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1968-05-15 第58回国会 参議院 外務委員会 第13号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十三年五月十五日(水曜日) 午後四時二十八分開会
—————————————
委員
の
異動
五月十四日
辞任
補欠選任
大和
与一
君
大森
創造
君
黒柳
明君
矢追
秀彦
君 五月十五日
辞任
補欠選任
杉原
荒太
君
平島
敏夫
君
大森
創造
君
大和
与一
君
矢追
秀彦
君
黒柳
明君
渋谷
邦彦
君
原田
立君
—————————————
出席者
は左のとおり。
委員長
三木與吉郎
君 理 事 木内 四郎君 増原
恵吉
君 山本 杉君 森元 治郎君 委 員
平島
敏夫
君 廣瀬 久忠君 佐多
忠隆
君
羽生
三七君
大和
与一
君
黒柳
明君
原田
立君
国務大臣
外 務 大 臣
三木
武夫
君
政府委員
外務省経済局長
鶴見
清彦
君
大蔵省関税局長
武藤謙二郎
君
事務局側
常任委員会専門
員 瓜生
復男
君
説明員
外務省条約局外
務参事官
高島
益郎
君
農林省農政局参
事官
田所 萠君
食糧庁総務部長
小暮 光美君
—————————————
本日の会議に付した
案件
○
原子力
の非
軍事的利用
に関する
協力
のための日
本国政府
と
アメリカ合衆国政府
との間の
協定
の
締結
について
承認
を求めるの件(
内閣提出
、衆
議院送付
) ○
原子力
の
平和的利用
における
協力
のための
日本
国
政府
と
グレート
・
ブリテン
及び
北部アイルラ
ンド連合王国政府
との間の
協定
の
締結
について
承認
を求めるの件(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
南方諸島
及びその他の
諸島
に関する
日本国
とア
メリカ合衆国
との間の
協定
の
締結
について
承認
を求めるの件(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
関税
及び
貿易
に関する
一般協定
の
ジュネーヴ議
定書
(千九百六十七年)及び
関係交換公文
の締 結について
承認
を求めるの件(
内閣提出
、衆議
院送付
) ○
関税
及び
貿易
に関する
一般協定
第六条の
実施
に 関する
協定
の
締結
について
承認
を求めるの件 (
内閣提出
、
衆議院送付
) ○千九百六十七年の
国際穀物協定
の
締結
について
承認
を求めるの件(
内閣提出
、
衆議院送付
)
—————————————
三木與吉郎
1
○
委員長
(
三木與吉郎
君) ただいまから
外務委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について報告いたします。 本日、
渋谷邦彦
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
原田立
君が選任されました。
—————————————
三木與吉郎
2
○
委員長
(
三木與吉郎
君)
原子力
の非
軍事的利用
に関する
協力
のための
日本国政府
と
アメリカ合衆国政府
との間の
協定
の
締結
について
承認
を求めるの件
原子力
の
平和的利用
における
協力
のための
日本国政府
と
グレート
・
ブリテン
及び
北部アイルランド連合王国政府
との間の
協定
の
締結
について
承認
を求めるの件
南方諸島
及びその他の
諸島
に関する
日本国
と
アメリカ合衆国
との間の
協定
の
締結
について
承認
を求めるの件 以上三
案件
を便宜一括して
議題
といたします。 まず、
政府
から
提案理由
の
説明
を聴取いたします。
外務大臣
。
三木武夫
3
○
国務大臣
(
三木武夫
君) ただいま
議題
となりました
原子力
の非
軍事的利用
に関する
協力
のための
日本国政府
と
アメリカ合衆国政府
との間の
協定
の
締結
について
承認
を求めるの件につきまして、
提案理由
を御
説明
いたします。
政府
は、本年十二月四日に
有効期間
が満了する
現行
の
日米原子力協力協定
にかわるべき新
協定
の
締結
のための
交渉
を、昨年十月以来
米側
との間に行ないました結果、新
協定
を
締結
することについて
最終的合意
を見るに至りました。よって、
昭和
四十三年二月二十六日に、
ワシントン
において、わがほう
下田駐米大使
と
米側ラスク国務長官
及び
シーボーグ原子力委員会委員長
との間で、この
協定
の
署名
を行なった次第であります。 この
協定
は、
本文
十四カ条から成っており、その
内容
は、今後予想される
原子力
の
平和的利用
の急速な発展に備え、
濃縮ウラン
の
米国
よりの
供給ワク
を
ウラン—
二三五計算で百六十一トンと大幅に増加し、
燃料用プルトニウム
三百六十五キログラムの
供給ワク
を設定したほか、
核物質
、
設備等
が
両国
間に移転され得ること、この
協定
に基づいて移転された
核物質
、
設備等
は
平和的目的
にのみ
使用
されること、
国際原子力機関
が
保障措置
を適用するよう
両国政府
と同
機関
との間で取りきめを行なうべきこと等を
規定
しております。 この
協定
は、
わが国
に
核燃料
の
長期供給
を保証し、
わが国
の
原子力発電
の将来を安定した
基礎
の上に置くものであり、
原子力
の
平和的利用
の
開発
に資するものと考える次第であります。 よって、ここにこの
協定
の
締結
について御
承認
を求める次第であります。 次に、
原子力
の
平和的利用
における
協力
のための
日本国政府
と
グレート
・
ブリテン
及び
北部アイルランド連合王国政府
との間の
協定
の
締結
について
承認
を求めるの件につきまして、
提案理由
を御
説明
いたします。
政府
は、本年十二月四日に
有効期間
が満了する
現行
の
日英原子力協力協定
にかわるべき新
協定
の
締結
のための
交渉
を昨年末以来
英側
との間に行ないました結果、新
協定
を
締結
することについて
最終的合意
を見るに至りました。よって
昭和
四十三年三月六日に
東京
において、
三木外務大臣
と
英側ピルチャー駐日大使
との間で、この
協定
の
署名
を行なった次第であります。 この
協定
は、
本文
十カ条から成っており、その
内容
は、
核物質
、
設備等
が
両国
間に移転され得ること、
英国
は
わが国
が
英国
から購入した
原子炉
の
所要燃料
を
供給
すること、この
協定
に基づいて移転された
核物質
、
設備等
は
平和的目的
にのみ
使用
されること、
国際原子力機関
が
保障措置
を適用するよう
両国政府
と同
機関
との間で取りきめを行なうべきこと等を
規定
しております。 この
協定
は、
日英両国
が
相互協力
の
基礎
の上に立って
協力
することを可能ならしめるものであり、
両国
の
原子力
の
平和的利用
の
開発促進
に資するものと考える次第であります。 よって、ここにこの
協定
の
締結
について御
承認
を求める次第であります。
最後
に、
南方諸島
及びその他の
諸島
に関する
日本国
と
アメリカ合衆国
との間の
協定
の
締結
について
承認
を求めるの件につきまして、
提案理由
を御
説明
をいたします。
佐藤総理大臣
と
ジョンソン大統領
は、昨年十一月十四日及び十五日に
ワシントン
で行なわれた会談において、
小笠原群島等
の
南方諸島
及びその他の
諸島
の地位について検討し、これらの
諸島
の
日本国
への
早期復帰
を達成するための具体的な取りきめに関して
日米両国
が直ちに
協議
に入ることに
合意
いたしました。よって、
政府
は、昨年十一月以降
米側
との間に
協議
を行ない、
協定案作成
の作業を進めました結果、これにつき
最終的合意
