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1968-04-03 第58回国会 参議院 災害対策特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年四月三日(水曜日)    午後一時四分開会     ―――――――――――――    委員異動  三月二十八日     辞任         補欠選任      矢追 秀彦君     小平 芳平君  四月一日     辞任         補欠選任      小平 芳平君     矢追 秀彦君  四月三日     辞任         補欠選任      土屋 義彦君     平島 敏夫君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         小酒井義男君     理 事                 青田源太郎君                 佐藤  隆君                 武内 五郎君                 矢追 秀彦君     委 員                 稲浦 鹿藏君                 内田 芳郎君                 近藤英一郎君                 温水 三郎君                 平島 敏夫君                 山崎  斉君                 山内 一郎君                 中村 波男君                 前川  旦君                 白木義一郎君    国務大臣        建 設 大 臣  保利  茂君        国 務 大 臣  田中 龍夫君    政府委員        農林政務次官   日高 広為君        建設省河川局長  坂野 重信君        建設省道路局長  蓑輪健二郎君    事務局側        常任委員会専門        員        宮出 秀雄君    説明員        文部省初等中等        教育局財務課長  岩田 俊一君        文部省管理局教        育施設部長    菅野  誠君        農林省農地局参        事官       佐々木四郎君        林野庁指導部長  木村 晴吉君        日本国有鉄道施        設局保線課長   坂  芳雄君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選の件 ○災害対策樹立に関する調査  (えびの地震による災害対策に関する件)  (日向灘地震による災害対策に関する件)  (昭和四十三年二月の降雪による災害対策に関  する件)     ―――――――――――――
  2. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  まず、委員異動について報告いたします。  三月二十八日、矢追秀彦君が委員辞任され、その補欠として小平芳平君が選任されました。  また四月一日、小平芳平君が委員辞任され、その補欠として矢追秀彦君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 本日の理事会の結果について、御報告をいたします。  本日の議事につきましては、理事補欠互選を行なったあとえびの地震復旧状況並びに一昨日の日向灘地震被害概況説明を聴取し、引き続きえびの地震日向灘地震並びに昭和四十三年二月の降雪等災害対策に関する件について質疑を行なうことになりましたので、御了承願います。     ―――――――――――――
  4. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 理事補欠互選についておはかりいたします。  先ほどの委員異動に伴い、理事が一名欠員となっておりますので、この際、その補欠互選を行ないたいと存じますが、互選は投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 御異議ないと認め、それでは理事矢追秀彦君を指名いたします。     ―――――――――――――
  6. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。  まず総理府からえびの地震復旧状況並びに一昨日の日向灘地震被害概況について説明を聴取いたします。
  7. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) それではただいまから、まず最初にえびの吉松地区地震につきまして御報告を申し上げます。  二月の二十一日より二十二日にかけまして三回の地震があり、大きな被害発生をいたしましたえびの地震は、その後漸減の傾向にありまして、応急復旧対策も鋭意進められていたところでございますが、三月の二十五日午前零時五十九分及び一時二十分と、二回にわたりまして震度五の地震があり、宮崎えびの町及び鹿児島吉松町にかなりの被害を生じたのでございます。  政府は、この事態を重視いたしまして、三月二十九日より三十一日にかけまして団長以下十二名よりなります総合技術調査団現地に派遣をし、被害状況をそれぞれの専門的な立場で詳細に調査してまいりました。昨、二日には関係省庁連絡会議が開催せられまして、調査団報告を聞くとともに、各省庁担当官問題点協議をいたしたのでございます。  政府といたしましては、これらに関しまする応急対策並びに復旧対策を強力に推進するために、関係省庁で構成する地震対策連絡協議会をすみやかに設置するよう準備中でございます。  次に、日向灘地震概況につきまして、簡単に御報告を申し上げます。  四月一日午前九時四十三分ごろ、日向灘地震が起こり、九州、四国、中国地方地震を感じ、太平洋沿岸に高さ〇・五メートルから二・三メートルの津波が発生しましたが、被害は比較的少なかったのであります。各地の震度は、延岡、宿毛で震度五の強震でございました。  次に一般被害は、警察庁の調査によりますると、宮崎、高知、愛媛、鹿児島、熊本、山口、大分の各県に及び、死者一名、負傷二十九名、建物全壊一、半壊十、罹災者三十四名と相なっております。  施設等被害は、公共土木施設水産関係港湾等に若干の被害を受けたのでございますが、現在各省庁で鋭意集計中でございます。  政府といたしましては、これらの復旧につきましても、万全の処置を講ずることにいたしておる次第であります。  以上、御報告を申し上げます。
  8. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 次に、この際委員異動について御報告いたします。  本日土屋義彦君が委員辞任され、その補欠として平島敏夫君が選任されました。     ―――――――――――――
  9. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) それでは、えびの地震日向灘地震並びに昭和四十三年二月の降雪等災害対策に関する件について質疑を行ないます。  質疑のある方は、順次御発言を願います。
  10. 温水三郎

    温水三郎君 総務長官が非常にお忙しいそうでございますので、まことに遺憾でございますが、はしょりまして質問を申し上げたいと存じます。  その前に、政府におかれては、各般の災害、ことにえびの吉松地震に対して応急対策を講ぜられたことと、総合調査団を派遣せられたことに関しまして、お礼を申し上げます。  ところで私は、参議院の災害特別調査団として、えびの及び吉松を視察したのでございますが、これは非常に惨たんたる被害でございまして、先日、私の質問に対して総理府長官が、罹災者にとっては激甚の最たるものであるということを確認されたのでございますが、さらにこの地震の特徴は、松代と同じく、今後もさらに地震発生が予測せられるのでございます。ここにおきまして罹災者並びにその付近の住民は非常な不安におののいておりまして、現在、生業につこうとしても、その不安のためにつき得ないというような状態が観測せられるのであります。さらに、えびの吉松地区におきまして地震観測陣に対する質問をいたしましたところが、はなはだたよりのない答弁でございました。私はこの際政府としては、地震観測施設を恒久的に拡充強化して設置せられることが適当であると思うのでございます。これなくしては住民の不安は除けないと思うのでございますので、まずその点に関して御答弁をいただきたい。
  11. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) 地震に関しまするいろいろな調査は、元来の所掌が運輸省でいたしておりまして、この地震観測その他の問題につきましても、鋭意これが充実をはかっておる次第でございますが、と同時に、今回のえびの災害にあたりましては、専門的な立場から検討いたしますることが、ぜひとも必要であるというようなことから、ただいま御報告申し上げたような専門調査団を派遣いたした次第でございます。罹災されました方々が、ほんとうに恐怖におののいておられる実情につきましては、非常に局地的なものではございまするが、いかに被害が激しかったかということを十分に忖度するに足るものがある次第でございまして、われわれとしましても、今後ともにこれが救済につきまして鋭意努力したい、かように考えておる次第でございます。
  12. 温水三郎

    温水三郎君 では、地震観測に対して恒久的施設を設置する御意思が、政府としてはあると理解いたします。  その次に、時間がないのがまことに残念でございますが、このえびの地震対策に関して、われわれ国会議員でさえも、どうも各省にまたがることであって、どこに何を持っていっていいやら、わからないというように戸惑いを感ずるのでございます。いわんや、知事あるいは住民がどこに何を訴えていいやらわからないというような状況でございまするので、私はこの際、松代地震と同様に総理府内えびの吉松地震対策本部なるものをぜひとも設置していただきたい。これなくしては、われわれ国会議員ですら、農林省に行っても、現行法範囲内でやれることだけはやります、というようなことでございまして、建設省、厚生省、そういったものも同様でございます。総理府にまいりますというと、これまた、単なる連絡機関的な返答しかいただけない。かようなことでは、この非常な激震であるえびの対策というものの樹立は非常にむずかしいと思うんで、ぜひともこの際、総理府内えびの吉松地震対策本部というようなものを設置していただきまして、窓口を一本化していただきたいと思うのでございますが、それに対する御所見を伺いたいと思います。
  13. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) お説のとおりでございまして、政府といたしましては今回のえびの地震に対しまして、特にこれが技術的な調査を必要とする関係からも、同時にまたその復旧対策を強力に推進いたします上からも、関係省庁で構成いたします地震対策連絡協議会というものをすみやかに設置いたしまするように、ただいま総理府において準備中でございますことを、御報告申し上げます。
  14. 温水三郎

    温水三郎君 それでは対策本部をつくっていただくのですね。
  15. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) はい。連絡協議会……。
  16. 温水三郎

    温水三郎君 松代地震の場合と違いますか。
  17. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) 同様でございます。
  18. 温水三郎

    温水三郎君 それでは、次に激甚法関係についてお伺いいたしますが、これは小範囲である、金額が小さいということで激甚法指定基準には達しないということを再々伺っておるのでありますが、激甚法の場合と普通災害の場合とは、非常にたくさんの相違があるのであります。私は詳細これについて調査をいたしましたけれども、ここでは申し上げる時間はございませんが、激甚の場合は、はなはだしきは九〇%の助成があるけれども、普通災害の場合は二〇%の助成しかないというような実例がたくさんあるのであります。しかるに総理府長官も認識せられたように、罹災者にとっては激甚の最たるものでございまして、何ら新潟地震被災者と選ぶところのない惨たんたる情勢でございます。思うに激甚災害法律は、小災害は市町村で見るべきであり、中災害府県財政で十分である。大災害に及んではこれは国が直接関与しなければどうにもならないという観点からして、激甚法のこういう基準が設定せられたものと思うのでありますが、この立法精神について私の申し上げるとおりであるかどうか、その点を伺いたいと思います。
  19. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) この激甚災害法が、地方公共団体及び住民の特別の財政援助を行ないますことを目的といたしまして、大規模激甚災害を対象にいたしておりますことは事実でございまして、で、この激甚災害法の範疇からはずれますそれ以下の災害に対しまして、基準に達しない小規模な局部的な災害に際しましては、各種の母法に基づきます援助処置に加えまして、あるいは災害融資とか、あるいは特別交付税等制度を十分に活用いたしまして、そうして万全の処置を講じてまいる所存でございます。今回のえびの吉松地区の震災に対しましては、まだいま申し上げましたような、特に政府連絡協議会をつくりまして、激甚災害法指定はできないにいたしましても、全力をあげて現地救済に当たりたい、かように考えておる次第でございます。
  20. 温水三郎

    温水三郎君 激甚災害法立法精神に対しては、御答弁をされなかったようでございますが、御異議はないように拝聴をいたします。これは私は地方財政が――県の財政町村財政が健全であるという前提のもとにかような法律指定基準ができたものと思うのでございますが、今日におきましては、県の財政はきわめて逼迫いたしております。町村財政もまた同様でございまして、とうていこれは町村ないし県の段階でこれが対策樹立し得るような財政力がないわけです。そうすれば、ただいま長官の御答弁いただきましたように、特別交付金なりその他の方法をもって府県及び町村財政を助けながら、府県及び町村をもって激甚災害法を使いましたと同等以上の対策を講じさせるということが、正しい道であろうと思うのでございます。しかるに、町村はもちろん府県におきましても、財政が非常に窮屈なあまり、その対策を講じたあと特別交付金がもらえるかどうか、どの程度もらえるかどうかという点について非常な危惧を持っておりまして、これが対策についてちゅうちょ逡巡しておるのが私は実情であろうと思うのであります。したがって、政府としては、この際受け身でもって対処するようなことでなくて、積極的にこれこれの問題はこういうふうに対策を講じろ、これに対しては特別交付金を考慮するという積極的な姿勢をもって地方公共団体を指導して、そうしてこの罹災者に対する対策を遺憾なからしめる必要があると思うのでございます。どうか政府としては、積極的な姿勢町村に対して財政の裏づけをしながら督励して対策を講じさせる態度をとってもらいたいと思うのですが、この点に関する長官の御所見を伺いたい。
  21. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) 先ほど来申し上げますように、総理府連絡協議会中心にいたしまして、各省庁を督励いたしまして、なかんずくあらゆる法制上の御協力を申し上げると同時に、ただいまお話のごとき特別交付税といったようなものに対しましても、強力にこれを推進してまいらなくちゃならない、かように考えておる次第でございます。  なお、連絡協議会の今後のあり方につきましても、どうぞ諸先生方の御鞭撻なり、今後ともの御注意を賜わりたいと、かように考えておる次第であります。
  22. 温水三郎

