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1968-04-03 第58回国会 参議院 決算委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年四月三日(水曜日)    午前十時十八分開会     —————————————    委員の移動  三月二十二日     辞任         補欠選任      黒柳  明君     宮崎 正義君  三月二十三日     辞任         補欠選任      二宮 文造君     矢追 秀彦君  三月二十五日     辞任         補欠選任      中村喜四郎君     森田 タマ君      矢追 秀彦君     鈴木 一弘君  三月二十六日     辞任         補欠選任      高橋雄之助君     園田 清充君      宮崎 正義君     黒柳  明君  三月二十七日     辞任         補欠選任      園田 清充君     高橋雄之助君  三月二十九日     辞任         補欠選任      瓜生  清君     片山 武夫君  三月三十日     辞任         補欠選任      佐藤  隆君     白井  勇君      黒柳  明君     矢追 秀彦君      片山 武夫君     瓜生  清君  四月一日     辞任         補欠選任      矢追 秀彦君     黒柳  明君  四月二日     辞任         補欠選任      田村 賢作君     斎藤  昇君      黒柳  明君     宮崎 正義君      須藤 五郎君     岩間 正男君 四月三日    辞任          補欠選任      斎藤  昇君     田村 賢作君      白井  勇君     佐藤  隆君      宮崎 正義君     黒柳  明君     ————————————— 出席者は左のとおり。     委員長         亀田 得治君     理 事                 田村 賢作君                 温水 三郎君                 岡  三郎君                 竹田 現照君                 黒柳  明君     委 員                 楠  正俊君                 黒木 利克君                 佐藤  隆君                 菅野 儀作君                 高橋雄之助君                 大橋 和孝君                 大森 創造君                 沢田 政治君                 柴谷  要君                 瓜生  清君                 岩間 正男君    国務大臣        国務大臣     増田甲子七君    政府委員        防衛政務次官   三原 朝雄君        防衛庁長官官房        長        島田  豊君        防衛庁教育局長  中井 亮一君        防衛庁人事局長  麻生  茂君        防衛庁衛生局長  浜田  彪君        防衛庁経理局長  佐々木達夫君        防衛庁装備局長  蒲谷 友芳君        防衛庁参事官   鈴木  昇君        防衛施設庁総務        部長       財満  功君        防衛施設庁総務        部会計課長    春日敬太郎君        防衛施設庁施設        部長       鐘江 士郎君        大蔵省主計局次        長        海堀 洋平君    事務局側        常任委員会専門        員        佐藤 忠雄君    説明員        防衛庁防衛局第        一課長      今泉 正隆君        防衛庁経理局会        計課長      金光 邦夫君        防衛庁装備局航        空機課長     朝倉 道夫君        会計検査院事務        総局第二局長   石川 達郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選の件 ○昭和四十一年度一般会計歳入歳出決算昭和四  十一年度特別会計歳入歳出決算昭和四十一年  度国税収納金整理資金受払計算書昭和四十一  年度政府関係機関決算書内閣提出) ○昭和四十一年度国有財産増減及び現在額総計算  書(内閣提出) ○昭和四十一年度国有財産無償貸付状況計算書  (内閣提出)     —————————————
  2. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員異動について報告いたします。  三月二十三日、二宮文造君が委員辞任され、その補欠として矢追秀彦君が選任されました。三月二十五日、矢追秀彦君及び中村喜四郎君が委員辞任され、その補欠として鈴木一弘君及び森田タマ君が選任されました。三月三十日、佐藤隆君が委員辞任され、その補欠として、白井勇君が選任されました。四月二日、田村賢作君、黒柳明君及び須藤五郎君が委員辞任され、その補欠として斎藤昇君、宮崎正義君及び岩間正男君が選任されました。本日、白井勇君、斎藤昇君及び宮崎正義君が委員辞任され、その補欠として佐藤隆君、田村賢作君及び黒柳明君が選任されました。     —————————————
  3. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ただいまの委員異動に伴いまして、現在、理事が二名欠員となっておりますので、この際、その補欠互選を行ないたいと存じます。  互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事田村賢作君及び黒柳明君を指名いたします。     —————————————
  5. 亀田得治

    委員長亀田得治君) これより昭和四十一年度決算外二件を議題といたします。  本日は、防衛庁及び防衛施設庁決算について審査を行ないます。  これより質疑に入ります。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  6. 岡三郎

    岡三郎君 きょうは、電波障害制限地区指定と、米軍家族による交通事故について、米軍王子病院移転について、三点を要約して質疑したいと思います。防衛庁長官がおりませんので、政務次官には当然防衛庁長官にかわって確信のあるお答えをお願いすると同時に、施設庁長官もおられると思うので、従来の答弁等についても十分私のほうとしても検討しておりまするので、その上に立ってお答え願いたいと思うのです。  先に、この三つの事項について共通する問題は、日本国政府は、しばしば口を開けば日本国独立しておる、こういうふうにいっております。そうして愛国心の問題なり国防教育問題等についても、国を守るということを国民に徹底したい、こういわれております。しかし、国を守るということは、やはり国を愛するというところから出発しなければこれは机上の空論であろうというふうに考えます。電波障害地区指定については、私の地元の神奈川県のキャンプ淵野辺のある相模原においては、保守党の市長を先頭にして全市民がこの電波障害制限に対して猛反対しております。これは施設庁防衛庁においてもよくお知りのことと思うのです。米軍家族による交通事故、これは自衛隊の訓練中に米軍の下士官の細君が自衛隊員を二人ひき殺し、あと十二名に負傷を与えた。これについて、現行の協定条約等によってこれを強制的に取り調べることができない。しかも反面において、負傷者に対しての補償という問題が非常にむずかしい問題に逢着しておるというふうにも聞いております。また、米軍王子病院移転については、地元区民は、これはもう区民というよりは、美濃部知事をはじめとして全区民が猛反対をしておる。そういう中において強制的にこれを開設し、患者を移送するということが事実問題としてすでに起こっておる。そういうふうなことから全学連をはじめとして、事のいかんを問わず、市民全体がそれに迷惑をしつつも、しかもなお、この王子病院移転については猛反対をしておる。こういうふうなことを考えるというと、自民党のいっておるところの、国を守るとか愛国心とか、そういうふうな全体的な問題について、どういうふうに基本的に措置されることが、本来の国を守るといいますか、そういう問題に合致するのかどうか、こういう点について、国の独立ということと、それからこういうふうな直接国民に迷惑を及ぼす問題について、どうこれを処置していくのか、こういう点について、まず基本的な問題についての姿勢をお尋ねいたします。これは防衛庁政務次官に。
  7. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) ただいまの岡委員の御意見でございますが、お説のとおり、愛国心の涵養なり国を守る姿勢を確立するということは、もちろん国民の心からなるそうした自発的な態勢を整備することがまず第一条件だと思うのでございます。そういう立場を踏まえまして、日米安保条約の線を基調といたしまして、国民防衛に対します合意を結集するために努力をいたさねばならぬ、そういう考え方でおる次第でございます。それにつきましては、具体的にいま電波障害の問題、あるいは交通事故の問題、あるいは王子病院の問題が取り上げられたわけでございます。こういう点につきましても、できるだけそうした地域住民意思を尊重しながら、先ほど申しました日米安保体制基調といたします問題等を勘案しながら処理いたさねばならぬというのが基本的な考え方でございます。
  8. 岡三郎

    岡三郎君 いまの答弁は、具体的な実情とはほど遠く、ことばの問題ではないと私は思うのでございます。たとえば電波障害の問題について、これを上瀬谷にすでに実施されておりますこの問題について、住民から非常な不満というものが出ておりまするが、最近における日米合同委員会の席上において、十二カ所の制限を設ける、こういうふうな話が米軍から提起されて、これが新聞紙上その他発表されてから、地域住民は非常な不安を感じておる。それは都市における開発がこれによってもう全然成り立たなくなる、市民生活がこれによって根本的に成り立たなくなるということを感じておるわけです。そこで、十二カ所の問題について、いま検討中であるというふうに言われておりまするが、法的に、米軍のほうから施設の提供というか、電波制限区域というものを設けてもらいたいということに対する要求に対して、これは困るというふうに阻止すべきだろうと、私は住民感情から考えるわけですが、これは施設庁長官、具体的に法律的にいうとどういうことになるわけですか。
  9. 鐘江士郎

    政府委員鐘江士郎君) 長官は府中のほうに行っておりますので……。  電波制限の問題につきまして、ただいま法的根拠はどういうことであるかという御質問でございますが、これは地位協定三条の後段に、「日本国政府は、合衆国軍隊が必要とする電気通信用電子装置に対する妨害を防止し又は除去するためのすべての合理的な措置関係法令範囲内で執るものとする。」という取りきめがございまして、この取りきめに基づきまして、具体的にアメリカ政府から要求がございます通信施設周辺電波障害緩衝地帯を設けるという要求に対しまして、日本政府措置しなければならないわけでございますが、この措置につきまして、かねてより、いかなる方法でこれを措置するかということで検討してまいりました。上瀬谷のときにも、当時電波法を改正するか、あるいは電波特例法の改正をするかというような問題も種々検討されたわけでございますが、いろいろ技術的な面で困難な点がございまして、閣議にもはかりまして、自由意思に基づく民事契約によりまして、この周辺地域皆さま協力を得て、契約に基づいて制限区域を設置したわけでございまして、現在、昭和四十年以来、十二カ所の通信施設要求が出ておりますが、これにつきましても、上瀬谷通信施設の場合と同様、同じく話し合いによりまして、民事契約によって周辺の皆様の御協力と御理解を得て実施してまいっていきたい、かように存じております。ただ問題は、この施設周辺が相当急激に地域開発の面で住宅ができておる、あるいは工場もどんどんできつつあるというような問題もございますので、今後政府といたしましては、まずもってこの十二カ所の要求施設についての米軍要求必要性妥当性、こういったものをまず検討をいたしまして、どうしてもある施設については米軍要求がやむを得ないという結論を得ましたならば、現在出ておりますところの米軍要求内容緩和につきまして、米軍と詰めまして、そして日米双方で詰めた上で、その案を持って地方自治体なり地元皆さまと御協力して、この設置について目的を完遂したい、かように存じておる次第でございます。
  10. 岡三郎

    岡三郎君 これは先般の衆議院において、十二月の十四日に、わが党の楢崎委員質問に対して、山上防衛施設庁長官が、いま検討している、「現状におきましては、もちろん国民の主権を制限するものでございますから、契約によってやっていくというたてまえでございます。しかしこういう大きな内容をぜひとも強行せにゃならぬということになりますれば、これは法的な措置を別途に講じなければなりません。」、こういうふうに言っています。さらにこれは「この辺のところはさらによく検討して、米側とも話し合ってまいりたいという問題でございますので、どうしても法的に必要であれば、これは私のほうだけではございません。各方面と法律関係を相談しましてやらなければいけないと思います。」云々と書いてある。そうするというと、いま検討して米軍側話し合いを進めて、煮詰まったところで、どうしても必要であるということについては、緩和をしてもらうということを言っておりますが、しかし、具体的に緩和するといっても、いままでの上瀬谷の例に伴って言えば、やはり限界があるというふうに考えるわけです。しかし、そういうことになるというと、現状においては話し合いでこれが進行するとは私は考えられません、現実において。まあそれを民事契約によって、話し合いによって進めるということになるというと、これは相当の部分が不可能ではないかというふうにそんたくされます。そこで、どうしても必要があれば、法的な措置を別途に講じなければならないようになることも考えられる、こういうふうに施設庁長官が言っておられるのですがね。この点についてどういうふうにお考えですか。
  11. 鐘江士郎

    政府委員鐘江士郎君) 先ほど米側との折衝の問題も私お答えいたしましたのですが、さらにつけ加えますと、この米軍が使用しておりますところの通信機器自体を改善する方法はないか、もしそういうことが可能であるならば、あるいは規制措置を講ずる必要がないかもしれない、あるいは規制措置を講ずる範囲内容というものがずっと少なくなるかもしれないわけでございまして、そういう点につきましても、今後米側折衝いたしたいと思っております。なお、そういうことであらゆる手だてを尽くしましても、ある施設については、ある範囲規制を行なわなければならないといった場合にどうするのだ、強制的にこの土地を確保するつもりかという御質問でございますが、やはり私どもとしましては、関係皆さまに十分お話し合いをいたしまして、御理解と御協力を得た上で円満に実施していきたい、かように存じております。
  12. 岡三郎

    岡三郎君 私の言っているのは、円満にいけばそれはいいでしょう。円満にいくことは一〇〇%考えられない、現状においては。すでに多くの民家その他施設が建てられておって、その地域に対して、いままでのような上瀬谷のように、第一区域とか第二区域というふうにですね、強制的な制限というものが必要であるということになると、これはもちろん一〇〇%話し合いが私はできないというふうに、市民感情から直接受けているわけです。そういう場合において、米軍要求がさらに強い、どうしてもこれはやってもらわなければ困るといったときに、一体どうするのかということを聞いているわけです。それをあくまでも話し合いによってやるというならばそれでいいわけです。いいですか。そこら辺をあいまいにしておくと、市民として非常に不信感と非常な不安感を持つわけです。だから、独立国日本として、そういうふうな問題については、いまの安保条約なり地位協定によってきめられた法律制限の中においてやっていくのだというふうなことになっているならば、話し合いがつかなければ、これは当然延びるし、こういうものは徹底的に強権を発動してやらないのだ、こういうふうになればいいわけで、そこのところ、あくまでも話し合いによって進めるということができない場合に、どうするのかということを聞いているわけです。
  13. 鐘江士郎

    政府委員鐘江士郎君) 先般私ども山上長官が、法的措置を講ずるかもしれないということを申し上げましたのは、先ほど私が申し上げましたような米軍との折衝、それがなかなか壁が厚い、一方周辺皆さまが相当地域開発の面で建築物等も建てたいというような御意向が非常に強いといった場合に、そういう法的措置を講ずるかもしれないということでございますが、私どもは、繰り返して申し上げますとおり、米軍折衝する際には、そういう周辺地域開発状況等、そういったこともあわせて米軍との折衝の背景にいたしまして交渉を続けるわけでございまして、電波障害制限区域内容と申しますのは、上瀬谷の例でもおわかりのとおり、電波の方向とか、あるい地域の高低その他いろいろな条件によって、この規制内容というものは、当時米側折衝いたしまして相当緩和されたということがあるわけでございまして、そういう面で、私はアメリカ側とも相当煮詰めた話し合いができるのではないかというふうに考えておりますので、現在法的措置をとってまでこの米軍要求をそのままうのみにして、そして実施したいということは考えておりません。
  14. 岡三郎

    岡三郎君 私の言っているのは、うのみにするとか、そういうことを言っているのじゃないのですよ。緩和されているといっても、上瀬谷住宅地に対して増築を許可してもらいたい、こういう問題が県会の問題になって、これは一応実施されました。しかし、制限に対するきびしさというものは依然としてこれは続いているわけです、現実の問題として。いまここに保土谷ゴルフ場移転して、これがゴルフ場になった。したがって、農民はどうしてもこれを普通の開発ができないからゴルフ場等に売らざるを得ない、こういうような結果に上瀬谷地区がなってきていることは御存じのとおりなんです、そういうふうに考えると、現状においてどういう条件を出されるか。米軍のほうに緩和してもらう、話し合いを進めると言っても、基本的に言って生活が脅かされる問題についての解消はないというふうにみんなとっているわけです、現実の問題として。これは非常なる——一々前に質問されているから言いませんが、大体緩和されるというふうな問題についても、私は電波という性質上、そう簡単に緩和される条件というものが出てくるとは私は考えられない。これは部分的にはあるとしても、基本的な問題はなかなかそうはならぬというふうに考えるわけです。現実市民がどんどんと住宅とかその他を建てているというような問題について、このまま時間を放置すればするほど、やはり困難性というものは倍加されていくというふうに考えます、現実の問題として。そういう中において、米軍側制限緩和を求める、住民にはそれについて理解を求めると言っても、根本においてこの問題の解決にならぬと思うのです。その場合においては、私が言っているのは、従来の上瀬谷の例に伴っていろいろと反対があろうとも、それに対して、一々話し合いによってこの問題を進めていくんだというふうな答弁がまたあとにあるわけですが、しかし、現実の問題として、話し合いで済まない場合についてどうするのかということが当然出てくると思うのです。これについていま言っておられないが、大体のこの十二のいわゆる地域について、防衛施設庁のほうとしては、米軍側と話を進めると言っても、いつごろめどをつけるということになるのですか、これは、米軍側要求は。
  15. 鐘江士郎

    政府委員鐘江士郎君) 米側と具体的に個々施設を詰め合わなければならないわけでありますが、そのためには、まず個々施設日米双方現地に参りまして、そして具体的には電波雑音の測定機を持っていって、そして基地の中とか、あるいは周辺、そういうところで一応測定する、あるいは基地周辺住宅事情あるいは開発計画、そういったものも詳細に調査するということで、まずもって個々通信施設におけるところの具体的な内容調査したい、かように思っております。したがいまして、この構想に基づきまして四十三年度予算で現在所要の調査費を御審議していただいておるわけでございますが、この予算が成立いたしました暁におきましては、技術的に専門的な郵政省の電波監理局の担当の皆さん方を交えまして、日米双方調査を実施いたし、その後に具体的に詰め合いたい、かように存じております。
  16. 岡三郎

    岡三郎君 私の聞いているのは、いつごろをめどにしてこの問題について解決するか、解決ができないかどうか、目標はどのくらいになっているんですかと聞いているんです。無計画で進めるわけじゃないでしょう。端的に質問に答えてもらいたいと思うんだな、わからないならわからぬと。
  17. 鐘江士郎

    政府委員鐘江士郎君) 現地調査が相当時間がかかりますので、結論が出るのは相当の期間を要するものと考えております。
  18. 岡三郎

    岡三郎君 そんな子供みたいな答弁じゃ何にもならぬよ。四十三年度において五百万の調査費を計上している。いいですか。五百万の調査費が計上されて、これが予算が通れば四十三年度中に五百万という、これはたいへんな金かどうか。私のほうではずいぶん零細な金だと思うのですがね。五百万で調査をすると、それで四十三年度中に調査をして煮詰めるのかどうか。いいですか。一体四十三年度中においてどういう調査をするのか。その計画がまだできていないのですか。計画ができてなければ調査費を計上するということは、これはばかな話になると思うので、五百万でどういう調査をして、いつこれをめどをつけるのか、それを聞いているのですよ。
  19. 鐘江士郎

    政府委員鐘江士郎君) 調査をする対象といたしましては、十二施設のうち七カ所をとりあえず調査するというめどを立てております。
  20. 岡三郎

    岡三郎君 その七カ所はどことどこですか。
  21. 鐘江士郎

    政府委員鐘江士郎君) 北海道のキャンプ千歳、それから関東地方では柏の通信施設、それから大和田通信施設、厚木の海軍飛行場通信施設、それからキャンプ淵野辺、それから中国地方岩国飛行場にあります通信施設、それから九州の雁の巣空軍施設、以上七カ所を予定いたしております。
  22. 岡三郎

    岡三郎君 本日、わが党のほうでキャンプ淵野辺調査に行っておりますが、具体的に言って、予算が通過した場合において、四十三年度中に以上の七カ所の実態調査を終わるということですか。調査を終わって、それに基づいて話し合いを詰めていく。大体いつをめどにしてこの問題についての集約を求める予定ですか。
  23. 鐘江士郎

    政府委員鐘江士郎君) ただいま申し上げました七カ所につきましては、当然四十三年度中に調査を終わる予定でございますが、その調査が終わり次第、具体的に個々施設についての折衝を始めるという計画でございます。
  24. 岡三郎

    岡三郎君 私の聞いているのは、米軍のほうの要求として、大体時間的にいって要求があると思うのですが、時間的にいつまでこれをひとつ確保したいというふうな、そういう話はないのですか。
  25. 鐘江士郎

    政府委員鐘江士郎君) 十二の施設につきましては、すでに昭和三十三、四年ごろから、周辺地域が都市化されてきたということで、そういうことで次第に電波障害が、そういう現象があらわれてきたということでございまして、正式に合同委員会に要求が持ち込まれましたのは、昭和四十年の七月以降の問題でございます。したがいまして、アメリカ政府といたしましても、なるべく早くこの問題を解決してもらいたいという要望がございますが、いつ幾日までにこれを解決してくれという期限についての要求はございません。
  26. 岡三郎

    岡三郎君 そうするというと、まあ向こう十年ぐらいかかると思って差しつかえございませんか。どうなんです。防衛施設庁のほうとしてはどう考えているか。もっと腹蔵なく言ってもらいたい。非常に関心を持っている問題ですからね。
  27. 鐘江士郎

    政府委員鐘江士郎君) まあ十年ぐらいというおことばでございますが、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたとおり、なるべく早くこの問題を解決してくれというアメリカ側要求もございますので、できれば本年度中に調査を完了いたしまして、そして完了したものについては、明年度具体的に米側折衝を詰める、そしてさらにその折衝の過程におきましては、先ほど私が申し上げましたとおり、米軍自身の通信機器の改善というものはないものかという点につきましても触れてみたいと思いますので、そういうことになりますと、アメリカ政府みずからの施設について改善するということになりますと、ある程度また時間がかかるのじゃないか。それから、そういう措置は講じられないで、一方的に日本政府側で処置をしてもらいたいということになりますと、今年度中に調査を完了しました地区につきましては、明年度から米側折衝をいたしました内容につきまして、地方自治体の皆さま、あるいは地元皆さま折衝を始める、かように計画いたしております。
  28. 岡三郎

    岡三郎君 またもとに戻りますが、そういうようにしていろいろとやっていかれて、最終的に、地元のほうとしてはこれは了承しないというときには、強権発動するのですか、特別の法律的な措置をするのですか、あくまでも話し合いによっていくのか、ここのところはっきりしてもらいたいと思う、やり方は一応わかりましたから。あなた答えられないならば、答えられない、だれに責任があるのかということをはっきり言ってもらいたい。
  29. 鐘江士郎

    政府委員鐘江士郎君) 現在法的措置をとるということを検討するという段階にまだまいっておりません。私がいま考えておりますのは、あくまでも御理解と御協力を得て、契約に基づいて処理したい、かように存じております。
  30. 岡三郎

    岡三郎君 御理解、御協力がだめな場合のことを聞いているんだよ。それはまたもとに、条約なり地位協定という問題に返ってくるのだろうと思うが、その点について、あくまでも米軍の壁が厚くて、アメリカのほうはとにかく制限区域を設るのだ、やってもらいたい、それについて緩和条件とか、いろいろな条件を出してきても、住民のほうは納得しないと思う。現実においてこういうような状態になったときに、あくまでも国内法に基づいて話し合いによって最終段階までやるのか。そうでないというと、これはごまかしになるわけです。だから、その点についてどう考えるかということを聞いているわけです。不可能な場合です。不可能のことが、仮定の問題でなくて現実に時間的に私はそういうようになるというように考えておりますが、その点についてお伺いしているわけです。
  31. 鐘江士郎

    政府委員鐘江士郎君) どうしても話し合いでまとまらない場合には、強制措置を講ずるのかということかと存じますが、現在の現行法令上では、これはできないというように考えております。
  32. 岡三郎

    岡三郎君 何言っているのだ。現行法令ではできないから、それに伴って米軍要求を入れるために、政府としてこれをやはり特別措置によって法律的にやらなければいけないようになるのかどうかということを聞いているわけです。
  33. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 新しい立法をするのかということだと思いますが……。
  34. 岡三郎

    岡三郎君 つまり詰まっていってですよ、どうしても話し合いもできない。自治体のほうで県知事なら県知事に要請し、横浜市長なら横浜市長に、あるいは全国のそういう自治体の長に対していろいろお願いすると言っても、それはだめだ、いまの国民生活からいったらこれはいれられるものではないですよ。そういうようなことを考えていった場合に、米軍協力する、協力すると言っておって、地域住民について、それを協力を求めると言っても私は限界がある。私はそういうことを言っている。限界がある。その場合において、防衛庁としては、施設庁としてはどうするのか。あくまでも話し合いによって最終までいくのか、限界がきた場合においてどういうふうにやるのかということを聞いておるわけです。これは仮定の問題ではなくして、時間的な問題として私は聞いておく必要があるのです。だからあくまでも話し合いによってやるのだというならばけっこうです。話し合いがとんざした場合においてどうするのか。これは山上長官が言っておるのですが、どうしてもむずかしいということになるならば、「内容をぜひとも強行せにゃならぬということになりますれば、これは法的な措置を別途に講じなければなりません。」と言っておるわけです。ぜひとも内容を強行しなければならぬというのは、法律的にいって、どういう面からきておるわけですか。それはないのですか。強行しなくてもいいのですか、強行しなければならぬということになるのですか。その点を話さないで強行するということになれば、法律的の措置を講じなければならぬと言っておるわけです。その点はあくまで話し合いによって最後までやるのですか。
  35. 鐘江士郎

