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国務大臣(
中曽根康弘君) いまの
お話の二点の中で、まず
マラッカ海峡の問題は、先般宮中の夜会で
スハルト大統領と話し合う機会がありまして、立ち話でございましたけれども、直接私、本人にお願いいたしました。それで、実はこれは
政府間海事機構で
調査研究しようということについて
各国は非常に
関心を持っておる、特に
日本はこの問題では非常に
重大関心を持っているのであすこを
調査して、海流とか水深とか、そうして
灯台をつくるとか、あるいは浮標をつくるとか、あるいは
開さくをするとか、そういう点については
インドネシアには迷惑を全然かけません。
灯台やその他合わせて自力でつくってもけっこうです。しかし
日本だけでやるということはあまり適当でないからやはり
国際協力でやるようにしたいと思う。シンガポールとマレーはすでに
賛成したと
自分は聞いている。
インドネシアもぜひその線で御
協力を願いたい。実は
外務大臣を通じても話をしておりますとそう言ったら、
スハルト大統領も
国際協力でそういうことをやるなら
賛成です。あなたの
考えに
賛成ですから言っておきましょう。そういうことを言ってくれまして、下のほうへ言ってくれたのではないかと私は思います。しかし
外務大臣のところへどういう
お話になっているかその後確認しておりません。ですから大統領は
国際協力で特に自由
世界の国がそういうことをやるということについては非常に歓迎しておるような様子でありましたから、
努力すればできるのじゃないかと思います。
それからもう
一つの地峡の問題ですが、私もこの問題に実は
大臣になる前から興味を持ちまして、河合良成先生が
日本国土
開発研究所というのをつくっております。私と根本君がめんどうを見ておりまして、そこで取り上げたわけです。そこで
調査団を派遣しました。その結果、二つ候補地がありまして、北のわりあい狭いほうの地峡は山が高く岩石がかなりあってとてもこれは手ごわくてだめだろう、南のほうに湖を利用できる場所があるが、そこなら不可能ではない。それでやるにしてもあの原子力平和利用みたいな形でアメリカがパナマ
運河でやろうとしているのを適用したらいいだろう、ただあの辺はタイとマレーの国境近くで国際
関係がやや複雑であるので、
日本とか単独ではなかなかむずかしい、やるならエカフェの問題にするとか、あるいは国連というようなそういうものを何とかうまく引きずり出してやるのが適当であるかもしれません。いろいろ採算を計算してみますと必ずしもペイしないではないような計算です。まだデザインの
程度でありますから、的確な話ではありませんが、可能性は十分あるような話を私は聞いております。この間久留島秀三郎さんが私に会いたいというので、会いましたら、久留島さんはタイに非常に近くて、タイの総理
大臣なんかと何かと非常に仲がいいらしいのです。それでタイはしかし
自分のそういうところを出すことにはいまのところは渋っているようですね。それで一回断わったとか言っておりました。そこで久留島さんは非常にタイの総理
大臣と仲がいいものですから、この問題を話したら、おまえがアレンジしてやるなら
考えてもいいと言ったと、それで私のところにおいでになったのです。私も前から
関心を持っているものですから、久留島さんのお手伝いなら何でもやりますよ。でき得べくんば国際的な問題に引っぱり出してやったらいいといいと思う。そういうことを申し上げておるのが現状でありまして、積極的な
関心を持っているわけです。