    温水三郎君 特別交付金の点に関しましては、長官から心強い御答弁をいただきましたので、安心をいたした次第でございますが、そのほか激甚災害でなければできないところのいろんな問題があるのであります。財政負担の限度の引き上げ、こういったような問題をはじめたくさんの問題がありますので、これに対して善処していただきたいと同時に、地方公共団体起債、これも十分にお認めをいただくようにお願いをしなければならぬと思うのでございますが、そうしなければこの対策は完全にいかないと思うのであります。さらにまたこのえびの吉松地帯は、いわゆるシラス地帯という特殊土壌地帯でございまして、土砂がすでに崩壊しておる。ところが、それで田畑が埋没しておるのですけれども、それはそれほど大きな面積ではございませんが、五月の長雨になりますと、この土砂が相当の広面積に流れていって、そういたしますとシラスでございまするから、たんぼに入りまして水がかかりますと田植えができないので、もうたちまちにして田が植えられないという状態になることは明白でございます。そういう場合のいわゆる私有地または私有施設堆積土砂排除事業、こういったようなものが激甚災害がなければできないことになっておる。こういう面につきましても、ぜひとも総理府のお力をもってこういう点をまとめてできるようにしてもらいたいと思うわけでございます。はなはだ時間がありませんので、ちょっとあまり簡略な質問でございますから、おわかりにならないかもしれませんが、これらの点につきまして御所見を伺って、質問を終わりたいと思います。
  23. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) 先般、現地に派遣いたしました私のところの副長官からも話を聞いておりまするし、また過般の調査に参りました者からも聞いておりますし、特にまあシラス土壌であり、ことに尾根の中心部に亀裂が入って、雨期を前にしていろいろな現地では非常な御心配であろうかと存じます。こういうふうな問題もひっくるめまして連絡協議会で十分に検討をさしていただきたいと、かように考えておる次第でございます。
  24. 武内五郎

    武内五郎君 ちょっと委員会運営について、長官にひとつ希望を述べておきたいと思います。一言ですから……。  御承知のとおり、災害委員会は、当面起きた緊急の対策を立てるのと、災害に関する基本的な問題の二本立てになっております。特に当面の緊急の問題は急いでやらなければならぬ。各委員ともそのためにいろいろな努力をしてきておりまするので、ひとつ災害対策の全体的な責任者としての総務長官は、責任を持って当委員会に出席されるようにお願いしたい。前々回であったか、その前の委員会であったか、総務長官が席をはずそうとした。せっかく各委員が熱心な審議に入っていっておるのに席をはずそうとするので、委員会希望でこれを押えたことがあります。そういうようなことがありましたので、災害責任者としての総務長官のひとつ今後の運営について委員会にやっぱり御協力を願いたい、ぜひひとつお願いをしたいと思います。
  25. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) まことに申しわけなかった次第でございますが、実は十日間ほど入院をいたしておりまして、今日も実は病院からこの委員会に参りましたような次第で、もう一両日後には退院できると存じます。かような次第で、前回の場合に私自身出席できなかったことを深くおわびをいたします。
  26. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  27. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 速記を起こしてください。  それでは引き続いて質疑のある方は、御発言願います。
  28. 温水三郎

    温水三郎君 農林大臣おられませんから農林政務次官に申し上げますが、えびの及び吉松町の、すなわちえびの地震農業関係被災につきまして、政務次官はすでに御承知のとおり、非常に規模の大きい深部が崩壊をいたしておるのであります。それで土地基盤整備の問題ですけれども、どうもこれを復旧するということは、これは単に原状回復ということを意味するのでありますが、もし今度の土地基盤復旧に際して、単なる原状回復というような程度の復旧をした場合においては、たとえば用水路にしても、これはもうたちまち崩壊することは火を見るよりも明らかでございます。さらに先ほど総理府長官質問をした際にも仰せられたとおり、堆積している土壌シラスであるためにこれが押し流されることも、これもまた火を見るよりも明らかであって、そうするというと、相当広範なる被害長雨のときには来たることは当然であります。したがって、土地基盤整備については、そういうことのないように原状回復範囲ではなくて、そういう予見される被害発生しないような高度のといいますか、そういう復旧作業をしてもらわなければならぬと思うのであります。さらにまた、水稲の植えつけ時期は非常に間近でございまして、かような問題に対して水稲の植えつけが可能なように――時間的にも非常に制約をせられておる現状でございます。また地震がさらに発生するかもしれないというような現状から見ると、かような農地の崩壊なり、そういった被害がどこに発生するやもわからないというような現状から見て、水田耕作に対する安全度を確保するために、たとえば共同事業といったような問題も必要になってくると思うのでございますが、その点に関しましては、現行法律範囲内における農林省態度としては、あるいはちょっとむずかしいかもしれないのでございますが、農林大臣は、総理府長官が言明をいたしました総合対策本部に対して当然入られると思うので、ここを活用して、そういうような土地基盤整備に対して高度の、たとえば改良ということばでも使いますか、そういうような意味の復旧をぜひともしてもらいたいと思うのでございます。この点をまず御質問を申し上げて、御所見を伺いたい、かように考えます。
  29. 日高広為

    政府委員日高広為君) 私も現地に参りまして、災害状態をつぶさに調査をいたしたのでございますが、ただいま温水先生お話のとおりに、やはりシラス地帯という殊特土壌地帯でもございまして、さらにまた災害襲地帯でもございますので、今後の問題につきましては、農林省といたしましても、将来の防災対策というか、そういうようなことも考慮に入れまして、改良を含めました災害復旧ということを処置することが適当かと考えておりますので、今後そのような考え方で関係当局ともお話をいたしまして、できるだけすみやかに対策を講じたいと考えております。
  30. 温水三郎

    温水三郎君 次に、これもどうも農林省単独ではどうにもならない問題だと思いますけれども、たとえば農業倉庫に例をとりますと、真幸町の農業倉庫でございまするけれども、これは復旧費が約二千万の金が必要になってまいるわけでございます。ところが、激甚指定されるというと九割の千八百万の助成がある。激甚指定されなければ、二割の四百万円の補助しかない。こうなると、激甚指定されない限り、農業倉庫復旧はほとんど不可能に近いほどの困難さがある。   〔委員長退席理事武内五郎君着席〕これも農林省単独では現行法範囲内ではできないかもしれません。おそらくできないことであろうと思うのでございますが、これはやはり防災対策本部にこの問題を持ち上げていただいて、あるいは交付金制度を活用するなり、あるいは起債制度を活用するなり、そういうような方向で、激甚になったと同様の優遇措置をぜひとも講ずるように、これは農林大臣に御努力を願いたいと思うのでございますが、この点に関する所見を伺いたいと思います。
  31. 日高広為

    政府委員日高広為君) ただいまの御指摘いただきました件につきましては、私ども災害たびごとにそのような御意見を拝聴するわけでありますが、今回現地に参りまして、私現地の方からなまの声を拝聴いたしたわけでありますが、災害を受けました地区は、やはりあのように狭い地区でございましても、きわめて激甚災害を受けていることでございまして、受けました被災者からいたしますと、私は何とかしてここであたたかい手を差し伸べてほしいというのが偽らざる心情であると考えております。したがいまして、現行法におきまして、特に農業倉庫復旧する場合におきまして、激甚災害指定地区というものが現在の法律でなされないために、九割の補助が受けられない。しかしながら、災害を受けた農業倉庫を持っております農協側としましては、九割の補助金がなくてもどうしてもこれをやらなければならないのだ、そういうことになりますと、泣く泣く二割の補助金でもって復旧しなければならない。こういうことになりますと、範囲が広くてしかも法律を適用したために九割の補助を受け、そうでないものは二割の補助しかないということにつきましては、私はやはりこれは人道上の問題も生まれてくると思います。したがいまして、今後、この問題につきましては、ほんとう農林省といたしましても被災者立場からものごとを判断いたしまして、できるだけすみやかに法改正その他の角度を含めまして、前向きの姿勢で検討させていただきたいと思います。
  32. 温水三郎

    温水三郎君 いま一つ、真幸町の農家はほとんど収入がない状態でございます。ことに酪農等をやっておりますえびの吉松地区の農家につきましては、資金の状態に非常に困っている農家が出てきておりますし、また出てきつつあることは、すでに御承知のとおりであります。したがって、貸し付け金の問題でございますが、これに対する措置、すなわち限度引き上げだとか、あるいは天災延期だとか、もしくは自作農等の低利資金の融資だとか、こういう点に特段の措置を、ひとつ農林当局において及ぶ限り御努力を願いたい、かように思う次第でございます。  この点につきましては御異存はないだろうと思いますので、御努力願えると思いまして、答弁をいただくことを遠慮申し上げますが、最後に一点伺いたいと思いますることは、えびの地震によりまして酪農家が非常に困ったわけでございまして、これにつきまして宮崎県酪連が主となりまして、県の絶大なる援助を受けながら酪農牛の集中管理を行なったわけでございます。この集中管理につきましては、いろいろと問題もあるわけでございますけれども、思うにかような地震が今後も発生することは予定されておりますが、この際、何らかの規模の集中管理というものを半恒久的にこれはやれるのではなかろうか、かように考えるわけでございまして、したがいまして、農林省としてはこれを本腰を入れてこの問題に対して、集中管理の問題に対して取り組んでもらいたい。どこに利点があり、どこに欠点がある、どういう費用がかかって、どうすればやれるのか、またあるいはどうしてもこれは半永久的にはやれないというような点について、鋭意調査をしてもらいまして、もし集中管理でいけるものならば、さらに頻発性の地震でございますから、この集中管理というものを踏み切るようなふうに、指導なり助成なりがいただきたいと思うわけであります。これは調査研究をしていただきたいということでございますから、これに対する所見を伺いたいと思います。
  33. 日高広為

    政府委員日高広為君) 本件につきましては、実は温水先生は酪農の専門家でもございまして、さらにまた宮崎県全体の責任者でもございますので、内容につきましては、私もつぶさに検討を進めてまいったのでございますけれども、私どもが御承知いたしております状態におきまして、今回の宮崎県のこの乳牛の集中管理というのはきわめて適切で、しかも県費をもってこれを直ちに方向をおきめになりまして、かようなことで適切な措置をなさいましたことを承りまして、私もきわめて敬意を表しているわけであります。  そこで、いままでは国といたしまして、災害に対しましては種畜牧場に余剰乾草がある場合におきましては、これを緊急に手配いたしましたといったようなことがあったのでございますけれども、今後、今度の場合につきましては、これが適切に行なわれておらなかったようでございますが、そういうようなことを含めまして、今後ああいうような緊急事態に際しましては、やはりただいま先生の御指摘のとおり、私は乳牛の集中管理というものがほんとうに適切に行なわれておったからあのような処置ができたのであるが、それに対する私どもの処置というものが、助成というものがないということはきわめて遺憾でございますので、今後もう少しひとつ検討さしていただきまして、できるだけ先生の御趣旨に沿うようなことを勉強さしていただきたいと考えております。
  34. 温水三郎

    温水三郎君 ただいまの点、若干ことばが足りなかったので誤解があるかとも思いまするが、助成もさることながら、ある程度の規模の集中管理方式というものが群発性地震ということもございまするし、いたしますから、これをやることが可能であるかどうか、利点があるかどうかという点を、農林省で十分調査していただきたいということが眼目でございます。
  35. 日高広為

