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1968-03-13 第58回国会 参議院 決算委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年三月十三日(水曜日)    午前十一時五十九分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         亀田 得治君     理 事                 田村 賢作君                 温水 三郎君                 平泉  渉君                 岡  三郎君                 黒柳  明君     委 員                 佐藤  隆君                 菅野 儀作君                 中村喜四郎君                 小野  明君                 大橋 和孝君                 大森 創造君                 沢田 政治君                 柴谷  要君                 達田 龍彦君    国務大臣        農 林 大 臣  西村 直己君    政府委員        国税庁長官    泉 美之松君        農林政務次官   日高 広為君        農林大臣官房長  桧垣徳太郎君        農林大臣官房経        理課長      田中 慶二君        農林省農地局長  和田 正明君        食糧庁次長    田中  勉君        林野庁長官    片山 正英君    事務局側        常任委員会専門        員        佐藤 忠雄君    説明員        法務省刑事局刑        事課長      石原 一彦君        林野庁管理課長  新井 昭一君        会計検査院事務        総局第四局長   鈴木 治久君    参考人        農林漁業金融公        庫理事      厚味荘之助君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和四十一年度一般会計歳入歳出決算昭和四  十一年度特別会計歳入歳出決算昭和四十一年  度国税収納金整理資金受払計算書昭和四十一  年度政府関係機関決算書内閣提出) ○昭和四十一年度国有財産増減及び現在額総計算  書(内閣提出) ○昭和四十一年度国有財産無償貸付状況計算書  (内閣提出)     —————————————
  2. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  これより昭和四十一年度決算外二件を議題といたします。  本日は、農林省及び農林漁業金融公庫決算について審査を行ないます。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  3. 達田龍彦

    達田龍彦君 私は、国有林野貸し付けの問題について若干お尋ねをして、その実態と、それから法的立場を明らかにしてもらいたいと、こう考えております。  まずお尋ねしたいのは、国有林野貸し付けで、高知営林局管内で、農地法上の農業者でない高松の某観光業者に対して国有林貸し付けている事実があるかないか、まずお尋ねをしておきたいと思うのであります。
  4. 片山正英

    政府委員片山正英君) ただいま御質問高知の問題でございますが、実は私のほうの四十二年度監査をいたしまして、かつ指導をいたしておるわけでございますが、その間におきましていたしましたのが三局ございまして、大阪前橋熊本のほうをやっております。したがいまして、高知関係は、そういう意味の監査は本年度はいたしておりません。しかし、御指摘の点は観光業者にあると思います。詳細については、いま存じておりません。
  5. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 詳細については……、ちょっと聞こえなかった。
  6. 片山正英

    政府委員片山正英君) いまよくわからないのであります。調べてから……。
  7. 達田龍彦

    達田龍彦君 非常におかしいと思うのですが、これはあなたのほうですでに内部監査をやられているんですよ。その中でそういう指摘が行なわれているはずでありまして、何かいまの長官お話ですと、この場において議員が実態をつかんでいなければそのまま逃げようという回答に受け取れてしようがないのですが、実態についてはわからないのですか。
  8. 片山正英

    政府委員片山正英君) 御説明申し上げますと、こういう事情でございます。実は国有林貸付関係につきまして、四十一年度におきまして、四月から十月の間、それらの貸付事情調査いたしまして、かつ、それの改善をするということで、営林局署に指示をいたしたわけでございます。したがいまして、営林局署は、それに基づきまして貸付事情調査して、そしてその改善にあたってまいったわけであります。その中で、林野庁として本年の全体の概況を把握したわけでございます。それによりまして、大体四十一年度につきましては、六割程度改善を実施したわけでございますが、先ほど申しました四十二年度につきましては、さらに林野庁として、それらの問題を重点的に指導し、監査しようということで、先ほど申しました三局に参ったわけであります。したがいまして、概況についてはわかるのでございますが、個々一つ一つ営林署のどこということになりますと、いまのところよくわからない、こういうことでございます。
  9. 達田龍彦

    達田龍彦君 いま長官お話ですと、概況はわかるけれども個々の実情はわからない。私は、高松の某観光業者に対して貸し付けている事実があることを知っておるのであります。林野庁が知らないというのは非常におかしいと思っておりますけれども、これは調査すればわかるのですか、調査しないからわからないのですか、その点明確にしてもらいたい。
  10. 片山正英

    政府委員片山正英君) 調査すればわかると思います。
  11. 達田龍彦

    達田龍彦君 じゃ、お尋ねをいたしておきますけれども、あなたのほうで、これは業務部監査課と思うのでありますけれども自治監査といいますか、庁内の自治監査をされておると思います。その中において、四十二年度自治監査の結果というものが一応まとめられているはずであります。ただ単に三つの管内だけじゃなくて、全体としての管内自治監査を行なわれているはずですが、その中にそういう状態があるのかないのか、明確にしてもらいたいと思います。
  12. 片山正英

    政府委員片山正英君) 先ほど申しました四十一年度は、各営林署に指示しまして貸付状況調査し、それの改善にあたってまいったわけでありますが、四十二年度につきましてその問題をさらに監査し、指導しようということで三局いたしたわけでございます。その監査内容につきましては、担当しました監査官監査でございますので、それをもとにいたしまして、現在林野庁内において検討中のものでございます。その場合にはその三局に参ったわけでございます。
  13. 達田龍彦

    達田龍彦君 では、さらにお尋ねをしておきますけれども、この高松の某観光業者に対する貸し付けというものはないということですね、はっきりしてもらいたい。
  14. 片山正英

    政府委員(片山正英君) ないということを断言しているわけではございませんで、いまわからないわけでございます。ただいま私のところで調査いたしましたのをちょっと申し上げますと、貸付件数は約四万九千件でございます。貸付の総面積は四万四千ヘクタールという非常に膨大なものでございます。それの大体農地その他に小分けした大づかみのものは、全体として調査したものがあるわけでございますが、どこの営林署の、どこの業者の、どこの面積ということまでは、いまの段階ではわかっておりません。
  15. 達田龍彦

    達田龍彦君 じゃ、これはあとでもら少しただしたいと思いますが、今日まで国有林野の中で、国林林野法第七条により貸し付けまたは使用させている国有林野は一体どの程度あるのか。さらに、それを用途別説明願いたいと思います。
  16. 片山正英

    政府委員(片山正英君) ただいま申しましたように、件数におきましては四万九千件、総面積におきましては四万四千ヘクタールでございまして、その内容といたしましては、農地に対しまして約三千ヘクタール、採算放牧地に対して約一万三千ヘクタール、電気事業用地に対しまして約八千ヘクタール、工業用地に対しまして約五千ヘクタール、道路、水路用地に対しまして約七千ヘクタール、建物用地に対しまして約一千ヘクタール、その他学校敷地とか、公園とか、墓地とか、そういうものを含めまして七千ヘクタール。大体以上のような分類でございます。
  17. 達田龍彦

    達田龍彦君 そのうちに、農耕用に使う目的貸し付けている国有林野は、全国で何件で、何ヘクタールか、お示しをいただきたい。
  18. 片山正英

    政府委員(片山正英君) 件数におきまして約九千三百件、面積におきまして、先ほど申しました三千ヘクタールでございます。
  19. 達田龍彦

    達田龍彦君 その貸し付の対象は全部農業者で、しかも、その使用目的農耕用ですか。
  20. 片山正英

    政府委員(片山正英君) 実はこれは経過をちょっとお話ししないとわかりませんけれども農業者で、終戦直後食糧増産をする、そういう時代に農業者として貸したわけでございますが、その後経済社会発展の推移の中で、農業者がそれぞれ兼業と申しますか、それ以外の職業のほうに大きくウエートを持っていった、たとえば商業関係に持っていった、そういう形に転移しているわけでございます。したがいまして、現在の立場におきますと、商業者とかそういう形に、一見そういうふうに見えるわけでございますが、いわゆる兼業農家としての姿で現在貸しておるというような形に相なっておるわけでございます。
  21. 達田龍彦

    達田龍彦君 では、いま農林省見解としては、そういう兼業農家という形で借り受けている人々に対しては、農業者以外の貸し付けという考え方に立ってないわけですね。
  22. 片山正英

    政府委員(片山正英君) それは兼業者として、いわゆる兼業農家として農耕用として貸しておるわけでございます。
  23. 達田龍彦

    達田龍彦君 じゃ、皆さんのほうの実態調査によると、農業者以外に貸し付けている事実はない、こういうふうに理解していいんですね。
  24. 片山正英

    政府委員(片山正英君) それは、ただいま申しました職業の姿としては農業ウエートは非常に小さい形の中でなっておりますが、いわゆる農業兼業者という形で貸しております。
  25. 達田龍彦

    達田龍彦君 ですから、兼業者の取り扱いと、見解というのはどういうように林野庁は考えているのですか。
  26. 片山正英

    政府委員(片山正英君) その点、管理課長から答えさせます。
  27. 新井昭一

    説明員(新井昭一君) 農耕用地として貸し付ける場合におきまして、農地法につきましては現況主義に立っているわけでございます。したがいまして、私ども国有林貸付を行ないまして貸し付け料等を定めます場合に、現に農耕の用に供しておれば、これは最高小作料というような形で貸し付け料をきめているというようなことでございます。
  28. 達田龍彦

    達田龍彦君 いま長官は、観光業者に貸した事実もない、それから農業者以外に貸し付けた事実もない、しかも、それは農耕用として使われておる、こういう大体御説明があったわけです。たいへん私はふしぎでならないんでありますけれども、四十二年の二月二十九日の日本農業新聞をごらんになりましたか。この見出しの中には「ズサンな国有林貸し付け」「観光業者商店に」ということで、農耕用の名目で貸し付けておる事実がはっきり出ておる。この内容を見てまいりますと、「二十八日、」これは二月の二十八日でありますけれども、「林野庁がまとめた国有林野貸し付け料実態調査で明らかになった」ものであって、同庁の四十二年度内部監査によってその実態というものが明らかになっておるのであります。この記事によりますと、調査の結果、高知営林局内の某観光業者に対して、農地法上の農業者でないにもかかわらず、四十一・三ヘクタールの国有林農地法上の最高小作料で貸しておるという事実が明らかになっておるのであります。これは皆さんのほうで集約された資料に基づいて出ているのであります。さらに将来の払い下げを期待しながら、実際には農業者でもなければ、農耕用にも使われてない国有林野が、商工業者やあるいは商店主サラリーマン貸し付けられているという農地が、いま皆さんが発表された件数のうちで約一七%に当たる千五百八十三件が、そういう状態の中で貸し付けられておるということがはっきりいたしておるのであります。この事実をお認めになりますか、お尋ねをいたしておきます。
  29. 片山正英

    政府委員(片山正英君) ただいまお示しになりました一七%程度が不適であるというような御指摘でございましたが、その内容といたしましては、こういうことでございます。貸し付けました農地が非常に粗放に利用されている、あるいは未利用段階にあるというものが一七%程度、これは一昨年、いわゆる四十一年の古い資料でございますが、四十一年度に、営林署に先刻申しましたこの調査改善をわれわれが指示したときの資料でございます。それがいわゆる粗耕利用、未利用という形で残っているというふうに報告されてきたものが一七%でございます。それを四十一年度につきまして、その改善を指示いたしまして、その六割が大体改善されております。さらに、今年度残りの四割につきまして、そのうちの、合わせますと今年度末においては九割程度改善されるというふうな見通しでございます。そういう新聞記事につきましては、私は見ましたのですが、そういう改善前の数字実態でございます。
  30. 達田龍彦

    達田龍彦君 で、この中に載っておりますところの高知営林局内における某観光業者に対する貸し付け実態、これは前かあとかは私も存じませんが、いま御答弁によりますと、そういう実態ははっきりしない、と言いながら、監査結果ははっきり出ているじゃないですか。これはどういうふうに理解すればいいのですか。
  31. 片山正英

    政府委員(片山正英君) 実は先ほど申し上げました何万件といういろいろな中から集約されて出たものでございまして、そういう姿は例としてあると思います。しかし、私のほうのいまの手元には、その実態が明確でないというふうに申し上げておるわけでございます。
  32. 達田龍彦

    達田龍彦君 でたらめですよ、あなたの答弁は。これはあなたのほうの資料に基づいて出ておるのですよ。昨日、私のところに松形監査課長がおいでになり、そうして、その説明によると、自治監査の結果、集約した段階でこれが表に出たのだという説明をされている。しかも、昨日の話の内容によりますと、四国の高松に一件あるということをはっきり私に言っているのですよ。にもかかわらず、あなたははっきりしない、そういう事実はない、ということは、一体どういうことですか。
  33. 片山正英

    政府委員(片山正英君) 内情について詳細、私のほうでいまわかっておりませんので、ここにあります、新聞に発表された四十一・三ヘクタールという、新聞にありますこういうような姿ではございません。まだわれわれは詳細に調査しておりませんのでわかりませんが、少なくとも新聞に出ているこの数字のような形ではございません。
  34. 達田龍彦

    達田龍彦君 では、その内容説明願いたい。
  35. 片山正英

    政府委員片山正英君) その新聞も出たことでございますので、詳細については、現在実は調査中でございます。
  36. 達田龍彦

    達田龍彦君 では、さらにお尋ねいたしておきますけれども、いま皆さんのほうで調査をされている内容は、観光業者やさらには商工業者あるいはサラリーマン貸し付けている事実はないというのですね。これは農耕用として農業者に貸すのがたてまえになっている、よろしゅうございますね。そういう使用目的以外に貸し付けられている国有林野はない、こういうふうに明確に言えるのですね。
  37. 片山正英

    政府委員片山正英君) 先ほど申しました、使用目的以外に貸していることは、われわれとしては皆無だというふうには考えておりません。しかし、そういうものにつきましては、先ほど申しましたように、指導によって、その目的外に使用しないように指導しているわけでございますが、大体においてはないと思いますけれども、皆無というふうには判断しておりません。したがいまして、そういう指導をやっておるわけでございます。
  38. 柴谷要

    柴谷要君 関連して。聞いておると、あなた方は、決算委員会でどういう問題が爼上に乗るかということを前日なり、前々日質問に来ているのだな、あなた方の担当者が。それで、それを持っていって、そして本日の答弁の材料にしようとしているわけなんです。それを調べてきているのにかかわらず、きょうのあなたの白々しい答弁は承知できないよ。達田委員のところにあなたのところの担当者が来て、事情を詳細聞いているわけです。三時間、五時間あれば、現地にすぐ電話したって調べられるはずですよ。それをあなた、何です、その白々しい答弁は。そういう不誠意な答弁じゃ、やはりぼくらも一言言わざるを得ないと思う。もう少し事実を事実として言いなさいよ。それはあなた方が改善努力をされていることはわかっているのだ。そういうことはわかっているのだけれども、事実、まだこういう問題が残っています、しかしこの問題は私の任期のときじゃないのだ、他の任期でやられたのだけれども、私の代になったらこういうものは全部なくすために努力しているのだ、そう言い切るだけの度胸を持ちなさいよ。そのための決算委員会だ。そうすれば事後の手は、こうしてこうして、こう打たれているのだということが国民にはっきりわかる。そうすれば、林野庁のやり方について、国民は、ああなるほどと、こううなずくわけです。ところが知らぬ存ぜぬのというような白ばっくれた答弁をするからいかぬよ。もっと国民に明らかにして、そうしてこういうふうに改善努力しております、ということをはっきり言いなさいよ。そういう不正な貸し付けがあったって、いままであったのだから、過去を責めるのが能じゃない。私たちはこれからそういうものがなくなればいいのだ。その努力林野庁にあるのだということを国民に知らせるのが大事なんだ。そういうことをあなた言いなさいよ。そうしなければだめです。決算委員会というのは、ただ単に過去のことを責めていこうというのじゃないのだから、そのために達田委員質問をしておられるのだから、そんなに隠さなくてもいいです。ちゃんと前に聞きに来てわかっておるのだから、正直に言いなさいよ。そのことが国民に対してりっぱだと思う。また、そうあるべきだと思う。そういう点でひとつ答弁を願いたいと思う。
  39. 片山正英

    政府委員片山正英君) 先生のおっしゃるような方向でわれわれも努力しているわけでございますが、ただいま申しました高知の問題につきましては、ここで明確にお返事申し上げるまでに、残念ながら私まだ調査しておりませんので、不安定のもので申し上げるのも答弁にならぬと思います。いましばらく調査をさせていただきたい、かように存じます。
  40. 達田龍彦

    達田龍彦君 じゃ、私はこの問題は、一応本日の質問はこれで終わって、なお、私も内容的に検討いたしまして、さらに次の委員会でこの問題をお尋ねしようと、こう思います。
  41. 大橋和孝

    大橋和孝君 いまの達田委員質問にちょっと関連をして、私一、二お尋ねをしておきたいと思います。いまの質問に多少重複するかもしれませんけれども、ちょっと私の観点から一、二聞かしてもらいたい。それは私、二月の二十九日の農業新聞を見て、この中に出ているのは、非常に貸し付けがずさんだ。それからまた、農業者貸し付けるはずの国有林野が、実際は観光業者あるいは商店主サラリーマンなんかに利用されている。そしてまた、それは将来は、何といいますか、払い下げを受ける目的にもなるのじゃないか、いろいろなことが出されておるわけであります。この問題について、あなたのほうはもう調べておられるはずだと思うのですが、先ほどの話を聞いておると、案外回答が出てないわけです。全然手をつけてないのかどうか、その状態をもう一ぺん聞かしてください。
  42. 片山正英

    政府委員片山正英君) 先ほど申しました件数その他につきましては、九千三百件の三千ヘクタールというものでございます。それでわれわれとしましては、そういう農業関係に精進してやっていこうという人でない者に対して、農耕用貸し付けは今後はやらない方針でございます。ただ、先ほど申しましたように、かつて終戦直後において農耗用ということが中心で貸しましたものが、その後やはり経済社会関係から商業者というような形に転移していった人が多いわけでございます。そういうような人が、現在の立場で見ますと、まさしく商工業者というふうに見られるわけでございますが、その人に従来どおりの農地を、自家用の農地を貸しておるというような形で貸付されておるというものがあるわけでございます。
  43. 大橋和孝

    大橋和孝君 ことに都市の周辺に多いわけです。また、その実態なんかをもう少し、たとえば私、日本農業新聞を見たんですが、この新聞に出ている内容は、あなたのほうはもう実態は把握されましたか。いま何が何ヘクタールあって、何やらと言っていますが、実際把握していますね。
  44. 片山正英

    政府委員片山正英君) 先ほど申しました一件一件ですと、非常にたくさんございますが、傾向としまして、先ほど言った一七%程度は四十一年度において非常に粗放利用じゃないか、ほうっておいたらまずいのじゃないかというのを調査してみたわけでございます。それに基づく改善措置を四十一年度は六〇%やりました。今年度も引き続いて、おおむね九〇%まではいきます。来年度においてほとんどそれを解消していきたい、そういうことをなくしていきたい、という指導をやっている段階でございます。
  45. 大橋和孝

    大橋和孝君 いま一七%とおっしゃったんですが、その内容が十分もう一件一件わからなければ、指導はできぬわけでしょうから、それはわかっているわけですね。
  46. 片山正英

    政府委員片山正英君) これは営林省調査したものを、営林局を通して局別にわれわれとして総本として概況を把握しているわけでございます。
  47. 大橋和孝

    大橋和孝君 実は大阪とか高知だとか熊本前橋京都、姫路、広島、こういうような大きな都会の周辺にあるわけです。私も京都で一、二話を聞いております。これについての具体的な問題は、私も後ほどにしたいと思いますけれども、実際問題として、こういうふうに転用されておるという例も聞いておるわけであります。それは、いついつどうなっているかということをぼくはいま調査しておりますので、近いうちにあがってまいりますが、ぼくのほうが調査するのではなくて、あなたのほうで調査してわかって報告してもらえるものと思ってきょうは質問に立ったわけです。それは一件一件のことはわかりませんということで、こういうようなことが行なわれておっていいのか。新聞に出ているように、これは指摘事項として指摘されているわけであります。それに対しては、すぐおたくのほうでそれに対するおのおのの例を調査されるのが当然じゃないかと思うわけですが、その点については、どういうふうに認識しておられるわけですか。
  48. 片山正英

    政府委員片山正英君) ただいま申しましたそういう不適当な利用に対しまして、各局署を通じて現に改善を進めておるわけでございます。ただ、林野庁といたしまして一件一件当たるわけにいきませんので、先ほど申しましたように、重点的の三局を選んで監査をし、その指導に当たっておるということでございます。
  49. 大橋和孝

    大橋和孝君 きょう、検査院おられますか。
  50. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 検査院来ておりますね。
  51. 大橋和孝

    大橋和孝君 ちょっと検査院のほうの方にお尋ねしますけれども、こういうような実態は、もう少し検査院のほうで調査をしてみるべきだと思うのですが、その調査経過あるいはまた今後どういうふうにするか、その辺のお考えをお聞かせ願いたい。また、こういうものは徹底的に調査をしてもらいたいと思うのですが。
  52. 鈴木治久

