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楢崎委員 私は何回も言うように、本来
計画自体を問題にしておるのであって、
大蔵省の
査定を受けたかどうかを問題にしているんじゃないんですよ。いいですか、それは明確にしておきたいと思います。
そこで、私は、この中に数々のこの種の問題がたくさん含まれておりますが、これを言っておると時間がありませんから、いずれ詳細については、
資料が出てまいって、それを果たしたいと存じますが、冒頭申しました、私が一番問題にしておる
研究項目、つまり、
金額でするならば四億のこの問題であります。
そこで、まず、昨日お
伺いをしたわけですが、中国の核脅威に備えて、
アメリカでは
ABM体系、当面薄い
ABM体系を設置する。
費用は約五十億ドル。これは完全に重いやつにすれば五百億ドルということがいわれております。
そこで、この
ABM体系は、御承知のとおり、
ミサイル弾頭、それからレーダー、それから電子計算機のコンピューター、この三つからなって初めて効力を持つものであります。すなわち、その三つよりなっておるものが
ABM体系というやつであります。レーダーには二種類あります。大陸間弾道弾が、ICBMが飛んでいく、発射された、それをまず探知するレーダーであります。それから今度は、立ちらからアンチ
ミサイル・
ミサイルを発射し、それを追っていく、誘導するレーダー、これが大きく分けて二つ要ります。そして、このアンチ
ミサイル・
ミサイルを
アメリカで最初に
開発し、すでにクエゼリン島で実験を済まして成功したといわれております。例の
ナイキジュースがAMMというやつであります。そして、それがさらに改良されて、大気圏外用のスパルタンがいま
開発中であります。大気圏内用のスプリントはこれはすでに実験
段階であります。スパルタンはまだ
開発中であります。そして、このAMM、
ナイキジュースもスパルタンもスプリントも、あるいはより短距離のやつも、いまちょっと私名前を忘れておりますが、それもすでに
開発中であります。すべてこれ核弾頭であります。核弾頭でなくては役に立たないのです。なぜならば、これは飛んでくる核
兵器、ICBMなりIRBM、これを途中で迎撃をする
ミサイルでありますから、ちょうど都合よく会うならば、こちらだって、迎えるほうだって普通の弾頭でいいかもしれないが、いまの
技術では、そういうことはできないのです。だから、この弾道弾の三キロ以内にアンチ
ミサイル・
ミサイルが飛んでいって、そこで核爆発をすることによって迎撃しようという
兵器なんです。核
兵器なんです。これを、飛んでくるほうは核弾頭であって、迎えるほうは普通弾頭を考えますなんてよもやあなたはおっしゃらないと思いますけれ
ども、そういうことを言ったって通じませんです。AMMが核そのものであるというくらいのことは、もうどこに聞いたってはっきりしておるのです。
それを私が問題にしましたこの
計画の中であなた方は出しております。AMM、これは四十二年からいわゆる
所内研究に入る、そして四十六
年度に初めて
研究試作に入る、この
費用は一億、四十七年以降はこの
所内研究の経過を待って
決定する、こう
計画ではなっておるのです。そして、先ほど申しましたように、これはたまだけでございますから、体系としてはレーダーが要ります。コンピューターが要ります。それに必要なレーダーあるいはコンピューターが用意されております。申し上げましょう。これは
低空域レーダー、見通し外の約四百マイルから千マイル、効用はある飛しょう体を探知する早期警戒用レーダー、高性能のレーダーであります。これは現在
アメリカで用意されつつある
ABM体系で言いますならば、これはPARに相当するものであろうと私は思います。そしてさらに、このAMMを飛ばすところの高性能のエンジン、これも
研究の中に入れられております。そして私の計算によると、問題になりそうな、いま言ったような
ABM体系、AMMに
関係するものは、本日出てまいった
資料から故意にこれを除外し、除外したものの
費用の総計が四億になるのです。そして、私が明らかにしたような、いままで
指摘しましたように、この
研究はあなたは先ほど何とおっしゃいましたか。
ASMの場合に私が
指摘した
金額と
局長が言っておる
金額と違うというのはなぜかというと、いいですか、あなたがさつき言ったとおり言いますよ。つまり、四十一年の四月
段階のものは二兆六千九百億の三次防の
金額であった。それを
大蔵省と折衝したら二兆三千四百億に削られた。だからその
金額の相違が出てきたんだとあなたは説明なさいました。したがって、四十一年四月の
段階で
決定されたこの
計画は、核
兵器たるAMM体系を入れて二兆六千九百億、こういう
計画の中に入っておったということではありませんか。いまさら、きのう徹夜をしてその分だけ抜けてきたってだめです。
国民の疑惑はそれでは晴れませんよ。絶対に晴れませんよ。いまさらあなたは、AMMを、核弾頭でないやつを
研究するなんというようなばかなことはおっしゃらないと思いますが、どうですか。