に達しましたので、本年四月五日に
東京
で、
三木外務大臣
と
米側ジョンソン
駐
日大使
との間で
協定
の
署名
が行なわれた次第であります。 この
協定
は、
本文
六カ条から成っており、その主な
内容
としては、
米国
が
小笠原群島等
に関して
平和条約
第三条に基づくすべての
権利
及び利益を
日本国
のために放棄し、
日本国
がこの
協定発効
の日からこれらの
諸島
の行政、立法及び司法上のすべての権力を行使する権能及び責任を引き受ける旨、
小笠原群島等
において
米国
が現に利用している
設備
及び用地は、二つの
ロラン局施設
を除き、すべて
日本国
に引き渡されることとなる旨、
日本国
が、
米国
の
施政期間
中に
小笠原群島等
において生じたことあるべき対
米請求権
を放棄するが、
米国
または現地の法令で認められる
日本国民
の
請求権
は放棄されない
旨等
を
規定
しております。 なお、この
協定
の
効力発生
につきましては、
日本国
の
国内手続
に従って
協定
が
承認
された旨を
米国政府
に通知した日から三十日後とされております。 この
協定
は、
日本国民
の長年の念願であった
小笠原群島等
の
復帰
を実現するものであり、
日米両国
間の
友好関係
の一そうの
緊密化
に資するものと考えられるのであります。 よって、ここにこの
協定
の
締結
について御
承認
を求める次第であります。 以上三件につきまして御審議の上、すみやかに御
承認
あらんことを希望いたします。
三木與吉郎
4
○
委員長
(
三木與吉郎
君) 次に、
補足説明
を聴取いたします。
高島参事官
。
高島益郎
5
○
説明員
(
高島益郎
君) 以上の
条約
三件につきまして簡単に御
説明
申し上げます。 初めに
日米原子力協定
でございます。
原子力
の
平和利用計画
を今後
原子力発電計画
として画期的に
開発
するために、今回
日米協定
が
締結
をされたわけでありますが、
原子力委員会
におきましては、大体
昭和
五十年度におきまして、
原子力発電
によって六百万キロワット時の
発電計画
を立てておりまして、こういう
計画
をもとにいたしまして、それに必要な
濃縮ウラン
を
米国
から
供給
を受けるということを骨子とした
協定
でございます。ことしの十二月四日に失効いたします
日米現行協定
に取りかわる
協定
がこの新
協定
でございますけれども、
現行協定
とのおもな
相違点
を簡単に御
説明
申し上げます。
現行協定
におきましては、主として
研究用
についてでございましたために、
濃縮ウラン
は二・七トンと非常に少量の
燃料
でよかったわけでありますけれども、今後
原子力発電
に必要な
燃料
といたしましては、この
協定
の
附表
に書いてございます十三基の
原子力発電所
に必要な
濃縮ウラン
、これを百五十四トン・
プラス研究用
の
濃縮ウラン
七トン、合わせまして百六十一トンという大量の
濃縮ウラン
を今後三十年間にわたって
米国
から
供給
を受けるという
約束
をされたわけであります。これは
供給ワク
の
上限
を定めたものでありまして、
日本
はこの
ワク
まで買わなければならないという
性質
のものでは毛頭ございません。しかし、
米国
としては、それにもかかわらず、この
ワク
だけは
日本
が要求した場合は
供給
しなければならないという
性質
の
ワク
でございます。 なお、今後
日本
の
原子力発電計画
の変更に従いまして、これ以上
濃縮ウラン
が必要となったというような場合には、別途
日米両国政府
間の
協定
によりまして、この
上限
をさらにまた増大することが可能にしてございます。 第二点は、この
供給
される
核燃料
につきまして、いままで
政府
間でのみ取引されたのを
民間取引
ができるようにいたしました。これは、従来
政府
間だけでやっていたそういう
濃縮ウラン
の
供給関係
を
民間
にも可能ならしめたほうが、
民間
における
発電所
の
発電計画
に、より効率的に使えるということでそういうたてまえにしたわけでございます。 それからさらに、この
濃縮ウラン
のほかに
プルトニウム
を三百六十五キログラム、これもやはり三百六十五キログラムだけは必ず
供給
するという
約束
を
米国
とされたわけでございます。これは
発電所
のためのものではなくて、
高速増殖炉
とか、そういう
研究開発
のために必要な
プルトニウム
の
供給
でございます。 これが
燃料供給
に関します
現行協定
と新
協定
とのおもな
相違点
でございます。 第二点は、
協定
に基づいて移転されますいろいろな
燃料資材等
が
平和的目的
にのみ使われるという点につきまして、従来は、
日本側
だけがそのような
約束
をいたしまして、これに伴う
保障措置
を
国際原子力機関
に移管したということでございますけれども、今回の
協定
におきましては、
米国側
にも、
日本
が
供給
を受けて、それがさらに
米国
に移転された場合に、その移転された
燃料等
につきましては、その分は
米国側
も
平和的目的
のみに使う、
軍事目的
に使わないという
約束
をいたしております。もっとも、この点につきましては、
日本側
と違いまして、
保障措置
としての
国際原子力機関
の
査察
は、現在のところではまだ
米国
に受諾させるというところまでは参っておりません。これは将来、
核兵器
の
拡散防止条約
、そういった
関係
によって
保障措置
が全世界的に広まるということになった場合に、
米国
としてはすでにそのような用意があるということを宣言しておりますので、そのような
可能性
が生じた場合にあらためて
協定
の
交渉
を行なうということでございます。 それから、
保障措置
につきましては、現在までのところは、新
協定
も
現行協定
もすべて
内容
同じでございますけれども、ただ一点だけ、この
原子力
の
平和利用
に関しまして
産業
上の
秘密
については漏洩してはならないという
規定
を新たに追加いたしました。これは
米国
が現在スイス、スペイン、スウェーデン、オーストラリア、
ノルウェー等
と結んでおります
原子力平和利用協定
にはない新しい
規定
でございます。 なお、この
保障措置
につきましては、
現行協定
も同じでございますけれども、
核兵器拡散防止条約
につきまして新しい
保障措置
ができました場合には、この
内容
と見合うようにあらためて
協定
の改正のための
協議
を行なうという
約束
を、別途
協定
以外の
交換公文
で、
日米
間で取りかわしております。これは当然新しい
保障措置
ができるということが予想されますので、それに基づいてそれに相応する新しい取りきめを行なうということでございます。 それから、従来ございました
規定
で新しく削除したものといたしましては、
米国
から移転された
物質
を
燃料
とする
原子炉
で生産されるいわゆる
プルトニウム
でございますが、
特殊核物質
について
米国
の
購入優先権
というものが従来ございました。これを今回はずしまして、
米国
が購入するという
優先権
を持たなくしたわけでございます。 以上が大体
現行協定
との主要なる
相違点
でございますけれども、この
内容
は、先ほど申し上げました
産業
上の
秘密等
に関します若干の点を除きまして、
米国
が現在までに各国と結んでおります
原子力平和利用協定
の
内容
とほとんど同じものでございます。
期間
につきましても、これらの
協定
はすべて三十年ということでございまして、従来の
協定
が十年だったのと比べますと、非常に
長期
の
協定
でございますけれども、要するに、この十三基の
原子力発電所
が必要な
燃料
を三十年間にわたって
供給
を確保するという
観点
から、三十年間ということは、この
原子力発電所
に使います
動力炉
の
耐用年数等
とも勘案いたしましてどうしても必要である、そのような
期間
における
約束
をしておくことが必要であるという
観点
からしたわけでございます。もっとも、
日本
の
