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1968-04-25 第58回国会 衆議院 本会議 第28号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年四月二十五日(木曜日)     —————————————  議事日程 第二十号   昭和四十三年四月二十五日     午後二時開議  第一 石炭鉱害賠償担保等臨時措置法の一部を   改正する法律案内閣提出)  第二 恩給法等の一部を改正する法律案内閣   提出)  第三 日本万国博覧会準備及び運営のために   必要な特別措置に関する法律の一部を改正す   る法律案内閣提出)  第四 港湾整備緊急措置法の一部を改正する法   律案内閣提出)  第五 魚価安定基金解散に関する法律案(内   閣提出)  第六 関税及び貿易に関する一般協定のジュネ   ーヴ議定書(千九百六十七年)及び関係交換   公文締結について承認を求めるの件  第七 関税及び貿易に関する一般協定第六条の   実施に関する協定締結について承認を求め   るの件  第八 千九百六十七年の国際穀物協定締結に   ついて承認を求めるの件  第九 交付税及び譲与税配付金特別会計法の一   部を改正する法律案内閣提出)     ————————————— ○本日の会議に付した案件  地方公務員法の一部を改正する法律案内閣提   出)の趣旨説明及び質疑  日程第一 石炭鉱害賠償担保等臨時措置法の一   部を改正する法律案内閣提出)  日程第二 恩給法等の一部を改正する法律案   (内閣提出)  日程第三 日本万国博覧会準備及び運営のた   めに必要な特別措置に関する法律の一部を改   正する法律案内閣提出)  日程第四 港湾整備緊急措置法の一部を改正す   る法律案内閣提出)  日程第五 魚価安定基金解散に関する法律案   (内閣提出)  日程第六 関税及び貿易に関する一般協定のジ   ュネーヴ議定書(千九百六十七年)及び関係   交換公文締結について承認を求めるの件  日程第七 関税及び貿易に関する一般協定第六   条の実施に関する協定締結について承認を   求めるの件  日程第八 千九百六十七年の国際穀物協定の締   結について承認を求めるの件  日程第九 交付税及び譲与税配付金特別会計法   の一部を改正する法律案内閣提出)  消費者保護基本法案砂田重民君外二十四名提   出)     午後二時十六分開議
  2. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) これより会議を開きます。      ————◇—————  地方公務員法の一部を改正する法律案内閣提出)の趣旨説明
  3. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 内閣提出地方公務員法の一部を改正する法律案について、趣旨説明を求めます。自治大臣赤澤正道君。   〔国務大臣赤澤正道登壇
  4. 赤澤正道

    国務大臣赤澤正道君) 地方公務員法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。  第一は、職員身分変動の重要な態様である離職につきまして、従来地方公務員法の中に統一的な規定がないため、その運用に関して疑義もありましたので、今回職員離職に関する規定を整備することとしたものであります。すなわち、職員離職態様として分限免職懲戒免職、失職、定年退職任期満了退職及び辞職があることを明らかにするとともに、職員離職の事由、手続及び効果については、法律に特別の定めがある場合のほか、条例で定めることとするものであります。  昭和二十五年に地方公務員法が制定される以前には、相当数地方公共団体定年制を設けていたにもかかわらず、同法施行後においては、定年制を設けることは解釈上疑義があり、定年制を廃止せざるを得ないこととなった結果、地方公共団体の中には、職員の新陳代謝が行なわれず、人事の停滞に悩んでいる団体が多数存在しているところであります。  一方、民間企業においては、広く定年制実施されているところであり、また、地方制度調査会公務員制度調査会等政府関係の各調査会は、定年制必要性を認めており、さらに、地方公共団体からも定年制実施の要望が再三にわたって繰り返されているところであります。この法律案によって地方公共団体定年制を採用することが、地方公務員法上可能であることが明らかになり、地方団体が、人事管理適正化のために、その必要性を認めた場合、条例により定年退職制度を採用することができることとなるものであります。  第二は、定年退職者退職後の生活保障及び高年労働力活用見地から、地方公共団体定年退職者を特定の業務に期間を定めて再雇用する場合には、これらの者を特別職職員として弾力的に活用することとし、あわせて定年退職後の再雇用職員は、地方公務員共済組合組合員でないこととし、退職年金等支給を受けながら勤務することができるよう措置するものであります。  以上が地方公務員法の一部を改正する法律案趣旨であります。(拍手)      ————◇—————  地方公務員法の一部を改正する法律案内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
  5. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) ただいまの趣旨説明に対して質疑の通告があります。これを許します。山口鶴男君。   〔山口鶴男登壇
  6. 山口鶴男

