としてあるわけですね。いままで鉱山保安の問題は一切保安局でやっておられるのだが、その他の問題についてはあなたのほうでやっておられるわけです。労働基準局がやっておられる。ところが、基準局だけでは手狭である。十分なサービスができないということで、去年の八月、法の改正を行なって、基準局から安全衛生局というものができましたね。ところが、昨年の暮れになって安全衛生局は要らない。局長さんがきて答弁されて、今後努力しますと言ってもらっておりますが、私は局の一つ二つあるなしでなしに、そういう労働者の身を守ってやるべき責任ある行政指導機関を去年の八月につくって、ことしまだ法文化しておりませんから、ことしのうちということになるでしょうけれども、そういう精神が大体たるんでいるのじゃないか。おたくのほうは職業の紹介もありましょう、職業の訓練もありましょう。幾つかのお仕事もなさっているわけですが、しかし、その中心は何といってもやはり大ぜいの勤労者の身分を保障してやる、皆さん方を守ってやるという第一線のサービスセンターであると私は心得ている。にもかかわらず、半年もたたぬうちに安全衛生局をなくすなどということは、あなたはいま大矢委員の御答弁に、十分気をつけますなどと言っても、現実の問題として不可能じゃないですか。あるいはまた、通産省に御質問する前にお話をしたいのですが、保安局長は、以後気をつけますというような御答弁でしたが、きょうも太平洋炭礦で大災害が起きている。美唄ほど大きな災害ではありませんけれども、四名も五名も人が坑内で落盤の犠牲者になっているわけです。きょうのそういうものを当然報告してこなければならぬわけです。ここへそれを報告せぬで、以後気をつけますなどと言って、なるほど美唄より災害は小さいでしょう。しかし、残された遺家族にとってごらんなさい。十人なくなるのも、自分の主人がその犠牲者になるのも、残された遺家族、弱い人にとっては同じですよ。あなたの答弁している半面、きょうもそういう事故が起きている。ですから私はもう幾らここで何回皆さん方とやっても、なかなか保安というものは確保できないのですから、この前は保安局をなくす、今度は労働省の安全衛生局をなくすのだ、こういうところから何が突発する——ということは言いたくないのだが、現実の問題として起きている。隣の千葉県の三井化学株式会社の工場で大災害が起きている。膨大なものですよ。今日の公害による災害は。ですから、現実の問題として皆さん方の努力に報いておらぬ。結果論だけ私たちが言うことになるかもしれませんけれども、あまりにもむごい。大矢委員保安局長の質疑応答の中で、密閉したんだが、家族の許可を受けぬ人もある、そうして密閉している、こんなばかな話がありますか。密閉も全然効果があがっておらぬのです。ぼくもたまたま北海道へ行っておったのでおじゃましたところが、だれが指令を出したか、指令系統が判然とせぬ。北海道の鉱山局がやったのか、中央から熊谷政務次官並びに保安局長がきているからそこがやったのか、あるいは三菱美唄保安管理者がやったのかということを尋ねてみましたが、なかなか釈然とせぬ。しかし、そこへ行ってわあわあ騒ぐと、かえって災害あと始末をなさっているところのじゃまになるだけだから、私は黙って引きさがってきましたが、現実を見た。そういうことをやっておって、国会でだけ美言麗句で答弁してもものにならぬ。これから以後気をつけます、こう言っているその日に災害が起こる。こういう点についてもう少し明確に、大体遺家族にならぬうちに遮断した、二十四時間もたたぬうちに。家族の承認を得ておらぬでしょう、おらぬ人もおるはずなんです。そんなことをどこが許したかわかりませんけれども、少し明確にお知らせ願いたい。
  25. 井村重雄

    政府委員井村重雄君) 人命尊重はもとより最も何にも優先して大切なことでございます。それについては私どもいささかも感覚を誤っておらぬつもりでございます。なお、今日財政の硬直化ということも現実でございます。また行政の簡素化をやれということも国民の声でございます。私ども安全衛生局がこのままある、健在であることを願うものでございます。けれども、やはり国民的な要望にもこたえていかなければなりません。今回、あるいは場合によってはこの局が部というものに格下げになるかもしれませんけれども、その運営を誤らぬように格段の注意をいたしまして、特に局が縮小されたならば、なおさらそれにこたえてわれわれは運営に努力をいたしまして、人命尊重の御意向に沿いたいと、かように考えております。
  26. 西家正起

