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1968-04-03 第58回国会 参議院 産業公害及び交通対策特別委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年四月三日(水曜日)    午後一時二十分開会     ―――――――――――――    委員異動  四月一日     辞任         補欠選任      矢追 秀彦君     小平 芳平君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         松澤 兼人君     理 事                 山内 一郎君                 横山 フク君                 加藤シヅエ君                 戸田 菊雄君                 原田  立君     委 員                 木村 睦男君                 楠  正俊君                 黒木 利克君                 紅露 みつ君                 菅野 儀作君                 大倉 精一君                 柳岡 秋夫君    国務大臣        国 務 大 臣  赤澤 正道君        国 務 大 臣  田中 龍夫君    政府委員        内閣総理大臣官        房陸上交通安全        調査室長     宮崎 清文君        警察庁交通局長  鈴木 光一君        運輸省自動車局        長        鈴木 珊吉君    事務局側        常任委員会専門        員        吉田善次郎君    説明員        厚生省医務局総        務課長      上村  一君        運輸省自動車局        整備部長     堀山  健君        自治省行政局振        興課長      遠藤 文夫君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○産業公害及び交通対策樹立に関する調査  (交通対策に関する件)     ―――――――――――――
  2. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) ただいまから産業公害及び交通対策特別委員会を開会いたします。  まず、委員異動について報告いたします。  一昨一日、矢追秀彦君が委員を辞任され、その補欠として小平芳平君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 産業公害及び交通対策樹立に関する調査を議題とし、交通対策に関する件について調査を行ないます。  国家公安委員会委員長より所信を聴取いたします。赤澤国家公安委員会委員長
  4. 赤澤正道

    国務大臣赤澤正道君) 私は、国家公安委員会委員長として、所管する警察行政における交通安全対策につきまして所信の一端を申し述べ、各位の御理解と格別の御協力を賜わりたいと存ずるものであります。  御承知のとおり、交通事故発生は依然として増加の一途をたどり、昭和四十二年じゅうにおける交通事故死傷者数は、これまでの最高を記録するに至ったのでありますが、本年に入りましても著しい増加を続けているのであります。  一方におきまして、大都市及び主要幹線道路における交通渋滞も次第に深刻化し、かつ慢性化傾向を示しているところであります。  このような憂慮すべき道路交通事情に対処するため、私は、交通事故による死傷者数増加を抑制するための交通事故防止対策重点的に推進するとともに、都市交通における渋滞の激化を緩和し、その円滑化をはかるための交通渋滞緩和対策を積極的に推進してまいる所存であります。  第一の、交通事故防止対策重点的推進につきましては、昨年に引き続き、歩行者事故防止対策強化無謀運転排除徹底雇用者等責任体制確立を主眼とし、このため、特に飲酒運転排除徹底追突事故防止対策推進及び雇用運転者による無謀運転防止するための事業所等における安全運転管理体制確立並びに雇用者等責任追及強化をはかってまいりたいと考えております。  また、交通安全施設整備充実につきましては、昭和四十一年度から建設省と共同して交通安全施設等整備事業三カ年計画に基づく整備を進めてまいったところでありますが、さらに、第五十五回特別国会における「通学路に係る交通安全施設等整備及び踏切道構造改良等に関する緊急措置法」の制定によりまして、通学路における交通安全施設整備は一段と充実されることとなりましたので、本年におきましては、これら交通安全施設早期完工をはかってまいる所存であります。  第二の、交通渋滞緩和対策といたしましては、交通規制合理化信号機高度化及び交通情報収集体制整備等を積極的に推進する考えでありますが、都市交通渋滞緩和のためには、都市計画行政道路行政あるいは運輸行政等の各分野にわたる諸問題が総合的に解決されることが必要でありますので、関係各省と十分密接な連絡を保ち、都市交通問題の総合的解決の促進につとめてまいりたいと考えております。  最後に、道路交通法の一部改正により、本年七月一日から実施されることとなりました交通反則通告制度につきましては、その円滑、適正な運営をはかることが警察に課せられた重大な責務でありますので、この制度実施に伴い、交通指導取り締まりのあり方について、より一そう適正を期するよう指示いたしますとともに、この制度実施に関する部内の指導教養及び部外に対する広報の徹底をはかることによりまして、従来にも増して国民の信頼と支持が得られる指導取り締まり推進につとめてまいりたいと考えておるところであります。  以上、所管行政の当面の諸問題について所信を申し上げたのでありますが、委員各位の格段の御協力によりまして、その実をあげることができますよう、一そうの御鞭撻と御指導をお願い申し上げる次第であります。
  5. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  6. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 速記を始めて。  次に、総理府総務長官より所信を聴取いたします。田中総理府総務長官
  7. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) 私は、総理府総務長官田中でございます。  このたび、今国会におきます産業公害及び交通対策特別委員会の審議が開始されるにあたりまして、交通安全対策に関しまする政府方針を一言申し述べたいと存ずる次第であります。  御承知のとおり、わが国経済の成長に伴いまする輸送需要増加は、ここ数年来自動車台数の急激な増加をもたらし、これが交通事故発生一つの大きな要因とも相なりまして、交通事故によります死傷者は、逐年増加する傾向を示しております。昨年におきましては、交通事故によります死傷者は、死者数が一万三千六百十八人、負傷者数が約六十五万五千三百人で、一昨年に比べ、死者数では幸い若干減少いたしておりますが、負傷者数は、遺憾ながら大幅な増加をみておりまして、わが国交通事故は依然として楽観を許さない状況でございます。  このような趨勢に対処いたしまして、政府は、従来から人命尊重の見地に立ちまして交通安全の確保政府の最重点施策一つに取り上げまして、歩行者保護重点を置いた交通安全施設整備交通安全思想普及徹底、安全な運転確保交通秩序確立被害者救済対策強化等の総合的な交通安全対策を強力に推進してまいった次第でございます。今後も、これらの施策推進に一段と努力をいたす所存でございます。  このために、政府は、昭和四十三年度予算編成にあたりましては、前年度に引き続きまして、交通安全施策推進に必要な予算確保に特に配慮をいたしまして、財政規模の増大が抑制されておりまするおりからにもかかわりませず、交通安全対策関係予算といたしましては、前年度の当初予算額に比べまして約四七%増という総額約五百九十七億円を計上いたしているのでございます。  以下、当面の交通安全対策重点事項を申し述べます。  まず第一に、交通安全施設整備につきましては、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法、及び、通学路に係る交通安全施設等整備及び踏切道構造改良等に関する緊急措置法に基づき、交通安全施設等整備事業三カ年計画に定める事業といたしまして、昭和四十二年度及び昭和四十三年度の両年度におきまして、歩道、横断歩道橋、防護さく、信号機等交通安全施設を大幅に整備いたし、危険度の高い既存の道路、特に通学通園路におきます交通の安全の確保をはかる所存でございます。  また、踏切道改良につきましても、同じく、通学路に係る交通安全施設等整備及び踏切道構造改良等に関する緊急措置法に基づき、昭和四十二年度及び昭和四十三年度の両年度におきまして、踏切道緊急整備計画に定める事業といたしまして、踏切道構造改良及び保安設備整備を促進することといたしておりますが、これらの事業とあわせて、踏切道立体交差化踏切道統廃合等事業を強力に実施いたすことによりまして、危険度の高い踏切道改良をはかる所存でございます。  なお、御承知のとおりに、本年七月以降、交通安全対策特別交付金交通安全施設整備のために都道府県及び市町村に交付されることと相なりますが、これによりまして地方公共団体が行ないます交通安全施設整備が飛躍的に促進されるものと考える次第でございます。  第二に、交通安全思想普及徹底につきましては、学校における交通安全教育の一そうの充実強化をはかるほか、春秋二回の全国交通安全運動実施交通安全国民会議の開催、都道府県及び市町村における交通安全に関する地域総ぐるみ運動推進等あらゆる手段及び機会を通じまして、広く国民一人一人に交通安全思想普及徹底するように努力をいたす所存でございます。  以上のほかに、学校における交通安全教育を一そう効果的に行ないまするため、昭和四十三年度からいわゆる交通安全教育センター全国主要都市整備することといたしております。  第三に、安全な運転確保につきましては、自動車運行管理安全運転管理及び運転者に対しまする労務管理改善運転者改善対策推進車両検査充実車両構造装置安全性向上等につきまして、さらに一段と努力いたすとともに、このたび施行されました、土砂等を運搬する大型自動車による交通事故防止等に関する特別措置法に基づく諸措置により、ダンプカー等によりまする重大事故の絶滅を期する所存でございます。  第四に、交通秩序確立につきましては、酔っぱらい運転、無免許運転等のいわゆる交通暴力排除するために、従来に引き続き強力な取り締まりを行なう所存でございますが、今後は、これとあわせまして最近増加傾向にありまする追突事故等防止のための取り締まり徹底及び安全な運転確保に関する雇用者等責任体制確立をはかる考えでございます。  第五に、被害者救済対策強化につきましては、救急自動車整備増強等救急業務体制強化をはかるとともに、脳神経外科を含む救急医療センター整備中心といたしました救急医療体制整備等をさらに強力に進める所存でございます。  次に、損害賠償問題、更生問題等交通事故被害者にかかる諸般の問題に関しまする相談活動につきましては、各都道府県交通事故相談所充実強化する等その一そうの積極化をはかる所存でございます。  第六に、交通の安全に関しまする科学的研究推進につきましては、関係各省庁の試験研究機関充実及び総合的研究推進をはかりますことによりまして、その研究体制をさらに充実強化する所存でございます。  最後に、以上申し述べました交通安全施策につきましては、これを総合的かつ計画的に推進することが何よりも必要と考えられまするのでありますが、この点につきましては、現在総理府で行なっておりまする交通安全行政に関する総合調整の機能の一そうの強化につとめ、総合的な交通安全施策をより強力に推進いたす所存でございます。  以上、まことに簡単ではございましたが、政府交通安全対策方針につきまして申し述べまして、一言ごあいさつにかえる次第でございます。よろしくお願いいたします。
  8. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 御質疑のある方は順次御発言を願います。
  9. 木村睦男

    木村睦男君 ただいま、国家公安委員長及び総理府総務長官から交通安全対策について所信の披瀝があったわけでございますが、政府としてこの交通戦争に対処するために、本年度は特に六百億になんなんとする予算を注ぎ込んで非常な意気込みでこれと取り組んでおられる。この熱意と、対策の詳細な説明を聞きまして、敬意を表する次第でございますが、これらの問題について、私は特に、自動車事故道路上における自動車中心とした交通事故について、関係各省の担当の方からお聞きしてみたいと思うのです。  所信表明の中にもありましたように、交通事故による負傷者の数は非常にふえてきております。昨年で、死者が一万三千人、けがをした者が六十五万という非常な大きな数字でございますが、これらの点につきまして、自動車の数も相当ふえておると思います。そこで、最初にお尋ねしたいのは、自動車増加傾向事故件数増加傾向が、どういう関連をもってここ数年来きておるか。それから、自動車事故について、陸上交通事故の中で自動車事故の占める比率というのは非常に高いと思いますけれども、それがどういう傾向を示しておるか。それからなお、第三点といたしまして、事故原因がいろいろあると思います。この原因別について、現状並びに数年来の推移というものを簡単に御説明いただきたいと思うのです。それぞれの所管の方から適当に御答弁いただきたい。
  10. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 事故が累年増加しておりまして、まことに遺憾でございますが、自動車台数との関連におきまして見た場合には、やはり自動車台数増加計算に入れまして、たとえば一万台当たり事故率がどうかという計算をいたしますと、累年減っておるわけでございます。昭和四十年におきましては、自動車の一万台当たり死者につきましては十五・八人でございますが、四十一年には十四・九人、四十二年の数字がいま手元にございませんが、漸次減っておるわけでございます。負傷者につきましてもそういう傾向があるわけでございまして、自動車台数当たり事故は減っておるということが言えると思います。しかし、絶対数は、先ほど木村委員からもお話がありましたように、ふえておるわけでございます。  これの事故原因でございますけれども、事故原因につきましてはいろいろの分析の方法があるわけでございますが、最近、われわれが一番問題にしておりますのは、やはり歩行者事故が非常に多いということで、大体歩行者事故が、最近の数年間を見ましても、三四、五%が歩行者事故である。この歩行者事故というのは、おおむね自動車歩行者衝突でございますけれども、そういう事故が多いということから、これを何とか減らしたいということで、安全施設の面から、指導取り締まりの面から、安全教育の面から、そういう施策を講じておるわけでございますけれども、どうも昨年の事故状況を見ましても、そのパーセンテージがあまり変わっておらないということは、まことに遺憾だと思うわけでございます。  なお、最近の特徴といたしましては、交差点における事故が非常に多いわけでございます。四十二年の事故を――まあいろいろの分析のしかたがあるわけでございますが、その分析の中から非常に特異な面としてわれわれが見ておりますのは、事故が非常に交差点で多発しておる。特に市街地交差点で多発しておる。交差点における事故が、全体の事故件数からいいますと、四〇%近くも起きておる。これは四十二年でございますが、四十一年に比較いたしましても、二七%ぐらいの大幅な増加を示しておる。この交差点における事故というのは、結局、車両相互事故でございまして、この車両相互事故が全体の六四%を占めるということで、先ほどの歩行者事故もさることでございますけれども、車両相互事故が非常にふえつつある。これは、欧米におきましては車両相互事故が非常に多いわけでございますが、漸次日本の事故態様欧米型の事故態様になりつつあるということを示しておると思うのであります。車両相互事故が非常にふえておる。車両相互事故ではいろいろの衝突形態があるわけでございますが、追突事故、出会いがしらの衝突、それから正面衝突右左折時の側面衝突といったような衝突形態が非常に多いわけでございますが、この中で非常に追突事故が、昨年からことしに入りましても、その増加が非常に目立っておるということでございまして、四十二年度を見ますると、四十一年度の八三・五%ですから、倍近くの追突事故がふえておるということでございます。それで、この追突事故は、大体市街地交差点で多発しておるということになろうかと思います。しかも、これらをずっと見てまいりますと、これらの事故自家用普通乗用車事故が非常にふえておるというような特徴が出ておるわけでございます。  いろいろな原因別数字につきましては、ちょっと手元にございませんので、特徴的な点を申し上げました次第でございます。
  11. 宮崎清文

