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1968-05-20 第58回国会 衆議院 文教委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年五月二十日(月曜日)     午前十時四十八分開議  出席委員    委員長 高見 三郎君    理事 久保田藤麿君 理事 河野 洋平君    理事 坂田 道太君 理事 谷川 和穗君    理事 西岡 武夫君 理事 小林 信一君    理事 長谷川正三君 理事 鈴木  一君       臼井 莊一君    大村 襄治君       周東 英雄君    床次 徳二君       葉梨 信行君    渡辺  肇君       唐橋  東君    川村 継義君       斉藤 正男君    有島 重武君       小濱 新次君  出席国務大臣         文 部 大 臣 灘尾 弘吉君  出席政府委員         文部大臣官房長 岩間英太郎君         文部省体育局長 赤石 清悦君         文部省管理局長 村山 松雄君  委員外出席者         参  考  人         (日本学校安全         会理事長)   西田  剛君         専  門  員 田中  彰君     ————————————— 五月十六日  委員大原亨君及び山田太郎辞任につき、その  補欠として八木昇君及び矢野絢也君議長の指  名で委員に選任された。 同日  委員八木昇辞任につき、その補欠として大原  亨君が議長指名委員に選任された。 同月二十日  委員藤波孝生君及び矢野絢也君辞任につき、そ  の補欠として葉梨信行君及び小濱新次君が議長  の指名委員に選任された。     ————————————— 五月十五日  外国人学校法案反対に関する請願井手以誠君  紹介)(第五四四〇号)  同(石橋政嗣君紹介)(第五四四一号)  同(川村継義紹介)(第五四四二号)  同(河上民雄紹介)(第五四四三号)  同外一件(斉藤正男紹介)(第五四四四号)  同外三件(阪上安太郎紹介)(第五四四五  号)  同(多賀谷真稔紹介)(第五四四六号)  同(中村重光紹介)(第五四四七号)  同(西風勲紹介)(第五四四八号)  同(細谷治嘉紹介)(第五四四九号)  同(松本七郎紹介)(第五四五〇号)  同(三木喜夫紹介)(第五四五一号)  同(渡辺芳男紹介)(第五四五二号)  同(阿部昭吾紹介)(第五五三七号)  同(阿部助哉君紹介)(第五五三八号)  同(赤路友藏紹介)(第五五三九号)  同(淡谷悠藏紹介)(第五五四〇号)  同外一件(井岡大治紹介)(第五五四一号)  同(井上泉紹介)(第五五四二号)  同(井上普方紹介)(第五五四三号)  同外一件(伊賀定盛紹介)(第五五四四号)  同(猪俣浩三紹介)(第五五四五号)  同(石田宥全君紹介)(第五五四六号)  同(稻村隆一君紹介)(第五五四七号)  同(江田三郎紹介)(第五五四八号)  同(枝村要作紹介)(第五五四九号)  同(小川三男紹介)(第五五五〇号)  同外一件(大原亨紹介)(第五五五一号)  同(岡田春夫紹介)(第五五五二号)  同(岡本隆一紹介)(第五五五三号)  同(加藤勘十君紹介)(第五五五四号)  同(加藤万吉紹介)(第五五五五号)  同(唐橋東紹介)(第五五五六号)  同(川崎寛治紹介)(第五五五七号)  同(河野正紹介)(第五五五八号)  同(木原津與志君紹介)(第五五五九号)  同外一件(工藤良平紹介)(第五五六〇号)  同(栗林三郎紹介)(第五五六一号)  同(黒田寿男紹介)(第五五六二号)  同(小松幹紹介)(第五五六三号)  同(兒玉末男紹介)(第五五六四号)  