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政府委員(
坂野重信君) 国土建設の
長期構想の問題でございますが、これは国土建設の
長期構想では二十一兆というぐあいに
昭和四十一年から六十年までに二十年間で二十一兆という数字を
構想の中でうたっておるわけでございますが、それも単価構成等をいたしてまいりました考え方は、変わっておりませんので、先ほど申し上げました
昭和四十三年から
昭和六十年までの二十三兆ということを申し上げましたが、年度をずらしたり、それから単価を構成いたしてみますと、大体国土建設の
長期構想で考えております二十一兆と、私ども先ほど申し上げました二十三兆というのは大体合うわけでございまして、まあ、この二十三兆というのに至る前に、実はこれは膨大な話でございますが、私どもはここ三、四年、あるいは二、三年くらいかかりまして、全体の水系ごとの全体の
構想というものを、実はこれは夢みたい話でございますが、一体今後
治水をどれだけやれば完璧であるかという一定の考え方、統一をとりまして、五大
河川あるいは
中小の
河川等につきまして規模の考え方を一応考えて、その中で私どもは大
河川は少なくとも
災害のというか、降雨の対象となる雨の規模を大体百年に一ぺん、二百年に一ぺんというようなものを一応の想定に考えております。それから
中小の
河川によって若干それを減らしておりますが、そういうような一つの考え方をもって、それともう一つの
水資源の将来の
伸びがどうなるかというようなことをある程度考えて、それを織り込んで、実は五十二兆という全体の
計画を立てたわけであります。これはいろいろ議論があろうかと思いますが、そういう
作業をいたしまて、その第一期といいますか、
昭和六十年度までを目標にいたしまして、
昭和四十三年から十八年間でございます、その間にこの国土建設の
長期構想と大体見合ったような、バランスのとれた額が二十三兆ぐらいになるわけでございますので、一応そういう観点から、その中で総ワク的に実は二十三兆という額を、全体の五十二兆の中で出したわけでございます。したがいまして、個々の水系ごとに
相当大まかな
作業をやっておりますので、はっきりした実は
作業というのは、その二十三兆の中の第一期の五ヵ年
計画というものにつきましては、かなり詳細な積み上げをやっておりまして、それが二兆四千というのが二兆五百ということになったわけでございますけれども、それを現在その手直し
作業をやっておりまして、先ほど申し上げましたようにあと二、三ヵ月かかるわけでございますけれども、そういうことで二十一兆なり二十三兆の水系ごとの詳細な
中身というものは、まだはっきり確定いたしたわけではございませんが、一応の計算の
根拠としては、概算的には、はじいておるわけでございます。それから
水資源につきましても、
昭和六十年ごろまでには一体どのくらいの水需要の
伸びがあるか、というものを一応各地域ごとに試算いたしておりまして、その第一期
計画として、先ほど申し上げましたように、少なくとも五ヵ年
計画ではこの程度の水の
開発をやっていこうじゃないかということで、それにつきましてはかなり詳細な積み上げ、各施設
計画というものができておるわけでございます。また目下それを再
検討いたしております。
そういうことでございまして、それからその次の問題は、
災害の一応の想定でございますが、これはいろいろ実は試算をやっておりまして、従来の過去の実績を詳細ここ数カ年にわたりまして
災害の額とそれから
災害の
実態、そういうものとの関連性を実は計算いたしておりまして、流域内の試算額と、それからあるいは国民総生産との関連、
災害の額との関連、そういうものを統計的に確率計算いたしまして、これも電子計算機等に実はかけて計算いたしておるわけでございます。それによって、これだけの投資をすれば、これはマクロ的な計算でございますけれども、全国でこれだけの投資をすれば、これだけの
災害が減ってくるであろう。しかも一方において、
災害の額の何といいますか
伸びがございます、同じ
災害、出水があっても、
災害の額というものは年々ふえるわけでございますので、その辺の相殺
関係というものを計算いたしまして、はじいておるわけでございます。現在の統計的な計算によりますというと、
災害の額は、一般
災害と公共土木、そういうものを含めまして約三千億でございまして、これは国民所得の約二%に当たるわけでございます。それからなお、統計的には人員の、死傷者、行くえ不明等を含めまして言うと、大体八千人というような現在の年平均が出ておるわけでございます。その辺から、現在の実績と将来の投資した場合との相関性のカーブをつくっておりまして、そういうことから
治水の経済効果というものをはじいておるわけでございます。
あともう一つ
質問ございましたが、ちょっと失念いたしまして……。