    山口鶴男君 私は、日本社会党を代表し、地方公務員法の一部を改正する法律案につき、若干の質問をいたします。  佐藤内閣が誕生以来すでに三年五カ月の月日が流れました。この間、佐藤総理は、社会開発人間尊重をはじめ、数々の美辞麗句、りっぱな公約国民に語りかけました。臨時行政調査会答申に対しては、「答申を尊重し、勇断をもって臨む気持ちに変わりはない」と言い、選挙制度審議会答申に対しても、「政治資金規正法改正にあたっては答申を尊重し、骨抜きどころか小骨一本抜くことはしない」と、この本会議場で大みえを切ったのであります。残念ながら、佐藤総理の言う勇断は、勇断にあらずして、優柔不断であり、政策なくして無策であったことは、その後の事実が明白に示しているではありませんか。(拍手政治資金規正法改正について総理がいかに公約を無視したかは、明日この本会議場で議論せられるでありましょう。私がここで問題にいたしたいのは、−地方公務員法の一部改正案、すなわち地方公務員定年制法案扱いについてであります。  去る昭和四十一年三月十日、当時、地方公務員定年制法案国会上程が伝えられた際、わが党は、定年制法案公務員制度基本に関する事項の改変である以上、公務員制度審議会諮問し、慎重に扱うべきである旨を政府申し入れたのであります。このため、政府は、翌日の閣議において、国家公務員定年制問題を含め、公務員制度審議会意見を聞くこととし、三月二十八日、第十回会議に、当時の安井総務長官が、公務員定年制に関する問題について審議会意見を伺いたい、との申し入れを行ない、これを受けた審議会は、運営小委員会でその扱い検討することになった経過は、よもや政府はお忘れではないでありましょう。その後、つまみ食い答申強行の結果、公務員制度審議会が中断し、今日に至っていることは、あげて政府責任であることも、総理は、事実として否定し得ないと存じます。  地方公務員定年制に関し、公務員制度審議会は、何らの意見、何らの答申も出していない。いな、出すことができない状態にあるのであります。しかるに、今回、かかる経過を無視し、公党間の約束を踏みにじり、突如として地方公務員法の一部改正案国会提出したことは、重大な背信行為と断ぜざるを得ません。(拍手佐藤総理政治責任を追及し、その反省を求め、誠意ある答弁を要求いたします。  さらに、この法律案にはぬぐうべからざる大きな欠陥があることを指摘せざるを得ません。  すなわち、定年退職後、再雇用された者に、地方公務員等共済組合退職年金支給の道を開くことによって、再雇用者賃金を従来の六割程度で済まそうとしている。地方公務員諸君が薄給の中から積み立てた資金を使って、安あがり行政を企図しているという点であります。このこと自体、きわめて不当でありますが、この諮問を受けた社会保障制度審議会は、かような案が政府部内においてまとまったことは理解に苦しむ、全く他を顧みない短見である、定年制を導入した地方団体は、人件費上明らかな利益を得る、しかも、それが公務員の拠出を加えた地方共済の負担に転嫁されることは全く筋を誤るものである、との答申を行なっているではありませんか。  さきに政府は、国立病院特別会計法改正案作成の過程で、社会保障制度審議会諮問を行なわず、国会で問題となったのでありますが、いままた政府は、地方公務員定年制法案において、社会保障制度審議会答申を一方的に踏みにじる行為を行なったのであります。総務長官は、なぜ総理府社会保障制度審議会答申閣議において無視されることを傍観したのか、また、答申を受けた自治大臣は、権威ある社会保障制度審議会を無視したのか、明確な答弁を求める次第であります。(拍手)  次に、お尋ねしたいのは、公務員公平の原則についてであります。  今回の定年制は、地方公務員のみを対象とし、国家公務員には触れておりません。ところで、昨年の国家公務員年齢構成調査によれば、五十六歳以上の比率は七・三%に達しています。地方公務員はどうであるか。地方公務員定年制推進者と伝えられる全国市長会の資料によっても、都道府県職員のそれは四・三%、六大都市は四・二%、市は五・八%、町村は六・六%であって、いずれも、国家公務員より、高年齢者ははるかに少ないという数字が出ているのであります。しかるに、人事院総裁総務長官は、国家公務員定年制は現在考えていないとのことでありますが、いかがでしょうか、佐藤総理、なぜ高年齢者の少ない地方公務員にのみ定年制実施しようとするのですか。同じ佐藤でありながら、一方の佐藤は甘く、一方の佐藤はまさに辛いといわねばなりません。  国家公務員の中でも、高級官僚、エリートと呼ばれる人たちは、民間会社をはじめ、公社公団への天下りの道が大きく開かれています。昭和四十二年、人事院民間会社営利会社への就職承認した数は百二十三件にも達しています。公社公団常勤役員百七十六名中、公務員天下りは八十二名、半数に達しており、月給四十万円、三十五万円という高給、優雅な生活への道が黒い霧を振りまきながら保障されているのであります。国民の公僕として、住民サービスのために黙々と働いている一般地方公務員だけが、なぜ冷酷な定年制に泣かなければならないのでありましょう。  地方公務員法は、地方公務員国家公務員に準ずると規定し、第二十四条は、勤務条件を定めるにあたっては、国家公務員との間に権衡を失してはならないと明記されております。総理並びに自治大臣、なぜかかる違法な差別を行なうのでありますか、答弁を要求いたします。  次に、中高年齢層雇用対策についてお伺いいたします。  統計によれば、新規学卒就職者の数は年々減少し、昭和四十二年三月卒の百四十八万人に対し、昭和五十年は百十七万人と、三十万以上の減少見込みであり、今後十五年、二十年後は、若年労働力のみならず、わが国労働力は大いに逼迫することが予見されるのであります。わが国経済が成長を続けていくためには、この労働力不足をいかにして打開するかは、きわめて大きな課題であるといわなければなりません。  すでに、先進諸国においては、定年が延長され、定年公的老齢年金受給開始年齢と合わされているのであります。また、アメリカなどでは、民間定年六十五歳であるのに、公務員定年は七十歳まで引き上げられておる実情であります。労働大臣雇用対策責任者として、民間定年制問題、高年齢者雇用機会を確保するため、いかなる措置をとっているか。また、中高年齢者雇用促進と、この定年制法案との間に大きな矛盾を感じませんか、お伺いいたします。  この際、地方公務員給与についてお尋ねいたします。  昭和四十三年度予算は、補正なし予算を前提として編成され、国家公務員給与改定財源予備費一千二百億円の中に計上され、地方公務員の場合は、昭和四十三年度地方財政計画の中で、一般行政費の中に、災害百億、給与改定七百五十億円として計上されています。国家公務員給与改定人事院勧告を尊重して実施された場合、財源措置がきわめて不十分な地方に対し、当然、不足財源は、地方財政計画の変更、地方交付税法改正によって措置すべきであります。この点に対し、大蔵大臣自治大臣見解をお尋ねいたします。  ところで、昭和四十三年度予算五兆八千百八十五億九千八百四十一万四千円を評し、わが党の横山議員は、「イヤイヤゴーハクヤシイヨ」、いやいや行くのはくやしいよ予算であると喝破されました。地方公務員定年制法案は、いやいや首切りくやしいよ法案というべきであります。昭和四十三年度の佐藤内閣政治姿勢を象徴する法案というべきであります。  佐藤総理、あなたは人間尊重政治国民公約をいたしたはずであります。しかるに、心身障害児をはじめ、児童の福祉対策はおくれ、老人福祉もなおざりにされています。いま東京で六十五歳以上のお年寄りは五十万人にのぼるといわれ、その一%の方々老人ホームに入所されておられます。身寄りのないお年寄りの中には、戦争やあるいは戦災で子弟を失った方々が相当な部分を占めている事実を御存じですか。定年制実施された場合、生活設計が瓦解し、灰色の人生、いな暗黒の人生を歩まなければならないお年寄りを増加させることは確実であります。「最もあわれな大正生まれ」ということばがございます。自治省のいう五十七、八歳の定年実施された場合、これに直ちに該当するのは明治末期生まれであり、やがて該当するのは大正初年生まれ方々であります。これらの方々は、青年期壮年期戦争と戦後の混乱の中に過ごし、このため心ならずも離職を迫られ、転々とした職業歴をたどらざるを得なかったのであります。戦争によって男女ともに結婚がおくれ、子女が若年の場合も多いのであります。このあわれな明治末期大正初年生まれ人たちが、定年によって所得が中断され、退職年金受給資格もないままに職場から追放せられるのであります。  公務員制度審議会結論を得ないばかりか、社会保障制度審議会答申をも無視し、総理みずからの公約である人間尊重の理念に反する地方公務員定年制法案地方公務員法の一部を改正する法律案は、国民公党に対する背信行為であり、直ちに撤回すべきであります。(拍手)  佐藤総理反省を求め、その決意をただして、私の質問を終わります。(拍手)   〔内閣総理大臣佐藤榮作登壇
  7. 佐藤榮作