    説明員鈴木治久君) ただいまの御質問内容でございますけれども、私どもとしまして、かつて国有林貸し付けにつきましていろいろ検討いたしました。検査報告にも掲げたことがございます。昨年やりました件数は、わずか二、三件でございましたので、特に検査報告には掲げませんでしたが、内容といたしまして、私どもこれからの検査におきまして、ただいまの御趣旨もいろいろ拝聴いたしましたので、やるべきであると考え、なお、今度の新しい年度実地検査におきましてやるべきことを検討したいと考えております。
  53. 大橋和孝

    大橋和孝君 それから、この使用の目的はやっぱり農業にということで、農地法に基づく小作農業者の経営を安定させる趣旨で行なわれておると思うのですが、こういう点でこれを監視するのは、一体検査官とか何かいうのがあるのですか、どうなのか。どういうようなものに対してこれを監視しておられるのか、もう少しそこのところを説明してください。一件一件はわからぬとか、どうも納得できない。ぼく自身もわからぬから、そこを徹底的に話を煮詰めて話してもらわなければ納得できぬです。
  54. 片山正英

    政府委員片山正英君) 貸付の権限は、実は営林署長でございます。したがいまして、営林署長が貸付をしたものに対しまして、貸付した目的に借り受けた人がそのとおりにあるように、営林署長自身がそれをやっているわけでございますが、さらに、それの監査機構として林野庁監査官営林局監査官あり、それが網羅はしませんが、ある一定のものにつきましては、検査に入っているわけでございます。  以上でございます。
  55. 大橋和孝

    大橋和孝君 それでは、その監査官というのは何名おって、どういうような配置につけてあるのか、それをひとつ聞かしてください。
  56. 片山正英

    政府委員片山正英君) 林野庁監査官が十六名、全国で営林局に百三十五名監査官がおります。
  57. 大橋和孝

    大橋和孝君 その活動状況はどこで報告されているんですか。
  58. 片山正英

    政府委員片山正英君) 毎年林野庁におきまして、今年度監査の重点要領をつくりまして、それを局に流します。局は、それを中心にして林野庁の方向と、あるいは局自身の一つの特色のあるものがありとすれば、そこでまた一つの方針を出します。それによって現実に監査に入っております。
  59. 大橋和孝

    大橋和孝君 その報告の中には、この問題については、その一件一件についての動向というのは一切出てないんですか。その監査官は一体どういう任務でどういうことを報告することになってるんですか。
  60. 片山正英

    政府委員片山正英君) 監査は、いろいろな各事業についてすべてやっているわけでございますが、その貸付の問題につきましては、先ほど申しました三局につきまして、その三局の中の各一局当たり三署につきまして重点的に監査を行なう。そのほか監査は、いろいろな問題について監査にそれぞれ入っておりますので、いまの貸付関係については、以上のような形で今年度示したわけでございます。
  61. 大橋和孝

    大橋和孝君 それじゃ、いまおっしゃっているその監査の報告を、四十一年度、四十二年度で詳しく報告をひとつ資料として出していただきたい。
  62. 片山正英

    政府委員片山正英君) ただいまこれは監査官としまして調査してまいったわけでございますが、それにつきましては、林野庁でそれぞれの関連の人たちによる協議会によりまして、その中をいま検討中なものでございます。その検討中のものでございますが、それによって確定したものにつきましては、これを改善すべく営林局に指示するわけでございます。その段階で御連絡申し上げたい、かように思います。
  63. 大橋和孝

    大橋和孝君 出すのか出さないのか。出すのならいつごろになるのか、それが。
  64. 片山正英

    政府委員片山正英君) 大体いま検討中でございますが、今月一ぱいぐらいには結論を出しまして、その改善の指示をいたしたいと、かように思っております。
  65. 大橋和孝

    大橋和孝君 それじゃ、その詳しい資料をいただきたい。  それから、それとは別に、今度は農林省関係で特に貸し付けたり、あるいはまた払い下げたりしたものを、少なくとも京都、それから大阪、滋賀、奈良ぐらいの周辺のものをひとつ別に出していただきたいと思います。これはできますか。
  66. 片山正英

    政府委員片山正英君) 御趣旨に沿うような努力をしていきたいと思います。
  67. 大橋和孝

    大橋和孝君 それからこの貸し付け契約に対しましては、将来払い下げが可能であるという条件あるいはまた項目がつけてあるのかどうか、その点それはわかっておりますか。賃貸しの契約の中にそういうものが入っているのか、入ってないのか。同時に、契約して借り受けたならば、将来は払い下げの期待が持てるのか。また、こういうことであれば、私は農地法の違反になりはせぬかと思うんですが、それはどういうふうな見解を持っておりますか。
  68. 片山正英

    政府委員片山正英君) 契約の中にはそういう貸し付けたものを売り払うかどうかということは一切関係ございません。  なおまた、いま貸し付けているものは主として行政財産でございますので、その使用目的から必要でないというふうになった場合には、返地させることに相なろうと思います。したがいまして、売り払うということは考えておりません。
  69. 大橋和孝

    大橋和孝君 それから林野庁のほうでは、内部で相当貸し付け料実態調査というものをやっておられるわけですね。その実態調査をやられていろいろそれが出ているはずでありますが、いままでの調査の結果と、調査は一体何回やられたのか、そうしてまたどういうふうにやっているのか、その内容説明してください。
  70. 片山正英

    政府委員片山正英君) ちょっといま聞き漏らしたんですが、値段の点でございますか、貸付料の問題でございますか。
  71. 大橋和孝

    大橋和孝君 値段の問題。
  72. 片山正英

    政府委員片山正英君) 値段の問題でございますか。貸付料につきましては、これは契約の改定時において、近傍類地のいわゆる時価というものを調査いたしまして、その時価に、原則といたしましては、四%を貸付料というふうにして契約を改定しているという状況でございます。
  73. 大橋和孝

    大橋和孝君 何回ぐらいそれをやられたか、それをもう一ぺん。調査をやられた回数ですね。それからまた値段は一件一件調べているのか。
  74. 片山正英

    政府委員片山正英君) これは林野庁としてはそういう調査はしておりませんが、営林署長が貸付をする場合に、大体貸付契約というのは三年ぐらいが期間でございますが、その三年ぐらいの期間で新たに契約を改定する場合に、近傍類地の時価というものを調査いたしまして、それの四%ということで改定していく、こういう形でございます。
  75. 大橋和孝

    大橋和孝君 それをもう少し話を進めていけは、この実態調査をやったときに——いままで何回もやられているでしょうが、そのときにはこういう問題は十分把握できておった——それを隠しておって、そうして新聞か何かにスクープされたというようなことになれば、非常にこの問題は根が深いものがあるように考えるわけです。そういうことがあるのかないのか、あなたのほうにひとつ問いただしておきます。
  76. 片山正英

    政府委員片山正英君) ただいま申しましたのは、一般論としての貸付料のやり方でございますが、農地の場合には、いわゆるそうやって考えられた時価の四%と、それから近傍類地で小作料として取っている料金と、いわゆる貸付料金との民間におけるそういうものの比較におきまして、もし時価の四%のほうが高ければそれはその小作料として従来一般の民間でやっているそっちのほうの、安いほうに基づきまして契約をしているということでございます。
  77. 大橋和孝

    大橋和孝君 じゃ、こうしたことが林野庁のほうとしては起こらないための対策というものはどういうふうに考えていますか。今後、いま貸し付けたり何かしておりますが、もしこれをほかでその目的に従っていないものがあったときには、それをどういうふうにするか、あなたのほうのこれに対する具体策はどういうようにされるか、ちょっと聞いておきたい。
  78. 片山正英

    政府委員片山正英君) 私のほうとしましては、先ほど申しました粗放利用であるとか、あるいは未利用のままにほっておいたとか、あるいは先ほど申しました目的以外に使用しておるというような実態でもありますれば、それを目的どおりに、そのように土地を活用してもらうように指導をしておるわけでございます。万一そういう方向になかなかいきにくいという場合には、非常に悪質だというふうに見える場合には、これは解除もやむを得ないというような形に相なろうかと思います。
  79. 大橋和孝

    大橋和孝君 これは国有林野の開放は、やっぱり工業用とか、あるいはこれは農業用に限るべきものだということは、もう前から御承知のとおりですが、実際問題としてそうでない。あるいはその土地の値上がりをねらった投機的目的利用されるとか、あるいはこういうようなことがあるとすれば、これは非常に国民感情からいっても許されないことは事実です。いまあなたの話をずっと聞いていると、もうそれを監督官が行って、十何名おっても、まだそれは討議しなければわからぬというような形で、なかなかこれは正しい指導ができていないように思うわけですね。そういう点についてひとつ十分なことをやってもらいたい。同時に、私のほうも、もう少し資料を——大体のことはわかっておりますけれども資料を固めて、長く話していても押し問答みたいになってしまってらちがあきませんから、個々の例を今度は示して討論してみたいと思います。  特に私は最後に申し上げておきたいのは、今度のこの討論の中でも、達田委員のおっしゃった中にもいろいろあったと思いますが、こういう状態にあることを十分に把握しないで、指導する責任は林野庁にありながら、やっていないというように私には解されるわけでありまして、特に国民感情からいっても、こんなふうなずさんな処理がされていることではたいへんな問題だと私は思いますので、この点においては、特にきびしく将来は正しくやってもらうように、きびしい態度で臨んでいただきたいと、こういうふうに思うわけです。
  80. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ちょっとそれは答弁はいいんですが、私から一、二関連して聞いておきますが、先ほど四十一年現在で一七%という数字を言われたんですが、その一七%の実際の状況は、一件一件、現況はいろいろなんだろうと思うが、いわゆる粗放だということに当たるのか、あるいは未利用だ、全然利用しておらぬと、あるいは農耕以外に使っておる、これも一種の未利用かもしれぬが、当初の目的からいうたら、目的をはずれているから未利用、そういう区別はついておるのかどうか。先ほどの説明だと、両方一緒に、あるいは粗放あるいは未利用と、こうなっておるが、その辺の区別を知りたいわけです。二つでなしに三つぐらいがいいかもしれないですね。未利用、それから違った目的に積極的に使っておる、それから粗放だとか、ちょちょっとかっこうだけつけておる、こういう三種類ぐらいにして、それがどの程度なのか、これもお調べ願いたいと思います。いまわからぬでしょう。  それからもう一つは、改善措置を進めておる、これはけっこうなことだ。その場合に、結果においてはどうなっているのか。改善を進めた結果、改善のしかたは二つあるわけでしょう。一つは、当初の目的どおりきちっと耕作してもらわなきゃ困るというのが一つ。もう一つは、これは幾ら進めてもとてもだめだというので解約をして返してもらっておるのもあると思います。改善に二つの措置があるわけですね。だから、農耕を進めた率と、それから返してもらった率、その辺のところを若干関連して資料を整えてください。よろしいですか、意味はわかりましたか。
  81. 片山正英

    政府委員片山正英君) わかりました。先生のおっしゃる調査をして御報告申し上げたいと思います。
  82. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 現在ばく然とでもお答えできますか、いま私がお尋ねしたところ。
  83. 片山正英

    政府委員片山正英君) ばく然ととなりますと、先ほど申し上げました、件数で九千三百件あるうち、大体千五百件がいわゆる未利用粗放利用というような形で、これは営林署から営林局を通しまして局別に何件、こうなっているという調査でございますが、そういう形になっております。したがって、詳細につきましては、先生の言われた小分けについては、もう少し検討させていただきたいと思います。
  84. 大橋和孝

    大橋和孝君 おそれ入りますが、いま委員長のおっしゃった一七%の千五百八十三件ですか、これにつきまして、営林署別に、いつ、幾らで、だれに、どういう条件で渡したかというようなことを資料としてひとつ出していただきたと思います。
  85. 片山正英

    政府委員片山正英君) 先生のおっしゃるように努力はいたしますが、できれば重点的に先生のおっしゃる点を中心にして調べさせていただきますと、非常に膨大でありますので、営林署まで入れば。できればそういう場所を指定していただきまして、そこを中心に調べたいと思いますが、いかがですか。
  86. 亀田得治

    委員長亀田得治君) それじゃ、これで午前中は終わりますが、農林大臣がわざわざお越しですから、理事の方どなたか聞いてください。
  87. 岡三郎

    ○岡三郎君 所用があって中間の話はよく聞かなかったのですが、端的に言って、一昨年、昨年あたりから、国有林野払い下げなり貸し付けの問題について、いろいろと論議があったことは、農林大臣も御承知のことだと思います。たまたまこういう貸し付けの問題について、いろいろと質疑があったわけですが、端的に言って、目的外に使用されていると、あるいは粗放、そのほかいろいろな条件があるとしても、こういう問題について、やはり農林省林野庁の態度というものを明確にしないというと、私は誤解を招いていくと思うのです。そういう点で千五百何件の問題は確かに膨大だけれども営林署別にすればそれほどのものではないと思う、端的に言うと。しかも、貸し付け年度別にこれを調査してもらえば、現在における状況は一体どうなっているのか。かなり時間的にさかのぼるということになると、その間においていろいろな問題点があるにしても、そういうふうな貸し付け内容について、具体的に積極的に農林省当局が、事態はこうなっているのだというふうに、処理状況といいますか、それから今後の監査のしかた、そういうものについて、明確な方針というものを立てていくべきであるということは、これは論を待たないと思います。そういう点で、いま質問されたことをまとめて農林大臣のほうから所見というか、これに対するところの農林省の態度というものについて、ひとつ意見を開陳してもらいたいと思います。
  88. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) きょうの委員の各位の御質問の間にも私はいろいろ考えさせられることがございました。それから特に、林野庁のほうからの御説明が不十分である、先ほど柴谷先生からお話がありましたとおりでありまして、私は、国有財産の管理についてこの決算委員会は、国民に不信と申しますか、疑惑を一点もなくするような意味で決算の御審査を願っている、こういうふうに私ども考えておる次第でございます。したがって、この国有林野の取り扱いについて、従来しばしば国民に疑惑を持たれるような場面があったことはまことに残念でございます。私、微力でございますが、そういうことはできる限りこれは払拭すべきである。これは当然の私の職責でございます。  そこで、お話がありましたように、事態の明確なる把握、実態の把握をできるだけやることと、それから従来も長官から、監査のいろいろな基準なりやり方なりについて、もちろん限度はありましょうが、方針はありますが、それに対して、さらに私のほうもそのよい方針、また、ゆるければもう少し締めるとか、そういうことをよく検討しまして、そしてきちっといきたいということでございます。  いろいろ資料の御要求もありまして、私どもは委員各位の御熱意もわかります。ただ、同時に、全部を一定の期間にやろうということになりますと、何万件とか何千件とかになりますと、なかなか、ただほんの形だけのものになりますから、それらはよく委員各位の御質問の御趣意に沿うように、ひとつ林野庁の事務当局と御折衝の上で資料等もひとつつくらしていきたい、こんな考えでございます。どうぞ……。
  89. 岡三郎

    ○岡三郎君 大臣、農業新聞で取り上げられた、「ズサンな国有林貸し付け」という中を見るというと、これは部内監査でこういうふうな実態が出てきたというふうに書いてある。そうするというと、現実に、現場のほうにおいては、すでにある程度実態調査がなされているんではないか。したがって、いままでの実態調査をもう一ぺん検討されて、そうしてそれに足りないところは補ってもらって出してくるということになれば、現実に私は資料があると思うのですが、林野庁長官、どうなんです。部内監査の結果こういうふうな貸し付け状況が出てきているということが書いてあるんですがね。部内監査はしたんでしょう。
  90. 片山正英

    政府委員片山正英君) ただいま申しましたのは、先ほど申しましたように、林野庁の通達をいたしまして、それに基づきまして署がそれぞれの調査をいたしたわけでございます。その集約したものを林野庁がとりまして、ただいまのような数字を申し上げたわけでございますが、林野庁としての監査は、これは表面そういう数字でなしに、具体的に入っていく監査は、先ほど申しましたように三局について、三署について一局監査したわけでございます。そして重点指導、モデル指導をやったわけでございます。ですからその一つ一つの全国全部の署のやつは、林野庁にいまその資料はございません。
  91. 岡三郎

    ○岡三郎君 だから、いま言った一七%について、具体的にその内容というものを、委員長が言ったように、三段階なら三段階に分けて、そうして実態調査というものを資料として出してもらいたい。これはできるのですね。
  92. 片山正英

    政府委員片山正英君) ただいま先生のおっしゃった営林署のそれぞれのものにつきましては調査されておりますから、営林署を通して上げればできます、ちょっと期間がかかりますが。
  93. 岡三郎

    ○岡三郎君 だから、回りくどいから——大臣、いま聞いててもわかるように、各営林署がそれぞれの実態調査して、手持ちの資料というものは営林署にあるわけです。だから急速にこれを上げて、これに対してどういうふうに対処するかは、当然の責任です。林野庁長官がそんなこと遠慮することは私はないと思う。その実態の中から、これは契約解除する、つまり目的外に使用されておるものは解除するなり、あるいはこれが臨時的に使われて、便法的に使われているような場合は、その内容については使用目的に沿うように指導するなり、先ほど委員長が言ったように、項目別に分けて具体的に処理というものがなされないと、これは意味がなくなっちゃうと私は思うのです。その資料の点についてお答え願いたい。
  94. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) わかります。林野庁長官は、むしろ正直に言い過ぎて誤解を招いていると思います。実態営林署でやって、大きいものは局でやっている。それらの実態というものは、資料を取り寄せられるし、あるいは何ならば電話でもわかりますので、それらをつかみました上で、ひとつ林野庁のほうからまとめて資料を出させていきたい、こういうふうに考えます。
  95. 亀田得治

    委員長亀田得治君) それでは午後一時半まで休憩いたします。    午後零時五十五分休憩      —————・—————    午後一時四十四分開会
  96. 亀田得治

    委員長亀田得治君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、昭和四十一年度決算外二件を議題といたします。  農林省及び農林漁業金融公庫決算について審査を行ないます。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  97. 柴谷要

    柴谷要君 理事会の決定は、一時半の開会、こういうことを先ほど私は聞きましたんですが、わが党の議員はかく多数出席しておるにもかかわらず、自民党さんの出席がない。そのために十五分もわが輩の質問時間に食い込まれたということはまことに遺憾である。自後十分審議に協力をしてもらうように、自民党さんの理事に申し添えて質問に入りたいと思います。  まず最初に、私の質問は、食糧庁でございますが、きょうは長官が何か衆議院の大蔵委員会に御出席の御様子でございます。私のほうから言わしむるならば、決算委員会のほうが上位とは申し上げませんけれども、重要な問題をはらんでいるだけに、長官の出席を実は希望しておりましたが、かわりとして次長の田中さんが御出席になりました。田中さんは、食糧庁きってのまあ事情通であられると思いますから、克明に、こまかい数字をひとつお尋ねをいたしますから、私の納得のいくような御答弁をぜひこの機会にお願いをして、質問に入ります。  事の起こりは、昨年のことでございますが、九州並びに北海道の通運業者が、政府で行なっておる米麦輸送の問題をぜひわれわれ通運業者にも担当さしてもらいたい。それができないならば訴訟に持ち込んでこの問題の処理をつけたい、こういうようなことで、大口長官に要望書を提出したのがきっかけで、私が質問いたしたわけでありますが、その後、聞くところによりますというと、これら訴訟を起こそうとした業者皆さんと全国通運株式会社との間に話し合いができて、しかも、それが食糧庁のあっせんという形ですか、日通と全国通運と食糧庁、三者の間に何か機関ができて、昨年は二回、今年に入ってはすでに五回、会議を重ねているというようなことを聞いておりますけれども、これらのつくられた委員会であるか、研究会であるか、何であるかわかりませんけれども、それらの内容についてまず説明をしていただきたいということが第一点。  それから、一回から七回ぐらいまで続いているように聞いておりますけれども、その一回から七回までの討議をされた内容について、ひとつ克明に報告をしてもらいたい。克明といっても、それはだらだら長しゃべりをするのが克明ではない。要領よくその内容、そのことをやってもらうということで、ひとつ時間の制約がありますから、説明を願いたい。その中で私が質問を繰り返してまいりますので、数字が出てまいりますから、その点もお答えをいただく、こういうことで、まずこの問題の質疑に入りたい、こう思いますので、御答弁をいただきます。
  98. 田中勉