    政府委員鐘江士郎君) あくまでも話し合いによってこれを解決したいと、かように存じております。
  36. 岡三郎

    岡三郎君 そうすると、強行することはしないし、法的な別途の措置は講じないというわけですね、裏を返せば。
  37. 鐘江士郎

    政府委員鐘江士郎君) 法的措置を講ずるということになりますと、先ほど申し上げましたように、電波法の改正あるいは電波特例法の改正というようなことが考えられますので、関係各省ともまた協議してそういったことをきめなければならないと思いますので、現在の施設庁の立場といたしましては、あくまでも話し合いによってこの問題を解決したい、かように考えております。
  38. 岡三郎

    岡三郎君 あくまでも話し合いによって解決したいといっても、解決をする見込みが、私は、市街地が拡大していっておる現在において、それは不可能であろうと思う。そういうふうなことを言っておるわけですが、最後までそれでは話し合いによってやる、電波法の改正とか、そういうものによっての強行手段はとらぬ、こういうことですか。場合によっては電波法の改正その他、郵政省と連絡をして、各方面と相談をしてそういうことをするということになるということも想定しておるのですか。
  39. 鐘江士郎

    政府委員鐘江士郎君) これは冒頭に申し上げましたように、上瀬谷の場合にも、一応そういう関係法令の改正ということも当時検討されたわけでございますが、いろいろ問題があるということで、契約方式によってやるということがきまったわけでございまして、この十二の施設につきましても、私どもといたしましては、あくまでも話し合いによって解決いたしたいわけでございますが、米側の意向が相当強いという場合には、再び、上瀬谷通信施設の場合におけるがごとく、やはり関係各省とも協議するということになるかもしれません。
  40. 岡三郎

    岡三郎君 関係当局と話し合いするようになるかもしれぬが、私は、なる状況になるかもわからぬということを想定して言っておるわけですが、しかし、これは上瀬谷通信施設がつくられたときと、全然いまとは事態が違っておりますよ。もう一変しておる。もうそれどころの騒ぎじゃない。これは成田の東京新空港をつくるよりももっと問題が大きくなっておる。これはもう完全に半分以上が市街地に、全国的にもなっておるわけです。それをどういうふうに措置をするかということについては、これは不可能だろうと私は考える。そういうふうに施設庁のほうとしても考えておると思う。じゃ、これに伴って電波法なりその他を改正するといっても、具体的な問題として非常に困難性があるだろう、こういうふうなことを考えていった場合において、最終的に話し合いによってやるのだ、それは当然ですね。話し合いによってやることは当然だけれども、しかし、最終的において、米軍要求が非常にきつい場合において、国民側にへっ込ませるようなことをやるのかどうか、これはやらぬと言うべきですよ。これはどうですか。
  41. 鐘江士郎

    政府委員鐘江士郎君) 従来、通信施設に限りませず、いろいろ米側からも施設の拡張あるいは新規の提供につきまして要求があったことは、先生も御存じだと思いますが、そういう際に、やはり話し合いによりまして、周辺の事情、そういった点を勘案いたしまして、米軍折衝して、事案によってはその要求内容緩和あるいは縮小した例もあるわけでございます。したがいまして、この電波障害通信施設関係につきましても、そういうことで米側折衝する余地は十分にあると、かように存じておりますので、具体的な地域につきましても、個々折衝して詰める余地は十分に私はあると、かように存じておる次第でございます。
  42. 岡三郎

    岡三郎君 どうも部長ではだめだな。やっぱり施設庁長官が来なければ話が党々めぐりして話にならぬと思うんです。これじゃしょうがないですよ。話し合いによってできるというものについてなら、われわれが聞く必要はないですよ。話し合いができないですよ、実際問題として。従来の例によっては——それは従来の例というのはもう昔の話で、いまの現状とは全然似ても似つかぬ状況になっておる。そういうことを前提にして聞いているわけなんです。これは架空の論議じゃないですよ、現実の論議です。そういった場合に、米軍のほうが緩和するといったって、それはある程度の緩和はあるでしょうけれども、基本的な緩和はないですよ、従来の関連からいって。それだからこういう要求が出てきておるわけで、それに伴って話し合いを進める余地も少々あるけれども、基本的な問題はそれによって解決されるとは思わない。そういった場合に、法的な措置をとる場合においては、電波法なり、その他の問題について検討しなければならぬと言っておりますがね。もう少し直接的に、この問題を解決するためにどういうふうに考えておるのか、言ったらどうです。あなたが言えなければ、長官が来るまでやっぱりこれはできないな。部長じゃだめだ。しょうがない。そんなあいまいな答弁では質問にならないですよ。この問題はそれがポイントなんですよ。緩和するとか、話し合いをするとかいう問題は、それはもう聞き飽きた。具体的にそこのところをどうするか、答えをまとめてはっきりさしてもらいたいと思うんです。
  43. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 答弁できますか。
  44. 鐘江士郎

    政府委員鐘江士郎君) 強制的な法的措置を講じましても、おそらくなかなか実効というものはあがらないというふうにわれわれは考えております。したがいまして、私、繰り返して申し上げておりますように、あくまでもこの問題は話し合いによって解決するより道はないと、かように思っておるわけでございます。
  45. 岡三郎

    岡三郎君 それは自分がそう思っているということで、政府答弁になっておらぬですな。政務次官、いままでの経緯を聞いていて、佐藤内閣としては、国民感情というものを尊重して、これは法的措置を講じてもうまくいくとは思われないといういまの部長のことばですが、あくまでも民事的に話し合いによってこれは進める、民間契約によってですね、そういうふうな態度を固執してやると。しかし、米側にそれではだめなんだぞと言われたときに、いままでの自民党と言うとおこられるけれども、ぼくは、いままでの歴代の内閣のとってきた方向というものは、何かかんか言うと、王子病院と同じように、米側の強い要求に対して国民のほうに無理をさせるという形が出てきているわけです。これは杞憂じゃないですよ。だから明確に、これは話し合いによって個々契約によってこれをとり行なう、特別立法をしてもそれはうまくいくとは思われない。したがって、そういうふうにあくまでもやって、米軍がさらに言ってきても、それならばどっか僻遠の地の高い所へでも移転をしてもらうという方向で処理するのか。その場所において都市化してきてしまった電波基地に対して、どっかへ移転するなら移転する、いろんな措置があると思うんですね。私は米軍要求の壁が強いときに政府はどうするのかということを最終段階として聞いているわけなんです。政務次官答えてください。
  46. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) 岡先生の御意見のように、上瀬谷の時期と現時点ではだいぶ情勢も変わってまいっております。(「だいぶじゃなくて全然違っておる」と呼ぶ者あり)そこで、この問題は非常に問題になっておりまして、防衛庁におきましてもずいぶん検討を加えてまいりました結果でございますが、あくまでも民事契約に基づきまして話し合いで処理していきたいというのが、基本的な現在の方針でございます。しかし、これは長官委員会かでお答えをしたこともあると思いまするが、どうしても米軍の要請が強くて、そして現地において解決がきわめて困難であるというような事態になってまいりますれば、あるいは移設をせなければならぬということにもなりかねないぞと、そういう見通しも考えておかねばならぬというような方針のもとに、先ほど申し上げましたように、あくまでも話し合いで問題を処理せよ、ということを長官施設庁に対しまして申してまいっておりますので、そういういまの方針でございます。
  47. 岡三郎

    岡三郎君 だいぶやはり政務次官のほうがはっきりしているね。そうするというと、あくまでも話し合いによって進めると。そうしてしかも、米軍側要求が強い場合においては、移設ということを考慮してですね、問題を解決していかなければならぬというふうにとったのでございますが、よろしゅうございますね。
  48. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) そういうことも予想されるぞという一つの予想をしたわけでございまして、これも米軍との、相手のあることでございますので、いまそれをここで決定的に申し上げることはどうかと思いますので、御了承願いたいと思うのでございます。
  49. 岡三郎

    岡三郎君 いや、決定的ではなくて、あくまでも話し合いによって進めると、しかし、話し合いがうまくいかない、米軍側のほうとしてはあくまでも電波障害について制限区域を設けると、緩和はしても原則というものは曲げられないといった場合についての最悪状態の場合は、これはやはり移転をせざるを得ないということを防衛庁としては考えておられるわけですね。そこのところをはっきりしてください。強行せぬ、最後まで。
  50. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) そういうことも予想をいたしておるのでございます。
  51. 岡三郎

    岡三郎君 予想しているということよりも、そうすると言ったほうが早いじゃないですか。どうしてもデッドロックに登ってきたときには、特別立法をするということも実際は不可能だから移設をする、どっかへ移すと、その場合においては人家のないところへ持っていくということになると思うんですが、そういう点どうお考えですか。
  52. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) 重ねて申し上げるようでございますが、米軍との関係もございまするし、地域選定等もあるわけでございまして、いまここで方針といたしましてはそういうことも予想されるということで検討を進めておりまするけれども、現在明確にそういう方針でございますというようなことを回答申し上げることはできませんので、お許しを願いたいと思うのでございます。
  53. 岡三郎

    岡三郎君 そうすると、おかしいんですね。たとえ王子病院の問題について、二十六日に政府首脳会議を持って、できるだけすみやかに王子野戦病院移転したいと、こういうことを言われたでしょう。これは王子病院のことだけれども、そういうふうに方針というものは、この場合、市民のほうが反対運動が強くなれば、ある程度方向というものをはっきり打ち出してきて、地域住民反対運動が弱いというと、それはほっかぶりしていくのかということになってしまうのかと私は思うんですよ。だから、そうではなくして、政府の方針としていま確定的に、話し合いがうまくいかなければ移転するんだということになるというとうまくないから、これははっきりさしたくないんだ、ぼかしておくんだ、こういうことですか。
  54. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) うまくないかなということではございません。あくまでも米軍との折衝を要しますので、そういう方針をもちまして米側と強く折衝せなきゃならぬと思います。そういうことでございます。
  55. 岡三郎

    岡三郎君 ではここで、一応あくまでも話し合いによって、当該区域の人々と話し合いを進める、そういうことによってやっていくこの方針はくずさない。その結果として、米軍要求がかりに強い場合においては移転という方向も検討していかなきゃならないのだというふうなことで、この問題については、私のほうとしては、あくまでも市街地化されてきている現状においては、これは強行するということは不即の事態を起こすということを考えておりますからひとつ賢明な措置をとってもらいたいというふうに考えます。  それはそれとして、王子病院移転について、これは二十六日の首脳会談で、米軍王子病院を近い将来よそに移転してもらう方針をきめたが、代替地さがし、その他予算という問題が出てくるというふうに言われておりますが、王子病院の開設というものに伴って地域住民がどういうことを心配しているんですか、もう一ぺん具体的に言ってもらいたいと思う。これは風紀上の問題あるいは防疫上の問題その他騒音の問題とか、いろいろあると思いますが、これは代表する美濃部さんが、都知事が政府に対して、あるいはアメリカ大使館に対し、いろいろと要請しておるようですが、これをどういうふうに考えておりますか。
  56. 鐘江士郎

    政府委員鐘江士郎君) 王子病院開設に伴いまして、周辺皆さまが心配しておられます点は、ただいま岡先生のおっしゃいましたとおり、傷病兵があそこに来て、元気になると外出するのではないか。そうしますと、周辺の風紀が乱れるおそれがあるということが第一点。それから伝染病の関係が非常に心配であるということが第二点であります。それから第三点といたしましては、あそこの基地の中にヘリコプターの発着場がございます。このヘリコプターによって患者を大量に輸送されると、周辺に学校教育施設もございますので、そういう騒音の点で悩まされる、こういう点については非常に地元皆さまも心配しておられるわけでございます。先般来北区の皆さまも来られまして、この点についてぜひ米側折衝してもらいたいという御要望がございまして、先般、施設特別委員会あるいは日米合同委員会の席上におきまして、それらの点につきまして米側の善処を求めたわけでございます。
  57. 岡三郎

    岡三郎君 それに対して、厚生省のほうで伝染病について米軍側と取りきめをしておりますが、もう一ぺんそれをはっきり言ってください。
  58. 鐘江士郎

    政府委員鐘江士郎君) 厚生省からの連絡によりますと、三月の二十一日に、厚生省の公衆衛生長局は、在日米陸軍医療部のオール准将と会談いたしまして、両者の間で了解された事項を申し上げますと、「厚生省防疫担当官又は地元保健所長は、随時王子陸軍病院長を訪ね、防疫対策について協議できること。」、それから「今後も必要の都度、王子陸軍病院問題について、本日のメンバーで会合をもち、防疫上の諸問題について、その解決にあたるものであること。なお必要ある場合には、地元保健所長を加えることに同意する。」というふうな内容のことが合意されたというふうに開いております。
  59. 岡三郎

    岡三郎君 二十八日の日米合同委員会で、住民の不安除去について米側の善処を求める申し入れをしたということになっておりますが、その内容をはっきり言ってください。
  60. 鐘江士郎

    政府委員鐘江士郎君) 米側に申し入れました内容につきましては、先ほど申し上げましたこの伝染病の問題、それから騒音の問題、それから外出を制限してもらいたいということ、それからベッド数をなるべく、現在四百程度に米側予定しておるようでございますが、それ以上にふやさないでほしいということ、それから救急患者が付近に出た場合には、王子病院でその治療をやってもらいたい、こういう五つの事項について米側と話し合ったわけでございますが、アメリカ側としては、そういう問題につきまして、伝染病の予防衛生については、万全の措置を講ずるということ。それからヘリコプターの騒音につきましても、学校、住宅地等の上空を飛ぶことを極力避けまして、地元に与える影響をできるだけ少なくしたい。それから救急患者の治療に対しましては、最大限の協力をいたしましょうという回答があったわけでございます。
  61. 岡三郎

    岡三郎君 騒音の問題についてお尋ねしますが、学校とか住宅の上を通らなくて、この病院にヘリコプターが行く道がございますか。これは私、米軍側が言ったというのですが、王子というのはいなかじゃないです。一体どうするのか、それでは騒音の除去にならぬというのです。これに対して、具体的に日本側としてはどういうふうに言っておるわけですか。やめてもらいたいということは言ってないのですか。
  62. 鐘江士郎

    政府委員鐘江士郎君) この騒音の問題につきましては、施設特別委員会の席上では、できるならば患者の輸送は、救急車と申しますか、病院車と申しますか、自動車による輸送、こういったことを考えてもらったら騒音の問題は解決するのではないかということで、一応米側とも話し合ったわけでございますが、合同委員会の席上における米側の回答は、先ほど申し上げたような回答であったということでございます。  なお、騒音の問題あるいはそのほかの問題につきましても、今後さらに米側折衝を重ねまして万全を期したい、かように存じております。
  63. 岡三郎

    岡三郎君 どうもその点なまぬるいのですが、これは政務次官に聞きますが、結局抜き打ち的に開設をして抜き打ち的に患者の輸送を行なう、こういったことに対して地域住民は非常な不満と怒りと不安を持っているわけです。一体日本政府は何をしているのか。独立国、独立国と言いながら、国を守るとかなんとかいって住民感情というものを無視して強行に次ぐ強行をする、そういうふうな具体的な既成事実をつくられた中においてまだもたもたもたもた、いろいろな話をしている、そんなばかなことがあるかというのがいまの状況です。だからそういう点で、患者の輸送を自動車において行なうということに対して、米軍側のほうはヘリコプターをどうしても使用するのだというふうにとれるわけなんですがね。それはまあ地域住民に対して迷惑をかけないようにするといっても、そういうことはたわ言にしかすぎないわけです。あの地域の状況を見れば、 ヘリコプターが飛んでくれば騒音をまき散らすことはこれは当然でしょう、ヘリコプターは特別な騒音を出しますからね。そういう点であくまでもこれはヘリコプターはだめなんだ、困るのだということを言っても、聞かない場合においてはこれはどうするのですか、やむを得ないのですか。その点ひとつ政務次官に聞きたいと思う。あくまでもこれはやめさせるのだ、それでなかったら独立国じゃないですよ。
  64. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) いまの患者輸送の問題につきましては、現在時点は、ただいま施設部長から御回答申し上げたような状況でございますが、強く、あくまでもひとつ患者輸送は、現在あの地点で病院を開設いたしております今日におきましては、輸送は自動車輸送をやってほしいということを強く要請をする方針でおるわけでございます。決してやめておりません。そういうことで今後も強く要請を進めてまいりたいと考えております。
  65. 岡三郎

    岡三郎君 時間がないので……。  聞くところによれば、一日二機くらいという話があるのですがね、それはどうなんですか。
  66. 鐘江士郎

    政府委員鐘江士郎君) ただいま岡先生のおっしゃいました二機ということは、先般都知事が現地を視察された際に、そういうことを言っておられたようでございますが、私どもさっそく調べましたけれども、そういう事実はございません。
  67. 岡三郎

    岡三郎君 そういう事実がなければ、ますます困ったものでね。これは政務次官、どういうふうにやるのですか、メーファーズですか、向こうがやった場合に。これはますます反対運動が起こり混乱が続くと思うのですよ。騒音の防止について、学校の上とか住宅の上を通らないと言ったって、通らなくて王子病院に行ける方法はないでしょう。そういうことになればこれは全く言いのがれの答弁にしかすぎないと思うのです、回答としかとれない。あくまでも、これは地域住民要求というものが強い。したがって、政府としては、あくまでも自動車でやってもらいたい、やってほしいだけじゃなくて、それに限定してもらいたいということについて明確に言うべきである。そのときに言うことを聞かなければ、政府みずから王子病院を早く移転するということをやらなければいかぬでしょう、国民感情として。ここが、独立国の存在がはっきりするかはっきりしないかということに私はかかってくると思う。安保条約というものがあって、これは日本の国を守りアジアを守ると言っても、国民の気にかかることばかりやっていてうまくいくわけはないのです、これは幾ら自民党のほうとして検討しようとしても。われわれ自体としては、やはり民生の安定というか、国民のそういうふうな迷惑、困難、こういうものを排除していくのが日本政府の立場だと私は思うのです。そういう点から考えて、米軍側のほうに対して、やはり政府としてはっきりと申し入れるべきであるし、その回答によっては、これはもう米軍施設提供はやめるというくらいにやってもらわなければ困ると思うのですが、それはどうです。
  68. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) 先ほども申し上げましたように、あくまでもひとつ患者輸送は自動車でやることを実施いたしますように強く要請を現在も続けておりますし、ぜひ実現をいたしたいという決意のもとに交渉を続けます。
  69. 岡三郎

    岡三郎君 もうちょっと確信のある答弁を聞きたいな。
  70. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) まあ私ども折衝の経過から見て、それが絶対に不可能だとは考えておりませんので、いま地域住民協力のない国家防衛というのはございませんし、ぜひひとつ自動車輸送に切りかえるように実現をはかりたいと思っておりますので、御了承を願いたいと思います。
  71. 岡三郎

    岡三郎君 どうも防衛庁として、一体独立ということをどう考えているのかね。現行の条約はあるですよ、わかっておりますよ。わかっているけれども日本国民自体が猛烈に反対しているけれども強行させるということ自体、これは国民をばかにしていることです。だからそういう点について早く移転をしたいというふうに言明せざるを得なくなったと思うのですが、その間における問題として、ひとつ確信を持ってそういうふうにするという答弁現状においてはされないようですけれどもね。私はやはりこの点は具体的に、政府が先頭に立って、こういう問題については、患者輸送は自動車で十分間に合うのだから、そういうふうに絶対にしてもらいたいというふうなことについて確信を持ってやる、こういうふうに政務次官言ってもらいたい。
  72. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) ぜひひとつ実現をしたいと思います。強く交渉を続けます。
  73. 岡三郎

    岡三郎君 政務次官はそれ以上言えないかもわからぬから、ひとつその点は確信を持って——やはり国民意思というものを十分に反映するということが民主政治の根幹ですからね、それを抜きにした政治はないと思うのです。米国が世界各国において不評判ということは、その国その国の国民感情というものを尊重しないでいくということに一つの基本的な問題が私はあると思う。そういう点について、やはり国民意思というもの、意向というものを反映するのはやはり時の政治ですからね。そういう点について、ひとつ明確に、これは政府みずから先頭に立って実現してもらいたいというふうに考えます。  それから風紀の問題とあわして、これはやはり伝染病との関係にもなりますが、聞くところによりますというと、傷病者を病院外に出さないというふうなことについて、これは具体的に米軍当局のほうが言っておるわけですか、どうですか。
  74. 鐘江士郎

    政府委員鐘江士郎君) 先ほど申しましたとおり、米軍が、米国側が、日米合同委員会におきましては、患者の外出の問題については回答いたしておりません。
  75. 岡三郎

    岡三郎君 これは週刊雑誌等においては、オンリーが周辺にうろうろするようになるだろうということを言っておるわけです。やはり健康体を回復するというとそういう問題が各地域において起こっておることは事実です。こういう問題について、じゃ政府のほうは一体どういうふうに風紀上の問題を解決しようとしておるのか、政務次官にひとつ答弁を願います。
  76. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) 風紀上の問題につきましては、具体的には特に夜間等照明をやるとかいうような点をねらいまして、各道路の暗いところに電灯を設けましていたしておるわけでございますが、とにかく患者が出てまいったりすることをまずとめねばなりません。そういうことで、具体的にいろいろな施策に、地域の方々の御意見を聞きながら善処するためにいま取り組んでおるところでございます。特別注意を払いたいと思っております。
  77. 岡三郎

    岡三郎君 どうも情けない答弁だと思うのですよ。暗いところに電気をつけるのは、日本じゅうどこでもやらなければいけないことですよ。特別風紀上の対策としては、——ちょっとこう漫画的ですね。もう少し抜本的に、やはり姿勢を正して、米軍側に対して、これほど地域においても問題になっており、そこへ風紀の問題があらわれたら、これはもうたいへんな混乱が私は起こると思うのです、これだけ騒いでいるわけですから。ただ騒いでいるだけではないので、ほんとうの意味において日本の国民意思というものが政治に反映して、ここは自分たちの国なんだというふうなことを明確に打ち出すべき絶好の時期ですよ。それを暗いところに電灯をつける——つけないよりもつけたほうがいいでしょうけれども、そんな漫画的な答弁じゃなくて、もうちょっと基本的な姿勢をもって風紀の問題については解決をするというふうに答えてもらいたいと思うのですがね。つまり、その周辺におけるところの婦女子のそういうものについては、一人たりとも近づけない処置をとるとか、あるいは米軍病院より出さないとか、あるいは、もし出す場合については、横田とかそっちのほうに連れていって、そっちのほうには特別なものがあるかもしれないから——もう少し具体的な答弁をしてもらいたいと思います。
  78. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) 風紀上の問題につきましては、非常に不安を持っておりますし、いろいろ今日までそうした問題が過去においてあったこともわれわれ承知をいたしておりますので、絶対にそういうような問題を起こさないような態勢を確立したいということで進んでおるのでございます。いろいろな施策につきましては、施設部長から答弁させますけれども、いま御意見のように、重ねてそういうことがあの地域で起こらないように、患者は絶対に外に出さないように要請もいたしますし、なお、先ほど申しましたような施設等も整備をいたしまして善処いたしたいと考えておるのでございます。
  79. 岡三郎

    岡三郎君 いろいろと施策をめぐらして、風紀の問題についてはひとつ厳格に、これが人心に動揺を与えないようにするということの答弁に聞いたのですが、いろいろな施策ということは、内容的な問題としてお伺いしたいのですが、その点はひとつ、概括的に風紀の問題については地域住民に不安を与えないように適切な処置をとってこれを具現化すると、こういうことですね。それをはっきり言ってください、病院のほうはこうすると。
  80. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) 岡先生の御意見のように、風紀の問題については、具体的に諸般の処置をとりまして、絶対に風紀上の問題が起こらないように善処いたします。
  81. 岡三郎

    岡三郎君 これは防衛庁長官代理として伺っておきたいが、内閣の問題としてひとつこれは明確に答弁をいただいたというふうに考えてよろしゅうございますね。そういうふうにはっきりと受け取ります。  そこで、もとへ戻って、そういうふうないろいろな苦情がここに惹起してきた。これは強行開設なり、患者強行移送という問題になってきているわけですが、そういうふうな問題の中においてもいろいろトラブルが起こるだろう、そういう点で王子病院移転したいというふうに政府当局が方針を述べておりますが、この点は間違いないですか、政務次官
  82. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) 先般木村官房長官政府の方針としてお話しになったこと、そのとおりでございます。しかし問題は、土地の問題あるいは財政上の問題等でただいま検討を進めさせていただいているのが現状でございます。
  83. 岡三郎

    岡三郎君 実現の期日をどこら辺にめどをおいていますか。めどをおかないで検討検討と言ったんでは検討倒れになっちゃうから、その点をひとつ政務次官
  84. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) 現在明確ないつまでというめどはついておりません。しかし、米軍に対しましては、木村長官の御意見のように折衝をいたしておりますし、なお、施設庁におきましても、代替地、それから移設の設備問題、なお財政問題等、ただいま検討いたしておりますので、現時点でいつごろまでという明確な御回答のできないことを御了承願いたいと思うのでございます。
  85. 岡三郎