原子力発電計画
につきましては、このような十三基の
発電所
のみによる
計画
ではございません。将来はこれ以外の
発電所
の
計画
も当然あるわけでございますが、そのような場合につきましては、また新たに必要な
協定
を結ぶということでございます。 それから、
英国
との
協定
ということにつきましては、そのような
供給
の
ワク
を定めておりません。これは、
英国
から購入いたします
動力炉
に必要な
燃料
を
英国
が
日本
に
供給
するという
約束
をしているだけでございます。 それ以外の
保障措置
その他
平和利用義務等
につきましては、一切
米国側
と違いまして、双務的な取りきめにいたしております。したがいまして、これは
理論
上の問題でございますけれども、もしかりに
日本
から
燃料
が
英国
に
供給
されるという場合におきましては、
英国
が
国際原子力機関
による
保障措置
を受けるということになるわけであります。ただ、実際上現在の段階では
日本
から
英国
に対しましてそのような
燃料
が
供給
されるという
可能性
がございませんので、実際上にはございませんが、
理論
上は双務的というたてまえにしてございます。 なお、
日米
・
日英
両
協定
とも、この
保障措置
につきましては、
米国
及び
英国
あるいは
日本
、それぞれが
査察
及び
保障措置
を行なう
権利
を有するたてまえになっておりますけれども、実際上は、
協定
にも書いてございますとおり、その
保障措置
の
内容
を、日、米、
国際原子力機関
三者間で
締結
されます
保障措置
の
移管協定
によって全部
査察
が行なわれるわけでございまして、
アメリカ
、
イギリス
が別個に
日本
に対して
査察
を行なうということではございません。すべて
国際原子力機関
が全部取りかわってこの
保障措置
の
内容
を
実施
するということでございます。またその
内容
も、将来
核兵器
の
拡散防止条約
に伴って
保障措置
ができますれば、それに伴って改定されるということを予想しております。
最後
に、
小笠原返還協定
でございますが、この
小笠原返還協定
につきましては、大体
奄美大島
の
返還協定
と同じような考えで
内容
を取りきめをいたしました。 第一条につきましては、
平和条約
第三条にございます
米国
の
施政権
をこの第一条によって放棄するということでございまして、
平和条約
第三条はそのままにしておいて、第三条で与えられた
米国
の
施政権
を
日本
のために放棄するということでございまして、
米国
のみに与えられた
権利
、権限でございますので、
平和条約
第三条につきましては、特別に手当てをしなくても、
奄美大島
の例もございますとおり、何ら支障はないということで第一条が設けられたのであります。 第二条につきましては、あらためてこのような
規定
を置く必要はなかったのでございますが、
日米
間に取りきめられておる実際の
条約
、特に
安全保障条約等
がそのまま
小笠原
に施行されるということを確認したものでございます。 第三条は、
米国軍隊
が現在使っております
施設
のうちで、この
協定発効
と同時に、新しく
日米安保条約
に基づいて
米国
に引き続きそのまま
使用
させることにつきまして、
硫黄
島、
南鳥島
にございます
ロラン局
だけがそのような
対象
になるということだけを定めておりまして、それ以外の実際
米国
が使っておりました飛行場その他の
施設
は
日本側
に返還されるということになっております。 第四条は、
米国軍隊
ではございませんで、
アメリカ
の
気象局
が使っております
南鳥島
の測候所を
日本
に引き渡すという定めでございます。 第五条は、
請求権
の放棄に関する
規定
でございまして、これは
奄美大島
の場合と全く同じ
内容
でございまして、ただ一点だけ実質的に
内容
が違いますのは、
奄美大島
の場合と違いまして
小笠原
の場合は、戦後ずっとこの島に帰ることはできませんで、いままで
財産
、
土地等
を残してきた
日本人島民
がございます。この方々が島に残してきました
土地
、
財産等
の
使用
、
収益
ができなかった分につきましてどうするかという問題があったわけでございますが、この点につきましては、
政府
は
交渉
いたしまして、
昭和
三十六年に
米国
から八百万ドルの支払いを受けまして、これをそのまま
島民
に全部配付してございます。それによりまして、そのような
財産
の
使用
、
収益
ができなかったことに伴う
請求権
をここで解消した次第でございます。なお、それに伴って残してきました
土地
、
財産等
は、そのまま
所有権
は依然として旧
島民
に残されておるということを五条第三項で確認してございます。 なお、
奄美大島
にございましてこの
小笠原返還協定
にない
規定
といたしましては、
B円
の回収に関する
規定
、
裁判関係
の
効力
を継続させる
規定
でございますが、このようなものは
小笠原
の場合実際上必要はないということで全部削除いたしております。 なお、附属の
交換公文
も
奄美大島
の場合ございまして、将来
施設
、
区域等
の要求につきまして
特別配慮
をしてほしいというものがございましたが、これは全部必要はないということで落としてございます。 以上が
小笠原返還協定
の
補足説明
でございます。
三木與吉郎
6
○
委員長
(
三木與吉郎
君) 以上をもって
説明
は終了いたしました。 三
案件
に対する
質疑
は後日に譲ることにいたします。
—————————————
三木與吉郎
7
○
委員長
(
三木與吉郎
君) この際、
委員
の
異動
についてお知らせいたします。 本日、
杉原荒太
君が
辞任
され、その
補欠
として
平島敏夫
君が選任されました。
—————————————
三木與吉郎
8
○
委員長
(
三木與吉郎
君)
関税
及び
貿易
に関する
一般協定
の
ジュネーヴ議定書
(千九百六十七年)及び
関係交換公文
の
締結
について
承認
を求めるの件
関税
及び
貿易
に関する
一般協定
第六条の
実施
に関する
協定
の
締結
について
承認
を求めるの件 及び 千九百六十七年の
国際穀物協定
の
締結
について
承認
を求めるの件 以上三案を便宜一括して
議題
といたします。 御
質疑
のおありの方は、順次御発言を願います。
森元治郎
9
○
森元治郎
君 何か「
硫黄
島の
記念碑
に関する
書簡
」というのがあったが、ああいうのはやはりちょっと
補足説明
があったほうがよかったですね、
補足説明脱落
の分を。
高島益郎
10
○
説明員
(
高島益郎
君)
小笠原
の
返還協定
につきまして、追加して
説明
さしていただきます。 この御
承認
の
対象
になっております
協定
のうち、
参考文書
といたしまして、これは
硫黄
島におきます
米国
の
記念碑
につきましての
書簡
が添付してございます。これは
日米両国政府
間の取りきめではございませんで、
日本政府
が一方的に
日本政府
の意図を表明したものでございます。
内容
は、
硫黄
島にございます
米国マリ
ンの
記念碑
を
小笠原返還
後も維持し、かつ、そこへの
立ち入り
を認めるという趣旨の
日本政府
の一方的な
意思
を表明したものでございまして、なお、その中に書いてございますとおり、将来
日本
の兵士の
記念碑
も含めまして、
両方とも
に将来そこへ存置され、かつ、そこへの
米国
の人々の
立ち入り
を認めるという
内容
のものでございます。これは
日本
、
アメリカ両国政府
間の取りきめではございませんで、
日本政府
の一方的な
意思表明
をしたものでございます。
羽生三七
11
○
羽生
三七君 この「
日本国
の
譲許表
に関する
注釈
」の第二項で、
わが国
が
関税
を引き下げる方法についてそれぞれの年月日を明らかにしておるわけです。しかし、さきに
日本
、
アメリカ
、
EEC等
の
合意
で妥結した繰り上げ
実施
の場合、この場合には新しい
国際約束