    政府委員日高広為君) ただいま御指摘の点で私には了解できましたが、やはり場所、さらにまただれが集中管理していくか、そういうようなことをもう少し検討さしていただきまして、ただいまの御意見に沿うように、できるだけひとつ善処してまいりたいと考えております。
  36. 武内五郎

    理事武内五郎君) ちょっと速記を止めて。   〔速記中止〕   〔理事武内五郎君退席、理事青田源太郎君着   席〕
  37. 青田源太郎

    理事青田源太郎君) 速記をつけて。
  38. 武内五郎

    武内五郎君 この間から問題になっております雪害ですが、御承知のとおり、今年雪害を受けた個所のうちで、昭和四十一年度の水害、昭和四十二年度のいわゆる八・二八の水害、こういうような水害を受けた個所、今回もまた非常な雪が降って復旧工事が非常におくれておる。実はこれは農地復旧の問題で、建設関係の、特に河川復旧と密接な関係があるので、実はもう少し質問を保留しておきたいと思ったんですけれども――それでは両方からひとつ質問したいと思います。  特に、昨年の八月二十八日の水害の個所というものは、加治川、荒川、胎内川その他阿賀野川水系の中にありますけれども、私は特にきょうお尋ねしておきたいと考える個所は、荒川水系、この荒川水系では非常に実は地元の農民たちが不安に考えている。一向に工事の進捗を見ないで、これでは来年度の植えつけがはなはだおぼつかないという状態である。私は、前の委員会で、特に農林省に対して農地復旧について最善の努力をしてもらうこを希望しておったわけです。しかし、いろいろ調べてみますと、河川の復旧が渋滞している。方針もきまったかきまらぬか、最近のことでしょうが、したがって、方針がきまらなければ、それに関連した用地の買収の業務も進んでいくはずがない。そうなってまいりますと、したがって農地復旧も全然手がつかないということに相ならざるを得ない。私は昨年八月水害のあとを見て、農地復旧についてこういうことを申し上げた。やがて雪がきて、物資の運搬や労働力の確保が困難になるだろうから、その対策をいまのうちに立てておかないと、来年度の植えつけは不可能になるのではないかといって私は注意した。それがその心配が実は具体的になってまいりましたので、私はあえてこの問題をとらえてただしたいと思います。一昨年の七月十七日の水害の際の農地復旧が思わしくない。あの当時四十二年度の植えつけはかなりおくれたし、ほとんど六〇%ぐらいより植えつけができなかった。しかもその植えつけも苗が一尺以上も伸びている。その苗を短く切って、その切ったものを植えたという状態である。稲の収穫が思わしくないのは当然であります。そこで私はそのことを八月水害の農地復旧にあたって特にそれを注意した。そうでなければ、そういうことがあると、四十三年度の植えつけが困難になる、こういうことで特に注意したわけなんです。昨年の水害農地で四千町歩をこえる水田が今年どうだろうかという見通しは、やはりこれも六〇%ぐらいの程度ではないかと、地元では見られている。大体三千ヘクタールかないしは二千五、六百ヘクタールより植えつけができぬという状態だ。これはまた実に非常な大きな打撃だ。あの地方は、特に荒川水系を中心とした岩船地方の農民というのは非常に困る。そういう零細な農民が、そういう植えつけが六割か七割よりできぬということになると、収入が非常に大きな打撃を受けて減ってくるということになってまいりますので、これはもう災害農民の立ち上がりは、ほとんど不可能になってくるであろうと考える。そこで、どうしても私はまず河川復旧を大急ぎでやってもらう。同時それに並行して農地復旧をやらなければならぬでありましょう。今日どういうふうな状態になって、今後どういうふうにやっていくつもりであるのか、一応河川局のお答えをいただきたいと思うのであります。
  39. 坂野重信

    政府委員(坂野重信君) 荒川につきましては、昨年の八月の出水によりまして相当な被害があったわけでございまして、その後災害の査定によりまして、災害費を採択し、これに助成費を加えまして、助成事業として一貫した計画のもとにこの河川改修をやっていこうということで、まあ大体その法線はすでに全部決定いたしておりまして、どういう位置にどういう堤防をつくるかということの計画も、すべて決定いたしております。用地のほうもおかげさまで非常な地元の協力を得まして、支川関係につきましては、大体四十二年度にほとんど買収は完了いたしました。ただ一部四十三年度に買収が残ったところもございますが、大体支川関係については、ほとんど用地が完了いたしております。また本川につきましては、四十四年度に用地の買収を完了するという目途で、鋭意いま買収の作業を進めておるわけでございまして、この点につきましても、いろいろ地元の御協力を得まして、おおむね私どもとしては用地買収は順調に進んでいるというぐあいに考えているわけでございます。  で、欠壊した個所につきましては、御承知のようにすでに原堤防の高さまでは堤防ができておりまして、次の出水期に備えて、少なくとも欠壊した、大欠壊のあった個所につきましては、どうにか手当ては済んでおる。しかし問題は、まだ上流の先ほど申し上げましたように助成地域の改修はまだ進んでおりません。しかし支川等につきましては、先ほど申し上げましたように用地買収は四十二年度でほとんど完了しておりまして、新しく堤防の法線が前に出たりあるいはうしろに出たりするところがございますが、そういう点につきましては、旧川の、残った古い河川につきましては、応急的な仮設の工事をやりまして、少しぐらい水が来ても問題がないようにいたしております。ただ新しく堤防をつくって川の位置の変わるようなところについては、できるだけひとつ工事を促進しようということで、全体計画といたしましては、四十六年度までに全体のそういった一貫改修が終わるように持っていきたいということで、その間におきましても、できるだけひとつ重点的にあぶないところから事業を進めていきたい。何しろ全体の事業費が百億以上に達する大事業でございますので、なかなか一挙に単年度にいかぬわけでございますけれども、できるだけ私どもといたしましては、重点個所からひとつ工事を鋭意促進していきたいということで努力いたしておる段階でございます。おかげさまで、先ほど申し上げましたように、用地の買収の見通しがつきましたので、これからひとつ雪解けを控えまして、できるだけ工事の促進をはかっていきたいというぐあいに考えておるわけでございます。
  40. 武内五郎

    武内五郎君 農地買収についても、いろいろ問題があるようです。結局法線がきまり、堤防の位置がきまってまいりますると、そこの農地を買収しなければならぬから、農民も言っておる、早くきまってくれなければ、私どもの身の処置にも困る。だから、早くきまってくれなければ、協力しようとしたって協力のしようがない。だから、早くそれをやってもらわなければならぬ。同時に、私は河川局長に御注意しておきたいと思う。これはもち屋にもちの話やお茶屋にお茶の話をするようなことになるのですが、もう新潟のどの川を見ても、融雪増水が各地に出ております。特に荒川のような荒れたあとの川では、水を防ぐことができない。たいへんな問題です。この融雪と同時に、同時というよりもまず第一に、降った雪の量です。降った雪の量と増水とはほとんど並行して進んでおる。魚野川の水の流れも、そろそろ融水が来ております。御承知のとおり今年は非常な豪雪である。どんなに水が出てくるか、想像もできないくらいだと思う。だから、いまから私は特に河川局長の万全の対策お願いしておきたいと思う。  そういうようなことですが、今度農林省に、たいへん農地復旧がそういうようなことで手間どっておって、まことに気の毒だ。ひとつどういうふうにこれからやっていくか、政務次官なり、農地復旧関係の方にお伺いしたい。
  41. 佐々木四郎

    説明員佐々木四郎君) 農地復旧の進行状況と申しますか、現状を簡単に御報告申し上げますと、先ほどお話ございましたように、昨年のあの大きな水害で、新潟県に例をとりますれば、四千ヘクタール余りの被害面積がございました。これらの被害農地につきまして、今年の田植えの植えつけを目途にいたしまして復旧計画を一応つくっておりますが、それによりますれば、いまの段階では七〇%あまりの復旧が可能ではないかと思っております。で、今回の水害によりまして、主として荒川の河川改修計画が大幅に変更されるために、先ほどもお話しございました河川敷地の農地の買収が大体二百ヘクタール余りございますので、それを除きますれば河川の関係農地復旧をやらなければならぬと見込まれますのが約三百ヘクタールぐらいございますので、これは全体の約七%ぐらいに当たりますが、これらのものがことしの植えつけに間に合わないのではないか。さらに積雪等のために復旧工事がおくれる分もその他にございますけれども、このような植えつけまでに間に合わない農地復旧、こういう地域の農家の人たちは、収入の道も農業を続けることもできないという農家の方々でございまするので、私どものほうといたしましては、農地災害復旧工事に従事していただくことによって現金収入の道を開くということが第一に考えられますが、そのほか県当局といたしましては、その間仕事もないわけでございますので、県の指導によりまして、できる限りあらゆる機会を通じましてそういう方々のために仕事の機会を与える、こういう指導方針を考えております。
  42. 武内五郎

    武内五郎君 そういうふうなことに相なりますので、それを私も心配している。全然今日まだ資材の運搬する道がありません。それから男は出かせぎに勢いどうしても出ざるを得ないので出て、ほとんど労働力の確保というものは困難だ。だから何とかしてそれは、いま参事官の言われるようにまず労働力確保が第一であるが、その道を立てることが非常に大事であることを御注意申し上げておきたいと思います。  それから、大体そういうふうな関係で、新潟県が水害から雪をかぶって復旧困難になって、工事の施行が困難だというところが、全体で私いろいろ聞いたところによりますると一千カ所ぐらいあります。工事困難の個所が一千カ所。除雪しながら工事をまずよたよたで進めていかなければならないところが、五、六百カ所もある。ほとんどできないものが約百二、三十カ所以上が考えられる。そういうようなことでありますので、もう往復ビンタどころの話じゃない、三重の打撃を受けておる。昭和四十一年、四十二年、四十三年の雪害で三重の痛手を受けているということになる。だからよほど農林当局の強い対策と御指導が必要になってくるのじゃないかと思うのであります。私は一応そういう現実を申し上げておきたいと思うのであります。  なお先ほど申し上げましたように、これから融雪期に入って水が出てくる。必ず冠水、湛水の個所がだんだん大きくなってまいります。したがって、災害地の復旧の道もまたしぶっていかざるを得なくなってくる。何から何までおくれてまいりますので、その点は、特にいまから農林当局の最善の努力お願い申し上げたいと思うのであります。したがってもう先ほど実は温水君のお話を承って、もうそろそろ水稲の植えつけが始まるということですが、新潟県ではまだ雪をかぶっている。早いところで今月の下旬が融雪期に入る。おそらく今年は五月中旬ごろが融雪期じゃないかと言っている。そうなってまいりますると、植えつけは六月に入るのじゃないか。だんだんおくれてまいります。日本の一番米を生産するところがかくのごとき状態。そこでどうしても皆さんの強い対策お願い申し上げたいのは、早く苗しろをつくる指導と助成お願いいたしたい。私は前回の調査報告の中で、カーボンブラックを使用することによって融雪を促進させることを希望しているという地元農民の考え方を入れておきましたが、カーボンブラックを使っても、一反歩に対しておそらくあのカーボンブラックは二キロ入るのを十本ぐらい要る。一キロ七、八十円。八十円と見てもたいへんな金になってまいります。これに対する何かのやはり助成が必要だ。いろいろなそういうことがありまするが、ぜひひとつ強い御指導と対策お願いしたい。政務次官の強い御意見をひとつ伺っておきたい。
  43. 日高広為

