○沢田
政治君
需給安定機関の
必要性は今日といえ
どもさらに必要を感じているほどであって、もういいんだというように、必要ないんだというように
考えておらぬということを聞きましたので、その限りにおいては全く私
どもの
考えておることと一致いたしますので、重ねてお聞きする必要がないわけでありますが、ただこの中身に入っていくと、いろいろな議論があると思うわけであります。
地職さんが言ったように、一手買い取り公団ですか。こういうものもあるし、いろいろな多様性のある形があるでしょう。それを議論してさらに
意見を求めたとしても、きちんとしたものは
業界としてまだきまっておらぬと思うわけであります。したがって、これ以上はこの点についてはお聞きいたしませんが、ただ金の緊急
対策、この点について、もうちょっとだけお聞きしたいと思うわけであります。大体大筋においては私
ども考えておることと同じでございます。恒久策も必要であるし緊急策も必要である、両面の
政策が必要であるということも一致しました。ただその中において、緊急策としていろいろな数をあげられておりますけれ
ども、
可能性、こういうことが
考えられる、こういうことが望ましいということをあげられておりますけれ
ども、その中において、たとえば現在
事業団で行なっております新鉱床
探査補助金、このワクの中で何らかの配慮を金にしたらどうかということも一方法として
河上参考人があげられておるようでありますが、私はこの点について
鉱山局長とも若干の
質疑をかわしたわけでありますが、これは金のみに新鉱床
探査補助金が出されておるわけじゃないんです。対象業種、
鉱種十七あるわけでありますね。しかも額が無限大にあるものであればいいのですが、無限大までとはいかないまでも、二十億とか三十億あるならば、その中でこの際金の緊急
対策も必要なんだからある程度窮迫時に見てやろうということもぼくは可能だと思うのです。ところが多くある
鉱山の中でわずかに四億円そこそこでしょう。これを金のほうに振り向けることによって何かの業種のほうが圧迫されることは物理的に明らかなわけですね。したがって私
どもの
考え方としては、やはり新鉱床
探査補助金以外のワクとして、特に金については緊急性もあるし国際通貨
政策あるいは国際収支の
政策、そういう
観点から
政策的に緊急性が特にあるのだから、別ワクに何らかの補助、奨励金というかっこうで出すべきだ、こういうまあ
意見を私自身は持っておるわけです。したがって、新鉱床
探査補助金のワクの中で
考えるということは、そのものはいいとしても、他の業種、他のほうに圧迫を加えることになるからいまの額を見ても不適当じゃないか。こういうようにまあ
考えますので、いまでなくても
山野上さんに次に御質問したいと思いますので、その際にあわせて御答弁をいただきたいと思います。
次に、
山野上さんにお聞きいたしたいと思います。大体要約して四点にわたって御質問申し上げたいと思います。
硫黄は、経済にとって非常に
必要性があるものである、重要な位置を占めておるということは、描象的には多くの国民や
政治家もあるいは関心を持っておる方々が知っておるわけでありますけれ
ども、具体的に石炭ほど知られておらないわけですね。
産業にどういう裨益をしておるのか、貢献をしておるのかわからないのが
実情じゃないかと思うわけであります。特に私
考えますのには、
日本の戦後の復興は石炭とつまりS——
硫黄、硫化、これから始まったのじゃないかと思うのですね。したがって戦後の
政策を見ましても、たとえば炭鉱住宅とか硫化住宅とかこういうものを国が率先して金を出したわけですね。そういう事実を見ましても、
硫黄というものは戦後の復興に対してどういう貢献をしたかということは、私はうかがい知ることができると思うわけであります。石炭の場合はエネルギーですね。工業復興のためにはエネルギーというものは不可欠な要素なわけであります。と同時に、あの荒廃した戦後における何といっても国民が生命を維持しなくちゃならぬ、食糧を確保しなくちゃならぬ。こうなりますと、
肥料というものは当然これは前面に出てくるわけであります。
肥料ということになると、硫化とかあるいは
硫黄、こういうものが出てくるわけでありますね。だけれ
どもなかなか一般の人が
硫黄というものが戦後の
日本の復興に対して、あるいは
戦前を含めて、どういう貢献をしたかということは案外知られておらないわけであります。これは
肥料という分野ばかりじゃありませんね。私はしろうとでありますけれ
ども、紙パルプとか非常に広範な範囲の工業に対しても、それぞれの貢献をなしておるということでありますから、まあ大体経済に対してどういう
影響を与えてきたかということをかいつまんで、まあここで私も勉強になりますから、御説明願いたい、こういうように
考えるわけであります。さらに先ほど
山野上参考人が
公害対策に基づく
石油の
回収硫黄というものがどんどん出てきておる、もう数年たったならば
国内の
山硫黄をはるかにこえて、既存の
山硫黄は重大なことになる、経営の基盤というものを根底からゆさぶられることになる、こういうまあ
立場に立った御説明があったわけでありますが、その
実情をもう一歩突っ込んでお聞きしたいと、このように
考えるわけであります。
次は、いまお聞きしました第二点と
関連するわけであります。かりに皆さんが望むような、私
どもも望んでおりますけれ
ども、
山硫黄と
回収硫黄の競合
