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説明員(小宮保君) ちょっと外出しておりましたのでおそくなって申しわけございません。
大蔵省が
検討しております理由と申しますか、いろんな問題があるのでございますが、まず基本的に金利の体系として見た場合に、現在御承知のように、国際金利の水準というのがかなり高くなってきております。これは一般の市中金利だけではなくて、何がしかそういうオフィシャル・ファシリティーズと申しますか、何かの公的な援助の加わったような金利につきましてもかなり高くなっている。たとえば端的な一例を申し上げますと、世銀というのがございますが、これはまあ国際的な
一つの共通的な機関ではございますけれ
ども、これの金利というようなものは世界中の長期金利のかなり
一つのシンボルになるようなもので、これがことしの一月から金利を引き上げておる、こういうような
状況もございます。そういう点からいたしました場合に、現在の
日本の輸出入
銀行の金利というのはかなり低い水準にある。これはまあ立場の相違によりましていろいろな見方はあるかと思いますけれ
ども、ほかの国と比較いたしました場合にも、きわめて低い水準にあるという問題、金利体系論からしてそれが
一つ検討の対象になるのじゃないかということが根本的にあるわけでございます。
それから、それに加えまして四十三年度の
予算編成にあたりまして非常に大きな問題になりましたのは、やはりこれは非常に具体的な問題でございますけれ
ども、輸銀の損益の
内容というのが問題でございまして、それで御承知のように、輸出入
銀行というのは、これは
政府機関と申しましても、ほかの公庫、
事業団体等と違いまして、
銀行という名前がついている。これはまあそれなりの理由があるわけでございまして、いわゆる独立採算制と申しますか、一口に申し上げればそういうことで、
法律の規定で、輸銀法の
法律の中に収支が相償わなくてはいけない、その場合の
収入と申しますのは、経常
収入、いわゆる臨時——たとえば不動産を売却したとか、そういうようなことでなくて、臨時的なものを除いたそういう経常
収入が
一つある。それから経費のほうは逆にすべての経費、経常的な経費だけじゃなくて、臨時的な損失等も含みまして、すべてのそういう出費、これを比べてみまして、それが相償うような
状態に金利をきめなくちゃいけない、そういうことが実は
法律の規定で義務づけられております。そういうことになりますと、結局輸出入
銀行といたしましては、そういうたてまえからして、もちろん、これは可能な限りはやはり
政策機関でございますから、まあ金利も下げられれば下げたほうがいいという意見があることはもちろんでございます。おのずからそういう
法律的な限界があるということで、実は四十三年度の
予算編成にあたりましては、私
どもは、いままで別に輸出入
銀行が非常にむだ使いをしておったという意味では決してないのでございますけれ
ども、従来に比べれば、たとえば経費の査定とか、いろいろな点につきましてもこれ以上もうしぼり出せないというくらいに非常に切り刻んだわけです。それをもっていたしましてもなおかつなかなか採算を維持することができないと、それを維持いたしますためには、結局、これは輸出入
銀行の場合には、
補助金というものが実は出せない仕組みになっておりますものですから、結局
政府出資ということになるわけです。その
政府出資も結局まあ現在の
財政事情からすればそう多額のものを期待することができない、四十三年度四百八十億という予定になっておりますが、これは現在のほかのいろいろな項目と比較いたしました場合に、やはり金額としてはまあ端的に申しましてかなり大きな金額だと私思います。もちろん、それは多いに越したことはないと思うのでございますけれ
ども、そこにおのずから
財政的な限界があるということになりますと、結局いろいろなことを詰めてまいりますと、まあ必要最小限度ある
程度そこに金利の手直しをせざるを得ない、こういう羽目に立ち至ったというのが具体的な理由ということになると思います。