    政府委員日高広為君) ただいまの御意見につきましては、現在農林省といたしましても内容を検討いたしておりますので、本年度降雪のためにもし苗しろの準備に非常に支障を来たしたような場合におきましては、現地実情をさらに調査いたしまして、従来の事例等もよく勘案いたしますとともに、ただいま御指摘いただきましたことをよく検討して、検討さしていただきたいと思います。
  44. 武内五郎

    武内五郎君 次に、私は山林の被害についてお伺いしたい。これはなかなか、この前も私が申し上げましたが、雪をかぶっておって具体的な被害の実態を把握できない。まだできませんが、考えられることは、非常に大きな災害だということ。立ち木の立ち割れ、枝折れ、これはもう非常に多く出ております。まず第一に大きな問題は林道の決壊です。したがって林道の復旧、それから立木に対する損害の問題、これらを考えてみると、私は山林の被害というのもなかなか大きなものがあると考えます。今回考えられているところでも林道がまあかなり出ているようでありまするが、すでに出ているところでも二百カ所ぐらい決壊されているところがあるといわれている。この路線もだんだん雪が消えてまいりますに従って、路線の数も決壊の個所もふえて目についてくるのでありますが、これらに対する復旧の道がどうなっているか、一応伺っておいて、漸次これからの復旧状態等を見ながら御相談申し上げるようにしたいと考えます。一応きょうはそれを伺っておきたい。  それから、私は急ぎますのできょうは治山について、もうすでに今年新しい治山の対策が出ているのですが、その中で雪害に対する問題をどの程度まで取り上げているか、どういう姿勢で新しい治山対策を立てているのか伺っておきたい。
  45. 木村晴吉

    説明員(木村晴吉君) ただいま御指摘いただきましたまず最初の林道の被害の問題でございますが、林道の施設災害復旧につきまして、関係町村及び森林組合等に被害の早期把握を強く指導いたしているのでございますが、被害調査が終わり次第、その調査の資料に基づきまして、早急に農林水産施設災害復旧暫定法に基づきまして、国の助成事業を実施いたしたいと思っております。  それから治山事業における雪害に対する姿勢と申しますか、対策でございますが、基本的には約三百億近くの事業費の治山事業の中で、なだれ防止のための防災林造成事業、あるいはなだれ防止のための防止さくの設置等のための事業費が見込まれているのでございますが、大体事業費で五億程度見込まれているのでございますが、現在この計画につきましては、従来からの被害の実績等勘案いたしまして、積雪常襲地帯に重点を置いた計画をいたしておる現状でございます。簡単でございますが、ひとつ御了解いただきます。
  46. 武内五郎

    武内五郎君 その被害の実態を、実はそういうふうなことで雪をかぶっておりますのでまだつかめない、これ以上どうにもならぬが、とにかくたいへんな問題であると思うのであります。雪の被害というものは私は相当強いと思うわけです。私は、なだれと関連しましてこれは建設省中心になると思うのですが、いまなだれの問題が出ましたが、今度融雪期に入ってまいりますと、必ずなだれと、さらにそれに伴って地すべり、新潟県は日本で一番地すべり個所が多い。約二千カ所、千八百カ所くらいの地すべり個所がある。面積から言えば二番目ですが、個所数から言ったら日本一、もうどこでも地すべりが起きておる。しかも私は、なぜ新潟県が地すべりがそういうふうに激発するかをいろいろ見てまいりますと、あるいは資料等で調べましたが、要するに多雨、豪雪地帯であるということ、雨が多い、雪が深いということ、しかも特に雪が解けた水が、ほとんど地中に浸透してまいりまするときに、地表の土をゆるく解かしてしまって何かの衝撃ですべって落ちるというのが、新潟県の地すべりの大きな特徴だと思う。したがって地すべりの個所が非常に多い。特に私は山形等に多いことも、その原因だと思います。あるいは石川県や何かに地すべりの多いことも、私はそこに原因があると思う。したがって豪雪多雨が地すべりの大きな原因であることは、これは否定できない。この地すべりに対する建設省の――私はこれもいまどうせいというよりも、これから起きる問題、これから激発してくる問題だと思うので、その対策をいまから考慮してもらいたい。やっぱり用意があると思うから、その用意を一応聞いておきたい。
  47. 坂野重信

    政府委員(坂野重信君) 融雪の出水の問題につきましては、まあ先生の御指摘のように新潟等で災害の多いところでございまして、融雪による河川等に対する災害復旧につきましては、まあ例年どおり、できるだけ早い機会にそういった、起きた災害についての査定を実施しまして、急ぐものについては、緊急的にひとつ方法協議いたしまして、早急にそういった措置をいたしたいと思います。  地すべり対策に対する恒久的な対策でございますが、御指摘のように、新潟県は非常に地すべりの多いところでございまして、また急傾斜の多いところでございますし、また昨年のような非常に局地的な豪雨といいますか、そういうところが例年相次いでおりまして、私どもといたしましても、新潟地方につきましては、治水上の観点におきましても重点を向けておりまして、今度の新治水事業五カ年計画におきましても、そういった局地豪雨に対する中小河川の対策、あるいは地すべり地帯における地すべりに対する砂防としての対策、そういったものを十分この計画の中に織り込みまして、四十三年度からはそういった地すべりあるいは土石流対策、あるいは場合によっては急傾斜地の崩壊対策、そういうものを織り込みまして、それと先ほど申し上げました中小河川のそういった集中豪雨に対する対策というようなものを十分織り込んで、できるだけひとつ万全のかまえでいきたいと考えております。
  48. 武内五郎

    武内五郎君 それでは総理府に対して、まあすでに雪害の問題について数回にわたって問題を取り扱っておりまするので、問題の根本というものを十分把握されておると考えますが、私はきょうは特に雪害というものの、災害の中の雪害という問題で、非常にそれが法律上に、いろいろな法規や政令等になって出てまいりますると、災害の中の雪害という問題についての考え方に問題があると思うのでありまして、今日災害、雪害に関する法律、雪についての法律がいろいろある。まず第一に災害対策基本法ができ、基本法の第二条は、災害の定義の中にやはり豪雪の用語を用いておる。それから豪雪地帯対策特別措置法、もちろんこれは豪雪という文字を使って、豪雪地帯の対策の取り扱いをやろうという考え方であります。それから豪雪に際して地方公共団体が行なうところの公共の施設の除雪事業に要する費用の補助に関する特別措置法、これも豪雪という用語を用いて、地方公共団体の除雪についての助成を行なう。そのほかいろいろございますが、さらに積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法、これは積雪という文字を使っている。それから天災融資の暫定措置法、これは降雪という文字を使っている。それから森林国営保険法、これは雪害という用語を使っておる。こういうふうにいろいろな問題に対処するための法律がたくさんあるのです。しかし、その用語の雪というものに対する観念にまとまったものを持っていないので、いろいろなその表現が出てくるのではないかと私は考える。したがって、雪というものについての、この前佐藤委員が雪についての災害感がだいぶ足らぬと言って強く指摘されております。これらはやはりそのとおり問題があるわけです。幸い今年――幸いではない、これはまことに不幸な話なんでありますが、かつて雪のなかった地方にも、雪が降って豪雪だという問題が起きておる。同僚温水君の郷里の地方なんかにも雪が降って、ミカンがだいぶ被害を受けた、野菜が被害を受けたということが起きております。それでかつて雪の害というものを感じないところに、今度雪の害というものを感じておる。東京においても約二、三十センチの雪が降って、交通が麻痺した、一日かなんぼ麻痺しております。そういうようなことで、ほとんど無雪地帯、雪害というものを感じなかった地方で雪害を感ずるようになっている。こういういろいろなことを考えてみますると、私は雪というものについての考え方を、雪害についての考え方を、この機会に変える必要がある。変える機会じゃないかと思う。私の考え方で言わせれば、雪の降ることそのことがすでに災害だ。かつて私は災害対策基本法の審議の際に、豪雪という文字についてかなり議論したことがあります。とうとう私どものほうの考え方が入らなかったが、それでも豪雪という名で入ってまずある程度がまんせざるを得なかった。この豪雪だけが私は災害ではないと思う。雪そのものが私は災害だと思う。私ども生れ落ちるから死ぬまで雪で苦労しておる者は、雪そのものを災害だと考えておりますので、いまでも日本の雪に対する政策、その表現であります法律、いろいろありますが、雪について一定したものの考え方がなかった。したがって私は災害の中で雪害という問題、雪害の位置づけというものがきわめて薄かったと思う。そういうものを考えた中で、今回災害の中の雪害という問題を真剣に考えてやらなければならないと思います。その点で、場合によったら法律上の改正が必要である、あるいはまたいろいろな政令についての改正等が必要になってくるんじゃないかと思います。特に私は今日指摘したいことは、この前も調査報告の中にもなだれの問題が入っております。このなだれというものはいろいろある。なだれが起きる原因もありますが、雪が降って間もないころには表層なだれ、軽い雪が、しかも大量の雪が非常な速度で下のほうへ滑って落ちる。これが表層なだれ。最近融雪期に入ってきてからのなだれというものは深層です。地底からなだれがやってきて非常に危険なんです。少々の建物なんかというものは、吹っ飛んでしまう。そういうなだれがこれから起きる。私はそういうなだれがこれから起きることを予想しつつ総理府や、あるいはまた私は特に今回そのなだれの災害を受けてたいへん苦しんだ小学校、中学校の学童の痛ましい犠牲の姿を見て、特に文部省等においてその問題を真剣に考えてもらわなきゃならないときだと思う。今年の二月一日に南魚沼郡の塩沢の関山部落で小学校学童が、通学の途中で三名なだれにさらわれた。そして一名は死亡しました。二名はまあ非常に体力があったのか、気力があったのか、自分ではい上がって脱出した。その翌日二月二日に十日町の名ケ山、ここの小中学校の三十六人が通学の途中なだれにあった。九人がそのなだれに巻き込まれて十二人が二十メーター下のがけ下へ押し出されてしまった。これはただ押し出されたなんといっても雪をかぶってしまう。その中でまあこれらは幸いその十日町の学童、生徒が全部助かった。自分ではい上がった者もあり、部落民の救援作業で助かったのでありますが、そういう事件が起きた。そのほか学校がつぶれた、体育館の屋根が吹っ飛んでしまったなど、いろいろななだれによる被害が出てまいりました。そういうように危険なのでありまして、その翌日から新潟県の豪雪地帯における学校がほとんど休校になってしまった。二月一日の休校を出したのが四十六校、二月二日に四十九校、二月三日に三十七校、こういうふうに臨時休校が宣言された、そういう状態、同時に、このなだれの危険というものは各地にあるのでありますが、かりに新潟県でも最も僻地であって最も雪の多い、全体的に多いといわれている東頸城郡を見てみると、なだれの危険があるということがある。通学路の八九%はなだれの危険にある。これはほとんど全部だと言っていい。それからふぶきで交通途絶する個所がこれも八三%、ほとんどこれも全部。そのほか地すべりが二五%の地帯がある。こういうふうに全体で雪害の痛ましい現象が出てまいります。おとなはもちろん、学童ですら学校に通うことができないという状態が出てまいります。これは私は、これくらい不幸なことはないと思います、そういう地域において。したがって、これは山間僻地にこういう起こり方が激しいのであります。山間僻地ばかりでない、雪が降るたびに、もう平坦地においてもいろいろな災害が起きてくる。今年、交通途絶になった部落というものは非常に多い。御承知のとおり新潟県の古志郡という、これは全郡が全部出入りはできません。それからいま申し上げました東頸城郡の半分以上は、これも出入りができない、こういうふうな個所が至るところにあります。したがって、ここで雪が降ったことによって、出入りができるとか……私は雪そのものが降った、そのことが豪雪であろうとあるいは少い雪であろうとにかかわらず、雪そのものが私は災害であると考えます。こういうふうなことで、災害の中の雪という問題について、特に災害責任官庁でありまする総理府において今後、十分御研究願ってやっていただきたいと考えます。こういうことです。  そこで、今度私は、総理府と文部省に特にいまの問題で関連いたしまして御検討を願っておかなければならぬのは、まず、特に文部省が今年の雪の問題について、今年ばかりでない、前からそうであり、今後もそうでなければならぬことでありますが、学童、生徒の通学の安全を確保するために、今日までどういう対策をとってきたかということをお伺いしたい。まず、それを伺って、私がきょういままで申し上げた具体的な例に基づいて私は、この問題を明らかにしたいと考える。文部省の考え方それからとっているやり方をひとつお聞きしたい。
  49. 菅野誠