    岡三郎君 予算移転する場合についての代替地ですね。しかし、移転するという方向が言明されたならば、それに伴って防衛施設庁なり防衛庁自体として、これは真剣に考えてもらわなければいかぬと思うのです。ただアドバルーンを上げて、民心を安めるということでこれを使うということだけでは、これは将来に問題を残すと思う。したがって、官房長官の談話で、移転をするということの方針を政府自民党が首脳会談できめたということに基づいて木村官房長官が発表しておるのですから、やはり当局側としては、これに伴うところの具体的な計画をすみやかに立てて、そうしてやはり民心の安定に資してもらいたいと思うのですがね。施設庁のほうとしては事務的にこれを考えて、どういうふうに進行すると思いますか。たとえば予算の面でいえば、四十三年度の予算においてこれはいま計上されておらないということになるというと、予備費なりあるいはその他の方法で四十三年度においてやるのかどうか。予算的に考えた場合には四十四年度になるのかどうか。その間において代替地を求めるということになるわけですが、代替地として国有財産の土地があるのかどうか。あるいは国有財産と交換して土地を求められるのかどうか。また、ちょっと顔面をうかがったところによると、よそ事のような顔をしているけれども、もう少し具体的に真剣に検討している状況をここに説明してもらいたいと思う、施設庁のほうから。
  86. 鐘江士郎

    政府委員鐘江士郎君) まず移設するということにつきまして、米側の意向をただすと申しますか、折衝をやらなければならないと思います。そういう米側との折衝というものが前提になるわけでございますが、さて、かりに移設がやむを得ないという結論が出た場合におきましても、ただいま先生がおっしゃいましたように、移設先という問題がこれがまたいろいろと問題が惹起されることが予想されるわけでございます。したがいまして、そういう問題を詰めました上で初めて所要の予算というものを計上しなければならないわけでございますが、そういうことでございますので、これからまずもってアメリカの意向をただすという考えでおります。
  87. 岡三郎

    岡三郎君 そうすると、アメリカのほうがだめだといったからだめなんですか。政務次官どうなんです、これは。
  88. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) 先ほども申し上げましたように、政府が方針をきめて、防衛庁におきましてもその方針に沿って解決をせなければならぬ問題でございます。重要な問題でございますので、あくまでもアメリカには政府の方針は了承させたいという決意でおるわけでございます。
  89. 岡三郎

    岡三郎君 これはもう政府の方針として官房長官が言明しておるわけですから、これはアメリカのほうに対しても、地域住民の状態というものはよくわかっていると思うのです。そういう点で、やはり代替地を求めてそれへ移転するということは私は当然だと思うのです。とにかく町のまん中に病院を開いて、そこでにわかに病気がよくなるわけでございませんね。とにかく静かな落ち着いた治療ができるということが一つの、まああらゆる面においての治療の原則だと思うのです。そういう点で、いまの話を聞いているというと、五年か十年ぐらいかかるようなのんびりした話に聞えたのですが、少なくとも、この問題については、可及的すみやかにその実現をしてもらいたいというのが、地域住民の要請だと思うのです。大体の目見当はどのくらいに置くのですか、政務次官。いま防衛施設庁のほうではたよりないな。
  90. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) まあ順調にまいりましても、平常の処置でまいりますれば二年ぐらいかかりはしないかというような、先般の部内におきまする検討をさせました際には、そういう意向も出たわけでございますが、われわれとしては、そうした通常の場合ではないというところで最善の努力をするようにということを事務当局では命じておるのでございます。
  91. 岡三郎

    岡三郎君 最大の問題はやはり代替地の問題だろうというふうに考えます。代替地の問題については、やはり国有財産等とのかね合いもありまするし、民間に土地を求める場合においても、やはりすみやかに——、これでやむを得ないとじんぜん手をこまねいていればますますむずかしくなるということが考えられるわけです。だから、そういう点で政務次官が言われるように、順調に進めばという話がありまするが、とにかく予算的な措置を考えて、その問においていろいろと折衝もあるでしょうが、やはりどんなにおそくても二年後にはこの問題を解決するということにならぬと、やはり佐藤内閣はいつまで続くかわかりませんから、そんなことを言うとまた変な顔をするからあまり言わぬけれども、公約にしてこれを実現をするためには、これをひとつ、施設庁だけではこれはなかなか困難だろうと思うのです。内閣一体になって、ひとつ政務次官のほうから増田防衛庁長官を通して具体的に、予算の面については政府の言明にあるからこれはあまり私は心配しない。ただひとつ代替地等、そういうふうな問題を通してすみやかに実現をしてもらいたい。二年という話がありましたが、二年といってもたいへんな日月になると思うのです。いまのベトナム戦争の推移からいって、これがどういうふうに変転するかわかりませんけれども、やはりこういう問題についてもすみやかに解決するということがいま私は必要だろうというふうに考えます。そういう点ですみやかな措置を要望します。  時間がありませんので一言だけ、横須賀における米軍下士官の夫人が自衛隊の公の訓練中に突入して負傷者を出した。これについて、それに伴う賠償問題について、具体的にどういうふうになっているのか、これは防衛施設庁関係ではないのですか。
  92. 財満功

    政府委員財満功君) 加害者本人が保険会社と契約を結んだものがございまして、その調査を私どもがいたしましたので御報告申し上げます。
  93. 岡三郎

    岡三郎君 簡潔に言ってください。
  94. 財満功

    政府委員財満功君) 責任保険といたしまして、自動車損害賠償保障法に基づくもの、これは最高額遺族に対しまして三百万円でございます。それからもう一つ任意保険を締結しております。一人に対しまして九百万円、死亡の場合、そういうふうなことがございますので、一応これらの金額が、今回の事故に対する補償金の一部に、あるいは補償金に充当されるものというふうに考えております。  自衛隊内部におきまして支払いますものにつきましては、そちらのほうからお答え申し上げると思います。
  95. 岡三郎

    岡三郎君 負傷に対してはどういうふうな措置をとっておられますか。
  96. 財満功

    政府委員財満功君) 負傷に対しましては、最高五十万円までを限度といたしましていたすわけでございます。それから、後遺症がありましたら、障害等級に応じまして、十一万円から三百万円までお払いいたすことになります。
  97. 岡三郎

    岡三郎君 そうすると、自衛隊のほうとしてはどういうふうに考えていますか。
  98. 麻生茂

    政府委員(麻生茂君) 夜間行軍実施中に起きました事故でございますので、いわゆる公務により死亡あるいは傷害を受けた事案になるわけでございます。防衛庁職員給与法におきましては、国家公務員災害補償法を準用しておりますので、同法の規定に従って公務災害補償が行なわれるわけでございます。で、死亡された方二人であるわけでございますが、Aの遺族の方に対しましては、遺族補償年金として十一万七千数百円と共済組合からの遺族年金として年額四万五、六千の年金が出ることになります。合計いたしまして十六万三千七百円ばかりの年金になろうかと思います。それから葬祭補償といたしまして、給与日額の六十日分に相当する六万四千五百円余りが一時金として支給されます。また、Bの海曹につきましては、その遺族の方に対しまして、遺族補償年金として年額十七万約二千円、それから共済組合からの遺族年金として年額四万八千七百円ばかりの金額、合計二十二万数百円のものが年金として支給されます。また、葬祭補償として給与日額の六十日分六万八千数百円が一時金として支給されるわけでございます。なお、事故によりまして公務によって死亡したわけでありまするから、公務による退職手当が出るわけでございまして、Aの海曹に対しては七万二千円ばかり、それからBの海曹につきましては七万五千数百円の退職手当が出ます。それから共済組合の弔慰金として二万三千七百円、Bの海曹に対して二万五千数百円のものが出るように一応試算しております。それから防衛弘済会からの弔慰金として、それぞれに四十五万円ずつ支給されることになっております。また、両海曹は団体生命保険に入っておりましたので、共済組合が締結しています団体生命保険によりまして、Aの場合は二百五十万、それからBの場合には二百万という保険金が支給されることになっておるわけでありまして、最後に申しました退職金以下のものにつきましては、大部分がもうすでに支給されておるという一応状況でございます。
  99. 岡三郎

    岡三郎君 時間がありませんから……。この問題については、在日米軍地位協定の問題とか、その他いわゆる国内における米軍の問題として、やはりこういうふうな事故が起こったということについて、取り扱い上国民的な不満が非常に強い。米軍の家族なるがゆえにということで、取り調べ対象というものについて非常に国内的に見ても不平等的な取り扱いがなされているのじゃないか。  それからもう一つは、公務執行中においてやはり相当な負傷をしている人に対して、五十万円程度というふうな問題でこの問題を処理することができないかどうか、いろいろなそういうふうな点についてお伺いしたいことが多くあるわけですが、時間がありませんので、この点については次回に問題を譲ります。  以上で終わります。
  100. 竹田現照

    ○竹田現照君 時間が詰まりましたから、あとのやつは具体的には資料で出していただくことにして、簡単にお伺いします。  自衛隊に体験入隊というのがありますけれども、あれは自衛隊としてはどういうかっこうで受け入れる筋道になっているのですか、それをまずお伺いします。
  101. 島田豊

    政府委員(島田豊君) 自衛隊におきましては、国民皆さん方自衛隊の実態を御認識いただくということに力を入れておるわけでございますが、防衛庁の設置法にございますが、防衛庁の権限として、所掌業務についての周知宣伝を行なうということがございます。それに基づきまして内部的に訓令を一つ定めておりまして、自衛隊におきまして生活体験を希望される方につきまして、自衛隊が必要と認める場合におきましては、食事の支給あるいは宿泊の提供その他の便宜供与を行なうということを内部的に定めておるわけでございまして、そういう法律なり、あるいは内部的な訓令の線に沿いまして体験入隊を実施しておるということでございます。
  102. 竹田現照

    ○竹田現照君 その入隊を許可する基準というのはどういうことなんですか。
  103. 島田豊

    政府委員(島田豊君) 入隊を希望される方につきまして、防衛庁として広報上非常に必要であると認められるものにつきまして入隊をしていただいておるわけでございますが、これは個人個人でばらばらに入隊をされるということは、非常に自衛隊としても人事管理上、あるいは訓練管理の面から支障がございますので、大体グループごとに入隊をしていただくというのが基準になっておるわけでございます。
  104. 竹田現照

    ○竹田現照君 そのグループごとというのは、いろいろと自衛隊としては、これはちょっと入隊を許可できないとか、できるとかいう大まかなあれがあると思うのです。それから個人というのは、全然個人の入隊というものはないのですか。
  105. 島田豊

    政府委員(島田豊君) 個人の体験入隊はございます。ございますが、やはりその個々に入ってこられますことは、いろいろ隊にも支障がございますので、原則的にはグループということでお願いいたしておるわけでございまして、そのグループには、たとえば夏季の休暇等におきましては学生の皆さん方がグループとして入ってくる場合がございますし、それから会社に就職をせられる時期になりますと、特定の会社から、その社員の入隊、体験入隊をさしてほしいという希望があるわけでございます。しかしながら、何も特定のグループということに限って御便宜を与えておるということでございませんで、あくまでわがほうの自衛隊の実情を認識していただくという観点から行なっておるわけでございまして、そういう意味ではいろいろな各階層の方が一律に入隊しておられるということでございます。
  106. 竹田現照

    ○竹田現照君 自衛隊のPRと特定の会社の何というのですか、特訓というのですか、研修というのですか、そういうものとの関連はどういうふうにお考えなんですか。会社の新入社員の精神教育だとか、あるいは特別訓練とか、各官庁が研修制度をやっているのと同じようなものを自衛隊のいわゆる広報活動費を使ってやるというのは、これは少なくともPRとはちょっと趣を異にするのじゃないか。むしろ便乗社員教育のにおいのほうが強いと思うんですがね。自衛隊は実際に特定会社のいわゆる幹部社員なりに、何らかの研修を通じて自衛隊を認識してもらって、あるいは募集だとか何とか、そういう問題に益するということはどの程度あったんですか。
  107. 島田豊

    政府委員(島田豊君) 現実に体験入隊をされました中からどれだけの者が自衛官として入隊されたかということについては、これは私どもいま調べておりませんが、若い人たちの中には、体験入隊することによって自衛隊の実態を承知をさせ、そこで入ってこられるという方も、もちろんあると存じます。それからもう一つの就職された人たちに対する一つの精神教育、あるいはしつけ教育というふうな形で入隊を希望される場合があると思います。しかしながら私どもとしては、自衛隊の一つの規律ある団体生活、あるいは自衛隊の秩序というものを御認識していただくという観点でございまして、何も自衛隊のほうでそういう、会社の人たちに精神教育をやってやるというふうなことで行なっておるものではないのでございまして、大体研修期間といたしましても二泊三泊程度が非常に多いわけでございます。そういう関係で、あくまで体験をしていただくということが主体、あるいは実態を認識していただくということが主体でございまして、外部の方たちを自衛隊のしつけの中に入れる、あるいは精神的な面での教育をするというふうなことは、この体験入隊の目的ではないのでございます。
  108. 竹田現照

    ○竹田現照君 そうすると、この体験入隊のグループ、個人を問わず、金というものは一銭も防衛庁はもらってないわけですか。この広報活動費から全部出しているんですか。
  109. 金光邦夫

    説明員(金光邦夫君) 食事の対価を徴収しております。
  110. 竹田現照

    ○竹田現照君 幾らですか。
  111. 金光邦夫

    説明員(金光邦夫君) 一日が陸上の場合で現在二百三十八円でございます。
  112. 竹田現照

    ○竹田現照君 これは自衛隊員の一日一人の食事単価と同じなんですか。
  113. 金光邦夫

    説明員(金光邦夫君) 同じでございます。
  114. 竹田現照

    ○竹田現照君 その金はこの決算書の中にはどういうかっこうで受け入れになっていますか。
  115. 金光邦夫

    説明員(金光邦夫君) 受け入れのほうは雑収入の項、雑入でございます。目は防衛庁職員等給食費受け入れということでございます。
  116. 竹田現照

    ○竹田現照君 それは年間ですね、どのくらいになりますか。それと、先ほど官房長お答えですが、自衛隊の広報予算の中では全然考えられていないのか。先ほどの官房長のお答えですと、広報活動の一環として何らかの形でそれは負担をされておるように思われるんですけれども、その点との関連はどうなります。
  117. 島田豊

    政府委員(島田豊君) 広報の予算の中の糧食費予算として計上してございます。そこで支給をいたしまして、各人からはそれに相当する金額を歳入に入れるという形でございます。
  118. 竹田現照

    ○竹田現照君 そうすると、広報予算から体験入隊をする者に個々に支給をして、その中から、先ほど会計課長のお答えになった二百三十八円というものを徴収するということになると、いうところのタコ足ですか。
  119. 島田豊

    政府委員(島田豊君) 数字で申し上げますと、四十一年度が六十一万食約三千八百万円、四十二年度が約七十九万食、約五千七百万円、四十三年度お願いいたしておりますのが、これも食の数としましては同じでございます、約七十九万食でございまして、金額は六千百万円、これを広報予算の中に計上してございまして、その予算によりまして宿泊をされる方に食事を支給する。しかしながら、支給のしっぱなしではもちろんございませんで、それに相当する分を各人から徴収いたしまして、それが歳入に入るということでございます。
  120. 竹田現照

    ○竹田現照君 それでは広報費から出して、先ほどの会計課長のお答えのように戻入をしてもらうといった意味はそういうかっこうになるから、たとえば〇〇会社なら〇〇会社が五十人なり百人を体験入隊させても、その会社の負担は一銭もないと、そういうことに理解してよろしゅうございますか、そういうことになるでしょう。
  121. 島田豊

    政府委員(島田豊君) 会社から食事代をいただくということでございませんで、入隊した方から食事代をいただくと、こういうことでございます。
  122. 竹田現照

    ○竹田現照君 だから四十一年度三千八百万円、四十二年度五千七百万円、来年度六千百万円、これは決してばかにならない金ですよ、研修費としては。それをわれわれ個人にはやるけれども、その中から二百三十八円、これは毎年単価が上がるのでしょうけれども、これを取っていただくといった意味は、何のことはない、あれではないですか、防衛庁予算の中から出して、その食べる分だけ、二百幾らだけ戻入してもらうという形になるので、結果的には、会社が自衛隊にうちの社員を五十人なら五十人、体験入隊させて精神教育なり特訓の一助にしようという考え方で、出すものは全くただで防衛庁にそのことを求めているということになるのではないですか。とすれば、先ほど私が言ったように、この年間五千万円も六千万円も、これは毎年ふえてまいりますから、四十一年度三千八百万円、四十三年度六千百万円と、大体倍近くになっています。四十四、四十五年度となると、ほぼ一億近い金になる、そういうことになると、特定の会社の研修制度の一翼のために防衛庁が広報用として大きな税金を使うということはちょっとおかしいのではないですか。むしろ頼まれたのですから、そこから当然に自衛隊が必要とする食費なり何なり、六千何百万という金は、これに見合うものは受け入れるべきではないですか。受け入れるべきが筋ではないですか。この点はどうなのですか。
  123. 島田豊

    政府委員(島田豊君) 特定の会社の社員教育の一端を防衛庁がになっているというふうな御説明でございますが、まあ研修期間が十日なら十日あるといたします。あるいは一カ月あるかもしれません。その中のわずか数日を各人にまあ自衛隊生活を体験していただいて、これがわれわれから言わせれば、一つの周知宣伝の非常にいいまあ形になるわけでございますので、そういうことでやっておるわけでございまして、まるまる社員教育というものを自衛隊が引き受けておるという形のものではないということを御了承いただきたいと思います。
  124. 竹田現照

    ○竹田現照君 会計課長、先ほどの受け入れ状態というのは、結果的にタコ足ですよ。同じ金を防衛庁予算の移しかえをやっているだけにすぎない、結果的には。官房長、そうおっしゃるけれども、ずっとこの体験入隊なるものの新聞記事などを見ますと、これは会社や団体の求めているというものは、防衛庁のほうは広報活動の一端として受け入れているのかもしれませんけれども、会社や団体が防衛庁に求めているものは、これは逆ですよね。巧みに五千万円、一億近い金というものがそういうかっこうで使われているというのは、これはちょっと当を得ないのではないか。これは皆さんのほうから頼むわけではないのですからね。だから、それは私なら私が二日ほど自衛隊に入って自衛隊の実情を知りたいということとは違うのだから。私の質問している趣旨というのは、三島由起夫さんが二、三日入って、何か一尉か二尉の服を着てどうだこうだというのが週刊誌に出ておったことがありますが、あれならいいが、あれなら、みんなが知っておるように三島という看板で体験入隊によって、週刊誌に出してもらうことによって防衛庁の宣伝になるわけでしょう。しかし、会社の幹部や何かの研修や何かのために金を使うということは筋が通らないと思うのです。体験入隊はみんなを募集をされて、それに応募した者に自衛隊を知ってもらうというのならまた話はわかりますけれども、そうではないのだから、これはもう全然違う。もし自衛隊の中で少し鍛えてもらいたい、自衛隊の規律を少しうちの社員にも教えてもらいたいというのなら教授料を取るべきじゃないですか。これはどうも私は国費をこういうような方法自衛隊を知っていただくというかっこうは、その筋はうまくやっているようですけれども、そういうかっこうで金を使うということについては、私はふに落ちない。これは政務次官、どうですか。
  125. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) 防衛庁の今日までの考え方、進め方につきましては、官房長が申し上げたとおりでございまして、しかし、いま先生の御意見も一応検討させていただくべきじゃないかという気もいたします。しかし、ずっといままで体験入隊をなさったグループを見てみますと、いろいろなものがあるわけでございます。組織の教員組合の方が入られたり、いろいろな個人が集団をつくって入ったりするものもあります。まあそういうもの全般について一応検討を進むべきではないかという御意見を拝聴いたしまして考えますので、検討を進めさせていただきたいと思います。
  126. 竹田現照

    ○竹田現照君 それでは、これはいま四十一年度の決算ですから、この四十一年度の三千八百万でもよろしいですから、どういうかっこうのものを入隊許可し、そのグループに支給をした金ですね、三千八百万ですから、これはわかるでしょう。これをひとつ資料として出してください。そして二百幾らだけ取ったと言うんですけれども、結局個々にも幾らか金が出るわけですね。食糧費だけもらうわけですから。ですからそういう内容について、時間があればいろいろやればありますけれども、ひとつ出していただきたい。よろしいですか。
  127. 島田豊

    政府委員(島田豊君) 承知いたしました。
  128. 竹田現照

    ○竹田現照君 私は、金を取っていると防衛庁のほうからお答えがあったものですから、この委員会の前に。ですから当然にその個人なり会社の負担において金を出して、それが歳入としてどこかに受け入れられておるというふうに理解しておったのです。ところが、そうではなさそうですから。
  129. 金光邦夫

    説明員(金光邦夫君) 予算で出しまして、出した分だけ回収するということでございます。
  130. 竹田現照

    ○竹田現照君 予算のやりとりはいいのですが、結果的には、官房長のおっしゃったように、広報費から出ておるわけですね。一人当たり五百円か幾らか知りませんが、その中から二百三十八円の食費だけいただくと、先ほど言ったんですから。
  131. 島田豊

    政府委員(島田豊君) 私の申し上げましたのは、糧食費の予算でございますので、糧食費の支給に必要な経費だけを計上しておるということでございます。したがって、その分がまた歳入に返ってくるということでございます。
  132. 竹田現照

    ○竹田現照君 いずれにしても、時間の関係がございますから、ひとつ資料として出していただきたい。
  133. 蒲谷友芳

    政府委員(蒲谷友芳君) その点でございますけどれも、いま誤解があるようですから……。一たん糧食費は広報費から出しまして——予算費目で糧食費に渡しまして、現物として食わせまして、この金は取るわけでございます。トンネルではございません。入隊した者から取りまして、ただ、予算費目の中で技術的に広報費として計上して、隊員の食費ではなくて、別に食糧費として加えたもので、予算費目だけの移動として食糧費が出るわけでございます。入隊した者から取っておりますから、決してただではございません。
  134. 竹田現照

    ○竹田現照君 それでは先ほどの答弁とちょっと違いますね、官房長。
  135. 島田豊

    政府委員(島田豊君) いいえ、相違はないと考えております。
  136. 竹田現照

    ○竹田現照君 先ほどそうではないでしょう。広報費を出して、その中から食糧費をもらっておると、こう言っているのです。念を押したのです。それが違うんでしたら、そのこともわかるようにちょっと資料を出していただきたい。
  137. 島田豊

    政府委員(島田豊君) いまの費目の移しかえ等につきましては、装備局長から答弁いたしましたことが正しいかと思います。
  138. 竹田現照

    ○竹田現照君 では、決算書の中の数字の問題を聞いているのですから、わかるようにひとつ説明をしていただきたいと思います。  それから決算書を見ますと、いわゆる自衛隊法あるいは防衛庁設置法の一部改正の未成立に伴う不用額が出ておりますね、かなりの額が出ています。たとえば俸給その他について、その不用額がある。これは自衛隊法は去年通りましたけれども、八千五百名の増員だったんですね。ずっと四十年からの提案をされているわけでしょう、防衛二法というのは。これは四十一年度の決算における法律未成立に伴う人員というものは、大体どれだけなんですか。
  139. 金光邦夫

    説明員(金光邦夫君) 先生は八千五百とおっしゃいましたけれども、八千五百という数字は思い当たらないのでございますが、四十年度の増員が千五百五十三名でございます。四十一年度六百二十九名。で、不用額といたしまして、人件費で約一億二千万円、それから予備隊員手当約千四百万円でございます。
  140. 竹田現照

    ○竹田現照君 これも小さいことをやりとりやっている時間がありませんけれども、ただ疑問に思ったのは、給与その他のほうにかなりの不用額がありますが、予算書を見ますと、何ですか、被服、医療、弾薬、あるいは教育訓練、こういうようなものがどうもつじつまが合わないのですよ。実際はかなりの人間が要らなくなったので、服も当然調達しないわけですから、そういうものがありますね。たとえば共済組合の負担金なんかとかというものも、自衛隊員一人当たりの金額等をはじき出しても、どうもつじつまが合わない。もしそれが当然通るということで調達しておるということであれば、四十二年度、四十三年度では、そういう在庫品がありますから、その分だけは減った予算が計上されなければならぬと思うのですけれども、そういう点がどうもふに落ちませんから、そういう点は何がどれだけ不用額か、一人の単価は被服はこれだけだ、未成立に伴ってこれだけ不用額になっているのだということが、提出されている決算書とつじつまが合うのか合わないのか、ちょっとそういう点もはっきりわかるように数字を書いて資料として出してください。
  141. 亀田得治