    政府委員宮崎清文君) 先ほど木村先生の御質問で、道路交通事故と、それ以外の陸上交通事故関係はどうかという点があったと思いますが、それ以外の陸上におきます交通事故と申しますと、これはいわゆる鉄軌道運転事故ということになろうかと思いますので、それとの比較を簡単に申し上げます。  鉄道、軌道のいわゆる運転事故につきましては、昭和三十八年に約八千名の死傷者を出しておりますが、これがピークでございまして、その後年々減っております。これは年度でございますので、昭和四十二年につきましてはまだ数字が出ておりませんが、昭和四十一年におきます鉄軌道事故は、民鉄、国鉄を合わせまして、件数が約三万四千八百件、死傷者が五千二百七十七名でございます。昭和四十一年におきます道路交通事故死傷者は五十一万七千名でございますので、パーセントから申しますと、ちょうど一%ということになるわけでございます。  それから先ほどの交通局長説明にちょっと補足いたしますと、わが国におきましては、自動車の最近の保有台数が非常に伸びておりますが、それに伴って、先ほど交通局長が申しましたように、交通事故は全般として絶対数はふえております。しかしながら、自動車保有台数伸びと比べますと、交通事故による死者の数は必ずしも伸びておりませんで、むしろ相対的に非常に減っております。先ほども交通局長が申しましたように、たとえて申しますと、昭和三十二年におきましては、自動車一万台当たり死者が三十八名でございましたが、それが年々減りまして、昭和四十一年、つまり史上最高と言われました昭和四十一年におきましても、自動車一万台当たり死者数は約十五名でございます。昨年の昭和四十二年におきましては十二・六名という数字が出ておりまして、このように、死者に関します限りは、自動車伸びとは反比例で、台数当たりでは減っておるわけでございます。ただ、負傷者は、実は残念ながら、自動車保有台数伸びと、やや比例いたしておりまして、それほど係数は減っておりません。これが最近のわが国におきます傾向でございます。
  12. 木村睦男

    木村睦男君 運輸省のほうで原因別の、わかりませんか。
  13. 鈴木珊吉

    政府委員鈴木珊吉君) ただいま原因別調査資料を持っておりませんので、お答えいたしかねます。
  14. 木村睦男

    木村睦男君 いまの交通局長のお答えの中の、歩行者事故が非常に多いというお話でしたが、この歩行者事故というのは、原因から言うと、歩行者自身のほうに原因があった事故が多いのか、あるいは自動車の側に原因があって起きた事故が多いのかということをちょっとお聞きしたい。
  15. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 詳細な数字を持ち合わせておりませんけれども、自動車の第一原因というのが数字の上では圧倒的に多いわけでございまして、歩行者の側に第一原因があったというのは、自動車の第一原因比較いたしますと、かなり低くなっておるわけでございます。詳細な数字につきましては後ほど御説明申し上げたいと思いますが、一応お答え申し上げておきます。
  16. 木村睦男

    木村睦男君 それから、最近の特徴といいますか、どんどんふえてきました高速道路上にかなり事故が起きておりますがこの高速道路上の事故と普通の道路上の事故と、交通量との関連、あるいは事故態様比較、違い、そういうものが、何か考えられるのがあったらお聞きしたいと思うんです。
  17. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 普通の、一般の道路におきましては、非常に混合交通でございますから、特に歩行者との関連においても、事故が、先ほど申しましたような数字で出ておるわけでございますが、高速自動車道路におきましては、これはもう歩行者という問題は全くないわけでございます。自動車自動車事故ということが、大ざっぱに見て言えるわけでございますが、その中で、やはり自動車が自分でスピードを出し過ぎて路外衝突するというような特異な事故があるわけでございますが、要するに、高速自動車道路におきましては、スピードの出し過ぎとか、あるいは車両の――たとえばタイヤ整備が十分なされておらない、高速自動車道路を走るだけのタイヤでないといったような原因から、自損事故が起きているといったようなこと、それがまた、たまたま追突の形になるといったような、要するに車両同士事故になる、大ざっぱに言ってそういうことになると思います。
  18. 木村睦男

    木村睦男君 そこで、きょうの国家公安委員長所信表明の中にも、こういった激増する事故防止に対する対策といたしまして重点的にいろいろ述べておられますが、いずれも、非常に当面の措置として必要な事項ばかりですが、たとえば事故防止対策重点的な推進として、歩行者事故防止対策強化、それから無謀運転排除徹底雇用者等責任体制確立飲酒運転排除追突事故防止対策、こういうことを並べておられるわけです。いずれも非常に重要なことですが、心がまえとしてはまことにけっこうでございますが、これに基づいて、事務当局のほうで、具体的なこの事故防止対策としてどういうことを四十三年度においては特に力を入れてやろうとお考えになっておるか、それについてお聞きしたいと思います。
  19. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 大臣所信表明にもございましたように、警察といたしましては、この所信表明にありますように、いろいろなやらなきゃならぬことはたくさんあるのでございますけれども、重点的にやろうということで、それぞれの県のいろいろな特徴がございますけれども、警察庁として全国的にこういうものに重点を置いてやりなさいという指示をしておるわけでございますが、その中で、特に一つは、交通事故多発の主要因というものについて徹底的にことしはやろうじゃないかということで、この中から、特に飲酒運転追突事故というものをクローズアップさせまして、それについて全国的に重点的にそういう問題について集中的に対策を講じていくということになるわけでございまして、飲酒運転の場合には、警察といたしましてはやはり取り締まりということになるわけでございますが、そのほかに、安全教育の面から、これはやはりドライバーの自覚にまつということも非常に多いのでございまして、そういう安全教育的な、安全運動的な問題も、たとえば交通安全協会といったようなものともタイアップいたしまして、そういう方向に総合的に進めていくということを考えております。追突事故にいたしましても、やはり追突事故が非常に多発しておる交差点につきまして、警察官を立てて指導に当たる。それから取り締まりの面につきましては、これはなかなかむずかしい問題がございまして、車間距離の問題が――車間距離を取り締まればいいじゃないかということでございますけれども、なかなか車間距離ということの取り締まりの技術上の問題もございます。また、その車間距離を、適正な車間距離を取っておると割り込みがあるということで、割り込みも今度は取り締まりをやらなきゃいかぬということにもなりまして、そういう総合的な指導取り締まり、それから追突事故につきましては、そのほかに、いろいろその交差点特徴から、交差点の欠陥から出てくる問題もございまして、そういうことを是正していく、安全施設の面からも是正していくといった問題もございます。それから、これは飲酒運転と同様に、やはり安全教育的な面からも事故防止運動を広げていかなければいかぬという問題もございまして、取り締まりだけじゃなくて、施設の面から、安全教育の面から、これに集中的に施策を講じていくということを考えておるわけでございます。  そのほか、交通安全施設整備充実につきましては、大臣所信表明にもありましたし、また、総務長官の所信表明にもありましたように、昨年度に引き続きまして、今年度におきましては非常に安全施設予算を取りましたので、これを早期に整備して充実していくということを督励しておるわけです。それと同時に、公安委員会所掌の交通安全施設も、これはおおむね規制のための標識、標示等でございますから、これが運転者から見えやすいものにしなければならないということで、運転者から見えやすくするための点検を全国的に指示いたしまして、ただ単に整備すればいいということでなくして、よく見えやすくするための整備、設置場所、設置の方法といったことにつきましては十分意を用いてやるように指示いたしておるわけでございます。  そのほか、やはり街頭に警察官を立てるということが非常に事故防止の役に立つわけでございますが、限られた警察官でございますので、時期と重点的な地点を選びまして、重点的に街頭に立てて、指導体制を強化していくということを、これは各県の交通事情に応じてそういうことをやるように指示をいたしておるわけでございます。  冒頭にも申し上げましたように、いろいろそのほかやらなければならぬことがございますけれども、警察庁といたしましては、全国的な共通事項の中から重点的に、ただいま申し上げましたような施策を選びまして、指示いたしておるわけでございます。
  20. 木村睦男

    木村睦男君 道路上の交通事故防止につきましては、交通警察の立場からは、いま御説明があったようないろいろな方法を講じてやる必要があり、またやっておられると思うのですが、結局、道路上の交通事故は、道路上における交通警察による取り締まり、それから道路管理者の立場における道路管理の面からの事故防止、それからもう一つは、やはり走る車両の管理の面からの事故防止、大体私は、三つくらいに分けて考えられるのじゃないかと思うわけでございます。  ただいまお聞きしたのは、交通取り締まりの観点からの事故防止についての具体策の一端をお聞きしたわけでございますが、時間がかかりますので、詳細にまだお聞きしたい点もございますが、それはその程度にいたしまして、きょうは道路管理者の方は来ておられないようですので、もう一つ事故防止の立場から、自動車車両管理という立場から、これは運輸省所管でございますが、一体どういうような交通事故防止対策を現在とっておられ、また今後とろうとしておられるのか。車両中心にした、いままでの事故発生原因等をも含めて、そういった考え方なり、今後の交通事故防止の方策についてお伺いしたいと思います。
  21. 鈴木珊吉

    政府委員鈴木珊吉君) 自動車関係事故防止の一環といたしまして、先生御指摘のとおり、自動車車両自体、車両の構造なり装置なりという問題は大きな問題でございます。これにつきましては、わが国の現状が、先ほど警察庁交通局長からお話がございましたけれども、特に大型車におきます事故が非常に多うございます。   〔委員長退席、理事戸田菊雄君着席〕  それから、いま車の乗員よりも、歩行者だとか、あるいは自転車とか、二輪車とか、そういった車以外の相手に対する事故というのが、欧米等に比べまして特色があるわけでございます。特に大型車につきましては、まあ例のダンプカーのひどい幼稚園園児の大量轢殺事件がございました。あれ以来、総理府中心になりましていろいろ対策を講じましたけれども、そのうちで運輸省といたしましては、特にその事件以後ダンプをはじめといたしまして、ああいう大型車につきましての車の装置につきまして、いろいろな保安基準の強化を指示いたしました。昨年度でございますけれども、たとえば大型トラックにつきましては運行記録計をつけることを義務づけましたし、また、速度表示装置という装置を義務づけました。それからまた二重安全ブレーキという装置をつけることを義務づけました。それからまた、側面及び後面の防護装置、バンパーを側面にもつける、こういったような装置をつけることを義務づけました。さらにまた、特にこれはいわゆるダンプだけに限りまして自重計というものをつける過積載を防止する目的の自重計というものをつける、以上のような項目にわたりました車両の安全規制上の義務づけを、昨年、省令――これは道路運送車両法に基づきまする省令がございまして、保安基準の省令を改正いたしまして、そういう義務づけを行なっております。これは、たとえば新車とかあるいは既存車の別がございましたので、新車につきましては、もう早くからといいますか、その改正省令の施行が実施され次第つけるということにいたしました。中古車につきましては、五カ月なり半年なりの余裕期間をおきまして義務づけが施行されるという仕組みに相なっております。そういうことで、昨年そういった手を打ちまして、実施、施行の期日が本年になりまして大部分が出てまいりますが、これら点につきまして、そういうものがきちんとつけられているかどうかということも今後十分監査していきたいというふうに考えておるのであります。  それからなお、こういった交通環境も変化いたしまして、単に大型車のみならず、それ以外の普通車につきましても、あるいはトラック以外のバスにつきましても、やはり交通事故形態との関連におきまして、いろいろな緊急度の高いものにつきまして、やはりこういった保安基準の規制を順次強めていく必要があるのではないかというふうに考えておりまして、実は先月でございましたですか、当委員会のほうに資料を御提出申し上げましたのです。いまお手元にございますと存じますけれども、たとえばお手元にございますような自動車の保安基準の規制の強化につきまして、現在、案を練っております。これは、あとで技術関係の担当者から御説明申し上げると思います。  こういった重要項目をとらえまして、たとえば、安全まくらだとか、シートベルトだとか、そういったものの義務づけを行なうということを今後実施していきたい。ただいま、こういったような問題につきまして検討しております。それで、これを、たとえば自動車とか自動車の部品とか、そういったメーカーの専門家の意見を聞く、それからそれを使いまするユーザーの御意見も聞く、あるいはドライバーの団体の意見も聞く、各方面の意見をいま徴しておりまして、その結果、慎重に検討いたしまして、これを運輸省令の保安基準の改正へ織り込みたいというふうに考えておる次第でございます。   〔理事戸田菊雄君退席、委員長着席〕  なお、それ以外の項目といたしましては、運輸省が一番力を入れておりますことは、さらに車の、要するに車検といいますか、車の検査でございまして、こういったような規制をいたしましても、やはり手を抜くようなドライバーなり使用者が出ると困りますので、これにつきましては、車両の検査というところでチェックいたしております。車両の検査につきましては、特別会計をもちまして、現在全国的な技術水準が、地方によって格差がないように、また公平な負担においてやれるような組織で特別会計をもって現在やっております。新年度におきましてもさらに予算をふやしまして、それでそういった車検場の設備の拡充、それからまた車検場における検査技術の向上ということにつきましても、さらに強化いたしてまいりたいというふうに存じておる次第でございます。  以上、簡単でございますが、概要御説明申し上げました。
  22. 木村睦男

    木村睦男君 いまお述べになった中で、すでにきめて実施しておる大型ダンプカーの記録計の装置、速度表示、安全ブレーキ、側面バンパーをつける、あるいは自重計をつけるというのが、今日の段階ではどうなっておりますか。この中で、すでに実施しておるのもあるのか、あるいは今後いつごろまでにこれを実施することになっているか。
  23. 堀山健

    説明員(堀山健君) 先ほど局長から御説明がありました運行記録計、速度表示装置、二重ブレーキ、側面、後面の防護装置、自重計、その五項目でありますが、さきに説明がありましたように、これは生産態勢、そういうものをつくる部品メーカー、こういったものの生産の準備、用意がございますし、それを取りつけるためのいろいろな段取りがあります。したがいまして、対象車両が、大型車でいきますと約四十五万両近くでございます。したがいまして、これを全国一斉にやるということはなかなかたいへんなことであります。したがいまして、それぞれ対象とする車の、新車から始めるもの、それから特に重点を置きまして、一昨年から去年の初めにかけまして、大型自動車、特にダンプ自動車については重点的に規制を実行していく、こういうことでございましたので、まず、同じ大型トラックの中でもダンプ車にまっ先につける。その次にそれ以外の大型車につける。こういうことで段取りをつけまして、運行記録計につきましては、昨年の九月一日から新車についてはすべてつけております。それから同じダンプ車の、すでにいま登録してある車につきましては、ことしの三月一日以降車全部つけております。ダンプ以外のいわゆる普通の大型のトラック、これも、ことしの三月一日から全部新車についてはつけたものしか認めない、こういうことにしております。それからダンプでありません大型トラックにつきましては、ことしの八月一日以降全部記録計をつける、こういうことにいたしております。それから速度表示装置でございますが、これは、速度が四十キロ未満、四十キロから六十キロまで、六十キロ以上、この三段階に分けて、それぞれランプが一、二、三とつく、こういうことでございます。これは、あるいは先生方ごらんになった方がおありになるかと思いますが、これはことしの四月一日からダンプの新車について施行しております。したがいまして、私どもも町である程度見ておりますが、運転台の上に三つランプがついております。これは、ダンプの新車についてことしの四月一日から、それからダンプのその他の車につきましては十月一日から、それからダンプ以外のその他の大型トラックにつきましてはことしの十月一日から、その他のすでに使っておりますダンプ以外の大型トラックについては来年の三月一日から、それから二重安全ブレーキにつきましては、これはことしの四月一日から実施するということにしております。それから、側面、後面の防護装置でございますが、これは、同じくことしの八月一日からダンプの新車について実施するということにしております。自重計でございますが、これは、さきにダンプ車に対する特別規制が行なわれましたので、それに基づくものでございますが、これは、ことしの五月一日から始めて八月までに終わるということにしております。で、速度表示装置とか自重計は、実は現物が一部あるところもございましたけれども、ほとんど新しく開発してつくらして、それから装着をする、こういう段取りをしております関係上、法律で、あるいは規則できまってから施行までにある時間をかけたということでございます。
  24. 木村睦男