同(後藤俊男紹介)(第五五六五号)  同(神門至馬夫君紹介)(第五五六六号)  同(佐野憲治紹介)(第五五六七号)  同(斉藤正男紹介)(第五五六八号)  同外一件(阪上安太郎紹介)(第五五六九  号)  同(實川清之紹介)(第五五七〇号)  同(柴田健治紹介)(第五五七一号)  同(田原春次紹介)(第五五七二号)  同(高田富之紹介)(第五五七三号)  同(武部文紹介)(第五五七四号)  同(内藤良平紹介)(第五五七五号)  同(中井徳次郎紹介)(第五五七六号)  同(中嶋英夫紹介)(第五五七七号)  同(中谷鉄也紹介)(第五五七八号)  同(永井勝次郎紹介)(第五五七九号)  同(永末英一紹介)(第五五八〇号)  同(楢崎弥之助紹介)(第五五八一号)  同外二件(西風勲紹介)(第五五八二号)  同(野口忠夫紹介)(第五五八三号)  同(芳賀貢紹介)(第五五八四号)  同(浜田光人紹介)(第五五八五号)  同(福岡義登紹介)(第五五八六号)  同(松前重義紹介)(第五五八七号)  同(三宅正一紹介)(第五五八八号)  同(武藤山治紹介)(第五五八九号)  同(村山喜一紹介)(第五五九〇号)  同(森本靖紹介)(第五五九一号)  同(八百板正紹介)(第五五九二号)  同(八木昇紹介)(第五五九三号)  同(矢尾喜三郎紹介)(第五五九四号)  同(安井吉典紹介)(第五五九五号)  同(柳田秀一紹介)(第五五九六号)  同(山崎始男紹介)(第五五九七号)  同(山田耻目君紹介)(第五五九八号)  同(山本弥之助紹介)(第五五九九号)  同(横山利秋紹介)(第五六〇〇号)  同(渡辺惣蔵紹介)(第五六〇一号)  学校教育法の一部を改正する法律案反対に関す  る請願勝澤芳雄紹介)(第五四五三号)  同(勝間田清一紹介)(第五四五四号)  同(北山愛郎紹介)(第五四五五号)  同(斉藤正男紹介)(第五四五六号)  同(實川清之紹介)(第五四五七号)  同(堂森芳夫紹介)(第五四五八号)  同(山本弥之助紹介)(第五四五九号)  同(渡辺芳男紹介)(第五四六〇号)  同(井上普方紹介)(第五五一七号)  同(伊賀定盛紹介)(第五五一八号)  同(石野久男紹介)(第五五一九号)  同(枝村要作紹介)(第五五二〇号)  同外一件(大原亨紹介)(第五五二一号)  同(加藤万吉紹介)(第五五二二号)  同(久保三郎紹介)(第五五二三号)  同(工藤良平紹介)(第五五二四号)  同(黒田寿男紹介)(第五五二五号)  同(小松幹紹介)(第五五二六号)  同外一件(佐野憲治紹介)(第五五二七号)  同(斉藤正男紹介)(第五五二八号)  同(戸叶里子紹介)(第五五二九号)  同(中嶋英夫紹介)(第五五三〇号)  同(中谷鉄也紹介)(第五五三一号)  同(西風勲紹介)(第五五三二号)  同(長谷川正三紹介)(第五五三三号)  同(三木喜夫紹介)(第五五三四号)  同(武藤山治紹介)(第五五三五号)  同(山田耻目君紹介)(第五五三六号)  教育公務員特例法の一部を改正する法律案反対  に関する請願勝澤芳雄紹介)(第五四六一  号)  同(勝間田清一紹介)(第五四六二号)  同(北山愛郎紹介)(第五四六三号)  同(斉藤正男紹介)(第五四六四号)  同(堂森芳夫紹介)(第五四六五号)  同(山本弥之助紹介)(第五四六六号)  同(渡辺芳男紹介)(第五四六七号)  同(阿部昭吾紹介)(第五五〇〇号)  同(井上泉紹介)(第五五〇一号)  同(伊賀定盛紹介)(第五五〇二号)  同(石橋政嗣君紹介)(第五五〇三号)  同(加藤清二紹介)(第五五〇四号)  同(川村継義紹介)(第五五〇五号)  同(後藤俊男紹介)(第五五〇六号)  同(田原春次紹介)(第五五〇七号)  同(武部文紹介)(第五五〇八号)  同(中村重光紹介)(第五五〇九号)  