    政府委員西家正起君) 阿部先生の御指摘の太平洋炭磯の春採坑の災害でございますが、確かに私たちもここに参ります直前に災害の知らせを受けまして、実は先生方にお話しすべく、ちょっと早く参りましていろいろやっておったのでございますが、連絡が確かにおくれまして申しわけないと思っております。災害の内容につきましては、死亡者が三名、負傷者が三名、太平洋の春採坑の中におきまして、昨日の三方に崩落をし、きょうの十時二十分ごろに災害発生いたしております。報告がおくれまして、まことに申しわけないと思っております。  それから第二の点でございますが、先ほどの三片坑道遮断の点でございますが、救助活動の第一の責任者といたしましては、鉱業権者にあるわけでございまして、同炭鉱保安管理者の中尾保安技術管理者という方が救助隊の報告を受けまして、再爆発の可能性があるということでそういう判断をされまして、最初に会社側から家族の方々、それから組合の方々と話し合いを行なわれまして、その結果話がついたということで、二十一日の八時に私のほうの出先の近藤札幌鉱山保安監督局長に了解を求めに参られたような次第でございます。私のほうの局長も再爆発の可能性があるという判断をいたしまして、その措置に対しまして許可を与えた、こういうような次第でございます。なお、先生も御指摘がございましたように、後ほどこれはわかったことでございますが、家族の中で一家族、会社側が家族の方々を集めた際に一家族だけお話し合いをつけずに進んでおったというようなことが事実として後ほどわかったような次第でございまして、まことにこれは申しわけないというように考えておる次第でございます。以上、大体そういういきさつでございます。
  27. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 労働省政務次官に私は決していやみや、ことばじりをとって申し上げるのではありませんけれども、これはあなたが次官になる前々のことですから、あらためて申し上げておかなければなりませんが、太平洋戦争によりまして樺太がなくなり千島がなくなり、あるいは満州も日本人がおられぬようになって、朝鮮、台湾もなくなって、この四つの島に大体一億の日本人が生活しなければならぬ。これはたいへんなことであるということで、世界の第五番か六番目ですからね、日本の人口は。そこでこういう島におらなきゃならぬ、こういうときに、日本で労働者が足らぬという、まあ労働省の労働政策、あるいは労働行政、あるいは指導というものはどういうところにあるか私わかりませんよ。しかし、その労力の配置というものは、全部レジャーブームとかで、そういうほうにほとんど若い青少年諸君は行っておる。そんなところに行っておって、中小企業から始まって日本に人がおらぬということで、労務倒産なども起きておる。ですから、あなたのおっしゃる財政の硬直化、あるいはあわせて行政の簡素化もよく理解できますよ。しかしながら人命尊重が第一義的だということになれば、安全衛生局あるいは労働基準局というものは最後まで残らなきゃならぬ筋合いのものだと私は思っておる。そうでしょう。にもかかわらず、財政硬直化あるいは行政の簡素化というなら、何で去年八月に国会を通したのです。三カ月もたたぬうちに、はいこれはもうやめましたと、国民をばかにしておるというか、労働省腰くだけしておるというか、それをぼくは言いたい。それが一般的に労働省が人命を粗末にしておるということに通じておるわけです。魂が入っておらぬわけです。あなたが長い間やっておるわけじゃないから、あなたを責めるようになりますから、私これ以上は言いませんけれども、今度の国会に出せば、これは三分の二の議席を有しておる自由民主党が与党ですから、これは通るでしょう。しかし、それじゃ人命尊重の精神に全然相反しているということになるだろうと思う。その点の御見解を承っておきたいと思う。  その次に、保安局長さんね、実際まあ密閉が、仮払いが簡単な通風措置であったかもしれませんよ。しかし、あれは何も役に立たなかったのでしょう。結論的に言うと。何%ガスがたまっておる、そうすると爆発いたしませんよ、そうすれば坑内に入りましょうということで、中に人が生きているかいないかわからぬけれども、にもかかわらずそういう計画でやった。これはなるほどなくなる人はあるかもしれないと、しかし、ぴんぴんした人間を入れて再爆発しては、なお犠牲を多くするのみであるというような御計画でやったんだろうと思うのだけれども、すでにやった当時ガスがたまっておらぬ、何%しかふえておらぬわけだ。われわれのようなのが行って聞いてみても、これはいかぬよと思うのに、専門家のあなたたちが、札幌にも専門家がおり、本省から局長が中心となって優秀な監督官を連れて来ておるのですから、そんなべらぼうなことはないというような気がしますがね。
  28. 井村重雄

    政府委員井村重雄君) 仰せのとおりでございまして、私は議論を申し上げようとは存じませんけれども、ただ残念ながらこの労働省においては安全衛生局というものが設立の歴史が浅かったもので、一番先にやり玉にあげられたのじゃないかと非常に残念に存じております。私も自分の立場上考えてみて非常に残念に思っております。ただしかし、これが政府の方針である以上は、場合によってはやはり従うべきところは従わなきゃならぬかとも存じますので、これが後日局が部に格下げになっても、私は能率本位で、できるだけ能率的にひとつがんばってもらってその欠陥を補っていきたいと思います。しかしながらいま御指摘のように、何ぶん人命尊重ということはきわめて大事であり、また労働力が非常に不足しておるために、レジャー産業やそういう手をいためない、からだをよごさない方面に労働者は殺到するけれども、中小企業とかこういう方面の労働者は不足いたしておりますから、もちろん人命保安というふうな問題に力を入れなきゃならぬから、これがより一そう議会方面の皆さま方の御認識を一そう深めて、政府があらためてこれを復活することを私も期待をいたしております。
  29. 西家正起

