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説明員(
藤繩正勝君) お答え申し上げます。
最近の交通
事故の激増に伴いまして、自動車運転者の労働条件につきまして非常に御関心が高まっておるわけでございまして、私どもといたしましても、ハイタク、トラックあるいはいま御
指摘の
砂利トラ等につきましても従来より相当ピッチを上げまして
監督を強化してまいっております。特に、御
指摘の
砂利トラにつきましては、一般のハイタク、トラックも含めまして、自動車運転者の労働条件が他の
産業の労働者に比較いたしまして、労働時間、休日等、非常に悪い状態にあるということを私ども問題にいたしておりますが、中でも
砂利トラの
運転手につきましては、非常に遺憾ながらよくない状態にございます。一昨年、先ほども
お話がありました愛知県の猿投町の
事故がありまして、その後、私ども直ちに全国で約六千四百の
事業場を当時一斉
監督を行ないました。非常に状態が悪いものですから、二百九十カ所ばかりの悪質な
事業場を送検いたしたことがございますが、そういう特に悪い
事業場について見ますると、労働時間が一日十時間をこえておるであろうというようなものが全体で四六%もあった。これは非常に悪いやつの中でございますが、あった。あるいは一カ月以上休日を与えていないというものが全体の半分近くあった。全体のというのは、その悪質な送検したものの中でございますが、そういう状態でございまして、たいへん悪い状態でございます。そこで、その後も、昨年の春、秋にも一般に交通安全週間に自動車運転者の労働条件の
監督をいたしておりますが、その際にもダンプカーを含めまして
監督を行なっておりまして、四十二年の春には千六百五十七の
事業場、秋には千四百六十一の
事業場を
監督をいたしておる、こういうような状態でございまして、今後とも十分目を光らしていかなければならないというふうに思っております。ただ、問題になりますのは、先生も御承知と思いますが、ダンプの自動車の場合には、いわゆる一人一車、つまり自分で車を持ってやっておるという人が非常に多うございまして、猿投町の
事故のあとで、先ほど申し上げました
監督を行ないました場合にも、結局、そういうものが非常に多い。したがって、労働
基準監督署で出向きましても雇用
関係がございませんので、労働
基準法に基づく
監督ができないという事情がございまして、あのときにも約千の
事業場につきましてはどうも道路運送法といいますか、そういった
関係に問題があるのじゃないかというふうに私ども思いまして、
基準法ではどうにもなりませんので、約千の
事業場を陸運局に通報したというようなことがございました。その後も政府部内の
関係会議等でその問題を私どもから提起いたしまして、ぜひ
関係各省、御協力をいただいてこの問題は解決しなければならない。また、労働省といたしましても一人一車の場合にも、たとえば親方が失業保険をかけておるとかそういうようなことがあれば、できるだけ雇用
関係が実質的にあるという判断をして、
基準法の面で
監督をしていくという線を出しておりますけれども、非常に大きな問題としてそういった問題があるということを付言さしていただきたいと思います。