    内閣総理大臣佐藤榮作君) 山口君にお答えいたします。  去る四十一年三月に社会党から、この地方公務員定年制についての申し入れ、これは確かにございました。そのとおりの経過でございます。しかし、政府自身は、この定年制を考える場合に、いわゆる公務員制度審議会にかけなければならない事項、かようには考えておりません。このたび、政府責任におきまして、この法案を提案いたしておりますから、どうか十分委員会等におきまして論議を尽くしていただきたい、かようにお願いをいたします。  そうしてこれは、私が申し上げるまでもなく、地方公共団体人事管理適正化のために定年制を設けることができるようにするという、まあいわゆる授権立法でございます。このことは、すでに地方団体の要請もありますし、また各種の審議会等も同様の意見でございます。したがいまして、できるだけ早い機会に成立させたい、かように私は考えております。これを撤回するような考え方はございません。  次に、国家公務員地方公務員との年齢構成を比べてみると、むしろ国家公務員のほうが高いではないかというお話でありますが、ただいまおとりになりましたのは地方公共団体平均年齢でございまして、私は、全国の多数の地方公共団体平均年齢国家公務員を比べることは不適当だと思います。むしろ、個々の地方公共団体とそうして国とこれを比べるならば、そこに意義があるのであります。したがいまして、地方公共団体のうちには国よりも高年齢層の多い地方自治体があるのでありまして、こういうところにおきましては定年制を必要とするところでございます。したがいまして、私どもはこの法案によりまして定年を幾らにするというのではありません。定年制の道を開くこと、いわゆるそういう道を開いて人事管理適正化をはかるということ、これが私は必要なことだと思います。いわゆる公務員の公平の原則に反する、こういうお話でございます。が、そういうような問題ではありません。  また、最後お話がありましたように、この定年制施行によっては、人によって生活設計にたいへんな狂いを生ずる、そういうことを十分考えなければならぬじゃないかという御指摘でございます。そのとおりのこともあろうと思います。しかし、私が今日定年制を考えるというのは、組織の能率化をはかる人事管理の必要から採用するのでありまして、退職する職員に対する処遇については、これは別個に考えるべき問題だと思います。定年制定年制、また同時に、退職する方々に対する生活設計等に支障を来たさないようにするのは、これまた別の問題として考えるべきだと思います。また、法案におきましても再雇用制度を採用いたしております。したがいまして、今後とも行政指導等の面でなお十分これらの点について遺憾なきように期してまいるつもりでございます。それぞれの事情に即して解決をはかること、これは当然であります。  さような法案でございますから、ただいまこの法案を撤回する考えはございません。(拍手)   〔国務大臣赤澤正道登壇
  8. 赤澤正道

