○
参考人(太田弘君) 私は臨時工など入れましてようやく五百人、資本金四千八百万円の小さな会社でございます。やっております機種はヘルスメーターというものをまずやっておりますが、
あとは主として大
メーカーの下請をやっておるわけでございます。したがいまして、私の申し上げることが
日本の
家庭電器の中小
メーカーの姿の一部を代弁しているのじゃないかと思います。
ただいまは大
メーカーの下請をやっておりますが、私
どものグループは二十数社で、某社の
家庭電器の下請をやっておりますが、その会社の
家庭電器の数量におきましては、約九割の品物をわれわれ二十数社がやっているわけでございます。まあ金額にいたしますと、わずか一〇%でございますが、数におきましては約九〇%の数をわれわれ下請がやっているわけでございます。したがいまして、
家庭電器の
安全性その他につきましては、われわれに課せられている責任が非常に重いということを痛感しているわけでございます。今回の
法律改正にあたりましては、
通産省から
内容につきまして詳しく御説明をいただきましたし、また、親会社のほうからもいろいろと説明を受けておりますが、結論を申しますと、
改正に全く
賛成でございますが、中小
メーカーの
意見として一、二希望を申し述べたいと思います。
先ほど大手の会社を代表されまして、中尾
参考人さんから御説明ありましたことで、われわれ
メーカーとしての姿は大体御了承願いましたので、重複は避けますが、特に三点を申し上げたいと思います。
その第一は、やはり
型式承認の
有効期間の問題でございます。
有効期間の件では、この七年と設定されたときにもずいぶんわれわれは問題にしたのでございまして、後ほど申し上げます手数料と同じく、その費用はすべてわれわれ下請にしわ寄せをされております。
先ほど高田参考人からも申されまして、この
法律改正によります原価アップというものは
製品にはね返らないようにしてくれという御希望が出ましたが、それは、とりもなおさず大
メーカー、親会社が負担するのではなく、われわれ下請にしわ寄せされるものでございます。そういう観点から、私たちはせめてわずかな費用でも、値指しは非常に困るのでございます。現在私
どもがつくっている
製品は、概して千円前後から五千円
程度までの品物でございまして、毎日の仕事は一銭一厘、作業者の一分一秒の効率を
考えながら、作業指導しておるものでございますが、そのようなときにわずか十銭あるいは数銭の値上がりでも非常につらいのでございます。そういうことをよくお
考え願いまして、この期限の短縮につきましては、
政令、
省令でお定めになるときに、十分われわれの意向をお聞き取り願いまして、適切なる御配慮をしていただきたいと思うわけでございます。
いま中尾
参考人さんからお話がありましたように、
型式承認は大体番号を変えるときには、その
製品はどうしても
取り締まり上
変更しなくちゃならない。たとえばトースターにおきましてヒーターまわりを変えるとか、
スイッチまわりを変えるとか、主要
部分を変えるときには、その番号ではいけないんでございまして、もう一ぺん
型式承認を取るというようなことをいたしますので、当然この期限は、
技術水準が上がってきたときでも、それは当然番号を変えるのでございますので、同じものをつくっているときに短縮するということは、われわれを非常に苦しめることになる結果でございます。また
技術水準の非常に高度なものは、われわれ下請のほうにはあまりまいっておりませんので、おそらくはこの年度短縮にはわれわれの
製品が
対象にならぬこととは想像しておりますが、今後おきめになるときに十分御配慮を願いたいと思うわけでございます。
それからこれに関連しましたやはり手数料の問題でございますが、私は元来この前、この
取締法の
改正のときにもずいぶん
意見を述べて、また当局にもいろいろと
お願いにあがった一員でございますが、こういう国家できめるものを原価主義でやるというのは全くおかしいじゃないか。いま中尾
参考人からも申されましたように、たくさんの物品税を巻き上げておきながら、
あと原価主義でやるというのは、ちょっと不都合じゃないかと思います。ただし、ある
程度のものは、私たち負担をするにやぶさかでございませんが、これもよく
製品の
現状を見られまして、われわれのように
あんかとかトースターとかアイロンとかつくっている
メーカーにつきましては、必ず
良識ある御決定をいただけるものと期待しているわけでございます。また、
製品をよくすることについて、われわれは十分責任を感じておりますが、このような有効期限の
変更とかその他よりも、むしろわれわれ
メーカーとしては、
立ち入り検査をもっとよくやっていただく、われわれは自信を持って
製品をつくっておりますので、どうぞもっとひんぱんに
立ち入り検査をされまして、われわれの
製品がりっぱであるということを御確認願う、これは悪貨が良貨を駆逐することがないようにしたいと思っておるものでございます。そういうことを実行されまして、期限の短縮などのほうにあまり力を注がれないように希望したいものでございます。
それから最後には、全面的に精神的には
賛成でございますが、一つ
お願いしておきたいことは、せっかくこのように
法律で
制定されましたいわゆる〒のマーク、これは非常に権威のあるものだと、われわれ
メーカーはその〒に敬意を表し、またわれわれの
製品の自信の裏づけとして、あれを非常に尊重しております。それで、私は、もっと政府が〒というものをつけてないものは買うなと……。また非常に〒のないものをしばしば見受けます。〒をぜひ使えと、GマークとかJISマークとか、いろいろございましょうが、〒というものは
使用者の安全を保護しているのだ、これを政府が保証しているんだという
意味で、あらゆる
機会に政府は〒のいかに大事であるかということを宣伝していただきまして、正直者がばかを見ない、豆のない安いものが
市場に出ないように、われわれ一生懸命やっておるのでございますから、〒のついているものはりっぱなものであるということを、政府の声で一般大衆に
周知徹底させるように
お願いしたいと思います。
以上でございます。