    木村睦男君 いまの中で、歩行者が見てわかるもの、最も特徴的なものは速度表示だと思うのですが、いまのお話だと四月一日から実施しておるということですが、まだ二、三日しかならないので私自身も見ておりませんが、ちょっとこの場で、われわれが歩行者として見た場合に、どういうところにどういうものがついて、そうしてどうだったらこれは四十キロ以下、これは六十キロ以下、これは六十キロ以上ということがわかるか、ちょっとそれを具体的に説明してください。
  25. 堀山健

    説明員(堀山健君) トラックの運転台のちょうど上のところになりますが、そこにランプが三つついております。色は黄緑色でございます。まず、四十キロ未満の場合には左側のランプがつきます。四十キロから六十キロの間になりますと右側にランプがつきます。六十キロ以上になりますと、まん中がつきますから三灯がつく、こういうことでございます。ちょうど運転台の真上についております。
  26. 木村睦男

    木村睦男君 一灯、二灯、三灯と、数ですね。
  27. 堀山健

    説明員(堀山健君) 数でわかります。点灯された数でわかります。
  28. 木村睦男

    木村睦男君 わかりました。  それからついでに、きょうも配ってありますが、これからやろうという保安基準の改正ですが、これは実施は少し先になるようですが、この資料について、ちょっと簡単に内容を説明していただきたい。
  29. 堀山健

    説明員(堀山健君) これは、実は二月の初めに、各自動車をつくっているメーカー、部品業界、それから車体のメーカー、あるいは車を使っております、トラック、バス、タクシー、自家用、それぞれのユーザー団体にアンケートをとりまして意見を求めまして、二月中に意見をまとめております。これをいまから、すでに作業に入っておりますが、これを四月中にまとめて省令とする、こういう段取りでございます。  それで、ここにいろいろ書いてございますが、第一番目にシートベルト、安全まくらがございます。これは、書いてございますように、対象とする車が、乗用車とか、乗用車タイプの貨物車――これは、車がぶつかった場合に一番被害を受けますのは小さい車でございます。したがいまして、一番被害を受ける対象になります乗用車あるいは乗用車タイプの車を対象にしてございます。シートベルトは、ぶつかった場合に乗っている人がつけている場合といない場合で被害の度合いが違います。これは実験の結果そういうことが立証されておりますので、これをつけることにする。  それから安全まくらでございますが、これも非常にべらぼうな条件でぶつかった場合は別でございますが、ある一定の条件のもとでぶつかった場合には、まくらがあったほうがいいということが立証されてございます。したがいまして、これを装着することにする。ただ、装着のしかたでありますけれども、ここに書いてありますのは、少なくともドライバーの席には全部それはつける。運転席には全部つける。それ以外の席はつけないということにしてございます。ただ、タクシーについては前後二つずつつける、こういうことでございます。また、シートベルトについても、運転席以外につきましては、それぞれシートベルトがいつでも装着できるように金具はあらかじめ取りつけておくということでございます。  それから三番目のスクールバスでございますが、このスクールバスを保護するということは、これは日本だけでなくて、世界でもいろいろそういう考え方がございます。で、現在は、それぞれの地区でそれぞれの交通担当の関係庁とお話し合いができて、いろいろなデザインで行なわれておりますけれども、この際、国内的に、いろいろなデザインを、色なりデザインというものを統一しようということでございます。  それから次に移りまして、四番目でございますが、少しむずかしいことばで書いてありますが、要するに、アンダーミラーでございます。大きい自動車につきましては「車の直前、ちょうど運転席の直前がなかなか死角として見にくいという面がございます。そこで、運転席の車の直前を何とか見やすくするように、アンダーミラーというものはつけさせようということでございます。これは、現在事業用のバスについては、すでに義務づけておりますが、それ以外の自家用バスなり、あるいは大型トラックにも同じように規制をしようということでございます。  それから五番目は、これもむずかしいことばを使ってありますが、アクセルインタロック、これは、特にワンマンバスについて規制をしたいということでございます。これは、発車する操作と開閉操作と、これをリンクさせておきまして、要するに、とびらが締まらなければ発車できないという装置でございます。  それから六番目は、ガラスを変えようということでございますが、現在は、運転席の前にありますガラス、これは安全ガラスでなければいかぬということにはしておりますが、ぶつかったとき、いろんな障害があったときに、現在強化ガラスというのを使ってるのがありますが、その強化ガラスだと、割れる状態が小さくこなごなになるわけです。石がぶつかったり、車自体がぶつかって割れたときに、一瞬にしてこまかい粒になって、前が見にくくなる、こういうことでございます。そこで、同じ安全ガラスではあるけれども、合わせガラスといいまして、ガラスの間にちょうどサンドイッチの中に接着剤がついておるようなものでございますが、そういう形にするか、あるいは運転席の前だけ、同じ割れるにしても割れ方を大きくする。そうして、少なくともガラスがこわれた瞬間においても前が何とか見える。そして見えることによって緊急措置ができる。こういうふうなガラスに変えようということでございます。  それから七番目は、これにブレーキの性能を変えようということでございますが、これは、繰り返してブレーキをこう使っておりますと、ききが悪くなってくるという現象がございます。そこで、車の安全性の上から性能を上げようということでございます。それからもう一つは、これは特に大きい車にあるわですが、空気式ブレーキで制動するという種類の車がございます。これも、連続して使っておりますと、空気のタンクに空気がなくなりますと、きかなくなるということでありますから、空気タンクの容量に制限をつけるということでございます。  それから八番目でございますが、これは非常点滅表示燈。これは高速道路と書いてありますが、普通の道路でも同じような意味があると思いますが、要するに、車線上で緊急停車をした場合、これを後続車なりあるいは前の車に対して、いま非常事態にあるということを知らせようと、そのための信号の方法でございます。これは、前とうしろにそれぞれランプを二つずつ使って同時に点滅させるという原案でございます。  その次に移りまして、九番目でありますが、追い越し合い図燈の要件。これは、特に高速道路でございますが、高速道路で追い越しをかける場合に、前の車に知らせる方法として、現在のやり方でいきますと、方向指示器の点滅式のものがありますが、距離が、高速道路になりますと相当前から追い越しをかけなければいかぬ。どうしても現在の方向指示器の点滅では視認しにくいという面がありますので、ヘッドライトそのものを使って点滅させるということでございます。これは義務づけというよりは、そういうことをしてもよろしいという意味の中身でございます。  その次に十番目に、駐車燈でございます。これは、夜間追突事故防止いたしますために、車の前うしろに駐車燈を備えつけるということでございます。  それから十一番目は、後退燈、これは、現在六メートル以上の長さの車につきまして、あるいはワンマンバスにつきましては義務づけておりますが、これを二輪車を除くすべての車に取りつけさせるということでございます。  それから十二番目は、方向指示器でありますが、現在ほとんど燈火式になっておりますが、これが、車の前かうしろか、どちらかについているのが大部分でございます。ただ、これが交差点あたりで車が頭を並べて停止している、発進を待ちかまえているときに信号が変わる、そのときに、右折左折する車につきましては、前の方に方向指示器がありますと、横でこう頭を並べて並んでおりますと、見えないということになりますので、横からも見えるようにしようということでございます。これは、一部、すでについている車もございます。  その次に移りまして、非常時用用具でございます。消火器でありますが、これは、前に鈴鹿の事故その他がございまして、危険物運搬車等につきましては、消火器の性能、これについていろいろ研究する必要があるということで、消防庁にいろいろ研究してもらったのでありますが、いろいろな検討が加えられましたので、そのきめられたものをこの際保安基準の中に入れるということでございます。  十四番目が、非常信号用具として、緊急のときに信号を発する措置考える。特にこれは踏切その他でいろいろ問題もございますので、要するに何か持たせようということでございます。一応私どもの原案としては、最低限、赤色のランプは持たせるべきであるというふうに考えております。  繰り返しますが、戻りまして、安全まくらと前面ガラス破損時の視野確保ということで、ガラスの種類を若干変えるということにつきましては、現在技術基準が、日本工業標準できめられつつありますので、それがきめられ次第、その内容をこの保安基準の中に取り入れます。  以上、簡単でありますが、概略の御説明を終わらしていただきます。
  30. 木村睦男

    木村睦男君 ただいま御説明を聞きますと、いずれもまあ、交通事故防止のために、自動車車両内のいろいろな施設、これを改善し、また、必要なものをつけていくということで、私は、こういうことが一刻も早く実現することを希望するわけでございますが、さらに、この資料の冒頭にも書いてありますように、ここに記載されてある以外にも運輸省で検討を引き続きされておるものもあるようでありますが、こういうものにつきましても、とにかく早く実施しなきゃ、その間にどれだけの負傷者が出て、どれだけの死者が出るかという、秒刻を争う交通事故でございますので、可及的すみやかに法令の整理をされて、そうして実施に移されるように希望いたします。  時間がだいぶたちましたので、最後に、自治省の行政局から課長さんが来ておられるようでありますので、ちょっと一言だけお伺いしたいと思います。  この交通安全行政というものが、各省いろいろ分担されて、それらが一致協力してやっておられるわけでありますが、最近、ちょいちょいわれわれが耳にするんですが、現在の自動車の車検、登録を中心にした行政事務、これは、御承知のように、占領下におきまして、中央権限を地方へ委譲せよという占領軍の指示があり、そのいけにえのようなかっこうで、関係各省がそれぞれ、まあまあ名目的に、地方の権限に移してもよかろう、地方庁に移してもよかろうというふうなことで、知事の権限に移された事項がかなりあるわけであります。それらについて、最近、そういったものの整備ということから、そういったいきさつをもって地方に移されて、なおしかし、人事、予算等は中央政府が持っている、ただその職務を行なう権限、職務執行の権限を知事に移してあるのがあるわけでございますが、これらを、あげて名実ともに地方庁に移すべきであるという議論が行なわれておることを耳にするわけであります。  そこで、お尋ねしたいことは、この自動車関係のこういった行政事務というものは、特に車両検査あるいは登録といったものは、事、交通安全、事故防止にかかる事項でございます。そこで、この行政事務を地方庁に移すことが、ただ単に各官庁の権限のなわ張り争いということであっては、私はいけないと思うんでございまして、やはりそのことが、交通事故防止に、より一そう役に立つんだという観点から、現在の行政制度がどうあるべきかということを検討するのが私は筋じゃないかと思うんです。この車検と登録は、切っても切れぬ関連性があるんでございますが、その中で、車両検査は、これは現在、登録を含めて特別会計にして、一般会計からは隔離し、そのかわり、車両検査料あるいは登録手数料で上がった財源を、全部、登録あるいは車両検査の設備の整備等に振り向けて、そして全国的な視野において、検査制度の物心両面の整備をはかってきておるわけでございます。これがもし、一部で言われておるように、各県に分断されて、純粋な地方事務ということとなってまいりますというと、せっかく事故防止の観点から特別会計にし、全国的な視野に立って、整備の基準その他も統一ある方針のもとで、りっぱに成績をあげて今日までまいっておりますものが、その根底からくずれる、こういうふうに、私はこれを非常に憂慮するものでございますが、まだこれは自治省としてもあるいは公式的な見解ではないかもしれませんが、われわれの耳に入る以上は、こういった車両検査、登録行政事務を地方に移すべきだという意向があるんだろうと思うんです。その主張なさる根拠は、一体交通安全、交通事故防止の観点から、いかなる理由によって、そのほうがより能率的であるかということで主張されておられるか、それらについて一度お伺いいたしたいと思います。
  31. 遠藤文夫

    説明員(遠藤文夫君) 御指摘の、何といいますか、陸運事務所関係と申しますか、の問題につきましては、実は私、所管でございませんものですから、直接お答え申し上げる立場にはないわけでございますけれども、私どものほうといたしましては、もちろん、その問題、この問題につきましては、単に交通事故防止という見地のみならず、ほかにもいろいろ考えなきゃいかぬ問題があるのかもしれませんけれども、少なくとも、交通事故防止ないしは交通安全という見地からいたしましても、都道府県というところの段階におきまして、総合的かつ効率的な交通安全行政推進ができる、そのために都道府県段階における行政体制がいかにあるべきかというような考え方のもとに検討しているはずでございます。具体的な問題につきまして、何といいますか、私現在お答え申し上げる立場にないものでございますから、御了承いただきたいと思います。
  32. 木村睦男

    木村睦男君 あなたが所管でないから、これ以上のことをお聞きしても無理ですけれども、いまあなたが言われた交通事故防止交通安全上そのほうがよろしいというふうに考えての上でこういう議論がなされるという意味で言われたと思うんですが、ただ、こういうことが、こうやることが、地方に移すことが交通安全、事故防止の上から能率的であるということばだけではいけないのであって、そうすることが具体的に現在の現状と比べて、かようしかじかで効率的である、かようしかじかで能率的であるという具体的な事実がないと、ただ単に抽象的な表現だけで、能率的だからこっちがいい、こっちへ移すということでは納得できない。ことに整備の基準等については、いまやこういった交通行政というものは、だんだん広域化している。したがって、車両検査にいたしましても、東京で検査を受けた車が鹿児島で受ける場合もあり得る。そういう場合に、より一そう広域的に、検査なり、そういったものが行なわれる趨勢にあるときに、何も効率的といい、なお能率的という理由をもってこれを地方に移したほうがいいという根拠は、どうも私は納得できない点がありますので、あなた所管でありませんから、ひとつそういう点について十分冷静に研究をした上で、こういった機構問題を、ただ単に権限とか、なわ張りということを離れて、交通事故防止の観点から十分考えていただきたいと思います。
  33. 遠藤文夫

    説明員(遠藤文夫君) 実は、お話の趣旨でございますけれども、交通安全の見地から申し上げますと、現在、先ほどいろいろ御説明にありましたように、いろいろ先般の政策を国の関係行政機関をあげて講じているということは事実でございます。にもかかわらず、このように交通事故というものが依然としてあとを断たない。のみならず、増加しているということは、やはり現在の交通事故防止に関するところの国、地方団体を通じましての体制自体にもやはり問題があるんじゃないか、そのような見地からいたしまして、やはり都道府県段階におきまして、交通安全の確保というものにつきますところのやはり効率的、総合的な体制を整備するということが必要なんではないか。先ほどお話ありましたように、この現在の制度でもってりっぱに効果をあげているということでございますけれども、少なくとも交通事故防止という見地からいたしますと、まだまだ今後問題があることは、先ほど御指摘があったとおりでございます。そのような形に対応するための行政がいかにあるべきかということは、やはり今後検討していかなければならぬ、かように考える次第でございます。
  34. 木村睦男

    木村睦男君 私は、あなたが所管でないので、これ以上言うまいと思ったんですが、いまのようなお話だと、じゃ具体的に一つ例をあげて、こういうことは県知事に移せばこういうふうに交通安全上効果があるということの事実を一つだけ示していただきたい。
  35. 遠藤文夫