    国務大臣赤澤正道君) お答えいたします。  公務員制度審議会との関係についてでございますが、当時の総務長官としては、本来の諮問事項として諮問したものではなくて、たまたま公務員制度審議会が開かれておったので、ちょっと御意見を聞いたまでである。これは速記録によって私は調べております。審議会はその取り扱い運営小委員会検討にゆだねることとされたのでありますが、その後は小委員会も行なわれず、その取り扱いについて結論が出ないまま終わっております。したがいまして、審議会の経緯など諸般の状況をも考慮の上、本案を提出したものであります。  そもそも、公務員制度審議会審議事項は、総理府設置法規定されているとおり、公務員などの労働関係基本に関する事項でありまして、労働関係基本とは、労働関係のあり方、仕組みをさすものであります。離職の一つの態様である定年制は、公務員制度審議会審議事項ではないとの見解を、私どもは当初から持っておったものであります。したがいまして、公党約束を破った云々ということもございましたけれども、私どもはそういうふうに考えておりません。総理が申しましたように、政府責任においてこの法案提出しておるわけでございます。  再雇用職員に対しては地方公務員等共済組合法を適用しないことといたしました結果、再雇用期間中であっても退職年金支給は受けられます。が、これは次の理由及び再雇用期間の中の生活保障の面からも、かえって得策であると考えております。  その意味は、退職者退職後の状況を見ます。と、自家営業または自宅に引退する方々、それから民間企業に再就職なさる方々退職した地方公共団体に非常勤の顧問、嘱託として再就職なさる方々が普通の形態になっております。このいずれの場合でありましても、共済法は適用されず、年金支給されることとなりますので、これらの均衡を考慮する必要があります。しかし、社会保障制度審議会答申では、在職老齢年金制度等について指摘されておるところでありまして、今回は、とりあえず定年制施行時に在職する職員定年退職し再雇用された場合における当分の間の暫定的な措置としたものであります。今後答申趣旨を十分に検討の上、善処してまいりたいと考えております。決してこの審議会を無視したなどということではございません。  公務員制度は、国と地方公共団体と同様の状態にあるものにつきましては同じような制度とし、その運用については権衡を失しないよう適当な考慮を払うべきものであることは当然であります。国と地方と同じ状況にないものにつきましては、それに応じて異なった制度がとらるべきものであると考えます。定年制について申しますれば、各地方公共団体条例定年制を採用し得るように法律上の道を開くことによって、初めて法律定年制を採用し得る現行国家公務員制度と同列に並んだことになると考えております。  次に、諸外国での定年年齢はもっと高いではないかという御指摘でございました。諸外国での定年年齢は確かに高いです。それは、定年年齢を決定するための諸条件が異なっておるからであると考えます。なお、わが国民間企業における現在の定年年齢は五十五歳が一般的でありますから、五十七、八歳という定年年齢は比較的高いものと言い得るのではないかと考えております。  給与に関しての地方財政計画についての御質問でございましたので、この面をお答えいたします。国家公務員給与改定に準じて行なわれる地方公務員給与改定に必要な経費は、現年度発生災害に伴う災害応急事業費などの追加需要に要する財源と合わせて八百五十億円を地財計画に包括計上し、地方交付税の算定を通じて措置することといたしております。現段階におきましては、人事院給与改定勧告がどのような姿で出されるのか予測はできませんが、人事院勧告実施についての政府の態度をきめる際には、地方団体におきましても国に準じた給与改定実施できるよう、適切な措置をとりたいと考えております。  次に、定年退職後の生活についてお触れになりました。当然のことでございますが、これは総理最後お触れになったとおりでございます。戦後すでに二十三年が経過しておりまして、戦後しばらくして公務員となった方々でも、年金受給権はすでに生じております。また、もう少しで生ずるところまできておるわけでございます。しかし、御指摘のように、近く退職する職員の中には、戦争の影響によって、定年退職後も収入を得ることを希望する方が多いと考えられることは事実でございます。このような見地から、今回の法改正を契機に、定年退職者のうち当該地方公共団体に再雇用されることを希望なさる方々については、積極的にこれを雇用する制度を採用して、この制度を広く活用するため、再雇用職員特別職職員としたものでございます。  なお、定年退職者退職手当の額は、民間企業のそれをかなり上回っておることは事実でございます。また、退職年金の額は、民間企業のそれよりはるかに上回っておるものでありまして、定年退職後の生活保障につきましては、むしろ恵まれておる立場ではないか、かように考えております。  以上、お答えいたします。(拍手)   〔国務大臣小川平二登壇
  9. 小川平二