によってこれを
修正
をするのか、あるいは
国内法
で足りるのか、これは検討中と言っておるようですが、この「
日本国
の
譲許表
に関する
注釈
」として明確に
規定
されている以上、これは
修正
なり新しい
議定書
の
作成
というか、そういうことが必要になるのではないでしょうか、その辺どうです。
鶴見清彦
12
○
政府委員
(
鶴見清彦
君) ただいま
先生
御
指摘
の点でございますが、
日本
の場合、また
EEC
の場合、あるいは
イギリス
の場合は、
御存じ
のとおり、本年の七月一日に五分の二の部分を一括引き下げることになっております。これが
議定書
できまっておりますが、ただいま御
指摘
の繰り上げを
実施
する場合には、別にまたさらに何らかの
国際
的な
合意
というものを必要とするか、あるいは
国内法
の
措置
でできるかということの御質問だと存じますが、現在私どもの考え方では、この点につきましては
国内法
の
措置
によって一方的にやっていく、大体それを考えておるわけでございます。
羽生三七
13
○
羽生
三七君 それは
国際
間の
条約
、
協定
でそういうことはしばしばあることですか。
鶴見清彦
14
○
政府委員
(
鶴見清彦
君) その点、特に例といたしましては
条約局
のほうから答弁していただくほうがいいかと思いますが、そうひんぱんにあることではないと私も了解しております。
高島益郎
15
○
説明員
(
高島益郎
君) 私、いま手元にそのような例があるかどうか、特にこういう
関税
に関する取りきめでそういう繰り上げしたという例が実はないわけでございます。はたしてほかに
国際条約
あるいは
協定等
でその
内容
の範囲内で実質的に多少違うような慣行を行なうということはこれはないわけではございませんが、しかし、
関税
の場合は私は例はあまり存じません。ほかの場合ですと、
協定
の取りきめた
内容
と若干違うようなことを
関係国
間の
合意
によって行なうということは、これはございます。しかし、
関税
につきましては、例は存じません。
鶴見清彦
16
○
政府委員
(
鶴見清彦
君) もうちょっと補足的に御
説明
申し上げたいと存じますが、
先生
も
御存じ
のとおり、五月一日の日にガットの
事務局長ウインダム・ホワイト
が、
事務局長自身
の声明という形でございますが、したがって法的な拘束はございませんけれども、それの中に、主要ケネディ・ラウンド三カ国の
意思
といいますか、そういうものが盛り込まれているわけでございますが、したがいまして、正式な意味での法的な再
合意
という形にはなりませんけれども、あれにあらわれている考え方というものを、各国、主要ケネディ・ラウンド三カ国が行なっていく、それぞれの国が一方的にやっていくという形になりますので、法的には確かに新しい
合意
というものがあったほうがいいとは思いますが、実質的には同じようなことになるのではないかという感じを持っておりまして、現在のところでは、新しい
国際
協定
あるいは
国際
合意
というものをつくることが、法的な意味におきまして、この際非常にむずかしい状況でございますので、先ほど申し上げましたような国内的な
措置
によってそれぞれ各国ともやるということを大体予定して、
わが国
の場合もそういう方向で検討を進めているわけでございます。
羽生三七
17
○
羽生
三七君 実際に新しく会議を開いてその部分を
修正
することはめんどうなことでしょうから、それはよくわかりますが、これは何らかの機会にこういう
措置
を講じたという経過を会議の席で一応明らかにしておくことは必要だと思います。そうしなければ、こんなものを明確に日付を書いておいて何も意味のないことにするのはあんまり先例としてはいいことではないと思います。これは質問じゃないですが、私の考え、感想を申し上げたのです。 それから次は、穀物
協定
に関連することですが、第五条に基づく最高価格の宣言という問題は、これは従来の小麦
協定
で最高価格の宣言が発動されたという例はあるのかどうか。
小暮光美
18
○
説明員
(小暮光美君) 小麦
協定
時代に、一九五一年から二年にかけての
協定
のときに最高価格宣言に該当する例があったというふうに記憶しております。
羽生三七
19
○
羽生
三七君 そうすると、以来もう十七年ぐらいもそういう例がないわけですね。そうなると、この条項というものは一体どういう意味を持つのですか。
小暮光美
20
○
説明員
(小暮光美君) 御承知のように、小麦
協定
時代にも何年かに一ぺん価格帯につきましては実態に合うように
修正
するということを続けてきておりますので、最高価格宣言を発するような事態があまり例として多くないということでございますけれども、今回の穀物
協定
に移り変わります直前に、昨年穀物
協定
にかかわる
交渉
をいたしておりました当時の、たとえばマニトバの実際の価格水準が当時の小麦
協定
時代の最高位すれすれになってきております。これを
協定
を越えないように
関係国
において一応需給操作上の努力をするといったような事実もございます。
羽生三七
21
○
羽生
三七君 それからさきの
国際
小麦
協定
に比較して今回の穀物
協定
では、その価格帯はどの程度引き上げられたのか、その辺を。
小暮光美
22
○
説明員
(小暮光美君) これまでの小麦
協定
がカナダのマニトバ・ナンバーワンという銘柄で、しかも、価格を表示します場所を、五大湖地方といっておりますが、カナダの主要な積み出し港五大湖のあたりということでやっておる。しかも、これがインストア——倉庫渡しというようなことで最低が一ドル六十二セント五ということになっております。今度の
協定
では、
協定
文をごらんになりますとおわかりのように、メキシコ湾岸の、しかもfobにいたしまして、それがマニトバじゃなくて、ハード・ウインター・オーディナリーというソフト系のものにいたしておりますので、直接の比較はできないわけです。しかし、当時の小麦
協定
時代の産出地でこれを換算いたしまして銘柄格差を別途
協定
いたしておりますから、銘柄格差を別にして試算いたしますと、夏場と冬場でフレートの
関係
で十セントのズレはございますけれども、おおむね十ないし二十セントの引き上げにマニトバ・ナンバーワンで相当するというふうに見ております。
羽生三七
23
○
羽生
三七君 この引き上げの理由は、これ実勢に見合うためのものだろうと思うのですが、その結果ですね、実際にこの実勢に見合って引き上げるのですから、今後その
関係
上全体的にこの価格の引き上げということが起こってくることはないのですか、この処置の結果。
小暮光美
24
○
説明員
(小暮光美君) 御承知のように、これは価格帯でございますから、価格帯の設定がそのまま実際の取引価格に直接的な影響を与えるということはあまりないと思います。やはり農産物でございますので、その年の豊凶と申しますか、あるいは在庫の状況等も含めた需給できまってくる要素のほうが圧倒的に大きいと思います。ただ、価格帯をきめますときに、これがかりに人為的に価格帯をきめるというようなことがございますれば、ある程度実取引にも影響を与えることがあると思います。そこで、これは輸入国と輸出国とのいわば立場の違いがそこに出てくるわけですけれども、多数国間のかけ合いごとでございますので、かなり
長期
にわたってどの辺にするかという議論になるわけです。どちらかというと、ここ数年の実勢をなるべくならば新しい価格帯の下限に置きたい。実勢を下限に置いて、その上に幅を持ちたいというのが輸出国側の主張であった。
日本
を含めて輸入国側は過去の実勢というものが新しい価格帯のほぼ中間、まん中辺になきゃおかしいじゃないかということで議論したわけですけれども、
交渉
の結果、大体
交渉
当時としてはほぼ実勢が価格帯の中間に来る。銘柄によって多少の例外がありますけれども、全体としては当時の実勢が価格帯のほぼ中央にあるというふうな形のところで妥結したわけです。したがいまして、実勢が上がっておることを反映して十ないし二十セントの価格帯の引き上げになりましたけれども、そのことがその後今日までの一年間の実取引の価格を上げるということは現実に起こっておりません。むしろ実勢はやや弱含みにその後推移しておるわけであります。