    委員長亀田得治君) いまの詳細は、資料として出してください。
  142. 金光邦夫

    説明員(金光邦夫君) 当初、たとえば人件費ですと六カ月分組んでおりますが、その後補正予算で中身を修正して御審議をお願いしておりますので、それを説明しないとわかりにくいかと思いますから、資料として提出いたします。
  143. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 午後零時五十分まで休憩いたします。    午後零時十四分休憩      —————・—————    午後一時八分開会
  144. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、昭和四十一年度決算外二件を議題といたします。  防衛庁及び防衛施設庁決算について審査を行ないます。  これより質疑に入ります。質疑のある方は、順次御発言を願います。
  145. 岡三郎

    岡三郎君 それではせっかく長官が来ましたので、午前中の政務次官並びに防衛施設庁に対して質疑を行なった問題について、防衛庁長官に一ぺん念を押しておきたいと思う。  その第一は、電波障害制限地区指定について、これは昨年来衆議院等においてもいろいろと質疑をされておりますが、第二は、米軍家族による横須賀の交通事故、よろしゅうございますか。それから第三は、米軍王子病院について、この三点についてお尋ねしたわけですが、その根本は、増田長官がよく言うように、国を守る愛国心とか、いろいろと言われておりまするけれども国民の要望、あるいは国民のたっての願い、そういうものを踏みにじっては私は民主政治というものは成り立たないし、長官が日ごろ言っている、そういうふうな国を守るということに対して、国を愛するということが前提にならなければならぬと思うのです。そういう点で独立国の日本として、日米対等にものを処していくという基本的な方針が欠けているならば、私は、その自衛隊内部におけるさまざまな問題と合わせて、やはりここら辺ですっきりとひとつ国の方針というものを国民に明示して、明るい展望というものを国民に持たせる必要があるのではないか、そういう点でいろいろ米軍から強い要望というものがあって、そうしてこれに日本の政府が一も二もなくおじぎをしているというふうな現象というものが、まことに不快感をもっていま迎えられているわけです。そういう点について、基本的に独立国日本として、こういうふうな日米安保条約並びに地位協定というふうな問題等の関連から、すみやかに電波障害という問題について、地区制限を行なわないような方向づけをしていくべきであるし、それから王子病院移転等については、少なくともその方向をつけたわけですから、これを具体的に実現すべきである、こういうふうな点を言ってきたわけですが、この点について、まず基本的に独立国日本としての立場において、こういう問題をどういうふうに考えているのか、国民に対してお答えを願いたいと思います。
  146. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 岡さんにお答え申し上げます。  私は、根本的には岡さんと同じ考えでございます。すなわち、自衛隊は国を守る存在であると同時に、その前提としては、国民すべてがこの一億国民を愛するという見地に立たなくちゃいけないわけであります。しこうして、午前中の御質問に対しまして、三原次官がお答え申し上げたことは、私は、そのとおりでございますということをお答え申し上げます。具体的には、なお御質疑がございましたならばお答え申し上げる次第でございます。  そこで、あくまでも国民の合意を得て、諸般の防衛庁関係並びに施設庁関係の仕事をしてまいりたい、こう考えておる次第でございます。したがいまして、日米安保体制というわけで、アメリカと日本とはパートナーでございますが——防衛関係におきましてはでございますがあくまでアメリカとも対等の立場で話し合いをして、そうして向こうの合意も取りつける、こちらの意思のあるところも主張しこれを貫徹する、こういう立場で臨んでまいるつもりでございます。
  147. 岡三郎

    岡三郎君 時間がありませんので端的にお伺いいたしますが、電波障害の問題については、横浜の上瀬谷地区ですでに経験しておるわけです。こういうふうな問題から、いま特に全国的にこの問題に関心を呼び、神奈川県においても、キャンプ淵野辺を中心とする地域において、相模原市長、これは保守党の方で、保守的な方ですが、市長を先頭にしてこの区域制限について反対をしております。われわれが聞くところによれば、非常に急速に市街地化が進んで、上瀬谷に行なわれたような条件ではもう全然ない、こういうふうなことから、先般の衆議院の質問の要綱の中に、施設庁長官が、具体的に、もしも米軍要求が強い場合等においては、他の法律をつくってこれに対処するということも考えなければならぬような説明があり、それに対して、本日は、政務次官並びに防衛施設庁のほうから、その点についてはあくまでも交渉、話し合いによってこの問題を行なう、そうして独立立法をするということにおいてもこの問題は解決しないと思う。そういうことによって、もしも米軍要求がさらに強いということならば、緩和措置、そういうもので話をする、しかし、最終的に話し合いも非常にむずかしいし、米軍要求というものが非常に強いという場合には、移転等も考えなければならぬというふうな答弁があったわけであります。私は、その点で、長官に聞きたいのは、あくまでも話し合いによってこれを行ない、強権措置というものをとらないというふうに午前中答弁があったのですが、そのとおりでよろしゅうございますか。
  148. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 岡さんのおっしゃるとおりでよろしいと思います。
  149. 岡三郎

    岡三郎君 それでは、第二点の米軍王子病院移転について、これは具体的にいま非常にたびたび都内において問題が起こっておるわけですが、この問題についてはとにかく開設を強行し、そして患者の輸送も、これも強行する、こういうことから非常に住民が激高してきているという問題でしばしばトラブルが起っているわけですから、すみやかにこれを移転すべきであるという政府の方針がきまったと、こういうことについて木村官房長官が答えているわけですが、増田長官としては、この旨十分了承していると思うのですが、この点よろしゅうございますね。
  150. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) お答えいたします。  岡さんのおっしゃるとおりで大体においてよろしいと思います。約一カ月前に総理大臣から私に、この王子病院は一応いたしかたがないかもしれないが、その次に移転のことを考えよという指示がございました。答弁といたしましては、外務大臣が主として予算委員会の総括質問等においてお答えいたしておりまするが、日米合同委員会におきましては、議長は日本側は北米局長でございまして、施設庁長官が議長代理をいたしております。初めからこの問題にはタッチをいたしておるわけでございます。でございまするから、一応開設し病院の機能を果たすということにはぜひとも地元の方の御協力なり、都知事にも御協力を願いたい、こういうわけで進んでおります。しかしながら、市街、人家連檐の地である、しかも交通条件も非常によくない。騒音関係その他の関係も配慮せんならぬし、風紀の関係も配慮しなくてはならない、万全の対策を立てまして一応受け入れをするということを厚生大臣にも心配をしてもらいましてやっておりまするが、私は、外務大臣ともいつも相談をいたしておりまするが、総理が一カ月前に指示されました、一応はやむを得ないかもしれないが、しばらく後には、適当なときに移転することを考慮せよ、この指示を得ておるわけでございまして、その指示に基づいて、木村官房長官も記者会見をされたことと、あるいはほかの場合において意思表示をされたことと私は思っております。そういう方針で進んでおることをこの際明らかにいたしておきます。
  151. 岡三郎

    岡三郎君 その移転を完了するまでの暫定措置として、住民要求についていろいろと質疑をしたわけですが、第一の伝染病関係については、厚生省が米軍との問にいろいろと協議をして取りきめ決定をしておる報告がございました。  第二の点について、それは騒音防止の点について、ヘリコプターの輸送という問題は非常に地域住民として関心を持ち、騒音防止その他の問題からこれは強く反対しているわけです。そういう点で、暫定措置としては、患者の輸送は自動車をもって行なうべきであるということに対して、政務次官のほうから、そういう方向で極力やるというふうに言われたのですが、われわれの主張としては、弱いと思っておるわけですが、しかし、米軍のほうとしては、この問題について明確な返答がまだないわけですが、あくまでもこれは、いま長官が言われたように、市街地の密集している地域ですから、防音対策というものは非常に大きな問題になってくるというふうに考えます。その点で、患者の自動車輸送ということについて、厳格にこの点については取りきめをしてもらいたいということに対して御返答があったわけですから、この点について、長官の意見を聞きたい。
  152. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) お答え申し上げます。  午前中に次官がお答えいたしたとおりでございまして、患者輸送等にヘリコプターを使ってはいみないということの意思表示をいたしております。まだ合意には到達いたしておりませんが、その方向に必ずなるものと私どもは期待いたしております。
  153. 岡三郎

    岡三郎君 これは老婆心ですがね、いままでの経過を見るというと、かなり米軍は強行しておりますね、開設なり患者の輸送なり。そういうことから見て非常に住民が激高している。この気持ち、長官わかりますか。
  154. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) お答え申し上げます。——わかります。
  155. 岡三郎

    岡三郎君 そこで、いま言ったような、強行するということに対する住民の怒り、そういうものから考えて、やはり防衛庁長官なり内閣として、この問題については、やはりきちっと取りきめをすること自体が、こういう問題について非常に住民を安定させ、安心させるということになるわけですが、このことについては、「極力」ではなくして、必ずそういう合意に達する確信があると言われた点について、これはそういうふうに受け取っておきます。それでよろしゅうございますね。
  156. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) お答え申し上げます。よろしゅうございます。
  157. 岡三郎

    岡三郎君 次に、風紀の問題ですがね。ともかくいままでの実態からいうと、米軍関係周辺というところは非常に風紀が乱れる。そういうことで、これも国民自体としても、非常に国民自体にひんしゅくをかっている問題というふうに見られるわけですが、この王子病院周辺について、その風紀については、厳格に、政務次官のほうでこれをやって、いささかたりとも住民にそういう面について不安を与えることはしないというふうに確信を持って言われたわけですが、具体的にいえば、やはり米軍患者の病院外への外出とか、あるいはその他さまざま。施設については具体的に内容がなかったわけですけれども長官としては、その点について、風紀については厳に地域住民に心配をかけないという点について、どういうふうにお考えになっておるか、この点をお答え願いたい。
  158. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) お答え申し上げます。  これは、かねてから、私どもも岡さんと同様に心配をいたしておりました。そこで、患者等がいわゆる自由に歩行し得る状態になったならば、私は退院してもらいたいと思っております。他の施設に移ると。そこで、これは人権問題にならない程度におきまして、外出は米兵の患者にはやめてもらう、こういう方向で交渉いたしておるわけでございます。外出を禁止してもらうように自発的措置をとる、こういうことで交渉いたしております。
  159. 岡三郎

    岡三郎君 この点については了承いたしましたが、そうすると、もとに戻りまして、移転のことについては、内閣としてこれを行なうということになった場合に、具体的に防衛庁施設庁等において、この具体的な計画に取りかかるわけですが、午前中のお答は、まだそれが緒についていないような印象を受けたわけですが、やはり何といっても代がえ地の設定というものが先にこなければならないし、それに到達する前に、移転の問題について、米軍の了解をとってないというところから、その点から始めなければならぬという答弁があったわけです。この点については、われわれとしては、すみやかに合意に達して、その面についての移転の問題に取りかかってもらわぬというと、官房長官佐藤内閣もそう長くは続かないんじゃないかという心配がある。相当確信を持ってこの問題をやる責任が私は内閣にあると思う。そういう点で、やはり先を見通して、これは少々の時間の食い違いはあるとしても、事務的に、こういうふうに進めさせるというふうなことがなければ、下のほうとしてはそれに対して対処することはできないと思う。それで内閣として、移転の問題について、防衛庁長官としては次のように具体的に考えるというふうに、お答え願いたいと思う。
  160. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 岡さんにお答え申し上げたのは、いずれ近く移転するとして、当分の問の受け入れはいたし方ない、しかしながら、その受け入れにつきましても、地元民の合意を得るように極力配慮せよ、移転先のことにつきましても配慮せよという総理の指示でございます、そのことを申し上げました。そこで御承知のごとく、昭和四十年十一月ごろ、外務大臣あてに、王子病院を使いたいという申し入れがあったわけでございます。そこで、施設病院として地図局を改変するために着々進んでおったわけでございまして、ことしになって突発的に起こった問題ではございません。そこで私どもはどんなことをしておったかといいますというと、経過を申し上げなければなりませんが、まず野戦病院——野戦病院と書いてございますが、野戦病院ではない、向こうのことばの野戦という字を使わせないということにいたしました。単なる総合病院ということにいたさせたわけでございます。このことは、防衛施設庁において特に努力をいたしまして、その結果かちえた一つの成果である。これはやはり民衆の心持ちに、感情に与える影響というものを尊重いたしまして、野戦という字は全然とって、名実ともに総合病院にいたしたわけでございます。  そこで、将来の問題はどうするか、これは少なくとも私は、過去二年ばかり、施設がございましたのを、そこへベッドを入れたり手術室を入れたりするために二年ばかりかかったわけでございますから、既住を推して将来をそんたくいたしますと、やはり二年ぐらいは、いまからかかってもかかるのではないか、場所の選定等も実はまだいたしておりませんが、私は駐日軍司令官にときどき会いますから、その話を今度会った場合には切り出したい、そうしてあれは恒久的なものと考えてもらっては困るというまず大前提をつくりたい、こう考えております。それから人家連檐のところ、都心部に近いようなところに、アメリカ軍の施設というものはほとんど市外に移駐いたしております、御承知のとおり。そうして民衆に対する感情というものを尊重いたしまして、なるべく目立たない存在にする、こういうことをいたしておりますから、病院のごときものは、厚生大臣が苦労して、伝染病患者等は絶対入れないことにいたしておりますけれども、しかし、やはり感じが悪いということはございますから、そのことをまず根本的には、近く駐日米軍司令官に会いますから、そのときにお話をいたします。外務大臣とも話をいたしておりまして、外務大臣のほうは、そのアメリカの出先である駐日米全権大使に話をするであろうと思っております。そこから始めますから、いま具体的にどうこうということをお聞きくださいましても、まずその基本問題を一応こちらからぶっつけまして、それで考慮せいということから始まりまして、それから予算の獲得なり候補地の選定なり病院の規模なりがだんだんときまってくる過程においては、お答えできますが、いまのところは、私は岡さんとは基本的に同じ考えでございまするが、途中、ものごとの経過とともにお話しするのが、この問題に対する誠実な態度ではないか、いまのところはまだ申し上げにくいという、こういう状態でございます。
  161. 岡三郎

    岡三郎君 午前中の質問に対して当局側のほうから、一応考えてみれば、やはり早くやっても二年ぐらいはかかるだろう、こういう話があったわけですが、いまたまたま防衛庁長官から、過去を顧みて将来をそんたくすれば、すみやかにやっても二年ぐらいはかかるだろうというふうに言われておりますが、地域住民のほうから言うと、やはり移転ということを政府が打ち出してやや展望が開けた、そういうふうな中において、次に期待するものは、すみやかに実行に移ってもらいたい、実現をしてもらいたいということが国民感情です。そうするというと、その問題をぼやかして方向づけだけをして、何年たってもらちがあかぬではこれは困る。そこで、いま長官が言われた、まず日米合同委員会等において、この問題について米軍に了承をもらい、そうしてそれに伴って具体的に措置するといっておりますが、そうではなくして、やはり政府としてこれを了承させると同時に、並行的にそういうふうな土地なら土地なんというものを選定しないというと、御存じのように、私が言うまでもなくですね、土地の入手というものは非常に時間がたてばたつほどめんどうくさくなる。だから総合的に国有地の問題等もありますからですね、そういうふうな総合的な検討というものはすみやかに始めなければ、私は時間が経過するだけだと思うのです。そういう意味で米軍との交渉と同時に、国内体制としては、やはり施設庁等において、すみやかに地域の選定なり、そういうものの移転計画について至急にこれをまとめて出す、そして実行に移れと、そうでなかったならば、増田元帥の言としてははなはだあいまいです。明確にもう一つ確信を持って言ってもらいたい。いつまでいつまでとは言えないにしても、こういう順序でやりますと。
  162. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) この王子というところへ一体なぜ来たかということまで実はほんとうは研究いたしたわけでございます。これはジョンソン基地にあるのが天幕みたいなもので非常にちゃちなものでいけないということで、二年前からかかってようやくでき上がったのが王子病院でございます。そこで私は、土地のことはいまここに施設庁部長もおりますけれども、まだ聞いてはおりませんが、土地の入手ということは比較的困難ではないと私は思っております。現にジョンソン基地にあった天幕のごときものをつぶしてこちらへ持ってくるわけでございますから、でございますから、原則的には、私は、駐留米軍のエリアというものが、区域というものがある。その区域の中につくればいいというふうに私は考えておりますが、特別にまたエリア獲得を向こうで要望すれば、日米合同委員会ということになりますが、私が申し上げたいのは、日米合同委員会というのは、議長はアメリカ局長であり、それから米軍のほうは駐日米軍参謀長でございます。それから議長代理が私のほうの施設庁長官でございます。そういう段階の上といってはちょっと語弊があるかしれませんが、駐日軍司令官に私が会いまして、これは相当の大きな国内問題でございますから、ほんとうに前向きの姿勢で真剣に考えなさいということを言うつもりでございます。また、外務大臣からは、ジョンソン大使に言ってもらうつもりで、このころから話をいたしております。つまり日米合同委員会よりも一つ上の段階で話を取り扱うべき重大なる事柄であると、こういうふうに考えておるわけでございまするから、その点は、岡さんにおかれましても、われわれが非常に重大視しておるということを御了承願えれば幸いでございます。  それから地域は、私は獲得は比較的困難ではない。結局問題は、病院施設をつくることでございまして、病院施設には少なくとも、聞いてみたところが二十億円はかかる。いまの地図局を王子病院に改変するにはまあ四、五億で済んだようでございます。今度新しくほんとうのホスピタルをつくる、総合病院をつくるということになりますと、土地はまあただといたしましても、二十億円かかるということになりますというと、結局駐日米国全権大使や、あるいは駐日軍司令官等が、よほど奮発してですよ、このドル不足のときに、アメリカのコングレスにおいて予算を獲得しなければならない。その予算の獲得につきましても、勇気をふるって獲得しなさいということを、われわれはわれわれというのは私と三木さんでございます——言うつもりでございます、ということをこの際申し上げておきます。
  163. 岡三郎

    岡三郎君 あまり時間がありませんから、大体政府の腹づもりはわかったのですが、そこで私がお願いすることは、結局住民のほうとしては、政府移転計画というものをすみやかに実現してくれることを待望している。それに基づいて、いま政府のほうが日米合同委員会よりも上の段階で折衝されるということになるわけですが、アメリカのほうがドル不足で、あらゆる施設というものについて時間がかかるということになれば、二十億の金はこれは相当の金ですけれども、国費をもってもこういう問題については遅滞なく移転をするという腹がございませんと、やっぱりこれは国民感情というものはですね、相当な金としてもかけがえのない私は一つの問題であろうと考えますが、その点どうなんですか。
  164. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) まあこちらのほうも、ある程度施設を提供するというような責務がございますから、地域協定からお手伝いはいたしまして、それからあなたのほうでも奮発しなさいというようなことを言うつもりでございます。ある程度可能ではないかと私は考えておるわけでございます。岡さんのお説のように、岡さんがきょうは東京都民感情あるいは国民感情も代表されていらっしゃると思いますが、私どもも、国民感情を尊重するのはやぶさかでないわけでございまして、国民感情を尊重してまいりたい、こう考えておる次第でございます。
  165. 岡三郎

    岡三郎君 最後に、時間がありませんから、それでは私のほうとしてはですね、やる気になれば二年程度でやり得る問題だというふうに了承しました。それでよろしゅうございますね。やる気があればですよ。やる気がなければ何年かかってもこれはらちがあかないと思う。その点どうですか。やる気になって二年程度でやるということを言ってもらえませんか。これは大きな問題ですよ。
  166. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 岡さんにお答えいたします。  その気もございまするし、御意見どおり承りました。了承いたしました。
  167. 黒柳明

    黒柳明君 長官、お忙しいと思うのですけれどもね、人事局長との答弁を二、三聞いていただきたいと思います。  私は、海上自衛隊の横須賀総監部で起こった、私は不祥事件とこう言いたいんですけれども、これについて質問したいんですが、人事局長さんいらっしゃいますか。  昭和四十二年、昨年ですね、十二月二十七日、海上自衛隊の横須賀総監部の人事部長さんから総監部の各部室長、及び横須賀地方隊の各部隊長あてに出したこの通達ですね。「私有車両の任意保険加入促推等について」、この「記」のところを読んでいただきたいんですが。
  168. 麻生茂

    政府委員(麻生茂君) この通牒、前文のところも、趣旨が入っておりますので、ちょっと読ませていただきたい。
  169. 黒柳明

    黒柳明君 いや、「記」のところだけ読んでください。1、2、3、4、5……。
  170. 麻生茂

    政府委員(麻生茂君) それじゃ趣旨はあとに。
  171. 黒柳明

    黒柳明君 趣旨はまた私が申しますから。
  172. 麻生茂

    政府委員(麻生茂君) それでは、      記  1 車両保有者は昭43・1末までに最低300万円以上の保険(対人)に加入する。(対物保険については随意)  2 新規車両購入者は購入後一か月以内に加入する。  3 各部隊の長(総監部においては総務室長)は任意保険加入者に対し構内乗入許可証を交付する。構内乗入許可証は横須賀地区、横地隊各隊の構内乗入に共通して適用されるものとする。  4 加入証の交付を受けた者は、これを携行し必要の場合はこれを提示する。  5 昭43・2・1以降未加入者は隊内乗入れを禁止する。  6 各部隊の長等は自隊の加入者に対し駐車場を指定する。  7 その他車両購入希望隊員に対しては、その必要とする理由等を聴取し、できるだけ購入を差し控えるよう指導する。
  173. 黒柳明

    黒柳明君 どうもありがとうございました。要するにこの趣旨は、横須賀総監部、まあ大体この総監部に属する隊が十幾隊ありますか、隊員が二千名くらいですか、そこに出されたものですね。そして隊員が持っている自動車に対して、任意保険の加入を促推しておると、こういうわけです。で、あくまでもこれは任意保険の加入促推というのは、私が言うまでもなく、車両新規購入の時点において、強制的な保険はもう入るわけですよね、その強制保険にプラス任意保険に対するこれは加入促推の通達である、こう理解してよろしいですね。
  174. 麻生茂

    政府委員(麻生茂君) 先ほどこの通達の表題を読みませんでしたけれども、「私有車輌の任意保険加入促進等について」と、こういう表題でございますから、当然任意保険加入に関連しての通達である、こう理解していただいてよろしいと思います。
  175. 黒柳明

    黒柳明君 ところが、いま「記」のところを読んでいただいたように、たとえば、「五 昭和四十三年二月一日以降未加入者は隊内乗入れを禁止する。」項目の一「車両保有者は昭和四十三年一月末までに最低三百万円以上の保険に加入する。」と、こういうことが出ているわけですよね。そうすると、これはですね、新車購入時の強制保険、これはもう義務的なものです。それにプラス任意保険へ加入を促進する通達が、これははっきり強制的な要素をここで出してる、こういうふうに私はまずこの「記」から受けるんですけれども、まだその他一、二問題点あると思うのですが、いかがでしょう、その点ます。
  176. 麻生茂

    政府委員(麻生茂君) これにつきましては、この通達ができた趣旨をひとつ考えてみなければいかないと思うのでございます。この通達が出ましたのは、最近もう御承知のように交通事故が年々激増しております。また、この対人事故が起きました場合に支払います損害賠償額は、俗に一千万円とかいわれるわけです。したがいまして、自衛隊員交通事故を起こしたというような場合に、大きな収入があるわけでもございませんので、すぐに支払いをするということもなかなか困難な事情にあるわけであります。特に車両が自衛隊の構内等において事故を起こしたというような場合におきましては、事故を起こした隊員は金が払えない。それでしょっちゅう心配しなくちゃならない。自分の隊務にも専念することができないというような状況に置かれるわけであります。また、損害を受けた隊員のほうにしましても、十分な補償というものが得られないわけでございます。非常に困った事態というものが部隊の隊務の運営上に生じてくるわけでございます。したがいまして、隊員にそうした事故が生じた場合に、保険によって容易に補償ができるというような体制にすることによって、十分な保護というものが、事故が起きました場合に、危害を与えた者につきましても、また危害を受けた者に対しても、できるような状態に置いておくということが、隊務の能率的な運営、安心してとにかくやれるという体制を整える上において、これは必要なのじゃないかという趣旨で、この通牒はできたのではないかと思います。特に自衛隊におきましては、最近の傾向といたしまして、私有車両の増加というものが非常にふえております。したがいまして、それに伴う事故というものが実はふえておるわけでございまして、大体保有車両と同じくらいの車両の事故というものが出てきておるわけでありまして、私も人事局長になりまして、ある月などは一時は毎日のようにそうした交通事故の報告を、見ておったわけでありまして、非常に頭を痛めておる一つの問題であるわけです。したがいまして、こうした事故が生じた場合の被害に関連する問題によって隊務の運営に重大な支障が生じないようにしようという配慮から、横須賀地方総監部としてはこのような通達を出されたと、こう思うわけであります。もちろんこの規定は、強制で三百万円あるわけでございますから、さらに最低三百万で、六百万は少なくともやり得るようにしようと、こういうふうな配慮だと思います。最近におきましても横須賀で車両事故が起きたようでございますが……
  177. 黒柳明