    説明員(遠藤文夫君) 問題は、よくするということよりも、具体的にどうしたらいいかということにつきましての御意見に対しては、まだ私現在データを持ち合わせていないのでございますけれども、少なくとも、現在の体制のままでよろしいということにはならない、やはり現在の体制自体に根本的に再検討すべき問題があるだろう、少なくとも交通事故防止の見地からいたしましても、検討すべき問題があるのじゃないか、現在のままでよろしいということにはならないのじゃないかと、かように申し上げているわけであります。
  36. 木村睦男

    木村睦男君 それは、この問題だけではなくて、あらゆる問題が、現状がいいか悪いかということは常に検討するのが政府の立場であり、またわれわれの立場であるので、それはもう一般原則ですよ。だから、現在の体制でいいかどうかということは、当然、だれでもどこでも議論すべき問題なんだけれども、それに対して、こういうことがあるからこうすべきであるという結論――検討することと、結論をそっちへ持っていくということとは別なんですよ。あなたの議論を聞いていると、検討することは即、車両検査、登録行政については、いまの状況を変更すべきであるということのように聞こえるが、そういうつもりであなた言っておられるかどうか。
  37. 遠藤文夫

    説明員(遠藤文夫君) おことばを返すようでございますけれども、現在のままでよろしいじゃないかということにはならないので、やはり、これをよりよくするために、少なくとも交通事故防止交通安全の確保の見地からも、現在の体制自体を検討する必要があるのではないか、かように申し上げているわけでございます。
  38. 木村睦男

    木村睦男君 これは、あなたを相手にして議論してもしようがないんだけれども、ぼくの質問は、車両検査、登録を地方に委譲するという話があるが、そういう考え方はどういう事故防止の観点からそういうことが出ておるかということを聞いておるわけです。だから、あなたの所管でなければ、そのことを所管の局長なり何なりに、きょうの出た話を伝えてもらえればいいんだけれども、あなたがそれに対して答えをされるのを聞いておると、現状に対して十分いろいろ――より効率的な方法を生み出すべきだということはわかる、だけれども、ぼくの質問は、知事にそういった仕事を委譲することが交通安全の上からいいかどうかということを聞いておるわけです。だから、あなたの答弁では、現状を検討するのはしなければいかぬけれども、これを地方、知事の権限にまかすことがよろしいかどうかという点について一つも返答がない。その点をぼくは聞いている。だから、それがそうでなかったら、そうでないということをはっきり言っておいてください。
  39. 遠藤文夫

    説明員(遠藤文夫君) 少なくとも、交通安全確保という見地から、全般的に都道府県知事の責任において積極的に交通安全対策を進めるというような体制を整備することが、全般として交通安全対策を進めるという上に必要であるというような立場から検討すべきであろうと考えておるわけでございます。ただ、具体的に先生から御指摘ありましたように、一つ一つの事務処理の問題につきまして、具体的にこれをどうすればよいかということについての、非常に具体的な改革問題につきましてお答えできる立場にないものでございますから……。ただ、全体の交通安全対策を進めるという立場からいたしますれば、やはり私が申し上げるような方法がよろしいのではないか、かように申し上げている次第でございます。
  40. 木村睦男

    木村睦男君 あなた、もう所管外のことなんだから、自分が交通事故防止のことがよくわかっておるようなつもりで言ってござるけれども、一つもわかっていない。だから、そういう問題について、あなた、やはり来ている以上は、行政局を代表して来ているわけでしょう。だから、あなたのいまの見解は行政局の見解として聞いていいわけだね。
  41. 遠藤文夫

    説明員(遠藤文夫君) 交通安全対策全体についての考え方の問題としましては、私、行政局の立場として申し上げているわけでございます。
  42. 木村睦男

    木村睦男君 これは担当じゃないということを聞きましたが、これは平行線ですから、そういう意見もあり、こういう意見もありで問題になっているのですから、担当の上司にも、こういう意見が出たということを報告されて、やはりちゃんと具体的に議論されたほうがいいと思うのです。
  43. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 速記をとめてください。   〔速記中止
  44. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 速記を始めて。
  45. 木村睦男

    木村睦男君 いろいろいまお話があったように、意見のいろいろな違いもあると思いますが、ぼくの言いたいことは、行政機構というものを、ただ単になわ張りとか権限とかいうことでなしに、その行政の目的から考えて、いかにしたらいいかということを、主として今後行政機構については、考えてもらいたい。車両検査、登録については、事故防止交通安全という観点から、この行政をどう所管してやったらいいかということで考えてもらいたいということを特に強調したかったのですから、その点を帰られたら十分上司のほうに伝えてもらいたいと思います。  これで終わります。
  46. 大倉精一

    ○大倉精一君 だいぶ時間がたったようですから、端的にお尋ねしますけれども、きょうは、総理府総務長官と、それから国家公安委員長所信を聞きましたが、この中身はずいぶん前から言われておることなんですよ。しかも、最近におきましては、やはり悲惨な事故が毎日新聞をにぎわしておる、こういう状態でありますから、もっと何かそこに欠けておるものがあるのじゃないか、こういうことをわれわれは検討しなければならぬのじゃないかと思います。  そこで、最近に起こった典型的な事故として、さきに、同僚であった下村先生がおなくなりになって、まことに痛恨の至りですけれども、また、最近に至りましては、戸叶夫妻が悲惨な交通事故にあいました。これは、私は議員だから言うのではなくて、新聞で見ておりますというと、戸叶さんの事故は、事故のサンプルケースみたいに思うのです。それで、まず、その事故の模様について、ちょっとお知らせを願いたいと思います。
  47. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 戸叶先生の交通事故につきましては、私、手元に詳細な資料はございませんけれども、新聞に報道されたとおりでございまして、相手の車の運転手が酒気を帯びておりまして、センターラインをオーバーして衝突をしたということでございます。なお、詳細のデータもございませんので、まこに申しわけありませんけれども、そういう状況でございます。
  48. 大倉精一

    ○大倉精一君 私も新聞で見まして、相も変わらぬ無謀運転の犠牲になったと、こう思うのですけれども、そこで、きょうも公安委員長所信表明の中で、無謀運転排除ということがあります。これはどうやったらいいのかということですね。どうやったら無謀運転排除ができるのかということ。いろいろあるでしょう。そこで、こういう問題について、予算の面、いろいろの面もありますけれども、起こった現象を一つ一つつぶしていく、こういうことも必要じゃないかと思うのです。  そこで、私は最近の新聞を見て、これはたいへんなことをやっているなと思ったことを抜き出して、ここに持ってきたのですけれども、カミカゼ・ラリーという、あまり聞いたことのないことが新聞に出ておったのですけれども、これは何か、道路の使用許可を得て、そうして五百キロぐらいの距離でもって自動車競走をやらせる、夜間ですね。あぶなくてしようがないという声があり、さらに加えて、最近事故が起こったというのですけれども、このカミカゼ・ラリーなんというものをやらせるのは、無謀運転を奨励するような、そういう零囲気をつくるようなもので、これは、町の中で、あるいは道路の上でこういうことをやらせるべきものではないのじゃないかと思うのですけれども、これはどういうことでこういうふうなことが始まったのでしょうね。
  49. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 御指摘のラリーにつきましては、私は詳細承知しておりませんけれども、私どもは、最近、それに類似する問題といたしまして、マラソン競走が路上で行なわれておりますのですが、これも漸次、現在の交通事情からいいまして、従来のような安易な考え方でマラソン競走を非常に混雑した道路で行なうということについては非常に消極的でございまして、主催する新聞社等にはその旨申し入れしておるわけでございまして、いまのような自動車のラリーということになりますと、さらに問題は大きくなるわけでございまして、交通事情等もにらみ合わせて、ものごとを考えなければいけませんと思いますけれども、原則的には、ラリーが行なわれる際にいろいろ条件をつけて、安全運転という条件をつけて、おそらくやっていると思いますけれども、おそらく条件を無視したラリーが行なわれたということになろうかと思いますので、いやしくもラリーというものの問題について、基本的に、根本的にやはり考え直していかなくちゃならぬのじゃないか、抽象的でございますけれども、そういうふうに考えております。
  50. 大倉精一

    ○大倉精一君 これは、マラソンとはずいぶん違うんじゃないですか。マラソンはぶつかってもけがはしないんですが。こういう大きな見出しで出ているんです、新聞にも。これは、だれか警察庁の方でごらんになった方はありませんか。こういうのを見て、こういうのを一つ一つつぶしていかないと、どんな施策をやったってだめなんですよ。  まあ、ラリーということは御存じないと思うんです、皆さん方は。ちょっと紹介してみますと、自動車競争のようなものです、日本語で言うと。それで、Aコース、Bコースとあって、一つは夜の十時ごろ出発して、距離五百キロというのですね、国道二四六号線を走って、河口湖に行って、甲州街道を経て、十七日の朝帰ってくる。これは一分ごとに出るらしいんですが、もう一つは、一時間後にホテルを出るようなコースもあるそうであります。これをだんだん調べて検討してみまするというと、ラリーというのは、本来ドライバーに順法精神を植えつけるために行なうものであるという精神でやっておるらしいんですけれども、最近においては、若いものですから当て逃げをやったり、スピード違反をやったり、事故を起こしても、いまラリー中だからごめんと言って行ってしまう。そういうのが道路で横行しているのです。これを申請するんですが、道路使用について警察がこういうものを許しておるというのは、これはいかに所信表明でいろいろなことを言っておいても何にもならぬのじゃないかと思うんです。ラリーというものについて、こういう天下の公道において、たとえ夜といえども競走させるなんということは、これはいいものか悪いものか。これは将来どういう指導をするつもりでありますか、そういうことをひとつ具体的に伺ってみたいと思います。
  51. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 基本的には好ましくないと思います。それで、御指摘のラリーにつきましては私詳細存じておりませんので、警察の許可を受けてやったものなのか、許可という形が道交法上どういうことになりますか、単なる届け、こういうものをやるのだということを警察に知らせて、それについての注意を与えたということになろうかと思いますけれども、基本的には好ましくないと思います。
  52. 大倉精一

    ○大倉精一君 これは、私ども手続はよくしりませんけれども、解説によりますると、ラリーを開催するにあたっては、主催者は、沿道の警察署に許可願いを出す。それには、このラリーは参加者の順法精神を育成することを目的としている、こう書いてある。これは順法精神どころじゃない。暴走精神の涵養みたいなものですが、こんなものはやめてしまわなくちゃいかぬと思いますが、どうですか。
  53. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 先ほども申し上げましたけれども、おそらく、許可という形のものは道交法には何もありませんので、無許可で行なわれたのじゃないかと思いますが……。無許可といいますか、適当に、あるいは警察署にこういうことをやるのだという程度のことを連絡してきまして、おそらく警察では、それはやっても、要するに普通のスピードの規制の、制限スピードの以内でやれよという注意を与えて漫然と見のがしたことになろうかと思いますが、今後、そういう問題につきましては、もう少し慎重にやらせるように指導しようと思います。
  54. 大倉精一

    ○大倉精一君 これはよくわからぬようですから、調査してくださいよ、法律の問題じゃないですよ。これがいいか悪いか、悪かったらやめさせるんですよ。それをやらずに怠っておいて、そうしてこういうことを言っていても、どんどんこれは発生しておるのじゃ何にもならぬということです。これは検討してみてください。いま言ったのは、交通自動車評論家の八木一郎という人が解説しております。それから主催者は、東京プリンスホテル内にある日本モータリストクラブ、梅村安文さんですね、この人がやったもので、大体二百台くらいの車が参加しております、ラリーに。これはひとつ差し上げますから、検討してください。  それからもう一つは、順法精神というのが言われておりまするが、どうでしょうか。これは、業者、ドライバーもさることながら、あるいは運転管理者、そういう人に順法精神というのは行き渡っておるのでしょうかね。これは運輸省からも聞かなければなりませんけれども、私はそうでない場面をたくさん見ております。そういう点について検討され、あるいは点検されたことがありましたら、その実態についてお知らせを願いたいと思う。
  55. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 御指摘の問題につきましては、われわれ警察の立場といたしましては、安全運転管理者という制度を、御承知のように設けておるわけでございまして、その安全運転管理者が運転者の安全な運転を管理するという立場にあるわけでございますから、当然その安全運転管理者というものは順法精神を持っておらなければならないわけでございますが、その安全運転管理者の講習を私どもはできるだけやりまして、そういう問題のないように指導はいたしておるわけでございますが、御指摘のような点があるといたしますれば、さらにわれわれはそういう面についての指導強化してまいりたいというふうに考えております。
  56. 大倉精一

    ○大倉精一君 運輸省、どうですかね。
  57. 鈴木珊吉

    政府委員鈴木珊吉君) 運輸省関係では、いわゆる自動車運送事業者でございますけれども、に対する担当でございます。大体、運送事業者の保有しておりまする車は、トラック、バスあるいは乗用車を入れまして、数におきまして、全体の自動車の保有量の約五%でございます。現在全自動車が約一千万台とすると、五十万台でございまして、その範囲でしか、私どもは運送事業者を通じまして監督できていないわけでございます。それで、自動車の運送事業者についての安全確保の順守の規定あるいは指導等につきましては、御承知のように、もうすでに道路運送法にそういった運行の安全の確保に関する規定がございます。たとえば、点呼をやるとか、乗務記録の解析をやるとか運転基準とか、あいるは乗務基準の作成とか、乗務員の指導、服務規律の制定、そういうことを専門的に管理するいわゆる運行管理制度というのが、現在でも道路運送法上におきまして業者に対しましてはできておるわけでございます。大体、これらにつきまして、実際それを守っているかどうかということにつきましては、結局運輸省が監査する以外に手はない。そこで、こういった事業者に対する監査は、各業種別に毎年、全部とはいきませんけれども、やっております。それで、その都度、おかしい点を全部あげさせまして監督しておるということでございますが、何ぶんにも、定員の問題その他ございますので、全部を何年おきにするという、その程度でございます。
  58. 宮崎清文

    政府委員宮崎清文君) 労働省が来ておりませんので……。事業所におきまして、運転者交通事故につきましては、運転者自身が道交法違反をする場合が直接事故でございますが、その背後に事業所の労働基準法違反のようなことも考えられますので、労働省におきましては、昨年の二月に、御存じと思いますが、自動車運転者の労働時間等の改善要綱というようなものをつくりまして、四月以降、時間外労働の制限でございますとか、割り増し賃金の抑制でございますとか、そういう点につきまして通達を出しまして、改善を目下つとめておる最中でございます。
  59. 大倉精一