    説明員(菅野誠君) ただいまの御質問につきましてお答え申し上げます。  豪雪地帯の通学安全は非常に、おっしゃるまでもなくたいへん大事なことでございまして、お話の中にあったかと思いますが、豪雪のなだれの事例などについての若干報告も受けておるところでございます。  まず、通学安全につきましては、私、教育施設部長でございますので、若干所管外の点にもわたる点がありますが、交通安全指導ということにも重点を置きまして、体育局の関係でございますが、できるだけ集団登校、下校というようなことを奨励し、また指導しているところでございます。十日町の例におきましては、御案内のように、これも集団登下校の関係におきまして、また、たまたまその付近に道路雪踏みの当番者二名が目撃いたしまして、一名は救助に向かい、一名は部落に通報したというようなこともありまして、この場合には御案内のように全員――まあ、若干そのなだれに巻き込まれたのではございますが、まあ紛失その他持ち物などにはあったのでございますが、命には差しつかえなかった。雪国の子はたいへん強いと――私は実は雪国でございますが――という感じをおぼえておりますが、しかしこの通学安全は、この道路自体につきまして文部省だけのことでもありませんので、関係官庁とともに道路の安全を確保することは大事なことと思っております。登下校につきましては、いまのような集団登下校を指導しておるところでございます。  なおさらに文部省におきましては、学校統合などの場合によって遠距離通学となる場合、あるいはいまお話がありました、積雪のために通学が冬季間非常に困難になるという場合におきましては、冬季間の寄宿舎設置というようなことも奨励いたしまして、この場合は寄宿舎の建設費につきまして二分の一の国庫補助を行なうというようなことによりまして、冬季間の安全を、できるだけこのような方法で確保してまいりたいという考えでまいっております。なお寄宿舎をつくる場合は、もちろん御案内のように、こちらからつくれということでなく、設置者のほうで、こういう関係で冬季寄宿舎をつくりたいという申請に基づいてこれを補助を行なうのでありますが、さらに寄宿舎に子供たちを収容する場合におきましては、その収容する居住に要する費用が、市町村がこれを出す場合におきましては、さらにその居住費に対する国庫補助をもできるような道をつくっております。このようにいたしまして、できるだけいまお話のありましたような点につきましても前向きに考えてまいりたいと思っております。   〔理事青田源太郎君退席、委員長着席〕
  50. 武内五郎

    武内五郎君 そういうふうなことなんで、特にこういう問題に、もちろんそれは文部省だけの問題じゃない、建設省やその他の関係もある。あるけれども、学童生徒の安全を守るという文部省が立場に立っていかなければいかぬと思う。それをその意識、その考え方が私は大事だと思うんです。それがなかったら私は、これはなるほど道路だから建設省関係でございますと、私どもの責任はございませんと言ったって、これは言いのがれることはできない。学童の生命、学童の教育というものについての責任は、やっぱり文部省にある。これはやっぱり文部省がしてもらわなければならぬ。  そこで問題は、そういう危険な個所をかなり遠距離通学せにゃならぬということであります。しかも三十九年以来、学校統合の奨励が強く文部省から指示を受けて、したがって統合された学校はだんだん遠くなる。家からだんだん距離が遠くなってまいります。それは無雪地帯であるならばたいして問題はないんです。しかも学校統合によって小学校であれば四キロ以上、中学校であれば六キロ以上の場合は通学バス、スクールバスに対する助成がある。ところが、冬季間は豪雪地帯にはバスなんか使えるはずがない。人が歩くのも容易じゃない。しかも、かりに中学生六キロ、小学生四キロと、こういつたって、小学生が雪道を、雪を踏み踏み一キロ歩くことが、おとなが四キロ歩くよりも苦痛なんです。たいへんなんです。私はそういう点を考えなければならぬと思う。それが具体的な問題なんです。そういうことを考えないところに、私は今日の行政上の大きな手抜かりがあると思う。それを考えない、私はそこに問題があると思う。人間の命のほうが大事なんです。子供の命、子供の教育というほうが大事なんです。それを十分考えていかなければならぬと思う。ところがこれに対して、はなはだ奇怪に感ぜられることは、昭和四十一年度に、遠距離児童生徒の通学費補助金の交付要綱というのが文部省から出た。これが法律に基づいて遠距離通学に対する補助が出ておるわけです。法律に基づいて出ておる。それなのにその施行だ、政令です。それによると、実際法律では補助を交付しますという。ところがその政令はいろいろなまわりくどい文章をつくって、結局出されないことになっておる。新潟県のような深い雪で苦しんでおるところでさえ、新潟県の北魚沼郡入広瀬村、東蒲原郡の津川町の農村部、これだけよりこの政令によれば交付されない。したがって東頸城や中頸城や、中魚沼や北魚沼のほかの地域の子供につきましては、危険な地域の道を歩いて通学しなければならぬ状態なんです。全く私はこの文部省の政令というものは子供の命をないがしろにした政令だと思う。これくらい残酷な非人道的な政令はないじゃないか。法律は出すと言っている。それを政令で押えている。こういうべらぼうなことが行なわれている。回りくどい文章で。平年の二倍のとか、さらにそれが税収の何%をこえるものであるとか、いろいろ回ってみると、新潟県のようなところでさえ二カ所しかない。おそるべき非人道的な、人間の命を無視した政令が出ている。一体これはどういうつもりですか。これでどうして子供の命を守る、学童の勉学の道を安全にしていくつもりなのかと疑わざるを得ない。どういうつもりですか。
  51. 菅野誠

    説明員(菅野誠君) 第一点のお話にありました学校統合などによる寄宿舎の場合、四キロ、六キロをかたくなに守っているのじゃないかという趣旨のお話があったようでございますが、実施上におきましては、基準としては四キロ、六キロをとっておりますが、雪国におきましてはやはりいまお話がありましたように、冬季の通学で非常に、四キロといってもずいぶん困難だという事情もありますので、実行上若干幅を持ちまして、実際におきましては、ほとんどやはり市町村公共団体において寄宿舎をつくりたいという場合におきましては、四キロ以内でも六キロ以内でも差しつかえないということにしておりますので、第一点はそういうことで御了承いただきたいと思います。  第二点の通学費補助関係がいま――あとで財務課長から、所管が施設部でございませんのでお話しいただきたいと思いますが、関連いたしまして、政令との関係、その二倍以上というようなお話がありましたのは、たぶん除雪費のほうの政令のことに対するおしかりじゃないかと思うのでございますが、この豪雪地帯の除雪費に対しましてただいまちょっとお話があったようでございますが、豪雪に際して地方公共団体が行なう公共の施設の除雪事業に要する費用の補助に関する特別措置法というのが昭和三十八年でございましたか、できたわけでございます。これもこの前の委員会等におきましてもおしかりを受けた点があったと思うのでございますが、それがなかなか基準が高いために、ことしの豪雪の場合にもサンプル調査をいたしてみたのでございますが、ほとんど適用にならないというような関係がありまして、これは法律の趣旨に反するのではないかというようなおしかりも受けておることでございますが、この点につきましては事務当局といたしましても、過日来そのような趣旨に対しまして、大蔵省、自治省、厚生省さらに文部省と、この各省問で検討を開始しております。しかし、何しろ今次の豪雪の該当のところが非常に広範囲であり、また、この政令施行の条文あるいは実施に非常に矛盾があるかないかということを、それぞれ財政当局とも話し合いいたしますには、相当やはり実態を把握した資料で検討する必要がありますので、ただいまのところこの関係につきまして、市町村単位に、しかも詳細にわたっての調査を依頼しております。何しろ県から直接ではなくて、県の教育委員会を通じまして各市町村からの資料を集めることになりますので、雪の関係もありまして、四月十日までに資料が到着することになっておりますので、その到着し次第、できるだけこの実施上、まあ常識的と申しましょうか、三十八年災のときには対象になるが、ことしの豪雪では対象にならないというのも少しおかしい点があろうかと思って、その点もいろいろ検討しておるところでありますが、この資料がまとまり次第、関係各省とまたさらに折衝いたしまして、できるだけ早く結論を出すように努力したいと考えております。  通学費につきまして、財務課長から補足して説明していただきます。
  52. 岩田俊一

    説明員(岩田俊一君) この通学費の援助につきまして、お話が二つに分かれているように思うのでございますが、文部省の施策としまして、この関係では二つの施策を行なっております。  その一つは、遠距離通学費の補助でございます。これは法律の根拠に基づいて実施しているものではございませんで、予算補助に基づいて施行いたしているわけでありまして、豪雪地帯であるといなとを問わず、一般的に僻地の学校等で交通機関を利用する児童、生徒の通学費につきまして、市町村が援助を行なっている場合に、それについて国から補助を行なうということになっているのでありまして、それは御質問にありましたように、四キロ、六キロ以上になっております。これはそういうような施策でございます。  なお、これにつきまして、従来から特に僻地関係を重点といたしまして、事業の拡充をはかってきておるのでありますが、昭和四十三年度は前年度に比べまして多少人員等の拡充をはかっております。  それからもう一点の、あとで政令のほうに規定がある云々のお話がございましたのですが、これはおそらく準要保護児童、生徒に対する通学費の援助のお話ではないかと思います。これにつきましても、市町村が援助を行なっておる場合に、国がその二分の一を援助するということになっておりまするが、これらも遠距離通学のほうにならいまして、四キロ、六キロということになっておりまするが、御質問にもございましたように、この豪雪地域の場合について、この区間についてなお特段の配慮を要するのではないかという御趣旨につきましては、ごもっともであると思いまするので、今後十分検討さしていただきたいと思っております。
  53. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  54. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 速記を起こしてください。  建設大臣が出席されましたので、大臣に集中して質疑を行なっていただきたいと存じます。
  55. 温水三郎