    黒柳明君 ちょっと、あんまり長くなると長官の時間限られてますから。大体趣旨はわかります。
  178. 麻生茂

    政府委員(麻生茂君) そういうような趣旨に立脚して規定したものであるわけでございまして、その横須賀の地方総監部としましては、そうした最近の私有車両の激増に伴う対策の一つとして、隊務の能率的な運営、あるいは安心して隊員が隊務を運営できるようにするという考慮からできた一つのやむを得ない措置であったというふうに思うわけであります。
  179. 黒柳明

    黒柳明君 これ、妥当であると、こう言いますか。
  180. 麻生茂

    政府委員(麻生茂君) 先ほど申し上げましたように、やむを得ない措置ではなかったのではなかろうか、こういう感じがいたします。
  181. 黒柳明

    黒柳明君 確かに自衛隊に対してそういう規律を守らせる、これはりっぱであると思う。事故のその後にも考えを及ぼす、これも非常に自衛隊を守る、そういう精神はいいと思う。ところが自衛隊だけが何も特徴じゃないんじゃないですか。お巡りさんもやはり交通事故を起こすと、社会的影響も多いし、学校の先生もそういう立場です。また自衛隊だって全部じゃない、この横須賀だけです。そういう自衛隊の事故が起きた場合に困るだろう、どんどん加入しなさい、こういうことは悪いことじゃないですよ。ところがそのことと隊内乗り入れを禁止しちゃうとか、そのことと保険に入っている、任意保険ですよ、任意保険に入っている者はパーク場をやる、入っていないのは駐車場をやらない。あるいは四十三年の一月末までに全部入れ、こういうこととは次元が違うのじゃないですか、次元が。交通事故が起これば困るだろう、隊員の報告を聞いていると、それに対して何とかしたい、これはいいですよ。任意保険を促進する、そのことは。それとその任意保険三百万以上入らなければその隊内に乗り入れちゃいけない。任意保険に入った者はしかも駐車場を……。任意保険に入った者は証明書を出すと、証明書を持っていない者は駐車場をやらない。四十三年一月末までに任意保険に入れ、全然次元が違うのじゃないですか。はっきりこれは行き過ぎじゃないですか。
  182. 麻生茂

    政府委員(麻生茂君) 現在横須賀の実情について申しますと、先ほど先生からお話がありましたように、二千人からの人員に適用される通達になるわけであります。実際車両を持っておる者が四百九十六人、約五百人いるわけでございます。その中の半分は小型自動車や軽自動車でございます。それからあと自動二輪車や原動機付の自転車というようなのがその半分ぐらいというぐあいでございまして、相当多くの車両が自衛隊で使われている、こういうことが実情でございます。したがいまして、当時の実情から見ますというと、保険に加入するということによって、隊内の、施設内の安全を確保するという考慮から、やむを得ない措置として、横須賀地方総監部としてはとったのではないかというふうに考えます。
  183. 黒柳明

    黒柳明君 それでは船越分遣隊の実情を言ってください。知りやしないのじゃないですか。実情を何も知らないで、そんなぺらぺら言ったってだめよ。多いからこういう措置を講じたと、それなら船越分遣隊の実情を言ってください、そんなことを課長に耳からぺらぺら言われたってだめですよ。スペースはどれくらい、自動車はどれくらいそこに入っているか、何も知りやしない。
  184. 麻生茂

    政府委員(麻生茂君) 私具体的に見ておりませんので、実情については知りません。
  185. 黒柳明

    黒柳明君 だから長官、また声を大きくして、また声をからさなければならない理由をあの人がつくるの、人事局長が。人事局長とは何回もこの話をやっているの。この次の余田さんの話も、余田さんがおふろに入っているところをおふろから出して、人事課長は電話でやってくれるほど誠意があるのです。それを局長は何もわからないで、課長から言われたことをぺらぺら言っているのじゃないか。五百台ある、スペースが少ない、とんでもない話だ、この分遣隊の門番をやっている人がいる、あの任意証を見る人がいる、その人の名前を言ってもいいんだ、名前を言いましょうか、川田さんという一曹だ、その人がこういうことは疑問だと言うのです。私は、スペースはある。二百七十名就職定員が二百十名しかいません、七五%です。そこに自動車なんか持って入っている者はいないというんです。現に四万や五万の給料じゃ自動車なんか持てませんよ。それが任意証、加入の証明書を持っていなければ入れさせられないのだ、そういう通達が出ておる。ところがスペースは幾らもあります、駐車場なんて。そう言っているのを知らないんじゃないですか。それを五百台あります。スペースがないから、構内事故があるから……。それじゃ何十件構内事故が発生しておりますか。そんなことは一般の事故からすれば全然低いです、そんなことは。そういう気持ちはわかります。わかりますけれども、はっきり私の言ったこの事件、これとの食い違いを認めませんか。どうですか、長官にそれじゃ御答弁願いましょう。私の言っていることは任意保険を促進することは悪いとは言っていませんよ。隊員の事故が発生すること、それに対してあとあとめんどうを見てやらなければならない、そのお気持ちはわかりますよ、いいですね。その気持ち、それからいまおっしゃった五百台も車を持って多過ぎる、多過ぎたってパークするのであればいいじゃないですか。みんな隊員が車を持つようになればけっこうです、大いに。現実はそうじゃない。しかもあの人の言っていることは、知らない、そういうことと、それと三百万加入しなかったら隊内に乗り入れる証明を出さないとか、最低三百万早く今月の四十三年の一月までに加入しろとか、あるいは証明がない者は駐車場に置けないとか、それから四十三年二月一日以降未加入者は隊内乗り入れを禁止するとか、明らかにこれは任意保険に入らなければ、車を持って通勤できないことになるのじゃないですか。だからそういう隊員を思うことと、事故がたとえふえようとふえまいと、任意保険というものは全部が入ってないのですから、そういうことを強制するように思えるから、隊員の中から不満が起きてくる、現にそれをチェックしておる人が、非常に疑問ですよ、こう言っているのです。しかもこれが横須賀だけの、いま言ったような二千名の中だけに通達が入っておる。本庁では知らなかったと言いながら、こういうふうに……。そうじゃないですか、初めからこんなものを知っているわけではない。こちらから言ったから知ったんだろうと思います。そういう趣旨でやったのかどうでしょう、済みません長官
  186. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 黒柳さんから突然私は聞かれましても、私はよくわからないのですが、強制保険額というのはそうたくさんないのですから、任意保険のほうを少なくともオーナードライバーになるのだったら、被害者に迷惑をかけないように、かけておけということを申しすすめることは、これは隊長として非常にいいと思います。そこで、あとガレージが少ないとかスペースが少ないとかいって入れないということではなくて、一つの手段として、まあそういう証書のない者は、そういう鑑札を持っていないような者はちょっと入ることは遠慮してくれというような方法で、任意保険に入ることを考慮してくれという意味だと思うのです。つまり交通自由の原則に関する——法律まで破ったのではなくて、これは一種の訓令みたいな達しでございまして、だから遠慮してくれという意味しかないのです。
  187. 黒柳明

    黒柳明君 禁止と書いてある。
  188. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 禁止と申しましても交通自由の原則というのがあるわけですから。
  189. 黒柳明

    黒柳明君 そんなわけにはいきませんよ。
  190. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 私が答えるまで聞いて下さい。黒柳さんはなかなか短気ですから。  それで、その禁止するという意味が、遠慮してくれという意味しかないのです。法律でなければ人権というものは拘束できないのです。しかし、ハイウエーであるなら人の自由に交通し得る場所、交通するなということもできないわけでございますが、しかし、自衛隊は一定の規律に従っているわけでございますから、規律に従う以上は、かりに被害者に対してお金も払えないような状態で、やたらに乗り回してもらっては困る。だから遠慮してくれというほどの意味、訓令でございます。法律上の効果はないと私は考えます。
  191. 黒柳明

    黒柳明君 そうすると、自衛隊全部持ってなくても乗り入れていい、こういうことを通達で出していただけますか。それは道徳的なものだから。こんなものは通達は無視していいのだ。番兵さんに言ってもらって、通達を撤回してもらわないと入れないですよ、そんなことを言ったって。そうすると任意加入書を持ってなくても入れますね隊内に。
  192. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) それは黒柳さん、それは入れることは入れる。法律に基づかないで人権をなかなか拘束できないのですから、そこで自衛隊法その他になければいけないのですが、しかし、自衛隊員というものは一定の規律がございますから、遠慮してくれということを上官が部下に対して達しをするということは、私はそんなに不当なことではない、こう思っております。そこで、入った場合にどうなるか、入った場合に処罰規定なんかないのです。だから達しから見ておかしいぞ、達しに反するということは一つの自衛隊という団結を……
  193. 黒柳明

    黒柳明君 規律を守っておるから、任意保険に入ってないものは乗り入れられないのです。
  194. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 私がお答えしている間は聞いください。  でございますから、達しというものは、団結体の持っている一つの規律を守ってもらう意味のものでございますから、その達しは守ってもらわないというと、団体生活上の規律には反するのでございますから、オーナードライバーにでもなろうというものは、四万か五万しか取らなくてかわいそうだとおっしゃいますけれども黒柳さん、そこにやっぱり四万、五万でオーナードライバーになろうという人が、ちょっとかければ任意保険に入れますから、生命保険などと違いまして損害保険料ということで、やっぱり保険料率もきわめて安いのですから、かけてもらって、損害を起こしたときに被害者の人権を擁護するためである、そういうところに重点を置いて、ひとつ黒柳さんもあたたかい気持ちでお考え願えれば幸いだと思います。
  195. 黒柳明

    黒柳明君 私はあたたか過ぎるほどあたたかいのですけれどもね。いいでしょう、ともかく私はおかしい、こんなことは。ところがそれがどういう時点、どういう事実になってあらわれているか。どんどん名前をあげます。遠藤二佐、現在海幕の厚生課、この人が十一月の中旬から絶えず人を集めて保険の説明会を行なっている。当人は私は悪気ないと思いますよ。しかし受けるほうは、こういう通達が出ているから、当然これは強制的に加入をさせられる、こういうふうに受けるのですよ。どうですか、禁止すると出ているのですから。さらに前横須賀総監部の防衛部長岩田さん、この人はいまあげましたけれども、住友火災に行っているのですよ。この人に至ってはこの三百万の通達を出した張本人であるとさえみんな言っている。どんどんこういう各現場の責任者、特にこの二人がひどいということであげたわけです。こういうものをあげると、まだまだ一ぱいありますけれども、こういう現場の中心者が、こういう通達をたてにして、これで説明会であるか、あるいは強制加入の勧誘会であるかを開かれたんじゃ、やっぱり隊員のほうとしては、長官のおっしゃった、規律が正しいから、責任感が強いから、ほんとうに何となく入らなければならない、こういうふうに思うと同時に、矛盾していることは、任意じゃないか。さらにおかしなことは、そういう人たちが、こういうふうにみんな保険会社に入っているのですよ、保険会社に、全部そういうことから、さらに、邪推かわからない、しかしながら、これは現実の問題としてこういう通達がある。そしてこれをどんどん、どんどん説明会を行なって、そして勧誘している。当然保険会社はこれはプラスになるわけ、もうかるわけ。その勧誘をすすめた人たちは一佐、二佐、海将、陸将、あるいは将将官がどんどん保険会社に天下ったのじゃ、これはとてもじゃないけれども、大きな疑惑と見られてもしようがないと思うのです。どういうことか。第一生命保険、四十一年七月竹下陸将、井関一佐四十一年七月、これが第一生命。さらに第一生命森岡二佐、第一生命長谷川二佐、四人第一生命。日本生命今村陸将補をはじめとして五名、それから協栄生命保険野尻陸将補、依田一夫陸将補をはじめとして六名、東邦生命保険水野幸雄陸将補、それから真島浩陸将補をはじめとして八名、明治生命保険南波巌陸将補、徳田優陸将補、宮崎正直空将補をはじめとして六名、それから住友生命保険穂村春利陸将補をはじめとして三名、三井生命保険佐藤不二雄将官をはじめとして二名、さらに朝日生命や安田生命、全部こういう賠償保険に関係するようなところにどんどん行っちゃっている、昭和四十一年、昭和四十二年。これじゃいま言ったように、確かにありがたいけれども、ありがた迷惑であるし、さらに疑惑が起こることは、私はこんな事実はないと思いますが、長官のもとの潔癖なる部下です。また、そうなくてはならないと思いますけれども 何かしらぬ、それを勧誘をして、そうして自分の現職のうちにこういう地ならしをして、こういうところに入っちゃうんじゃないか、それこそ天下りの典型的な例じゃないかという意見が下にはある。これを長官は、よく耳をそばだてて、そしていまの局長の一方的な発言じゃなくて、第一課長さんによく聞いてごらんなさい。実情というものを絶えずつかんで、誠意をもってやっていただいたんですから。まあ私の一方的質問になりましたけれども、ひとつこういう天下り人事につながるこういう疑惑が横須賀の隊に渦巻いている、こういうことについて、ひとつ最後に御答弁いただきたい。
  196. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 私はいまあなたからお聞きした範囲での私の常識的判断でございますが、生命保険会社へ自衛隊員の幹部が入るのには一番弊害が少ないんじゃないかと私は思うのです。とにかく武器関係の会社に入るのはよくないので、生命保険会社に入るなんて罪がないので、一番余生を送るにはいいところであると私は考えております。  それから自動車の任意保険といっても、これは黒柳さんが損害保険と生命保険とを間違っていらっしゃるんじゃないでしょうか。海上火災損害保険、そういう関係に自動車の損害保険というものが入るのでございまして、生命保険会社のほうに入るというふうに私はあまり聞いておりませんが、それはいかがなものでございましょうか。とにかく、私は結論的に簡単でございますが、生命保険会社あたりで余生を送るために自衛隊の幹部が入るのは最も好適な場所であると私は考えております。
  197. 黒柳明

    黒柳明君 もう一問。私はこの問題、長官もあまり誠意がないので、しょうがない。こちらで何とかながめましょう、現地の……。  それからまたゴルフ場の問題で申しわけありませんが、これはあまり極端な例で海将補の余田四郎さん、これは横須賀の海上訓練指導隊群司令、この人が——これは先ほど言ったように、おふろに入っているのを出てきてもらって当人に確かめた。——ゴルフ場をつくっている。横須賀市船越の分遣隊の中にこの余田さんの私有のゴルフ場がある、私設の。どういう規模かというと、間口十メートル、奥行十五メートル、高さ三メートル、四十年の秋につくった、鉄のパイプとネット。これはちょっと中古らしいのですけれども。それで一度に三人くらいできる。これは相当大きいものですね、でっかいゴルフ練習場、町で見られる。これをつくって、その余田さんが、絶えずここで勤務中だろうが何だろうが、練習している。それに対して余田さんは、私の不徳のいたすところだから申しわけない、こういう確認も本庁側でとっていただいている。これはひとつ厳重に注意してもらいたいし、こんなものが隊内にあるなんということは、これはうまくない。長官、またこれもいま聞いたばかりというようなことであれですけれども、これはまたちゃんと本庁の課長さん調べておりますから、課長さんが調べてくれたことですから、それで向こうの言うのには、体育の目的で四十歳以上の方が使用できるようになっている、こう言うのですけれども、いまだかつて四十歳以上の人が体育の目的で使用されたことはないというのですよ。まあそのときの詭弁でのがれたんじゃないかと、私はこう推測しますけれども、余田さん一人がゴルフ場をつくって楽しまれたのじゃこれは困ります。また当人も、私の不徳のいたすところで、幕僚あたりも来てやっているという当人の話ですけれども、幕僚も来てやるんじゃないかと思いますけれども、私一人じゃない、幕僚も来てやっている。けれども、私が一番やはりベタ金ですから、不徳のいたすところで責任を負いましょう、こういう電話の話だった。これはひとつ厳重に注意してもらいたいと同時に、陸上自衛隊松戸需品補給処、ここにも四、五百メートルの私設のゴルフ場があります。それから米軍木更津飛行場、これは米軍が使っていたんですが、九ホールのゴルフ場があるのです。これも自衛隊が使っている。こういうことについて早急に先般の自衛隊ゴルフ場問題に引き続いてですけれども、処置していただくと同時に、もう再びこういうようなことのないように、長官もたいへんですけれども、めんどうを見ると同時に手を打ってください、どうでしょう。
  198. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) いま御指摘の線をよく調べまして善処いたします。
  199. 岩間正男

    岩間正男君 最初に資料を要求しておきたいと思うのです。  一つは、自衛隊の治安出動に関する訓令、昭和三十五年の五月四日に出したもの、防衛庁訓令第二十五号。  第二には、自衛隊の治安出動に関する内訓、防衛庁内訓第五号、昭和三十年。  それから、第三には、航空自衛隊の治安出動に関する達、昭和三十一年五月二日発行。  第四には、陸上自衛隊と航空自衛隊との治安出動に関する協定昭和三十一年四月一日。  それから第五には、海上自衛隊と航空自衛隊との治安出動に関する協定。  さらに陸上自衛隊と海上自衛隊との治安出動に関する協定。  これがあるはずでありますから、この六つの資料の要求を先にしておきたいと思います。これをあとで書いて渡すから。
  200. 亀田得治

    委員長亀田得治君) よろしいですか。
  201. 島田豊

    政府委員(島田豊君) ただいま提出方御注文いただきました訓令、内訓、達あるいは協定類、これをよく私ども検討いたしまして、提出が差しつかえないものはお出しいたしますし、そうでないものにつきましては、あるいはごかんべんいただくかもしれません。
  202. 岩間正男

    岩間正男君 それじゃ長官に伺いますが、衆議院予算委員会の答弁で、増田防衛庁長官は、治安行動教範は今後つくらせない、検討もさせないということを言明しておりますが、そのとおりですか。
  203. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) そのとおりでございます。
  204. 岩間正男

    岩間正男君 それでは伺いますが、それは長官個人の意見か、それとも政府あるいは防衛庁の意見か、その点いかがでしょう。
  205. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 防衛庁というものは独任制の官庁でございまして、私の補助者が二十数万名おる。こういうことでございます。でございますから、長官がそういう指示をしておればそれに従うというピラミッド型の官庁でございます。
  206. 岩間正男

    岩間正男君 これは庁議を開いたかどうかあとで聞きますが、これは重大な変更ですね、従来の。これはいままで政府答弁では、推敲を重ねて完成する。そうして、そのために目下検討して、完成したら国会に提出するということを、これはしばしば言明しておる。現に私がいままで質問した回数だけでも三十六年の三月参議院予算委員会、これは一般、そこで聞いております。それから三十七年の三月参議院予算委員会の、これは本委員会です。それに対して当時藤枝防衛庁長官は三十八年度までに国会に出すということを言明しています。しかし、これは守られなかった。そこで、三十九年三月に私は参議院予算委員会の分科会でまた当時の福田篤泰防衛庁長官に聞きました。そのときは、いままでの遅滞はどうも申しわけない。三十九年度前期までに国会に出す。こういうふうに言明していますね。さらに私はこのような問題が行なわれないので、四十年の三月に参議院予算委員会におきまして、これは憲法論議の中でありますが佐藤総理並びに小泉防衛庁長官に対して質問しておる。それで、検討中、できれば出す。四十年十月二十日に、さらに参議院の当決算委員会において、これは政府委員質問しております。やはり検討中ということでありましたけれども、一度もこれは草案はつくらない、これを廃棄するというそういう答弁はなかった。したがって、私は当然これは国会の審議場を通じて再三確約した問題でありますから、当然これは政府意思と……。単に個人岩間に対する答弁だというようには考えられない。国会に対する答弁、国会に対する答弁を、ここで重大な変更をしたのでございますから、当然私は閣議決定によって、政府意思としてこれは当然明らかにされるということが必要だと思いますが、当然これは閣議にはかったことと思いますけれども、いかがですか。そうでなければ、国会に対する責任は、これは果たされていないということになりますが、いかがでしょう。
  207. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) たとえば各省大臣が自分のところの所管事項について検討中でありますということを答えることもあります。私は防衛庁長官という立場におきまして、従来の長官検討中であるということを答えた。これは認めます。しかしながら、私もこの一年数カ月検討してみまして、草案をつくるのはおもしろくない。こういう結論になったわけでございます。しからば、検討中であるということが検討をしないということになったことについて、閣議決定が要るか。私は省庁の内部の一々の行動に関する規範をつくるとかつくらぬとかということまで閣議決定をせんならぬのではないと思っております。そのために私どもはこうやってまかり越しまして岩間さんにお答えをいたしておるわけでございまして、なぜつくらないでよろしいかというと、いままで十八年間つくらないでおったわけでございます。いままで十八年間つくらないでおった、そういうようなことが一つと、このときこの際、私はつくる必要はないと、こう考えております。それは十八年間検討はしておったでございましょう。  それからもう一つは、いま提出を要求されました各般の訓令がございます。その訓令というものは準拠する一つのやはり規範と申してもよろしいかと思います。その訓令以外に規範をつくるかどうかということが検討中の問題でございまして、私は規範はつくる必要がない。というのはケース・バイ・ケースで、非常に治安出動というものはその対象が違うのでございまして、その対象の非常に違うものに対して最大公約数をつくるということになるというと、従来出ておる訓令以上のものではないと、こういうふうに考えます。ただしかしながら、間接侵略のごとき大規模なるものは、これはまた別個の問題でございまして、そのときには明瞭に、もの直接侵略とほとんど違わないような態様になりまするから、そのときには平素自衛隊が演練、訓練しておるその実力を直接侵略になぞらえて発揮すればいいのでございまして、いわゆる緊急事態というようなものと間接侵略というものとは、さい然区別すべきであると私は考えております。そこで、間接侵略は直接侵略に似てくる。その間接侵略にも私はたくさん態様があると思います。その間接侵略に対する一つの最大公約数ということもできますが、まず大体直接侵略に似てくる状態ではないか。でございまするから、旧安保条約には一国もしくは数国の外国の支援、干渉に基づく国内の内乱、暴動、騒擾等であって大規模なるもの、こういうふうに間接侵略の定義が与えられておったことは岩間さんも御承知のとおりでございまして、新安保条約には、そうゆうことの定義はございませんが、まず旧安保条約の間接侵略の定義がいま自衛隊法にございます「間接侵略その他の緊急事態」云々という自衛隊法第七十八条に規定する前半の間接侵略ではないかと思います。でございますから、間接侵略並びに間接侵略とは全然関係のない国内の暴動、騒擾、内乱等の場合であって緊急事態というようなもの両方に共通するような最大公約数というものを書くのは、やはり従来出ておる訓令程度のものである。もちろん各般の場合を想定いたしまして、万一に備えた治安出動の演習はしている必要はございます。この演習する必要がないというふうに自衛隊のほうでも誤解されておる向きもございまするから、この機会を利用させていただきまして、演習は大いにやって訓練をして、七十八条所定の事故が起きた場合には、国民の期待に沿うだけの活動のできる下地をつくっておかなくてはいけない、そのための実力部隊であると私は考えております。ただ間接侵略並びに国内の純粋の暴動、騒擾その他に備える最大公約数というものはおかしなものであると私は考えております。  それから、いま岩間さんが庁議をしたかどうか、庁議というものはあってもなくても——これはあるほうがけっこうでございまするが、長官がやはり相当長い問苦心、経験に基づきまして、私自身も勉強しておりますが、庁議というものは長官の補助機関でございますから、その点は誤解がないように願いたいと思います。庁議あるいは省議というものは長官、大臣の補助機関でございます。ということは、岩間さんも御如才ないわけですが、御理解願いたいと思います。
  208. 岩間正男

