○神門
分科員 鳥取県の出身でありますから、過疎問題が十分認識されていて、いろいろお考えになっておるようであります。ただ、人口流動も外国にあるようでありますが、私も、この人口流出問題については、何年間か島大の先生方と取り組んだことがありますが、いわゆる過密と過疎といわれるのは、
計画的な流動なり人口流出、あるいは集中そのものに対する受け入れ態勢がないときにこの矛盾が生まれる。特に日本のような状態というのはどうも世界にないようだ。そこに都市問題なり過疎問題といわれる質的な問題、量的な移動なしに質的な移動が起こるのだ、こう思うのです。まあ、さいはてのブームということで、あのリュックサックを背負って来ているのは、
東京の人間なり大阪の人間が来ているので、その人
たちが落とすことによって観光ブーム的にもうかっておるのは、
大臣の地元の大山ぐらいじゃないですか。どうも私どもの大社のほうは、そんなことであまりもうかっていないようです。そういうようなことでは過疎問題の解決にはならないし、名案があるならば積極的に受け入れたいということですから、ひとつこれからいろいろ出してみます。
〔登坂
主査代理退席、
主査席〕
しかし、この問題は、自治
大臣が全部責任を持たれることとしては、いまの縦割り制度の行政の中ではなかなかむずかしいと思うのだが、しかし、過疎問題といってやっていく行政機関としては、どうしても自治
大臣がその矢面に立たにゃならぬだろう、こういうふうに思いますので、あらゆる行政機関に
関係することではありますが、ひとつ
大臣のほうで、この際、
大臣の任期中にやってもらわなければならぬと思うのです。もう二、三年あると思うので、その二、三年の中ではぜひとも解決をしていくようにお願いをしておきたいと思うのです。
あの人口過疎地区関連
公共施設整備調査報告書というのが四十二年の三月に出ておりますね。これは政府としては初めてこういう過疎地域の調査をおやりになって、まあ謙虚に言っておりますように、十分調査したものではないから不完全である、こういうふうなことは言っておられますが、初めてのことであって、いわゆる過疎問題に対して目が向けられ始めたということ、こういうふうなことについても敬意を表します。しかし、その中にもあるように、過疎問題についての
対策というのがほとんどないということ。いま
大臣は、いろいろ考えているとおっしゃるけれども、ほとんどないということが、この自治
大臣官房企画室——おそらく
大臣の下部機関だと思うのですが、そこの企画室から出た報告書の中には書いてあるのです。その報告書の中の一つ、「人口・
産業の動態」で「人口の減少に対応しては行
財政需要の減少が伴わない」、こういう一つの過疎地域における特徴的な行
財政の
関係を言っております。それが
大臣のおっしゃった中に一つあったと思うし、もう一つは、「
公共施設」という項で、「過疎現象が顕在化している地域においては、一戸当り、一人当りの負担が極度に過重になり、一方町村の行
財政はその肩代わり」とするには「弱体であり、
公共施設の荒廃を招いている」こういうふうなくだりがあるのです。そこで、これまでの
地方交付税のいまの操作の面において、たとえば段階的
補正係数の緩和等において
努力をしておるということが、この報告書にも出ておりますが、この
程度では、いまの報告書の前段にある、実態調査の中から出ましたいわゆる
財政負担、過疎によるところの一戸、一人当たりの過重、より弱体化する自治体がこの過疎問題に取り組むにはどうしようもないということが出ているわけですから、この
補正係数の緩和というふうなことについてひとつ何とか
大臣のほうで御
努力をいただければ、この名案の一つになるんです。これをやってもらいたいわけです。
それから、人口急減
補正の逓減率の適用の緩和
措置、こういうようなこともひとつ
大臣のほうで積極的なこれに対して——ことしも
予算がきまったもようでありますが、何か総合
予算主義ではあるが、ひとつ
補正予算を組ますようなつもりで、
大臣のほうからこの問題に取っ組んでいただきたいと思います。
それから、こういう問題についてはどうでしょうか。あまり一つ一つ尋ねていくと時間がなくなるかもわかりませんが、それからもう一つ辺地債の問題について。辺地債の対象
事業というのは去年の六月に拡大をされました。これは非常にありがたいと思っております。が、この拡大はされても、問題は銭なんです。
予算のワクがないと、これが十分うるおうことができません。ことしはこのワクの拡大について、
財政硬直化といわれる中で、対前年度どういうふうな
努力がこの過疎問題に対してされているのだろうか。それから、それに対する適用基準の緩和、こういうことについてもひとつ何らかの
努力をしてもらいたい。また現在そういうようなことをお考えになっているのだろうか。あるいは公共
事業に対して——あの離島
振興法というのは私は画期的な法律だと思うのです。過疎地域は行政単位、公共団体単位じゃないのですが、確かに非常にむずかしい問題ではあると思いますが、これも地域傾斜配分というものを——これは
あとでちょっと申し上げたいと思いますが、指定をして、離島
振興法並みの——そこにはいわゆる社会問題を起こしておるわけですから、公共
事業に対するところの補助率を引き上げるというようなことについては、どういうふうにお考えになっているのか。またそれはやってもらいたいことなんです。
それから島根県は、鳥取県も一緒だと思うのですが、日本一の老人県なんです。日本一平均年齢が高いのです。やはり年をとると子供も生まないらしくて、日本一子供が生まれないのです。ますます老朽化現象の中には、病人が出てくるのです。そういうことによって、健保の負担というふうなものも、
住民、自治体が非常に苦労している。こういうような特殊事情を考えて、いわゆる過疎地域における老朽化現象、貧困化現象というような中で、この
国民健康保険
事業に対する補助率を、これは全般的でなしに、何か特別の
配慮をしてもらうと、その点については非常に助かるのじゃないかと思うのです。
それから医師の確保ですね。これは、私どもデータをもって調べてみたのですが、県下には四十九の
国民健康保険診療所があるのです。その中の五つは医者がおりません。またその二十九には、交通の便がよくなったというようなことで開店閉業でとめられております。四十九のうちで三十四が、診療所としての医者がおらないというのが原因で、開店閉業の状態になっている。それから五百人以上の人口の地域で
設置しなければならない個所が十四カ所もあります。それが公共団体の負担増の限界にきて、どうにもならぬというような問題。そこに美都町という町がありますが、そこで七十万円の巡回診療車を一台買っております。診療車を一台購入して、このときに国庫補助を七十万円のところを六十万円出してもらっている。これは非常にありがたいのですが、ところが年間の維持質が二十万円も要るのですね。そこの厚生費の約三割ぐらいをここで使ってしまう。こういうようなことで、地方自治法の第二条に規定するような、
住民の安全健康を守るというようなことからおよそほど遠いというような状態があるのです。ですから、そういうような現実を見て、何かの
国民健康保険
事業に対する助成
措置、補助率の引き上げ、あるいはこれは属人的な問題であって、なかなか問題があると思うのですが、何とか医者を確保する。これはいわゆる人道上の問題でありますから、そういうような点についてまず
配慮してもらえば、解決の一つのめどになるのじゃないだろうか。
それから各種制度資金の中で、特に農林業ですね、それにかかわるものは、対象
事業の基準なり、あるいは利率の引き下げを行なう意思はないか。償還期限が非常に短いために実効をもたらしていないのですね。そういうような現在ある制度内で何らか当面の
措置を講じてもらうと、抜本的なものにはならぬだろうけれども、方法があるのじゃないかというふうに考えるが、どうでしょう。名案があればということですが、名案をいまから出しますが、とりあえずこれだけのお答えを願います。