    政府委員田中勉君) 不十分ではございますが、説明させていただきます。  先ほど御質問ございました全国通運を食糧運送の部面に参画させよとの要望が、昨年の秋いろいろ地方から出てまいったわけでございます。私どもといたしまして、全国的に食糧運送を計画的にやっていく場合におきまして、従来のたてまえといたしましては、日本通運というこの組織機構以外には適当なものが見当たらない、こういう方針で、態度で現在までまいったわけでございますが、ただ、この食糧管理をめぐるところの情勢を申し上げますると、食糧の需給は相当緩和をしてまいっているわけでございます。また同時に、非常に広範な部面にわたってきていることもございますので、この際、この全国通運関係の新免業者等の今日までの実力の状況、そういう実態状況等も私どもも検討いたしまして、この際そういう日通以外の業界の参画も必要ではないかというような観点に立ちまして、昨年秋でございますが、十二月四日に、私ども食糧庁の長官のところに全国通運の最高責任者、また、日本通運の責任者に来ていただきまして、今後の食糧運送につきまして、末端の段階におきまして、全国通運という、これに参加しているいろいろ運送店がございますが、そういうものを活用する方向でいろいろ実務的な研究を重ねて、そうして何らかの方向を打ち出してまいりたいということで、食糧庁から要望いたしたわけでございます。先生も御指摘のございますように、背景といたしましては、そういう背景でこの実務者研究会を持った次第でございます。自後、先ほどもお話ございましたように、一回から七回——昨日がちょうと七回目になるわけでございますが、七回研究会を持ったわけでございます。  詳しくはいろいろまたお尋ねによって申し上げたいと思いますが、当初の段階におきましては、何ぶんにも現在までのところ、末端の全国通運傘下の各運送店におきましては、食糧輸送ということにタッチしておらなかったわけでございますので、まず、現地現地におきましてのこれらの新免店の能力あるいは実態というようなものを調査することに大体重点が置かれてまいったわけでございます。したがいまして、その間において相当な日時を要したことも事実であるわけでございます。大体七回目の後段になりますると、現実問題として、そういう現地の情勢が大体わかってまいったわけでございまするので、その機能をいかにして、現地におきましての私どもの食糧運送の実務にどういう形において参画することができるかどうか。また、それを受けて、たとえば日通が全部これをやっているわけでございますので、日通とその間における調整の問題、また、その間に処しまして食糧庁の立場といたしましては、全国的な食糧輸送を計画的に一元的に現在までやっているわけでございますが、そういう新しいものが入った場合におきましての末端の作業のいろんな調整の問題あるいは報告、計画遂行というようなことにつきまして、大体どこまでやれるかというようなことについて、後段の段階におきましては、かなり話を詰めてまいりまして、昨日のところにおきましては、今後のあり方として、食糧庁の食糧運送につきまして全国通運、それから日本通運、こういうものがどういう形において末端段階において作業の調整、そういうものができるかどうかというところに作業を詰めてきているのが現状であるわけでございます。
  99. 柴谷要

    柴谷要君 輪郭はわかりましたが、私のまず質問しようとする前提は、日通であるとか全国通運であるとかいうような問題ではなくて、食糧輸送をするにあたって、将来この通運料金をいかにしたら安くできるか、これがねらいで質問するわけです。だから、その点についてぜひお答えをいただきたいと思います。私が昨年質問いたしました際にも、一社独占という形をとらせることよりも、むしろ競合させることのほうがその目的を達せられるのじゃないか。そういう意味でかりに下請にいたしましても、あるいはその他特殊な関係を持った通運業者に輸送をさせるについても、輸送賃をできるだけむだづかいをしないで、そうして安く通運料金を押えることができる。それがねらいで私は実は質問をしたわけです。ところが、いま一回から七回までの研究会の討議内容を見てまいりますと、ただ単に新免業者、新免といっても、これは新免じゃないのですね、全国通運株式会社に参加をしている業者は新免じゃない。それは古い業者なんで、日通対全国通運というものの間に話が取りかわされておることは、食糧庁が中へ入って何とか両者の間にうまい話し合いをつけて、そうして現状のままで推移をさせる。いわば全国通運を納得させるために何とかの手段をとらなければならぬ、こういうことにきゅうきゅうとしているような感じがするわけです。それは一回から七回までのあなた方が討議をされておる内容を検討してみると、そういうふうな感じがするわけです。そこで私は不満と思いますことは、これは両者に競合させることによって多少でも安くなる、こういう見通しをつけたから、今日の質問になったわけです。そこで、私はこまかい質問をこれからするわけですけれども、六百万トンにも及ぶ米麦輸送を日通一社にやらしているわけです。これにかかる諸掛かりというものは、日通から報告をさして、そうしてそれをうのみにして食糧庁は次年度の予算というものを計上をして支払いをしているわけです。これは私が調べた結果事実なんです。でありますから、たとえば四十年度の実績から見ますると、四十一年度ははるかに値上がりがしておる、あるいは四十一年から四十二年になると、また値上がりをしておる。これは実績に応じて食糧庁が支払いをしておりますから上がってくるのは当然だと思います。これでは輸送賃が一向に安くならない、そういうことでは、私のねらいであるところの通運料金を引き下げるという方向にはどうしてもならない。そこで私は、どうしてもこれは通運料金を節約をさせる、あるいは今日むだづかいしているものを切る、そういうところに焦点を置いてこれから質問していきたいと思います。  そこで、まず第一にお尋ねをしたいのは、一体通運料金を日通にいかほど支払いをしておるか、これは米麦とありますから、一括でいいですから、年間でどのくらい支払いをしておるか。金額をまず最初にお尋ねをしておきたい。
  100. 田中勉

    政府委員田中勉君) お尋ねの点は、日通に対してどの程度支払っているかということでございますが、四十一年度の政府食糧運送実績によりますると、運送の総量は五百六十三万八千トンでございます。支払った運送費は百二十六億六千八百六十五万四千円ということになっております。ただし、この中に鉄道納金、鉄道運送にかかりましたものにつきましては、これは日通を通じて通り抜け勘定になっておりますけれども、この中におきまして五十七億八千八百万円というものが鉄道納金として占められているわけでございます。これは鉄道に対しましては鉄道運賃の実費を支払っている。これは日通を通じまして通り抜け勘定になっているということでございます。
  101. 柴谷要

    柴谷要君 これは通運料金だけですね。
  102. 田中勉

    政府委員田中勉君) さようでございます。
  103. 柴谷要

    柴谷要君 それならば次にお尋ねいたしますけれども、入出庫料金というものはどのくらい支払いしておりますか。
  104. 田中勉

    政府委員田中勉君) 入出庫賃は十五億二千五百万円でございます。
  105. 柴谷要

    柴谷要君 それでは運送事務処理費というものはどのくらい払っておりますか。
  106. 田中勉

    政府委員田中勉君) 運送事務処理費は約九千万円ということでございます。
  107. 柴谷要

    柴谷要君 それじゃ全部言っておきますから答えてください。乱袋手直し料、次は資材費、小出し横持ち料、仕訳荷役費、看貫荷役費、その費目のうちで発と着とありますから四十一年、四十二年両方言ってください。
  108. 田中勉

    政府委員田中勉君) 四十二年度は目下まだ全部集計されておりませんので、四十一年度におきまして申し上げますと、入出庫賃が十五億二千五百万円、それから通運料金が三十九億三千九百万円、それから車馬料金が四億一千二百万円、小出し横持ち料二千三百万円、乱袋手直し料二千八百万円、資材費一千八百万円、仕訳荷役賃四千八百万円、看貫荷役賃二千二百万円、その他八億六千六百万円となっておりますが、その他のことにつきましては、この内訳をちょっと申し上げますると、港湾料金二億五千二百五十三万円、船駐運賃五億一千百万円、あと、先ほど申し上げました事務処理費約九千万円、こういうことになるわけでございます。
  109. 柴谷要

    柴谷要君 これは米麦輸送ですから、六百万トンで個数にしたら大体何個くらいの個数になっておるかおわかりですか、約でいいです。
  110. 田中勉

    政府委員田中勉君) 大体輸入食糧のほうは百キロくらいになっておりますし、国内米麦になりますというと若干の違いはございますけれども六十キロが主体でございますので、かりに六十キロということになりますと、六百万トンの十六倍ということになりますと約一億というような、個数から見ますとそれを上回るというようなことが一応予想されます。と申しますのは、米の中におきましても、最近は三十キロ紙袋のようなものが非常にふえてきておるのでございます。個数といたしまして一億を優にこえる、そういう概略でございますが、申し上げておきます。
  111. 柴谷要

    柴谷要君 実は輸入米を除きますと九千万個に当たるわけです。その九千万個を扱っているのを計算して割り出してみると、入出庫料金が発の場合は七円九十三銭、着の場合は八円四十銭かかっている。入出庫料金なんというのは、たった一個ですよ、一個の単価が七円九十三銭、着の場合は八円四十銭も支払われる必要があるのかないのか。これはあなた方で実績を調べられてこの単価をはじき出しているかどうか、この点を一つ質問しておきたい。
  112. 田中勉

    政府委員田中勉君) 入出庫料金は、これは倉庫業法に定められておりますところの定額料金になっておりまして、これはもう大体級地によって違います。甲地、乙地、丙地ということによって違っておりますけれども、いずれもがこれが定額料金でございます。その個数に定額料金をかけたものが入出庫料金ということになるわけでございます。
  113. 柴谷要

    柴谷要君 それなら聞くが、四十年度は七円八十六銭で、四十一年度は七円九十三銭という単価の違いはどういうところから出てきているのか、それを承りたい。
  114. 田中勉

    政府委員田中勉君) ただいまのは個数をプールした形においてなっていると思いますが、四十一年と四十二年は、倉庫の保管料の違い、保管料が変わってまいりますと当然入出庫料金もそれによって変わってくる、こういうことでございます。
  115. 柴谷要

    柴谷要君 いまあなたの説明は、保管料の料金が変わってくるから値段が変わってくるとは言わなかった。もうそこでもって食い違いの答弁をしているわけだ。まあそれはいいですが、乱袋手直し料というのは一体幾らかかっているか、おわかりですか、一個に対して。それを答えてもらいたい。
  116. 田中勉

    政府委員田中勉君) 四十一年度の例を申し上げますと、総額といたしましては二千八百万円ということでございますが、米につきましては、一個当たりの乱体手直し料を申し上げますと、発地におきまして九銭、それから着地におきまして九銭。
  117. 柴谷要

    柴谷要君 乱袋手直し料というのは、実際一個当たり九銭必要だと、あなたはお考えになっておられますか。しかも、実態を調べてこれは適正な乱袋手直し料だとお考えになっておられますか、その点を伺いたい。
  118. 田中勉

    政府委員田中勉君) 乱袋手直し料をきめてまいります場合におきましては、私のほうといたしまして、毎年十月から十二月ごろにかけまして、その前の年度の、いままで実施した実際の乱袋手直しの実績を、実態調査をいたしまして、その総額が幾らになるかというようなことを計算いたしまして、それに基づきまして単価計算をいたしておるわけでございます。もちろん、これにつきましては、現地現地におきましてのそれぞれ食糧事務所がこの現実の実態調査を、過去の実績に基づきましてやった結果、この乱袋手直し料の算定をいたしておるわけでございます。
  119. 柴谷要

    柴谷要君 それならばまた聞くが、実際にその仕事を調査をしてやるというなら、毎年毎年発送から着か同じ大銭ということはあり得ないと思うんです。四十年も、四十一年も、三十九年も、いいですか、発も着も九銭という同じ数字が出てくるという、こんな正確なことはあり得ないと思うんだ。これはつかみ金のようなものなんです。あなた方のほうで実際にこの乱袋手直し料あたりが幾ら必要になっておるか調べられて、これの結論を出されたのじゃない。いいですか、請求をされてきたから、そのまま出しているというのが実態なんです。これは二千八百万円という金は安くないですよ、違いがあるわけです。それじゃ、それはそれとして、あなたの答弁をそのまま聞くとして、まあそれは納得できないけれども、まあいいとして、かりに仮定しましょう。それじゃ次の資材費。資材費は一体四十年と四十一年とはどのくらいの違いがあるのか、それともやっぱり同じなのか、この点をひとつ伺いたい。
  120. 田中勉

    政府委員田中勉君) 資材費につきましては、米麦を輸送する場合におきまして特に清潔輸送ということを旨といたす関係上、たとえば紙袋で輸送する場合におきまして、むしろというようなものを車内に敷きまして、そうして清潔、安全を旨とした輸送をさせるための資材費でございますが、お尋ねの四十年と四十一年がどういうことになっているかということを申し上げますと、資材費におきましては、四十年は十一銭でございます。それから四十一年は六銭と、こういうことになっておるわけでございます。
  121. 柴谷要

    柴谷要君 これが実際に行って実態を調べられて出された数字のように私は思うんですよ。私の調べもやっぱりこうなっている。ところが、乱袋手直し料というのは九銭がずっと続いておる。これなどは調べる余地がないんだよ、実際のことを申し上げて。私も鉄道人だから知っておるんだよ。だから、これはあなた方で調べようとしたって調べられないのだな。これは日通さんから報告してくるやつをうのみにせざるを得ないと思うんです、それは。そうすると、この金というのは、いささか疑問視せざるを得ない金額になってくる、それから資材費にいたしましても、四十年から四十一年は、四十年が高くて四十一年になったらぐっと下がる、約半値になる、こういうことも、これまたおかしな問題なんですよ、実を言えば。それは問題として安くなったことだからけっこうだから、私の趣旨に沿っていることだからこれはいいとして、それならば小出し横持ち料の問題が、ひとつ幾らかこれを聞きたい、四十年と四十一年の違いを……。
  122. 田中勉

    政府委員田中勉君) 小出し横持ち料は四十年は四十一銭でございまして、それから四十一年は四十六銭でございます。五銭ほど上がっているわけでございます。
  123. 柴谷要

    柴谷要君 私の調べでは違うんだよ、それは。私のやつのは、四十年は四銭で、それで四十一年になると四十銭になっている。十倍になっている。その点はあなたのほうの数字の何か間違いじゃないですか。これは四十年は四銭で四十一年は四十銭なんですよ。十倍にはね上がっているんだよ。この点は、ぼくの調べが不正確か、あなたのほうが正確か、この点は四十年の支払いをした金額と、それから四十一年に支払いをした金額をちょっと言ってください。総額を言ってもらえればよくわかるから。
  124. 田中勉

    政府委員田中勉君) 私のほうの先ほど申し上げました四十一銭、四十六銭ということにつきまして、四十年が四銭という根拠がおありのようでございますけれども、私のほうでは四十一銭でございまして、それは同時にまた三十八年、三十九年も四十一銭という水準になっているわけでございます。
  125. 柴谷要

    柴谷要君 それはあなたのほうがそれを言い張るならまあそれでいいとして……。
  126. 田中勉

    政府委員田中勉君) それからもう一つは、金額はどうだということですが、それをちょっと申し上げます。小出し横持ち料の金額は四十年が二千二百万、それから四十一年が二千三百万ということになっております。
  127. 柴谷要

    柴谷要君 それじゃ、それを真に受けて二千二百万と二千三百万、百万円違うのだけれども、その違いの内容、おわかりですか。
  128. 田中勉

    政府委員田中勉君) さっき申し上げましたのは、個数の単価が出ているわけでございます。したがいまして、そのものに基づきまして、全体の総運送量でこの金額をその個数で割って出すわけでございますので、個数当たりの単価というものは、年々そういう形においては違ってくるということが考えられます。
  129. 柴谷要

    柴谷要君 それでは、これは確かに個数によって違う。一個幾らだとか、いまあなたが答弁されたのは、一個四十一銭ということだから、個数がふえれば金額がふえるのは当然ですが、百万ふえたというのは、いわゆる輸送の個数がふえた、こういうことですね。そうすると、四十一年に輸送された米は四十一年産米じゃないのだ。四十年産米もあれば、三十九年産の米も輸送されているはずです。その内訳はおわかりですか。わかったらひとつ知らしてもらいたい。
  130. 田中勉

    政府委員田中勉君) これは年度ごとの米の輸送量の中におきまして、年産ごとの区分というのが、私のほうでちょっといま資料としてそれだけの分析をいたしておりません。と申しまするのは、やはりその米につきましては、年度ごとに輸送契約を結ぶわけでございますので、その年度内においては、前年産であろうと、今年産であろうと、米の一個当たりの輸送というものにつきましては、年産区分はいたしておりませんので、ちょっと資料をそこまでの分析をいたしておりません。
  131. 柴谷要

    柴谷要君 国民に食わせる米を、三十八年の米を輸送したり、三十九年、四十年の米を輸送するのでしょう、四十一年に。それをその産米の統計ぐらいとっていない食糧庁がありますか。それなら食糧庁というのは要らないということになる。一体何をする庁なんです。全く盲腸的存在じゃないか。それがわからないはずがない。ちゃんとわかっている。何ならこっちが教えましょうか。
  132. 田中勉

    政府委員田中勉君) どうも失礼いたしました。個数がよくつかめなかったものですから、ちょっと先ほど申し上げたのですが、トン数で申し上げますと、四十年産米、四十一年産米を申し上げますと、四十年産米が四十一年度に運送された数量におきましては、百二十七万八千三百七十九トン、これは精米トンでございますので、玄米トンに直しますと、約一割増ということになります。  それから四十一年産米は百六十二万四千四百四十三トン、合計二百九十万二千トンという精米トンになっておりますが、こういう内訳になっておるわけでございます。
  133. 柴谷要

    柴谷要君 そういうふうに田中さんがこまかい数字を知っていながら、白ばくれるというのはけしからぬ。ぼくのほうでちゃんと持ってきている資料と同じなんだ。ぴったり合う。親切に答弁しなさい。あなたにそれじゃ盲腸的存在だと言わせなくても済む。  そこで、次のことを聞きますが、仕訳荷役費というのがどうも四十年と四十一年度は違いが出ている。これについても私には納得がいかない点があるので、ひとつこの説明をこまかくしてもらいたい。
  134. 田中勉

    政府委員田中勉君) 仕訳荷役賃のこの算出につきましては、これは現在のところ、米輸送をいたしてまいります場合におきましては、種類別、それから等級別、それから包装種類別等、いろいろな形態があるわけでございます。もちろん、これをそれぞれ単一の包装、単一の等級ということで運送すれば、これは一番問題ないわけでございますが、貨車効率等、貨車輸送の効率性を考えますると、やはりどうしてもこれを混載をして輸送していくということがたてまえになるわけでございます。しかしながら、政府はこういうものを消費地におきまして売却いたしてまいります場合におきましては、もちろん種類別にも単価は違ってくることは当然でございますし、また、極端に等級別にも売却単価も違ってくるわけでございます。また、包装別によりましても、同じ等級でも売却単価が違ってくるわけでございますので、当然それらは倉庫の中に入庫する場合、そういう場合におきましては、やはり仕訳をして倉庫の中にはいつけをしなきゃ、ならぬというようなこともございまして、そういう意味合いにおきまして能率低下がそこに行なわれるわけでございます。これが、運輸省の料金に定められているところの仕訳荷役賃というものに適用して、先ほど、四十一年度におきましては四千八百万円ということを申し上げたわけでございます。この四十年と四十一年の単価の内訳を申し上げますと、仕訳荷役賃でございますので、発地におきましては、四十年は三十八銭、それから四十一年は三十九銭、それから、着地におきましては、四十年は二十五銭、それから四十一年におきましては二十七銭、こういう数字になっておるわけでございます。
  135. 柴谷要

    柴谷要君 その数字は私の調べと同じ数字なんです。だけれども、私は、この仕訳荷役費なるものが一体こんなに必要かどうか。たとえば、四十一年ならば発地のほうならば三十九銭、それから着のほうでは二十七銭、一体こんなに必要かどうか。これは食糧庁は実態を調べられて、これが適正価格だと、こうお考えになっておられるかどうか、その点だけ聞かしてもらいたい。
  136. 田中勉

    政府委員田中勉君) 先生も御案内だと思いまするけれども、最近数年間に、包装の関係におきましても、まあ非常に種類が多くなってきておるわけでございます。また、等級間等におきましても、最近の傾向として、いろいろ等外米とか、規格外米とか、各種のものを政府は買い上げておるわけでございますので、かなり単一のやはり米の輸送ということになりましても、包装ごと、種類ごとに相当膨大な買い付けをいたしておる関係上、いろいろな種類のものが出てきておるわけでございまして、この仕訳荷役賃は、現在適用しております運輸省のこれによってやっていることは、私ども適当であろうということで、こういう算定をいたしておるわけでございます。
  137. 柴谷要

    柴谷要君 それは政府としては、まあ食糧庁として支払いしているのですから、適正だと、こう言わざるを得ないだろうと思う。ところが、最近の米麦輸送については、いろいろ研究をされて、非常に昔と違った形態になってきているわけです。扱いやすくもなってきたし、事故も起きないし、何といいますか、合理化されてきて、非常に進歩してきている輸送に対して、それが年々金額がふえていくという不合理が納得がいかない。これはもっと食糧庁が実態を把握されていったならば節約できると思う、金額上。こういうところに、私は研究の必要がある、こういうふうに考えるわけです。  まあそれはさておいて、最後に一括いたしますけれども、その次に看貫荷役費というやつ、ずいぶんこれ幾通りにも名前をくっつけて金を払っているのだと思ってびっくりしたわけです。看貫荷役費というのは、四十一年度とそれから四十年度ではだいぶ違うのだ。これは奇態に四十年は、これはあなたのほうの数字とぼくのほうの数字と合うか合わぬかわからないけれども、四十年度は三十八銭、ところが四十一年は三十一銭になっている。ところが、この看貫荷役費なんていうのは、着のところでもって看貫をするなんていうことは、絶対あり得ない。これが何キロありますかなんてはかりなんかせぬ。看貫荷役費は一体幾ら支払いをしているのですか。年間これは一個について三十八銭なり三十一銭支払っているのだけれども、実際何千万円の支払いをしているのだから、その金額、実際これは看貫荷役費として、この看貫に当たっているかどうか。あなたのほうは知っておるのか知らぬのか、この点をひとつ聞かしてもらいたい。
  138. 田中勉

    政府委員田中勉君) 四十一年度の総額支払い額につきましては、先ほど申し上げました二千二百万円でございます、それから四十年度におきましては二千六百万円ということでございます。
  139. 柴谷要