    岩間正男君 ちょっと長官にお願いしておきますが、先のほうまでずっと総論をやられますと、時間の関係もあるし、話がかみ合わな副いの署すね。私順々に聞いておりますから、そういうやり方をすると問題を明確にすることができないわけです。その点から、私の聞いたそのことだけ答えていただきたいと思うのです。いいですか、時間の関係もあるから。  そこで私は聞きますが、私が言っているのは、とにかく国会において再三答弁されたものです。約束されたものです。何回もこれは確約したものです。現総理さえちゃんとそのことを認めている事態なんです。同じ自民党内閣だ。自民党内閣でこのような答弁をした。しかし防衛庁長官が変わったからそれで変わるという事態ではないだろう、そのとおりでございますと、それだったら、一体藤枝防衛庁長官答弁に対してはこれは破約していると、また福田防衛庁長官のときも破約をしている。これはけしからぬじゃないか。そして、それについてははっきり処理するというような、そういうことでございますから、当然これは単に防衛庁の内部でどうしたという問題ではない。対国会の問題だ。国会議員とそれから政府との関係になっている問題なんだ。したがって、この問題を変更するというのは、庁議できめようが、同時にこれは私は閣議決定をして、政府意思として明らかにすることが必要だと思う。ところが、いま聞きますというと、政府でこの問題は検討されていない。しかしどうなんです。第一に、その点から言いますと、当然政府意思と、これは佐藤総理に私はあとで聞きますが、予算の総括ではっきりこの意思は明確にしようと考えているのだが、これは防衛庁長官だけの見解なのか、それから政府全体の見解として受け取っていいのかどうかということが一つ。それからもう一つは、この教範は今後絶対につくらせないということがここで言明できるのかどうか。それとも、あなたがやめるというこれについて、またこれを検討するとかなんとかという事態が起こるのか、これは非常に重大であります。行政の立場から考えたって、これはほんとうにいままでずっと検討して、最近まで検討中であるということを、あなたは衆議院の席上で、私がこう言ったときに防衛局長が不満な顔をしているけれども、私はそこでしかってやめさせたんでありますと言っているから、つくっているんだ、三月二日の回答のようにつくっていたのだ、ものはできていたのかもしれない。そうすると、あなたの一言で、ツルの一声かもしれぬが、長官の一言でやめたということになっているのだが、そういう事態があるのかどうか。私は何もこういうものを出してくれと言っているのではない。こんなものは全部廃棄しちゃったほうがいいという立場に立っているのですが、いままでの過程から言うと、政府の態度の重大な変更なんだ。これは単なる一訓令の問題じゃないですよ。この問題は、私は終始一貫いままでやってきた問題だから、これはどんなに日本の民主主義と深い関係があるか、これは核戦略体制の中における日本の体制とどんなに深い関係があるかということを私は考えているから聞いているんです。だから、いまのを閣議決定、ちゃんと政府意思としていいのか。それからもう一つは、今後つくらないのかつくるのか。あくまでこれは今後つくらないということを確認してよろしいのか、この二つ、簡単でいいから答弁してください。
  209. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) お答え申し上げます。簡単にしにくい場合もございますから、その点御了承願いたいと思います。  いま岩間さんは、われわれは治安行動教範なんかをつくったら絶対に不賛成だということを現におっしゃっています。そこで私は、あなた方の御意見等も参酌いたしておるわけでございまして、そこでまず簡単に答えろということでございますから簡単にお答えいたしまするが、従来検討中ということを各省大臣がいろいろと言っておりまするが、検討中を取りやめる場合に、一々閣議決定は必要としないということを申し上げておきます。
  210. 岩間正男

    岩間正男君 もう一つ、今後つくらないんですか、つくるのか。
  211. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 防衛庁長官増田甲子七の場合は、私は、あなたが絶対反対をなさる治安行動教範はつくらない、こういうわけでございます。あなたが絶対反対をなさっていらっしゃるのですから、許さぬとおっしゃっているんですから、そういうようなことも参酌いたしまして私はつくらない。将来のことまで覊束いたしていないのであります。
  212. 岩間正男

    岩間正男君 共産党の言うことを全部聞くのですかね、あなた。いつでも、今後は共産党が要求したら全部聞くのか。自衛隊もやめる、そうなるよ、いまのでは、そんなおためごかしの答弁では。そういうことでしょう。  それからあなたの代限りなんだね。そうすると、増田甲子七は最近の政治情勢ではあすにもやめるかも知れない。そうすると、これはわからないんだと、いまの答弁だと。しかし少なくともあなたの代の中で私は言えることは、これはつくらないと言ったのだから……。ところが、草案はものすごく流れておる。そうでしょう。三十六年から杉田一次幕僚長の名前で流しておる。この三千部、少しも回収されたあとはない。そのあと回収しましたか。回収したあと廃棄通知はしましたか。これをしなければあなたのことばなんというのはここだけのほんの一時のがれになってしまう。そうでしょう。だから、そんなこっちゃだめなんで、私は、少なくとも増田甲子七の一代限りにおいてははっきりつくらせないと言ったのだから廃棄しなければいけない。回収しなければいけない。回収しますか、廃棄しますか。この二点答えてください。
  213. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 共産党の御意見もいれてという「も」の字があるのですから、ちょっと御留意願いたい、先ほどの速記録には必ず書いてありますから。いれない場合だってうんとあるのです。あなたと私とは政治的な信条が非常に違うのです。いれない場合もありますがいれる場合もあります。「も」の字が入っております。それから官庁というのは自然人で構成されていますから、自然人のない官庁というのはないのです。そこで自然人増田甲子七が防衛庁長官を構成しておって、あとは手足であります。それで私のときには——一体私のときにはと言う必要はないのですが——私のときにはあと将来のことまで心配する必要はない。
  214. 岩間正男

    岩間正男君 廃棄は……
  215. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) ないものは廃棄ということはあり得ない。
  216. 岩間正男

    岩間正男君 流れておる。これはすでにいままでの政府委員答弁でも何ぼでも立証できますよ。これは現に流されておって、一部実施しておると思いますが、これをあげましょうか。だから、そんなこと言ったってだめだ。あなた知らないんだ、全然。
  217. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 私は知らないと言ったほうがいい、あなたのおっしゃったとおり。私は知らないですから、草案があるかないかも知らないが、長官が決済するときまっておるのですから、閣議決定までいけとおっしゃいますが、そこまでいけやしません。とにかく長官が決済するときまっておるものを、長官が知らないものを廃棄も何もないと私は思うのです。あなたは閣議決定とおっしゃいますけれども、そんなことはない。長官決済でよろしいものでございまするが、長官決済をしないのですから廃棄もない。もう論理上当然じゃないでしょうか。
  218. 岩間正男

    岩間正男君 それじゃ、今後これを使えば、結局これは違反ですな。その点は確認しておかなければならない。私の立場としては、あなたがほんとうにやめると言うなら、とにかくれこれを廃棄をして、そういう通達を少なくとも出す。それからこれを回収してそして徹底的にこれをなくすということをやらない限りは、どうもいまのような話では、非常にこれは一時のがれのことばになりますぞ、結果において。その点は確認しておきたい。それから閣議決定の問題も事重大だから、これはやっぱりその措置をとるべきだということを要求したい。時間の関係から次に移ります。  あなたは、とにかくつくらせない理由ということを先ほど言われました。しかし私たちは速記録で十分検討したのですが、こう言っておるわけですね。非常に具体的に言っておる点はこういうことばになるんだが、「治安出動教範というようなものは穏やかならぬものである、いけないということをいって教範をつくらせないことにいたしております。」あなたがこの衆議院の三月二日の予算委員会の中で言っております。いいですか、確認してようございますね。速記録がありますからごらんになりますか。——いいですな。
  219. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 結局、速記録に載ることばが責任あることばでございまして、速記録がそういうふうになっておるならば、これはそういう範囲において責任を負います。
  220. 岩間正男

    岩間正男君 そうすると、結局、穏やかでないからこれはつくらせないということだったのですな。そうすると、あなた見られたのでしょうか。草案を見たのでしょう。そうでなければ穏やかでないも何もない。わからない。見たのでしょう。
  221. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) そこで、ようやく問題の核心に入ってきました。去年の七月四日に衆議院の内閣委員会において武部文という衆議院議員が御質問になりまして、教範の草案と称するものをお読み上げになりました。それを私は聞いておっただけでございますが、私は聞いておりまして、非常に穏やかでないという感じがいたしました。元来、治案出動というものは警察力をもってしては治安の維持ができない場合ということを自衛隊法七十八条に書いてあるのです。  そこで、警察力はどういう場合に出るかというと、まず治安撹乱現象の規模の大きなものに対して警察機動部隊が出ます。その機動部隊ですら武器を帯びずに出るわけでございます、いまのところは。将来どんなケースがあるか、それはわかりませんが、いまのところは厳重に武器を帯びずに出ております。民衆を敵視するというようなことをしない。結局、国民の治安を維持することによってお守り申すという立場で警察機動部隊は動いております。私の前半生は警察の、一般警察、特高ではございません、普通警察を長いことをやっておりまして、ああいうような機動部隊の訓練とか、あるいはいろいろな行動をするとかいうような場合には、いささか経験を持っております。その警察機動部隊が教範がないのです。警察機動部隊というのはしょっちゅう出ますが、教範というものはございません。そのときの警察官の良識に従ってやっております。そこで、私のほうは教範はつくるべからずというのは、教範をつくると、何か教範によって特別に権利義務が出てくるような感じが与えられてしまうということを、私は法律を多少やったものとしては、おそれております。結局、自衛隊が万万一の場合治安出動した場合に、武器をどういうふうに使用するかというと、警察官職務執行法以上ではないのです。これは。その点が誤解があってはいけませんし、これは自衛隊員にも誤解があってはいけませんから、結局、教範をつくり、教範によって何か武器使用ができるかのごとき誤解を起こしてはいけません。要するに刑法第三十六条、第三十七条以上の場合に武器を使うということはないのですから、何か教範によって新しい権利が自衛隊員に設定されたごとく誤解を起こすといけないということも、法律を多少知っておるものとしての私の配慮からも出ておるわけでございます。
  222. 岩間正男

    岩間正男君 時間が限定されて非常にこれは窮屈な、まことにそういう点では申しわけないのですが、私は穏やかでないというのはどういうのを見られたか、穏やかでないという点はどういう点かということをお聞きしたのですから、それにだけお答えいただきますと助かるわけです、進行からいって。ところがずっとあなたはいつでも先回りされますから、そこのところやはり一言多くなくやっていただきたいと思います。  そこで、それじゃ私聞きますが、穏やかでないというの、どうも具体的に出ないわけで、さっき教範を武部委員が読んだというのですが、私、速記録を読んだが、少しも出てこなかった、出てこないのです。ただ、そういう問題について言いました。それが、朝日新聞のなにを出して、朝日新聞に出しているのを見た。しかし、こんなもんじゃない。それでさえもあなた穏やかでないと考えたのだが、そうすると、大体こういうことはどうなんですか。たとえば「引き抜きとは、スクラムを組み、あるいはすわり込み等により制圧部隊の行動を妨害する暴徒を排除するための基礎的戦術行動である」こういうようなことで、こういうことはやはり穏やかでないと考えますか。それから、時間の関係から次にいきます。非常に労働運動を敵視している、治安行動草案を見ますと。「暴徒の占拠している炭鉱地帯、工場地帯、電源地帯等を奪回するための制圧行動」こういうことを言っておるのでこれは電源地帯、炭鉱地帯、工場地帯にいるのは労働者以外にない。したがって、この適用範囲は、はっきり労働者である、こういうものを穏やかでないと考えるのか。第三には、「周辺の一般大衆をさえ広報、警告に応じなければ暴徒とみなして行動する」というのは、やはりこれはいままでの草案の性格です。こういうものがやはり穏やかでないと考えるのか。それからもう、人民大衆を初めから敵視して「暴徒は竹やり、刀剣等を所持し、ときとしては一部のものは拳銃、猟銃」云々、こういうようなことで、もう非常に人民を最初から敵視している。そういう想定の上に立っておる。それから、手段を選ばない。あなたは何も武器を使わないなどと言っているけれども、そんなものはどこからも出てきませんよ。あなたたちの出しているのを、何を見たって出てこない。しかしこれにはちゃんと出ているのです。三十五年のこの中には、はっきり出てくるのです。これはどういうものを使っているか、戦車それから装甲車、大砲、火炎放射器、ヘリコプターそれから催涙ガスそれから放水、射撃による銃殺、刺殺、刺突、その場合に自動車をねらったら必殺必死で死亡させるということを言っている。こういう点は穏やかなことになるのかならないのか。それから調査隊というものがあって、実は政府機関や民間機関の協力を得て情報をかき集めるというので、実際は絶えずこれはスパイ活動を展開している。こういうような性格のものがずっと草案の中身にあるわけです。こういう点は、あなたは不穏当だと考えられて草案をつくらないということをされたのか。この点は、あと時間が五分しかないので、これはそうだ、そうでないということでいいです。いまあげたようなことは穏かでないとお考えになりますか。
  223. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 私は昨年、七月四日衆議院の内閣委員会における武部衆議院議員の御質問内容の草案とおぼしきものとして指摘された文言に、こういうようなものを書いておいてはいけないという感じがいたしたわけでございます。  いま御指摘の点は、いま初めて聞きますが、そういうようなものもあまりよくないという感じがいたしております。
  224. 岩間正男

    岩間正男君 それでは私はお聞きしますが、いまの草案をつくらなくても、あなたは訓練は実際にやるのだという点は……。私はこの機会にはっきり確認しておきたいのですが、私は、ここは非常に重要だと思うのですが、草案はつくらないけれども訓練はやっている、その訓練の内容、これはじっくりここでお聞きすることはできないけれども、私は、ここの問題を特に質問したいのは、三軍総合の訓練体制になっていること、これはどうですか。陸上それから航空それから海上、三自衛隊三軍のこれは総合的な治安行動体制になっているということは、これは確認されますか。
  225. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 論理的にはいろいろなことが考えられますけれども、いま教範と言われたが、これは、従来検討したものは陸だけでございます。いま治安出動で言われたことは陸上自衛隊にだけ命じられることでありまして、事実問題として空とか海とかということはないと私は考えております。
  226. 岩間正男

    岩間正男君 これは私は正式にさっき資料要求したわけですけれども、これは昨日自衛隊からもらったのですが、これを見まして、私は実はびっくりしたのです。これは不用意でいままでもらっていなかった。昭和三十五年五月四日防衛庁長官赤城宗徳、自衛隊治安出動に関する訓令、この訓令の中で、われわれは非常に問題にしなければならないのは、この体制の問題です。あなたたちの出したのにこう書いてあるのですよ。出動部隊というのははっきり陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊の出動部隊等が同地域において行動する場合云々と、それから自衛隊の治安出動に関する訓令を見ますと、第一章の用語の意義そういうところなどに全部これは出てきます。部隊の中には、全部陸海空のなにが出てくるのです。昭和三十五年の五月四日安保闘争のまつ最中に、赤城防衛庁長官の時代につくられたのです。これは教範でもないでしょう。ところが、いまの訓令というのは、ほんとうに私も驚いた。これはいままで何回もこの問題は取り上げているのです。そうしてこの中で私は何回も聞いております。この訓令は、まさに三軍総合の、ことに最近の核戦略体制において二つの問題がある。一つは、日米共同作戦体制をどんどん強化していく、自衛隊の治安出動、それから安保条約の五条の規定によって装備体制を強化してアメリカの実際の核戦略体制下における戦術軍としてのこれの役割りを果たす。もう一つは、安保改定によっていままでの基地を守る。アメリカの基地を守る防衛隊の任務が一つ出てくる。もう一つは、内乱条項を削除されます。削除されますけれども、実際これは残っているわけですね。実際は、いざというときには、アメリカと相談する、これはあとで詳細にやりますけれども、しかし、そういう体制の中で、いまの間接侵略あるいは冷戦体制に対して、これは私はいままであげましたけれども、経済事情が非常に悪化してきて、どうしてもこれは国民が立ち上がってくるだろう、あるいはいろいろな平和な問題それから非常に物情騒然として大がかかりなそういう体制が出てくる、そういう事態の中で、これを押える。そうして実はアメリカの安保条約から見ますというと、アメリカにおける日本の基地体制を安泰ならしめる。そうしてここのところは、当然これは結局日本の憲法と抵触をしてきて、人民の非常に権利やそういうものが縛束されてきた。そうして結局労働運動あるいは平和運動、そういうものに適用されるところの人民弾圧体制なんです。この二つが実は安保体制におけるところの具体的ないまの姿です。これは自衛隊の性格です。自衛隊の性格は、そういうものです。これはほんとうにそういう点では、まさにアメリカの核戦略体制の中に従属する性格を持っていることは明確です。完全に独立していない。日本のこの体制の中における自衛隊の性格というものは、はっきり私はここに出ていると思う。そういう形での治安行動草案というものをわれわれは問題にしているのでありまして、したがいまして、当然これに対しては三軍を全部総合したような体制をつくつっていくかどうかということをしばしば私は聞いたわけです。ところがこれに対して、あらゆる場合に、そらすような答弁をしている。これはここにおいでになりませんが、堀田教育局長がこの答弁をしているのがあります。それから海原いまの国防会議事務局長なんかは、こう言っていますよ。その一説を読んでみますと、「航空自衛隊はパイロット、サイト勤務員等でありますが、陸上部隊のように治安行動に出ることはむずかしいし、同じように艦船に乗り込んでおります海上自衛隊は、陸上のようには動けないわけでございます。したがって陸海空の総合した統合的な草案にはならないと私は判断する。」ところがまっかのうそです。この答弁をしたのは、昭和三十九年、そうして三十九年にこのなにが出ているじゃないですか、これに陸海空がはっきり総合して活動すると書いている。どうなんです、こういうことじゃ話にならぬだろう。
  227. 亀田得治

    委員長亀田得治君) それじゃ最後の答弁になると思いますが、増田防衛庁長官
  228. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) お答え申し上げます。  まず、日米安保体制は、日本がアメリカに隷属しているわけじゃありません。国連憲章第五十一条に基づいてどこの国とも集団安全保障条約を締結することができる。それで中ソの安全保障条約もできておるし、ワルシャワ安全保障条約もできておるし、またNATOの保障条約もできておる。で、この安全保障条約からいたしまして、一つの日米安全保障条約ができている。ということを国民の前に明らかにすべき意味におきまして、岩間さん御存じでありますが、お答えしておきます。  それから陸海空治安関係、このときに内乱があれば、アメリカ軍が出るのじゃないかということですが、そういうことはありません。  新安保と旧安保と違うところは、旧安保の草案は、私はタッチしておりますから言えます。すなわち旧安保には、間接侵略があって日本政府の明瞭なる要請があるときは、米軍は出動するものとすると書いてあります。新安保は直接侵略しか書いてないのでありまして 内乱に出るということは、これはまっかなうそでございます。それから赤城宗徳君がどんな訓令を出そうとも、訓令は法律以上のことは書いてないのです。そこで陸上自衛隊は主として陸上において、私の有名な答弁というのがありますが、あれは法第三条に書いてあるとおりでありまして、また、共同して行動することもある。陸海空が共同して行動するということも、また自衛隊法に書いてございます。それを受けた七十八条の、万々一のきわめて希有だと思いますが、治安出動の場合、その治安出動というものは、多くは陸上自衛隊でございましょうが、観念上は自衛隊法第三条に基づいた陸のみならず、空も海もあるいは共同ということもあり得るのでございまして、赤城宗徳さんがどんな訓令を出そうとも、法律を破った、法律以上の訓令というものはあり得ないわけでございまして、自衛隊法に基づく訓令でございます。  それから治安行動教範というものは私は検討はいたしておりませんが、各般の場合を想像いたしまして、自衛隊が七十八条に基づいて国会の事後承認のもと、内閣総理大臣の命令で出動した場合に用をなさなくてはいけませんから、その用をなして国家国民をお守り申す、一億国民をお守り申すためには各般の場合を想定して演習するのは当然である、私はしかるべきことであり、訓練して継続してやってもらいたい、こういう立場で臨んでおります。
  229. 岩間正男

    岩間正男君 きわめて重大だから、一問だけ許してください。これ以上、しません、こときわめて重大、これは時間があったらあなたのいまの発言を私はすべて反駁する何を持っています、材料をね。たとえば、なるほどこの内乱条項は削除された、そして米軍はこれは表面の舞台から退いたようになっております。しかし重大な間接侵略態勢の中でははっきりこれはアメリカと相談する道を開いておる、現にこれは自民党のあれに出ているじゃないですか、安保当時の説明書の中に。そういうのだから心配するなということを出しているのです。これは問題になったことがある。それはまた法的にもほかの二国間の協定なんかと比べまして、日本の場合は違うわけです、この規定も。しかしここはここで詳細にやる時間ありませんから、この問題は保留しておきましょう。あなたとすぐにまたこれは予算の分科会でこれは相まみえるときもある。それからいまあなたは問わず語りをいま一つやっているわけですね。訓令は法律以上より出ないといったでしょう。その訓令をもとにして、どうなんですか、この訓令だとかいままで出したいろいろな法規とか、いろいろなものがございますから、そういうものをもとにして演習をやると、あなたははしなくも言っているでしょう。これはどういうことですか。これは全く自己否定ですよ。そうなりましょう。だから赤城防衛庁長官のこれなんというものは、非常に重要な拠点として、そうして公明党の正木議員もこれをもとにして向こうで論議しているじゃないですか。この中で三度くらい質問した、それに対してまことしやかに答えているでしょう、これはどうなんです。いまの発言はどうなるのです。だから一時のがれじゃだめなんですよ。そして、しかも私が言いたいのは、実際あなたはこの内乱態勢の中で非常に重要だ、どうしてもそういうものは必要だということを言われていますが、これも決してあげ足取りというわけじゃありませんけれども、あなたははしなくもこれはたいへんなことを言っておられますよ、それはいままでのあれの時代ですね、旧軍時代においても大震災のこともある、それから米騒動のときのこともある、そういうようなときもございますから、こういう場合にどうしてもやはりそれに対する人民の暴動的なものを押えるために、これは必要なんだというような意味のことをあなたは答弁されておるわけです。ところがどうですか。明治百年の態勢の中で私たちはほんとうにこの問題は真剱に、これはあなたも考えていただきたいと思うのですが、あの大震災というのは、あれは何ですか。あのとき軍隊は出動した、たしか。しかし、あのとき何千の一体朝鮮人を不当な罪をきせて一体虐殺したのですか。こういうものに使うという意味ですよ。米騒動見てください。あの米騒動だって全くあの当時の人民の生活は耐えられなくなってきたわけです。そういう事態の中で当然あのような事態が起こったわけでしょう。それに対してどうですか。たいへん、これに対する弾圧のきばをむき出しまして、全国でも何人も逮捕され、なかには射殺され、それからばく大な数が告訴されています。そういうふうに考えますと、あなたの不用意にもらされたことばというものも私は非常に重大なことだと思うのですね。そういう形でちゃんと用意しておくのであるか。米騒動については歴史がはっきり証明しているのです。それから大震災については歴史がはっきり証明しているのです。人民弾圧のなまなましい記録です。旧帝国主義のなまなましい記録ですよ。今日でははっきりしているのですよ、歴史の上に。私はここで具体的な実情をいま指摘しませんけれども、そういう事態になっているのじゃないですか。だから、そういう点について、もっとやはり真剱にこの問題を考える必要がある。時間がありませんから、これはいずれもう一ぺん時間を相当もらって、あなたともう一ぺん対決したい。
  230. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) 一言申し上げます。何か私がたいへん失言したということをおっしゃいますが、私はあなたの指摘されたような具体問題はひとつも私は言っておりませんから。あなたのほうで過去におけるいろいろな事案を言っているわけで、私は過去における事案はひとつも申しておりません。したがって、速記録等にも何も書いてございません。何も言っておりません。私は大正十一年なんということさえ言いやしませんから、全然言いやしないのですから、大正十一年、言わないということだけは速記録に残るでしょうから、何も言っておりませんから、とにかくそれ以上私は言っておりませんから、どうぞ誤解をなさいませんように。  それから法律に基づく訓令に従って治安行動の各種の演習をしておること、訓練をしておるということは当然しかるべきことで、自衛隊の任務である、こう考えております。
  231. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 岩間君、もう時間が……。
  232. 岩間正男

    岩間正男君 昭和四十二年七月六日、衆議院全内閣委員会の記録、増田防衛庁長官答弁の中で「警察力をもってしては不足の場合ということは、米騒動なんかのときにあったのです。それから関東大震災のときにもございまして、」はっきりそう言っております。この関東大震災の弾圧というものは一九二三年九月一日、関東大震災の中で戒厳令を布いて、治安維持の名目で起こした白色テロの事件です。在日朝鮮人の虐殺が何と六千名以上。亀戸事件、共産主義青年同盟初代議長河合義虎はじめ、南葛労働会の指導者九名を検束、軍隊の銃剣で虐殺。大杉栄夫妻虐殺、憲兵大尉甘粕正彦に虐殺された。  米騒動に対する弾圧は一九一八年、大正七年の八月から九月。特に主食である米価の暴騰が勤労人民を苦しめた。これに反対して起こった全国的大衆運動。二カ月間、全国一道三府四十三県、一千万人が参加。これに対して警察ばかりでなく軍隊が出動、勤労人民と軍隊、警察との流血の衝突が各地で起こり、銃弾や刀剣で殺され、傷つけられたものが多数にのぼり、全国で七百七十人の人民が検挙、起訴された。そうしてそのときの軍隊の出動は、全国の出兵地点は三十四市、四十九町、二十四村、計百七カ所である。出動軍隊は空砲を放って威嚇し、さらには銃剣をもって突撃し、はなはだしきに至っては実弾を放った。このため多数の死傷者を出し、死者だけでも大阪、和歌山、神戸、呉の各市、山口県宇部村、福岡県添田町、二瀬村、佐賀県相知村の八カ所で計三十名にのぼる。こういうような記録が歴史的事実ですわ。だから、ちゃんとあなた言っているのだ。お互いに忘れるということありますから、その点について責めるわけじゃありませんが、しかし、記録だからごまかすことができない。まあ、これで終わります。
  233. 亀田得治

    委員長亀田得治君) いいですか、長官
  234. 増田甲子七

    国務大臣増田甲子七君) きりがないから……
  235. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 大森君。
  236. 大森創造