羽生三七
25
○
羽生
三七君 これは
協定
、
条約
のこの文書に直接
関係
のないことですけれども、
日本
で輸入する小麦が、これは硬質小麦が中心なんですが、それは
日本
の地理的な条件、あるいは土質の
関係
等で
日本
では硬質小麦の生産は無理ということなのか、品種改良あるいはその他を通じてやっても全然見込みがないのかどうか知らない。ぼくらも錯覚起こすのですが、どうしてこの
日本
では、むしろ小麦なんかだんだん減産のほうですね、これは労力の
関係
もあるけれども、根本的にはそういう事情もあると思うので、その辺の事情はどういうことなのか、全然改良の見込みがないのかどうか。
田所萠
26
○
説明員
(田所萌君) ただいまの御質問の硬質小麦の件でございますが、
わが国
におきます麦というのは、大体においてあまり適作物というような気象じゃないわけです。というのは、一番問題なのは収穫期におきますつゆ——五月の雨でございますとか、そういう意味で硬質小麦というのが、品種そのものの
性質
と、それから収穫——登熟期におきます気象というものが影響するわけでございます。
わが国
においては硬質小麦という品種も育成はしておりますけれども、実質的な硬質小麦というのは非常に栽培するのが困難である。また、そういうものはなかなかできない。現在北海道の北見地方で一部そういうものができておりますが、非常に量的には少ないのでございます。一般的に
わが国
においては硬質小麦は無理だということでございます。
羽生三七
27
○
羽生
三七君 それから今度の穀物援助の場合ですね、肥料、農薬等のほかに米も援助
対象
に考えておるようですね、
政府
が。実はこれは大蔵大臣にも聞きたいことだと思ったんだが、きょうお見えでないのですが、その間、かりに米を援助するとした場合、いま余剰米が相当ありますから、かりに援助する場合には、
国際
価格と国内価格は、比較すると
国際
価格のほうが半分国内価格より安いわけだ。だから、そういうものが援助
対象
になった場合には、食管会計との
関係
はどうなるのかね。これ、その間、何か差額というものはどういう形で会計上の処理をするのか、どういうことになるのかね。その辺はどうされますか。かりにそうなった場合。
小暮光美
28
○
説明員
(小暮光美君) まだ
政府
が特別会計で管理しております国内米を援助に充てるという議論まで来ておりませんので、具体的にはまだ検討いたしておりませんが、そういう仮定の議論としてのお尋ねとして、御承知のように、食糧管理のためにする米穀の売り買いというものを特別会計で処理するたてまえになっておりますので、厳密に申しますれば、援助にかかわる、いわば差損のようなものを特別会計の中でこなすことは、まずたてまえとしてできないというふうに考えるのが一番すなおだと思います。やはり時期的には、いま輸出の際に、全体の需給が苦しかった時期でも、現実には
日本
人が長
期間
船団を組んで外国に歩くということもございますから、輸出価格というのは食糧庁できめてあるのです。これはかなりコストに近いものでやっております。この程度の価格でございますれば、まあ需給上、管理しておって古くなるよりは出したほうがいいというようなことで、もし出すというならば、食糧管理の必要から派生して起こった仕事ということでこれは外へ出すということも、そういった価格が許されるなら、
理論
上は検討に値するわけですけれども、それがやはりトン当たり十数万円になりますから、いま、東南アジアでお米が足りなくて困るという場合に、たとえば六万円のものが八万円に上がって困っているといったところに十万円をこえるものを輸入してくることは、やや価格の面に難点がある。いずれにしても、特別会計でこれを直に処理することはまずできないというように考えます。
羽生三七
29
○
羽生
三七君 そうすると、どこかで差損金を処理するところが必要になってくるわけです。食管特別会計はできないとすれば、その差損金は対外援助の中の一部分として支出するか、そうしなければこれは相当な額になりますよ。そういう必要が起こってくるのじゃないですか。
小暮光美
30
○
説明員
(小暮光美君) いまのお尋ねについては、これは食糧庁という狭い立場からお答えしにくいのですが。
羽生三七
31
○
羽生
三七君 食糧庁でなくて外務省からでも、それは当然起こる問題ですから。
鶴見清彦
32
○
政府委員
(
鶴見清彦
君) ただいま小暮部長がお答え申し上げましたが、現実の問題といたしまして、まだ国内産米——確かにただいま
先生
御
指摘
のとおり、本年度の端境期にはかなりの大きな繰り越し米ができるということですので、それを使うという、K・Rのもとにおける食糧援助の
計画
に使うという考えもないわけではございませんけれども、ただいま食糧庁からもお答えいたしましたとおり、いろいろの難点もございますし、価格上の問題もございますが、したがいまして、十分詰めが行なわれていない段階でございます。私どもが外務省としていままで考えておりましたことは、どちらかと申しますと、国内産米というよりも東南アジア産米の米を使ってそれを援助のほうに振り向けていくという考え方をとっておりまして、これは
先生
御承知のとおり、かつてインドに対しあるいはインドネシアに対し緊急援助のようなときに出しました形でございますので、そういう形での援助ということをむしろ考えていかなければならない。しかしながら、ただいま御
指摘
のような点もございますし、さらにこの国内産米穀を向けるか向けないか、向ける場合にどういうような問題があるかというようなことはさらに検討する必要があるかと考えております。
羽生三七
33
○
羽生
三七君 それでこの穀物援助の場合に、平年度五十一億、それから本年度は二十何億ですね。その場合に、本年度分の相手国、援助する相手国あるいは品目等についてはまだ何らの予定がないというこの間のお話でしたが、しかし、およそ想定されるところはどういう国、あるいはどういう穀物、あるいは肥料、農薬とか、そういうことは相手国から若干の話でもあったのか、まだどこからも何もないのか。それから、それは
日本
が一国一国、相手国の意向を確かめてやるのか、申し入れがあったらやるのか、何もそういう動きはいまないのですか。
鶴見清彦
34
○
政府委員
(
鶴見清彦
君) 先刻も同じような御質問に対してお答えいたしましたが、現在のところ、相手国のほうから具体的にこのK・Rのもとにおける穀物援助あるいは食糧援助ということで要請という形はまだ出てまいっておりません。しかしながら、先般お答え申し上げましたごとく、私どもの現在の一応の考え方といたしましては、東南アジアの諸国、特にインドネシア、インド等を中心に考えておりますが、具体的に相手国、インドネシアあるいはインドからこういう形、この形での食糧援助をしてほしい、その際に、たとえば米はどのくらい、肥料はどのくらいといったような具体的な要請はまだ参っておりません。私どものほうでやり方等も十分検討いたしました上で、その上で相手国に対して働きかけてまいろうというのが大体順序かと考えております。
羽生三七
35
○
羽生
三七君 そうすると、いまのところは、こっちからでも打診しなければ向こうから積極的に申し出があるというようなことはないのですね。
鶴見清彦
36
○
政府委員
(
鶴見清彦
君) いまのところ、現在まではございません。
森元治郎
37
○
森元治郎
君 関連して。むしろ、その食いものより現ナマをにおわしたほうが多いだろう。どうですか、東南アジア。物も買えるし……。
鶴見清彦
38
○
政府委員
(
鶴見清彦
君) まあ、現ナマと申しましても、これは食糧援助で
日本
は態度を留保いたしまして一方的にやることになっておりますが、しかしながら、手元にございます交換
書簡
と申しますか、むしろ
アメリカ
にあてた
書簡