    ○大倉精一君 きょうは時間がありませんから、こまかいことの質問はやめますが、しかし、実際に実情に沿って具体的に指導をするなり処置しないというと、何にもならぬわけです。たとえば、いまあなたのおっしゃったタクシー運転者の労働時間にしても、労働時間をきめたって、やはり業者のほうで三百六十五キロの走行ノルマをやっておれば、短い時間で走らなければならぬということになってくる。それもあわせてやるということもありますから、これもひとつ御検討願いたい。  それから運輸省のほうにおきましても、安全管理の内容、条項につきましては、これはあたりまえのことです。あたりまえのことを並べてあるだけなんです。そこで。私が知っておる――まあ、場所や名前を言っちゃまずいのですけれども、町内会で、よくタクシー会社なんかを入れていろいろな会合をやるのですね。それで、町内会はいろいろ苦情を出すわけですよ。とこるが、その責任者といいまするか、そういう者が、そんな法律なんかあったって、そんな守る必要ないですよ、こういうことなんだな。法律なんかあったって上のほうが守ってないのだから守る必要ないですよ、――こういうのが経営をやっておったんじゃ、これは寒心にたえない。おそらく、あなた方が行けば、平身低頭して、まことにうまいことを言うだろうと思うのでありますが、町内会で会合をやると、そういうふうなことを言う。こういうものは資格がないと思うのですよ、ほんとうにそうだとすれば。そういうものが一カ所や二カ所でない。全般にあると思うのです。それをつぶしていかなければ、これはどうにもしようがないじゃないですかね。ですから、そういうのをひとつ、全部は点検できぬでしょう。できませんが、しかし、そういうものを発見し、あるいは抽出する努力をされて、あれば、これは一時営業停止なりなんなりするという措置を講じないというと、これはもうだめになります。  と同時に、これは運輸行政の面ですけれども、タクシーなりトラックなりの増車許可をされる。それが、入れものがどうかということです。前に認可をし、免許をし、あるいは許可をした場合の入れものと、さらに十台なり二十台なり増加した場合の入れものがないのです。置く場所がない。これは、私は運輸行政の責任だと思うのですな。ですから、そういう点についても総合的にやらなければいけませんが、きょうは指摘だけしておきますがね。陸運局のほうで、そういう点について、ひとつさらにふんどしを締めて監督してくれませんか。――ちょっと一言……。
  60. 鈴木珊吉

    政府委員鈴木珊吉君) 御趣旨に沿いまして、現場の局なりに十分強力な監督をやるように、さらに指導したいと思います。
  61. 大倉精一

    ○大倉精一君 次には、運転手の不足をどうするか。これは、きょう労働省いませんけれども、これは警察庁のほうもみんな関係があると思うのですね。運転手が不足なものだから、不良な運転手と言ちゃ失礼だけれども、あまりよくないということを知っておりながら、そいつをやめさせるわけにもいかぬし、また排除するわけにもいかぬ。こういうことで、あるいはタンクローリーやそういう危険物の運転手が、はたしてそういう資格のある運転手かということも疑わしい場合もある。ですから、これは東京でありませんけれども、一年に四回も五回も事故を起こす運転手はきまっているというのです。やめさせたいけれども、運転手がおらないから、これはしかたがないというのですね。そういうところは非常にむずかしいだろうけれども、運転手不足に対する対策というものを、これは具体的にやらなければいけないと思うのですけれども、この対策はどうなっておりますかね。その担当はどこですか。
  62. 鈴木珊吉

    政府委員鈴木珊吉君) いま先生の御質問でございますけれども、運送事業者の場合は私ども監督しておりますので、労働省の関係でございますけれども、監督の立場からいいまして、事業者を通じましてやはり指導していく以外にないと思います。その場合に、自家用の場合になりますと、直接私ども監督しておりませんので、その場合には直接的には手が回らないのじゃないかと思います。  そこで、事業者につきましては、タクシーもあるし、路線トラックもあるし、バスもあるわけでございます。特にダンプなどにつきましては、例の規制法によりまして特別な罰則も、行政罰ですが、やっておりますし、この前ダンプ第一号の違反の非常に強い行政措置をやりましたのですけれども、そういったぐあいで、逐次やってまいるつもりでおりますけれども、自家用全般につきましては、どうも手が回りかねているわけでございます。
  63. 大倉精一

    ○大倉精一君 警察には関係ないですかな。
  64. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 私どものほうは、運転免許を、免許行政をやっておりますが、要するに、御承知のように二千五百万に近い免許保有者がいる、そういうことになるわけでございまして、その中から、雇用する場合に、いい運転手を採用するということになると思います……。
  65. 大倉精一

    ○大倉精一君 そういうことじゃないのです。
  66. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) これは私ども直接には関係しておりません。
  67. 大倉精一

    ○大倉精一君 私の聞いているのは、これは詳しく聞きませんけれども、あなたのほうで運転免許をチェックされておりますから、事故をやる常習者はわかるわけだな。そういう者について、運輸省のほうなり何なりとよく連携をとっているかどうかということなんだな、連携を。そういう事故多発運転手を依然として排除せずにやっているという業者については、これは今度運輸省関係だから、運輸省のほうでチェックしていく。こういうぐあいに、各省庁が連絡連携をとっていかないというと、どうもぐあいが悪いところがあるのじゃないかと思うのです。ですから、きょうはひとつ要望しておくだけにとどめまして、そういう連携をひとつ密にしてやってもらいたい。これはひとつ総理府のほうでも、総本山がそこでもあるようですから、そこでひとつ大いにやってもらいたい。  もう一つ、騒音防止ということがありましたね、きょうの報告の中で。騒音防止。聞いておって、それじゃ、マフラーというのがあるでしょう、バーン、バーンというやつ。あれはどうなんです、あの騒音防止は。ああいうのがどんどん町を走って、一向に警察も手をつけぬ、あなた方も手をつけぬ。それで騒音防止、騒音防止と言っている。最近は、クラクションで、ファーン、ファーンというやつもありましたね。ああいうものが何か神経を刺激しまして、ドライバーの人に聞いてみると、ファーンファーン鳴ると、いやな気持になるというんだな。そういう点も、あなたたちは気をつけてやらないというと、騒音防止といっても、そういう点を排除していかないというとだめになるのじゃないか。特にマフラーの点はどうなんですか。これは野放しになるんですか。
  68. 鈴木珊吉

    政府委員鈴木珊吉君) マフラーは、一定の騒音を出す場合の保安基準がございまして、これでそういうものを出しちゃいかぬということになります。したがいまして、そういうマフラーをはずしてやる連中は、検査のときはちゃんとつけてくる。それで合格しまして、あと、終わると取って走り回るのじゃないか。その後のことは、これは私どもやりませんので、警察のほうで取り締まっていただくより手がないのじゃないかと思っております。
  69. 大倉精一

    ○大倉精一君 これはきわめて簡単じゃないですか。バーンバーンいって走ったら、ストップかけてやってしまえばいい。これは費用も何も要らぬ。警官の前でバーンバーン走って、その違反を見物しているんですからね。まるで警察官がばかにされているようなものですよ。こういうのはどうでしょうか。バーンときたら、ストップかけてやれぬものですか。
  70. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) この騒音防止につきましては、取り締まりの規定があるわけでございますが、運輸省の保安基準で基準がございまして、その数字的な基準を厳格にやりますと、それを測定の上やるということになりまして、なかなか取り締まりの技術の点からむずかしいのでございますが、マフラーをはずしたやつは、私どもはできるだけそういう点に沿ってやっているつもりでございます。
  71. 大倉精一

    ○大倉精一君 これは、きょうは公害じゃないですから、交通安全ですから、ああいうマフラーをはずしてバーンバーンやるやつは交通事故のもとになるというのです。そういうものをやはり取り締まって消していかないというと、いかにこういう所信表明をやってみても何にもならぬ、こういうことを言うのです。これは、いまそういうお話ありましたけれども、きわめて簡単なことですから、ストップかけてやれば、隠すわけにいかぬのです。向こうは知っているわけですから。すぐ捕えられますから。これもひとつやってもらいたいですね。  それから今度は、交通事故にあってけがをした場合、これは私は、自分でけがをした場合を想定してみるというと、救急指定病院の点ですね、私はしろうとだからよくわかりませんが、いろいろ集めてみました。いろんなものを、書いてあるものを集めてみますというと、はたしてぼくが交通事故にあったときにちゃんとした救急病院へ連れていってもらえるのかどうか、連れていってもらっても、ちゃんとした治療をやってもらえるのかどうか非常に不安でしかたないんですが、救急病院の現状について、東京都を例にとって、現状について一体どういうことになっておるのか。特にお尋ねすることは、簡単にいって、非常に暴利をむさぼると言うと語弊がありますけれども、ばかに吹っかけて高い金を取る。一カ月入っておったら百二十万円も取られたと新聞に書いてあるわけです。健康保険でやってくれというと断わられるところもある。こういうことで非常に困っておるという記事が次から次へとあるんですけれども、しかも、お医者も足らぬ、看護婦も足らぬ、設備もない。こういうことですが、現状はどういうぐあいになっておるか、参考のために聞かしておいてもらいたいと思います。
  72. 上村一

    説明員(上村一君) 救急病院でございますが、これは、消防法の規定によりまして、厚生省の省令で一定の基準をきめてございます。その基準としましては、こういった事故による医療について相当の知識なり経験を有する医師が常時おること、それから、手術室なり麻酔器なり、エックス線装置その他の設備、施設を持っておること、それから第三点としましては、救急隊、これは消防署でございますが、救急隊による搬送が便利な場所にある、それから、優先的に使用できるベットを持っておるということ、これがその基準でございまして、そういった基準に該当すると考えられる病院、診療所が都道府県知事に申し出をしまして、そこでその知事のほうで、これこれしかじかの病院、診療所は救急病院なり診療所であるという告示をするわけです。それで、去年の暮れの現在で、全国でこういった告示をしております病院の数が三千六百五十三ございます。そのうち、約三分の二、病院が二千二百十四でございます。ただこれは、全国的にこの救急病院、診療所が告示されました状況を見てまいりますと、やはり御指摘のような問題がございます。問題があると申しますのは、県によって、非常に配置にアンバランスがあるということでございます。東京都のような場合には、約五百カ所ばかりの病院、診療所が告示されておりますけれども、東北のある県にまいりますと、県内で二カ所しか告示されておらないというふうなところもあるわけでございます。そういった点につきまして、私ども、地方公共団体を通じてこういった仕事をしておりますので、衛生部をして行政指導させて、できるだけ救急病院、診療所が配置できるようにやっておるわけでございますが、なお整備の過程にございますので、いろいろなズレがあるわけでございます。これが救急病院、診療所の状況でございます。  それから医療費でございますけれども、先般も新聞に載りましたが、私どもの制度の仕組みの上では、交通事故によってけがをした場合には、社会保険の給付の対象になるというふうに考えております。そういたしまして、どのぐらいの金がかかっているかということになるわけでございますが、都内の二、三の国立病院、これは救急病院であるわけでございますが、これについて当たってみますと、月の間に、おおむね一日当たりに直しまして約千六百円ぐらい、月に直しますと約五万円ぐらいというのが、ある国立病院が一カ月間に扱った患者の平均でございます。もちろん、患者の症状によってうんと高いものもございます。うんと高いものについて申し上げますと、大体月に三十万ぐらい、これは社会保険でございますが、社会保険がきいて三十万、これまで調べました最高のものは、両側の硬膜下に血腫ができて一カ月入院をした人でございますが、社会保険を適用いたしまして約八十万かかっております。  以上が救急病院、診療所の状況なり、救急病院、診療所に対して支払われている医療費の状況でございます。
  73. 大倉精一

    ○大倉精一君 私が自分で調べたわけではないから、新聞に書いてあるところから拾ってきたから、まるきりうそでもないと思うので、状況をあなたは一番よく知っていると思うのです。知っていなければ怠慢だ。  そこで、どういう原因でこうなるのだということ、これが大事ですよ。病院側にも言い分があるだろうと思う。患者のほうも言い分があるだろうと思う。新聞をずっと通読してみますというと、結局、厚生省の指定の条件、いま言われましたそういう条件を整えて、さあ救急患者いらっしゃいなんていっていると、病院のほうではとても食っていけぬというのです。そこで、今度は、患者がけがしても、自分であそこの病院へやってくださいと言うこともできない。病院を指定することもできない。その間隙を縫って、そうしてインチキ病院といっては語弊がありますけれども、高い金をとる病院ができる。非常にたくさんの悲劇の実例が書いてありますけれども、こういうことはどういう原因でこうなっているか、どうやったらいいのか、これを検討されたことがあれば、それをひとつ聞かしてもらいたいと思います。
  74. 上村一

    説明員(上村一君) 社会保険を適用しないで、医師と患者との間で払われる医療費につきましては、私ども規制はできない状況でございます。規制ができない状況だと申しますのは、その医師の技術料をいかに評価するかというのは、医療をする医師の判断になるわけでございますし、その患者に対してどういうふうな治療をするかというのも、その医師の判断に属する事柄でございます。  そこで、こういった相当高額な医療費に対してどうすればいいのかということになるわけでございますが、先ほども申し上げましたように、いかなる傷害につきましても健康保険なりあるいは国民健康保険が適用できる仕組みになっているわけでございますから、しかも、搬送された当時は保険証を提示することができなくても、保険証を提示したあとの医療につきましては、保険が適用できるわけでございますから、そういった趣旨のことを絶えず私ども啓蒙することが必要ではないかと思います。
  75. 大倉精一

    ○大倉精一君 そういう手続の問題は、これは二の次ですよ。ですから、一つの新聞によりますと、救急病院の指定をお断わりする、こういうことがあって、あなたいま、いなかのほうでは救急病院がないとおっしゃいましたけれども、この辞退によって大阪市の東住吉区は、もう救急病院は一軒もないのですよ。こういう原因は何かということ。一体、いまあなたは救急病院の指定をするというけれども、ほんとうに指定制度があるのですか。
  76. 上村一

    説明員(上村一君) 冒頭に説明申し上げましたように、指定というのじゃございませんで、こういった省令に該当するような病院、診療所からの申し出によりまして、申し出があったものについて知事が告示をする、知らせる、こういうふうな仕組みをとっているわけでございます。
  77. 大倉精一

    ○大倉精一君 指定病院と書いてありますが、指定病院ではないのです。そうでしょう。これは、こちらから申し出をして、知事がああそうか、それではよろしい、となって指定病院として上から指定するというのじゃないのですから、だから、お役所のほうでは補助する必要はない。そういう責任を免かれるわけだ。だから指定するのじゃないから、やめるときは、やめますと言えばそれでしまいなんですね。まずその制度を改めなければいかぬのです。いまあなたがおっしゃったように、しょっちゅう専門医がいるのだ、手術室がある、麻酔器を備えている、エックス光線装置があるのだ、救急医療に必要な設備を持っているのだ、しかも予備のベッドを置いておくのだ、こういうことでしょう。そういうことをちゃんと確認をして大倉病院は指定にする、こうなるわけだ。ところが、いまじゃ大倉病院は、そういうことじゃなくて、設備があってもなくても指定にしてください、うちで引き受けますよ、じゃ、たのみますよ、ということなんです。まず私は、はっきりした指定制度をつくるということ、指定制度をつくれば、お役所のほうで責任を持たなければならぬ、やっていかれなければ補助金ということを考えるでしょう。こういう制度そのものを、この際一ぺん検討する必要があるのじゃないですか。
  78. 上村一