    ○大森創造君 まずお伺いしますけれども、いま使っている戦闘機のF104Jですね、これのスピードはどのくらい出るんですか。
  237. 島田豊

    政府委員(島田豊君) 約三万五千フィートの高度において二マッハと称しております。
  238. 大森創造

    ○大森創造君 マッハ二出ないというじゃないですか。
  239. 島田豊

    政府委員(島田豊君) もちろん、普通、巡航速度で飛んでおります場合には、それほどのスピードは出しませんけれども、ある条件下におきましては、十分マッハ二のスピードは出るということでございます。
  240. 大森創造

    ○大森創造君 全重量というか、火器を塔載したときのスピードを言うんじゃありませんか、普通。火器を搭載したときに、全重量のときにはどのくらい出るんですか、スピードは。
  241. 島田豊

    政府委員(島田豊君) それは、もちろん、このスピードはどういう高度をとるか、あるいはどういう兵器を搭載しているかということによってスピードもおのずから変わってまいりますが、まあ通常の場合に一マッハ以上もちろん出しておりますし、訓練等の場合におきましては、一マッハ以下で飛ぶということも、これはあるわけでございます。したがいまして、どの程度の武装をしたときにどの程度のスピードか、ちょっといまその正確な資料を手元に持っておりません。
  242. 大森創造

    ○大森創造君 ロッキード、グラマンで相当な戦争をやりましたな。これは世間周知の事実でございますけれども、そのときにロッキード、グラマン社が、買うときには大体全重量のときに、火器塔載のときにマッハ二以上出るという約束ではありませんか。
  243. 島田豊

    政府委員(島田豊君) 契約のときのそういう条件についての約束を、私、ちょっと承知しておりません。
  244. 大森創造

    ○大森創造君 私の考えでは、契約したときには全重量火器を搭載したときでもマッハ二以上出るというのがF104Jの性能だろうと思うのでありますが、第一線のパイロットに聞きますというと、火器を搭載した場合にはマッハ一も出ないという話しを聞いているわけです。これは、ひとつお調べいただきたいと思うのですが、そうするというと、どうもわれわれは非常に驚くわけです。マッハ二の超音速の戦闘機F104Jというものが、これは亜音速の戦闘機になるんでしょうが、マッハ一以下。この事情を、まあ時間がありませんから、あとでひとつ御報告いただきたいと思います。  次にお伺いしますが、一等空佐の山田良市さん以下八名が海外技術資料収集班ということで次期戦闘機の問題について海外に行かれましたけれども、そこでお伺いしたいのは、どういう国に行かれて、それからいつ出発されて、いつ帰って来られたか。それから出張の総経費は幾らですか。
  245. 島田豊

    政府委員(島田豊君) 山田一佐を班長といたします海外資料収集班、この一行は昨年の十月の下旬から約八週間にわたりまして、一行八名でございますが、この人たちが欧州六カ国——米、英、スウェーデン、西独、フランス、イタリアの国に参りまして、各国の戦闘機についての技術的な資料の収集にあたったわけでございます。  その程度でよろしゅうございますか。
  246. 大森創造

    ○大森創造君 経費は幾らかかっておりますか、わかりますか。
  247. 佐々木達夫

    政府委員佐々木達夫君) FXの海外資料収集班の八人の要した外国旅費は七百十四万一千七百五十一円でございます。
  248. 大森創造

    ○大森創造君 そのとおりですね。総経費ぴったり五十一円まで当たっています。  それで、次にお伺いしますけれども、いわゆる世界にはいまFXについて二十幾つかございますけれども、日本でいまの海外資料収集班のお調べになった機種は幾つで、そうしてどういうものがあって、いいですか、時間がありませんから、利が要求しただけの答弁をしてください。どういう機種であって、それからメーカーはどこで、座席数は幾つで発動機は幾つか、このことに限ってがけお答えいただきます。
  249. 島田豊

    政府委員(島田豊君) 調査の対象といたしました機種は九機種でございます。申し上げますと、アメリカの航空機としましてはF111、F4、それからCL系列機、それからF5、N530、それからフランスでミラージュ系列機とジャガーでございます。それからスウェーデンでビゲン、イギリスでライトニングでございます。  その機体関係のメーカーとしましては、いまの順序で申し上げますと、F111がゼネラル・ダイナミックス、F4Eがマグダネル・ダグラス、それからCL系列機がこれはロッキードでございます。それからF5がノースロップ社、それからN530、これもノースロップでございます。それからミラージュは、これはフランスのマルセル・ダッソーでございます。それからジャガー、これは英仏共同でつくっております会社でございまして、セペカットという会社でございます。それからスウェーデンのビゲン、これはサーブ社でございます。それからイギリスのライトニングは、BAC、こういう会社でございます。  エンジンの基数につきましては、F111が二基でございます。CL系列機が一基でございます。それからF5が二基でございます。N530、これが二基、ミラージュが、これが一基でございます。それからジャガーが二基でございます。ビゲンが一基でございます。それからライトニングが二基と、こういう状況でございます。  なお、座席の数につきましては、F111とF4、これが座席が二つございまして、それ以外は全部一つでございます。
  250. 大森創造

    ○大森創造君 いまN530とおっしゃいましたけれどもアメリカのノースロップ社ですか、これは。
  251. 島田豊

    政府委員(島田豊君) そうでございます。
  252. 大森創造

    ○大森創造君 それでよろしゅうございますけれども、日本の扱い商社、この商談ができた場合の扱い商社をおっしゃっていただきたいと思うのです。
  253. 島田豊

    政府委員(島田豊君) これは御承知のとおりにわが国としましては、次期戦闘機の選定につきましては全く白紙の状況でございまして、まだそういうふうに世界各国のいわば一流の戦闘機につきまして資料を収集しておる。それにつきまして目下検討しておるという段階でございます。したがいまして、こういうそれぞれの機種につきまして日本の扱い商社がどういうふうになるかということは、まだもちろんきまってもおりませんでしょうし、またわれわれとしてもそういうものを調べる段階にもなっていないわけでございます。
  254. 大森創造

    ○大森創造君 扱い商社の未定のところもございますが、はっきりきまっているところもございますわね、これは。こいつはこれ以上は議論いたしませんけれども……。  それではお伺いしますけれども、一体この次期FXについて、防衛庁空幕として選定基準というのがあるでしょう。ただ、ばく然とヨーロッパやアメリカを回って機種を選定するわけじゃないでしょう。選定基準というものがあればひとつお答えいただきます。
  255. 島田豊

    政府委員(島田豊君) 選定基準としてのまだ具体的なものを定める段階には至っていないわけでございますが、ただ次期戦闘機を整備いたします考え方としましては、従来F104あるいはF86FあるいはDによって維持してまいりましたわが国の有人機によります防空要撃能力というものを、逐次これらの機種が減耗を生じます傾向にありますので、それに対処いたしますために要撃能力を維持し、向上していこう、こういう観点から選択にあたるわけでございまして、したがいまして、まだ具体的な個々の航空機を選択するについての基準というものは定まっておりませんが、そういう観点からしますと要撃機としての性能、たとえばスピードでありますとか、上昇力でありますとか、あるいは航続距離でありますとか、離着陸性能あるいは搭載します武器、こういうもの、あるいは航空機としての安全性あるいは経済性と、こういうふうな点を重視しまして、今後検討せらるべきものだというふうに考えておるわけであります。
  256. 大森創造

    ○大森創造君 少しばく然としておると思うのですが、私の考えでは、この資料の収集班が集めた資料を分析したり、いろいろなことをするのは、まず基準があってしないと非常に混乱を起こすだろうと思うのです。そこで私お伺いしますけれども、大体ヨーロッパ系、欧州ものというものは、いまのお話によるというとフランスのミラージュと、それから英仏共同開発のジャガー、それからスウェーデンのビゲンということになりますね、それからイギリスのライトニング、これは大体日本では買うことができないでしょう、その四つは不可能でしょう。
  257. 島田豊

    政府委員(島田豊君) 現在はアメリカの航空機とか、あるいはヨーロッパの航空機とか、そういう問題には一切とらわれないで、客観的に今後防空要撃能力を向上するという観点から、どういう機種が最もわが国の防空上必要であるかというふうなところに焦点をしぼって検討いたすわけでありまして、御指摘のような米国とか、あるいは欧州というふうなことによって、この選択を左右されるというものではないというふうに考えておるわけであります。
  258. 大森創造

    ○大森創造君 公式にはそうでしょうけれども、私はこう考えるのですよ。次期戦闘機というものをこの前のロッキード、グラマンの問題にも触れますけれども、どういう機種にしようかということについて、そのことを目的にして長期間八人の方がヨーロッパ、アメリカに行かれたということであるからには、世界に戦闘機というものはいま使われているのは二十数社あるわけですから、そのうち九つにしぼった、しかし私の考えでは九つのうちで、いま申し上げましたイギリスのライトニング、ジャガー、それからミラージュというものは大体これは不可能である、日本で次期戦闘機に採用することは不可能な事情がある。それはいろいろな、いまお話のように各種のすぐれた戦闘機を実物によってごらんになるという目的ならば別ですけれども、次期戦闘機というものを、どういう戦闘機を採用しようかという観点から、海外資料収集班が行かれたとすれば、いま申し上げた欧州ものは不向きだということです。これは私のほうで申し上げますが、いまの段階ではあなた方のほうではいまのお答えのようになるでしょう。優秀な飛行機を九つ見てきた、いまのF105Jですか、それからF86Fなどに比べてさらにすぐれた飛行機をということで、それぞれ見学をされることはわかるけれども、次期戦闘機には初めから、のっけから除かれているのではなかろうかと思います。防衛庁の方も実は腹の中でそう思っておられるのではないか。という事情は、大体がこれはできないでしょう。たとえばジャガーにしてもビゲンにしてもライトニングにしても、こんなものを日本でライセンス生産するということになれば大問題でしょう、そう思いませんか。まず設備の問題がありますね、設備や備品を長期間輸入してストックしておかなければならぬという事情が一つあると思います。それからもう一つは、何から何までアメリカの軍事援助と協力によってアメリカ式になっているわけですね日本の飛行機というものは。アメリカのメーカーのライセンス生産方式ですから、これは私から申し上げるまでもなく、空幕創設以来、自衛隊創設以来、一切がっさい、生産技術だとか訓練技術だとかというものはいままで全部アメリカ式になっているわけです。生産方式、それからタラップなどの付帯設備、ありとあらゆるものがみんなアメリカ式になっているという事情からして、これを欧州ものに切りかえるということは、これは口では言えるけれども実際問題として私は不可能だと思う。それからさらにドル防衛の観点から、佐藤総理以下アメリカに協力するということを言っておりますから、もちろん使節団が海外に行かれた当時とは事情が違って、さらにゴールドラッシュというものがエスカレートされております現在でありますから、その必要性は一そう高いと思うのです。だから大体欧州ものを日本で次期戦闘機に採用するなどということはどだい乗れない話だと思うのです。一つはいま申し上げましたように、いままでの生産技術の問題、訓練技術の問題、それからさらにこちらはフィートですね、いまお答えになりましたようにフィートですね。ところが欧州ものはメーターのところが多いということです。これは防衛庁並びに空幕のほうでは常識じゃありませんか。一応は行ってみるけれども、いま言いましたような、イギリスのライトニングだとか、ジャガー、ミラージュ、ビゲン、そういうようなものはいかほど優秀な飛行機でも、日本の置かれた立場からいうと欧州ものは輸入できないという立場にあるのではありませんか。ですから、いまお答えのように、次期戦闘機についてのその資料収集ということにはのっけから欧州ものははずされていてしかるべきものである。ところがいまお答えのように、すぐれた優秀な戦闘機を見学しようというなら意味がございますけれども、次期戦闘機に採用するというその必要からは、私は行く前からはずれていっているんじゃなかろうかと思う。これは皆さんそう思いませんか、不可能ですよ、と思います。
  259. 島田豊

    政府委員(島田豊君) 先ほど来申し上げておりますように、まだ次機戦闘機の機種選定につきましてはわれわれとしては全く白紙の状態でございまして、いまこの段階でそういうふうな、いま御指摘のような観点からここで選択をするということは私どもとしては全く考えていないわけでございまして、それは今後具体的な優秀な航空機としての選定基準を定めるにつきましてそれの問題に即してきめられていくべきものだというふうに考えるわけでございまして、もちろんそれは後の経済性の問題、あるいは補給の問題等は当然考慮されなければならないと思いますけれども、御指摘のような線で最初からきめてかかるということはこれは長官もお考えになっておらないと思いますし、私どももまた考えておらないわけでございます。
  260. 大森創造

    ○大森創造君 そういうお答えだろうと思いますけれども……。
  261. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 大森君、官房長はちょっと予算委員会に呼ばれておりますので……。
  262. 大森創造

    ○大森創造君 これは次期戦闘機というのはいつ決定の予定でございますか。
  263. 島田豊

    政府委員(島田豊君) 三次防の計画からいたしますれば四十四年度から整備に着手するということを考えているわけでございますが、したがいまして、そういう意味では来年度の予算に間に合う時期までに決定というふうに考えております。
  264. 大森創造

    ○大森創造君 そうすると今年中ということになりますね。次期戦闘機の決定は、私の聞くところによりますと八月から十月までの間に決定されるということでございますけれども……。
  265. 蒲谷友芳

    政府委員(蒲谷友芳君) いま官房長がお答えしましたように、四十四年度予算に間に合わしたいという意味は、大体この暮れにわれわれは予算を組んで大蔵当局に出す必要がありますので、そういうことを勘案して決定する必要があるというふうに考えております。
  266. 大森創造

    ○大森創造君 ですから、私は次期戦闘機というのが未定の段階で騒がなきゃいかぬと思うのですよ、未定の段階で。この前のロッキード、グラマンの一大戦争がありますからね、国会周辺で。そろそろ始まるだろうと思う、私のほうにもそういうニュースがずいぶん入っておりますから、終わってからではとても国民のためになりませんから、私はだから継続的にこの問題を質問いたしたいと思うのです。そこで、いまのような九機種のうちで、欧州もの、ミラージュ、ジャガー、ビゲン、ライトニングなどというものは、初めから、のっけからはずれていると。一、二、三、四と、そうすると、あと残るのは五つだが、その五つのうちでも、これは技術的にお伺いしますけれども、事実をお答えください。アメリカものになるときまっていると私は思うのです、結論を言いますと。そのアメリカもののうちで、F5というのをおっしゃいましたけれども、これは要撃能力も非常に劣るし、マッハが大体一・五以下ですね。そうしますというと、F104Jというものがことばどおりだというと、マッハ二以上だということでございますが、まあ全備重量をするというとマッハ一出ないという亜音速の戦闘機であるということも聞きましたけれども、これはとにかくアメリカではT38の改良型である、練習機の改良型である。トイ・ファイターと言っているのだそうですね。一時代前の飛行機である、おもちゃの飛行機である。ですから、F104Jよりも性能の高い飛行機を求めるという防衛庁の立場からするというと、このF5というものは、武器搭載能力からいっても何からいうても、これはもう次期戦闘機の候補からはずれるものというふうに私は解釈する。あなた方のお答えはどうかわかりませんが、おわかりでしょう、これは皆さん方専門家ですから。軍事援助用として後進国にくれてやっている飛行機ですね、F5という飛行機は。これは候補に選ぶこと自体が私はおかしいと思うのです。いかがでしょう。
  267. 今泉正隆

    説明員(今泉正隆君) お答えいたします。  先ほど来お答えいたしておりますとおり、九機種の中からいずれを選ぶかということにつきましては、全く白紙の状態でおるわけで、ございますが、先生ただいまお尋ねのF5につきまして、実はこれのみならず、九機種につきましていろいろの状態において、どういった性能があるのかということをいわゆる運用分析をいたしておる段階でございます。  そこで、F5についてどうだというお尋ねでございますが、現在の段階では、持ち帰りました資料その他の資料によってお答えいたすわけでございますが、F5について申し上げますれば、最大速度は、三万六千フィートの高度で一・四マッハでございます。それから航続距離、これは最も経済速度で飛んだ場合の距離でございますが、最大の距離でございますが、約一千五百海里でございます。武装は、20ミリ機関砲、サイドワインダー、ロケット、爆弾ということになっております。
  268. 大森創造

    ○大森創造君 あなたは御存じだと思うのですが、サイドワインダー、バルカン砲が積めるとか、そんなことはこれから日本が、防衛庁が購入するというFXの候補としては、これは全然問題にならない飛行機だということは、専門家が全部言っておりますね。F5になるはずがないでしょう。私が申し上げたように、これは軍事援助用として後進国にくれてやっている飛行機ですから、こういうものをF104Jのあとの飛行機として日本が採用するはずがないんです。しかし、いまの段階では、防衛庁、空幕の皆さん方、お答えはいまのようなお答えになるということは、かねて予想しております。しかし、私は、断言しますよ。これは絶対に次期戦闘機の候補になるはずがない。いま申し上げたとおり、性能が非常に低いということです。  それから、F111。これは、これも御存じだと思いますけれども、アメリカが最近六機ベトナムのほうにやって、そしてレーダー誘導の飛行機です。非常に足が長くて、核爆撃ができる戦術戦闘爆撃機ですね。これはB52の後継機と言われておるわけで、アメリカですら六機しか採用していないという優秀な飛行機です。値段も、ほかの飛行機がせいぜい高くて五、六億から七億か八億、十億、どまりなのにF111、という飛行機は非常に高性能なので、これは三十億するそうですね。そして、これをアメリカが渡すはずがないというわけです。アメリカは出さない。御承知のように、いまベトナムで使っている飛行機は、F4Eファントムですね。その飛行機が出ていたときに日本に出した飛行機がF104Jですから、これは取っておきのアメリカの飛行機であって、絶対に日本には出さない。ファントム機が出現したときに、F104Jしか出さないのですから、アメリカとしては一段階おくれた飛行機を出すという伝統的な考え方がありますから、これを日本に出すはずがない。もう一つは、この飛行機を日本で採用した場合には、核弾頭ミサイルがはっきりつけられますから非常に不安を感じます。それからもう一つN5305といいますか、私のほうではP530——ノースロップ系の飛行機として、ペーパープランで、まだ設計段階であって、現実米軍も採用していないということです。ですからどだい日本の空幕でこれ庁候補にあげること自体がおかしいと思うのです、P530というのは。そうするとさっき申し上げたようにミラージュ、ジャガー、ビゲン、イギリスのライトニングの四つ、それからP530、いま説明申し上げたとおり。それからF111というやつ、それからもう一つはF5、この七つが、私の推定でなくしてこれはもう常識です。防衛庁の中の常識であるし、飛行機のことに詳しい人だれに聞いてみても、九機種のうちで、この七つはのっけからはずれてしかるべきである。先ほど申し上げたように、すぐれた飛行機あるいはおくれた飛行機を見学に行くのはいいけれども、次期主力戦闘機として日本の防衛庁が採用するためには、七つはだめだというのが常識ですよ、だれに聞いても。防衛庁の方も実は腹の中でそう思っておられる、しかし、私がこの委員会で質問するというと、いまのようなお答えが返ってくる、私はこれは十分予想しております。そこで残ったのは何かというと、いまベトナムで使われているF4Eファントム、それからCL1010という飛行機を同じように性能を検査している、各種の資料を集めている、そうして紙の上で検討していると言いますけれども、私がいまここで申し上げるのは、きまってしまう直前になるとおそいですから、私はここでこの委員会の場を通じて、国民にかわって警告しておくわけです。これは防衛庁の事務の段階でないのですから、この前のロッキード、グラマンのときも、最終段階においては政治力によって決定されたのですから。ですから私がいま申し上げたようなこと、これに対して答弁は求めませんよ、紙の上で検討しているというお答えが返ってくることは私は予想しておりますから。だけれども、繰り返して申し上げますけれども、欧州系のものはだめだ、四つはだめ。検討してみて採用されるはずがない。それからあとアメリカのものは三つだめな事情ははっきりしておりますから、残ったものはいまベトナムで使われているF4Eファントム、それからCL1010という両機種になるわけであります。そうなるのが実情でしょう。お答え要りませんけれども、お答えがあったら……。
  269. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) 大森先生の御意見、貴重な御意見として拝聴いたしますけれども、現在におきまする防衛庁の考えなりを進めております段階におきましては、先ほど来官房長、一課長が申し上げましたとおり、全くいま白紙の立場で運用分析等いたして、その性能あるいは安全度、経済的な面、そういう点を検討を進めている段階でございます。お許しを願いたいと思うのでございます。
  270. 大森創造

    ○大森創造君 そこで、それではお伺いしますけれども、私どもその言わんとするところはあれなんですよ、九機種のうち二機種にしぼられる。一番有力な飛行機はその二つでしょう。
  271. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) いろいろな御意見もあろうと思いまするが、また二種に限定するまでの段階にまいっておりません。検討を進めておりますので御了解を願いたいと思うのでございます。
  272. 大森創造

    ○大森創造君 その二機種の争いになりますよね。今度はグラマン、ロッキードではなくて、CL1010それからF4ファントム、この二つの争いになりますよ。私がここで質問をしないというと、この熾烈な戦いが始まります。一カ月か二カ月三カ月たったときに。あっと驚いたときにはおそい。だから私は申し上げておる。この二つのうちのどちらかです。そこでお伺いしますけれども海外資料収集班の人の報告によるというと、このCL1010、これが私は有力な一つと申し上げているのですよ。単座、単発、ロッキード社で、値段は六億から七億と聞いております。で、このマッハは裸で二・四程度であるという。これのエンジンはこの前TXのエンジンについて質問しましたけれども、このCL1010という機種のエンジンは何ですか。
  273. 今泉正隆

    説明員(今泉正隆君) エンジンはJ79′−GE−19と聞いております。
  274. 大森創造

    ○大森創造君 何でこんなことを聞くかというと、これは意味のあることなんです。GE1ということですか、そのエンジンは。それと同じものですか。
  275. 蒲谷友芳

    政府委員(蒲谷友芳君) いまの御質問はTXエンジンのGE1ということだと思うのですが、あれはGElDCL1という長い名前で、特にわれわれはGE1と言っておりますが、GEのつくっているエンジンの中で違うものだと思います。
  276. 大森創造

    ○大森創造君 それで、それではお伺いしますけれども、ミラージュの、フランスのミラージュというやつのエンジンは何でしょうか。
  277. 今泉正隆

    説明員(今泉正隆君) ミラージュ系列機のエンジンは、スペルで申しますとSNECMA、シネクマ、アタール、ATARのJ93′−50またはJ−79′−G−J9というものでございます。
  278. 大森創造

    ○大森創造君 フランスのシネクマJということですね。それからもう一つお伺いします。スウェーデンのビゲンT37という飛行機のエンジンは何ですか。
  279. 今泉正隆

    説明員(今泉正隆君) ビゲンのエンジンはRM8、アメリカ製のものを改良したものであると聞いております。
  280. 大森創造

    ○大森創造君 これはJT8Dにプラット・アンド・ホイットニー製のアフターバーナーをつけたものでしょう。それと同じものなんですか。
  281. 今泉正隆

    説明員(今泉正隆君) 先生のお話のとおりでございます。
  282. 大森創造

    ○大森創造君 どうも私どもはしろうとでございますけれども、いままで海外資料収集班の方が行かれたのは、先ほど私が申し上げたとおり、時間がありませんからくどくは申しませんが、CL1010とF4ファントムという飛行機は、両方ともアメリカ製でございますけれども、そっちにしぼったとは言わないが、そちらを重点的にお調べになっておりますね。実際に行った場所。ここで問答はいたしませんが、私どもで調べました。すなわちF4Eファントムというものはマグダネル系ですね。それとロッキード系のCL1010のところは非常に集中的に向かっているわけです。それから細密検分というものは実際にその飛行機に乗ったり何かすることだろうと思いますけれども皆さん方御承知のとおりこの点についても両機種に大体しぼられているような感じがするのです。私はそこできょうの段階では、防衛庁長官もその他防衛庁のどなたも明確にお答えになれませんから、私の推論を土台にしてひとついまから話をしますけれども、この両機種というものがこれのうちどちらかになる必然性を持っております、私どものほうの調査では。そこでこれエンジンメーカーで行ったのはGEだけなんですね。そうでしょう。
  283. 今泉正隆

    説明員(今泉正隆君) お答え申し上げます。先生の先ほど来の御質問で両機種にしぼっておるんではないかという御推論をなさいますが、まあその点は政務次官以下否定をしておるところでございますけれども、もう少し具体的に申しますと、今回海外資料収集班が調査対象、調査をいたしました対象の機種が九つである、ということは、具体的に申しますと、現在自由圏諸国で使用しもしくは開発中の新鋭戦闘機のうちで、すでに生産を中止したりあるいは開発を中止したりしているものや、あるいは私たちがかねて三次防末ころまでにはわが国で取得をしたいという、そういう見込みのないもの、そういったものを除きましたものが九機種でございます。この九機種についてそれぞれの国に、またそれぞれの機種を現在使用しておる国について、運用状況そういったものを調査をしたわけでございます。   〔委員長退席、理事温水三郎君着席〕
  284. 大森創造

