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山崎会計検査院長 検査能力の充実ということにつきましては、不断に能率の向上ということをわれわれ努力しているばかりではいかぬと思います。いろいろ御指摘の点がございますれば、われわれも謙虚に耳を傾けまして御指導をいただきたいと思うのでございます。
ただいまのお話のうち、たとえば
予算が足らないのかと申しますと、
予算が多いにこしたことはございません。しかし
検査をするのは人でございますので、一ぺんに非常に多くの人がふえてもいたし方ないものでございまして、やはり適当な歩調でもってふえていって、しかもその人が十分に訓練ができるというようなペースで進んでいく、しかも入った人が優秀である、これはいろいろと国全体の雇用の問題とか志望者の問題もございましょうが、そういうような点が望ましいわけでございます。また、技術
職員が多いほうがいい、これは当然でございますが、しからば、いまの
日本の限られた技術者が官庁に来るか、適当な優秀な技術者をいかにして官庁に吸収するかというと、現実問題としてなかなかむずかしい点があるのではないかと思います。しかし、いまできないからほうっておいていいかというと、そういうわけにもまいりませんので、与えられた現状におきまして、できるだけの努力をしなければならぬ。たとえて申しますと、現在の
職員をより高度に訓練する、教育する。それから、
予算面も
大蔵省と十分
打ち合わせまして、技術者に対する謝金等も十分払えるようにして、専門
機関等の
調査、鑑定を依頼することもいたしております。さっきお話しのバッジとか、あるいは
防衛庁の兵器などは日進月歩のものでありましょうけれども、そういうものに対応するべく、
職員も勉強していかなければならないと
考えております。なお、われわれも、
検査におきまして、技術面の、高度の専門的な点にまで入ることはなかなかむずかしいことでありまして、
防衛庁に匹敵するような
検査体制というものはなかなかできないと思うのでありますが、与えられた範囲内でできるだけやらなければならないと
考えております。われわれとしましても、なお力の足らない点は反省しなければならないと
考えるのでございますが、いろいろと御指導、御指摘を受けまして、今後もさらに充実した
検査をいたしたい。要は
検査に当たる者の心がまえと申しますか、正しいことは正しいとし、また、誤ったことはあくまでも是正させる、そういう気持ちが必要でございます。指摘事項が多いとか少ないということにこだわるのではなくて、やはりそういうふうな気持ちで
検査する。結局は、国の
経理全般がよくなればいいのでございますので、われわれとしましても、いままでのように、ただ単に不当事項のみを掲げるのでは十分でないと
考えております。たとえば、傾向的に見ますと、工事の不当事項では、セメントの配合が悪いとか、積算が悪いとか、そういうことが類型的に多いわけでありますが、これはだんだん減っていくのが当然の趨勢ではないかと思うのでございますので、さらに国費の経済的な効率の問題とか、国費が有効に
国民経済に寄与しているかどうかというような点までだんだん目を光らせなければいけないと
考えております。これは
国会の
先生方のいろいろな御指摘もございまして、われわれもその面でも勉強しつつある状況でございます。今後一そう努力いたしたいと思いますので、ひとつ十分御指導のほどをお願いしたいと思うのであります。