    政府委員西家正起君) ただいま先生から御指摘のございました三片の遮断後のガス状況でございますが、結論的に申し上げますと、遮断をやる必要は、火源がなかったわけでございまして、やる必要はなかったとあとからは言えるかと思います。当時の状況といたしましては、メタンガスが相当ございましたほか、一酸化炭素が相当出ておりまして、かつ煙が見えたという状態で、もしかりに残り火があったと仮定いたしますと、さらに一酸化炭素ガスがふえてくる、こういうふうなことで、ガスのその後の量の観測をするまでは、もしかりに入ったときに、残り火があったと仮定いたしますと、いつ爆発するかわからない、こういう状態でございましたので、結果的には必要はなかったわけでございますが、その当時といたしましては、過去におきまして幾つか苦い経験もございますので、やむを得なかったのではないか、かように考えております。
  30. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 保安局長はいつ爆発するかわからぬからやったというが、しかしそれはあそこの炭層から何から言うて、その際ガスがなくなりますよ。それは瀝青炭とか粘結炭とかいう炭層なら別ですよ。いつ爆発して危険であるかわからないというような炭鉱であれば、あなたのほうで先進ボーリングをさせなければならぬでしょう。特にあれは断層に近かったのだが、それを先進ボーリングしなさいと言っていなかった。札幌保安監督局は言うておらぬのです。そうすると、これは断層はあるし、どんどんいっちまったら、これはマッチ一つ燃えても非常にえらいことですよ。こんなことは保安法を読んで三年くらいすればだれでもわかる。いまより七年くらい前に清水澤炭鉱というところで坑内火災が起きた。そうして何人か逃げ出したけれども坑内火災が拡大するということで密閉した。これはやむを得なかったのです。その後あと密閉したところをあけて、医大へ連れていって解剖したが、斉藤何がしという人と二人が六時ころから九時ごろまで生きておったのです。出ることができなかった。そういうこともあって、局長、指揮官が悪ければ部隊が全滅するわけですよ。保安監督局などは少し遊んでおってもいいが、そういうときこそ、一つ一つの要所がやっぱり大切なわけですよ。あなた方が年がら年じゅう三百六十五日忙しいということになれば、これはたいへんで、炭鉱なんかは操業していけないのだが、そういうときに組合の人から聞いたからよかろうなどということで遮断してしまった。この爆発では切り羽におった人、この人たちは一発でこれは即死だったと思います。しかしあとの人はこれは助かっているか、生きているかわからないでしょう。ドンといったら、もう密閉個所が全部破れているわけですからね。入気が通気になり、通気が入気になっているわけですから、それをあなた方が全くむちゃくちゃやっている。結果論ですから、これはわかりませんけれども、ぼくにして言わしむれば、十六名全部助かったとは申し上げませんけれども、まだ何人かを助けることができた、こう思うのです。訓練が悪かったのです。あなた一〇〇%をもってよしとするのですか。  それからもう一つ申し上げたいことは、組夫が非常におるのですね。いま平均して炭鉱組夫がふえてきましたが、大災害が起きた炭鉱、これは組夫によって災害が起きたということは申し上げませんけれども、やっぱり保安についての精神的支柱が欠けておるわけです。あの大災害が起きた九州の筑豊の三井山野炭鉱、ここなどはとにかく二百七十名ほどの犠牲者が出たのだが、これも組夫が膨大におる。伊王島炭鉱、これも組夫が膨大におる。組夫がやっちゃいかぬというところを組夫にやらしておる。私組夫だからけしからぬというのじゃなしに、やはり訓練が足らぬわけです。ですから大矢委員心配した農家の人が一人おるわけですが、そういう人を一人離れて仕事するようなところにやっているわけです。せめて五年なり六年なり訓練した鉱員のいるところに、おまえはあの人の応援だということで派遣させて仕事させるのならいいけれども運搬夫で一人で歩かなければならないところへ、三カ月前までたんぼを掘っておった人が出ておる。これはむちゃくちゃなんです。美唄炭鉱の経営者もけしからぬと言っておられるけれども、そういうところをあなた方が指導してもらわなければいかぬのじゃないか、そういうところを全然指導しておらぬ。組夫がふえてもあなた方がだまっておる、これはひどいじゃないですか保安局長
  31. 西家正起

    政府委員西家正起君) ただいまの第一点でございますが、爆発を起こしました際の火が燃えにくいか燃えやすいかという問題につきましても、会社側ではかなりな議論はあったようでございます。結論的に申しまして、会社の保安管理者が再爆発のおそれがあるということで許可を求めに見えたわけでございます。かつて三菱の新入炭鉱におきまして、二次爆発で一時爆発よりもさらに多い救護隊方々死亡者を出した例もございまして、もし万一再爆発を起こした場合には、救護に行かれた方はもちろんのことながら、まだ行方不明でおられる大ぜいの方々の命も今度はもう相当ガスのたまっている範囲が広くなっておりますので、そういう方たちの生命もあぶない、こういうことで許可を求めにまいられたわけでございまして、監督局長といたしましてもそのとおりだという判断をいたしまして、許可をしたような次第でございます。結果的に見れば、そのために確かに先生御指摘のとおり、救護活動はまる一昼夜近くおくれたということ、こういうことも事実でございますが、その際の措置といたしましては、まことにやむを得なかったのではないか、かように考える次第でございます。  それから組夫並びに季節労働者の件でございますが、今回の罹災者の中におられます季節労務者の方、当炭鉱には季節労務者の方はかなりそのほかにもおられるわけでございますが、今度罹災された季節労務者の方は昨年の十二月に初めて炭鉱に見えた方のようでございます。初めて見えた方に対しましては、大体において会社側におきまして、六日間坑内作業の基礎知識、あるいは災害時における待避の通路、あるいは一酸化炭素のマスクの使用方法、保安規則、また美唄炭鉱のいろいろな坑道、傾斜坑道あるいはロープの使い方、あるいは仕事上の注意等を教育いたしまして、さらに実際には一人では作業をさせない、ほかの方々と一緒に仕事の習得をさせながら作業をさせる、こういうようなことに相なっておったようでございます。しかしながら、先生御指摘のように確かに請負組夫は、私どもでも請負組夫の坑内作業につきましては届け出制をとりまして、運搬、仕繰り等の一定の作業以外には使用さしていないわけでございますが、確かに先生御指摘のとおり、請負労務者並びに季節労務者等につきましては、今後とも一段と保安教育を強化する必要があるように考えておる次第でございまして、そういうふうに今後とも努力をいたしたいと考える次第でございます。
  32. 阿部竹松