    ○大森創造君 それはわかっております。世界でいま使用されている飛行機が二十幾つかある。このうちソビエト圏の飛行機などは取らないですね。それからペーパー・プランのものもあるということで、九機種にしぼったということですが、いまのお答えによるというと九機種のうちから次期戦闘機を選ぶということ。そういう目的のために海外に行かれたということでございますが、私の言わんすることは、そのうちの七つはこれはもう不向きなんだと。次期戦闘機に性能の点から言っても何でも不向きになった。欧州ものはいまの日本の置かれておる立場からしても、絶対にこれは買えないのだ。そういうことなんです。現実には二つということです。そこでそのことについての問答はいたしません。そこでお伺いいたしまするけたども、今後F4EファントムでもCL1010でもよろしゅうございますから、こういう飛行機を採用するという目的といいますか、いままでのF104Jに比較してどういう点を防衛庁空幕は求めておられるのかということです。なぜそれを買おうとするのかということです。
  285. 今泉正隆

    説明員(今泉正隆君) その点は先ほどから申し上げておりますとおり、要撃能力の向上を主眼として選ぶということでございます。
  286. 大森創造

    ○大森創造君 そうすると、さっき増田長官岩間さんの質問に対してお答えになりましたように、空対空のミサイルだとか、あるいは武器搭載能力だとか、旋回能力、スクランブル活動するための、そういうものの性能が現在使用しているF104Jよりも高いということが一つですね。そうですね。
  287. 今泉正隆

    説明員(今泉正隆君) 一機ずつを、単機ずつを比較しました場合に、そういったことをいえる場合もあろうかと思いますが、たとえば機数をふやすことによって全体としての要撃能力がふえるということもございますから、まあもちろん一機ずつの比較も重要でございますけれども、総体的な要撃能力の向上ということでございます。
  288. 大森創造

    ○大森創造君 そこで、F104Jというのはあと十年間使用にたえるということでございますから、これは世界の常識なので、これはF86F、あるいはF86Jの代用という意味もあるんでしょう、次期主力戦闘機は。
  289. 今泉正隆

    説明員(今泉正隆君) その点は、現在要撃戦闘機としてF104、F86F、F86Jの三機種の飛行隊を持っておりますが、漸次これらの飛行隊が減粍してまいります。それを補い、かつ要撃能力を向するという意味のものでございます。〔理事温水三郎退席、委員長着席〕  ただ、先生おっしゃったように、F86Fの後継機じゃないかとおっしゃられます点については、時期からいいますと、私たちがこの新戦闘機を装備したい年ごろには、F86Fが著しく減耗している時期でございまして、そういう時期だけをとらえますと、F86Fの後継機ということもいえようかと思います。
  290. 大森創造

    ○大森創造君 そこでお伺いしたいのは、いままで政府がずっと再三答弁されるように、要撃能力ということからするというと、旋回能力だとか、あるいは上昇能力だとか、いろいろございましょうけれども、これは世界の常識として、この地対空ミサイル、空対地のミサイル、いわゆるASMを装備できる有事の際に核弾頭を備えることができるという飛行機、これがこの両機種だろうと私は思うのです。大体航空界の常識ではF4Eファントム、CL1010というものはミサイル万能機だということになっております。そうですよ。ですからこれはロケットを積んで、そして現実にベトナムで使っておりますので、それで今度の資料収集班のほうでも非常にミサイルの調査をされてるようですね。フランスのミラージュ、これを調査されたときにもミサイルの調査をしているし、それからフランスのマトラ社へ行ったときもロケットミサイルの調査をされてる。私の言わんとすることは、単に要撃ばかりでなくて、F4EファントムとCL1010という両機種は、常識的にこのASMが装備できる。空対地のミサイル、いわゆる戦闘爆撃機の性格を持っているものである。もとよりこの両機種はスパロー3型の空対空のミサイル、それからレーダーホーミングのミサイルというものはつけられることになっておりますけれども、それはあの空対空ミサイル、いわゆる上昇率だとか、それから旋回能力ということもございますけれども、私が申し上げてるのは、そういう要撃ばかりでなくて、空対地のミサイル、ロケットミサイル、そういう戦闘爆撃機の能力を持っている飛行機ではなかろうか、そういう機種ではなかろうか、そういうものを予想して調査班は調査をされたんではなかろうかと思うのです。いかがですか。
  291. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) 選型の一つの基準について大森先生がいまお尋ねでございますが、わが国のそうした防衛の方針といたしまして、空対空についていまあげられた航空機自身が、空対地のミサイルを併用できることになっておることは御意見のとおりでございますけれども防衛庁の方針といたしまして、空対地ミサイルの装備をしないという方針であるわけでございまして、調査のときにも、したがってそういう基本方針のもとに調査に向かっておりますので、将来そういうことで併用するというような考え方調査をいたしておらないのでございますので、この点御了承願いたいと思うのでございます。
  292. 大森創造

    ○大森創造君 実は私がいま申し上げたことは、単に要撃ということでなしに、空対地のミサイル核弾頭をつけられるというのがこの両機種の特徴である、世界の常識である。そういう両機種のうち、どちらかを採用するということは、これはどういうことになるか、えらい転換になるだろうと思うのです。そこでいまの段階ではそれ以上のお答えは出ないでしょう。何年かたったら必ずわかりますよ。そうして先ほど私が申し上げたように、きょうは時間がありませんから、一々申し上げませんが、ちゃんと両機種について核弾頭をつけられると、明らかに戦術戦闘爆撃機の性能を持っている。両機種はASMミサイル核弾頭をつけられる、これは世界の大勢といいますか、世界の常識ですね。これを裏づけするように調査をされているはずです。その調査内容についてはあとで申し上げます、次回。それからFXについてはまだ未決定でございます。未決定ということで、きょうの段階ではこれは議論が煮詰まりませんけれども、最後に一つ申し上げますが、このヒューズ社言いましたね。この前私が質問いたしましたTXエンジンの問題と、バッジシステムの問題ヒューズ社というのは飛行機の上に電子機器だとか、あるいはいろいろの火器だとか、搭載武器の調査をするのにヒューズ社のみに行ったというのはどういう事情ですか。レイセオン社もあるし、その他搭載武器のメーカーというものはアメリカに多いだろうと思うのですが、ヒューズ社のみに行きましたことはどういう事情ですか。
  293. 今泉正隆

    説明員(今泉正隆君) 各国で視察班が今回視察しますにつきましては、それぞれの国の政府の意向その他も考えて、最も限られた期間に効率的に視察をしてきたわけでありますが、御指摘のロスアンゼルスのヒューズ社につきましては、赤外線ミサイルの調査のために同社を取り上げたわけです。
  294. 大森創造

    ○大森創造君 くわしいことは申し上げませんけれども、これは非常に誤解されますよ。きょうは、私はそれ以上の調査をしておりますが、ただいま申し上げません。そこでFXの問題については何回も繰り返しているように、あと数カ月たったらばっときまってしまいますから、きまる前の質問が大事だと思って私はここで質問をしたわけです。次回もこれは続けたいと思います。そこで、これは知っておりますか。ロッキード・エアクラフト・インターナショナルという会社、LAIとも申します。ロッキード・エアクラフト・インターナショナル、有名な会社です。日本にあります。
  295. 今泉正隆

    説明員(今泉正隆君) 今回の視察班はロスアンゼルスのロッキード社につきましてCL系列闘戦機の調査を行ない、またCL901という飛行機の体験搭乗もいたしておりますが、ロッキード社につきましては同社を視察しただけでございます。
  296. 大森創造

    ○大森創造君 これを知っておるでしょう、有名だから。ロッキード・エアクラフト・インターナショナル、日本にあるでしょう。皆さん全部知っているのじゃないですか。LAI、皆さん知っていますよ。
  297. 朝倉道夫

    説明員(朝倉道夫君) ロッキード社の国際的な販売会社としてあることを知っております。
  298. 大森創造

    ○大森創造君 これは東京のどこにありますか。
  299. 朝倉道夫

    説明員(朝倉道夫君) 場所は承知しておりません。
  300. 大森創造

    ○大森創造君 いや知らないはずはないでしょう。うしろの人に聞いてごらんなさい。空幕の人や防衛庁の方は常識じゃないですか。ロッキード・エアクラフト・インターナショナル——LAIというのは。これはお調べになったらわかりますが、すぐこの近くにあります。  そこで話は前にさかのぼりますけれども、これはやはり言うておいたほうがいい。ロッキード、グラマンの戦争、あえて戦争と私は言いますよ。グラマンがロッキードにぐっとかわった。そのときにものすごい政治献金が流れたということが半ば通説になっておりますね。これを知らないのは防衛庁ばかりなりと言うたらおかしな話になりますが、防衛庁の皆さんだれも御存じだと思うのです。これはもう有名な話ですよ。ロッキード、グラマンの一大決戦というのはどのくらい政治資金が使われたと思いますか。どなたか言ってください。このくらいのことはおわかりですよ。全然そういうことをお知りにならないということならおかしいと思いますよ。これはあらゆるものに出ていますからね。
  301. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) どうも不明にして承知をいたしておりません。
  302. 大森創造

    ○大森創造君 これは私何万何千円までは言いませんけれども、これは通説十億だという。十億が政治工作の資金に某有力政治家の手を通じてずっと政界工作が行なわれている。ですから基本段階でFXの問題については、私は防衛庁の空幕のほうと問答したっていまのようなお答えしか出てこないということはわかります。わかりますけれども、それ以上のことを私は予想をして警告する意味で申し上げておるのです。十億だと思うのです。ロッキード、グラマンが候補に採用される段階でこれは断定の限りじゃありませんが、三億流されたというのですね。それから今度はロッキードとグラマンがしのぎをけずる段階になってから三億流されて、それからロッキードということに決定したときに四億、合計十億流されたという話を私は聞いておるのです。あちらこちらで聞いておる、某有力政治家を通じてこういうふうに流されたということを。その金がどこから出たと思いますか。これは国会議員はみんな知っておりますよ、口には言わないけれども。どこからそういう金が流れたと思いますか。
  303. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) 私どもそういうことはなかろうと信じておりますし、したがいまして、いまのお尋ねにはどうもお答えすることができないわけでございます。将来の警告として承っておきたいと思います。
  304. 大森創造

    ○大森創造君 LAIは略してライ社長と申します。これはLAIの日本の販売会社ということになっておりますが、これはロッキードメーカーのロッキードの東京支社、支社といっても私の調べたところによるというと非常に人数が少ないのです、ロッキード・エアクラフト・インターナショナルというものは。大体政治工作機関のようですね、人数も少ないし、それからロッキード・カリフォルニア社の出先のようでもあるけれども、いろいろな状態を調べてみますというと、日本と韓国について飛行機売り込みの政治工作機関のようですね、そこで皆さん、防衛庁のほうではそういうLAIというものが介入することをきらっておられるようです。ところがそこに政治力があるわけです。そこで、そこの社長がアメリカに帰ってからこういうことを言っていたそうですよ。これは私は事実だろうと思うのですがね、日本政府の決定を引っくり返すことは赤ん坊の手をねじるより簡単だということを言っていたそうです。現在エリオットという販売部長が日本に来ているようです。これは次期主力戦闘機に関係があるのではないでしょうか。このエリオットという人は、前回のロッキード、グラマンのときにも日本で非常に働いた人ですから、そこでお伺いしますけれども、そのロッキード・エアクラフト・インターナショナルというものを通じて、近ごろ防衛庁のほうで飛行機を買う約束をしていやしませんか、買う内約ができてやしませんか。
  305. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) 全然そういうことはございません。先ほども申し上げましたように、純防空的な観点からいま機種選定について検討を進めておるような段階でございます。絶対にそういうことはないと思います。
  306. 大森創造

    ○大森創造君 戦闘機でない輸送機を買おうという話があるでしょう。
  307. 朝倉道夫

    説明員(朝倉道夫君) そのようなことはありません。
  308. 大森創造

    ○大森創造君 そうですが、大蔵省主計局長来ておられますか……。お伺いしますけれども、この小笠原の返還についての予算というのは、一体これは正式の協定がなされた場合にはどこの予算ということになるのでしょう。
  309. 海堀洋平

    政府委員海堀洋平君) 現在、米国との問で返還に関する協定話し合いをしているわけですが、どういう内容になるのかいまのところ交渉中でございますので、まだ明確でございません。したがって、どういう形の返還が行なわれて、どういうふうに予算が要るのかということも明確でないわけですが、もし予算が要る場合にはそれぞれの省庁の予算で処理する。で、それが不足する場合には予備費で対処することになろうと思います。
  310. 大森創造

    ○大森創造君 防衛庁の経理局のほうにお伺いしますけれども、先ほどの飛行機の話、これは輸送機C130、この話はあるでしょう、この軍用輸送機——小笠原の連絡用に使う飛行機C130、これは三機、一機十億円、付属設備を入れて五十億というものの内約が防衛庁のほうとあるのではありませんか。
  311. 今泉正隆

    説明員(今泉正隆君) お答えいたします。  小笠原が返還になりました場合に、小笠原地域防衛及びそれに伴う諸機材について検討はいたしておりますが、先ほど大蔵省からもお話のありましたとおり、まだ予算のワクその他もはっきりいたしておりません。現状で大蔵省とは別にそういったことについてお話ししたことはございません。
  312. 大森創造

    ○大森創造君 これはひとつ主計局にもお調べいただきたいと思うのですが、おそらくこの輸送機を三機購入するということを当事者が言明しているのですが、私の調べたところによるというと、その予算が小笠原返還用の予算の中に出てくるだろうと私は思うのです、これは御存じありませんか。防衛庁のほうか、大蔵省のほうか、小笠原返還用の輸送機C130というのを三機購入する。大体内約はできた。正式の小笠原返還協定が成立しないで、国際協定が成立しないで、これは予算には盛り込まれないかどうかわかりませんけれども、輸送機三機、これは決定した。内約できたということを当事者が言明しているのですが、この事実は御存じありませんか、御存じでしょう。
  313. 佐々木達夫

    政府委員佐々木達夫君) 小笠原返還の問題につきましては、いま協定中でございまして、経理局自体に対しても予算要求ができてないような状態でございます。先ほど主計局のほうから説明がありましたように、この問題は、本年度施行中の予算措置でやれるものはやるし、それをオーバーするものについては、さらに予備費の要求等をいたさざるを得ないと思っておりますが、経理当局に対して、原局からまだ全然小笠原自体についての要求はきておりません。したがいまして、内局といたしまして、経理局は全然関知しておらない、こういうような状態でございます。
  314. 大森創造

    ○大森創造君 これはおかしいんですね。私ども調査が間違っているはずはないと思うのです。そこでC130という軍用輸送機三機というものが、小笠原協定が正式に成立する前に、内約ができておるのであろうと思いますけれども、これは次回に質問いたします。  そこで、その次に移りますけれども、この内容は、私の調べたところによると、なかなか容易でない問題ですよ そこで このF104Jというものは、ロッキード社ですね、メーカーが。それから扱い商社がどこでしたか、御存じでしょう。
  315. 蒲谷友芳

    政府委員(蒲谷友芳君) 丸紅と存じております。
  316. 大森創造

    ○大森創造君 そのとおりですね。そこで私は、追加生産三十機の値段は五億八千万円ですね、F104J一機当たりの値段が。どういう口銭になつておるが御存じですか。一機五億八千万円というF104J 現在使っておる主力戦闘機というもの、ロッキード社がメーカーで扱い商社がいま言われたとおりなんだが、それがロッキード社の出先と申しますか、政治工作機関と申しますかLAI、どの程度扱い商社の丸紅飯田とロッキード社と、LAI・工作機関とあえて言いますが、どの程度の口銭が払われておると思いますか。防衛庁の方、御存じのはずです。五億八千万円のうち、パーセントでもいいです。
  317. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) 承知をいたしておりませんので、なお調査をいたしまして、後刻回答いたします。
  318. 大森創造

    ○大森創造君 これは知っておるのではないですか。五億八千万円の戦闘機、一機五億八千万円、私のほうの調査ではこうなんです。御存じでしょう、きっと。ロッキード・カリフォルニア・メーカー、アメリカ側一〇%、扱い商社のほうについては五%、それから先ほどから私のほうで申しているLAI、これについては二つの説があるのです。二〇%という人もあるのです。それから一四%という人もあるのです。そうしますと、二〇%にしますと、これはえらい金ですよ。扱い商社五%、ロッキード・カリフォルニアというアメリカのメーカー一〇%、これで一五%。それからLAIというか、ロッキード・エアクラフト・インターナショナルということで二〇%というと、三五%ということになりますな。五億八千万のうち三五%が口銭であるということになると、ぼくはびっくりするのですがね。これはたいへんなことだと思うのですよ。それから一四%にしましても、LAIのほうが一四%、扱い商社五%で、一九%、それにロッキード・カリフォルニアのほうが一〇%ということになると、二九%、約三〇%でしょう。そうなると、これは私はびっくりしたのですがね、こういうのが実態でしょうか。もっと少ないでしょうか、口銭は。御存じの方にひとつお教えいただきたいと思います。
  319. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) 承知いたしておりませんので、よく調査をいたしました上で御回答申し上げたいと思います。
  320. 大森創造

    ○大森創造君 私は、LAIというのは、きょうお見えになっている皆さん全部御存じじゃないかと思うのですよ。それからいま申し上げましたように、扱い商社の五%というのは、防衛庁がいつか答えたはずです。ロッキード・カリフォルニア・メーカーについて一〇%、LAIがどういう名目かで、それからいま申し上げましたように、一四%という人もありますし、二〇%という人もあります。少ないほうを見ても、合計大体二九%になります、約三〇%。多いほうをとるというとえらいことになります。三五%が口銭であるということになる。これひとつお調べいただけませんか、政務次官。というのは、お調べ願いたいと同時に、大問題ですから、そして私のほうに資料をくれませんか。プライムメーカーが三菱重工ですから、防衛庁と三菱重工の間の契約ですね、契約の写し。それから、これはライセンス生産方式ですから、三菱重工のほうにいえば、三菱重工とロッキード・カリフォルニアとの間の生産技術協定みたいなもの、技術提携契約みたいなもの、このコピーをひとつ私のほうに、本委員会のほうに出していただきたいと思うのですが、いかがですか。
  321. 蒲谷友芳

    政府委員(蒲谷友芳君) 第一点の、先生のおっしゃいました非常に口銭が大きいという問題につきましては、われわれはライセンス生産に入っておりまして、全部帳簿で原価計算しておりますので、こういう経費が表に出ているはずはないと思います。だから入っているはずはないと思います。  それからもう一つは、先生のいまのお話の中で、当然現在通産省と大蔵省で技術協定の認可をしておりますから、その認可の中で、これほど高いような経費を払うような認可はしないと思っております。  で、いまのお話の資料でございますけれども、三菱とロッキードの技術協定内容につきましては、会社の内部での機密もございましょうし、また、中には104というアメリカの軍事機密の問題がございますので、その点はごかんべん願うとしまして、帰りまして調査をしまして、もしできますものであれば、渡していいと思いますけれども、現在まで大蔵なり通産なりが、技術協定の公表はいたしておりませんし、困難ではないかという気がいたします。
  322. 大森創造

    ○大森創造君 私は国民の一人として、国会議員の一人として、決算委員の一人として、五億八千万円という値段で買うということでも、金の流れがどうなっているかということが非常に疑問なんです。私が調査した限りでは、いまのようなパーセンテージが飛び出してくるわけです。そこだ、これを調べるような方法がありはしないかと思うのです。それは防衛庁としては、三菱のほうにまかしておるから、あとは知らないということでしょうが、ライセンス生産方式ですから、私、方法はあると思うのです。この金の流れがどこへどのくらいいってどうだということ。そうでなければ十億円、これは私は断言の限りでありませんが、十億か十五億だか八億だかわかりませんけれども、そういう金が流れたということは通説になっておりますから、消息通は、ああなるほどなと思うのです。それはどこから出てくるかということを探りまするというと、大体、おぼろげながら私はわかるのです。そこで、防衛庁から天下りになった方が、あえて名前は言いませんけれども、その方が防衛庁におられるときに、西ドイツのほうに行ってLAI——ロッキード・エアクラフト・インターナショナルというようなものの契約状況などを、ヨーロッパ方面ではどうやっているかということを調査に行かれたようで、そのことを報告しているはずです。それによると、LAI的なものを介在させないで、ロッキード・カリフォルニアというメーカーとダイレクトに契約するという方法もある。そうしてその部分の膨大な口銭というものを断ち切ったというケースが、西ドイツではあったという報告をされたということを聞いております。これは事実だろうと思うのですけれども、いずれにせよ、そういうところから政治献金が流れるのじゃありませんか。五万や十万じゃありませんよ。何億円という金が流れる。それで私が申し上げたいのは、FXについて、前のロッキード、グラマン戦争のように、多額の政治献金がばらまかれる根源を断ってもらいたいということです。その根源を断つために、金の流れを調べるということが必要だと思うんです。三菱が一機を渡してくれるから、こちらのほうは代金を支払えばいいという問題ではないと思います。よほどもうかるから政治資金が多額に流れるのですから、その流れ方が百万や二百万じゃない。十億ということを私は聞いている。そうすると今度は、二大機種にしぼられますというと、だんだん、私でもここで質問していないというと、これはまた戦争が起こるんじゃないかと思うのです。ですから私は、次回に質問いたしますけれども、そういう口銭が不当に取れないように、国民にかわって監視をしてもらいたいと同時に、金の流れがどういつでいるかということ、これをひとつお調べいただきたいと思うのです。防衛庁のほうでは、あとは知らぬでは、これは済まされないだろうと思います、多額の政治資金が流されるといううわさがあるのですから。国会の問答になったかどうかもわからぬけれども、火のないところに煙は立たぬでしょう。断然消息通の間では評判になりましたから、これをお調べいただきたいということです。  いろいろございますけれども、以上で終わります。
  323. 三原朝雄

    政府委員三原朝雄君) さっきからお答えはいたしましたが、ロッキード、グラマンの問題等につきまして、いろいろなうわさがあるという御指摘でございましたが、私ども現在防衛を担当いたしますものといたしましては、そういうものけなかったであろうと信じておるものでございます。しかし、いま先生が御指摘されるように、そういううわさが立ったという、立っておるということで、事前に国民に対してそういう疑惑を抱かせぬような、このFXについては取り組み方をすべきであるという警告的な御意見につきましては、十分拝聴をいたしております。そこで、いま申されましたこの経費が、国民の税金でございます。したがって、契約状況等につきましても、これは原価計算で次々に積み重ねてまいっておりますから、そうしたようなことは万々ないと私どもは信じておりますけれども、いまの調査をし、そういうことの疑いを持たれるような結果を招来しないよう取り組んでまいりたいと思います。このことをお答え申し上げておきます。
  324. 菅野儀作

    ○菅野儀作君 ただいま政務次官が答えられましたが、私も、それにつきましてちょっと意見を申し上げたいのですが、先ほど来、大森委員の微に入り細をうがってのいわゆる戦闘機購入についての質問、これは本決算委員会として、国の予算をむだづかいされないように、また、過去において多少のうわさがあったので、将来気をつけるようにということの熱意のあらわれの御質問でございまして、傾聴しておりましたが、そのうちに、過去においてグラマン等の戦闘機の購入に際しまして、有力な政治家の手によって十億の金が流されたということがはっきり言われたわけであります。それにつきまして、いま政務次官からお答えがありましたが、まあそういう問題こそ、本委員会にとって最も重要な問題でありまして、それがどういう政治家かわかりませんが、たとい自民党であれ社会党であれ、有力な政治家であり、しかも、それが各方面からそういうことが流布されておる、相当根拠のあることであるという発言があった以上は、本委員会といたしましても、これを取り上げまして、徹底的にこれを調べて国民の前にその疑惑を明らかにするということが、最も大切なことであると信じます。そういう点で本委員会におきまして、ただいまの大森委員の発言を取り上げまして徹底的に究明されますことを本委員会に提案いたします。よろしくお願いいたします。
  325. 大森創造

    ○大森創造君 私が申し上げたのは、これは何百という雑誌に出ているでしょう、そういう話が、これは。私は、十五億だか、百億だか、一千億だかわかりませんけれども、私の聞いた範囲では十億出ているということをいわれているわけです。それが事実かどうかということについては、私はこういうことを扱ったものを究明するということですが、私はずいぶんこれはうわさは聞きましたし、それから出版物も無数に見ておりますから、そういうことを申し上げたわけです。私はこの目で見たわけではございませんから。
  326. 菅野儀作

    ○菅野儀作君 はっきり委員会として調べたほうがいいでしょう。
  327. 大森創造

    ○大森創造君 委員会として調べられればそれにこしたことはありませんね。
  328. 亀田得治

    委員長亀田得治君) それじゃ、ただいまの点は理事会のほうで検討します。  本日の審査はこの程度にとどめ、散会いたします。    午後四時七分散会      —————・—————