    温水三郎君 まず、えびの吉松地震に対しまして直ちに堤防の改修その他建設省関係の工事を着手いただきましてありがとうございます。  ただいま、私の質問に対しまして総理府総務長官が、えびの吉松地震対策本部をつくるということを言明していただいたわけでございますが、過去の例から見ますと、建設大臣が本部長になられる公算が非常に大きいと思うわけであります。さらにまた、建設大臣は政府に対して影響力の強い方でございまして、国務大臣として建設省範囲を越えてぜひともお力添えを願いたいと考えるのでございますが、まず第一に、範囲あるいは金額というような点において、今度のえびの地震は簡単には激甚地の指定が受けられないというようなふうにいわれておるのでございますが、激甚地の指定を受けるのと受けられないのとたいへんな差でございまして、あらゆる問題がこれによって重大なる差異を生ずるわけであります。しかしながら、小範囲であろうとも罹災者にとっては大範囲の、たとえば新潟地震といったようなものと何ら変わらない、罹災者にとっては激甚の最たるものであることは、これはもう申し上げなくても先刻御承知のとおりであろうと思うのでございますが、小災害であるから激甚指定して国が直接めんどうを見る必要はないというふうに解釈いたしますけれども、であるならば、これは地方公共団体が見るということ、そして地方公共団体財政が健全であって余裕があるということが前提になっておると思うのでございます。しかるに、今日の地方公共団体財政宮崎鹿児島両県とも、そしてまたえびの吉松両町ともまことに逼迫しておるのでございまして、ほとんど国の裏づけなくしては見ることができないというような状況でございます。しかも、えびの町は最近合併したばかりの町でございます。またこの地震宮崎鹿児島両県にまたがっておりまするから、非常に激甚指定を受けるについては不利でございます。がしかしながら、立法精神からいいましても、同じ罹災者に対してほとんど同等の救助の手を伸べなければならぬことは、これは政治の公平の原則から見て当然であろうと思いまするので、あるいは特別交付金なり、あるいは起債なり、その他あらゆる方法をもって積極的に地方公共団体を督励して罹災の復興に着手すべきことが政治の課題であろうと思うのでございます。  そこで、まず第一点でございますが、砂防とか、治山とか、あるいは道路の改修というものに際しまして、原形復旧ということが言われておるのでございますけれども、わがこのえびの地震の地帯におきましては、特殊土壌いわゆるシラス地帯でございまして、これが大きく山くずれをいたしておりまするから、単なる原形復旧の工事をいたしますと、五月の長雨ではたちまち崩壊することは、これは明白であるわけでございます。さらに、群発性の地震でございますから、これが予防的な措置を講じながら原形復旧をするのでなければ、ほとんど復旧の意味をなさない、金のむだ使いであるということになろうかと思うわけでございまして、これに対しましては、改良復旧と申しますか、そういった申し述べましたとおりのようなことを想定をしていただきまして、復旧をしていただきたいと思うのでございますが、この点に関する建設大臣の御所見を承りたいと思う次第でございます。
  56. 保利茂

    国務大臣(保利茂君) えびの吉松地区地震、二十一日、二十二日引き続き余震が続いておるということに対しては、まことに御同情にたえないところでありまして、地震が起きたということを、かなり被害が出たのじゃないかということを聞きましたので、建設省では、刈谷政務次官をはじめ関係の係官をすぐさま急派いたしまして、実情の把握につとめてまいった。建設省関係として所管の関係につきましては、もうとにかく適切迅速に手を打つようにということで、全省をあげて、これに処置を講じてまいっておるわけでございます。お話しの災害立法が国民経済上大きな影響がある場合云々というようなことがまくらことばになっておりまして、非常に広範な地域に災害が起きれば、災害立法――いろいろなその激甚災害指定を受ける、恩典がいく、狭いというとそれがない。これは立法当時からの最大の悩みであると、私どももこの立法当時のいきさつをよく承知いたしておる一人として、被害を受けるその被害というものは、小被害とか、小災害とかいいましても、受ける災害の深浅の度合いというもの、深刻さというものは同じことなのでございますから、どうもそういうのが立法上片手落ちになっておるのじゃないかという気持ちは、私も非常に強くいたしておるわけであります。しかし、現行法はともかく、そういうことでえびの地震等の激甚災害地の指定をすることができない、そういう条件になっておるわけですけれども、しかしながら、この災害対策といたしましては、現行法制上許される限りにおいてのとにかく最大の配慮をしてまいるという考えをとっております。  ただいま直接御質問シラス地帯の砂防等につきましては、温水委員の御指摘のとおり、まだぞろぞろっとくれば同じことなんですから、またぞろぞろっとこないようにしてとにかく復旧しなければならぬ。それが改良復旧というか、原形復旧というか、その言い方はどちらにしても、再びそこに災害がくるようなことのないような手当てはしなければならぬ、それが災害対策であるというように私は考えて、そういう大体御趣意に沿うようなことで手当てをいたしておるわけであります。
  57. 温水三郎

    温水三郎君 建設大臣のお時間がないようでございますから、はしょりまして簡潔に質問いたしますが、このえびの地震の特徴といたしましては、住民が非常に貧乏であるということでございまして、そうして住宅の被害が非常に大きいということでございます。これによりまして、住宅問題というものが頭痛の種になっておるわけでございまして、この問題を解決しなければ、これはもう惨たんたることに相なることは明白でございます。そこで、この住宅問題に対して、まず金融の場合に、低利長期の融資というものに対して十分な力を加えていただきたい。そして信用を拡張して、十分な資金の供給をなしていただきたいと思う次第でございます。また第二点としては、財力のない者、これをどうするか。すなわち仮設住宅の問題もございましょうし、あるいは災害公営住宅の問題もあろうかと思いますが、これがどうも激甚法指定にならないというとうまいぐあいにいかないのでございまして、現在テントの中で生活している者もたくさんございますし、また、わらを敷いてビニールを張って生活している者もたくさんございます。このまま放置いたしますというと、住宅問題でもってこれは非常な問題を生ずると思うのでございます。この際大臣のお力によりまして、住宅問題に対しまして特段な政府の援助をしてもらいたいのでございますが、これはもちろん建設省だけではできないし、財政の問題ともからむことと存じますので、財政当局を激励していただきまして、住宅問題に関して真剣なるお取り組みを願いたいと思う次第でございます。ともかくも激甚指定になったと同様――それ以上の住宅問題に対する措置をお願い申し上げたいと思うのでございますが、この点に関しまして、建設大臣のお考えをお聞かせ願えれば幸いだと存じます。
  58. 保利茂

    国務大臣(保利茂君) この住宅の損壊を受けられている方々がどのくらいお困りになっておるか、これも想像に余るわけでございます。本省の係官に出向いてもらいますとともに、住宅金融公庫からも人を派しまして、そして一番大事なことは、住宅対策を急がなきゃならぬわけでございますから、公営住宅の対策と住宅金融公庫の貸し付けという両面――住宅施策上考えられるすべてのことはやらなきゃならぬということで督励をいたしまして、いま住宅金融公庫の貸し付けは、すでに一カ月ほど前から受付を始めておるわけでございますから、できるだけ現地の事情に即応して、――まあ激甚地の指定を受ければ公営住宅等は三分の二か四分の三の補助になるというようなことがございますけれども、いまその四分の一の問題でなしに、一戸でも早くとにかく罹災者の方々の住宅問題を片づけるということが先じゃないかということで督励をいたしておるわけでございます。十分であるかどうか、さらにひとつよくお話も直接に伺いまして、対策を講じてまいるようにいたしたいと考えます。
  59. 平島敏夫

    平島敏夫君 住宅問題につきまして、私から関連質問として一、二の点についてお尋ねしたいと思います。  大臣のお話によりますと、必ずしも復旧ではない、もとに返すということにとらわれずに、もっと積極的な配慮をしようというそういうお考えのように承りましたので、私が申し上げることはこれは蛇足になるかもしれませんが、群発地震だということになりましたので、いままでのような建物を復旧したのでは、これでは心配で安心して住まえない。したがいまして、耐震家屋にできるだけやっていきたいというそういう希望を持っておりまするので、貸し付けの総ワクはもちろん考えていただかねばなりませんが、特に耐震性を高める場合において、プラスアルファと、まあ五割ぐらいの程度の費用もよけいに要ると考えまするので、これらにつきまして特別の措置をお願いしたい。これが一つでございます。  もう一つは、私も二回地震状況を向こうに参りまして見てまいりましたが、シラス地帯であるということと、山くずれその他地割れが相当ひどいので、場所によりましては、もう集団的に移転しなければならないというそういう必要を感じておるところは、えびの及び吉松のほうにも相当多いのでございます。ところが、この集団移転に対するようなそういう措置が現行法ではないようでございまするので、これは特にお認め願いたい。この二点をお尋ねしたいと思います。
  60. 保利茂

    国務大臣(保利茂君) ただいまの御意見につきましては、十分検討をいたしまして、できる限りのことはいたしますけれども、しかし法律違反してまでは私もできないだろうと思いますし、とにかく制度の許している限りはやりたいと、こう思っております。それぞれ県のほうでも御指導いただいておるようでございますし、宮崎県のほうはすでにこの受付整理をされて、契約も十数件に達しておるようでございますが、その辺は県の御指導も願わなければならぬと思いますし、どういうふうに再建されるかというようなことにつきましては、それに対してあとう限りのとにかくお手当てを申し上げるという線において検討をさせていただきたいと思います。
  61. 平島敏夫

    平島敏夫君 もう一言。まあ営業の種目によりましては、復旧したのではどうにもならないと、やはり耐震家屋に持っていかなければ危険であって営業は続けられない。ところが復旧の場合ならば金利は六分五厘です。ところが復旧でなければ一割ぐらいの金利を払わなければならぬというそういうものもあるようでございまして、たとえば病院のごとき、あるいは温泉旅館のごとき、そういうものは非常に困っておるようでございます。法律を無視してということを申し上げるわけではございませんが、解釈上できるだけ広げて、そして実情に沿うたような措置をお願いしたいと思います。
  62. 保利茂

    国務大臣(保利茂君) ここに係官もおりますわけで、何とかできそうなものじゃないかということをいま申しておるわけでございます。検討させていただきたいと思います。御示唆ありがとうございます。
  63. 温水三郎

    温水三郎君 もう一点。非常に心強い御答弁をいただきましてありがとうございますが、しかし現地におきましては、プレハブ住宅で例をとりましても、入居基準が非常にきびしい、だからどうにもならないと、こういうような状況でございます。ですからいま平島委員が申されましたように、できるだけ拡張解釈をしていただきまして万全を期していただきたいと思いますのと、それからこれは建設省関係ではないかもしれませんが、えびのは温泉地帯でございますから、旅館建設に対しましてひとつお力添えを願いたい、かように存ずる次第でございます。
  64. 保利茂

    国務大臣(保利茂君) 前段のことにつきましては、係官に、とにかく知恵の出せるだけ知恵を出していただいて御期待にこたえるようにしなければならぬと申しております。  あとの、後段のほうのことにつきましては、よく検討さしていただきます。
  65. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 速記をやめてください。   〔速記中止
  66. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 速記を起こしてください。
  67. 武内五郎

    武内五郎君 先ほどの私の質問の中で遠隔通学費の補助の問題でありまするが、確かにちょっと私も除雪のほうと間違ったらしいです。それはただ、しかし昭和三十八年度以前のものについては出さないと、そうなってくると、結局ほとんどの学校がそれに適用されないと、それから三十万以上の支出がなければ出さないと、そうなってくると、これはほとんどまずないということなんです。それから、現にいま出しているのは通学費の補助だと、それにはあるいはバス賃やいろいろなものがあると、こういうことなんですが、雪の降る、半年雪に埋まるところでバスなんかの運行ということはこれは不可能だと、御承知のとおり。そういうものは出さないということなのか、スクールバスやスクールボートなんというのはこれは運行ができないのはこれはあたりまえ、借り上げバスなんかこれはできない。営業バスすら走っていないのだから、そういうことは結局出さないということだ、これはもう何とか検討する必要があるのじゃないか、これでは残酷ですよ、やり方が。これはぜひひとつ検討していただきたい。  そこで、私はついでに除雪の問題で、この除雪費なんかも十分入らない、村に入らない、当局に入らないものだから、あわれなことに学校の子供に除雪をやらせておる。それは訓練だといえば訓練かもしれないが、しかしこのくらい残酷な訓練はないと思う。文部省関係では学校校舎の保全、図書館やあるいは保育所やその他の保全、そういうような文部省関係の施設の中でさえ、特に学校の除雪に子供を使うことはこれはもうやめたらいいと思う。やめてなぜもう少し金を出して除雪を補助してやる方法を考えないのか。栃尾市のような町でさえ職員が児童、生徒を指揮して労働奉仕だ一そんな残酷なことをやらせるものではありません。小学校で二千六百六十七人子供を使っておる、中学校で四千四百二十一人の子供を使っておる、延べにして。こういう残酷なことをやらせるものではないと考えます。先ほど私が申し上げました北魚沼郡の入広瀬村では、校舎と寄宿舎の平年の除雪費は五十四万六千円であり、今年は三百二十五万円になる。したがってこういうようなことであれば、村にも金がないとすれば、痛々しい子供を使って除雪せにゃならぬ、そんな残酷なことはやめたらいい。せっかく除雪に関する補助法律があるのだから、その法律を正しく生かしていくようにひとつ考えてもらいたい、この点はどうなんですか。
  68. 菅野誠