    柴谷要君 この輸送量は、四十年度と四十一年度では、四十一年度のほうが多いのですね。多いにかかわらず——いいですか、少なかった、四十年度が二千六百万円払って、輸送量の多い四十年が二千二百万円になったというその理由は何ですか、聞かしてもらいたい。これは看貫荷役費というものは、それだけ安くしてもいいんだという、そういう判定のもとにあなたのほうで切り下げられたのか、それとも日通のほうが自主的にあなたのほうに報告してきたのがその値段なのか、その点を明らかにしてもらいたい。
  140. 田中勉

    政府委員田中勉君) 看貫荷役賃につきましては、これはこの看貫荷役賃を設けました趣旨は、ちょっと御説明申し上げますると、やはり発地におきまして消費地に向かって運送を日通に命ずるわけでございますが、当然この発地におきまして出庫いたします。それから運送人である日通の専有状態にその米が移るわけでございますが、これがやはり運送途上におきまして、適正に運送が行なわれるかどうかというようなことにつきまして、着の倉庫に入庫する前におきまして、運送人にこの現実の各個体ごとの看貫を一定の割合をもって実施するように指示をいたしておるわけでございます。この場合におきまして、たとえて申し上げますと、内地の米麦でございますが、俵の場合におきましては一〇%、それから麻袋、紙袋におきましては、麻袋が五%、紙袋が二%の看貫をするようにということを指示をいたしておるわけでございます。また、その実施しましたものにつきまして実績報告を徴しておるわけでございますが、そこで、その看貫賃につきましては、俵、かますのようなものは、どちらかと申しますると、それぞれこの俵の製作とか、そういうものがその個々の農家で行なわれておるために、重量のフレが多いので、入庫看貫等におきましては、相当な割合を実施することが適当であろうというようなことで、一〇%ということにいたしておるわけでございます。ところが、麻袋とか紙袋ということになりますると、この包装は工業製品であるわけでございまするので、この実施割合は大体抽出率あるいは標本個体の適正度から見ましても、俵よりももっとこれは実施割合は低くてよかろうというようなことで五%、紙袋につきましては二%ということでやっておるわけでございますが、これで最近の運送の米の包装別の形態の動向と申しまするというと、俵から、あるいはかますから、麻袋、紙袋に包装が移ってきておるのが現状でございます。そうなりまするというと、やはりその実施割合が下がってくるという方向でこの看貫賃の節約とか、そういうことができるわけであります。したがって単価が、運送数量がふえましても、その内容におきまして、俵、麻袋、紙袋というようなものの構成比率が変わることによってその単価が下がってくる、あるいは総金額も下がってくる、こういうことでございます。
  141. 柴谷要

    柴谷要君 それは確かにそういう事由だと私は考えます。ところが、いまあなたの言われるように、俵なら一〇%、麻袋五%というような看貫が現実に行なわれていますか。あなた方、立ち会って、そういうことをやっておられますか。食糧事務所がこれは立ち会っておる、そういう義務的なものになっておるか、それとも自主的に業者にまかさせておるか、この点をひとつ明らかにしてもらいたい。
  142. 田中勉

    政府委員田中勉君) 各個々、一個一個について、全部看貫したかどうかということにつきましての、そのつどの立ち会いは食糧事務所はやっておりませんが、大体申し上げますと、消費地の実態を申し上げますると、この日通が、俵、かますについては一〇%でございますが、これをやる場合におきましては、消費地に穀物検定協会というのがございまして、穀検がこれに立ち会っていることは事実でございます。また穀物検定協会のないようなところにおきましては、全部が全部というわけにはまいりませんけれども、私どものほうの食糧事務所の職員といたしましては、全部そちらにまかせ切るというわけにまいらぬ、そういうことは適当でないわけでございますので、随時立ち会う、立ち会ってこれらのものの抽出調査をいたしておることも事実でございますが、何ぶんにも職員が全部が全部その場に立ち会って、そうして全部確認したというわけではございません。まあ日通の報告をもとにいたしまして、また経過途上におきましては、先ほど申し上げましたように、大消費地におきましては、穀物検査協会の職員がこれに全部立ち会っておりますし、また、そういうもののないところにおきましても、われわれの出先き機関の許す限りにおいて、大体抽出的な実態調査に立ち会うように指示はいたしておるわけでございます。
  143. 柴谷要

    柴谷要君 そこで、あなたがそういう答弁をされておりますけれども、実際に扱う場所で農林省のお役人さんが看貫荷役立ち会いに来られたということを聞いたことがないという、これは駅員に聞いたものなのです。ところが、農林省のお役人さんが来られる、しかしまあその立ち会い場所じゃなくて、その場所をかえたところに行っているらしいのだよ。そういえばおわかりでしょう。案内人は日通の人で、立ち会いじゃなくてほかへ行っているというのだよ。そういう話を聞くというのだよ、実際のことは、現場の諸君が。そうなってくると、いま前後七回に及ぶところの研究会だか何だか知らぬけれども、いまやっておられることは、決算委員会の目をごまかすために、ただ単に時間を長引かせていこうとしている一つの何かトリックのようにしか考えられない。実際にこれらの問題を克明にあなた方で調査をされているならば、非常に安くなる部面が出てくるのですよ。むだな金が支払われているのだ。いいですか、四十年の契約単価を見るというと、一個当たり、発のほうで四十年度では三十六円三十一銭、着のほうでは三十円三十八銭、ところが四十一年度は何とそれよりも上がって、一個当たり、発のほうが三十九円四十四銭、それから着のほうが三十二円五十二銭と上がっているのだよ。そうすると、一個当たりのつまり契約単価というものは、これは県間陸上諸掛かりその他一切ですよ、そういうものを含めると年々上がってきている。いかにして通運料金を安くしようかという方面にあなた方の努力が傾けられていないということが証拠立てられるじゃないですか。いいですか、この数字には間違いないはずだ。契約単価、もう一ぺん言いますけれども、四十一年は発のほうが三十九円四十四銭、着のほうが三十二円五十二銭、四十年度は発のほうが三十六円三十一銭、着のほうが三十円三十八銭、こういうぐあいで、四十年よりも四十一年のほうがはるかに高くなっている、一袋当たり。どこにあなた方の努力あとがあらわれているのですか、出ていないでしょう。農林省は、農林省といっても特に食糧庁はこういう問題を検討されていったなら、相当量節約ができると私は思う。できると思う。これはまたできるという業者がかりにいたとしたら、その業者にやらしてみるという気概があなた方にありますか。それを伺っておきたい。こういう乱袋手直し料あたりを九銭ももらわなくてもいい。完全に、食糧庁のいわれるような輸送体制を確立をしてみせましょう、こういうことを言っているのがある。それは何も全国通運じゃないのですよ、実費負担を実費だけもらって、今日、日通のワク内でやっておる運送業者がはっきり言うんだ。たとえば、現在日通傘下にある業務機関は幾つあるかというと、二千三百です。その中の五百というのは、日通資本の系列下にあるものじゃないですよ。別な通運業者なんだ、りっぱな株式会社で。五百社というのは、りっぱな業者なんです。それが日通に協力をして今日米麦輸送の任に当たっているわけなんだ。だから、全国一本の姿が打ち出せるわけなんですよ。この五百の業者がそっぽを向いたら、日通が全国どこからどこまでという輸送はできないんだ、千八百の事業体じゃ。二千三百の事業体が確立されているから日通さんが一手に引き受けることができているわけなんです。いいですか、そういうことを私は調べたから、この際あなたに申し上げておきたいことは、いま言ったように、こういうふうな高額な金をもらわなくても、現状の通運の状態から考えたならば、必ずできる。そういうことで、いま食糧庁と折衝に入っている全国通運の姿を見ると、私は、あなた方に、ひとつ試験的に何割か分けてやってやらしたらどうか、こう言いたくなる。それができないなら、全国通運を排除しなさいよ。それをことしひとつ試験的にやってごらんなさい。三割か四割与えて完全輸送ができるかどうか、ためしてみなさい。そうすれば、私が申し上げたような費目のうちの金額というものは、私は非常に節減できると思う。それができなかったら、来年度はそれじゃ解約して、日通一本でやらしてもいいと思う。試験的に、あなた方、そのくらいのことをやる度胸をお持ちなさいよ。そうすれば国民も納得しますよ。今日、日通には、私が言わなくてもいろいろな問題が起きている。脱税問題から金の延べ棒がどこへふっ飛んだとかなんとかという話も出ているけれども、その日通に独占させなければならぬ、プール料金でやらせなければならぬということはないはずだ。プール料金というものは、実費プラスアルファなんだ。それで、しかも傘下に所属している五百の業者には、プール料金で日通一本でやっているけれども、実費だけしかやっておらない。プラスアルファというのは、日通さんのふところに入っているんだ。私は、その実態を把握したから、私どもの大先輩が行っていることだから言いたくはないけれども、大先輩がみんないるんだ。大先輩が、柴谷のやろう、とんでもないことを言っていると、こう言っているかもしれない。だけれども、私は、日通のために言うわけではない。さりとて全国通運のために言うわけじゃない。米麦輸送が少しでも安くできるならば、その道をぜひ食糧庁としてはとってもらいたい、こういう信念からいろいろの問題を申し上げているわけです。どうですか、この意見に賛同を得られますか。得られるんだったら、私の言っているようなことを実行に移す気概をひとつ示してもらいたいと思う。いかがですか。
  144. 田中勉

    政府委員田中勉君) 食糧管理の中におきましての中間経費の中におきまして、やはり先生御指摘のように、この運送賃というものの占める割合、重要さというものが非常に大きいことは事実でございます。そういうこともございますし、また同時にこれは、食糧庁自身が物を動かすわけじゃございません。当然にこの運送能力のあるものを選定をして、そうして現実の業務をやらせているわけでございますが、したがいまして、そのようなことをやらせる場合におきましても、私どもとしては、まあ現在までのところ、できるだけわれわれの現地の出先機関等も動員をいたしまして、極力、経済運送、経費の節減、合理化ということは意図してまいったわけでございます。  先ほども指摘ございましたように、四十年のこの契約単価三十六円が三十九円になっておるというようなお話でございましたが、事実そのとおりでございまするけれども、この契約単価の中に占める各項目費というものは、まあ定額料金に定められた入出庫賃とか、あるいは通運料金とか、これがほとんどその圧倒的な部分を占めておるという現状にあるわけでございます。それだけに、その他の乱袋手直し費とか資材費とか、小出し横持ち費とか、こういうような現実の事態に直結して起こるような付属費、そういう各費目等につきましては、これは極力私のほうも過去からこれを節減するように努力はいたしておるわけでございます。しかしながら、ある程度現実の輸送業務の中に当然に付随してくるようなこれらの費目構成につきましては、まあ極力節減する意味合いをもちまして努力はしておるわけでございますが、なお、こういうような費目というものが現段階においては必要ではなかろうかと、こういうことで私どものほうはいま判定いたしておるわけでございます。それから四十年から四十一年に約三円近く上がっているわけでございますが、その上がっている内訳の内容は、通運料金が二十七円から約三十円に上がっているということが、この値上がりの要因になっているわけでございます。通運料金が全体に上がったわけでございませんが、通運料金の一部等が上がったのがこの定額料金の値上がりがこの中に反映しているわけでございます。  そこで、先ほど一番最後に御質問ございましたけれども、私ども、今後食糧輸送を第三者にやってもらう、今後もそういう形でやっていかなければならぬと思うわけでございます。その場合に、日本通運というものを従来から選定をいたしまして、そうして極力そのやり方等につきましても、私どもも合理化につとめてまいっておるわけでございますが、今後新たな業態をこの食糧運送の中に活用するというようなことになれば、おのずからそのいまの現地現地のやり方等においても、なお相当なくふうとか、そういう余地も残されるというふうなぐあいにも考えておりますので、いま御指摘ございましたような観点からも、この新しいこれらの末端におけるそういう日通以外の業者の活用等につきましては、そういう運送の実態に対して合理化がはかられる、あるいは経費の節減がはかられるというような観点から、これらの活用方法を考えてまいりたいと思っておるわけでございます。
  145. 柴谷要

    柴谷要君 もう時間がありませんので……、どうもまだやってみたいと思うのですけれどもあと一問か二問で終わりたいと思います。  私が申し上げたのは無理でないという数字が出ているので、この点だけ田中さん御記憶にとどめておいてもらいたいと思うのですがね。たとえば青森県などにしますと、この日通以外の業者が扱っている数量は一〇〇対八六・七〇ですよ。日通が輸送しているのが一〇〇であれば八六・七〇というのは新免業者と称するものが輸送しているわけですね。たとえば米の産地である新潟等において行なわれているのは一〇〇対五〇・四一だ。これが各県にわたって、愛知県などは新免業者が全部受け持っている、一〇〇%。そういう状態で各県ごとにやっているのだが、これは日通さんと食糧庁との契約で、この実費負担だけで押しつけられている、こういう実態があるわけです。だからこの全国に散らばっている業者の諸君が不満を漏らすのは私は当然だと思うのです。そこで九州や四国の新免業者なるものが訴訟まで起こしても政府とひとつやり合おう、こういう決意を起こしたのも無理からぬことではなかろうかと、こう思う。そこで私は、国を相手どって訴訟など運送業者が起こすのは好ましくない、暫時控え目にしなさい、必ず政府だってわからぬことはなかろうということで、この前決算委員会質問をしたわけです、まあ陳情を受けたから。ところが、その後食糧庁も誠意を示していただいて、三者の構成で研究会をお持ちになり、順次回を重ねてきておるようですけれども、どうもその成り行きを見るというと、少しもまあ国民のためになるような姿があらわれてきそうもないので、きょうの質問ということになったわけです。ですから、これから回を重ねて結論が出ると思いますけれども、大体年間を見ますと、おたくのほうで日通さんと契約されているのは六月なんですね。それは五月の下旬だなんて言っておりますけれども、実を言うと六月上旬から六月二十日ごろまでの間に契約をされている。そうしてさかのぼって四月からということで実施しているのだから、まだ日数はあります。ありますから十分検討されて、私の申し上げることもひとつ頭に入れていただいて、まあ食管赤字だって累積してきているような状態ですから、むだづかいをしてもらっちゃ困る。食糧庁が一はだ脱いで輸送賃を引き下げたということを国民の前に大手を振って開陳できるようなひとつ努力をしてもらいたいという要望を申し上げて、もしそれがかなえられないならば、次には爆弾動議をもって、また再質問に立つと、こういうことを申し上げて、きょうは、これで質問終わっておきます。ですから私の気持ちを長官に伝えてくれるか、大臣に伝えてくれるか、その約束だけひとつ聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
  146. 田中勉

    政府委員田中勉君) 先ほど来いろいろ御指摘いただきました点等につきましても、また、ただいまお話ございました点等につきましても、十分上司の方にお伝えを申し上げることにいたしたいと存じます。  なお、先ほどお触れになりましたけれども、現在せっかく三者構成で実務者研究会が回を重ねております。だんだんとまあ問題も煮詰まってきているわけでございますが、いずれにいたしましても、その結論は、食管特別会計の運営の合理化の一面から見ましても望ましい形であり、また同時に、それぞれ食糧運送をする立場においての業者の側におきましても、食糧庁の運送に何ら迷惑をかけない、安心して運送できるというような観点から、これらの合理的な結論が出ることを、私どもは一日も早く期待をいたしておるわけでございます。
  147. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 田中さん、ちょっとお願いしておきますがね。答弁の中でたくさん数字が出たわけですが、ことに単価ですね、それらも含めて、輸送費についての一覧表ですね、各項目についての、単価まで入れてください、質疑の中で出ましたから。この委員会に配付するようにしますので、資料として提出をしてください。
  148. 大森創造

    ○大森創造君 米麦の包装の麻袋のことについてお伺いしますけれども、麻袋の業者から買い上げて、業者が麻袋をつくって、そして食糧庁がそれをまた払い下げをして回してくる、そういうことになっておりますが、食糧庁と業者の間に、いわゆる麻袋の調達機関というのがございますけれども、その調達機関というのはいつできましたんですか。
  149. 田中勉

    政府委員田中勉君) ただいま麻袋の関係の調達機関のできた日時等のお話でございますが、食糧庁との間においてというお話がちょっとございましたけれども、私のほうの調達機関との関係をちょっと申し上げますと、関係というと関係があるようになりますけれども関係は実はないわけなんですが、まず発足は、昭和二十七、八年ごろに——輸入食糧の民貿というものが開始されました昭和二十六年ですが。民貿輸入というものが開始された当時におきまして、外国のたとえば小麦——ほとんど小麦でございますが——小麦が入ってくる場合、あるいは大麦も入ってきますけれども、その場合には、バラで入ってくる。バラということになりますと、このバラのものを袋詰めして政府に納入をするということのたてまえをとっているのが輸入商社からの買い付けということになるわけでございます。もちろんこの輸入商社につきましては、登録指定によりまして、食糧庁の指定登録業者ということで、商社の数を限定いたしておるわけでございますが、この商社が食糧庁との間において契約をかわした外国産の、たとえば小麦を買ってくる場合におきましては、内地の港までバラで入ってくるわけでございます。バラ輸送をされてきたものを、国内におきましては、それぞれそれを個々の製粉業者等に政府が売却をしておるわけでございますので、国内におきましてはバラ売却はなかなかできない。したがいまして、港におきまして麻袋込みで政府が買い上げる、こういう仕組みで現在まで外国食糧の輸入を国家管理、食糧庁管理を続けているわけでございます。したがいまして、輸入商社といたしますならば、その買ってまいりました小麦を港において袋詰めをして、政府に引き渡さなければならぬ、こういうことでございます。ところが、この袋につきましては、たとえば一つの船が、一万トンの規模のものでございますと、たとえば麻袋にいたしますると九十キロないし百キロのものになりますが、十一万枚程度のものが、その港において必要になってくる、こういうことであるわけでございます。ところが食糧庁の側といたしましては、これらの商社から内地の港において輸入食糧を納入させるわけでございますが、各商社ごとに港々において、個々の麻袋の手当てをしなければならぬというようなことが起きるわけでございますので、個々の会社がそれぞれの港にどう船を着けるということは、これは食糧庁のオプションになっておりまして、商社自身がどこの港を希望しても、そこに入れるということは考えておりません。食糧庁が港を指定するわけでございます。指定する場合におきましては、あらかじめ買い付け契約をしたときに指定をするのではなくて、船が出てから十日ぐらい前に——船が航行途上におきまして配船を決定いたして、港で買い上げるわけでございます。そうなりますと、その商社がどこの港に船が着くか、よくわからないわけでございますが、その港に着いたときには、直ちに麻袋の手当てを十万とか十一万とか、こういう単位のものを手当てをすることが非常に困難になってくるわけでございます。したがいまして、その商社の自衛的観点からいたしまして、何か商社個々のそういう需要と、あるいは地域的な、地区的なそういう需要があるわけでございまして、その需要に対応してプール的な、そういう麻袋の調達的機能をする会社がほしいというようなことで、民貿開始以来、このときにできましたのが麻袋の会社であるわけですが、その当時は、大体一社でやっていたわけでございますが、この一社が独占的にそういう麻袋の調達を全国的に、プール的に調達をすることは望ましい形ではないということで、昭和三十年ごろを契機といたしまして、大体複数制をとっているわけでございます。その当時は、瑞穂資材、それから東京資材というようなことで、二つの会社が大体調達機関ということで、輸入食糧の麻袋の調達的な機能を果たして、そうして輸入商社のそういう随時港における需要に対応していく、こういうことでそういう調達機関ができておるわけでございます。もちろん、これらの小麦を政府が買い上げいたしまして、これは売却するのは全国の製粉業者でございます。全国至るところにそれらの古麻袋が発生するわけでございます。その古麻袋を常時それらの国内の調達機関が取りまとめて調達をしておきまして、そうしてまとまったものとして個々の商社の需要に充てる、こういう機能をやっているのが、これが調達機関であるわけです。
  150. 大森創造

    ○大森創造君 大体いきさつはわかりましたけれども、そういたしますというと、調達機関、調達会社というものは、いまの御説明のように、食糧庁がダイレクトにはつながっていないけれども、そういう機能を果たすものが必要だということでそういうものができた。そこで、瑞穂資材株式会社というものと東京資材株式会社というもの、そういうものが最初は一社であったけれども、今度は複数になった、昭和三十年ごろから。これは農林省なり食糧庁のほうであっせんもされたのでしょう。もしくは、こういうものをつくっておいたほうがいいだろう、輸入業者の側から言ってもそのほうがいいだろうということで、口を聞かれたわけでしょう。
  151. 田中勉

    政府委員田中勉君) 先ほど申し上げましたように、三十年以前におきましては、単一のそういう機関であったわけでございますので、やはり単一のものというものは望ましい形じゃない、やはり複数制であることが望ましい、と申しますのは、結局、食糧庁は輸入商社から麻袋込みで——中身も含めて、麻袋込みで買う立場にあるわけでございますので、中身の問題については、海外相場がこれはほとんど決定的な要因でございます。国内におきましても、麻袋は、御案内のように時期的にもいろんな各種の要因において価格変動の非常に強いものであるわけでございます。したがいまして、こういうものがやはりときによって価格変動が非常に強いということになりますると、そのものを包装込みで政府が貿易商社から買う場合におきましても、望ましいケースではないわけでございますので、何とかしてその辺をやはり変動のないような形において、調達的な、そういうプール的な機関が望ましい、その場合、一社でなくて、やはり二社というようなものの複数制であるというようなことが望ましいというような方針であったわけでございます。そういうような食糧庁の意も体しまして、貿易業界におきましては、先ほど申し上げましたように、昭和三十年以降、瑞穂資材と東京資材の二社を活用して今日に至った、こういうことでございます。
  152. 大森創造