    ○阿部竹松君 質問を続けておりますと、切りがないですからこれでやめますが、いまガスの器具使用法とかその他について訓練指導すると言いましたね。しかし昭和十八、九年、二十年に近くなって太平洋戦争がいよいよ敗色濃厚になって、あぶなくなったというところで、国家総動員法というものができたわけですね。国家総動員法を適用して東京からもまいりましたし、大阪、名古屋から、九州、北海道両方へ動員した。床屋さん、ふろ屋さん、洗たく屋さん、町工場の人も全部炭鉱に動員した。石炭の一塊は血の一滴であるということで動員したんです。したがって、床屋さんであり、あるいは洗たく屋さんであり、ふろ屋さんですから、坑内の「こ」の字もわからない。十万トン掘るごとに一人の犠牲者が出る。しかし、戦争に負けられぬということで大いに掘らせたわけです。けが人も出ましたが、そのときは坑外は短いところで半月、坑内ですと一月は訓練してから坑内入れたんですよ。いま人命尊重を一枚看板にする佐藤内閣になって、太平洋戦争の苦しいときよりもひどいということはないでしょう。特に美唄炭鉱昭和十九年に大爆発が起きて、六十五名が一瞬にしてなくなった炭鉱ですよ。それから昨年の暮れからずっと非常に落盤とかあるいは坑内災害で、これは局長さんお調べになってみるとわかるけれども、日本の全国平均の中で、けが人はトップクラスのはずです。現地へ行ってみると、優良炭鉱でおれのところは災害がない、こうおっしゃっておるが、去年の一月だけでも五、六人なくなっていますよ。それをいまあなた見なくても、省に帰って見ればよくわかるはずです。そういうような炭鉱です。ですから、一回悪いことをしたから二回目は気をつけろなどと言いませんけれども、そういうところにはやっぱり特段の注意が必要で、行政指導の面で的確にやってやらなければならぬと私は思う。したがって、そういう点について今後どういう方法で——ただ保安を強化しますなどという一片の通りことばでなくして、どことどことどうする、先進ボーリングをやらなければ掘らせませんよ、もうからなかったらやめなさい、外国からどんどん安い油が入るから、おまえのところは人を殺してまで石炭掘るな、これくらいの馬力でやらなければなかなか炭鉱災害はなくならない。  それから、石炭局長一つお伺いしたいけれども、貿易の自由化、経済の自由化ということで、一つの自動車会社でなかなかやっていけぬということで、自動車会社が合併して大企業にして外国資本と対抗しようとか、あるいは造船会社等においても合併して大きな企業にして基礎を固めて、それから外国資本に対抗しようとか、国内で優位性を保とう、こういうことですね。ところが、炭鉱は一番苦しい斜陽産業といわれておるけれども、三菱は三菱でぱらぱらと合併どころか、かえって小さく切って経営しているんです。三井もしかり、北炭、住友もしかり、こういうことは石炭局長も行政指導の面で苦労なさっておると思うけれども、どういうわけであらゆる産業が合同化をはかってやっているときに、基礎の確立をはかってやっているときに、斜陽といわれる石炭産業がなぜばらばらにして経営しているか。ぼくらをして単純に言わしめれば、賃金を下げるときには期末手当も安くなるだろう、あらゆる面で大手でない、うちは中小企業だからということで、そういう面での経営の合理化という美しい名前で経営していくために、こういう災害が起きるのではないかというようなことを考えておるわけです。これに対しての見解を承りたいのですがね。今度の爆発した三菱美唄炭鉱も、井上さんが石炭局長で相当厳重に、山野炭鉱の例があるものですから、保安確保について相当厳重に申し渡して第二会社を認めたように承っておるわけです。いまはこれ以上申し上げませんけれども、大臣と十分相談して、私は保安の確立を期していただかなければ、ただ委員会でぼくたち何ぼあなた方に質問して、あなた方課長さん、係長さんあたりから聞いて集めてぼくらに答弁しても、保安の確保はできませんよ。ですから、以上の質問で私はやめますが、将来どうするか、もう少しいまの答弁をできればお伺いしたいと思います。
  33. 西家正起