    説明員(菅野誠君) 先ほども若干それに触れたところがあったのでございますが、御趣旨まことにごもっともでございます。学校の除雪を子供にやらせておることについての御意見などもございました。今回の豪雪のように人手不足であり、かつ緊急を要する場合であれば、やはり教育上の配慮のもとで作業を行なわせるということはあってもいいこととは考えるのでありますが、やはりあくまで教育上の配慮のもとに、ということは必要であろうかと思います。なお、この場合やはりそういう趣旨から児童、生徒の安全を第一に、危険防止、健康の保持などに十分注意を払って作業を行なわせることが必要かと思います。  また、いまお話がございました地方公共団体が行なう公共の施設の除雪事業に要する費用の補助に関する特別措置法に関連する問題でございますが、これにつきましては、この前の当委員会におきましてもいろいろの御意見、御提案がありまして、事務当局といたしましても、過日来御趣旨に沿って関係省庁間で検討を始めております。なおこの検討をいたしますには、今回の豪雪の実態に即して問題を明らかにするというために相当こまかい資料を要しますので、県単位ではなく市町村単位にまで、いま例をあげまして御説明のありましたような資料を作成する関係があり、またさらにはこの豪雪に対する除雪事業におきましては、一時的には交付税の中の算定基準にも組み入れておるというような関係がありましたり、またいまの特別措置法におきましては、御案内のようにこの「除雪事業に要する費用が平年に比し著しく多額である場合」というようなことがあり、「当該地方公共団体財政事情等を勘案して特に必要があると認めるときは、」というような、激甚の場合といいましょうか、ただの豪雪の除雪費ではなくて、異常な豪雪の除雪事業に対してというような法律の趣旨になっておりますので、この間の資料的に事情を分析して考える必要があるということがありますので、詳細な資料を四月十日までに私どものほうで集めることにいたしておりますので、これが集まり次第、いまの御趣旨に沿いまして前向きに関係各省間で具体的検討に入りまして、一日も早く結論を出すように努力したいと考えております。
  69. 武内五郎

    武内五郎君 そう言われるだろうと思って、それを心配しておったんです。教育上のなんてとんでもない話だと思う。そういう観念で教育指導されておるとすれば、とんでもない話です。そういうことはやっぱりやめたほうがいいと思う。残酷きわまる教育です。  次に私は、そういう豪雪地帯に先生が行きたがらぬこと。幾ら先生といえども人間なんで、教育担当の使命観に徹した、聖職の誇りに胸をふくらませるなんという、そういう扇動の美辞麗句はもう要らぬので、なぜ行かないかを究明して、行けるような対策を立てないのか。新潟県の豪雪地帯の学校に先生が行きたがらぬ、小学校で。これは上越、高田地方を中心とした中頸城、西頸城、東頸城の二部で、三八%です、小学校の先生が。大学を出て新採用になってせっかく辞令をもらったが、そういうところには行きたがらぬ、それが三八%。中越、長岡を中心としたこれはもう日本では一番雪の降るところ、ここでは二七%、小学校で。中学校で、上越で四〇%をこえ、四〇・四%、中越で二二%――二一・四になっておる。これは一体何か、雪の多い地方に半年も閉じ込められ、出るにも出られない、通うこともできない、結局そういう陰うつな生活には幾ら聖職の誇りをもっても耐えられない。だから子どもらがちっともなじまない。代用教員の比率が非常に多い、それが年々多くなってきている。三十四年には正教諭七〇%を占めておって、代用教員が三〇%であったのが、それが四十年になると正教諭三〇%、逆になってしまった。あとは代用教員なんだ。これでは教育の十分な任務を果たすことはできない。したがって子どもがちっとも先生になじまない。先生が来る、新しい私どもの先生が来るんだそうだと、こう言っていまの新学期を迎えようとしているが、先生が来ない。だから学校の子どもの学力というのがどんどん低下をしてくる。日本じゅうで新潟県は一番低いのじゃないか、学力の点では。だんだん年々下がってくるんです、学力水準が。おそるべきことだ、憂うべきことだ。私はこれはもう重大な問題だと思う。事実、雪が降らんでもそういう地方は僻地が多い。僻地教育の振興法というものがありまするが、それにまた該当するのがきわめて少ないんで、全く実質上の僻地なんだけれども、僻地のクラスに入らぬものだから、僻地のいろいろな補助の問題、先生の手当がない。先生がリュックサックを背負って子どもの学用品を買い出しに行く、何里も歩いてバスのところへ行って――二里以上、三里近くも歩いて、バスのところへ出て、それから汽車に乗ったり何かする。そして一日泊まりで子どもらの学用品を買い集めて帰ってくる。それらの旅費なんかでも、泊まり賃なんかでも、ほとんど見られないという悲しむべき事実、ぼくはまことに痛々しい話だと考えている。まして雪が降ると全然出入りができないとすると、そういうところには、先生がだれだって行きたがらぬ。もっと、少なくともそういうところがあったらば、先生のための快適な宿舎もつくってやったり、あるいはせいぜい月一ぺんぐらいは町へ出てもいいが、喜んで子どものところへ帰ってこれる、学童のそばへ帰ってこれるような学校の施設というものが必要じゃないか。私はそこに新潟県の学校教育のまことに不幸な状態が、この雪のために起きている。私はそういう点を基本的に考えてもらわなきゃいかぬ。特に施設の強化、それから先生の待遇の問題、どういうふうに考えるか、はっきりしていただきたい。
  70. 岩田俊一

    説明員(岩田俊一君) 現在の文部省におきましては、豪雪地帯等を含みます僻地学校等の教員につきましては、これは御案内のように、僻地手当の支給だとか、あるいは僻地の特別昇給、それから教員宿舎の設置というようなこと等の施策を行なっておるのでありまするが、僻地にも、豪雪地帯というものについては、一般的に支給されておりますところの寒冷地手当というようなもの等のほかに、豪雪地帯ということを目したところの――そういうことにおけるところの手当の処置はございません。しかし県におきましては、たとえば新潟県等、いま例にあげてのお話でございましたが、新潟県等におきましては、僻地ではなくても、豪雪地帯に一定期間勤務した教員については、その後において優先的に希望地に教員の配置を行なっているというような施策を講じておるようでございます。まあいろいろ数字をあげて御質問がございましたわけでございまするが、なお、そういうような実情につきましては、県からもさらによく事情を調査いたしまして、今後指導を行なってまいりたい、さように考えております。
  71. 菅野誠

    説明員(菅野誠君) ただいまの問題につきましての施設の面につきましては、いま財務課長からも話がありました。教員宿舎の建設などにつきまして、僻地の関係でできるだけの措置を講じておるわけでありますが、なお、先ほど申し上げました児童等の、寒地の場合の冬期寄宿舎の設置等におきまして、できるだけ御趣旨に沿うような線で前向きに考えていきたいと考えております。
  72. 佐藤隆

    ○佐藤隆君 この間の三月の十五日の当委員会で、運輸省並びに国鉄当局にお尋ねをしたことにつきまして、まだ答弁をいただいておりませんでしたので、それをひとつお聞かせ願いたいと思いますが、国鉄――いらっしゃいますか。私の質問趣旨わかりますか。わからなければもう一度言いますか。
  73. 坂芳雄

    説明員(坂芳雄君) 恐縮でございますが、もう一ぺんお伺いするというつもりで参っております。
  74. 佐藤隆

    ○佐藤隆君 この間と違ったことを言ってもいけませんので、議事録を読みながら申し上げますが、このたびの豪雪で飯山線が五日間もとまってしまったということについてお尋ねをしたわけです。磐越西線、飯山線は豪雪路線でありますが、この保線管理について、適切な措置が打たれてきたかどうか。で、この間の豪雪地帯の――当委員会から派遣された調査に私も加わったわけなんですが、その際特に飯山線については五日間もストップしてしまって、十八万から二十万人の足をとめてしまった。昨年もやはりとまっているわけです。ことしも五日間とまってしまったということで、あの沿線に非常な不満の声が多くなってきているわけでございます。そこで、除雪車なんかも相当りっぱなものがあるようですが、一体どうなっているのか。特に十日町市というところがございます。そこに十日町の駅もあるわけですが、飯山線の管理は長野でやっておられる。その辺に問題がある。ちょうど新潟県に入ってからが、――飯山線の豪雪地帯はちょうど新潟県に入っている。その辺から、国鉄内部の、長野の鉄道管理局ですか、長野支社といいますか、それと新潟の支社との横の連絡といいますか、そんなようなものが、ちょっとしたことでもって連絡をつければ何か手が打たれるのじゃないか、こう思うわけです。このことについて、実は豪雪の調査に参りましたとき、新潟県庁で記者会見の直前に、国鉄の新潟支社長さんにわざわざおいでいただきまして、事情を実はお聞きいたしました。そのときは、まあ別に、飯山線が長野の管轄下にあるからどうのこうのじゃなくて、非常に急に雪が降ったもので、この際でき得る最高な措置はとったんだという御説明があったわけですが、それは抽象的な御意見としてはそれでけっこうなんですが、どうもいろいろ聞いてみると、現地状況やなんか聞いてみると、降雪時だけについてでも、国鉄新潟支社の長岡から直接除雪車を出すというようなことをやれば、あんなことにはならないんじゃないかという、あるいはしろうとだと言われるかもしれませんけれども、そういう意見もあるわけです。それでそのことについてひとつ国鉄はどう考えておられるか、特にこの間、申し上げなかったんですが、除雪車でバンモというんですか、バンモというのがありますね。このバンモという除雪車を私はひとつ十日町に降雪時には配車をしておいていただく、これで解決できるんだ、こういうことなんです。これはまた四十四年度の予算要求等にもあるいは関連してくるかもしれませんけれども、何か具体的な措置ですね、降雪時には飯山線――新潟県側のあの豪雪地帯の保線管理については、もう国鉄本社の名において新潟支社、長野支社に対してよきに計らえというようなことでうまく横の連絡がつくように言っておくか、降雪時だけ管理を移すとかいろんな方法があると思うのです。特に一番私は現地から聞いた話ではバンモを一台ぐらい十日町に置いてもらえば、ことしのようなあるいは去年のようなことは起こらないんだということも聞いておりますので、ひとつ御意見を伺いたいと思います。
  75. 坂芳雄