    ○大森創造君 そうするというと、そういう調達会社の必要性が存在をして、それで業者のほうで、食糧庁なり農林省の意を受けて自主的にそういう調達会社というのが発足したという意味ですか。
  153. 田中勉

    政府委員田中勉君) そのとおりでございます。
  154. 大森創造

    ○大森創造君 そこでお聞きしますけれども、東京資材というものが発足しましたときの農林大臣はだれですか。
  155. 田中勉

    政府委員田中勉君) 東京資材そのものは昭和二十五年設立のものであったわけでございますが、輸入食糧関係について貿易商社から、大体まあ調達機関としてその仕事を開始いたしましたのが昭和三十年ごろでございますので、この当時は、私の記憶があるいは間違っておるかとも思いますけれども、河野農林大臣のころだったかと記憶をいたしております。はっきりそこのところは記憶しておりません。
  156. 大森創造

    ○大森創造君 それで河野さんは——全部御存じだからお伺いしますけれども、東京資材というものの役員とか、それから規模ですね、資本金、従業員数というふうなものを、そこに材料ございましたら御説明いただきたいと思います。材料がなかったら、ひとつ資料として御提出を願いたいと思います。
  157. 田中勉

    政府委員田中勉君) 役員名簿は全部私は承知をいたしておりませんが、東京資材は、御承知のように、一昨年の夏ころ一応——適当なことばかどうかしりませんが、倒産というような形、業務停止をしたというような形になっておりますが、その直前におきましての資本金は一億八千万円ということになっております。社長さんの名前は私存じております。河野弘さんが当時の社長であられたわけでございます。その他の役員の方、資本関係ということになりますと、いまここに資料を持っておりませんので、お答えいたしかねます。
  158. 大森創造

    ○大森創造君 そうすると、東京資材の社長が河野弘さんで、倒産の内容——それで古麻袋のことで不正があるということで検挙されて、目下司直の手によってさばかれているということは、これは世間の人が知っていることでございますが、大ざっぱに言って、どういう内容で倒産をして、それから司直の手によってさばかれるということになったんでしょうか。
  159. 田中勉

    政府委員田中勉君) 的確なお答えがちょっとできかねるわけでございますが、何か麻袋の関係——東京資材は麻袋はかりではございません、いろんな各種の資材を扱っておるわけでございますが、その東京資材が業務停止をするようになったという事情につきましては、的確にお答えすることはなかなかできかねますが、大体そのいろんな、融通と申しますか、不渡り手形というようなものを出して、その結果どうも麻袋部門も業務を停止せざるを得なくなった、こういうことでございまして、麻袋部門の問題でやはり倒産したということではないように聞いておるわけでございます。
  160. 大森創造

    ○大森創造君 そうすると、この麻袋を調達するという業務が、今度は東京資材が倒産をしてから、現在の共和資材というものに踏襲をされたということになるのですか。
  161. 田中勉

    政府委員田中勉君) 大体、東京資材が会社の経営状況の悪化によりまして、先ほど申し上げました悪化によりまして、業務を行なえなくなったというのが、大体二年前の四月ごろだったと思うわけでございます。したがいまして、その四月ごろからは、東京資材が果たしていた麻袋業務の調達機能も、そのころから停止をいたしたわけでございます。その後におきまして、この東京資材が果たしておった機能は瑞穂資材一社が——五月、六月、七月、八月ごろまでまあ瑞穂資材一社がこれを担当しておったということでございます。  そこで、八月になりまして、この東京資材に、麻袋業務にあずかっていた人が約二十数人おられたはずでございますが、そういう人たちが、東京資材の再建ということがなかなかそう簡単にはまいらぬというようなことで、新たに何か共和資材という会社がそこにできて、この共和資材を輸入食糧の商社——輸入食糧の業界が、まあ東京資材にかわるべきものということで共和資材を使って、そしてこの瑞穂資材と、調達機関の複数制のたてまえもございますので、そういう形において、八月ごろから共和資材を、貿易業界におきましてはこれを使って今日に至っておる、こういうことでございます。
  162. 大森創造

    ○大森創造君 そういう経緯によって、そうすると現在では瑞穂資材というものと共和資材という二本立てになっているわけですね。
  163. 田中勉

    政府委員田中勉君) そのとおりでございます。
  164. 大森創造

    ○大森創造君 そこで、共和資材というものは、ただいまの御説明によりますというと、東京資材というものが倒産をして、そして今度は共和資材というのができた、そこで、いまの麻袋の調達機能というものを共和資材は持つようになりましたが、その間に——読売新聞か何か、新聞によりますと、この調達権をねらって数社のものが——その中に総合商社も入っていたそうじゃございませんか。競願したけれども、この新設の共和資材のほうにのみ調達権が認められたということでございますけれども、それを認めたのは食糧庁ですか。
  165. 田中勉

    政府委員田中勉君) これは、先ほども調達機関の性格のところで申し上げましたとおり、これはあくまでも輸入商社が食糧庁と買い付けの契約を結んで、外国食糧を袋詰めしてそして納入する場合におきまして、貿易商社自体がこういうふうな機関を活用いたしておるわけでございますので、したがいまして、共和資材をこの四十一年の八月から、東京資材にかわるべきものとして貿易商社が使い出したというのは、どこまでも商社自体でこれを決定いたしたわけでございます。食糧庁は、この調達機関がこういう——とういうものをどうするのだということにつきましては、これは食糧庁としてそういうことを決定づけたことはございません。
  166. 大森創造

    ○大森創造君 業者のほうで、共和資材というものを、数社の競願があったにかかわらず、業者のほうのオプションで決定したということですね。
  167. 田中勉

    政府委員田中勉君) 輸入商社自体におきまして、どの程度の競願があったかどうかということについては、私は詳しくは存じておりませんが、ただ、ひとつ聞いておりますのは、麻袋の修理業者の全国団体でございまするところの全国麻袋工業協同組合——まあ全麻工連と称するのがあるわけでございますけれども、そういうところから、この四月に、東京資材が機能を停止したのでブランクになるから、暫定的にもこの全麻工連がその役割りを果たしたいとかというような申し出が——輸入食糧商社のあるいは協議会というのがございます。輸入食糧協議会ということで、委員長もございますし、事務局長もおられるわけでございますが、そこに申し出があったという話を私は聞いておりますが、まあ何ぶんにも、おそらく私ども推察いたしまするに、共和資材に東京資材の麻袋部門を扱っていた大部分の人が入っているというようなことからいたしまして、さしあたりのところ、東京資材にかわるべきものということで、貿易業界においてはこれを適当と認めて、たとえば、さっき全麻工連の何か申請もあったようでございますけれども、やはりここを活用することが適当であろうということになったと聞いておるわけでございます。
  168. 大森創造

    ○大森創造君 それから輸入食糧用の古麻袋について、百キログラム入り食糧袋と、それから六十キログラム入りの米麦袋とに分けて、その規格、それから食糧庁が業者に対して払い下げする価格、それから調達会社の買い上げ価格、いま申し上げました二つの調達会社の買い上げ価格、食糧庁の買い上げ価格などをおわかりになったらひとつお示しいただきたいと思うのです。
  169. 田中勉

    政府委員田中勉君) まず、国内のほうから申し上げます。国内の米麦に麻袋を使用いたしておりますが、国内のほうの規格は、ABCとございます。Aは新袋、Bは一あきもの、Cは二あきもの、こういうことになっているわけでございますが、米のA袋詰めの内地米の買い入れのときには、これは百五十五円、それからB袋で一あきもので米を詰めて買う場合には百円、それからC袋の場合には八十四円ということになっております。そこで、そのところにお書きいただきたいと思いますけれども、売り渡しのほうは、これは米屋に売った場合に、その麻袋がどの程度の価値を持っているであろうということを売り渡し価格の中に織り込んでこれを計算いたしておりますが、いわばその織り込み価格でございます。A袋の場合には五十五円、それからB袋の場合には四十円、それからC袋の場合には三十九円というのが国内の米でございます。麦も申し上げてよろしゅうございますが、国内の麦の場合を申し上げますと、A袋の場合は百五十一円、買い上げ。それからB袋が百円、それからC袋が八十四円、いずれも買い上げでございます。その場合に、これを売り渡す場合の売り渡した先におきましての織り込み価格、これがA袋の場合六十円、それからB袋の場合四十五円、それからC袋の場合が四十円ということになっているわけでございます。  それから輸入食糧のほうでございますが、輸入食糧はこれはほとんど新袋をあまり使わずに、極力一あき、二あき、三あき四あき、こういうものを極力反復使用するというような方針をとっておりまして、A袋からB袋、C袋D袋、E、Fまで実はそれぞれの古麻袋の程度に応じました規格を設けているわけでございます。価格につきましては、価格はいろいろ、ABCDEFまで実はあるわけでございますが、買い入れの場合、政府が袋詰めして買い入れる場合、これは大体百キロでございますが、百八十円、それから売り渡した場合の織り込みが百六円、B袋の場合は百四十二円で買いまして、それから売り渡しの織り込みが九十円、それからC袋の場合は百二十七円、売り渡しの場合八十円、それからD袋の場合は百十七円で買いまして七十円の織り込みということでございます。それからE袋の場合は百七円で買いまして、織り込みは六十円、それからF袋の場合におきましては、九十七円で買い上げまして、五十一円、こういうことになっているわけでございます。
  170. 大森創造

    ○大森創造君 いまの数字の金額の点はどういうところをとったのかということで、あとでチェックする必要があると思いますが、私のほうで申し上げますというと、輸入の古麻袋の場合に、規格(大型B)と申します、これは食糧庁のほうから麻袋業者払い下げた価格が百六円という数字がありますね。そして麻袋業者の手数料と申しますか、そういうものが二十四円、そこで調達会社のほうへいくのが百三十円ですね、百六円プラス二十四円、百三十円、それにプラス調達会社のほうで十二円今度は取りまして、食糧庁が買い上げる値段が百四十二円という項目がございましょう——ありますね。これは、これ一つでいいだろうと思うのですよ。私の言わんとすることはどういうことかというと、結論を申し上げますというと、食糧庁から麻袋業者のほうにいって、調達会社を通って——調達会社は瑞穂と共和資材でございますけれども、その調達機関からまた食糧庁のほうに戻るという、こういうプロセスになっているわけですね。その場合に、結論的に申し上げることは、どうも調達会社瑞穂と共和資材のほうの手数料が多過ぎやせぬかという結論です、きょう言おうとすることの一つは。これは専門家の田中さんとここの場所で押し問答しても始まりません。調達会社の手数料が高いとはきっとおっしゃらないだろうと思いますが、高いと思われますか。リーズナブルな手数料だと思われますか。専門家である田中さんにお伺いします。私は高いと思います。しかし、高いか安いかということは、きょう、田中さんと問答しても始まらないと思うのです。私が鋭意調査したところによると、高過ぎると思うのです。いかがでしょう。
  171. 田中勉

    政府委員田中勉君) お尋ねの件でございますが、私ども、先ほど輸入食糧の場合におきましては、一例を引かれておっしゃられていましたが、A袋の場合、百八十円が百六円になる、それから百六円から百四十二円でB袋としてそのものを袋詰めで政府が貿易商社から買っているわけでございます。したがって、この間の経費というものは三十六円になるわけでございます。三十六円の内訳が適正であるかどうかという御質問にも実は関連すると思うわけでございますが、食糧庁といたしましても、こういう格差というものが実際の流通の実態からして適正であるかどうかということは、一年に大体二回ずつ現状の流通実態調査をやっておりまして、この百六円で織り込んだものは、これは売却を受けた需要者の段階でこれは百六円で実現するであろうという価格で織り込んでいるわけでございますので、これを麻袋の修理業者が買い取りまして、そして一定の割合によって修理をするものは修理をし、そして完全な、一応袋詰めに耐えるような袋にいたしまして、そしてそれを調達機関のところに持ち込むわけでございます。したがって、調達機関が、その後においての機能というものは金利、それからその発生者の段階の庭先から調達場所、保管場所までの運送賃、それから保管料というようなものが中間としてかかってくるわけでございます。また、その間におきまして、調達機関としての諸経費というような、事務、人件費というようなものが当然そこに加わるわけでございますが、この間の三十六円のものにつきましては、私どものほうも一応毎年二回ずつ流通の実態調査をいたしまして、この三十六円が適正であるかどうかということを検討して、ずっと価格を毎年きめておるわけでございますので、お尋ねの点につきましては、大体適正なものという判断で、三十六円の幅につきましては、そういうぐあいに考えておるわけでございます。しかしながら、現実の実態は、三十六円の中に、いま言った実費的な金利、倉敷、それから運送費、こういうもののほかに、いわば調達機関の営業活動というようなものがそこにあるわけでございますので、この間においていずれの部面に片寄り、いずれの部面にどういうぐあいになっているかということにつきましては、これはわれわれの実態調査の結果の面から見ましては、現在のところ大体これは適正に行なっているというようなぐあいに考えているわけでございます。
  172. 大森創造

    ○大森創造君 まあ田中さん、そういうようにお答えになるだろうと予想しておりましたけれども、私の調査実態を調べたところによりますと、少し中間の利益が大き過ぎると思うのです。そこで、業者のほうに不利な価格構成となっているような気がいたします。ことに、米麦袋の国内産については、調達会社以外に協議会予備費というのがございます。これが八円八十銭ですが、それから全販連の手数料が十五円ということで、調達会社のこの手数料が六円三十五銭ですから、合計して三十円二十銭になります。業者のあれの倍に達する中間ざやになって、これは非常に食管会計に及ぼす影響の大きいものがあるという立場から私は御質問を申し上げているわけでございますけれども、それらの見方、考え方の相違はございましょうけれども、次回にそのことをチェックする場合に、私の質問を基礎にして、ひとつ慎重に決定をしていただきたいと思うのです。  で、調達会社の買い上げ価格は食糧庁の指示によると思うのでございますが、いかがですか。
  173. 田中勉

    政府委員田中勉君) 調達機関の買い上げ価格と申しますのは、麻袋の修理業者からの買い上げ価格でございますか。
  174. 大森創造

    ○大森創造君 そうです。
  175. 田中勉

    政府委員田中勉君) これは、私のほうとして、その段階のものは指示はいたしておらないわけでございます。と申しますのは、まず私どものほうとして考えておりますのは、政府の織り込み価格、需要者に対しては、その織り込み価格が維持されるように、これはもう私ども強調しておるわけです。織り込み価格がもし維持されないということになると、政府の売り渡し価格を下げなければならない、売却価格を下げていかなければならないというようなことにもなるわけでございますので、売り渡し価格は維持されるということ、これは私のほうの指導面においてもそういうことをやっておるわけでございますが、この中間段階においてのいろいろな、受け渡しの価格段階における分け前、こういうものにつきましては、食糧庁で特に指示していることはございませんが、国内の米麦用麻袋需給調整協議会におきまして、調達機関、それから発生者側、あるいは修理業者、こういう直接流通に関連するものの集まりが米麦用麻袋需給調整協議会であるわけでございますが、その中におきまして、たとえばいまの百六円、これは輸入食糧の場合でございますが、内地の場合におきまするというと、さっき申し上げましたように、先生がいまお触れになったのは、おそらく内地の米の場合に関連すると思うのでございますが、米の場合におきましては、A袋が五十五円になります。五十五円が今度は流通段階に出て麻袋業者、それから調達機関の手を経まして単協——農協にまいる、それから農協から農家にその袋が渡されて、その袋に詰めたものを政府が買う場合の袋代としては百円ということになっておるわけでございます。したがって、この間において四十五円、米屋で発生した五十五円から、これが麻袋修理業者あるいは調達機関、それから農業団体の手に渡って、末端の農家にいって袋詰めにされてくる値段が百円ということになっておるわけでございます。四十五円というのが中間の諸経費になるわけでございます。その間におきまして、先ほど農家の段階あるいは農協の段階ということもお話がございましたけれども、大体現在のところ、この四十五円の中におきまして、包装の労賃——農家が袋詰めをいたすわけでございます。その袋詰めの労賃、それから麻袋の口縫いというようなことになりますと、大体これが現在のところ、十六円くらいになっているわけでございます。したがって、四十五円からその程度を引いたものが、先ほど申し上げました麻袋の修理業者あるいは麻袋の調達機関の、いわば金利、倉敷あるいは麻袋調達機関の事務、人件費というようなものの分け前になっておるのだろうと、こういうぐあいに思うわけでございます。
  176. 大森創造

    ○大森創造君 それで四十一年度において、麻袋調達会社に対して食糧庁のほうで支払った金額を、ひとつ各麻袋の規格別、会社別に御説明いただけますか。
  177. 田中勉

    政府委員田中勉君) 御質問のおことばを返すわけじゃございませんが、私のほうから直接に調達機関に麻袋代として支払うたてまえをとっておりません。輸入食糧の場合であるならば、輸入商社に包装込みの値段ということで一括して支払っておるわけでございます。それから国内の米麦につきましても、農家から買い上げる生産者米価の中に、包装込み価格ということで、米価あるいは麦価として支払っているわけでございます。したがいまして、どの程度そういうこれが調達機関の段階でとられておるかということは、試算をすれば、取り扱い数量がそういう調達機関の手を経て、あるいは農家にいった、あるいは輸入商社のそういうところにいったということは、大体数量は、それぞれ一年間を通じればわかるわけでございます。その数量に対して単価を、どういう金が入ったかということにつきましては、これは一応試算、まあ推定をしてやってみれば出ると、こういう筋合いのものだろうと思うのでございます。
  178. 大森創造

    ○大森創造君 どうもお話によりますというと、共和資材と瑞穂資材というものが食糧庁からダイレクトにつながってないということなんで、この委員会でもってこの点の検討はできないようなことになっておりますけれども、私のほうで調査したところによるというと、瑞穂資材と共和資材は相当もうかっておるのですね。これはひとつ時間をかけて、私のほうでも調べてみますけれども田中さんのほうでもお調べいただきたいと思うのです。  そこで、先ほど申し上げました東京資材というものが倒産をしたそのいきさつについては、世上いろいろ風評がございまするけれども、政治資金の問題などにからみ合いがあるというふうに風評されております。そのあとを継いだ共和資材というものについても、どうも私はおかしいと思っておるのです。で、きょうの段階ではきわむることができませんけれども、私のほうから一方的に申し上げますというと、なるほど指示価格はないということでございますが、いまの次長がお答えになりましたような、何円何円という数字がずっと出てまいります。規格とか、その他いろんな点で複雑なので、私も聞いてもはっきりしないところがございますけれども、指示価格でないけれども、それに相応するような価格があって、それをかりに指定値と申しますというと、その指定値で強制的に買っている面がある。たとえば共和資材の場合は、百キロ入りの——これは一方的にお聞き流しいただきます。大型のC袋の指示価格は百十四円でございます。先ほど田中次長の話にも、百十四円という数字が出てまいった項目がございますけれども、きっとそこなんです。それをこれが百十一円十五銭というもので業者から買われている。大型のE袋というものは九十四円というものが実際は九十一円十五銭というふうな価格で買われている。さらに自由買い付け分というのがあるわけです。自由買い付け分ということが、これは御存じだと思いますけれども、これはさらに二円ないし五円の値引きを強要しているということのようであります。いままでの御答弁で、調達会社の利益、いままでの御答弁でははっきりいたしませんが、私のほうの調査によるというと、調達会社の利益は相当なものがある。たとえば共和資材の場合で、私のほうの調査で試算してみるというと、大型の食糧袋では約一億五千九百万ぐらいもうかっている勘定になります、一億五千九百万。六十キロ入り米麦袋では二千五百四十万。ですから合計が一億八千四百四十万ほどの取得利益がある勘定に私のほうの試算ではなります。さらに瑞穂資材の利益を調査してみまするというと、百キロ入り、六十キロ入り、合わせてその取得利益は二億九千七百十五万円に達します。ですから、瑞穂と共和のほうの両方を合わせまするというと、約四億八千万円の中間利益を調達会社が得ていることになるわけです、私のほうの試算では。さらに聞くところによりますというと、調達会社のほうで麻袋業者に現金支払いする場合には、日歩二銭五厘の割りで六十日分徴収しているということです。この分を合わせるというと、両方の調達会社の中間利益は五億円を突破するであろうというふうになるわけです。そこで、調達会社のほうは、ボーナスなどを調べてみまするというと、年間半期ごとの賞与に月収の四カ月分を支給しているんですね、私のほうの調査では。専門家の田中さんと短い時間問答しても真実が奈辺にあるかわかりませんけれども、私のほうの調査では、まあまあ食糧庁は間接的ではございましょうけれども、実質調達会社があって、瑞穂と共和というものがあって、それから業者があって、一定の手順を経て操作が行なわれているわけですけれども、その中において私がいま申し上げたような相当な利益があるということです。一方業者のほうは非常に困って倒産するところもできているということです。そこで実態をお調べ願えないかということです。私の、委員会のこの質問を契機にして実態をお調べ願って、瑞穂株式会社、それから共和資材株式会社というものの実態を、よく役員構成などをごらんになって、どこにどういうふうにお金が使われているかということをお調べになって、妥当なマージンというものは幾らであろうかということを算出していただきたいということです。そのことを算出していただいてから、それからさらに次回の質問に移りたいと思います。問題の提起だけにとどめます、きょうは。いろいろ申し上げたいことがございますけれども、次回にいたしたいと思います。  以上私が申し上げたことについて、何か田中さんのほうで御答弁を要するならばお答えいただきたいと思います。
  179. 田中勉

