○猪俣
委員 ちょっと
関連して。いまの問題は、これはまた
中谷委員から
質問があるでしょうが、私は法の解釈の問題につきまして御
所見を承りたい。
と申しますのは、現に第一線に働いております検事の中に、法の解釈について、われわれがさような
意味でこの法はできたんじゃないといって国会の審議録を提出して検事の考えに対して反駁いたしますと、いや、国会でどういう
意味で
法律ができても、できた以上はわれわれの解釈でやるんだということを法廷で公言した検事がいる。これは相当ばかな検事だと思うから、私は徹底的にやったのであります。そこで、一体
破防法なんという画期的な
法律、御存じのように、これの成立のために、われわれもその当時法務
委員の一員として、ずいぶんこれは慎重に審議したのでありまして、審議の経過はよく知っておるわけであります。これはまた議事録にもよく出ております。そこで、この
破防法を
適用なさるに際して、
大臣あるいは
公安調査庁長官もあるが、第一線に働く警察官及び検察官、こういう人間がこの
法律の各条文を解釈するについて、いま言ったように、国会の審議、どういうふうな
政府委員の
答弁があったか、そんなことはかまわぬ、われわれはわれわれ司法部の解釈でやるんだというような態度をとったのでは、これは民主政治もへちまもない。警察ファッショ、検察ファッショになる。前線で働いている連中の中にはそういう頭が相当あるから、これは私は大いに
指導していただかなければならぬと思って、この
質問をする。と申しますのは、いままでできました、たとえば総理
大臣が異議の申し立てを乱発いたしました行政
事件訴訟法の第二十七条なんかも、当時の速記録に、当時の
大臣その他
政府委員が詳細に
答弁しておることと全く反対なことをやっておる。これは立法府をはなはだないがしろにした話で、国会は国の最高機関ではありませんか。そこの審議したことをてんでじゅうりんしている。また兇器準備集合罪、これなんかも、自民党の
諸君から社会党、民社党、各党全員の賛成で附帯決議ができている。どうもこれから見ると、先般の兇器準備集合罪を
適用されたなんというのは、はなはだ当時の
政府委員の
答弁と食い違っておるやり方をやっておるとわれわれは思う。その
意味において、
中谷君がその当時の模様をいろいろ聞いているんだが、あなたは捜査中でまだ
答弁できないと言っているわけだが、どうも法の乱用のおそれが十分ある。そこで、この法の解釈——論理解釈、文理解釈、いろいろありましょうが、民主政治の今日においては、憲法に最高の国家機関といわれます国会における議員の発言、
政府委員の
答弁、そういうものに非常に重点を置くということは、当然のことなんです。それを検事が
自分の頭でかってに便宜上組み立てた論理で押していくということになるならば、この法務
委員会等でわれわれが熱心に審議したことは、何もならない。附帯決議をつけたことも、何もならない。その
意味において、この破壊活動防止法を
適用なさるについて、私はあなた方の
意見を聞きたい。ことに
公安調査庁長官の
吉河氏は、この
破防法のできた当時の
政府委員として審議に臨まれているはずなんです。法務
大臣はその当時何をやっていっしゃったかわからぬが、しかし速記録を見ればよくわかる。当時の法務
大臣木村篤
太郎はいかなる
答弁をしているか、あるいは
吉河氏がどういう
答弁をしているか、よくしさいに——
吉河氏も当時はいまよりもあまりえらくないから、そう一々
答弁していないかもしれないけれども、しかしちゃんと出て、審議は聞いているはずなんです。そこで、この
破防法を
適用するに際して、国会における議員の発言、
政府委員の
答弁、その他国会の審議の模様について、十分しんしゃくされてこの
破防法を
適用するものなりやいなや、この点について法務
大臣並びに
吉河長官の御
所見を承りたい。