同(楢崎弥之助紹介)(第五五一〇号)  同(細谷治嘉紹介)(第五五一一号)  同(武藤山治紹介)(第五五一二号)  同(森本靖紹介)(第五五一三号)  同(安井吉典紹介)(第五五一四号)  同(柳田秀一紹介)(第五五一五号)  同(山本弥之助紹介)(第五五一六号)  外国人学校制度創設反対に関する請願浜田光  人君紹介)(第五四六八号)  同外三百三十二件(戸叶里子紹介)(第五四  九六号)  同(後藤俊男紹介)(第五四九七号)  同外六件(山内広紹介)(第五四九八号)  同外一件(米内山義一郎紹介)(第五四九九  号)  教育公務員特例法改悪等反対に関する請願外五  十二件(井手以誠君紹介)(第五六〇二号) 同月十六日  教育公務員特例法の一部を改正する法律案反対  に関する請願安宅常彦紹介)(第五六〇五  号)  同(阿部助哉君紹介)(第五六〇六号)  同(赤路友藏紹介)(第五六〇七号)  同(淡谷悠藏紹介)(第五六〇八号)  同(井岡大治紹介)(第五六〇九号)  同(井手以誠君紹介)(第五六一〇号)  同(井上泉紹介)(第五六一一号)  同(伊賀定盛紹介)(第五六一二号)  同(猪俣浩三紹介)(第五六一三号)  同外一件(石川次夫紹介)(第五六一四号)  同(石田宥全君紹介)(第五六一五号)  同(石野久男紹介)(第五六一六号)  同(石橋政嗣君紹介)(第五六一七号)  同(稲富稜人君紹介)(第五六一八号)  同(稻村隆一君紹介)(第五六一九号)  同外一件(江田三郎紹介)(第五六二〇号)  同(枝村要作紹介)(第五六二一号)  同(小川三男紹介)(第五六二二号)  同(小澤貞孝紹介)(第五六二三号)  同(太田一夫紹介)(第五六二四号)  同(大橋敏雄紹介)(第五六二五号)  同(大原亨紹介)(第五六二六号)  同(岡本富夫紹介)(第五六二七号)  同(岡本隆一紹介)(第五六二八号)  同(岡田利春紹介)(第五六二九号)  同(岡田春夫紹介)(第五六三〇号)  同(折小野良一紹介)(第五六三一号)  同(加藤勘十君紹介)(第五六三二号)  同(角屋堅次郎紹介)(第五六三三号)  同(神田大作紹介)(第五六三四号)  同(唐橋東紹介)(第五六三五号)  同外一件(川崎寛治紹介)(第五六三六号)  同外一件(河上民雄紹介)(第五六三七号)  同(木原実紹介)(第五六三八号)  同外一件(木原津與志君紹介)(第五六二九  号)  同(久保三郎紹介)(第五六四〇号)  同(工藤良平紹介)(第五六四一号)  同(栗林三郎紹介)(第五六四二号)  同(黒田寿男紹介)(第五六四三号)  同(兒玉末男紹介)(第五六四四号)  同(小松幹紹介)(第五六四五号)  同(神門至馬夫君紹介)(第五六四六号)  同(佐々木更三君紹介)(第五六四七号)  同(佐藤觀次郎紹介)(第五六四八号)  同(佐野憲治紹介)(第五六四九号)  同(斉藤正男紹介)(第五六五〇号)  同外一件(阪上安太郎紹介)(第五六五一  号)  同(實川清之紹介)(第五六五二号)  同(紫田健治紹介)(第五六五三号)  同(島本虎三紹介)(第五六五四号)  同(田邊誠紹介)(第五六五五号)  同(田畑金光紹介)(第五六五六号)  同(田原春次紹介)(第五六五七号)  同外一件(多賀谷真稔紹介)(第五六五八  号)  同(高田富之紹介)(第五六五九号)  同(只松祐治紹介)(第五六六〇号)  同(千葉佳男紹介)(第五六六一号)  同(堂森芳夫紹介)(第五六六二号)  同(戸叶里子紹介)(第五六六三号)  同(内藤良平紹介)(第五六六四号)  同外一件(中谷鉄也紹介)(第五六六五号)  同(中村重光紹介)(第五六六六号)  同(永井勝次郎紹介)(第五六六七号)  同(中井徳次郎紹介)(第五六六八号)  同(永末英一紹介)(第五六六九号)  