    説明員(上村一君) 現在の厚生省令につきましては、こういった医療を担当する側と協議をいたしまして、申し出によって告示をする仕組みをとることが一番妥当ではないかということできめたわけでございます。お話しになったように、申し出によっておる関係上、地方公共団体のほうで、おまえのところは救急病院になれというふうな命命ができない点に、少し、何と申しますか、もどかしい点はございますけれども、こういった医療というのは、何といいますか、国なり地方公共団体のほうから命令するという仕組みをとるのじゃなくて、医療を担当する側で、自分のほうで救急をやろうというふうな心がまえになってやっていただくことが一番効果があるのじゃないかと思っておりますので、いまのやり方はそのまま続けて、十分指導してまいるという方法をとるほうがいいんじゃないかと考えます。
  79. 大倉精一

    ○大倉精一君 誤解しているようですが、上から命令するとは私言ってないのだ。それは、医療機関、医師会なり何なりにいろいろ相談をしてもらって、この区域にはこことここときわめてもらって、そうして申請というか、申請してもらう。そのときに、はっきり指定をする。指定をした場合には、公的病院については必要があれば補助金を出す。そうしなければやっていけないですよ。民間病院については、一点単価を云々する、これがために、一般の保険じゃなくて、交通保険といいますか、交通診療保険といいますか、そういうものも考えていいんじゃないかと思うのですが、そういう点はどうでしょうか。いまのままでいいということはどうかと思うのです。さっきの議論じゃないけれども、いまのままで監督すればいいという議論なら、もうとっくによくなっていなければならぬ。こんなに交通事故が多いのですよ。しかも、どんどんどんどん、私はごめんこうむると言って返上する医師が出てくるというのでは、いまのままで監督指導していけばいいということは、しろうと考えながら、いただけないと思うのですよ。これは大きな政治問題になると思うのですけれども、やっぱり行政担当のあんたたちはベテランで、あんたたちのほうが大臣よりよく知っているんだから、こうしたほうがいいんだということ、いいことはやっぱり大臣に進言してもらう、そうしないと、ちょっとあんた、自分で交通事故に会った場合に困るでしょう。
  80. 上村一

    説明員(上村一君) 救急の告示病院の場合には、ベッドをあけ、それから看護婦なんかを待機させておかなければならないというふうなことから、一般の病院に比べますと、余分な経費がかかるということは事実だと思います。それに対して、どういう仕組みでそういった余分な経費をカバーするかというのは、医療保険がからんでまいる問題でございますので、相当検討させていただかないと、いま直ちにお答えは申し上げかねます。
  81. 大倉精一

    ○大倉精一君 きょうは突然のことですから、こういう大きなことは、こうしますと言えないと思うから、次のことを提案しますから、よく相談をしてもらって、この次の機会にひとつ御意見を聞かせてください。  第一番には、急救指定制度をはっきり確立をするということが一つ。これはむろん上から命令するのじゃありませんよ。指定制度をとるということ。それから、そういった場合に、公的病院においては、やはり国家の補助ということも考える。ということは、こういうきびしい基準をつけておるのですから、こういう基準をつけた以上は、責任を持たなければいけません。民間については、特別に、一般の健康保険では困ると思うので、交通診療基準というものを設けたらどうか。さらにまた、現状においては、交通被害者がみずから希望する病院を指定することができるということ、こういう制度考えてみたらどうか。その他あろうかと思いますけれども、一応思いついたことを提案しましたから、これは突然の提案で、いま答弁ということは困ると思うんですけれども、一応専門的に御検討願って、そういうことはだめなのかどうなのか、それにかわる方法はこういう方法があるんだということを聞かしてもらいたい。現状のまま指導監督すればいいというあなたの発言は、やはり納得できない。それならば、もっとよくなっていなければならぬのだから。もっと何とか改良しなければならぬのですから、改良するについては、そういう点を御検討願って、そうして次の機会に報告願いたいと同時に、さらによりよい改善の方途があれば、それもあわせて聞かしていただきたい。  きょうはこれで終わります。
  82. 上村一

    説明員(上村一君) なかなかむずかしい点もございますが、次回までに検討いたしまして、申し上げるようにしたいと考えます。
  83. 原田立

    ○原田立君 先ほどの、自動車構造装置の安全保安基準ですか、私も資料としてちょうだいしましたけれども、交通事故に対するものだろうと思うんですが、従来から当委員会で問題になっている、排気ガスを出さないようにする開発の基準が載っていないように実は思うんですが、それはどういうわけですか。
  84. 堀山健

    説明員(堀山健君) きょうお手元にお配りしたのは、これは安全のほうだけでございまして、排気ガスのほうは別に考えております。
  85. 原田立

    ○原田立君 別に考えているので、またこういう基準は出してもらえるということですか。
  86. 堀山健

    説明員(堀山健君) 自動車構造装置につきましては、現在の制度で、道路運送車両法によりまして、これを保安基準できめるという制度になっております。それで、安全の問題につきましては、従来からいろいろ考えておりまして、なるべく早い機会に、実行可能であるという十四項目をあげて、これについて規制をしよう、その後逐次研究開発の進んだものは二次三次で追加していく、こういう考え方でございます。安全はそういうことでございますし、それから排気ガスのほうにつきましても、規制強化につきましては、やはり同じようにこの保安基準の中で逐次規制をしていく、かように考えております。
  87. 原田立

    ○原田立君 いつごろになるんですか。
  88. 堀山健

    説明員(堀山健君) 現在、排気ガスを規制しておりますのは、一酸化炭素三%を規制するということで規制をしておりますが、同時に、これは昨年の十二月に、整備のしかたによりましては、現在使われております使用過程の車、いわゆる中古車と申しますか、それにつきましても、新車時以外であっても、適当な整備をいたしますと、新車のときよりも排気ガスの状態が悪くならないということがわかりましたので、それに対する行政指導を現在行なっておるところでございます。でありますから、現在、新車に対する規制と、それからいわゆる中古車といいますか、現在使っている車に対する整備のやり方と、この二本立てで行政をやっている、こういうことになっております。
  89. 原田立

    ○原田立君 それでは、また別な問題になりますが、先ほどの鈴木交通局長お話の中に、市街地交差点事故が非常に激増しておる。これは全体の四〇%である。あるいはまた車両相互事故が六四%であるというような御説明があったわけですが、信号機改良なんですけれども、ただ簡単な右左の青赤というような、そういう普通の信号機と、最近の、右折する、左折する、その矢印のついた信号機と、こんなふうになるだろうと思うのですが、この車両相互事故というのは、一体簡単なほうの信号機のところで多発しているのか、あるいは矢印のついているそちらのほうの信号機のところで多発しているのか、そこら辺はどうですか。
  90. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 御指摘の点につきましては、現在交差点事故が多いということを申し上げましたが、いかなる交差点であるか。信号機のついている交差点であるか、信号機のついていない交差点であるか。それから信号機のついておる交差点では、御指摘のように、どのような現示時間を示している交差点か、あるいは左折、右折の表示のある交差点であるかといったような、いろいろなこまかい分析を現在やっておりますので、即答できないのを残念に思います。
  91. 原田立

    ○原田立君 いつごろまとまるのですか。
  92. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 全国全部を調べるわけにいきませんので、現在警視庁でモデル的に検討しておりますが、警視庁といたしましても従来の事故原票からなかなか直ちに抽出できない面もございまして、正確にいつまでということは申し上げられませんが、なるべく早くやりたいと思っております。
  93. 原田立

    ○原田立君 車に乗って右折する、あるいは左折する、そういうときにしばしば車が長蛇の列をなしていて、右に曲がろうとすると、別のほうからもくるので曲がれない。非常に短気な人だったら向こうからばあっとくるのに無理して飛ばして横切るというようなことがしばしばあります。これはやはり、もっと信号機自体が開発されていかなければならないのではないかと思うのですが、そういう点はどちらのほうですか、宮崎さんのほうでわかりますか。
  94. 宮崎清文

    政府委員宮崎清文君) ただいまのところ、具体的な信号機の問題は警察庁所管になっております。
  95. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 御指摘のように、信号機改良の点につきましては、ただいま混雑緩和対策という観点から信号機高度化ということで、たとえば信号機の系統化、自動感応式、地点感応式といったような改良を進めております。それとあわせて、右左折の標示を非常に混雑した交差点には漸次つけていく。それからさらに、単なる灯火による標示だけでなく、道路標示といたしまして、右折する車はこの車線に入りなさいという道路標示ですね、そういったようなことまでもやりませんと、このような交通事情のもとにおきましてはなかなか円滑にさばけない。それがまた、御指摘のように事故につながるということもございますので、現在御指摘のような方向でいろいろ検討を進めております。
  96. 原田立

    ○原田立君 現在検討中であるということならば、漸次改良が加えられているだろうと思いますが、私は都内あちこちを車に乗ってみるのですけれども、矢印のついているのは非常に少ないように見たのです。車がどんどん激増しているし、事故もまた激増しているという情勢にかんがみて、そういう信号機改良を全力をあげてやるべきじゃないか。そんなふうに思うのですけれども、どうですか。
  97. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 御指摘のように、先ほど私、検討中と申しましたが、検討実施中でございまして、予算関係もございますけれども漸次そういう方向に持ってまいりたいと思います。
  98. 原田立

    ○原田立君 それでは、次の問題に入りまして、一方通行のことについて多少お伺いしたいと思うのですが、一方通行をきめる基準、それはどんなふうになっているのか。あるいはまた、その一方通行の中における事故というのは一体どんなようなものがあるのか。それから一方通行の距離ですね、それはどのくらいの長さなのか。あんまり時間がありませんから、みんなまとめてお聞きしたいと思うんです。
  99. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 一方通行につきましては、このような交通事情でございますので、一方通行の路線が漸次ふえてまいっておるわけでございます。この一方通行を実施する際には、従来は事故防止という観点からなされておりましたが、漸次交通円滑化という観点からの一方通行もなされることになろうかと思います。この一方通行をやる場合には、従来は、要するに狭くて対向車が行き違う余地が少ないところ、そういうところについて重点的にやってきておるわけですが、その際にも、やはりそれを一方通行にしたことによって、通行を禁止した方向の車の代替道路と申しますか、そういうものが周辺にあるかどうかということを、かね合わせて勘案いたしまして、設置基準をつくりまして、そういう方向でやっておるわけでございます。  そこで、御指摘の路線の延長はどれくらいあるかということは、手元にいま資料がございませんので……。  それから、一方通行した場合のその通行路における交通事故がどういうことかということでございますけれども、一方通行にすれば事故が減るという観点からなされておるわけですから、事故は少ないのでございますが、一方通行をした場合にも、まあ最高スピードをどうするかという問題がそこにあります。それから、そういう問題に関連しての事故もあると思いますし、追突事故なんかも出てくると思いますが、現在一方通行路における事故形態の資料が手元にございませんので、後ほど、また調べた上で説明さしていただきたいと思います。
  100. 原田立

    ○原田立君 これは一つの提案なんですけれども、一方通行に入るところ、その道路の入り口に出される標示、これがたとえば晩の十二時に解除になるというときに、右のほうから入ってくる入り口に十二時で解除となっている。ところがこれが、千メーターとか千五百メーターとか、ずっと向こうへ行った入り口のほうにも、これまた十二時に解除と書いてある。これは一方通行のところなんですけれども、同じ時間にばあっと入ってきてしまった場合に、まん中で右にも寄れない、左にも寄れないという、そういう問題が起きるんじゃないか、そういう面での事故なんかがいままでなかったのかどうか、その点を心配しているわけなんですが、それはごく少ないだろうと思うんですが、その標示の研究等は、なさっておられますか。
  101. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 一方通行路におきます標識につきましては、これは標識令による標識をつけるわけでございます。問題は、そのきめられた標識を、いかに運転者に見やすいようなところにつけるかということになろうかと思いますが、御指摘のように交互に、時間別に一方通行路を逆にするというところも都内にはあるわけでございますが、そういう時間別に交互にやるというのは、交差が不可能なほど狭い道路ではないと思いますので、かりに御指摘のように同じ時間に――ちょうど禁止時間の交代時期に両方から入っても、すれ違えないという場所にはそういう規制のしかたはいたしません。もう絶対にすれ違えないようなところは、終日一方通行ということにいたさねばなりませんので、そういう規制の形になろうかと思います。  標識の問題につきましては、この一方通行を交互にやるという場合には、車の進入禁止の大きな標識が立っておりますので、その進入禁止の時間がいつからいつまでだという形になるわけです、一方通行の場合には。ですから、この進入禁止の標識は御承知のように非常に目立つ標識でございますから、ドライバーは進入禁止がまず目につく、これにはいまの時間――逆に、その下に一方通行の標識があるわけでございますから、まずその設置場所、設置の方法が運転者の見やすいところについておれば、現在の標識で運転者にはわかり得るような標識になっているはずでございます。
  102. 原田立

    ○原田立君 時間によって交互に入ったり出たりするという、そういうようなことを私は言っているわけじゃない。そうじゃない。これは一方通行になって、晩の十二時なら十二時に解除になる、そういうところですよ。そういうところで、その道路標識――一方通行の標示にはAという町のほうに十二時から解除と書いてある。Bという町のほうにも十二時解除と書いてあって、解除になると同時に両方から中に入り込んでくる、それじゃ困るじゃないか。だから標示のしかたを変える。たとえば十二時を基準にするならば、こちらのAの町には五十五分から解除、向こうのBの町には十二時から解除、こんなふうに標示すべきじゃないか、これは私の意見ですが、どうですか。
  103. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 先ほども御説明申し上げましたように、そういう時間別の一方通行をやっている場合には、すれ違いができないほど狭い道路ではなかろうと思いますので、かりにいま言ったように厳格に一分でも違ったらいかぬということになかなかならぬと思いますので、その辺のところは一応の時間をきめて、きめこまかく、そこまでやらなくてもよいのではなかろうかという考え方でやっておりますが、なお御指摘の点がありますので、検討いたしたいと思います。
  104. 原田立

    ○原田立君 これは、話を実は聞いたので――私実際にラジオなんか聞いてないのですけれども、間違っていたならば御指摘いただきたいと思うのですが、交通取り締まりのことについて、朝のラジオ放送で、これこれの方面においては本日は酒飲み運転とか無免許運転取り締まりを行なうと、朝のニュースで何か放送されておるそうであります。それは事実なのかどうなのか。もしやっておるとすれば――試験を受ける学生に問題の答えのほうまで教えておいて、試験をやっておるみたいなことで、あまり効果はあがらないのじゃないだろうか。こう思うのですが、それらの点についてどんなふうに思いますか。
  105. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) お話の点は、いわゆる公開取り締まりのことだろうと思いますが、この公開取り締まりを数年前から実施しておりますが、これは多数の警察官を動員してやる場合に公開でやるということで、その際に、御指摘のような議論もございましたけれども、この公開取り締まりというのは、やはりそれを公開することによって、運転者が違反をしないという防犯的な効果をねらっておるわけでございまして、そのほかに取り締まりというものは常時なされておるわけでございます。白バイ、パトカーによる取り締まりというのは何も公開はやっていないわけでございます。無謀な悪質な運転者については、そういう方法でもやれるわけでございまして、公開取り締まりの効果という点については、確かに御意見がございますけれども、私どものほうは防犯的、予防的な――要するに違反がなければいい、違反をせずに、また事故を起こさないという防犯的な効果もねらってやっておるわけでございます。
  106. 原田立

