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政府委員(西家正起君) イタイイタイ病問題に関しますその後の経緯につきまして御
説明をさせていただきます。
イタイイタイ病につきましては、先生方も十分御承知のことでございますが、富山県の神通川の特定の区域に、特に戦後多発した病気でございまして、重症になりますと骨が折れて死んでいくという病気でございます。
通産省といたしまして、この病気がカドミウムに
関係があるということを知りましたのが三十六年ごろでございまして、その後実施いたしました第一の事項といたしまして、現在の水質の
調査を、前後三回にわたりまして、三十八年から実施したわけでございます。その結果、鉱山の排出口におきましては微量のカドミウムが発見されておりましたけれども、少し下がりました下流以降につきましては全然検出をされないということで、現在の水につきましては、一応問題がないと、こういうふうにとったわけでございます。
さらにその次に、しからば、いかなる原因でこの病気が発生したかという原因
調査の段階に入ったわけでございますが、原因
調査といたしまして、二つの事項がございまして、一つは医学的な問題でございます。もう一つは、もし医学的にカドミウムがイタイイタイ病の原因であったという場合に、そのカドミウムがどこからきたかという経路、由来の問題でございます。第一の医学的な問題につきましては、厚生省が
中心となりまして三十八年以来
調査研究を続けてまいりまして、現段階ではカドミウム以外のファクターもあるけれども、カドミウムの
影響が大きいというような結論に達しておるわけでございまして、通産省といたしましては医学的な知識がないものでございますので、医学的な点につきましては厚生省の
意見を尊重しているわけでございます。二番目の、それじゃどこからきたかという
調査でございますが、これにつきましては、通産省といたしましても、昨年以来現地におきまして、川の水の
調査あるいは過去の堆積物の分析等をやってまいっておりまして、これは大体厚生省と緊密な連絡をとってやっておるわけでございます。そのほか過去の監督の記録、これは古くからの
資料あるいは文献等を
調査をいたしまして、現在これを取りまとめ中でございます。しかし、何ぶんにも過去の文献、
資料の
調査につきましては、特に戦時中の
資料が非常に少ないものでございますので、この点につきましては決定的な究明をいたすような
資料が現在まだそろっていないような
状況でございます。一方厚生省におかれましても、いわゆる重松
調査班という
調査班が昨年の六月からこの由来の
調査を組織的に始めております。この
調査班としての最終結論が昨夜まとまったようでございまして、新聞等で
調査班として発表をされたのでございます。この内容につきましては、厚生省のほうからわれわれのほうへ連絡がございまして、十分厚生省と緊密な連絡をとってこれに対する見解をまとめたいと、こういうようになっておる次第でございまして、由来の
調査につきましては、この
調査班の
報告書を十分に見せていただきまして見解をまとめたい、かように
考えておるわけでございます。
さらに通産省といたしましては、この原因
調査に直接
関係はないのでございますけれども、現在の水はだいじょうぶでございますけれども、なお今後の万全を期するために、今後の予防対策のために、どうしても鉱山から出るカドミウムあるいは自然に出てくるカドミウムが、どういう態様で川の中に入っておるのかといったような問題につきまして、今後の予防対策上どうしても必要でございますので、これらにつきまして科学
技術庁の特別研究調整費を昨年の秋あたりから要求をいたしておりましたのですが、今年に入りましてからようやくこれが決定をいたしまして、厚生省と共同
調査をやることになりまして、現在これは実施中でございます。できるだけ早く出すために六月ぐらいを目途にこの研究を始めておる次第でございます。
ただいままでの経過でございますが、非常に簡単で恐縮でございますが、御報告を申し上げたような次第でございます。