    国務大臣小川平二君) お答えいたします。  わが国定年制は、終身雇用あるいは年功序列賃金と申しますような独特の制度慣行と関連をして発達したものでございますが、欧米諸国においてはこの点事情を異にいたしておりますので、定年制の形、あるいはその意義わが国の場合とはかなり異なっております。一般民間労働者につきましては、制度的な定年は少ないのでございますが、公的年金受給年齢に達すると退職するのが一般的な慣行であります。その意味では、公的年金受給開始年齢わが国定年のような機能を果たしているのでございます。公務員のような特殊な範疇のものにつきましては、欧米諸国でも法律退職年齢を定めている例が多いのでございます。したがいまして、今回地方公務員について定年制が導入されましても、格別異とするには当たらないのでございますが、これが実情に即した弾力的なものであるべきことは当然でございます。  中高年齢者雇用促進についてお尋ねがございましたが、中高年齢者就職は、当面の労働力需給逼迫にもかかわらず、なお相当困難な状態にございます。政府といたしましては、中高年齢者の失業期間中の生活の安定をはかりながら就職促進につとめまするために、各種の手当を支給しつつ、職業安定所の就職促進指導官が、ケースワーク方式による職業相談、職業紹介等を行なっておりますほか、各種の職業訓練をも実施しております。また、中高年齢者を雇い入れる事業主に対しましては、低利の雇用促進融資も行なっているのでございます。昨年からは、東京、大阪、愛知に人材銀行を設けまして、管理的、専門的なあるいは技術的な職業に従事してきた人々のために、職業紹介を専門的に実行いたしております。今後もこれらの施策を拡充いたしてまいりたいと存じまするし、定年制の導入に伴いまして生ずることあるべき退職者に対しましては、現行の制度を活用いたしまして、再就職、再雇用機会の確保につとめるつもりでございます。(拍手)   〔国務大臣田中龍夫君登壇
  10. 田中龍夫

    国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。  私に対します御質問の第一点は、社会保障制度審議会におきましてこれに反対であるがごとくお話がございました。これは社会保障制度審議会が国立病院の特別会計の問題に関連をいたしまして、その年金の問題におきまして論議になったのでございまして、社会保障制度審議会におきましても定年制ということにつきましては賛成であるということになっております。  次に、国家公務員に対しまする定年制の問題でございますが、御案内のとおりに、これは離職管理の一つの方法でございまして、今日各省庁におきまして国家公務員はおのおの人事管理をいたしております。将来におきまして各省庁の人事管理が統一されるというような暁におきましては、当然これらの問題も将来の問題といたしまして研究はいたしますが、ただいまの段階におきましては、国家公務員におきまする定年制は考えておりません。(拍手)   〔国務大臣水田三喜男君登壇
  11. 水田三喜男

    国務大臣(水田三喜男君) お答えいたします。  今年度は、年度の途中において予算補正の財源、すなわち税の自然増収を期待することがきわめて困難でございますので、当初予算において予備費の充実をはかっておくという措置は必要でございました。が、同時に地方財政においても同様のことが望まれるのであります。すなわち、もし本年度国において予算の補正が行なわれないというようなときには、地方公務員給与改定というものの財源として、従来のように、交付税の増額配分ということを期待することができません。ですから、地方財政計画の中で、一般行政費の単独費の中に八百五十億円という経費を計上したということは、国の財政における予備費の充実ということと歩調を合わせた措置でございます。したがって、今後人事院の勧告が行なわれ、国の公務員給与改定が行なわれますと、これに準じて地方公務員給与改定が行なわれるということになりますが、地方団体はみんな給与も財政の内容も違っておりますので、とられる措置はそれぞれ異なることと思いますが、しかし、全体としては、この八百五十億円の財政計画の中で適切に処理されるものというふうに考えます。(拍手)   〔政府委員佐藤達夫君登壇
  12. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) 国家公務員定年制との関係についてのお尋ねでございますが、定年制の問題が、公務員制度の一環といたしまして一つのポイントをなす問題であることは疑いをいれないわけでございます。したがいまして、人事院といたしましても、当然各般の基礎的な調査研究を進めておることは事実でございます。しかしながら、国の機関の現在の実情から申しまして、これをいま直ちに一般国家公務員について実施するということは、ただいまのところ考えておりません。(拍手
  13. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) これにて質疑は終了いたしました。      ————◇—————  日程第一 石炭鉱害賠償担保等臨時措置法の   一部を改正する法律案内閣提出
  14. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 日程第一、石炭鉱害賠償担保等臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
  15. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 委員長の報告を求めます。石炭対策特別委員長堂森芳夫君。     —————————————   〔報告書は本号(二)に掲載〕     —————————————   〔堂森芳夫君登壇
  16. 堂森芳夫

    ○堂森芳夫君 ただいま議題となりました石炭鉱害賠償担保等臨時措置法の一部を改正する法律案について、石炭対策特別委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  御承知のとおり、石炭鉱業及び亜炭鉱業による鉱害の復旧につきましては、地方公共団体、鉱害被害者、賠償義務者の三者構成によって設立された鉱害復旧事業団により計画的な復旧が推進され、また、鉱害の賠償のための担保の管理及び鉱害賠償あるいは鉱害防止に要する資金の融資は、鉱害基金が担当して今日に至っている次第であります。  しかるに、最近における終閉山の続発に伴い、復旧対象となる鉱害量はますます増大する傾向にあり、とりわけ、無資力鉱害の激増によって、当事者主義に立脚した現行鉱害復旧事業団による鉱害の復旧処理方式では、種々困難な問題が生じてきたため、国土保全、民生安定の見地から、国による総合的な鉱害復旧の処理体制が強く要請されるところとなったのであります。  本改正案は、このような鉱害復旧の実情に対応して、鉱害基金と鉱害復旧事業団とを統合して石炭鉱害事業団を創設し、総合的、計画的な鉱害の処理をはかるとともに、あわせて、鉱害の賠償に関する紛争の円滑な解決をはかるための裁定制度を設けようとするものであります。  本案は、去る三月二十八日当委員会に付託され、四月三日椎名通商産業大臣より提案理由の説明を聴取し、自来慎重に審査を行ない、四月二十三日、石炭鉱害事業団の役員のうち、「専務理事」を「副理事長」に改める旨の修正案が提出され、同日、質疑を終了し、修正案並びに修正部分を除く原案を採決した結果、全会一致をもって修正議決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対して、鉱害復旧長期計画の作成、統一賠償機関の設置等を内容とする附帯決議が付されましたことを申し添えて、御報告を終わります。(拍手)     —————————————
  17. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 採決いたします。  本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  18. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。      ————◇—————  日程第二 恩給法等の一部を改正する法律案   (内閣提出
  19. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 日程第二、恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
  20. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 委員長の報告を求めます。内閣委員長三池信君。     —————————————   〔報告書は本号(二)に掲載〕     —————————————   〔三池信君登壇
  21. 三池信