    ○原田立君 どうもはっきりしたように聞き取れないのですけれども、これはいいでしょう、それくらいにして。  実は自動車局長、「運転管理」という本を読んだのですけれども、この中に日本医科大学の精神医学教室・葉田裕・助教授の「タコグラフによるタクシー運転者安全運転管理」というのが載っているのですが、こういう学者の意見なども十分研究の対象にしておやりになっているのだろうと思いますけれども、このレポーターの報告になっていることを、あるタクシー会社でやってみたら非常に効果があがったというようなことが書かれているわけです。御承知だと思いますが、その点いかがですか。
  107. 堀山健

    説明員(堀山健君) 実はタコグラフをつけ始めましたのは、ここに書いてありますようないろいろな効果があるということから、昭和三十八年の一月一日から路線トラック、それから貸し切りバス、それから百キロ以上の運行距離を持っておりますバス、これについて規制をしたわけでございます。その後、昨年五月十六日付で路線トラック以外の大型トラック、これはダンプも含みますけれども、これについても規制するということになりましたし、さらに昨年の十月三十一日付で、これは来年の一月一日からでございますが、指定地域ではタクシーにも取りつける、こういう一連の規制をしてまいったのでございます。それでいろんな運行記録計などをつけまして、その解析なり、運用をよくやれば非常に運転管理上効果があるということは、先ほど申しましたように、路線トラック、それから貸し切りバスですでにある程度行なったわけでございます。さらにタクシーについても、事故防止あるいは運転手の安全管理、そういった意味からさらに効果があがるということも逐次立証されてまいりましたので、御指摘のようにいろんな研究のデータなり、使い方を見ながらこれを普及していくということにいたしておるわけでございます。
  108. 原田立

    ○原田立君 このタコメーター、タコグラフをつけてやっていることによって、一部事故が非常に少なくなったという、こういうこともあるんですが、その反面また、さして効果がないというような面もある。その効果のあがらない理由の一つとして、取りつけはしたけれどもあとのチェックがちょっともよくしてない、取りつけただけのもので終わっているというようなことも指摘されているのであります。ひとつその点はどうなんですか。
  109. 堀山健

    説明員(堀山健君) これは、先ほど申し上げたように、あとの管理をよくやりませんと、つけた意味がそれほどの効果が出てこないということかと思います。一つのやり方は、速度を非常に超過するといった面を指摘して、無謀操縦をやめさせるというのが一つの非常に簡単なやり方でありますし、さらに図形を見まして非常に安定した運転をしている場合と、非常にむらのある運転をしている場合と、この二つに分けられるかと思います。たとえば制限速度四十キロの場所ではおおむね三十七、八キロぐらいで経常的に運行しているというような人ですと、大体燃料も食いませんし、事故も起こさない。まあ大体そういう人は運転手としていろんな適性の面でもいいというのがうらはらに出てきておるわけでございます。そういった意味で、図形を見ながら、この人には非常にむらがある、あるいは特定の日だけむらがあるような場合もあるかと思いますし、そういういろんな見方で判断ができると思いますので、そういった面が非常にあらわれやすいということで、現在運行管理制度というものを一部会社には義務づけております。それは各運転手が毎日の運転を終わったとき、タコグラフの紙を運行管理者に提供するようになっておりますから、それを見て、それぞれ注意を払うなり、日ごろから関心を持って見ていれば、この運転手はどうも近ごろ何かあるんじゃないか、そういう点がわかるわけであります。そういった意味で指導管理の面に使っている。これについては私ども運行管理者の研修という制度をとっております。これは年に一回業種別にやりますが、タクシー、トラック、バス、地域ごとにそれぞれやっておりますので、そういう機会を利用して、そういった効果のあるやり方についての指導をやっているし、それから監査した場合でも、タコグラフがどのくらい完備されているかということを、できるだけ身近な指導を従来やっておりますし、また今後ともそれを続けてまいりたいと思います。
  110. 戸田菊雄

    ○戸田菊雄君 どうも時間もありませんから簡単に伺います。  交通事故が非常に激増の傾向にあることはお認めになっているところだと思います。大体四十一年の統計が出ているんでありますが、四十二年の事故発生の推計は大体どの程度ですか。死者、傷害者、この二つですが。
  111. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 四十二年の交通事故は、件数にいたしまして五十二万千四百八十一件、これは四十一年の二二・四%増でございます。死者は一万三千六百十八名でございまして、これは四十一年よりも二百八十六名の減少を示しております。負傷者が六十五万五千三百七十七人でございまして、これは四十一年よりも二六・六%増ということでございまして、数字で申し上げましたように四十二年は死者数では若干減りましたけれども、発生件数負傷者数におきましては四十一年を大幅に上回っておるということで、御承知のように四十二年はいままでの最高を記録したということになるわけです。ことしに入りましてもこの傾向が衰えませんので、まことに残念だと思うのですが、ことしの三月までで四十二年の同期に比べて、さらに事故件数におきまして二八・四%増、死者も昨年の同期よりは百名近く多い。それから負傷者は三二・一%増ということで、どうも累年増加している傾向がまだやみませんので、まことに遺憾でございますけれども、そういう数字になっております。
  112. 戸田菊雄

    ○戸田菊雄君 これは局長のほうも非常に努力をされているのだろうと思うのですけれども、この事故件数がいまおっしゃられたように非常に激増の一途をたどっているということがございます。ですから、ほんとうにこの事故防止するためには、私は総合的な知恵と力ですね、こういうものを確立していかなければいけないのだろうと思うのです。一つは、防止の観点からいろいろ考えられることは、どうしても事故種別ですね、一体事故発生特徴はどういうところにあるのか。あるいはいろいろな事故要素というものがあるのだろうと思うのですが、そういうものをやっぱり徹底的に検討していって、その上に立って、同じケースの事故というものをできる限り減少せしめていく。各般の施策からそういうものを追い詰めていかない限りは、どうしても事故というものはなくなっていかない。ことに、いまの交通災害というものは結局人命にかかわる問題ですから、そういう意味合いで、もっともっと掘り下げた事故種別、これらの要因というものを究明していく必要があるというように考えますがね。それで事故発生特徴といいますか、どういうものが一番多いのか。そういう特徴というようなものが指摘できるなら、指摘して説明を願いたいと思います。
  113. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 先ほども木村先生から御指摘がございましたけれども、その際、資料の持ち合わせがありませんので御説明いたしませんでしたが、いろいろ事故分析のしかたがあるわけでございまして、全く御指摘のとおり、事故分析をして、それに対応する対策を講じていくとということは御指摘のとおりだと思います。で、私ども警察の立場といたしましては、やはり事故原因がどうなっておるか、その原因と、どういう違反のもとに行なわれているかという分析のしかたを警察の立場からやっているわけであります。で、違反の中で――いろいろな違反が行なわれるわけですけれども、死者事故原因として酒酔いの事故原因が一一%ということになっておるわけです。そのほか安全運転義務違反という件数が相当多いわけでありますけれども、それを除きますと酒酔いというのが――まあスピード違反というのもございますけれども、酒酔いによる死亡事故というのが非常に多うございますので、ことしはひとつ徹底的に酒酔いを取り締まろうじゃないかということを一つ重点として掲げておるわけでございます。それからこの事故の違反原因を、違反種別でなくて類型別に分けますと、先ほども御説明申し上げましたように、歩行者事故が非常に多いということで、歩行者事故をいかに減らすかということで、それを取り締まりの観点から、安全施設の面と安全教育の面からということで総合的に推し進めていかなければならない。それから、歩行者事故も依然として減っておらないわけですけれども、それ以外に、最近の傾向といたしまして、車両同士事故が非常にふえておる。その車両同士事故のうちでも、追突事故が非常にふえているということがございまして、公安委員長所信表明の中にもありましたように、追突事故防止というものを重点としてやっていこうということで、実は本年度重点を酒酔いと追突事故というものにしぼっているのでございます。もちろん、それ以外の事故原因事故の類型というものにも着目してやらなければいけないと思いますけれども、一応重点としてはそういうことを掲げて、これに対する集中的な施策を講じていくということで、大臣所信表明の中にあらわれたわけでございます。お話のように、事故原因をよく分析して、それに対して総合的な対策を講じていくということにつきましては全く同感でございます。
  114. 戸田菊雄

    ○戸田菊雄君 そこで、いろいろと局長のほうもやられておるわけですけれども、この問題はその事故種別、事故判定、そういう要因を研究していくというようなことになれば、総合的にですね、事故審判所ですかね、そういう専門的な立場に立ったそういうものが、ひとつ制度上設けられてもいいのじゃないか。そういうことが結局は事故探究の総合施策を生み出すことになっていく、こういうふうに考えるわけなんです。問題は、この事故種別のいろいろな要因は数あるわけですけれども、いまおっしゃたように、酒飲みの運転であるとか、あるいは歩行者衝突する場合が多いとか、あるいは車両同士事故が最近は非常に多くなったと、こういうようなものがあるわけですが、問題は、やはり大きく考えてみますと、人口割合とか、あるいは自動車保有台数の問題とか、あるいは道路状況、こういう問題も総体的にはこの事故発生につながっていっているのではないか。そういう立場から、どうしてもこの激増傾向を食いとめていくためには、何といっても政府がもっと力を入れて、政治的な立場から、やはり一面では交通安全対策という、そういう基本的な要綱なり政策というものをやっぱり打ち出していく必要がある。確かにいま、この交通安全対策協議会、こういうものが持たれて、室長がおられていろいろやってはおられるのでありますけれども、これだけでは私はやっぱり実質的な施策の樹立、こういう面にいっていないのじゃないか。言ってみれば、各省の関係者が集まって一つの協議をする程度、あるいは状況を報告する程度、こういう程度で終わってしまっているから、結局はこの対策というものが各省に持ち帰られて、それがさらに縮まっていって、各対策係、そういう関係者だけがこの問題に取り組んでいるという状況ですから、そういう面で私は基本的に安全対策基本法なり、そういうものをつくって、その中でいま言ったように事故審判所なり、そういうものをつくって制度的に一応整備をしていく、その上に立って抜本的に交通安全対策というものを立てていく、こういう制度上の確立が必要じゃないかと思うのですが、そういう点は室長どうですか。
  115. 宮崎清文

    政府委員宮崎清文君) ただいま先生の御指摘になりました問題は二つの点があると思います。一つは、現在の行政組織の体系のもとに、いかに総合的に交通安全施策を樹立していくかということと、もう一つは、行政制度そのものとして何か交通に関する、あるいは交通安全に関する一元的に事務を処理する省庁を設けるべきではないかという、二つの問題が含まれておると思いますので、二つに分けて御答弁申し上げます。  第一の点でございますが、先ほど先生おっしゃいましたように、現在総理府交通対策本部というものが置かれまして、これは御承知のように関係省の事務次官等がメンバーでございますが、そこで大体総合的な対策の取りまとめをやっております。もちろん、まだ十分というところまでいっていない点もございますが、特にこれは多少我田引水になるかもわかりませんが、私の現在所属しております室ができまして交通対策本部の庶務を担当するようになりましてから、従来よりか、かなり積極的に総合的な対策交通対策本部できめまして、関係各省庁がそれに従って諸般の対策を樹立するという体制を推進いたしておりまして、多少の成績は上がっているのではないかと考えております。なお、今後の当面の問題といたしましては、この総合調整組織をさらに強化いたしまして、先生御指摘のような方向で努力をしてまいりたいと思っております。それから、交通安全なり交通に関する事務を一元的に処理するいわば交通省のようなものを考える必要があるのじゃないかということも、御質問の中に含まれているのじゃないかと思いますが、これも一つ考え方でございまして、私の知っております限りにおきましても、欧米諸国の大部分では、中央官庁としては道路行政自動車行政、免許行政を一元的に処理する省庁が設けられているようでございます。ただ、日本は日本なりに、ここ戦後二十年来いまの行政体系でやっておりますし、かりにこれを何かまとめるといたしても、もちろん、それによる長所も非常にございますが反面いろいろ欠陥も考えられますので、こればかなり慎重に検討を要する問題かと思っております。かつての臨時行政調査会におきましても、質疑の過程におきましてこの交通問題が検討されたやに伺っておりますが、結局、結論は出ていないようでございます。したがって、この問題は将来の問題といたしまして慎重に検討いたしたいと、かように考えております。なお、交通安全いわゆる交通安全基本法の問題も御質問の中に含まれておりましたが、総理府といたしましては、昨年以来、何とか交通安全基本法案をつくりまして国会に提案いたしたいという考えを持っておりましたし、現在も、時間的には若干おくれておりますが、まだその考えを持っております。ただ具体的に法案を作成する段階になりますと、またいろいろ関係省庁の意見もございまして、残念ながら現在の時点におきましてはまだ完全に政府部内の意見の一致を見るに至っておりません。総理府といたしましては、何とか努力いたしまして、たいへん時間もおそくなりましたけれども、でき得れば提案をいたしたいと考えております。
  116. 戸田菊雄

    ○戸田菊雄君 陸運局にちょっとお尋ねをしますが、三十一年の自動車保有台数は、私の調査ですと百七十八万台、四十一年が九百六十四万台、約五・四倍にふえておるわけです。この数年間そのようにずっとふえてまいりまして、おそらく今後も、こういった増加傾向というものは継続されていくのじゃないかと思うのですが、そういうことになりますと、どうしてもそれに見合った道路の舗装、こういったものも当然起きてくるわけでございます。その辺の、自動車保有台数増加推計等については、どのように見通しされておりますか。ちょっとお知らせ願いたいと思います。
  117. 鈴木珊吉

    政府委員鈴木珊吉君) 私どもで、過去の自動車伸びから推定いたしまして、四十四年から四、五年の間ですが、試算したものがございますが、まあ過去の昭和三十七年から本年の一月末まで毎年締めたのを見てみますと、大体一九%から二一%の間でふえております。それで、来年から四、五年先につきましても、大体その辺の数字ではないか、ただ少し鈍化していくのではないか、平均一一%ぐらいずつあと四年間も伸びるのではないかというふうに見ております。これは実はいろいろな車種によって違いますけれども、いまのは全部入れまして大ざっぱな推定でございます。  それからなお、世界の先進国との比較などから見ますと、たとえば乗用車だけで見ますと、アメリカは三人に一台というのですけれども、日本は現在三十五人に一台、あと欧州のほうは大体四、五人に一台ということでございまして、それだけの数字を見ますと、まだまだ日本もずいぶん伸びるのじゃないかと思います。これは自動車だけであります。これは人口の関係で車の運転のできる者も、できない者も――幼児なども全部入れました非常にラフな数字でございますけれども、まだまだ車は伸びるのではないかというふうに思っておる次第であります。
  118. 戸田菊雄

