○大森創造君 私はね、やっぱりサービス過剰になっているんですよ、
法務省が。辻経
理部長が。そのそもそもの出発というのはどういうことかというと、西武が青梅の
土地を買って、そうして同じ西武が新都市開発センターというものをまあ西武が中心になってつくって、そうして
刑務所をつくるという話はできておるのだというので今度は
法務省のほうに持っていったと。
法務省のほうは実情を知らなくて、それをうのみにして、そうしてこの
刑務所建設計画を出発させたというところに、そもそもの禍根があると思うのですよ。冒頭に申し上げたように、私は
法務省があの
方式によって青梅に
——だれが見たって巣鴨プリズンは不適当ということですから、青梅にまっ正面から話を持っていったら、これほどごちゃごちゃになるはずないと思うのですよ。事実がこうなってしまったのは、やはり
法務省軽率のそしりを免かれないと思うのです。これは先ほど申し上げました大蔵省とあなたのほうと、それから新都市開発センターというものとの間の契約書というものは、私は売買予約契約書というものであろうと思うのです。西武と新都市開発センターのあの契約書というものは。さかさまなんですよ、やり方が。地元のほうへ了解をつけて、そうして西武が今度は新都市開発センターというのに
土地をきっかり売って、代金を払って、登記完了済ませて、登記移転までして、それから今度はお話を
法務省のほうに持ってくればいいけれども、私は聞いていると、
昭和三十五年のころに、あの巣鴨のところに三十六階以上の建物をつくって、こう五百何十億の建設資金でもって、そうしてこれができ上がって、この上のほうとつなぐんだという話は、地元の市会
議員ですか、何ですか、の人に聞いているんですよ。この話は三十四、五年のころから西武で言うておったんですよ。だから、おかしい、おかしいということで、地元の人は言うわけですよ。観光地ということであったものを、世の中の きとともに、時の流れとともに、
刑務所ということをやるというと東京都のためになる、日本のためになるという純粋の目的意識で出発したんではないのだという
不信感があると思うんですよ。辻さんはおわかりだろうと思うんです。それはそれとして、
法務省が、国のほうでは
刑務所が
要なんだというお話をいましたって、なかなかいまの
不信感は解けないわけです。そこで私は冷静に地元の人の声も聞きましたけれども、条件派なんて一人もないんですよ、
刑務所はつくりたくない。
法務省としてはどっかに
刑務所はつくらなければならぬという、その必然性はわかりますけれども、私は、
刑務所をつくるというのはいやだという気持ちですね、町長以下、
議長以下。
それからもう一つは、西武にだまされたということですね。これでやっては、いまのところ賛成が一人もいないようだから、
刑務所はできまいと言うんですよ。ですから、私は方向転換しなさいということです。私は
法務省は悪意はちっともないと思うんです。善意でやったんだけれども、こう少し軽く乗り過ぎた。だから、いまからでもおそくございませんから、御破算にして、そして青梅以外のところをさがしなさい、新営
方式によるところの
刑務所設置
方式を採用しなさい、いまからでも。そうでないというと、がんじがらめになって、前へ進むことも、後へ退くこともできなくなりますよ、ということを警告して
——あと一月たってやってもいいんですけれども、きょうやっておいてもいいと思うんですよ。
法務大臣も、大森さんの言うとおりでございましたなんということにならないようにしてください。
法務大臣並びに辻経
理部長、私はいままでの経過を知っておりますけれども、言い出した手前。そしてこんなぎょうぎょうしい契約書を取りかわしてしまった以上、いささかも方向転換できないんだと
——私は善意をもってこういうことをこの
決算委員会で言うておる。乗りかかった船なんだから途中で戻れないのだということで固執してこうやりますと、引っ込みつかなくなりますよ、こう言うんです。あれはさっぱり大臣御存じないんですから、あなたが一番知っているんですね、いままでの経過を。
法務大臣は知ってないんですから。いまさっと引いて、こういう
方式でいいんだ、新規巻き直しでいくんだということをりっぱに言ったほうが、私は
法務省らしくていいと思うのだ、男らしくて。大臣の意見じゃないんですよ。この問題はこれは辻
部長の判断ですよ。辻経
理部長の判断が大臣を動かすわけですから、実務の上では。だから、私はあなたの腹が大事だと思うのです。乗りかかった船なんだからおりられないということなら、私は
責任問題を問わざるを得ない。それはほんとうにあなたの善意はわかりますよ、
法務省の立場は。なぜこのことを二回も三回も繰り返して言ったかといえば、これはえらいことになるんですね。国庫債務負担行為というやつがつぶれる。そして一日も早く
刑務所をどっかに移転をするという、この計画が御破算になるということです。そのためにはひとつ戻ってください、いかがでしょう。