    政府委員田中勉君) 私どもも、包装関係の面におきましても、これもやはり流通経費、中間経費の非常に大事な部門をなすわけでございます。したがいまして、包装関係全体といたしましては、たとえば俵を使うよりも、近代的な麻袋とか紙袋のほうが、食管会計から見ればこれは合理化されるというようなことではあるわけでございますが、極力そういう面のやはり包装種類別の面から見ると、食管会計の合理化ということもはかっていかなければならぬと思いますし、同時にまた、何ぶん、こういう包装が反復使用されるという——たとえは麻袋なんかはその例でございますが、反復使用されるということになりますと、それぞれ中間段階においての費用をいろいろ実態調査なりをやって、それをこちらが把握をいたしまして、そしていま申し上げたAからBに移る、あるいはBからCに移る、こういうような差額の現実の金額が適当であるかどうかというようなことについて、特にいろいろ配慮もしていかなければならぬし、また検討もいたしていかなければならぬと思っているわけでございます。包装関係の中間経費、流通問題につきましては、特にそういう面におきましても従来以上にやりまして、この実態の究明をやり、それを把握をいたしまして、合理化し得るものにつきましては、その点は徹底的に合理化の方向に持っていきたいと思っております。先生が御指摘数字、各調達機関におきましてこれだけの利益があがっておるというようなことにつきましては、私のほうはまだそういう実態を把握しておる段階ではございませんので、何とも申し上げかねるわけでございますが、いずれにいたしましても、そういう面におきましてこの流通諸経費が不当にどっかにかたまるというようなことは望ましくございませんし、また、実態につきましては、先ほども指摘のありましたように、その面におきまして大いに掘り下げて検討いたしてまいりたい、こういうふうに考えます。
  180. 大森創造

    ○大森創造君 東京資材の倒産は、先ほどの御答弁で、麻袋の調達の問題に関係なしに倒産したということでございますが、いろいろあるようですから、この倒産のいきさつは。司直の手によってさばかれておりますけれども、いろいろまずい事情があるようですから、東京資材というものの倒産のいきさつの中では。そこで、東京資材の顧問として閣僚の方が入っておられますし、御存じでしょう、田中さん。そして今度はそのあとを受け継いだ共和資材のほうにも——入っておりますかな。東京資材のほうは有力な閣僚が入っておられる。共和資材のほうはどうですか、入ってないかな。そこで、倒産のいきさつを私なりに調査してみますというと、きょう申し上げたように尽くしませんでしたけれども、どうもこれは決算委員会として、中間の利潤が、いまの共和資材と瑞穂資材というものを吟味をすれば、確かにちょっとこれはもうけが多過ぎるという、一方的な結論ですけれどもあるのです、私のほうには。ですから、こいつはひとつ私の質問を契機にして食糧庁のほうでがっちり押えて調べていただきたいということです。以上で終わります。
  181. 亀田得治

    委員長亀田得治君) それでは田中さん、柴谷君の質問のときに、数字を整理してもらうことにしましたね。同じように麻袋の関係数字がたくさん並べられたのです。これもひとつ参考に委員の皆さんができやすいように整理してください、資料として。
  182. 田中勉

    政府委員田中勉君) はい。
  183. 黒柳明

    ○黒柳明君 大臣お忙しいと思いますので、要領よく質問したいと思います。  先ほど大臣がいらっしゃる前に、日通の米麦の輸送の問題あるいは輸送用の麻袋の問題など種々指摘があったわけですが、当然日通の乱脈ぶりについては、新聞紙上ではっきりしていることですし、その一つの原因が、何といっても、毎年食糧輸送代だけでも百四十億ものばく大な金額を払っている。私たちの目から、また国民の目から見ますと、そういう独占体制みたいなものが今日の日通の腐敗を招き、またあの首脳部の交代にまで発展していったのじゃないかと、まだまだ私はこの日通問題というものが発展する可能性があると思いますし、私は、今日その一端を述べさせていただきたいと思うのですが、この独占体性が日通の腐敗を招くことに至ったように私は判断するのですけれども、ひとつ大臣、この点から御所見をお伺いしたいと思います。
  184. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) 日通の事件につきましては、内容的には、これは検察事項あるいは司法の事項になっておりますのでよく存じませんが、新聞等で出ておるわけであります。それから私どものほう、責任を持たされております食糧庁としては、米麦等の輸送関係で、輸送費といいますか、輸送料と申しますか、そういうものを支払いするたてまえになっておりまして、それに関連することではありませんが、日通が一つの大きな能力を全国的に持っておることから、輸送というものを依頼はしておると思いますけれども、一面におきまして、その他の面からも、この独占に対してもう少し競争条件を入れたらどうかという意見もあることはあります。それで私どものほうは検討はさしている、そういう考えであります。
  185. 黒柳明

    ○黒柳明君 それから、農林省が森林行政の一端として保安林の制度を設けておりますが、私が指摘するまでもなく、最近非常に観光化して、緑がなくなり、森林が伐採されて、いざというときに治山治水の面で非常に不安を感ずるわけですが、これは全国至るところこういう現象は見られるわけなんですけれども、その治山治水と保安林の制度について、根本的なこの制度、姿勢と申しますか、これについて御所見を承りたいのです。
  186. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) 保安林につきましては、森林法に基づきまして、水源の涵養、土砂の流出、崩壊の防備、こういうために森林を保安林として指定をする。そして伐採の制限、保安施設の設置、こういう必要な措置をやると同時に、特にその中でも水資源と申しますか、水源の涵養を行なう、こういうことが非常に大事な点であります。したがって、その目的に対して的確に対応するように、われわれとしては保安林体制というものをやはり不断にこれを堅持してまいりたい、気をつけてまいりたい、こういう考えでございます。
  187. 黒柳明

    ○黒柳明君 それで大臣、当然御出身の静岡のことなんですが、田方郡韮山、これはもう新聞紙上で報道されておりますように、日通がつくった伊豆の富士見ランド、これはもう百五十万坪ですか、膨大な土地のわけですが、これの大和造林との関係、三億のリベートで不祥事件が起こっておりますけれども、ここに、昭和二十八年から三十年にかけて農林省から国庫補助金を支出して、保安林を四十五・五ヘクタール植林したと、こういうことを御存じでしょうか。また、この保安林が現在どうなっているか御存じだったらお願いしたいのです。
  188. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) これは具体的な事実等につきましては、私もよく存じませんので、所管の責任者から御答弁さしていただきます。
  189. 片山正英

    政府委員片山正英君) 静岡県の韮山町大字多田字前峠というところでございますが、保安林の指定を九十六ヘクタールほどいたしております。それで解除は、その中の五十九ヘクタールほど解除をいたしております。以上でございます。
  190. 黒柳明

    ○黒柳明君 いまの点、いまどうなっておるか。
  191. 片山正英

    政府委員片山正英君) 解除いたしました保安林は、日通伊豆観光開発株式会社が現在、富士見ランドというような形で利用しております。以上でございます。
  192. 黒柳明

    ○黒柳明君 いま長官がお答えのとおりなんです。これは写真でなくても新聞紙上に出ていますからね。保安林、大臣、こういうふうにはげ山になっているわけですよね。本来ですと、ちょうどいまごろ、この木が成長しまして保安林としての役割りを果たすわけなんです。そういう時期に来て、御存じのように日通のこのレジャーの施設——何もレジャーの施設そのものはいけないとは言いませんよ、しかしながら、いま大臣の御答弁ですと、当然この保安林の制度というものは堅持していきたい。これは当然そうだと思う。遊園地等も必要だと思いますけれども、治山治水対策というものは、これは根本的な農林、森林行政のこれは根幹だと思うのです。ところが、国庫の補助金を出して、せっかく保安林になって、その役目を果たすいまになったら、全然ないと。こうなりますとね、レジャーの目的と治山治水、人命と、これはどちらがウエートが重いかというと、これは当然後者のほうにウエートがかかってくると思うのですね。そうすると、大臣がいまこの保安林の制度、これは特殊な一つのケースだと思いますけれども、全体の姿勢として当然保安林の制度は維持していきたい。そうすると、この場合には非常にこの森林行政に疑いを持ちたくなる。いまの大臣の御答弁の趣旨とは違っている。こう思うのですけれども、いかがですか。
  193. 片山正英

    政府委員片山正英君) 林野庁といたしまして、保安材の指定もさることながら、ただいま先生のおっしゃいました保安林解除の問題についての基本的態度を持っておるわけでございます。これにつきましては、御承知のように森林法にもうたっておりますが、保安林解除の要件として二つございます。一つは、公益のために解除する。たとえば道路をつくる、こういう場合、公益のために解除する場合が一つでございます。もう一つは、保安林の指定の理由が消滅したという場合に解除になるわけでございまます。この指定の内容でございますが、消滅という指定の内容でございますが、林野庁としましては、四つのその方針を打ち立てております。まず第一点は、保安林として施業制限をしなくてももう公益を損じない状態になっている、これはあり得ることでございます。こういうふうになったときが一つでございます。それからもう一点は、保安林が現在有している保安効果より以上の保安の施設ができ、その必要がなくなるという場合が第二点でございます。それから第三点は、受益の対象——保安林の必要性、これはたとえば保安林と申しましても十一の種類がございます。その十一の種類の一つとして、魚つき林というものがございますが、そういう受益の対象がなくなるという場合に解除をいたします。それから、これは方針としてはおかしいのですが、保安効果が何かの関係で破壊されてしまうというような場合には、森林に復旧するということが困難になるという場合には、保安林についての指定は解除される、大体そのような形で現在実施し、また指導いたしておりますようなわけでございます。富士見ランドの場合は、その例の一つになったわけでございます。
  194. 黒柳明

    ○黒柳明君 例の四つのうちのどこに当たるのですか。
  195. 片山正英

    政府委員片山正英君) 第二点の保安林が現に有している以上の保安効果の期待ができるという場合でございます。
  196. 黒柳明

    ○黒柳明君 それでは、その具体的な例をですね、もうちょっと説明していただきたいと思うのですけれども
  197. 片山正英

    政府委員片山正英君) 保安林を解除いたします条件といたしまして、所有者である日本通運伊豆観光会社に対して条件を付したわけでございます。この条件と申しますのは、たとえば水の災害を防止するための堰堤工事であるとか、そういういわゆる保安施設、その保安施設を条件といたしまして、大体金額にしまして二億五千万円、その施設をするという条件で解除いたしたわけでございます。
  198. 黒柳明

    ○黒柳明君 大臣、御存じだと思うのですが、三十三年九月二十六日ですか、狩野川台風、この支流になるわけですけれども、そのときに七十四名の人命が失われているわけです。そのときには、この保安林以前で自然林が生えていたわけです。それでもそういう災害があった。まあそれ以後たびたび大水がありますけれども、八百ミリというのはなかったわけです。今度そういう事態が発生した際に、はたしてこの狩野川台風みたいな災害、人命の損傷というものが絶対ないと、いま二億五千万かけて云々とおっしゃいましたけれども、そういう保証、また、そういうことも検討した上でしたのですか。すべて検討済みで、間違いないと、だいじょうぶだと、こういうことなんでしょうかね。また、そういうところまで検討していただかなければ、地元としては非常に不安だし、また現時点において心配が大きい、こういうふうに訴えているのですよ。この点いかがでしょうか。
  199. 片山正英

    政府委員片山正英君) 保安林というものの内容といたしまして、いろいろございます。たとえば一番重要な保安林は、十一のうち三つでございます。一つは、土砂崩壊を防止する保安林でございます。それから土砂流出を防止する保安林、それから水源涵養の保安林、この三つでございます。それで土砂崩壊、土砂流出という問題は局所において起こるものでございますから、そのものについては、その地帯を解除するということについては非常に慎重を要する。それから水源涵養という保安材につきましては、一定の面積に、大きな大面積の中でどれだけそれを確保するがいいかというものでございます。それは局所の問題ではなしに、地域全体としてどれだけ面積を確保していくかということが、水源涵養の保安林の性格でございます。したがいまして、この地帯におきましては、水源涵養でございますので、全体としての狩野川地区の保安林の整備は、保安林整備措置法というものに基づきまして、われわれが計画を別途立案しております。それによりまして現在の保安林をふやす努力をいたしまして、現在におきましては約一万二千六百ヘクタールまでの保安林を増大させたわけでございます。そのような形で対処してまいっているのが一つでございます。  それからもう一点は、先ほど申しました、災害に対する予防ということを含めまして、二億五千万円の堰堤工事等保安施設となるものを実行していただき、そうして解除した、こういうことでございます。
  200. 黒柳明

    ○黒柳明君 当然、林野庁長官はそこにお出かけになってごらんになったんじゃないと思いますけれどもね。いまダムはどうなっておりますか、御存じですか。土砂で埋まって、そしていまその土砂の埋まっているところの回復、修復作業はどこで金を出すかということでいまごたごたしておりますよ。要するに、二億円で堰堤をつくっておる。その堰堤がいま役に立たなくなっておるのですよ。地元では、その修復作業、要するに防災が十分でない。だから私はさっき言ったのです。二億円かけて、そして万々一のときそれが役に立てば、これは私は必ずしも保安林はすべて解除してはいけないと、こんなことはないと思います。先ほどの四項目の条件に当てはまれば当然いいことです。しかも、先ほど申しましたように、この狩野川付近というものは、非常に大水が出た場合、一たん事あるごとに災害があったし、またある可能性がある。それで地元の人は一致して解除の申請をしたわけです。ところが、まさかそんなはげ山になると思わなかったらしいのです、地元としては、地元の同意がなかったとは言いません。同意があったことは間違いない。日通がその同意のもとに、県知事農林大臣から許可を得た。そのケースはそこに問題はないわけです。しかし、その問題は、その堰堤がいま現在目的に即さない状態になっておる。もしもそういう、いまそういう事態はないと思いますけれども、いまここに狩野川と同じ雨量、それ以上の雨量があると、いま長官がおっしゃった堰堤というものは役をなしていない。現にいまも申しましたように、その埋まった土砂をもう一回修復するので、どこがこの費用を出すのか問題になっておる。これがそういうようなことを御存じでいまの発言をされておるのか、いかがでしょう。
  201. 片山正英

    政府委員片山正英君) 私は実はそこの現地に行っておりません。
  202. 黒柳明

    ○黒柳明君 そら、だから私は……、それは私言いましたように、長官が一々そんなところまで視察しておるわけにはいかない。だが、いまの伊豆富士見ランドというものは問題になっておるんじゃないですか。あれほど新聞紙上に大きく出ておるでしょう。どこが問題なんですか。いま、若干回りくどいようですけれども、日通の、単純な常識論で、独占体制というものはうまくないじゃないか。検討する必要があるんじゃないか。大臣もその余地があるんじゃないか、そういう発言からこれは引っぱってきたのですけれども、いま言うように、これほど問題のところをどうして見に行かないのか。そうして、そこに不備があったらそこをすぐ是正する気が起こらないか。そこにいま申しわけないけれども、何といいますか、こちらで指摘される前までは全然腰を上げない。幾ら忙しいといっても車で二時間半で行けますよ。その点はだれか係官でもやって、実情はどうなっておるということを報告を受けてもいいじゃないか。そういうことであれば、いまのような発言は理の上の卓上のプランである。すぐ手を打たなければならぬ。一朝事があったら、堰堤をつくった趣旨に沿っていない。手を打とうということになるんじゃないですか。これはここでいま答弁をしても始まりません。地元では土砂流出防止の保安林を約二十ヘクタール解除されている。うまくない。こういう事実が現状なんです。ひとつ早急に富士見ランドに行っていただいて、現状がどうなっておるか、また報告もいただきたいし、至急に手を打っていただきたい。どうでしょう。
  203. 片山正英

    政府委員片山正英君) ただいま御指摘の堰堤が砂で埋まっているという御指摘がございました。さっそく、どういう原因でそうなっているか調査したいと思います。
  204. 黒柳明

    ○黒柳明君 それで大臣、さらに大臣は忙しいですからそんなところは関知するところではないと思いますけれども、これから日通問題は発展する可能性があると思います。どこが根源かといいますと、富士見ランドあたりがまた発火点になるおそれがあるんですね。その一つを私は言いたいと思います。だから、保安林について法律だけやっていますと、現状を知らないところがうまくないですよ、文字の上の解釈ばかりやっていますからね。いま初めに言ったような大臣の保安林に対する確固たる意思というもの、御意見というものがここに反映されているようで反映されていない。現状はそうでないと思う。ですから大臣に御答弁いただきたい。それで、林野庁長官もいま言ったように、いま結論が出たんですが、至急担当大臣として現地の実情をよく調査して、至急日通なら日通に負担させるなら負担させる。手続の問題はないと思います。地元民が不安を持っているんです、そういう事態があるから。それに対して、あたりまえな答弁だとは思いますけれども、ひとつ確たる約束を地元民に、当然御自身の票になることですから、お願いしたいと思います。
  205. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) 私からあらためて申し上げます。  実はこの問題は、これだけでございません。実は私も最近における治山の問題につきまして——たとえば山の砂利をとりますですね、土砂を谷へ捨てる。監督官庁がなかなか手が届かないところがある、それで山が荒れている。そういうことが各方面で累積してくると、おっしゃるように集中豪雨でもあったときに、末端において大きな災害を起こしてはいかぬ。これはこまかいところまで手は届かないにしても、とにかくできるだけ調べるという方向でいってみたらどうかということを、けさ、林野庁長官に私の意見として申し入れといいますか、命令といいますか、やってみようじゃないか。実態を絶えずわれわれは見ているが、もちろん県行政の部分もございますし、町村の部分もございますが、もっとわかるようにしたい。  そうして、その次には、具体的な問題につきまして、率直に申せば、あの場所は私の選挙区ではございませんけれども、同じ県でございますから、私自体も旅行等で見ております地域でございます。そこで、この解除が妥当であったかどうかという議論については、私は一つの解除の手続あるいはそのときにおける当時の目的から考えて、私は、林野庁立場としては、五十ヘクタール程度をやったということについては、妥当性もあるのじゃないか、しかし、その後における状況、これは十分調べなければいけません。だから、いかなる立場で、またどういう原因にしても、そういう状態になっていれば、それを早く、私のほうであればもちろん、あるいは他の建設省関係であるにしても、あるいは農林省農地関係であるにしても、住民が難渋しないようにしなければならぬ。それから狩野川全体としては、御存じのように、かつて大災害を起こしました。これにつきましては、根本的に建設省を中心に大放水路をつくりましたり、いろいろ手は打っております。いかなる局所であっても、人命に損傷を与えるような災害だけは、国務を担当する者は不断に注意していなければならない、これは私どもの責任であります。
  206. 黒柳明

    ○黒柳明君 もう一つ、いまのことは至急手を打っていただきたいと思いますが、もう一つ、保安林のことをお伺いしたいのですが、長官昭和四十三年一月十六日付で、三月六日地元の人たちから県知事に提出された、要するに、農林大臣あてに提出された北八丁の保安林二十五町歩の解除申請、これは出ていますでしょうか。
  207. 片山正英

    政府委員片山正英君) その件はまだ林野庁には出ておりません。
  208. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうすると、林野庁に北八丁の二十五町歩の解除申請が出ていない。私どもの調べによりますと、いま言ったように、四十三年一月十六日には代表者の松本さんから農林大臣あて出ていまして、県のほうには四十三年三月六日出ているらしいのですが、まだ大臣の許可は出ていないわけですね。そうすると、この許可が出ていない保安林ですね、この中にすでに七千平方メートルにわたって自動車学校ができている。いま日通でつくっている。これが来月完成し、開校になる。これを知っておりますか。
  209. 片山正英

    政府委員片山正英君) それは存じておりません。
  210. 黒柳明

    ○黒柳明君 あるんですよ。これは先ほどの問題も御存じないのですから、さらにこれはもうここまでは御存じないと思うのです。けれども、これは森林法にはっきり抵触する問題ですよ。私は目で見たわけですから、ここで事実であるとかないとか言っても始まりませんし、電話一本入れていただけばわかるわけで、これはもう既成の事実です。
  211. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) 場所は。
  212. 黒柳明

    ○黒柳明君 富士見ランドのすぐそばです。いま言いましたように、二十五町歩ですね、北八丁というところがあるんです。そこに七千平方メートルの自動車学校、これはもう全部来月完成し、開校するんです。これは申請を大臣は許可していません。ですから、許可以前においてこういうことをやったということは、あまりに日通が——これは私の邪推かもしれません。邪推かもしれないけれども、いままでもあるし、これからも出るであろう一連の事件に対して、何か国民から疑惑の目を向けられなくてもいいものを向けられる。要するに、こんなところはもう解除申請が出してあるんだ、もういずれ許可がくるんだ、だから解除されたと同じことだ、こういうことで自動車学校をつくって開校の段取りになるわけですよ。だから、こういうところにも、この日通の独占体制、ワンマン振りがあり、その陰には、申しわけないけれども、何かそこに政治的権力が介在しているのじゃないか。こういう招かなくてもいい疑惑を招く原因もここにあるんじゃないか。だから、これに対しては、これは私が指摘するまでもなく、明らかに森林法上の罰則を当然適用さるべきですよ。こう思うのですが、長官と大臣、この点いかがでしょうか。
  213. 片山正英