    ○戸田菊雄君 きょうは建設省関係はおりませんから、道路関係の詳細については省略いたしますが、室長、そういうふうに自動車保有台数がどんどんふえていくわけですが、当然これは道路を走る以外にないので、結局道路の舗装整備というものが当然私は問題になってくるのじゃないかと思うのです。そういう意味合いで、国際比較なんといっても、日本というものは非常に少ないですね。私の調査では、一台当たり舗装延長距離十五メートルということになっている。アメリカは二十五メートル、フランスあたりは四十六メートルと相当延びている。ですから、こういういわば道路舗装等についても対策本部などで十分建設省とお打ち合わせをして、適切な措置を今後やはり計画を立てて進めるべきじゃないかというふうに私は考えます。その辺はひとつ、要望として室長のほうに申し上げておきたいと思います。  それから、自動車事故特徴でございます。交通局長から歩行者との衝突が非常に多いという話ですが、いま歩行者の横断歩道には白線で表示をしたり、横断をするときには黄色い旗をあげて渡るようにという指導しか行なわれておらないようですね。最近、歩道橋に非常に力を入れて方々に増設されておる。しかし、まだまだ全般的に行き渡らない微々たるものだ。どうしても当分の間は横断歩道をこういう形で通行をしなければいけないというところに非常に大きい衝突事故を起こす原因があるのだと思う。ですから、これをもう少し科学的に――何人も同じ場所で事故が起きている場所があるんですね。これらの対策について特に検討した内容があれば御説明を願いたいと思うのですがね。
  119. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 歩行者事故が非常に多いといわれますが、横断歩道における事故は漸次減っておるのでございます。要するに、横断歩道以外のところを横断するというところに問題があるわけでありまして、そういう歩行者指導教育の方面でも、そういう問題が残されております。それから横断歩道につきましては、御承知のように、車には非常に厳格な歩行者優先の規制が加えられておりますし、それからもう一つは、横断歩道には信号機を全部つけたらどうか、歩行者保護の観点から信号機を全部につけたらどうかということになりますと、横断歩道全部に信号機をつけるということになりますと、自動車交通円滑化を欠くという問題もございまして、最近は、なるべくつけたいということと、この円滑化という両方を充足させるということから、これはなかなかむずかしいのですけれども、押しボタンのついた信号機をつけて、歩行者には押しボタンを押して渡ってもらう、これをさらに系統化していくということを考えていかなければならぬのじゃないか。こういうことで、歩行者の横断歩道上における事故は漸次減ってきておりますけれども、さらにこれを極力減少させたいということを考えておる次第でございます。
  120. 戸田菊雄

    ○戸田菊雄君 何といいますか、歩行者優先なり、一方通行なり、いろいろ対策がとられているのですけれども、もう少しそれらの抜本的な対策をとらないと――たとえば道路の幅がわずか十メートルぐらいの狭いところが一ぱいある。そこを人が車と一緒に歩くというような道路も非常に多いわけですね。そういう状況ですと事故発生するものですから、道に鉄さくでもって歩道を設定する、一メートルぐらいの幅の。そうすると、道路がまた狭まる。そうすると、自動車衝突事故が逆にふえてくる。だから、非常に狭い道路の中で、何といいますか、片一方では歩行者の安全を守ろうとする、片一方では自動車衝突事故をなくそうとする。どだい現状では幾らいろいろ苦労されて対策を生み出されても、しょせんそこには無理が生じてくることになるのではないかと思う。ですから、そういうことに対して、道路をつくる場合――きょうは建設省がおりませんから問題にならぬのですけれども、道路拡張とか、あるいは道路をつくるときには、もう最初から人間の歩く歩道というものを絶対確保する。道路にはどういうところでも歩道というものを必ずつけるのだ、こういうような一つの規制措置といいますか、そういうものをやっぱりやっていく必要があるのじゃないかという気がいたします。そういう設置基準といいますか、そういうものがあれば、もっと交通事故防止し、減少させるということにもなるのではないかと思うのですが、その辺について、局長の取り締まり上から見て、いまの道路状況を、そういう問題についてはどうお考えですか。
  121. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 御指摘のような問題は、確かに道路の問題が非常に大きな問題だと思います。まあ、およそ道路をつくるときには云々という問題がございましたけれども、問題は既設の道路に問題がございます。既設の道路をいかにしていくかということで、おそらく建設省も非常に頭を悩ましていると思います。御指摘の中にありましたように、ガードレールをつけて歩行者の保護をする、そうすると、残ったところはきわめて狭くなるということになりますと、考えられますのは、そういう場合には一方通行にする。道路の事情にもよりますけれども、一方通行をやれば、その問題は片づくということになります。道路の事情にもよりますけれども、ガードレールで歩行者の地帯をとった残りがきわめて狭いというところであれば、一方通行にしなければならぬということになるかもしれません。一方通行をやる場合には、先ほども話が出ましたが、代替道路といいますか、そういうものとの関連でやりますので、あるいはこんなところは一方通行にすべきじゃないかというところが一方通行になっておらないのは、そういう事情があるのですけれども、私は、ドライバーが多少不便でも、そういうところはやっぱり一方通行にしていくということをやっていかなければならないのじゃないか。もう一つは、一方通行にする場合には、沿道の住民の意見も聞きながらやっていくものですから、いろいろと警察でも強引に推し進められない点もございますけれども、考え方といたしましては、いま御設例のような場合には一方通行という規制のしかたでしのいでいけるのではなかろうか。基本的な道路の問題につきましては先ほど申し上げたとおりでございますが、既設の道路ということがたいへんいま問題になろうかと思います。
  122. 宮崎清文

    政府委員宮崎清文君) ただいまの御質問は、本来建設省がお答えすべきところでございますが、本日おりませんので、総理府といたしまして、あるいは政府といたしまして考えておりますことを、ごく簡単に申し上げます。  御指摘のとおりに、歩行者事故をなくすためには、歩車道分離をするということが一番望ましいわけでございます。したがいまして、その原則は私たちも当然考えておるわけでございまして、新しく道路をつくります場合には、少なくとも都市部におきましては、なるべく歩道を設ける、また既存の道路につきましても、御承知交通安全施設整備事業三カ年計画をもちまして、全体の道路延長から申しますと非常に少のうございますが、約四千キロの歩道を設置することにいたして、鋭意事業実施中でございます。また、道路の面積が足りないために、歩道を設置することができない場合には、先ほど御指摘になりましたように、ガードレールによります簡易歩道でございますとか、あるいはその他の方法で少しでも車と人を分離しまして、つまり混合交通による交通事故を防ごうと、こういう方針で進んでまいっております。  なお、根本的に、ただいまの問題は、大部分都市の問題であろうかと存じますが、都市交通の問題につきましては、最近交通の安全の面からも、交通の円滑の面からも非常に大きな問題になっておりまして、この点につきましては、現在政府におきましても、いろいろ総合的な対策を検討しているところでございます。近い将来に何らかの形でその方針が打ち出されるように聞いておりますので、私たちといたしましても、交通の安全の面からこれに大いに協力いたしまして、都市交通における諸問題を少しでも解決してまいりたい、このように考えております。
  123. 戸田菊雄

    ○戸田菊雄君 東京都内の場合ですけれども、高架道路が非常に最近多くできているわけですね。その下の用地があいているわけです。そういう用地の使用方について、これはいろいろ条件があるんでしょうけれども、駐車場か何か、そういうものに活用する方法がないのか、そういう点は検討されたことがあるのかどうか。この点が一つと、最近は車に乗って行って、どっかで用事をたすのに、これは駐車禁止と、こういっても、駐車禁止の違反の罰金料を払うほうが、駐車場に入れて何といいますか、料金を払うよりも非常に安いと言うんですね。だから私は罰金を上げろと、こう言うわけじゃありません、駐車場の料金というものがむしろ高い。そうだったら安いほうということで――見つからなきゃそれでもうけものですからね。こういうことが道路を非常に混雑化している要因一つであると思うんでありますから、私は一面駐車場をやはり交通安全の部面から具体的に行政指導でもって――いま高架道路の下あたりが、もしかりに、そういう用地に活用できるということであれば、この辺は非常に活用していいんではないか。それは結果的に何といいますか、公団なんかでやるかどうか、それは方法はいろいろありましょう。いずれにいたしましても、下は自動車が走るわけでもないですね。結局あいているところがたくさんあります。目黒からこっちのほうにくる高架道路の下なんかには非常にそういうところがあるわけです。これは東京都内のいたるところにあるんじゃないか。だから都営でもけっこうですし、国営でもけっこうでしょう。駐車場にもしそういうところが許されるならば、ぜひそういうものをつくって便宜を供与していく、こういうことで、いわば駐車禁止の道路上に自動車を駐車するという姿が逐次整理されていくんじゃないか、こういう気がするんですが、この辺はどうですか。
  124. 宮崎清文

    政府委員宮崎清文君) 私、高速道路の下がどうなっているか、あまり知識は持っておりません。御指摘の点はごもっともでございますので、あるいは関係省庁においてすでに検討しているかと思いますが、また緊密に連絡をとりまして検討いたしたいと思います。
  125. 戸田菊雄

    ○戸田菊雄君 追突事故が多いと局長からさっき御説明でしたけれども、結局東京都内あたりはラッシュ時になると非常に混雑がはなはだしいですね。たとえば虎の門あたりのあすこの信号のあるところへ行きますと、もうとにかく縦横から車が一ぱいくるわけです。しかも青で入ってきて黄色になる、そうするとどんどんうしろからきますから、結局無理をして赤であっても車が続いていっちまうわけです。そうするとどんどん流れてきて、こっち側は青になっても一切横断できないというかっこうになるわけですね。そういう場合が夕方とか朝方に非常に多い。私は東京駅のほうに用件があって、ときどき行くのでありますが、そういうケースが非常に――何といいますか三連続ぐらいですね、はなはだしいときは――やられちゃうんですな。だからそういう部面については、やはり機械的にはさばけないという現在の姿があるだろうと思うんです。ですからひとつ、いろいろ要員の問題もあるでしょうけれども、そういう条件によって、あるいは時間帯によって非常にそういう問題で混雑がはなはだしい。そのことによってまた事故が起きる。待っているほうの運転者も若干血の気の多い人は頭にきちゃって、中には無理やりに入り込んでいくわけですね。そうすると両面ともストップ状態になっちゃう。そういう結果になり、そこで運転者同士がどなり合いをやっている。非常に何というか、殺伐たる状況がやってくるわけです。そういう問題が東京都内には、虎の門ばかりじゃなくて、相当各所にあるんじゃないか。ですから、そういうところについては、いま機械的にさばけない、そういうところがあるわけですから、そういう点については人為的にうまくさばき得るような、そういうものが一つあってもいいんじゃないか、こういうふうに考えるんですが、その辺はどうですか。
  126. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 確かに御指摘のような実態があるわけでございます。私どものほうも非常に苦慮しているわけですが、交差点におきましての信号機の現示時間の問題ですが、非常にこの路線について車両が多いという場合には、青の時間を長くするということで、どんどんさばいていくという現示時間の問題があります。そういう面で解決できる問題もあります。  それからもう一つは、交差点で混み合うのは、右折を認めている場合に、右折車両との関連で非常に混雑するということもございますので、そういうところには右折禁止をかけていく、基本的にはそういうことをやりたいと思いますが、また右折禁止をすると、これも代替道路関係がございまして、個々の道路事情によって必ずしも全部右折禁止をかけるということも、なかなかむずかしい面もございまして、できないところがございますけれども、考え方としてはなるべく右折禁止をかけていく、そういう混雑したところは特に時間帯によって右折禁止をかけるという策もあるかと思います。そういうことで、交差点における問題につきましては、道路構造令で立体交差にすれば一番いいわけでありますけれども、いまの平面交差でありますれば、信号機の問題と規制の問題である程度何とかいたしたい。  さらに、交通警察官を非常にむずかしいところには立てて指導していく――へたに交通警察官が当たると、よけい混雑するという御意見もありますけれども、練達の士がやればさばき得るということもございますので、そういう点いろいろ御意見等も拝聴いたしまして、最善を尽くしてまいりたいと思っております。
  127. 戸田菊雄

    ○戸田菊雄君 これで終わりたいと思うんですが、時間帯で事故発生状況なんかのふえる時間帯はありませんか。  もう一つは、年齢別――年齢別といっても二十歳ないし三十歳、これが多いと思うんですが、あるいは四十歳、老人で六十歳でやっている人もありますから、そういう関係事故が相当あるんだという、そういう傾向のようなことはどうなっていますか。あるいは性別ですね。男女の区別で事故がいろいろ多いとか、何かそういうものがございますか。
  128. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 事故の時間帯別の数字はすぐには申し上げられませんけれども、一般的に申し上げまして、事故の類型によって時間帯も違うことがあるわけでございます。追突事故なんかは、これは当然ラッシュアワーでございます、そういうときに非常に多い。昼間の夕方とか朝なんかには比較的多い。それから追突の中にも、いろいろ交差点だけでない追突事故もございますけれども、子供の飛び出しによって急停車して追突するという場合もありますから、子供の飛び出しがどういう時間帯に行なわれるかということにおいて、いろいろ分布されると思います。  それから、酒酔い運転なんというものは夜中に多いわけです。これは、酒酔いは夜中にむしろ交通が閑散なときに酒酔いによる事故が起きるという特徴があります。したがって、事故の類型によっていろいろの時間分布があろうと思いますけれども、一般的に申し上げまして、夕方から――四時ごろから七時、八時の辺に非常に集中しているように思われます。
  129. 戸田菊雄

    ○戸田菊雄君 年齢別その他によっては、ことさら何か……。
  130. 鈴木光一

    政府委員鈴木光一君) 年齢別ではここに表があるわけでございますが、子供の事故が非常に――死者だけとってみましても、子供の死者が非常に多いということで、われわれも子供の事故を減らしたいということで、関係官庁といろいろ対策を講じて、御承知のように、通学通路の問題なんかもその一環としてやってきたわけですけれども、四十二年度は四十一年に比べて相当減りました。子供の事故は減りましたが、その辺の数字はございますけれども、死者だけとってみますると、男では一番多いのが二十歳から二十九歳に死者が一番多うございます。これは四十一年の統計でございますけれども、男の死者が全部で一万九百八十五名のうち、二十歳から二十九歳までが二千四百三名という数字が出ております。あと、それに次いでは三十歳から三十九歳までが千八百五十九名ということになっております。それぞれ分布されておりますが、案外六十歳以上の老人は多いわけでございますが、六十歳から六十九歳までが千三十八名、七十歳以上が五百九十八名ということで、十五歳以下の子供の総計よりも六十歳以上の男の総計のほうが多いようでございます。女子のほうは、この統計によりますと、一番多いのは七十歳以上が――女子は全部で二千九百十九名になっておりますけれども、七十歳以上が四百六十六名で、一番多うございます。その次は六歳未満の女の子四百六十二名といったような順序で、それぞれ分布の統計がございますが、特徴的に申し上げますと、こういうことでございます。  時間は、先ほどここで大ざっぱに申し上げましたが、構成率から見ますと、やはり十七時から十八時、千分の比率でいきますと、そのうちの八五が十七時から十八時ということで、一番多うございます。その次は十六時から十七時、その次は十八時から十九時ということで、やっぱり三時ごろから八時ごろまでの間に非常に集中しているということが言えると思います。
  131. 松澤兼人

    委員長松澤兼人君) 本日の調査はこの程度とし、これにて散会いたします。    午後四時三十六分散会