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北山委員 このことは分科会でもお話をしたとおりです。私はいろいろ
財政法の本も調べてみました。前に
財政法が、
昭和二十三年ですか、
成立をしましたときの
大蔵省の主計のほうの担当の平井さんの著書、あるいは明治
憲法時代のいわゆる会計法でありますが、清宮四郎氏の著書、あるいは杉村章
三郎教授の著書、みないろいろ見ましたが、やはり
財政法第十五条の一項の
国庫債務負担行為というのは、具体的な事項に特定されてなければならないんだというのが通説なわけです。それを、ほかの省庁では大体その
趣旨に従っておるのに、防衛庁についてはものすごいですよ。器材整備なんというものは項にまたがっておる。防衛本庁と研究開発費両方にまたがったものを
一緒くたに何十件もやって、そして千三百十一億という一本のものでもって、一つの事項としてあげておるわけです。それを私調べてみたところが、これは調査しなければわからぬのですが、器材整備本
年度の分が千三百十一億、その中にナイキが三百十八億、ホークが三百九十五億、三十五ミリ高射機関砲が百十億、航空機
関係が二百四十八億、研究開発費が九十二億、その他百四十六億、その他というのは戦車、小銃、バッジ
関係もありますよ。そこで、この
委員会でもこのバッジの問題なり研究開発費の問題が出まして、増田
防衛庁長官は、一つの契約の金額というものがどんどんふえていく、百三十億が二百五十三億に、契約した金額がだんだんふえていくしかけになっておっても
財政法違反ではないそうだ、こういったような珍答弁をやったのです。
防衛庁長官自身がそんなことを言っているのです。それは、しかけはここにあるのですよ。結局バッジが百三十億だという議決をとっておれば、これを改める際にはさらに議決をしなければならぬ。ところが、それを器材整備という膨大なワクの中でやりますから、内訳がないわけですから、
国会の中じゃわからないのですよ。ですから、研究開発費をこっちへ持っていったり、ナイキをホークへ持っていったり、そういうことがされてもしようがないような仕組みになっているのですよ、この
予算の
形式が。われわれが追及をし、調査をすれば、やっとこういうことがわかってくるわけです。まだ研究開発費にしてもバッジにしても、あのようにこの
委員会でわれわれの同僚議員が追及すればやっとその数字が出てくる、こういうことであってはいけない。こういう
国庫債務負担行為というやり方がそういう問題の温床になっているわけなんですから、そういう点は
大蔵省でも防衛庁でもよく考えて、そして今後は、
予算の重要な
形式の問題でありますから、
財政法を正しく守って
予算案をつくる、十分な
説明資料もつけるというような形で、今後
政府としても従来の悪い慣行というものを改めてもらいたい、こういうことをさらに
要求いたしておきます。
それからなお、この際、
予算委員長にお願いをするのでありますけれども、この
委員会でも、私だけじゃなくて、各
委員の方々から
財政法に関する問題がたくさん出たわけであります。単に問題は、
国庫債務負担行為だけではありません。そのほか繰り越し明許、いわゆる財政の繰り延べですね、これなんかについても、はたして現在のあの繰り越し明許の制度を利用するのが合法的かどうかという問題もあります。予備費の問題もあります。いろいろ——あるいは添付資料の問題もありますから、これは単に
政府側で直す問題だけではなくて、やはり
国会として
予算委員会の中での
審議に重大な
関係があるわけであります。したがって、
国会の立場からも、
予算委員会の立場からも、従来の
予算審議のあり方、やり方というものをもっともっと改善する、ほんとうに
国会が国民に負託された職責を果たす、重要な
予算審議を正しく行なう、しかも財政民主主義というものを実行するということで、
政府にも改めてもらいたいのでありますが、
国会の
審議としても今後改善を要する点がありはしないか。これはどこでやるわけではなくて、やはりこの
委員会で、このやり方についてはお互いに相談をしてきめるべきじゃないか、こう思いますので、ひとつ
理事会等でこの問題をお取り上げを願って、常設の調査
委員会をつくるなり、そういうことでひとつ
予算制度並びに
国会の
予算審議の改善のために、
委員長としても御努力を願いたいということをお願い申し上げておきますが、いかがでしょうか。