    説明員(坂芳雄君) 佐藤先生の御質問にお答え申し上げます。  御承知のように、飯山線でございますが、十日町から先がダムの建設のためにつくられました線でございまして、資材輸送という面で夏場を目的につくられた線でございますので、冬季の対策がいささか足りない線であることは間違いございません。したがいまして、国鉄が買収をいたしましてから後、金額にいたしまして約二億四千万ばかりの設備と機械を投入いたしております。この二億四千万と申しますのは、昭和三十年の再評価価額でございます。現在価額にいたしますと、約倍近くなろうかと存じます。現在まではそういう手当てをいたしております。具体的に申しますと、国鉄の雪の降る線路は約一万キロあるんでございますが、ラッセル車と申しますか、単線、複線合わせまして百数十台ございます。したがいまして六十キロに一台ぐらいの割合で配備をしておるんでございますが、当飯山線につきましては豪雪の関係もございまして、在来、飯山と十日町に三台、ラッセルを配置してございます。飯山線は御承知のように百キロございます。全国平均よりは相当車は配ってあるというのが在来の経過でございます。その後御承知のように、蒸気機関車を使いますラッセルはなかなか小回りがききませんので、先ほど先生の御指摘のバンモも含めまして、いままでに、ことしも含めまして六台程度の機械を配備をいたしております。これは全国的に申しますと、いろいろ型式がございまして、おしなべて数を言うのもなんでございますが、平均よりは少し大目に配ったつもりで実は私どもおるのでございます。それにいたしましても、飯山線は雪が多うございます。まだ万全とは私ども思っておりません。  それから御質問の第二点でございますが、本年一月の末から二月にかけましての豪雪によりまして、部分的ではございましたが、五日間列車の運行を取りやめております。これは先生の御指摘もございましたように、昨年はことしより雪が多かったわけでございます。十数日間とめました。その前、数年間、いわゆる三十五年の豪雪のとき列車を停止いたしました。その後四年間は実は列車をとめずに済んだということでございまして、これは雪の少なかったせいももちろんございますけれども、私どもがいままでとっておりました措置が多少効果をあらわしてきたものと、実は思っているわけでございます。今後の考え方でございますが、これをいかなる豪雪のときも一日も休まないというのは、なかなか至難のわざでございまして、通常の雪でございましたら、一昨年と同じように、多少の列車の活殺はございますけれども、通すようにいたしたい。ただ例年より雪が多うございますと、絶対だいじょうぶでございますという自信が、まだ申しわけございませんが、ございません。なるべく普通の日数は少くともいたしたいと思います。順次解決をするということで考えております。  それから最後に御指摘の管理の体制が悪いのではないかという御質問でございますが、御指摘のように飯山線は長野、新潟両県にまたがっております。線区の一貫運用のためその他のいろいろがございまして、現在は長野の管理局に所属をいたしております。したがいまして御指摘の十日町-川口間というのは御指摘のように新潟県に向かっての交通の多いところでありまして、新潟側から除雪をする、その他現在もやっております。それで、十日町にラッセルがございまして、日常の雪でございますと支障なく除雪をして、行って帰ってくるという状態になっておりますが、雪がたまりましたとき、あるいは雪の量が多いときは、もう少し大じかけの機械を持ってまいらなければいけないわけでございます。この大じかけの機械が金がかかりまして、完全に配置し終わるというわけになかなかまいりません。したがいまして、今年度先生の御指摘がございましたようにバンモと称します相当大きな機械を入れまして強化をいたしました。ただ長野のほうから除雪をしてまいりますと、御指摘のように新潟側の開通がおくれるということで、新潟側の処置につきましては、機械を四十三年度には何とか入れたいということで、部内で経費の面も含めまして検討中でございまして、前向きの姿勢でやってまいりたいと思っております。ただし配置個所を先生の御指摘のように、十日町に置けというお話でございますが、これをどこに置いたら一番使いやすいか、あるいは飯山線のほかにも只見線、上越線その他ございまして、私どももやり繰り世帯でありまして、なるべくたくさん多くのところで使いたいというようなことを考えておりまして、十日町そのものに置けるかどうか、はなはだ疑問でございます。何かの形で新潟側の処理を前進をさせたいと思っている次第でございまして、御了承いただきたいと思います。
  76. 佐藤隆

    ○佐藤隆君 そうするといまの御意見では、バンモをやはり飯山線の五日間もとまったとか、現地の要望とかそういうことにちなんで四十三年度中にはもう相当な期待は持てる、そう思っていてよろしゅうございますか。非常に現地で心配しておりますので、ここで別に保線課長さんに約束をせいという意味じゃございませんけれども、非常に現地では心配しておりますので、やはりこの一月から二月にかけてとまった、こういう事態の中でこの記憶の新しいうちに、前向きのある程度の約束というか、それはやはり必要だと思います。もちろん国鉄も大きな組織でございますから、保線課長さん一人がプランをお立てになってもそれが通るものではないということは、私もわかりますけれども、まあまあ四十三年度中には新鋭機械を取り入れて、飯山線でああいう事態が起きないようにするということは言えるわけでございますね。期待してよろしゅうございますか。非常にその答えを待っているのです。そうでなければ私ここで質問する必要がないのです。私が何とかやらせると言ったって皆信用しませんから、やはり国鉄当局からそういう御意見があれば皆安心しますし、また当然やらなければいかぬことです。先ほど三台配置してあるとおっしゃいますけれども、これは古い機械であり、古いと言っちゃ非常に言い過ぎになるかもしれませんけれども、やはりいい除雪車を入れてもらわなければ困ると思います。台数だけの問題でもないと思います。十日町市にどうしても置けないものであれば、少なくとも飯山線が従来のような事態を起こさないような新鋭機械の配備をするのだ、四十三年度中にはそういう結論を出すということくらいちょっとおっしゃっていただけば、非常にありがたいのですが、私どもバックアップいたしますから。
  77. 坂芳雄

    説明員(坂芳雄君) お答え申し上げます。  先生の御指摘のとおりでございまして、まだ決定もしくは確定に至っておりません。ただし事務的に相当詰めておりまして、何割の確度ということを申し上げるとちょっと問題がございますが、とにかく五割以上の確度をもって事務が進行しておるということでごかんべんいただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
  78. 佐藤隆

    ○佐藤隆君 五割以上という、四捨五入すれば一台になると思いますけれども、ひとつぜひそういう方向で御検討いただきたいと思います。
  79. 武内五郎

    武内五郎君 いま除雪機械バンモ――バンモと同時に流雪溝をつくらなければいけない。その点をやっぱり考えるべきでしょうな。
  80. 坂芳雄

    説明員(坂芳雄君) お答え申し上げます。  先生の御指摘のとおりでございまして、流雪溝は主といたしまして構内を私ども主体に考えております。ただし、場所によりましては駅と駅の中間にも必要があって設置をいたしたいと思っておるんでございますが、御承知のように流雪溝、非常に高うございまして、なかなか進捗が私どもの思うようにまかせません。ただし、バンモという機械は、御承知のように、雪をはね飛ばす機械でございます。必ずしも流雪溝と組み合わせをいたしませんでも相当効果を出すと、かように思っております。機械のほうを先行さしたいというふうに考えております。
  81. 武内五郎

    武内五郎君 それで最後に文部省にお伺いしておきたいことは、三十八年度の豪雪の際に、私は豪雪地帯の学校の建築費、あの当時非常に学校の倒壊が多かった。今年度もあちこち倒れたり、屋根を吹き飛ばされたりなんかしておりますんですが、特に三十八年度の学校の被害が非常に多かったので、私はこれは建設費が問題じゃないか、少なくとも北海道並みの学校建築費単価でいくべきじゃないかということをお尋ねしたことがある。その後どういうふうにその処置がなっているのか。善処いたしますと、こう言っておりましたが、伺っておきます。
  82. 菅野誠

    説明員(菅野誠君) 前回のとき、そのようなお話のありましたことも承っております。それで、今年度大蔵省のほうとも折衝いたしまして、今年の補助単価は前年に比べまして約一〇%の引き上げも行なったのでありますが、なお前回そういうお話もありましたので、四十二年度から、おっしゃるようにやはりこの単価を積算いたしますには労務費、資材費、それから寒冷地の場合には積雪加重を大きくとらなくちゃならないという技術的な問題もありますので、それらの点をしさいに検討いたしまして、現在は北海道と、新潟の場合は鉄筋校舎といたしまして、同じ単価をとっております。そのようにできるだけ実態に即した単価をとるように努力してまいっております。
  83. 佐藤隆

    ○佐藤隆君 施設部長さんにお尋ねいたしますが、この間の委員会で指導課長さんからお答えいただいたことで、先ほど来話の出ていることでございますが、豪雪に際して地方公共団体が行なう公共の施設の除雪事業に要する費用の補助に関する特別措置法、その政令ですね、この二条の問題。これはこの間の三月十五日の委員会において、次の委員会で回答を承るというのは無理でしょうから、次の次か、次の次の次にひとつ具体的な何かを示していただきたい。こういうことを申し上げたわけですが、そのことは指導課長さん、大串さんですか、大串さんから部長さんは聞いておられますか。
  84. 菅野誠

    説明員(菅野誠君) 前回施設部の大串指導課長が説明員といたしまして出席いたしまして、佐藤先生からいろいろの御質問、それから御要望のありました点につきまして、直ちに説明を受け報告を受けております。それに関連いたしましては、先ほどの武内先生の御質問にもありましたところでございますが、やはり私も雪国出身でございます。実際この特別措置法があるのに、またことしの豪雪が、三十八年の豪雪を上回るという話でもあるのに、三十八年のは対象になるが、ことしのは対象にならぬようなことはおかしいのではないかという点を内部でも検討いたしまして、実はサンプル的にも少しとってみたのでございますが、やはりどうも機械的にやってみるとおかしい。該当しない場合が非常に多い。若干のところがあるかどうか、まだサンプル調査の段階でございますから、はっきりしたことを申し上げるのは、これはやはり全部資料をとりまして、それで詳細に検討いたしまして、それでどういうところがおかしいのか、こちら自身がやはり納得しないと、大蔵省、自治省その他との折衝も困難である。口頭では御趣旨のありましたところ関係各省に連絡いたしまして、自治省それから大蔵省、厚生省と話を進めております。しかし、やはりいま申しましたような、どこがおかしいのかということを、やはり私自身も納得しなければならない。また関係方面にそれを納得してもらうためには、やはり相当詳細な資料が要るということになりますので、急遽立案いたしまして、――しかし、いまのような資料は、県単位ではやはり出てこない、市町村単位でないと出てこないということになりますので、その担当の県の意見などもとりまして、四月十日までなら何とか間に合うだろうというような県の教育委員会の担当のほうからの話もありましたので、四月十日までに相当こまかい資料をとるという作業を進めてまいっております。その資料をもとにして、関係各省間でさらにこれを前向きに進めたいという努力を払っておりますので、お答えになりますかどうか、できるだけ前向きに私個人といたしましては進めたいと考えております。
  85. 佐藤隆

    ○佐藤隆君 それで四月十日には資料が全部集まって、そして検討されるということでございますが、厚生省の問題もありますし、もちろん大蔵省の問題もあるので、横の連絡も十分おとりになって、そしてその結果をひとつ――この次の委員会はいつ開くことになるか、これはこれからきめることでございますが、この次に間に合わないようであれば、その次くらいに、これはひとつ何がしかの結論をぜひ出していただきたいと思います。なぜそこまで申し上げるかというと、この間の衆参両院で、ちょうど調査団が新潟の県庁で落ち合って記者会見をした。そのときも与野党一致しての調査団全員の考え方であった。そんな政令があるのかと、非常に私たちも不勉強であったわけでございますが、そんな政令があったのか、そんなところで縛られているのかということで、実は笑い話になったような経過もあるのでございます。これが全員一致の形で、どうしても第二条を修正ないしは削除、そうした問題はこれは早急にとりかかりたいと思いますので、そういうことをひとつ経過的なことを含んでいただいて、十分適切な結論を出していただきたい。こう思うのです。どうですか、その次の次くらい、まあ今月中くらいには、四月中くらいには何か横との連絡もあると思いますが、できそうですか、何かひとつ結論が。もちろん資料が四月十日に集まるというのですが、何かめどをおかないと、ずるずるいっちゃいますから。
  86. 菅野誠

    説明員(菅野誠君) 非常にごもっともなことでございまして、できるだけそのような方向に持っていきたいと思います。四月十日、時間厳守して出してくれということ、なお事務的に督促はいたしてまいりたいと思うのでございますが、それができ次第、施設部全力をあげて、できるだけ早い機会に御期待に沿いたいというふうに考えております。まあ文部内部だけでできない点がありますので、大蔵省その他との折衝もありますので、めどといたしましては、おっしゃるように四月中をめどといたしまして努力いたしたいと考えております。
  87. 小酒井義男

    委員長小酒井義男君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。  本日は、これにて散会いたします。    午後四時十一分散会