    政府委員西家正起君) 美唄炭鉱に対しましては、先ほど先生の御指摘の先進ボーリング等につきましては、いま少し原因等を調べました後で、必要がございます場合は先進ボーリング等の指示もいたしたい、こういうふうに考えておりますが、とにかくわれわれのほうといたしまして考えておりますのは、これは当初から来年度重点を置いてやろうと思っておったのでございますが、保安教育の強化ということで保安センターを極力利用いたしまして、山の保安教育をもう少し徹底させる。それから今度の場合にかんがみまして、まだ原因と直結するわけではございませんけれども、自動警報機等保安機器の整備を一段と強化するよう炭鉱のほうに命じたい。また、新しい保安機器の開発につきまして、まだございませんけれども、これはいますぐできるわけではございませんけれども、極力これを促進いたしまして、開発した暁には、これを炭鉱にできるだけ早く整備する、かようなことによりまして、同じような災害が起こらないように十分に監督を強化していきたい、このように考えておる次第であります。
  34. 中川理一郎

    政府委員中川理一郎君) 石炭産業の現況につきましては、阿部先生はじめ十分御承知のことと思いますが、昨年度の政策でもなかなか楽観を許さない状況にございます。御質問なさいましたような企業の合同というような形がいいのか、あるいはまた中小でたとえば管理能力の非常に行き届いておる山などを見ますと、石炭産業というのがきわめて自然に密着した産業であり、阿部先生が例を引かれたほかの産業のように単純に合体してある個所に大きな工場を集約的につくるというわけにもいかない。それぞれの鉱区に従って生産活動を続けておるという産業でありますので、管理能力というような面から見て、あるまとまりで指導者の指示監督というものが十分に行き渡る範囲内でやったほうがより能率的であるという御意見もありましょう。いろいろなことを考えておりますが、ただいまの時点でどういう形がいいのか、はなはだ残念でございますが、いまの状況で私が何らかの意見を申し上げる段階には至っておりません。これは先生方の御意見をはじめ関係者の御意見をいろいろお伺いして、最も望ましい姿というものをこれから見出していかなければならぬだろうと考えております。事が保安の問題でございますので、保安確保という面でどういう形が一番いいかということにつきましては、また保安局長の意見等も聞きまして、十分考えていきたい、かように考えておるわけであります。
  35. 小林篤一

    小林篤一君 私の申し上げることについては、石炭局長からお答えを願えばいいと思っております。このごろ美唄炭鉱災害のために再建不能だというような評判がたいへん伝わっているのですよ。ほんとうにそういうような状況であるのかどうだか、まあ被災者に対してどのくらいの金がかかるかというようなことも大体見当がつくでしょうし、あるいは坑内をどう整備するかということも、専門家のあなた方なら大体見当がつくはずですが、実際もう見込みがないような状態なものであるかどうかということをひとつお伺いし、それからこの点については、炭鉱一つやめるということは大問題でございますから、石炭局のほうとしても十分ひとつ再建のできるような手伝いをやってもらうということも必要だろうと思いますが、とにかくこういううわさというものは、働いておる人たちにたいへん動揺を与えますので、どうにかなる炭鉱でも従業員が離脱してしまえば仕事ができなくなってしまうわけでありますから、こういううわさというのは、通産省などが対策をお考えになって、さっそく打ち消すようなことをひとつこれはやってもらいたいという考えなんですが、この点についてお伺いしたいのです。
  36. 中川理一郎

    政府委員中川理一郎君) ただいまの小林先生の御意見でございますが、災害といたしましては、人命に関しましては非常に大きな残念な災害でございましたが、企業経営という点を考えますと、この災害はさほど大きな災害ではございません。比較して恐縮でございますけれども、三菱の夕張にございました災害は、人命あるいは負傷者というものには全然被害がなかったわけでございますが、企業的には非常に大きな損害を受けたケースが昨年ございました。そのことに比べまして、美唄鉱業が今日の災害で非常に大きなダメージを経常的に受けたというようなことではないと私は考えております。三菱鉱業から分離いたしまして、美唄鉱業としてやっております経過からみましても、これはもちろん石炭産業全体が不振でございますので、平均的なつらさというものでは当会社も苦しんでおるようでございますけれども出炭その他の数字からみますと、災害時までかなり順調にやってきております。分離時に三菱から借りた融資という形で受けております金額につきましても、経過的にはかなり順調に返済をしてきておるというようなことでございまして、御心配のようなことはないと私は考えております。
  37. 小林篤一

    小林篤一君 そこでもう一つ、そういううわさというものは、さっきも申し上げたように従業員に非常に不安動揺を与えますから、これをひとつ不安動揺のないように手を打ってもらわなければいかぬと思う。これはどこで手を打つべきかわからないが、これはやっぱり石炭局などでこれをやっていただけるものだと思いますが、どうですか。
  38. 中川理一郎