に書いてございますように、この形は相当部分を米を含む食糧ということになっておりますから、現ナマということは現在のところは考えておりませんし、やはり米を含む食糧、さらに相手国からの要請がある場合に肥料とか農薬とかいうものを考えるということでございます。また、
日本
の農業に関する援助という考え方から、食糧はなるべくできるならば割合を少なくして、むしろ農業基盤を造成するように持っていきたい。そういう意図も入りまして
日本
の宣言という形もあったわけでございますので、
日本側
といたしましては、なるべくそういう方向へ持っていきたい。しかしながら、この中で明らかになっておりまするから、相当部分はやはり米を含む食糧という形で援助をするということになろうかと考えております。
森元治郎
39
○
森元治郎
君 第二条の留保で、五十一億の
約束
は留保したから、援助しないというわけにもいかないので、やむを得ず、やりたくはないけれどもやるというのがこの結果だと思うのだよ。だから、注文がなければ、相手——被援助国が何とも言わないものだから、こちらでお金を積み立てておくというのがほんとうの
内容
だと思うのだよ、やるつもりはないのだから。留保して、何もしないじゃ、どうもぐあいが悪いから、一応こういう援助をしますと言って、会議とは別に手紙を書いて
アメリカ
さんにやって、そうしてこの規約に違反して、反対してあんたに不
協力
じゃないのだという形をとったわけだ。ところが、この五十一億という金はことしは幾らになるか、二十五億七千四百四十四万九千円、こういうものを予算に計上したわけですよ。これを三年間払っていくわけだ。三年間五十一億。これは一体どういう根拠でこれを払うのか一体、こういう場合、たとえば昨年の九月二十一日のマレイシア
協定
、あるいはビルマ経済
協力
といった場合は、このビルマの
協定
に基づいて幾ら幾らといって予算に出すわけですね。今度のこの予算のやつを見ると、書いてあるのは、対外経済
協力
費という中に、対外経済
協力
費は三十五億四千六百四十四万九千円、その中に対外食糧等特別援助費というのが二十五億七千万円余と書いてあるのですね。これは毎年毎年継続して五十一億という大きな金を出す場合に、
協定
によらずして出せるのですか、
協定
とか、何か法律的根拠がなくて。この点はどういうことを考えて予算に計上しているのか。
鶴見清彦
40
○
政府委員
(
鶴見清彦
君) このたてまえは、ただいま
先生
御
指摘
のとおり、法律的な
協定
に基づくものではございませんけれども、同時に、穀物
協定
という一つの
国際
協定
の中にあります「食糧援助規約」というのがございます。この中にもちろん第二条は留保はいたしておりますけれども、同時に、
日本政府
といたしましては、これに対して、何といいますか、道義的な責任も持っているわけでありますので、
日本政府
の自主的な政策判断といたしまして、こういうものを乗っけていくという形で予算として計上してまいるという考え方に立って計上したわけでございます。
森元治郎
41
○
森元治郎
君 それは、
書簡
は、何も国会の
承認
を経ない一方的なもの、規約は、この点に関する第二条に関して留保して、手紙は
アメリカ
へ出した。その手紙に基づいて予算を組む。非常にこれは国のお金を出す場合には、やはりはっきりした
協定
に従って予算に計上するというのがほんとうだと思うのだね。しかも、今回一回限りじゃない。三カ年継続して毎年やっていくわけだ。この点はどういうのですか。
鶴見清彦
42
○
政府委員
(
鶴見清彦
君) お説の点、そういう御解釈もありまするが、私どもといたしましては、海外経済
協力
という場合に、必ずしも具体的な
協定
はなくても、このような予算
措置
をとって、それに基づいて海外経済
協力
で資金を出していることがございますので、予算の範囲内におきましてそういう形で同じようにこの場合も考えてしかるべきではないかというふうに感じております。
森元治郎
43
○
森元治郎
君 それも一回ならず、毎年、三カ年、しかも金額が五十一億とちゃんときめて、毎年毎年。こういうふうなあやふやなことはおかしいのだと思うが、だれか法律の専門家いないのですかね、
政府
の。経済局長は経済局長だが、これはそうじゃなくて法律屋は。
鶴見清彦
44
○
政府委員
(
鶴見清彦
君) ただいま御
説明
申し上げましたように、現在までの海外経済
協力
におきましても予算の範囲内におきましては借款を出したりしている例もございますが、それと同じ形のもとで考えていいんではないかと私自身さように考えております。
森元治郎
45
○
森元治郎
君 たとえば借款を出した例は何と何があるの。例を例示してもらいたい。
鶴見清彦
46
○
政府委員
(
鶴見清彦
君) たしか、先ほどまあちょっと触れましたが、インドあたりに緊急援助食糧を出したことがあると思いますが、それはたしか国会の御
承認
という形でなくて出している。予算の範囲内で出したかと私は理解いたしております。
森元治郎
47
○
森元治郎
君 これはまたあしたも会合があるし、
委員
会もあることだから、大蔵大臣という専門家もいるからひとつ確かめてみます。きょうは留保。それこそ留保しておきます。
羽生三七
48
○
羽生
三七君 これは大臣に聞きたいんですが、大臣、例の農業
開発
基金制度ですね、あれはその後どういうふうに進行しておるのか現状をちょっと聞かしてください。
三木武夫
49
○
国務大臣
(
三木武夫
君) 農業
開発
基金はあそこで調査団をつくりまして、アジア開銀が各国の農業事情などを調査をして、そして諮問
委員
会、まあ東南アジア諸国の中から現実に融資するときにそれの意見を徴するような、そういう
委員
会も置いて、そしていよいよ事業が開始できるような体制を整えつつあるんですが、資金がヨーロッパ——西欧のほうがあまり集まらないんですね。それで
日本
が一億ドル、
アメリカ
一億ドル、西欧一億ドルと、そういう三億ドルというのが最初のスタートでしたけれども、
アメリカ
と
日本
はこれは一ぺんにやるんじゃないですからね。三年間で
長期
計画
で一億ドル、相当
計画
的に毎年出す。だから、いまはアジア開銀の特別基金を一生懸命に募集しておるというような段階です。
羽生三七
50
○
羽生
三七君 そうすると、具体的にたとえばどういうことをやるかというのは、まだ具体的なプランはできていないんですか。
三木武夫
51
○
国務大臣
(
三木武夫
君) このプロジェクトは、これは調査していますが、だから、いよいよ事業を開始するということになれば、これはわりあい早いと思います、いま申しました予備調査みたいなことになっているわけですからね。そこで、資金というものは特別基金ですから、基金がないとどうにもならぬですから、そういうことで、いまそういう資金の面における
国際
協力
、この体制を整えつつあるというのが現状でございます。まあ、むろん来年が来たら動きだすと思っているんです。
羽生三七
52
○
羽生
三七君
関税
及び
貿易
に関する
一般協定
第六条がございましてダンピング——この
協定
はダンピング問題が中心なんですが、どういう場合が該当したかという例が若干例示はされておりますが、はたしてこれだけなのか。
日本
が具体的に
指摘
されたり、あるいは問題となった事例というものはここにあるほんの二、三の例なのかどうか。それから、
日本
のみならず、
国際
的に最近大きな、この新しいこういう
協定
を結ばなければならないほどの契機となったそういう大きな事例があったら、そんなにこまかいことを一々言う必要はありませんが、顕著な事例があったらひとつ聞かしてください。
鶴見清彦
53
○
政府委員
(
鶴見清彦
君) このダンピング防止の問題につきまして現実にダンピングの調査を受けました例はわりに多うございます。しかしながら、実際にダンピング防止の税をかけられたことは実際には少ないわけでございまして、調査を受けました場合、
わが国
の場合、対米——
アメリカ
向けの輸出に関連いたしまして、一九五八年から六七年までの約十年間の間にセメントとか壁タイル、酸化チタン、鉄鋼製品等々三十九件に及びます。しかしながら、実際に
