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内藤(良)
分科員 了解しました。
次に移ります。八郎潟の建設事業のことですが、これは四十三年度につきましても、干拓の基本
工事あるいは新農村の建設事業ということで、それぞれ強い要望によりまして、当局でもそれぞれ対処しておると私は聞いております。この点は一応省略しますけれども、実はこの八郎潟の干拓に関連しまして増反の問題であります。この増反問題につきましては、先般も和田
局長ともお会いしていますけれども、なお御質問したいと存じます。
八郎潟干拓の中央部に約二千
町歩の増反配分の
土地が予定されておりまして、これは八郎潟の周辺の八郎潟町、琴丘町、山本町、八竜村、琴浜村、この五ヵ町村の
関係住民の皆さんのたいへん期待するところでございます。
御存じのとおり、世紀の大事業として秋田県の八郎潟は干拓されまして、この大
工事を成功されて、しかも新農村の建設ということで、画期的な国の事業が行なわれておるわけであります。これは
地元の秋田県としてもたいへん喜んでおることでありますし、周辺の農民、漁民の皆さんも、若干の
被害はありましたけれども、喜んで協力してまいっておるわけであります。そこで私の言いたいのは、過去においては地先の増反配分の際には——地先の増反といいますのは、その町村の地続きに干拓された分が増反配分されるのでありますから、中央干拓地と全然違った場所にあるわけでありますけれども、この地先の増反の際は、三反歩以上のたんぼを持っている方が地先増反の配分の対象になったわけであります。ところが、今度中央の二千
町歩の増反が配分されるということで皆さんが期待しておるわけでありますが、いわゆる有資格者といいますか、有資格者となるものは七反歩以上のたんぼを持っている者にこれを限定する。漁民の皆さんは、これはもう無条件ゼロ反ですね。漁民の皆さんは漁業補償を受けましたけれども、これは特別な有資格者で、たんぼがなくとも対象にする、こういうことになっていますけれども、農民の皆さんは、七反歩以上でなくてはならない、こういうことになっておると聞いております。これに対して
地元の
関係の住民の皆さんは非常に不満であります。長年の間干拓ということでいろいろ喜んでおりまして、何らかの恩恵があるのではないかとほのぼのとした期待を持っております。
ここで私一言申し上げたいことがございますが、いま中央の大干拓地帯、新農村の建設事業、これも農民には開放されておりますけれども、入植者には条件がございまして、なかなか高い条件でありますので、一般の農民の皆さんがだれでも参加できるわけじゃありません。また、
面積もきまっております。五
町歩、七町五反歩、十
町歩、こういう大型の農業経営をやろう、こういうわけでありまして、入植者も希望者は全国にまたがっておりまして、毎年予定人員を上回る何倍という希望者があって試験が実施されておる、こういう狭き門でありまして、これではなかなか一般の零細農民の皆さんは参加する機会はないのであります。そこで、この増反配分の分に対して非常に期待を持っているわけであります。ところが、先般和田
局長とお
話し合いした際には、やはり自立農業というものを一つのめどに置いているのであるから、私たちは、あまりこまい農家の皆さんは増反の配分の対象にしたくないというようなことでございました。しかし、私振り返ってみまするに、農業構造改善事業ということが論議されまして設けられました際には、あの当時三十七年ころでございましたか、自作農は大体二町五反歩くらいというように考えておりました。ところが、今日にまいりまして、八郎潟の新農村建設のあの事業を見ましても、五
町歩、七町五反、十
町歩、こういう大型になってきておる。現実、秋田県内の農村の事情を見ましても、二町五反、三
町歩つくっておる方でも農業というものはなかなか自立ができないために、出かせぎにたいへん来ておる、こういう実情であります。自立農業というのはどこへ線を引いていいか、私はいまなかなか困難な時期じゃないかと思うのです。そういう時期にあって、この増反配分を七反歩以上ということで制限を加えておるということは、ちょっと私は、理想としてはわかるけれども、実情に合わないのじゃないか、こう思うのであります。しかも、特に強調したいのは、自作農をこしらえる、できるだけ自作農を多くしよう、こういうお考えもわかりますけれども、
たてまえはわかるけれども、いわゆる八郎潟の周辺の五ヵ町村の実情は、農民の諸君は長年待っておったのでありますから、何か
土地の配分があるのではないか、こういう期待に燃えておったのであります。それが三反歩以上ではだめであって、七反歩以上でなければだめだということになったわけでありますから、ここは非常にふんまんを持っておるわけであります。私は、これは自作農維持創設するという
たてまえではなくして、世紀の大事業の八郎潟の干拓、新農村の建設、こういうことで周辺の湖岸の農民の皆さんの長い間の希望、あるいは大きな協力、こういうものに対してのあたたかい政治の一それこそ政治の配分といいますか、こういうことが最も実情に即した
やり方ではないかと思うわけであります。この点につきまして、私は議論をふっかけているわけじゃありませんが、どうか農林当局は、
大臣はじめ
関係局長の皆さんのもっと別の角度の、ほんとうに秋田の
関係農民の皆さんが、なるほどと——特に強調したいのは、
西村大臣は新しい
大臣ですから、
西村農政、なるほどと思われるようなことを、この際ひとつやっていただきたいと思うわけであります。この点いかがでございますか、ひとつ御答弁願います。