    ○三池信君 ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、昨年十月実施の恩給年額の改善率を一〇ないし二八・五%から二〇ないし三五%に改め、恩給年額を増額するとともに、普通恩給の多額所得停止基準の引き上げ等を行なおうとするものであります。  本案は、三月二十六日本委員会に付託、四月三日提案理由の説明を聴取し、四月十六日より質疑に入り、慎重審議を行なってまいりましたところ、四月二十三日、井原岸高君外三名より、普通恩給最短年限に達するまでを限度として通算することとしている場合の外国政府職員及び外国特殊法人職員職員としての在職期間の通算について、昭和四十四年一月からこの制限を廃止する旨の自由民主党、日本社会党、民主社会党、公明党四党共同提案にかかる修正案が提出され、趣旨説明の後、内閣意見を聴取し、質疑を終了、討論もなく、採決の結果、全会一致をもって修正案のとおり修正議決すべきものと決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  22. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 採決いたします。  本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  23. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。      ————◇—————  日程第三 日本万国博覧会準備及び運営の   ために必要な特別措置に関する法律の一部   を改正する法律案内閣提出
  24. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 日程第三、日本万国博覧会準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
  25. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 委員長の報告を求めます。商工委員長小峯柳多君。     —————————————   〔報告書は本号(二)に掲載〕     —————————————   〔小峯柳多君登壇
  26. 小峯柳多

    ○小峯柳多君 ただいま議題となりました日本万国博覧会準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、商工委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  昭和四十五年に開催される日本万国博覧会の成功を期するために最も肝要なことは、万国の名にふさわしい多数の外国参加の実現でありまして、現在、積極的な招請活動が続けられておりますが、外国政府などの参加決定に伴って、展示館の建設運営に従事する外国人の建設技術者などが、今後、相当数来日し、滞在することが予想されるのであります。  本案は、このような外国人従事者に対し、特に宿舎の便宜をはかるため、日本住宅公団の業務の特例を設け、日本住宅公団は、日本万国博覧会協会に対し、公団の本来の業務の遂行に支障のない範囲内で、住宅施設を賃貸することができるよう、所要の規定を設けるものであります。  本案は、去る二月十九日当委員会に付託され、同二十八日政府より提案理由の説明を聴取し、以来参考人を招致するなど、きわめて熱心な質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  かくして、四月二十三日、質疑を終了し、引き続き採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対し、外国参加の招請活動の積極的推進、会場建設と関連事業の総合的促進、並びに万国博の準備運営についての経理面等の公正明朗な処理、運営費調達にあたっての慎重なる配慮、及びあと地利用計画の早期決定等に関する附帯決議が、これまた全会一致をもって行なわれました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  27. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 採決いたします。  本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  28. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。  日程第四 港湾整備緊急措置法の一部を改正   する法律案内閣提出
  29. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 日程第四、港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
  30. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 委員長の報告を求めます。運輸委員長大野市郎君。     —————————————   〔報告書は本号(二)に掲載〕     —————————————   〔大野市郎君登壇
  31. 大野市郎

    ○大野市郎君 ただいま議題となりました法律案について、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本法案は、昭和四十年度を初年度とする現行港湾整備五カ年計画の策定後において生じた港湾取り扱い貨物量の予想外の伸び、及び海上コンテナ輸送の開始、超大型船の就航等、海上輸送の合理化の必要性、並びに船舶の大型化と航行船舶のふくそうに伴う海難防止の要請等に対処するため、新たに昭和四十三年度を初年度とする港湾整備五カ年計画を作成し、これに基づき、港湾の整備を積極的に促進しようとするものであります。  本法案は、三月二十六日本委員会に付託され、四月三日政府より提案理由の説明を聴取し、四月十六日より四回にわたり質疑を行ないましたが、その内容は会議録により御承知願います。  かくて、二十四日、質疑を終了、討論を省略し、採決の結果、本法案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  32. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 採決いたします。  本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  33. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。  日程第五 魚価安定基金解散に関する法律   案(内閣提出
  34. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 日程第五、魚価安定基金解散に関する法律案を議題といたします。
  35. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 委員長の報告を求めます。農林水産委員会理事坂村吉正君。     —————————————   〔報告書は本号(二)に掲載〕     —————————————   〔坂村吉正君登壇
  36. 坂村吉正