    政府委員片山正英君) ただいま初めて伺ったわけでございますが、これは徹底的に調査してみたいと思います。
  214. 黒柳明

    ○黒柳明君 事実であったら罰則を適用されますね、認可前ですから。
  215. 片山正英

    政府委員片山正英君) これは御承知のように、保安林のやつは、認可する場合には告示をします、四十日間。そうして地元の意見を聞くことになっております。その中で意見がない場合に初めて解除するということになります。したがいまして、いままで全然出てきておりませんのでわからなかったわけでございますが、実態調査しまして、もしそういう事実がありますれば十分検討したいと思います。
  216. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 罰則はどうなるのですか。
  217. 黒柳明

    ○黒柳明君 罰則は適用されますね、認可の前ですから。二百六条、二百七条。
  218. 片山正英

    政府委員片山正英君) 罰則がございます。
  219. 黒柳明

    ○黒柳明君 この北八丁の二十五町歩は、大臣、これは最後の保安林なんです。要するに、日通が伊豆富士見ランドをつくっちゃったために、だんだん保安林がなくなっちゃって、もう地元ではこれを唯一のたよりにしている。そこが、またどまん中が解除になっちゃったらたいへんだ。ですから、一応地元の松本さんから——入り会い権を持っている人ですが——申請が出てきておりますよ。ところが、長官がおっしゃったように、地元民の意見を聞くようになっているのです。千七百名からの地元の人から反対の陳情が出ております、県に。町会ではこれに反対をしているのです。反対するといったって、認可以前に学校ができちゃったのですから、やがてはこの二十五町歩も解除されるのではないかと、地元の人は非常に不安に思っていますね。いまおっしゃいましたように、解除する場合には、地元の意見を聞くわけです。その地元の意見として、二千弱の人から反対の嘆願が出ているわけです。もうこのことも十二分に御考慮に入れていただきたい。そうして、もしもまた災害があった場合に、それみたことじゃないか、そういう保安林行政、森林行政に対して欠陥があるから、だからこういうような災害があったじゃないか、こう言われたらこれこそもうたいへんなことですよ。いま私がここで指摘していることが現実にあらわれないとはだれも断言できませんよ。また、これが直接の原因でなくても、もしそういう事態になって災害でも起こったら、それみろ、保安林をどんどん解除したから、伐採したから、こういうことになったじゃないかと、地元民に恨まれますよ。いまの長官と大臣は、直接の責任じゃなくたって、やっぱり担当責任者ですからね、そうでしょう。ですから、この地元民が、これも私はうそを言ってません。地元の町会では反対です、解除に。それから二千弱、千七、八百名の方から、地元の意見は、ぜひ解除しないでくれと出てます、県に対して。こう事実を踏まえれば、一方において入り会い権を持っている方から申請は出ておりますけれども、この申請というものは、地元民の意向に反しているわけでしょう。四十日以内に地元民の意見を聞くということは、もうすでに既成の事実として解除されているから、自動車学校がどまん中にできているから、地元民は不安でしょうがない。だからそういう反対運動に向かっているわけです。大臣、ですから、これは保安林は決して解除しない、これくらいの明言がありませんと、当然調査してというような御発言になると思うのですけれども、まあ調査してということも、ここでの発言ではおろそかな発言じゃないことも、私も確信しておりますけれども、私としては、この地元民のために、ここだけは解除しちゃならない、こういうふうに強く希望するし、また、そういう方向に向かって処置もしていただきたいと、こう思うのですけれども長官と大臣、どうでしょう。
  220. 片山正英

    政府委員片山正英君) 事実を調査した結果によりまして、それが違法行為であるということでございましたら、直ちに停止を命じます。あるいは解除が適当でない、そういう意味で。申請があってもそういう場合に復元を命ずる、いろいろ処理がございます。いわゆる罰則とあわせまして対処してまいりたいと存じます。
  221. 黒柳明

    ○黒柳明君 復元だって、もう自動車学校になっちゃってますよ。また木をそこに植えてもらいますか。そういう罰則はそこに出てない。よく読んでください。ぼくは森林法の二百六条、二百七条読んできました。まあそれはいいでしょう。いま言ったように、その御答弁を実行に移してください。また、大臣、蛇足だと思いますけれども、大臣からもきちんと御答弁を願いたい。
  222. 西村直己

    ○国務大臣(西村直己君) 元来ああいうレジャーの施設というものも、国土の開発の中で、計画的秩序の中でやってもらわなければならない。したがって具体的には、私個人として、あのレジャーができるときに考え方がありましたが、この席では申し上げませんが、いずれにいたしましても、保安林ということは、国民の生命、財産を守るということは優先していかなければならないこれは事実であります。したがって、いまのような実態を明らかにして、そして法律によって措置をしてまいりたい、こういう決意でございます。
  223. 黒柳明

    ○黒柳明君 以上二点で保安林のことを終わりたいと思いますが、問題を変えまして、日通の子会社として、要するに日通の幹部のリベート問題で指摘しました、三億というような巨額な資金の不正で、新聞でも騒がれました大和造林の問題ですけれども、国税庁、地検で相当の調査が、きょう実は勾留満期なわけですよ。これに対して当然今後起訴、告発する段階にいくんじゃないかと、私はこう思うのですけれども、刑事課長さんですか、ひとつどのような今後処置をとられるか、発表できる範囲でお願いしたいと思います。
  224. 石原一彦

    説明員(石原一彦君) いわゆる日通事件につきましては、本日処分が決定されました。ここへ来る前でございまして、三時半ごろと報告を受けておりますが、日通の管財課長でございました田村倫之輔につきましては、所得税法違反で起訴いたしました。身柄は勾留中起訴でございます。その内容は、秘匿いたしました所得額が約七千九百万円で、脱税額が約四千百万円でございます。  次に、いまお話しの大和造林につきましては、法人税法違反で大和造林株式会社、それからなおその社長の長谷川博和及び金子光吉を起訴いたしました。なお、長谷川と金子につきましては、在宅ということでございますので、本日釈放した上起訴したものと思います。  その秘匿いたしました所得額は約九千二百万円でございまして、脱税額は約三千二百二十万円でございます。なお、金子光吉につきましては、全部の事実については起訴はされていないようでございまして、ただいま申し上げた数字の一部が起訴されている、かような報告を受けております。
  225. 黒柳明

    ○黒柳明君 当然国税庁のほうでもこれの告発を同時に行なうと、こういうことになるのですか。
  226. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 同時にじゃございません。告発が先行いたしまして、それに基づいて起訴したわけでございます。したがって、本日告発をいたしております。
  227. 黒柳明

    ○黒柳明君 それで、大和造林の脱税の容疑というのは、当然日通本社に対しての工事費の水増し請求、この水増し請求がリベートの資金になったと思うのですけれども、こういう考えでよろしいわけですか。
  228. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) そうお考えいただいてけっこうだと思います。
  229. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうすると、今度は辰美産業というのがここに登場してくるわけですが、これは富士見ランドの用地を一手に引き受けて買収に当たったと、会社の設立が四十一年ですか、その設立以来、国税当局が辰美産業のインチキな虚偽申請に対して調査して、その結果二億八百万、追徴金として七千万程度を取った、こういうことを私は認識しておりますが、これでよろしいでしょうか。
  230. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 実は辰美産業と申しますのに、旧辰美産業と新辰美産業とこう二つございまして、もう一つ、辰美物産から富士見物産に変わった法人もございます。いまお話しの辰美産業と申しますのは新辰美産業でございます。この三社ともそれぞれ日通のために不動産の取得、そうして日通伊豆観光あるいは日通に対する売却、こういう仕事をやったようでございます。いまのお話の新辰美産業につきましては、所得額で二億八百万円の更正をいたしたのでございます。税額にいたしますと九千二百万円でございます。
  231. 黒柳明

    ○黒柳明君 辰美産業やら辰美物産やら富士見物産やら、いろいろ日通本社を中心にしての関係会社ですか、中にはトンネルみたいな会社もあるわけですけれども、そのうちの一つが辰美産業であると、私はこう認識したいと思うのですけれども、そうすると、ただいま大和造林の関係、要するに水増し、それが脱税容疑になった、それがリベートの関係になった。そうすると、この富士見ランドの用地買収に当たった辰美産業の場合も、この大和造林と同じようなケースじゃないかと、私はこう想像しておるのですけれども、非常に類似点が多いのじゃないか、こう思うのです。要するに、先ほど言いました過少申告というのは、この辰美産業が二億八百万、これを過少申告したというのは、要するに日通本社の売買差益ですね、それを過少申告したのじゃないか、この点いかがでしょうか。
  232. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) さようでございます。日通との土地の売却につきまして過少申告をいたしておったわけでございます。
  233. 黒柳明

    ○黒柳明君 そうすると、先ほどの大和造林、それとこの辰美物産、辰美産業、非常に類似点がある。私は大和と辰美がイコールであるとは断定したくはないのですけれども、地検のほうでこの辰美産業に対して相当のお調べも進んでいるとは思うのですけれども、要するに大和造林が日通の幹部に対するリベートの舞台になった、同じようにこの辰美産業というものも日通の幹部に対するリベートの舞台になった可能性が非常に強い。私はきょうここに発言いたしませんけれども、これは時間がないのであとにします。これを指摘したいと思います。その証拠がここにある。これはあとになって時間があったら予算か何かでやりますけれども、この辰美産業は非常に問題だ。これは申しわけないけれども、税務署の関係で非常に問題が多過ぎる、こういうような点から見ると、また、この辰美産業が大和造林と同じようなトンネル会社、過少申告して日通幹部にそれはリベートとして流した。類似点が多過ぎるんじゃないかと、こういうふうに私は指摘したい。それに対してどのような意見をお持ちなのか、お聞きしたいけれども、共和製糖の際も、菅一派が一連の同じような子会社、トンネル会社をつくって、そして抜け穴にしたわけです、脱税の。それと同じようなケースがこの日通の場合でも指摘されるんじゃないかと思いますけれども、当然国税庁当局として、日通に対する脱税、税金の問題に対して今後も当然調査をすると、こういう姿勢は続けていかれると思うんですが、その二点、いま言ったように、辰美産業と大和造林と、非常に日通の幹部暗躍の舞台になったんじゃないか。大和と辰美と非常に類似したものがある、今後私は調べて、さらにこれは明らかにしたいと思いますけれども。それともう一つは、この日通に対して国税庁が今後どのような態度をとっていかれるか、この二点についてお願いしたい。
  234. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) まあ私どものほうの調査によりますと、大和造林は芝を植えるほうの工事を請負ったのでございます。それから辰美産業のほうは、土地を取得いたしまして、それを日通なりあるいは日通伊豆観光に売却する仕事を請負ったのでございます。したがって、日通との取引という意味では、まあ大和造林は直接日通からでなしに、子会社である日通伊豆観光から仕事を引き受けたわけでございますが、いずれにしましても、日通関係との取引という意味では、同じような点がございますが、そうかといって、リベートの点まではたいして同じであるかどうかということは、必ずしも言い切れないことであろうかと思います。いずれにいたしましても、現在新辰美産業はほとんど現在は休業状態でございます。昨年の六月三十日に、先ほど申し上げましたように、九千二百万円の更正決定をいたしました。その税額を払う金がなくて非常に困っているといったような状況にあるわけであります。したがって、今後なお調査はいたさなければならぬと思っておりますが、資産がほとんどないといったような状況にあるようでございます。
  235. 黒柳明

    ○黒柳明君 けっこうです。
  236. 岡三郎

    ○岡三郎君 私は一、二点お伺いいたしますが、これは一昨々年から問題になっていた国有農地の売り払い問題ですが、冒頭に昭和三十九年、四十年、四十一年に売り払われた面積がどのくらいありますか。坪数で言ってもらいたいと思うんです。
  237. 和田正明

    政府委員(和田正明君) 売り払いをいたしました面積でございますが、年度別に申し上げますと、昭和三十九年が——坪数とおっしゃいましたが、ちょっとヘクタールの資料でございまして……。
  238. 岡三郎

    ○岡三郎君 坪数で言ってもらいたいな。
  239. 和田正明

    政府委員(和田正明君) ちょっと計算いたします。——三十九年が二百七十一町七反でございますので、坪数に直して八十一万五千百坪。それから四十年が二百二十町三反、六十六万九百坪。四十一年が百五十一町九反、四十五万五千七百坪でございます。
  240. 岡三郎

    ○岡三郎君 そこで、いま貸し付けている面積はどのくらいになりますか。
  241. 和田正明

    政府委員(和田正明君) 農耕用貸し付けをしておりますのが二千六百八町歩、それから転用目的貸し付けておりますのが五百五、そのほかにまだ未貸し付けで持っております二千三百六十一。
  242. 岡三郎

    ○岡三郎君 売り払った坪の値段はどうなっておりますか。売買の価格、貸し付けの料金。
  243. 和田正明

    政府委員(和田正明君) 先ほど申し上げました面積のうち、三十九年の二百七十一町七反のうち二百三十九町九反は旧地主に、事実上買収取り消しの形をとりましたので、農地改革の際の買収価格でございます大体平均二円五十銭ぐらい、坪当りで。その他の残りは時価で売り払いをした分でございますが、これのいま売り払い価格はちょっと手持ちしておりませんので、あとでお答えをいたします。四十年の二百二十町三反のうち、同様に百七十八町七反は旧地主、四十一町六反が時価で。百五十一町九反の四十一年のうち百二十一町二反が旧地主へ、三十町七反は時価で売り払いをいたしました。この時価の平均価格はあとでお答えをいたします。  もう一つ貸し付け料につきましては、ちょっと手元に持っておりませんので、あとでお答えいたします。
  244. 岡三郎

    ○岡三郎君 貸し付けというのはどこでやっているんですか。農地局長知らなければ……。各地方の農地局でやっているんですか。
  245. 和田正明

    政府委員(和田正明君) 各地方の農政局ではなくて、これの管理は都道府県知事に委任がしてございます。実際の貸し付け手続は都道府県知事がやります。
  246. 岡三郎

    ○岡三郎君 その知事のもとは農林省でやっているんですか。これは全面委託しているんですか。農林省は全然知らぬ、それは関知しない、あとは知事が全部任意に貸し付けているわけですか。
  247. 和田正明

    政府委員(和田正明君) 権限として都道府県知事に管理を委託しておりますので、知事の行政行為でいたします。
  248. 岡三郎

    ○岡三郎君 それから私が先ほど言ったように、都道府県知事が任意にそれによって貸し付けるということができると、こういうことですか。
  249. 和田正明

    政府委員(和田正明君) 知事に管理の委託をいたしておりまして、その管理の委託を受けました管理についての処理方針は、こちらから通達を出して県を指導して、県はその通達の指導基準に従って県知事において措置をしておる、そういうことでございます。任意にと、こうおっしゃられると全く知事はフリーのようでございますが、指導の基本方針は指示をいたしております。
  250. 岡三郎

    ○岡三郎君 私の言ったのは、いままでの答弁で言うと、知事がみんな権限を持っていて、そこで、膨大な坪数というものが売り払い、貸し付けられておりますが、その中で旧地主関係ではなくして、一応転売されていた土地、そういうものの管理も知事にまかしてあるわけですか。つまり自作農創設当時に、農林省がこれを受け入れて買い取って、そうして国有農地にした。その農地にしたものが、目的に従って自作農創設に使用されて、他の名義に変わったという形のものの中から、そうでない、いまさっき説明があった、たとえば四十一年の三十・七町歩ですね、こういったものについてはどうなってますか。
  251. 和田正明

    政府委員(和田正明君) 売り払い処分をいたします場合は、地方農政局で処置をいたしております。
  252. 岡三郎

    ○岡三郎君 そうするというと、先ほど言ったように、中央では指示をするといっておっても、実態は各都道府県においてこれを貸し付けておる。その裁量というものは大体都道府県のほうで一切やっている、こういうふうにとっていいわけですね。つまり中央のほうから指導をするが、実際の貸し付けの実務は都道府県でやっていると……。
  253. 和田正明

    政府委員(和田正明君) 貸し付けにつきましては、先ほど申しましたように、基準になるような指導通達を出しまして、その通達の基準に従って知事がいたしておるわけでございます。
  254. 岡三郎

    ○岡三郎君 その前にまた返りまして、この問題について昭和二十二年の当時の二円五十銭で取得した。それを二円五十銭でいま二十年経過した現在これを旧地主に売り戻すといいますか、売り渡すということについては、しばしばいまのようなこういう土地の実情の中で国民的な感情の中からこれを二円五十銭で旧地主に売り戻すということについて、いかがかという話がずいぶん前に出ていたと思う。現実問題として過密都市地帯においては、これを何とかして公共用の土地に取得できないか。実際の問題としてまあ農地法の中において旧地主に売り戻さなければならないという個条がある。そういうことでこの問題については、なかなかそういうふうな趣旨に沿うことが困難であるという話は前から聞いておったわけですが、実態としてこういうものについて公共用の土地に供するというふうな形の意見というものについて、農林省はどういうふうに考えていますか。
  255. 和田正明

    政府委員(和田正明君) 現在の農地法の八十条の規定では、自作農創設という目的で旧所有者の意思とは無関係に一定の基準で政府が強制買収をいたしました一種の土地収用のような性格を持つものであるというような前提に立ちまして強制買収をいたしました。自作農創設の用に供しないということであるならば、それは強制買収という行為それ自体を事実上無にしたような形で行政目的が達せられなくなったわけでございますので、旧所有者に返すという基本的な考え方が農地法第八十条にあるわけでございます。ただその場合にも、第八十条の規定は、公用、公共用その他真にやむを得ない場合ということで、いかなる場合にでもそういうことをしていいとは書いておりませんわけでございまして、従来の実績等を当たってみましても、先ほど申しました面積のうち、公用、公共用に当てられておりますものは、年によって変動はございますにしても、七〇%以上のものがほぼ公用、公共用に振り向けられておるというのが現在の売り払いの実態でもあるわけであります。  そこで、ただいま岡委員の御指摘のように、一たん政府が自作農創設という目的を達するために強調買取をしたものについて、旧所有者との間の権利関係を直ちに断ち切って違う行政目的に供することが可能であるかどうかということにつきましては、現行憲法の財産権に関します規定との間で非常に複雑な法律論がございます。また、現在下級審ではございますが、一審、二審でこの規定に基づいての売り払い請求に対して所有者側に買い戻しの請求をする権利があるというような判決が出ており、一、二につきましては、ただいま法律論を明確にいたすために上告手続をとったものもございますが、当時の買収が、何と申しましても本人の意思とは無関係に、一定の基準に該当いたします土地を自作農を創設するという行政目的で、本人がいやがるものも買収したという、そういう行政行為によって強制したものでございますので、いまそう簡単に国の意思だけで他のほうへ振りかえることが法律論として可能であるかどうか。その場合に所有権を奪われた旧所有者との間の何らかの求償関係を検討する必要があるのじゃないかという点について、非常に法律的に複雑な問題があるわけであります。たとえば私どもといたしましては、都市近郊におきますこういう農地を子供たちの広場にするとか、そういうふうにできるだけ公共用に使うということで検討すべきであるという社会的な世論もございますので、そういう方向へ持っていくにしても、いま申しましたような法律論を相当詰めた上で考えなければなりませんので、そこらの法律論を慎重に詰めました上で対処いたしたいというふうに考えているのが現状でございます。
  256. 岡三郎

    ○岡三郎君 結局、自作農創設で国が一定の価格で買い取った、その場合に自作農創設に寄与した人は売り戻してもらえないわけですね、国家目的に沿った人は売り戻してもらえないわけですね。その土地がたまたま国家目的に供せられなかったから、二十年たって二円五十銭でまた元へ戻ってきた。役に立った人はもうパーで、ゼロで、たまたま役に立たなかった土地だからそれが元へ戻ってばく大な利益がここに生まれてきた。何か私たちが見てこれは不公平じゃないかと思うんですよ。同じ国家目的で、国が一定の基準に従って全部買い取った。所有権は完全に国有になっているわけですよ、全部が。いいですか。その中で自作農創設に寄与した土地は、その旧地主は全然もうおまえは売り払ったんだから、それは変わったんだから、これはもう一銭も元へ返ってこない。たまたま自作農創設に合わなかった、これはそういうふうな土地は国有地であるけれども、元へ戻す。これは不公平じゃないですか、全体言って。法律論的に言っているわけじゃないですよ。国家目的で一斉に同じように全部これを国に買い上げて、一部分は自作農創設になったから旧地主はもう全然そういう権利はなくなった。いいですか。国の目的に従ったものほどこれは何とかしてやらなければならぬというのが一つの方向じゃないかね。たまたまそれが使われなかったからそれは元へ戻してやる。その点どうですか、農地局長
  257. 和田正明

