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説明員(堀山健君) これは、実は二月の初めに、各
自動車をつくっているメーカー、部品業界、それから車体のメーカー、あるいは車を使っております、トラック、バス、タクシー、自家用、それぞれのユーザー団体にアンケートをとりまして意見を求めまして、二月中に意見をまとめております。これをいまから、すでに作業に入っておりますが、これを四月中にまとめて省令とする、こういう段取りでございます。
それで、ここにいろいろ書いてございますが、第一番目にシートベルト、安全まくらがございます。これは、書いてございますように、対象とする車が、乗用車とか、乗用車タイプの貨物車――これは、車がぶつかった場合に一番被害を受けますのは小さい車でございます。したがいまして、一番被害を受ける対象になります乗用車あるいは乗用車タイプの車を対象にしてございます。シートベルトは、ぶつかった場合に乗っている人がつけている場合といない場合で被害の度合いが違います。これは実験の結果そういうことが立証されておりますので、これをつけることにする。
それから安全まくらでございますが、これも非常にべらぼうな条件でぶつかった場合は別でございますが、ある一定の条件のもとでぶつかった場合には、まくらがあったほうがいいということが立証されてございます。したがいまして、これを装着することにする。ただ、装着のしかたでありますけれども、ここに書いてありますのは、少なくともドライバーの席には全部それはつける。
運転席には全部つける。それ以外の席はつけないということにしてございます。ただ、タクシーについては前後二つずつつける、こういうことでございます。また、シートベルトについても、
運転席以外につきましては、それぞれシートベルトがいつでも装着できるように金具はあらかじめ取りつけておくということでございます。
それから三番目のスクールバスでございますが、このスクールバスを保護するということは、これは日本だけでなくて、世界でもいろいろそういう
考え方がございます。で、現在は、それぞれの地区でそれぞれの
交通担当の
関係庁と
お話し合いができて、いろいろなデザインで行なわれておりますけれども、この際、国内的に、いろいろなデザインを、色なりデザインというものを統一しようということでございます。
それから次に移りまして、四番目でございますが、少しむずかしいことばで書いてありますが、要するに、アンダーミラーでございます。大きい
自動車につきましては「車の直前、ちょうど
運転席の直前がなかなか死角として見にくいという面がございます。そこで、
運転席の車の直前を何とか見やすくするように、アンダーミラーというものはつけさせようということでございます。これは、現在
事業用のバスについては、すでに義務づけておりますが、それ以外の自家用バスなり、あるいは大型トラックにも同じように規制をしようということでございます。
それから五番目は、これもむずかしいことばを使ってありますが、アクセルインタロック、これは、特にワンマンバスについて規制をしたいということでございます。これは、発車する操作と開閉操作と、これをリンクさせておきまして、要するに、とびらが締まらなければ発車できないという装置でございます。
それから六番目は、ガラスを変えようということでございますが、現在は、
運転席の前にありますガラス、これは安全ガラスでなければいかぬということにはしておりますが、ぶつかったとき、いろんな障害があったときに、現在
強化ガラスというのを使ってるのがありますが、その
強化ガラスだと、割れる状態が小さくこなごなになるわけです。石がぶつかったり、車自体がぶつかって割れたときに、一瞬にしてこまかい粒になって、前が見にくくなる、こういうことでございます。そこで、同じ安全ガラスではあるけれども、合わせガラスといいまして、ガラスの間にちょうどサンドイッチの中に接着剤がついておるようなものでございますが、そういう形にするか、あるいは
運転席の前だけ、同じ割れるにしても割れ方を大きくする。そうして、少なくともガラスがこわれた瞬間においても前が何とか見える。そして見えることによって緊急
措置ができる。こういうふうなガラスに変えようということでございます。
それから七番目は、これにブレーキの性能を変えようということでございますが、これは、繰り返してブレーキをこう使っておりますと、ききが悪くなってくるという現象がございます。そこで、車の
安全性の上から性能を上げようということでございます。それからもう
一つは、これは特に大きい車にあるわですが、空気式ブレーキで制動するという種類の車がございます。これも、連続して使っておりますと、空気のタンクに空気がなくなりますと、きかなくなるということでありますから、空気タンクの容量に制限をつけるということでございます。
それから八番目でございますが、これは非常点滅表示燈。これは
高速道路と書いてありますが、普通の
道路でも同じような意味があると思いますが、要するに、車線上で緊急停車をした場合、これを後続車なりあるいは前の車に対して、いま非常事態にあるということを知らせようと、そのための信号の方法でございます。これは、前とうしろにそれぞれランプを二つずつ使って同時に点滅させるという原案でございます。
その次に移りまして、九番目でありますが、追い越し合い図燈の要件。これは、特に
高速道路でございますが、
高速道路で追い越しをかける場合に、前の車に知らせる方法として、現在のやり方でいきますと、方向指示器の点滅式のものがありますが、距離が、
高速道路になりますと相当前から追い越しをかけなければいかぬ。どうしても現在の方向指示器の点滅では視認しにくいという面がありますので、ヘッドライトそのものを使って点滅させるということでございます。これは義務づけというよりは、そういうことをしてもよろしいという意味の中身でございます。
その次に十番目に、駐車燈でございます。これは、夜間
追突事故を
防止いたしますために、車の前うしろに駐車燈を備えつけるということでございます。
それから十一番目は、後退燈、これは、現在六メートル以上の長さの車につきまして、あるいはワンマンバスにつきましては義務づけておりますが、これを二輪車を除くすべての車に取りつけさせるということでございます。
それから十二番目は、方向指示器でありますが、現在ほとんど燈火式になっておりますが、これが、車の前かうしろか、どちらかについているのが大部分でございます。ただ、これが
交差点あたりで車が頭を並べて停止している、発進を待ちかまえているときに信号が変わる、そのときに、右折左折する車につきましては、前の方に方向指示器がありますと、横でこう頭を並べて並んでおりますと、見えないということになりますので、横からも見えるようにしようということでございます。これは、一部、すでについている車もございます。
その次に移りまして、非常時用用具でございます。消火器でありますが、これは、前に鈴鹿の
事故その他がございまして、危険物運搬車等につきましては、消火器の性能、これについていろいろ研究する必要があるということで、消防庁にいろいろ研究してもらったのでありますが、いろいろな検討が加えられましたので、そのきめられたものをこの際保安基準の中に入れるということでございます。
十四番目が、非常信号用具として、緊急のときに信号を発する
措置を
考える。特にこれは踏切その他でいろいろ問題もございますので、要するに何か持たせようということでございます。一応私どもの原案としては、最低限、赤色のランプは持たせるべきであるというふうに
考えております。
繰り返しますが、戻りまして、安全まくらと前面ガラス破損時の視野
確保ということで、ガラスの種類を若干変えるということにつきましては、現在技術基準が、日本工業標準できめられつつありますので、それがきめられ次第、その内容をこの保安基準の中に取り入れます。
以上、簡単でありますが、概略の御
説明を終わらしていただきます。