○
木村美智男君
大臣、十
年間というやつは、特別これはまた科学的に根拠があるわけではないのですね。十
年間事故を起こさずに運転をしてきたからと言ったって、それはのろのろとほんとうに
事故だけを起こさぬようにひたすら注意してやってきて十年というものもある。したがって、十年の経験イコール
事故を起こさなかったら腕がいいということには、これはイコールにはなかなかならない場面もあるわけです。
大臣、私がそういうことを聞くのはなぜかというと、問題は、いま個人タクシーには代務制度というものがある。この代務運転者というやつは、これまた厳重な規制があって、やはり過去において大体十年ぐらい無
事故でやってきた者でなければ個人タクシーのそれが休んだときに代行をしてやっていくことができないということになって、この代行者がいま七年も八年も厳重な資格のもとで運転をしてきながら、なおかつ個人タクシーの申請をやっても三十九歳以上全部年齢でもってはねつけられている、こういう事情があると思うわけなんです。そういうもう
一つ先にたっている問題を片づけないで、その根っこのものをばらっと
大臣が三十五歳というようなことを言っているところは、これは多分に誤解を受けるわけです。もう少しやはり、ものには順序というやつがあるから、やはり
大臣のいまおっしゃったその趣旨は、私は原則的にそれは賛成です。むしろ、むやみやたらにこれを権限らしく
運輸省が振り回すことのほうが逆に問題があるのです。ただ、最近は車が多過ぎてこんなはんらんをして交通
事故がどんどん起こってきているという逆な
要素が
一つあるということと、これに年齢を引き下げていくという問題とは、これはやはりある意味では私は慎重にしてほしいとこう思っていた問題だけに、矛盾するのです。
そこで、
事故率のことを
大臣よく御
承知のように、個人タクシーが
事故率が低いのはあたりまえです。これは
一つは、何かと言ったら、十年以上の経験を持っているということと、自分の車であるということ、人の車ではないということで、やはり自分の車のほうを大事にする。こういう
要素が加わって、一般の
事故率より個人タクシーの
事故率がうんと低い。したがって、そこに信頼度を増すという
関係なんで、これは初めに十年ということを
大臣言われているからあまりおこるわけにはいかぬけれ
ども、これは何か個人タクシーは評判がいいからふやすというようなことでどんどんふやせというような意見を言うのがいるけれ
ども、私は必ずしもその点をそういうふうにだけは見られない点があるから、年齢はひとつこの際、まず第一に個人タクシーについてのむずかしいこの資格
要件を持った代務制度に置かれている年齢をまず引き下げることを
考えてもらいたい、第一段階。そうして、その結果を見て、やはりなるほど三十五歳
程度であっても何ら
事故率も上がらぬし、評判も落ちてこない。これならばだいじょうぶだということを見計らって、できるだけ早い機会に全般的な年齢を下げていくというような、そういうひとつ順序を立てて、これは
大臣自身がやらんでいいですから、自動車局にそういう検討をさして、私は基本的にやはり年齢の引き下げを早急にやってもらいたいと思う立場なんで、その立場から言っているわけですから、そういう観点でこの問題をこれから扱ってもらいたいということが
一つ。
最後に
一つ、苦言だけれ
ども、大体世の中じゃ二号さんやめかけがひがむことはあるけれ
ども、本妻がひがむというのはあまりない。事自動車問題に関してあまりほかの
委員会へ行って、ここで言ってもせぬことを、
大臣だからといって、むやみにばかばか言うこと、これは
大臣よろしくない、そういうことは。これはぼくはその点は別に
発言は自由だから、それをどうこうすることはないが、
大臣の権威のために私はよろしくない、
運輸委員会との
関係においては。だからほかの
関係で、中共に船を輸出する問題ならばどこへ行って何しゃべろうとぼくは文句言わぬけれ
ども、事自動車の問題とか、
鉄道の問題とかいう
関係になれば、やはり
運輸委員会で目下やっていることで、検討していますというようなことで何ぼでも話ができることだから、それだけ向こうへ行って言うべきことならば、どんどん、常置されている常任
委員会である
運輸委員会に、ざっくばらんに、
大臣、話をしてもらいたいと思うのだな。そうでないと、
大臣、ほかの
大臣かと思って、ひがむから、こういうことは長いいきさつをもって問題を扱ってきているだけに、これは答えてもらわんでもいいですけれ
ども、ひとつその点は慎重に、
大臣に、これは
要請をしておきます。前のほう……。