    政府委員中川理一郎君) おっしゃいますように、このような災害がございませんでも、石炭産業の将来というようなことをそれぞれの労働者の方がお考えになって、きわめて不安な感情をお持ちになって、それが労働力不足問題としていまの苦しい石炭産業を一そう苦しめておるという悪循環をしておることは、先ほど来大矢先生、阿部先生のおっしゃったとおりでございます。それであるだけに、災害がこれに拍車をかける、事故がこれに拍車をかけるというようなことのないように、保安の確保ということは保安局のみならず、企業として担当いたしております石炭局といたしましても、ひとつここで大きな事故がございますと、そうでなくともかなり浮き足立っておるという状況に拍車をかける状況になりますので、出炭不振が経理を圧迫しておるという事実もございますので、出炭を順調ならしめる上におきましても保安確保というものが何よりまして最大の前提条件であるというふうに私ども考えておるわけでございます。先ほど申しましたように、美唄炭鉱につきましては、直ちに私どもが何か資金面での援助をしないと非常にあぶないという状況にあるとは私考えておりません。そういう状況でございますので、もしそのことを明らかにすることによってでもかなりの気持ちの上で転換があるということでございましたならば、その趣旨のことを私ども申し上げても差しつかえございません。何か効果的な方法がございましたら、くふうをいたしてみたいと思います。
  39. 宮崎正義

    ○宮崎正義君 いまお話になりました中で、分離の当時に融資されたものが順調に返済をされておるということなんですが、大体従業員が約千九百名、それを中心にして約一万人の人が生活をしておるような状態であります。で、美唄事故の歴史からみましても、今度の十六人の人を入れて三百十名以上の人が美唄炭鉱ではなくなっておるように覚えておる。この事故発生坑というのは、一時会社はスクラップ坑にしたいんだ、こういったような話も聞いているわけですから、これがいま言いましたような行き方で、融資を早く返済しなければならないとか何とかで、少し無理がかかってきているようにも言われているんですが、どうしても事故というものは何かの無理があって発生するんだということから考えましても、このスクラップ坑にしたがったんだという会社側の意見に、従業員の人たちが、言うならば労組の人たち採炭を続けるべきだという、そういうようなことの調整ができなかったんじゃないかというようにも聞いておりますが、この点どうなんですか。
  40. 中川理一郎

    政府委員中川理一郎君) 当社が三菱鉱業から分離します過程におきましては、三菱鉱業自体としてはこの山を採算的に維持できないという感じから閉山したいという気持ちを持っておったことは事実のようでございます。その際、職員、労働者を含めました生産を続けたいという熱心なお気持ち、地元側のあくまで生産を続けてもらいたいという切なる希望がありまして、いまのような形で会社が発足したわけでございます。この際の分離後の条件としてきめられましたこと等を見ましても、なくしてもいいと思っていたぐらいのものを続けるということでございますので、あまり無理な負担を独立後の新会社に与えないという配慮は、当時としては十分行なわれておったと、私は当時の資料をこの災害の直後に少しく調べてみました。先生おっしゃるように、何か独立後の経営上の無理が保安確保の面に支障を与えておるというようなことではたいへん申しわけないという感じで実は調べてみたのでございますが、さほどのことはございません。どう申しますか、一回閉山というようなことまで予想された山が、その後独立経営をやりましたケースにつきましては、かなり全山の勤労意欲、経営意欲というものが顕著に働いて成績のいい状況が生み出されることがままございます。それからまた先般私九州である山、同じようなケースの山を見たわけでございますが、やはり採掘技術その他の進歩、あるいは機械化の進歩というようなもので、閉山を考えた時期には一人当たり能率、ここまで機械化できないという条件で閉山やむなしと考えておったものが、その後の技術進歩で成り立つようになって、いまになって振り返ってみると、なぜそんな話が出たんだろうかというようなことを笑いながらやっておるというケースもございまして、本件の災害につきまして、経営上の問題が大きくあったというふうには私は考えておらないわけでございます。
  41. 光村甚助

    委員長光村甚助君) 他に御発言もなければ、本件についてはこの程度にとどめます。  ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  42. 光村甚助

