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寺田最高裁判所長官代理者 裁判官の現在の
人事でございますが、実は
裁判官の
人事と申しましても、まずその
給与の問題は、これはもう大
部分がいわば
年功序列的になっておるわけでございます。上のほうにまいりますと若干の
抜てき等もあるようでございますし、むろん
病気欠勤者等は
あと回しになるわけでございますが、少なくとも
判事補から
判事になりますような段階では、大
部分が何年たてば何号になるということでなってまいるわけでございますので、その点の
原案ということについて、おそらくほとんど問題になる
余地はないと私
どもは理解しております。外部からもそういう点についていろいろの
批判を聞いたこともございません。
いま
お話しの
裁判長という問題でございますが、
裁判長というものも、現在の
制度では
総括裁判官と俗称いたしておりますが、
つまり部の
事務を
総括する、つまり
裁判所に部というものがございます。この部というのは
東京地方なんかの場合でございますと、おそらく六、七十もあったと思いますが、そのくらい部がたくさんあるわけでございます。その部に一人ずつ
総括裁判官がいるわけでございます。これを
部長と申しますが、
部長という
名前は俗称でございまして、部内では
総括裁判官と申しております。その
総括裁判官というものも六、七十名おるわけでございます。それをきめますのは、
最高裁判所がその
当該、たとえば
東京地方の場合なら
東京地方の
意見を聞いてきめるわけでございます。
所長のほうからその
意見を出してまいるわけでございます。その場合に、たとえば
東京地方なり
東京高裁でどういうふうに
意見をきめるかというのは、これはおのずから大きな
裁判所と小さな
裁判所では多少は違うようでございます。小さな
裁判所でございますと、もう
所長が実際によくわかっておりますし、したがって、従来の
総括裁判官の
意見等も聞いてきめるというふうなことで自然に片づくわけでございます。大きな
裁判所のような場合には、たとえば
常置委員会にはかりますとか、あるいは
裁判長、いわゆる
総括裁判官で構成しております
一つの
委員会と申しますか、そういう
会議で
意見を聞くなり、そういうふうな形で聞いてなってまいる。しかし、これもそういうことがいいことかどうかわかまりせんが、実際問題としてはほとんど
先輩からなる場合が多いわけで、そこに
人事上問題が生ずるということは、少なくとも
総括については絶対とはいえないかもしれませんが、あまりないのでございます。あるいは先ほど来いろいろ
お話のあります問題で、たとえば
部外であるとすれば、
所長を選任する場合にどういう
順序でするかというような点が、ときおりいろいろな声を、
部外から
批判めいた声を聞くことがないでもありません。それについても、私
ども十分な御
説明の材料があるわけでございますが、そういう点でございまして、おそらく
総括裁判官、いわゆる
部長以下の
人事でそう問題になるところはないのではないかと一応考えておるわけでございます。