    政府委員(和田正明君) いまお話しのような視野からの公平論あるいは平等論というのも、あるいは考え方として成り立つかもしれないのでございますが、たとえば現行の土地収用法におきましても、収用の認定があり、収用という手続をとりましたあとで、当該事業者がその土地を収用の目的に供しないでおりますと、旧所有者にその返還を請求する権利があるということが法律としても掲げられている。むしろ立場をかえれば、自作農創設の用に供しなかったんなら、なぜ政府が強制買収をしたのかという、そういう、むしろ買うべからざるものを買ったのではないかという判断もあり得るわけでございます。そういう点もございまして、地価が値上がりをしてまいりましたこと、そのことはどうも農地改革なり農地法なりが予想をしたりしておったことでもございませんので、農地法自身の責任ではないのかもしれないとは思いますけれども、いずれにしても、現実には自作農創設をするつもりで買ったけれども、その後の事情の変化でえらく地価は高くなってきておるけれども、やはり買ったこと自体がどうも少し行き過ぎであったような場所である、いまにして思えば。そういう場所について旧地主に返せばえらい地価の値上がりでぼろもうけをする。そこらが先生のおっしゃるように、常識的な法律論をこえて、数年前から、世間から返すことがおかしいのではないかという議論が生まれた根拠だろうと思います。そういう意味で、返さないで、しかも法律論としても旧所有者との間の関係が、憲法上その他の法律論としても納得のできるような理論構成を考えまして、極力、公用、公共用に振り向けるための制度はどのようにあったらよろしいかということで、現在いろいろ苦心をしてくふうをしておるのが実情でございます。
  258. 岡三郎

    ○岡三郎君 時間がないから……。私の言いたいのは、最近、政府自体が土地の問題に限っては私権制限をしなければならぬということを、これは施政方針でも言ってきているわけです。これはたいへんな違いだと思うわけです。国民自体も、現実において、土地の問題に対しては、これ以上もう関心を持っている問題はないといっていいぐらい関心を持っている。そういうふうな方向で政府が施策をしておるわけですが、非常にぐうたらでのろい。何やっているんだかわからぬ。そういうふうな事態の中で地価は一日ごとに上がっているといっても過言ではない。しかも、これは都市だけではなくて、全国的にそういう状況にいまなりつつある。そういう中で、やはり国家目的に沿うべくやった、そういうものが、たまたま自作農創設に寄与するということで、その地主はもう全然、それで二円五十銭で終わっちゃった。たまたま運がよかったか知らないけれども、使われない部面のものは、そっくりそれを返してもらって、たいへんな地価の暴騰の中で利益を受けている。そういうふうな面から、国民的な問題として考えた場合に、やはりこういうふうな土地については、一たん国がこれを所有するということになったならば、やはりそれに伴ってこういうものを公共用に使う。これは当時の自作農創設自体も国の方針できまったわけですからね。そういうふうな方向でやっぱり踏み切って、これを公共用に使うということになれば、非常に問題は釈然とせられるであろうというふうに考えるわけです。その問題についての農林省の言うことはわかりましたけれども、二円五十銭で払い戻すということは一体どういうことなんです。私に言わせると、昭和二十二年に二円五十銭で買った。それから二十年経過している。貨幣価値も変わっている。そうしてそういうふうな面でばく大な利益を与えるということも、これは国民的な感情として許されないと私は思うのです。しかし、論を詰めて、二円五十銭を二十年経過していままた二円五十銭でこれを戻す。大体、当時の二円五十銭、いま幾らになっているかわからぬけれども、少なくともその土地が自分の所有に戻ってきて、それを他に売る場合に、どんなところでも数万円とっていると思うのです、都市の近傍は。北海道とかそういうところは別ですよ。だから、それを公共用なりあるいは自分の用に供するということで売り払う場合には、そこに当然価格というものが出てくると思うのです。価格というものが出てくる。一体それは何倍になっているのかということを想定して計算して、たとえば二千倍なら二千倍、千倍なら千倍という形にして、一応、少なくとも不当利得を与えるという形にならぬよう措置すべきではないでしょうか。一歩論を進めて、一応売り戻さなければならぬということについては、私は異議があるけれども、かりにそうだと思っても、二十年前にそれを国が二円五十銭で買い上げて、いままた二円五十銭でこれを払い戻すということはこれはいかがですか。
  259. 和田正明

    政府委員(和田正明君) 現行法、農地法の第八十条の第二項で、「売払の対価は、その買収の対価に相当する額」というふうに法律が定められておりますので、少なくとも現在はこの法律の規定に何らかの手を加えない限りは、御趣旨のような売り払いはできないわけでございます。あるいは若干よけいなことかもしれませんけれども、おっしゃるように当時の買収価格と、いまとの間で非常に貨幣価値が変わってき、また地価が値上がりをいたしましたために、他方では不当利得という問題もございますが、他面にはやはり買収をされて事実上は自作農創設の用に供されずに荒れ地で残るような形になった都会近郊の土地がありまして、親が買ってくれた土地で、そこに将来家を建てるつもりだったけれども返ってこない。また、いま自分ではほかに地価が高くて買うような場所もない。そういうことで、むしろやはり返してほしいのだというふうに、非常に苦労をしている旧所有者の人たちの一部もあったりいたしまして、不当利得をしておる者ばかりがあるわけではないと思いますが、いま申しましたような例などは、むしろ買うこと自体がむしろ行き過ぎであったようなケースであるというふうにも考えられなくはないわけでございます。ただ、いずれにいたしましても、現行法では「買収の対価に相当する額」ということで、買収対価で返せというふうに書いてあるものでございますから、従来はそういうことでやってまいりましたわけですが、その点について、ただいま岡委員からも御指摘がありましたような、また、他方面からも諸種の意見がございますので、先ほど来申し上げておりますように、この八十条の規定については、憲法論議から考えても、また、行政目的を変えた利用のしかたをした場合に、旧所有者との間の法律関係につきましても、十分法律論を詰めまして、現在の社会常識にできるだけマッチしたようなそういう制度をくふうする必要があると私も考えておりまして、そういうことについて法律論をいま詰めておりますので、結論をなるべく早く出しまして、御審議をわずらわしたいというふうに考えておるわけでございます。
  260. 岡三郎

    ○岡三郎君 十分考えて、熟慮慎重にやることはけっこうだけれども、その間にもうほとんどみな二円五十銭で返っていっちゃうんじゃないかな。私はいま農地局長が言った「相当する額」ということは、二円五十銭が二円五十銭でなければならぬわけはないと思うのです。二円五十銭に「相当する額」というのは——当時の二円五十銭は、いま幾らになっているか、少くともこれは物価の倍数というものは、経済企画庁に行けばわかりますからね。大体その解釈は二円五十銭で買ったものを二円五十銭で返さなければならぬという解釈も成り立つでしょう。しかし、「相当する」というのはそのものであるということにはならぬでしょう。それはどうなっているのです、そこは。
  261. 和田正明

    政府委員(和田正明君) そこのところは実は「相当する額」のあとにカッコ書きで「(耕地整理組合費、土地区劃整理組合費その他省令で定める費用を国が負担したときは、その額をその買収の対価に加算した額)とする。」というカッコ書きがついておるわけです。そのカッコの中とカッコの外とあわせて読みますと、カッコの中があるために「相当する額」ということばが使われて、これは相対応する額という意味でございますので、カッコの中は、買収対価が、国が土地改良の負担金の額を買収対価にプラスした額だというふうに明確に書いてありますので、やはり「相当する額」というのは買収対価そのものだというふうに読まざるを得ないのが、現行八十条の規定でございます。
  262. 岡三郎

    ○岡三郎君 その法律は昭和二十七年にそういう改正をされたというふうに聞いていますが、もうそれから十数年たっているのですが、それは二十七年ごろにそういうふうに変わったんですか。
  263. 和田正明

    政府委員(和田正明君) この現行の農地法は、昭和二十七年に初めて制定をされまして、それ以前に農地改革をいたしますための自作農創設特別措置法、戦前からございました農地調整法、それからもう一つ強制譲渡令と通称されておりますポツダム政令、三つの法律がありまして、その三つで農地改革の仕事をしておりまして、講和の発効の際に、それぞれの法律を廃止して、現在のこの農地法という法律が制定をされたわけでございます。その後、この法律については、他の法律との関係その他で、部分的に修正はなされておりますが、基本的な部分として改正をされましたのは、三十六年でございましたか、農業基本法の制定と関連をいたしまして、従来個人だけが権利取得の対象でございましたのに、生産法人というような新しい制度を加えたときが、基本的な改正の第一回目でございます。
  264. 岡三郎

    ○岡三郎君 ここでほんとうは農林大臣——農林政務次官がおりますが、いま土地の問題について、土地の高騰からいろいろな矛盾が一ぱい出てきておりますが、こういう問題について、少なくとも二円五十銭でみすみす法律に沿って返しているということですけれども、いまの土地の事情というものは、当時の昭和二十七年以後非常な変革を遂げてきた。こういう中において、国有土地は、これは農地だけではなくて国有土地全体を見たときに、そういうふうな矛盾がずいぶん私は内部にあるのではないかという気がするのです。ですから、そういうものについて、いま農地局長のほうから、この点についてはいろいろと法律的に検討を進めていかなければならぬというように言われておるけれども、私は端的に言って、やはり非常に土地が全体に苦労して困難をきわめておるときに、こういう問題については、やはりすみやかに公共の用に供するというような方向で問題を割り切って法律改正というものを進めてもらわぬと、いたずらに国民にやはり何というか、政府というものは適当にやっている、こういうふうな形の批判というものがどうしてもぬぐい切れないというふうに感ずるわけです。法律的には間違っていないだろう、しかし国民感情的に言って、数万円する土地を二円五十銭で売り戻している、しかも、その当時同じように土地を国に買い取られた人々が、ある者はその代価というものが全然与えられていない。だから運、不運によって数百万円、数千万円の金というものが食い違ってきている。もう果報は寝て待つ、そこで人間万事塞翁が馬的ないまの政治の中において、こういうものについてもう少しきちっとやはり整理してもらわぬと困るのじゃないかという意見が強いわけです。そういう点について、問題の所在はしごく簡単だとは思わないけれども、そういう面について、河川敷とかそういうものについては、やはり貸し付けたものを取り上げて公共の用地としてこれを公園に開放するとか、いろいろな手段がぽつぽつとられている現情勢の中において、こういう国有地全般——農地だけではないですよ、国有地全般を含めて公共の用に供するために大英断をふるうという方向でひとつ検討してもらいたいと思いますが、これは農林大臣がいないので、農林政務次官に聞いておきます。
  265. 日高広為

    政府委員(日高広為君) ただいまの御意見につきましては、国有農地等についての他の公共目的に直接活用することができる道を開くような方向で、旧所有者に対する補償の要否を含めて検討してみたい、こういうことでございます。
  266. 岡三郎

    ○岡三郎君 いまの点はそういうふうにひとつ研究してもらわぬと、二円五十銭ではどうしても納得できない。そういう点で、これは問題をあとに残します。  時間があと少しありますので、五分程度。いま、この四十一年度決算の報告書の中を見ますると、例年と同じように、補助金の使用というものが非常にずさんであるということが指摘されているわけです。この問題については、ここで一応農林関係を検討したということになると、やはりこの問題が少し残ると思う。この点だけ、一言触れておきたいと思うのですが、会計検査院の報告書の中においても、補助金の使用については、農林省関係が一番問題が多いわけです。そのほか運輸、建設等にもありまするけれども、補助金の問題をどうするか、これを適正に運用するかということは、これは決算における最大な問題であろうというふうに考えるわけです。そういうふうな点について、ここに指摘してありまするが、大体四・九%くらいを見たところにおいても、五千万円以上の不当といいますか、不正支出があった。これを北海道外三十四府県と書いてありますから、全国的にこれを広げて、五%弱の調査対象を、これを全面的に調査対象に載せるということになると、これは膨大なものが出てくるのではないかという気がするわけですよ。それで会計検査院のほうにちょっと伺いたいのですが、毎年毎年この膨大な紙数をとって、また、非常な費用と人数をかけましてこの調査をせられた結果がここに出ておるわけですが、少しは余っているようには書いてありまするけれども、全体として補助金の使用というものが根本的に是正されてはおりません。こういう点について、会計検査院のほうとしては、これに対する抜本的な対策というものをどういうふうに考えておるわけですか、この点については、農林省のほうにも聞きたいと思うのです。
  267. 鈴木治久

    説明員鈴木治久君) ただいま御指摘の点でございますけれども、従来補助金につきまして、主として先生御指摘の点は、公共事業関係の補助金についてだと思いますけれども、これにつきまして、十分検査いたしまして、農林省に対しましても、その対策についてお願いすると同時に、私どもといたしましても、従来検討いたしましたその結果、四十年度でございましたか、改善意見を農林省に対して提出いたしてございます。その結果、私どものほうにまいっております報告、そのあと始末につきましては、現在ここで不当事項として指摘いたしました事項につきましては、それぞれの手直し、あるいは返還というふうな点について極力検討されておりますし、なお今後におきましての対策につきましては、体制その他を整えるということでございまして、徐々にその結果があらわれてきているかと存じております。
  268. 岡三郎

    ○岡三郎君 地方で聞くというと、会計検査院検査というのは台風みたいなものだというのです。それるというと全部そのまま。克明にやられたところはたまったものじゃない、こういうふうにいわれておるわけです。これは全部一斉にやるということになると、たいへんな人員がかかると思うのですが、しかしこれで見ても、そうですね、まあ公共事業の農林省関係の補助金についてもざっと見当つけて十数億くらい不当支出があるというふうに私ども見るわけです。十数億です。この件数だけで見ても、五千百八十五万五千四百八十一円とあります。これは一工事について十万円以上、あるいは二十万円以上という問題だけにしぼってでありますが、そのほか、これを四・九%ですか、に相当する三千二百十六カ所をやった。これを全国の工事個所の六万四千六百九十二カ所全部をやるとすれば、これはもう相当な補助金の不当事項ということになるというふうに考えるわけです。私はこういうふうな点について——例年これはたいへんな会計検査院の労力と金をかけてやっているわけですね。これは何か抜本的に、不当の金だけ戻すのじゃなくて、全面的に補助金全部を出し、そしてそういうふうな市町村については今後は補助金はやらぬ、何か抜本的な施策をつくらないというと、相変わらずこれはやはり行なわれていくんではないですか。これは会計検査院、どうですか。
  269. 鈴木治久

    説明員鈴木治久君) ただいまの四・九%を全体に引き伸ばすという点でございますが、これにつきましては、私どものほうで検査いたします際のいろいろなやりくりもありまして、必ずしも四・九%を全体に引き伸ばせるかどうかということは、私どもそこまではちょっと自信を持っておりません。  第二の、こういう指摘のあった市町村についてはもう補助金を今後、その後何らかの意味で罰則——罰則といいますか、そういうものを戒める意味において何とか方法をとれないかということでございますけれども、私ども検査院のほうといたしまして、全体の傾向としてはこういう点はある。公共補助の経理についてあまり適切でないものが多いということは確かにわかりますけれども、各市町村のどれについて、この何といいますか、今後を戒める意味においての補助金を打ち切るというふうな点が、申し上げていいかどうか、その辺は本省との関係もございますし、いろいろの補助事業といいましても、公共の場合には継続するものもございますので、私どものほうではそこまで申し上げかねる点がございます。
  270. 岡三郎

    ○岡三郎君 農林省の考え方を聞きたい。
  271. 桧垣徳太郎

    政府委員桧垣徳太郎君) ただいま御指摘のございましたように、農林省関係の補助金について、なお不当の事項が出ておりますことは私どもたいへん残念に思っておるのでございます。多少よけいなことになるかと思いますが、全体として御理解をいただくために申し添えるのでございますが、農林省の補助事業は、会計検査院からもお話のありましたように、非常に実施個所数が多い。そして不当事項としてあげられますものの相当数が災害復旧事業でございまして、小規模なものがかなり多数に及んでおる。また次期の作付のために工事を急ぐ必要があるというようなことから、どうも不当事項の絶滅ができない事情にあって、非常に遺憾に思っておるのでございます。で、従来でも是正のための努力を続けてまいっておるのでございますが、これは主として私どもとしましては、農林省の出先機関の指導監督体制あるいは都道府県の指導監督体制の整備につとめるというようなこと、並びに担当職員の指導研修あるいは指定事業者の選定の適正化等を行なっていくというようなことで漸次不当事例の数は減少してまいっておるのでございますが、御指摘のように、事実上まだ相当数の事例が不当事項としてあげられておるのでございます。  懲罰といいますか、罰則的なといいますか、そういう措置ということでございますが、これは現在でも不当事項としてあげられました場合には、地元としてはたいへんに精神的な苦労を背負っておるのでございまして、手直し工事あるいは補助金の返還等の処理だけではなくて、地元としては相当の精神的なその他の苦労を味わわされておりますので、私はそういう意味での実質的な懲罰効果はあると思っておるのでございます。なお、連続して不当事項を出すというような事業主体につきましては、公共事業の事後の再拡張について勘案をするということは、私どもとして考えておるわけでございます。
  272. 岡三郎

    ○岡三郎君 これは補助金として一番不当事項が多い。まあ個所が多いということも一つの理由でしょうけれども、これはもう毎年同じような結果に大体なってきておるということを考えたときに、これは公共事業に対する補助金ですが、全般的に補助金というものはばく大な金額になる。これはどうしても乱費される傾向というものがまだ是正されておらぬと思う。これは各省別に当たってみても、大体この決算報告書というものは、補助金の不当事項が半分ぐらい占めておるのじゃないかというふうに考えるわけです。だから補助金というものに一つの眼目を置いて、例年のような検査ではなくして、ひとつ抜本的な是正方針といいますか、こういうものをもう一段とそういう注意を喚起する方向というものをとらぬと、飛躍的な改善にはならぬのじゃないかというふうに考えるわけです。これは会計検査院としても補助金の検査というものをある程度割愛してもらえば、他に労力というか、検査能力を向けるということになるとたいへんな成果になるというふうに実は考えるわけです。いまのところ補助金の数が多過ぎるので、これを全部調べて歩くのでは、まるでくたびれもうけをしておると私は感ずるわけです。これは国全体の問題ですが、会計検査院のほうに対して私は要望したいのは、補助金についていろいろと各省について注意を喚起し、善処方を求めてきておるけれども、やはりこういうものについて抜本的な警告というものを発する必要があるのじゃないか、これは本決算委員会もそうですが。これについて、これが指摘を受けるというと、たいへんな苦労があると——これは当然であって、しかし、それにおいてもなおあとからあとから出てくるということだから、だから、もう少し苦労を身にしみて、もうこれは出さないのだ、こういうふうな方向の事業計画というものを立てさせてやるべきだと思う。これは逆に言うと、補助金というものは適当に使われておるということをある程度黙認してしまった。これは潜水艦がたびたび入ってくるというと、もう何というか、なしくずしになってくると同じように補助金が出てくる。これはおこられればそのときのことだ、あとは何とかやっていけばいいんだということになっているんじゃないんですか、官房長。これはなしくずしみたいなものだね。
  273. 桧垣徳太郎

    政府委員桧垣徳太郎君) 来年の決算、会計検査の報告をごらんいただきますとおわかりいただけると思いますが、確かに絶滅をいたしておりませんが、農林省関係の補助金の不当事項の数は毎年減少をいたしておるのでございます。で、私はやはりこれが絶滅しないということの根底には、国の補助政策というものの根本的な認識が末端において乏しいという、そういう問題が一つあることは否定できないと思うのでございます。でございますので、それを十分に浸透させる必要があるというふうに思うのでございますが、多くは災害等で国の補助事業を例年行なっておるというような地区ではなくて、初めて補助事業を実施するというような地域に不当事項が発生する率が多いのでございます。でございますので、一罰百戒的な意味での措置というものは、私は連続して不当事項を出すというような地域については考えるべきではなかろうかというふうに思っておりますが、必ずしも不当事項を起こした地域が引き続き事業をやるとは必ずしも限らない、そういう問題がなお残っておると思うのでございまして、根本的には補助金の適正な使用、補助事業の適正な実施ということを末端において事業主体並びにそれの監督の掌に当たる職員について十分認識をさしていくという方向に努力をすべきであり、また、私どももそういう努力を続けてきたつもりではあるのでございます。
  274. 岡三郎

    ○岡三郎君 最後に、それではいままでこの補助金について、各都道府県ですね、そういうものについていろいろと使用方法について注意をしてきたというふうなひとつ、歴史的なじゃないけれども、ずっと沿革を資材として出してもらいたい、こういうふうな指導をしてこういうふうな注意をやってきた。それに基づいてなおこの際、昭和四十一年度決算を省みて、ひとつあらためて補助事業について、いよいよこれから四十三年度の予算が開始されるわけですが、四十三年度の予算を使用するについての補助金の取り扱いについて、やはり厳重にこの点については当を得ないようなものが絶対に起こらないようにひとつ——通知一つで終わるとは考えませんけれども、中央でもう一ぺん注意を喚起するような方法をとってもらいたいと思うのですが、これは政務次官どうですか。
  275. 日高広為

    政府委員(日高広為君) そのような処置をいたしたいと思います。
  276. 岡三郎

    ○岡三郎君 いまの資料よろしゅうございますな。
  277. 日高広為

    政府委員(日高広為君) はい。
  278. 亀田得治

    委員長亀田得治君) 本日の、審査はこの程度にとどめ、散会いたします。    午後五時四分散会      —————・—————