    委員長光村甚助君) 速記を始めてください。  次に、昭和四十三年度石炭関係予算に対する質疑のある方は、順次御発言願います。
  43. 大矢正

    大矢正君 石炭局長にまとめて予算に関連をしてお尋ねしておきます。とりあえず三点だけお答えをいただきたいと思うのであります。しかし、この三点は相互に関連のある問題でありますので、いままでの予算編成の経過等を含めてひとつお答えをいただきたいと思います。  第一の問題は、この特別会計の歳入となっておりまする関税収入の見積もりについてであります。これは昨年四十二年度の予算編成の際には、関税収入プラス一般会計からの繰り入れ二十数億円、合わせて五百二十一億円の予算が組まれたことは御了承のとおりであります。そこでまず基本的な問題として、関税収入はあくまでも見積りで、これに入れるとすると、実際に関税収入が予想を上回った部分について、一体これからはどうなるか。そこで特別会計ができた四十二年度でまいりますと、四十二年度の関税収入というのは、四十二年の予算が動き出してからでないと確定しないわけです。そういたしますと、四十二年の確定した関税収入というものを、かりに不足分というか、見積りの過小分を特別会計に繰り入れするということになると、四十四年度でなければ出てこないということになるのでありますが、その点については大蔵省とどういう話し合いになっているのかということが一つ。それからいま言ったように、本年は一般会計からの繰り入ればゼロである、なぜゼロであったかということ。昨年の一般会計繰り入れの際の初めの経過も私どもあるわけでありまして、この二つ、まず第一に伺いたい。  それから第二の点は、この予算の詳細を検討さしていただきますと、石炭特別会計というものが一体何をねらいとしているのか、意味がわからなくなってくる。それは昨年の五百二十一億円に対して、新年度の五百九十六億円、表面上におきましては七十億円を上回る程度の予算増加とこうなるわけであります。ところが、現実にその予算を使用する段階になって各項目を拾ってみますると、石炭産業というものと取り組んで、これを前向きに石炭産業——これは企業も含めてでありますが、施策を講ずるということにはほど遠い内容である。なぜかと言えば、この中で前向きのものと考えられるのは、抗道掘進に対する補助金が十三億円と合理化事業団に対する出資金が八千万円、これしかない。あとは全部これは消極的なというか、石炭産業が撤退した場合にどうするかという金の使い方であります。たとえば大きなものを拾ってみますと、鉄鋼と電力に対する増加引き取り交付金が、昨年の四十億に対してことしは八十億で倍に伸びている。しかしこれは、石炭産業それ自身にどれほどの直接的なプラスになるかというと、非常に大きな疑問とするところであります。これが第一点。第二は、鉱害が十四億六千万円ふえている、これが一体石炭産業の前向きな予算であるかどうかということはまことに疑わしい。産炭地振興二億四千万円、それから事務費が八億円、合わせて六十五億円、このようにふえる部分の八割から九割というものは石炭産業それ自身の直接的な予算としての効果をあらわさないものなんですね。こんなことで一体石炭特別会計とはたして言えるのかどうかという問題であります。私どもは、少なくとも石炭特別会計というものを設置したその目的の最大のものは、付随的にはそれは産炭地振興であり、鉱害なりというものがあるかもしれないが、石炭産業、それをさらに分解していけば石炭の個別の企業、あるいは働く人々、こういうものにどうやって施策を充実さしていくかということにあると考えておりますが、いま言ったように、まことに本旨とははずれた結果になっているということが第二点、この面のお答えをいただきたい。  それから第三点は、昨年の四十二年度の予算編成の際には、事務費というのは一億何がししがなかったのでありまするが、今度は九億一千万円になった。八億円ふえた。事務費が八億円なぜふえたのかと思ってこの特別会計の予算書を拾って見たところが、全部人件費、その人件費は一体何が入っているかというと、石炭局、それから保安局もこれは入っているのじゃないかと思うのでありまするが、そのようにして従来通産省の人件費として扱われたものがそっくりそのまま特別会計の中に入れられている。そこで八億円もふえてくるのですね。こういうことではたしていいのかどうかということですよ。なるほど、ほかの特別会計を調べて見れば、人件費を出している特別会計もありますよ。しかし、この特別会計というのは、特定の財源に基づいて特定の目的のために使う特別会計ですよ。必要によって必要なだけ予算編成をするというものではなくして、もう一般会計から繰り入れがないといたしますと、結局関税収入しかない。その限定されたワクの中での政策であり、予算措置なんだから、そこへ今度はいままでないものを持ってきて入れて、それが政策であるならいいですよ、新しい石炭政策ならいいけれども通産省の人件費を持ってきてここへ入れるなんということは、他の特別会計でたとえそういう人件費を出しているといたしましても、私はこれは全く理屈に合わぬことである、こう思うのであります。したがって、これはどれも関係のある問題でありまするが、以上の三点についてお答えをまとめてひとついただきたいと思います。
  44. 中川理一郎

    政府委員中川理一郎君) 今回の予算案でございまするが、最初に関税収入の見方についての御質問であったかと思います。私どものほうの当初大蔵省に対する要求案といたしましては六百五十四億円という、これは全くの原重油関税収入でそれだけあるだろうということで要求をいたしておったのでございますが、この中には原重油の消費ベースでの伸びの上に、昨年の油の入手難というような問題が出ておりましたことにかんがみまして、備蓄用の油を持つという考え方が出ておりまして、それが通常の消費ベースよりも相当ふえるんではなかろうか、備蓄用原重油というものを念頭に置いて通常の伸び率よりも大きいものを考えておったわけでございます。その額がおそらく通常在来ベースでの伸びで見ますと、六百億前後とこう考えておりまして、備蓄用で少しふえるかと、こういう感じを持っておったわけでございますが、その後の情勢を見ますと、なかなか備蓄用としての原重油を持つということの、貯油槽の建設準備というようなこと、いろいろ実際問題として考えますと、なかなか四十三年度内にさほど大きいものができるという見込みが立たない。いずれにしましても非常に不安定な要素であるということで、総額大体六百億円前後という見当を私のほうと大蔵省のほうとで話を詰めた。それをワク組みといたしまして話を進めてきたわけでございます。  それから四十二年度の関税収入につきましては、年度当初に考えておりました四百七十四億円に対しまして、相当やはり超過が出てまいりますので、これは昨年末に補正予算をお認め願いましたときに収入見込みを改定いたしまして、四十一億円補正財源としてプラスをしたわけでございます。したがいまして、四十二年度締めて見ないとわかりませんけれども、そう大きな変動はなかろう。若干のものがやはりこの種の見方の性質といたしまして、若干は手がたく、かために押えておりますので、幾らかのものはふえるかと思われますが、そう大きな額には四十二年度はならないのではなかろうか。四十三年度につきましては、年初に想定しております六百億前後というものが、これはオーダーで少し違い得ることは可能性としてはございます。これは特別会計の仕組みとしましては、歳入としては入ってくる、つまり支出権のない歳入として上がる、こういう形でございます。予算項目を設定しておりますので、この項目以上のものは、収入がございましても、特別会計の収入としては入ってまいりますけれども、歳出権を伴なわない、こういう形になっております。
  45. 大矢正