関係を、
国内硫黄が成り立つように調整すべきである。こういうまあ
考え方をわれわれ自体としては持っておるわけであります。かりに、その調整策がなったとしても、やはり将来はこれは
自由化されるでありましょうから、いつかは別といたしましても、そうなった場合、
鉱山硫黄自体としての国際経済競争力、こういうものをどういうようにしてつけていくか、こういうことをお聞きしたいわけであります。そのためには
企業努力もさることながら、
企業努力だけではだめですから、もうすでにつぶれるかというところまで、どんじりまできていますから、それだけに皆さんの
努力を望みたいわけでありますけれ
ども、皆さんの
努力だけでは何ともならない物理的な条件が現に出てきているわけであります。したがって、先ほ
ども若干
要望しておりましたけれ
ども、思い切って、一体何を望むのか、まあここは国会でありますから、具体的に遠慮なくこういうこと、こういうこと、こういうことをやってもらいたいということを、一歩突っ込んでここでお述べ願いたいと思うわけであります。ただ単に
政府なりあるいは立法の
立場において、
努力せよとか
合理化目標はどうとかと言ったって、ことばだけでは解決できない問題があると思うわけであります。したがって、
合理化をするためには何を望むのか。どういう裏づけが必要なのか、こういう点を、おぼろげながら私
ども知っておりますけれ
ども、専門家でありませんので、わからない点が多々ありますので、その点をお聞かせ願いたいと思うわけであります。たとえば
調整機関をこうしてもらいたいとか、
回収硫黄をどっちにどうしてもらいたいとか、これは
鉱業審議会で議論しているようです。分科会で絶えずこれはユーザーと
生産者とまた第三者を含めても、うまく話し合いがつくとは、望んではいますけれ
ども、私
どもは確信を持てないと思うのです。その際に、
政府にどういう態度をとってもらいたいのか。それともう一つは、ともかく将来の
合理化目標はけっこうでありますけれ
ども、いま現在でも金融面から非常にあぶない
状態、赤信号にある山もたくさんあると思うわけであります。したがって、金融の問題はぼくは緊急な問題だと思うのであります。五年後の問題ではないのです。大谷重工がつぶれるとかつぶれないとか問題になっておりますけれ
ども、もう五年とか三年後の問題あるいはまた
鉱業審議会の分科会で結論を出すまでというような問題ではないと思うのです、金融の問題は。だから金融の問題については、そういう
政策を将来決定することになるわけでありますが、その以前に、どうしてもらいたいのかということをひとつ明らかにしていただきたい。こういうように
考えておるわけであります。それと同時に、たとえば石炭と同じエネルギーである
石油との競合、こういうことから油のほうが経済的に勝って、石炭のほうが非常にまずい
状態になっておる。そういう面からこれは一つの
政府の
政策でありますから、
政策上の重大な
影響を与えたものとして、原油等の関税を六百億円を何というか、石炭のほうにまあ一応回しておるようなかっこうになって、助成策をとっておるわけでありますし、それと同じような因果
関係に
硫黄もあると思うので、したがって、当然先ほど言われましたように、
政府の
政策によって、一つの
産業の基盤というものに、より重大な
影響を与えておる。だからやはり
政府の
政策によってそうなっておるんだから、そういう
産業に対して同じような扱いをしてほしいという解決もあったわけでありますが、私は当然だと思うのであります。したがってそこまで
考えてきておられるかどうかわかりませんけれ
ども、石炭と同じようにというか、どういうようにしてもらいたいのか、どういうかっこうでどういう角度でやってもらいたのか、ひとつ
立場を明らかにしてもらいたいと思うわけであります。
第四点は、ぼくはやはりどう
考えてみても、そういうように
政府の
政策というものも必要でしょうし、立法、行政も手を差し伸べなければならないと思うのでありますが、やはり
企業努力というものも必要なことは当然ですね。他の
政策とかあるいはそういう補助、援護、助成、それを待つのみではこれはいかぬと思うわけであります。まあ通産省のほうでも
昭和四十五年の
合理化目標としてトン当たり一万八千円を
考えておるようでありますが、よくそこまで到達するかということですね。ただ
努力しますというだけでは——まあそれでも説明にはなりますけれ
ども、中身はちょっとわからぬわけでありますね。特に私は、やはりどういうように
合理化したとしても、
硫黄鉱山の場合には労働集約型の
産業であることは間違いないと思うのです。人の手が多くかかる。人件費というもののコストの中に占める地位というものはぐんと高いと思うわけであります。これは将来もそう変わらぬと思うわけであります。したがって、そういうことになりますと、物価の上昇につれてやはり人件費も上がっていく、そうなったならば、はたしていまの
政府の
施策のような形でやったならば、一万八千円の
合理化価格の目標というものに到達できるかどうか、私は非常に危惧を感ぜざるを得ないわけであります。したがって、どういうようにして
合理化をしようとしておられるのか、労働強化をしいられあるいはまた解雇したりして、何というか苦汗労働をしいて
合理化をされるということに対して、われわれは賛成できないわけでございますけれ
ども、そういう面をあわせてひとつ御答弁を願いたいと思うわけです。