アメリカ
でダンピング防止税をかけられましたものは、
御存じ
のとおり、発泡剤一件でございます。それから、こういう例につきましては、具体的なほかの国の例としては、必ずしも私つまびらかにしておりませんが、
先生
御存じ
のとおり、たとえばカナダの場合にはダンピング防止税をかけます場合、単に公正市場価格以下で売られているということだけでもかけるような状態になっております。しかしながら、通例、普通ダンピング防止税をかけます場合には、公正市場価格を下回っているという以外に、その輸入の結果として同種の国内
産業
が被害を受けて、あるいは被害を受けるおそれがあるという立証をされる必要があるわけです。カナダの場合は一つだけの要件であったのが、今度そういう二つの要件を満たさなければならないことになりますので、その点で、ダンピング防止税というものの乱用——と申しますかが——防止される、改善されるということになるわけでございます。
羽生三七
54
○
羽生
三七君 何かどうもこの
協定
を新たにつくらなければならないほどの顕著な問題点があまりなかったような感じを受けるのですが、各国でこれが大きな問題となって、その障害を打破するために必要な
協定
としてこれをつくったという、その直接の契機になったような事例が非常に何か乏しいような、どっちでもいいような事例の感じなんですが。
鶴見清彦
55
○
政府委員
(
鶴見清彦
君) その点につきましては、あるいは従来もいろいろなやり方、過去のやり方、このダンピング防止の
協定
ができまして、それに基づいて各国がやる、こういうことの結果として生まれてくる利点といいますか、比較いただけばおわかりいただけるかと思うわけでございますが、一つは、先ほど申し上げましたように、カナダの例では、公正市場価格以下の要件だけでもってダンピング防止税をかけておったものが、その要件がふえる。それだけでも改善になるわけでございますが、あと、たとえば、
アメリカ
によってダンピングを三十九件過去十年間ばかり調査だけ受けたわけでございますが、この調査自身が、実際には防止税をかけられませんでも、調査に入りますると、その結果として非常に輸出がしにくくなる。はたして防止税がかかるかかからないかということで、どうしても輸入業者のほうは手控える。どうしてもそれが輸出に影響を及ぼしてくるというような難点があった。そういう点を、今度の
協定
によりましては、たとえば調査をする際、評価差しとめということがございますので、その評価差しとめの適用
期間
というものを非常に限定して、長い間評価していくということになりますと、輸出がその間とまることになりますので、評価差しとめの
期間
を三カ月に限定するとか、あるいは評価差しとめの
期間
というものを遡及適用ということをしないとか、従来、そういったような点でもってかなり
日本
の場合も対米輸出でも支障があった、そういう点がかなり改善されるという意味におきまして、ダンピング防止の
協定
というものができますことが、従来、ガットの六条で明らかでございましたけれども、必ずしも解釈上はっきりしていなかった。そういう点をはっきりするという点で改善を大幅に見込み得るということで、その結果、そのためにこの
協定
をつくる必要があったということが言えるのじゃないかと考えるわけでございます。
森元治郎
56
○
森元治郎
君 一つ伺いますが、対中共
関係
。ケネディ・ラウンドの
実施
に伴って、衆議院でもこの春、
関税
定率法の改正など、以来今国会でもだいぶ問題になった。あれについてひとつ伺いたいのですけれども、ケネディ・ラウンドの
実施
に伴って、中共
関係
で、各社のうち、おもなるものは生糸とか絹織物とか冷凍の魚だといわれておる。そうして輸入金額にすれば、輸入額の約二〇%、品目については、業界のほうの
説明
では三百五十品目くらいだといっております。これについて一番最初に伺いたいのは、
政府
側の持っている資料では、品目はどのくらい、それから金額にして、われわれは二〇%と一応見ているが、どういうことなのか。
武藤謙二郎
57
○
政府委員
(
武藤謙二郎
君) 中共
貿易
の
関係
で、今度ケネディ・ラウンドが
関税
が下がる
関係
でどういうふうな格差がつくかということで、品目と金額でございますが、まず最初に、
関税
の格差がないものというのが、品目数で申しますと二百五十九品目。それで、それが金額のウエートで申しますと約六〇%、こうなっております。そのほかに、三月末に国会を通りました
国内法
の改正で十九品目約二〇%、これが国内の国定税率のほうが下がりますので、それで差がなくなるということになります。そうしますと、あと二〇%残っておるわけでございますけれども、その中で十一品目六%というのは、これは従来から格差があるもので、ケネディ・ラウンドと
関係
ないものでございます。ケネディ・ラウンドと
関係
があって格差が残るものというのが三百四十五品目で、金額で申しますと一四%、こういうことになるわけでございます。で、この一四%の中でおもな品目は、
先生
おっしゃいましたように、生糸とか絹織物とかブラウスとかそれから魚類、そういうものになっております。
森元治郎
58
○
森元治郎
君 業界のほうでは、一四%というのを二〇%で、品目は三百五十というふうに計算しているようですが、その違いはどこから来るのですか。
武藤謙二郎
59
○
政府委員
(
武藤謙二郎
君) それはケネディ・ラウンドと
関係
なしに格差が残っているもの十一品目六%と、それから、今度ケネディ・ラウンドで格差ができるものの三百四十五品目一四%、それを合わせたもの、要するに、ケネディ・ラウンドと
関係
あってもなくても、格差があるということで二〇%三百五十六品目、こう言っているのだと思います。
森元治郎
60
○
森元治郎
君 業界が三百五十品目と言うのは、おそらく小さい会社取り扱いの品目だと思うのですね、パーセントは二〇%であろうが、取り扱い商社は中小の、零細といいますか、そういう方々が多いと思う。これがやっぱり
貿易
の拡大というこの趣旨からいけば、当然大企業と同じようにめんどうを見てやらなければならないわけですね。ところが、
政府
のほうはどうもかたい態度で、なかなかこれについて配慮が足りないような、たとえば便益
関税
というようなものも適用ができないという解釈のもとに、受け付けない。これは
外務大臣
に伺いたいのだが、政経分離だ、そして
アメリカ
が何と言おうと
日本
はやるのだと、ジョンソンさんに会ったときに佐藤総理もそう言ったということを何かの機会に申されておる。そのくらい
ジョンソン大統領
にも、去年の十一月にお会いになったとき言っているぐらいだが、実際となるとなかなかそれが動かない。これは一体どういうふうに
政府
はこの業界のみんなの強い要請にこたえようとしておるのか、この点を一つ伺いたい。
武藤謙二郎
61
○
政府委員
(
武藤謙二郎
君) ちょっと事務的にいままでの経過を御
説明
いたします。 先ほど申し上げましたように、その二〇%については、先般の
関税
率のこれは
国内法
の
関係
でございます改正で格差をなくしました。そこで、残りのところ、特にケネディ・ラウンドの
関係
でございますと、一四%のものにつきまして、これは金額で一番大きいほうから言いますと、生糸でございます。それから絹織物、この二つだけで一四%の半分くらいでございます。そういうものについて
関係
各省でもってこれを国定税率をガットの譲許税率並みに下げられるかどうか前向きに検討しよう。そこで、これが下げられるということになりますと、国定税率を下げるということで問題は解消する、こういう方向でもってこれを解消する。そういうことで私どもずっとやっておるわけでございます。それで、これから一年かけましてそういう前向きの検討をしよう。それで、品目別に国定税率を下げてもいいというものは下げて問題を解消していく、こういうことでございます。
森元治郎
62
○
森元治郎