    大矢正君 次年度どうなる。
  46. 中川理一郎

    政府委員中川理一郎君) 四十二年度での超過分につきましては、これは四十三年度で受け入れる仕組みに相なっているのでございますので、そこで歳出権のない歳入として入ってくる、こういうことだと思います。  それから一般会計からの繰り入れでございますが、四十二年度は御指摘のとおり四十六億円一般会計から特別会計へ組み入れまして、四十二年度予算をおつくり願ったわけでございますが、今回は一般会計での財源難というような問題が非常に緊迫した形で出てまいりました。片方原重油関税収入も、まあ固めに見ても六百億程度はあるという感じでございましたので、今回の総体的な財政状況から見て、一般会計からの繰り入れということは期待できないという考え方でこのような案にまとめたわけでございます。  もう一つ御指摘がございましたように、これとは逆に、四十二年度まで一般会計の負担に相なっておりました石炭局、鉱山保安局関係の人件費を中心にした事務費が、今回は特別会計の負担ということで、約在来に比べまして八億円ふえておるわけでございます。これにつきましては、大矢先生御指摘のような特別会計設定のときの議論等いろいろございまして、最終的には大臣の折衝にも持ち込むというようなことで、いろいろ努力をしたのではございますけれども、先ほど申しました繰り入れ期待ができないという事態について申しました一般財政事情というものと同じ感触で、今回はやむを得ないのではなかろうかということに判断をいたしたわけでございます。これはただし大蔵案よりはさらに一般会計に残す分を、最後お話しをいたしまして、一億円ばかりまた一般会計へ戻すというようなことをやっております。  それから全体として特別会計の趣旨に照らして石炭産業の安定というような面での予算項目の額が少ないではないか、どちらかといえば鉱害であるとか産炭地だとかいう、いわばアフターケア式な予算が多いではないか、あるいは電力、鉄鋼に対する増加引き取り交付金のようなものが大きな額を占めているではないか、前向きなものとしては坑道掘進補助が若干ふえたのと、合理化事業団に対する出資金がごくわずかふえただけではないかという御意見でございます。これは私どもといたしましても、その五百九十六億円余の中で、いまの一般情勢、客観情勢をふまえまして、どこまで石炭産業の安定に資する前向き項目をいささかなりともふやせないかというところが、先生の御批判にもございましたけれども、実は私どもとしても折衝にあたりましての最大関心事でございます。結果、必ずしも御満足を得ないことであろうかとは思いますけれども、一般的に、たとえば坑道掘進の補助で申しますと、私どもは最終での話といたしましては、できれば補助率の引き上げというような形で掘進の強化をはかりたいということで折衝を進めたわけでございますが、今回の予算につきましては、政府全体として補助率を引き上げるとか、あるいは新たな補助項目を起こすというようなことについては例外なくやらないんだという非常に強い壁がございます。そこで、ここで若干のものがふえておりますのは、実体的に補助率引き上げになるようなことを考えるということで、単位当たりの価格で実情に合わないものを引き上げる、あるいは六カ月未満の坑道は従来一般坑道の中で掘進補助の対象にしていない、こういうものを新たに補助対象に引き上げるというようなことで、この面で私どもなりの努力をいたしまして、掘進費補助金をふやしたわけでございます。  なお、合理化事業団出資金は、総額としてはわずかな増加でございますが、御承知のようにこれは融資という形で回転をいたしておりますので、お手元にお配りしたかと思いますが、それぞれの貸し付け規模で見ますと、前年度よりは相当ふやしておるのでございます。ことに、先ほど申しましたような補助率引き上げ、あるいは新たな補助項目を認めないという一般ルールにさからわない範囲内におきまして、この表で申しますと、石炭坑の近代化資金といったようなものにつきましては、従来の融資比率四〇%というのを五〇%に上げる、新坑開発並みに上げるというような、若干目立ない努力をいたしたわけでございまして、無利子の融資でございますし、石炭産業全体がいま資金繰りに困っておるという状況から見ますと、これらの融資比率の引き上げは実質的にはかなりきくのではないかと私どもは考えておるわけでございます。  以上申しましたようなことでございまして、いま置かれております石炭産業状況から見まして、先生方の御満足を得られない、不十分であるという御感触もあろうかと存じますが、財政全体の状況、あるいは石炭産業を今後どのように考えていくかという上につきまして、かなり流動的な事態もございますので、四十二年度予算の考え方の延長の上に立ってアフターケアをするという仕組みで取り組みました予算といたしましては、私としてもこの程度のことで満足をすべきではなかろうかと考えておるわけでございます。
  47. 光村甚助

    委員長光村甚助君) 他に御発言もなければ、この程度にとどめます。     —————————————
  48. 光村甚助

    委員長光村甚助君) この際、委員派遣に関する件についておはかりいたします。  石炭対策等に関する調査のため必要が生じた場合の委員派遣につきましては、これをすべて委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 光村甚助

    委員長光村甚助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十分散会