    ○坂村吉正君 ただいま議題となりました内閣提出魚価安定基金解散に関する法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果について御報告申し上げます。  魚価安定基金は、サンマ等多獲性魚の価格安定に資するため、昭和三十六年に魚価安定基金法による特殊法人として設立されたものであります。  本案は、その後における漁海況の変動によるサンマ漁獲量の大幅な減少をはじめとして、生産並びに流通事情の変化に伴う基金の運営状況、あるいは特殊法人の整理統合に関する政府の方針等に沿うて、基金を解散するとともに、その清算手続及び剰余財産の帰属について定めようとするものであります。  農林水産委員会におきましては、去る四月三日以来慎重な審査を続け、二十四日、質疑を終了し、討論もなく、直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって可決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対しましては、水産物価格安定のため総合的対策を講ずること等、三項目にわたる附帯決議が付されました。以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  37. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 採決いたします。  本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  日程第六 関税及び貿易に関する一般協定のジュネーヴ議定書(千九百六十七年)及び関係交換公文締結について承認を求めるの件  日程第七 関税及び貿易に関する一般協定第六条の実施に関する協定締結について承認を求めるの件  日程第八 千九百六十七年の国際穀物協定締結について承認を求めるの件
  39. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 日程第六、関税及び貿易に関する一般協定のジュネーヴ議定書(千九百六十七年)及び関係交換公文締結について承認を求めるの件、日程第七、関税及び貿易に関する一般協定第六条の実施に関する協定締結について承認を求めるの件、日程第八、千九百六十七年の国際穀物協定締結について承認を求めるの件、右三件を一括して議題といたします。
  40. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 委員長の報告を求めます。外務委員会理事田中榮一君。     —————————————   〔報告書は本号(二)に掲載〕     —————————————   〔田中榮一君登壇
  41. 田中榮一

    ○田中榮一君 ただいま議題となりました三案件につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  御承知のとおり、一九六四年五月から始められたケネディラウンドは、わが国をはじめ五十四カ国及びEECが参加して、三年の長きにわたり交渉が続けられてきましたが、昨年六月交渉がまとまり、その結果ジュネーヴ議定書その他が作成されたのであります。  まず、ジュネーヴ議定書及び関係交換公文について申し上げます。  ジュネーヴ議定書は、参加国がこの議定書に附属する譲許表に掲げている品目について、一九七二年一月一日までに関税を段階的に引き下げることを約束しているものでありまして、わが国は、二千百四十七の品目について、本年七月一日にその総引き下げ幅の五分の二を引き下げ、残りの五分の三は、三回に均分して、それぞれ一九七〇年、七一年及び七二年の一月一日に税率を引き下げることになっております。  関係交換公文は、イタリア政府が、わが国の乗用自動車に対する輸入ワクを、一定数以上漸増するか、または自由化することを条件に、わが国の乗用自動車に関する譲許を修正することを取りきめているものであります。  次に、ガット第六条の実施に関する協定について申し上げます。  ガット第六条のダンピング防止措置に関する規定は、抽象的原則的であるため、その乱用を規制し得ないうらみがありました。そこで、ガット第六条の実施について、国際的に統一された規制を行なうために、ダンピングの存在及び損害の判定基準等について規定を設けているものであります。  最後に、国際穀物協定について申し上げます。  わが国も締約国である現行の国際小麦協定は、本年七月末に失効することになっておりますが、ケネディラウンド交渉において、わが国を含む主要締約国の間に合意された覚え書きを基礎に、現行の小麦協定にかわるものとして、この国際穀物協定が作成されたのであります。  この協定は、小麦貿易規約と食糧援助規約の二部からなっており、わが国など主要国はこの双方に参加しなければならないことになっております。  小麦貿易規約は、価格に関する規定に改正を加え、価格帯の水準を若干引き上げているほかは、大体従来の小麦協定を踏襲しているものであります。  食糧援助規約は、従来の小麦協定にはなかったものでありますが、参加国が年間四百五十万トンの小麦または現金を拠出して、開発途上国に対する食糧援助を行なうことを規定し、参加国の拠出割り当てを定めているものでありまして、わが国の割り当てはその五%に当たる二十二万五千トンとなっております。しかしながら、わが国は、開発途上国に対する援助の必要性は認めるものの、この協定によって援助を義務づけることは妥当でないとの考えから、援助義務規定である第二条の受諾を留保して参加しようとするものであります。  なお、わが国は、留保を行なうにあたって、わが国の割り当てにひとしい額を、米または農業物資で援助を行なう意図を表明しております。  以上三案件は、三月十四日外務委員会に付託されましたので、政府の提案理由の説明を聞き、質疑を行ないましたが、詳細は会議録により御了承を願います。  かくて、四月二十四日、右三案件についての質疑を終了しましたので、討論を省略して採決を行ないましたところ、右三案件はいずれも多数をもって承認すべきものと議決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  42. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 三件を一括して採決いたします。  三件は委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  43. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 起立多数。よって、三件は委員長報告のとおり承認するに決しました。      ————◇—————  日程第九 交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案内閣提出
  44. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 日程第九、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。
  45. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 委員長の報告を求めます。大蔵委員長田村元君。     —————————————   〔報告書は本号(二)に掲載〕     —————————————   〔田村元君登壇
  46. 田村元