君 生糸については四十三年度中に何とかしたいという答弁が国会のどこかでありまして、そのとおりですね。それからまた
政府
の答弁を要約すると、その格差のできるもの、いまのお話では二〇%でなくて一四%かね。
武藤謙二郎
63
○
政府委員
(
武藤謙二郎
君) はい。
森元治郎
64
○
森元治郎
君 これについては個々の品目について検討をしたい。しかし、それをやるのにはある程度の限度がある。こんなのが答弁の骨子だったと思うんですね。そこで一体、検討する作業というのは、たいへんな数の品目であり、
関係
各省とも相談もするんでしょうし、
関税
率審議会もありましょうし、たいへん時間もかかろうと思うが、どのくらいを時間的に目途として本気になっておやりになっているのかどうか。私は
関税
屋さんじゃないからわからぬが、一品目きめるについても内外の情勢を検討してやるからたいへんなことだろう。われわれは想像つきませんが、その見当をおっしゃってください。
武藤謙二郎
65
○
政府委員
(
武藤謙二郎
君) この三百四十品目全部やるということになりますとなかなかたいへんであります。そこで、その中で中共が主として関心を持っているようなもの、金額のなるべく大きいものからだんだんに検討をいたしまして、それで
関税
の国定税率の改正は九月ごろまでに、それまでに各省で一応案をつくりまして、そうしして
関税
率審議会へ出す、それから
関税
率審議会で検討を進めまして、十二月ごろに
関税
率審議会から答申が出る、それから国会に出す、こういう順序になっております。それとあわせて、これらの品目について検討していくということになります。
森元治郎
66
○
森元治郎
君 その三百ぐらいの品目、たいへんな数ですが、九月までの作業に、爼上にのぼせて間に合うものはどのくらいの品目になるのでしょうね。
武藤謙二郎
67
○
政府委員
(
武藤謙二郎
君) これはいまから幾つということは申し上げにくいわけでありますが、要するに、これは下げられそうだという品目でないと、非常にむずかしいというものを検討してもしようがないから、そういう品目で、なるべく中共からの輸入量の大きなものというものを優先的に検討する、そういうことに考えております。
森元治郎
68
○
森元治郎
君 その数は、概算といいますか、経済というものは引き続いているのだから、あなたは専門家だからおおよその数の見当も出ると思うが、どのくらいの数が頭に浮かびますか。
武藤謙二郎
69
○
政府委員
(
武藤謙二郎
君) これは非常にむずかしいことでございまして、先ほどの
説明
を補足させていただきますと、
関税
率審議会にかける前に、
関係
の各省がございますので、そこで検討をするわけです。そこで特にたとえば一つの品目についても、それを需要するところの業界の
関係
のところはなるべく
関税
を下げてほしい、それから、それをつくっているところの業界のほうは
関税
を下げないでほしい、そういうことで、いろいろと議論をして
関係
各省でまとめて
関税
率審議会へかけるということでございますので、幾つぐらいのものが検討できるか、あるいはその幾つぐらいものが下げられそうかということが
最後
のところだと思いますけれども、それはいま宙でちょっと申し上げかねるというのが実情でございます。
森元治郎
70
○
森元治郎
君 特にこの便益
関税
というのはだいぶ論議された。そしてその経過を承っておると、だいぶ強いような態度をしながらも、
政府
の態度は、実際は向こうの
関税
制度も実際にはわからないし、そういう情報を取る手だてもないし、国交
関係
もないし、
貿易
を保護する手段もない。しかし何とかしたいのだ、何とかするという方法は相互主義だということ、それで水田大蔵大臣に至っては、これはまあ両方で十分研究して、何とかいまの国交
関係
がなくても、ただ一方的な国定税率を引き下げるようなことで事実上の譲許をするような方向に持っていければいいんだがなあというふうなムードはできているのですが、そこで一押し、これは政治家の大臣の高いところで号令をかければできそうなふうにまでなっている。上からの号令がかからぬから事務当局は進め得ないのだと思うのですがね。この
両国
の
関係
をもっと平らな気持ちで、政経分離だ、商売なんだということを、積極的に、
関税
率がわからなければわかるような努力もし、そしてその格差の生ずる日中
貿易
関係
あるいは不明朗な
関係
をもっと前向きに持っていくということが大事だと思うのですね。便益
関税
というものは適用がどうしてもむずかしいのか、どうすれば適用されるのか、どういう客観情勢、条件によるならば便益
関税
が適用されるのか、その辺をちょっと
説明
してください。
武藤謙二郎
71
○
政府委員
(
武藤謙二郎
君) 便益
関税
については、結論のほうを先に申しますと、これはたびたびいろいろな
委員
会で御質問があったんですが、
政府
としては便益
関税
は適用する考えはない。それはもし御質問でしたらまた繰り返して申し上げますが、
先生
御承知のようないろいろな理由でございます。そこで、便益
関税
は適用しませんけれども、しかし実質的にこの間の改正でもって、二〇%については便益
関税
ではなくて国定税率を下げるということで、実質的には同じことにしたい、そのやり方を延長してまいりたい、そういう方針でございます。ですから、便益
関税
ということは考えておりません。そこで、しかし国定税率を下げますと差はなくなりますから、そういう方向で品目別に検討して、これはいいだろう、何とかこれはやれるだろうというものは下げていく、そういう方針でございます。
森元治郎
72
○
森元治郎
君 大きい商社の取り扱い品だと力もあるし、
政府
当局、大蔵省もじっとしておれないで一生懸命やるが、小さい品目になって金額が少なくなると、ついこれはあと回しになるのが普通ですよ。だけれども、もっとあたたかい気持ちで大いにやってもらいたいと思う。特に
三木
さんは党内の進歩派ですかね、と言われて、経済、文化大いにこれは進めていかねばならぬというお話を、この間党内で勇ましいのが、宇都宮徳馬だの川崎秀二などみんな集まったところで、外相の談話で、これは新聞に出た談話ですよ、出たように思うんだが、小さいところからやっていくというのならやはりこの辺にも大いに熱意を見せる一つの機会だと思うんですが、大臣にその御決意をこの際伺っておきたい。
三木武夫
73
○
国務大臣
(
三木武夫
君) 国定税率なんかは、何か
日本
の
産業
というものの立場からも考えなければならぬですけれども、ケネディ・ラウンドが
実施
されて一般の
関税
が引き下がるときに、これが非常に不利な状態ならば、日中
貿易
もなかなか拡大を阻害される。こういう問題はやっぱりいま事当務局で前向きで検討しようと、
政府
自体もこれは前向きに検討するという態度ですから、これに対して消極的な閣僚はいないのです。それを受けて事務当局で検討をしておるというふうな、こういうことで、こういうことなどもできるだけ前向きに処理していくことが、小さいことでも可能なことからやるということ、こういうこともその一つだと思います。
森元治郎
74
○
森元治郎
君 そこで、便益
関税
についてはいろいろ
政府
側の解釈とわれわれの反対する立場のものとでは解釈のしかたが違う。中華人民共和国についても違うじゃないか。何か、新しい国交がなくてもアルジェリアでもやっているじゃないか。いろいろ議論はあるけれども、これはやはり国と国との
関係
というものは、法律なんか抜きにして、ムードというか、感じのよさそうな顔をしていると、つい話が進む。だから、これは大きな政治の面から解きほぐしていかないと、商売のほうはなかなかむずかしいと思うので、進歩派と目される
三木
さんあたりはここで大いに力を入れてもらいたいと思います。これで終わります。
三木與吉郎
75
○
委員長
(
三木與吉郎
君) 他に御発言もなければ、三
案件
に対する
質疑
は本日はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時四十七分散会 —————・—————