    ○田村元君 ただいま議題となりました交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  この法律案は、別途今国会提出され、一昨二十三日本院を通過いたしました地方交付税法の一部を改正する法律案による地方交付税にかかる特例措置に伴いまして、交付税及び譲与税配付金特別会計法について所要の改正を行なおうとするものであります。  すなわち、まず第一に、昭和四十三年度において、地方交付税交付金の財源として一般会計からこの会計に繰り入れる金額は、所定の額から四百五十億円を減額した額とし、他方、昭和四十四年度から昭和四十六年度までの各年度において繰り入れる金額は、所定の額に毎年度百五十億円を加算した額とすることといたしております。  第二に、昭和四十三年度において、この会計の負担により二百五十億円を限り借り入れ金をすることができることとし、この金額を昭和四十四年度から昭和四十六年度までの三年度間にわたり償還ができるよう措置することといたしております。  第三に、昭和四十二年度から昭和五十六年度までの各年度に交付することとされました特別事業債償還交付金に相当する金額を、予算で定めるところにより、一般会計からこの会計に繰り入れることといたしております。  本案につきましては、審査の結果、昨二十四日、質疑を終了し、討論に入りましたところ、自由民主党を代表して古屋亨君は賛成の旨を、日本社会党を代表して村山喜一君、民主社会党を代表して竹本孫一君、公明党を代表して中野明君は反対の旨を、それぞれ述べられました。  次いで、採決いたしましたところ、本案は多数をもって原案のとおり可決となりました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  47. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 採決いたします。  本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  48. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。  消費者保護基本法案砂田重民君外二十四名   提出
  49. 山村新治郎

    ○山村新治郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。  この際、砂田重民君外二十四名提出消費者保護基本法案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  50. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 山村新治郎君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  消費者保護基本法案を議題といたします。
  52. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 委員長の報告を求めます。物価問題等に関する特別委員長八百板正君。     —————————————   〔報告書は本号(二)に掲載〕     —————————————   〔八百板正君登壇
  53. 八百板正

    ○八百板正君 ただいま議題となりました砂田重民君外二十四名提出消費者保護基本法案につきまして、本特別委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、消費者の利益の擁護とその増進に関して、国、地方公共団体、事業者並びに消費者の果たすべき責務と役割りを明らかにし、かつ、その施策の基本となる事項を定めることにより、国民の消費生活の安定及び向上を確保しようとするものであります。  そのおもな内容は、  第一に、国、地方公共団体、事業者、消費者のそれぞれが、消費者利益の擁護とその増進に関して果たすべき責務と役割りを明示したことであります。すなわち、国は、経済社会の発展に即応して、消費者保護に関する総合的な施策を策定し、実施する責務を有すること、地方公共団体は、国の施策に準じて施策を講ずるとともに、地域の状況に応じた施策を策定し、実施する責務を有すること、事業者は、その供給する商品、役務について危害の防止、適正な計量、表示の実施等必要な措置を講ずるとともに、国、地方公共団体の施策に協力する責務を有すること、消費者は、必要な知識の修得及び自主的合理的行動につとめることによって、消費生活の安定向上に積極的な役割りを果たすものとすることを定めております。  第二に、国の消費者保護に関する施策を明示したことであります。すなわち、商品及び役務についての危害の防止、適正な計量の実施の確保、適正な規格の整備及び普及、適正な表示の実施の確保、価格等についての公正自由な競争の確保及び公共料金決定に際しての消費者利益の配慮、消費者の啓発活動及び教育の推進並びに消費者の意見の国の施策への反映、の各項目について国の施策の目標を定めたものであります。  第三に、苦情処理についての事業者等の責務を示したことでありまして、事業者は消費者との間の取引に関して生じた苦情を適切かつ迅速に処理するため必要な体制の整備等につとめること、市町村は苦情の処理のあっせん等につとめること、国、都道府県は苦情処理が適切、迅速に行なわれるよう必要な施策を講ずることを定めております。  第四に、消費者の組織化についての規定でありまして、国は消費者がその消費生活の安定及び向上をはかるための健全かつ自主的な組織活動が促進されるよう必要な施策を講ずることを定めております。  第五に、これらの施策を総合的、計画的に実施するため、内閣総理大臣を会長とし、関係行政機関の長を委員とする消費者保護会議の設置を定めております。  その他本法施行に伴う所要の経過措置を定めております。  本案は、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四党共同提案にかかるもので、四月十日本委員会に付託され、四月十五日提出者を代表して砂田重民君から提案理由の説明並びに武部文君から補足説明をそれぞれ聴取した後、数回にわたり熱心な質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲ります。  本日、討論もなく、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  なお、消費者保護強化の観点から、本法を実効あらしめるため、消費者行政機構の整備、関係法令の再検討とその運用の強化、国、公立の試験研究機関の整備及び消費者の苦情処理体制の整備等、さしあたり政府が行なうべき具体策について、全会一致の決議を行なったことを申し添えます。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  54. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 採決いたします。  本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————
  56. 小平久雄

    ○副議長小平久雄君) 本日は、これにて散会いたします。     午後三時二十三分散会      ————◇—————  出席国務大臣         内閣総理大臣  佐藤 榮作君         外 務 大 臣 三木 武夫君         大 蔵 大 臣 水田三喜男君         農 林 大 臣 西村 直己君         通商産業大臣  椎名悦三郎君         運 輸 大 臣 中曽根康弘君         労 働 大 臣 小川 平二君         自 治 大 臣 赤澤 正道君         国 務 大 臣 田中 龍夫君         国 務 大 臣 宮澤 喜一君  出席政府委員         内閣法制局第三         部長      荒井  勇君         人事院総裁   佐藤 達夫君         人事院事務総局         任用局長    岡田 勝二君         人事院事務総局         給与局長    尾崎 朝夷君      ————◇—————