同(西尾末廣君紹介)(第五六七〇号)  同(西風勲紹介)(第五六七一号)  同(西宮弘紹介)(第五六七二号)  同外一件(野口忠夫紹介)(第五六七三号)  同(華山親義紹介)(第五六七四号)  同(浜田光人紹介)(第五六七五号)  同(樋上新一紹介)(第五六七六号)  同(平岡忠次郎紹介)(第五六七七号)  同(広瀬秀吉紹介)(第五六七八号)  同(福岡義登紹介)(第五六七九号)  同(古川喜一紹介)(第五六八〇号)  同(細谷治嘉紹介)(第五六八一号)  同外二件(堀昌雄紹介)(第五六八二号)  同(松前重義紹介)(第五六八三号)  同(松本七郎紹介)(第五六八四号)  同(三木喜夫紹介)(第五六八五号)  同(三宅正一紹介)(第五六八六号)  同(美濃政市紹介)(第五六八七号)  同(武藤山治紹介)(第五六八八号)  同外一件(村山喜一紹介)(第五六八九号)  同外一件(八百板正紹介)(第五六九〇号)  同(八木昇紹介)(第五六九一号)  同(矢尾喜三郎紹介)(第五六九二号)  同(山口鶴男紹介)(第五六九三号)  同(山崎始男紹介)(第五六九四号)  同(山田耻目君紹介)(第五六九五号)  同(米田東吾紹介)(第五六九六号)  同(横山利秋紹介)(第五六九七号)  同(渡辺芳男紹介)(第五六九八号)  学校教育法の一部を改正する法律案反対に関す  る請願安宅常彦紹介)(第五六九九号)  同(阿部助哉君紹介)(第五七〇〇号)  同(赤路友藏紹介)(第五七〇一号)  同(有島重武君紹介)(第五七〇二号)  同(淡谷悠藏紹介)(第五七〇三号)  同外一件(井岡大治紹介)(第五七〇四号)  同(井手以誠君紹介)(第五七〇五号)  同(井上泉紹介)(第五七〇六号)  同(伊賀定盛紹介)(第五七〇七号)  同(猪俣浩三紹介)(第五七〇八号)  同(石川次夫紹介)(第五七〇九号)  同(石田宥全君紹介)(第五七一〇号)  同(石野久男紹介)(第五七一一号)  同(石橋政嗣君紹介)(第五七一二号)  同(板川正吾紹介)(第五七一三号)  同(稻村隆一君紹介)(第五七一四号)  同(内海清紹介)(第五七一五号)  同外一件(江田三郎紹介)(第五七一六号)  同(枝村要作紹介)(第五七一七号)  同外一件(小川三男紹介)(第五七一八号)  同(太田一夫紹介)(第五七一九号)  同(大橋敏雄紹介)(第五七二〇号)  同(大原亨紹介)(第五七二一号)  同(岡沢完治紹介)(第五七二二号)  同(岡田利春紹介)(第五七二三号)  同(岡田春夫紹介)(第五七二四号)  同(加藤勘十君紹介)(第五七二五号)  同(加藤清二紹介)(第五七二六号)  同(加藤万吉紹介)(第五七二七号)  同(春日一幸紹介)(第五七二八号)  同外一件(角屋堅次郎紹介)(第五七二九  号)  同(金丸徳重紹介)(第五七三〇号)  同(神田大作紹介)(第五七三一号)  同(川上貫一紹介)(第五七三二号)  同(川崎寛治紹介)(第五七三三号)  同(川村継義紹介)(第五七三四号)  同(河上民雄紹介)(第五七三五号)  同(河野正紹介)(第五七三六号)  同外一件(唐橋東紹介)(第五七三七号)  同(木原津與志君紹介)(第五七三八号)  同(木原実紹介)(第五七三九号)  同(久保三郎紹介)(第五七四〇号)  同外一件(工藤良平紹介)(第五七四一号)  同(黒田寿男紹介)(第五七四二号)  同(小林信一紹介)(第五七四三号)  同(小松幹紹介)(第五七四四号)  同(兒玉末男紹介)(第五七四五号)  同(佐々木更三君紹介)(第五七四六号)  同(佐藤觀次郎紹介)(第五七四七号)  同(佐野憲治紹介)(第五七四八号)  同外一件(阪上安太郎紹介)(第五七四九  号)  同(實川清之紹介)(第五七五〇号)  同(柴田健治紹介)(第五七五一号)  同(島本虎三紹介)(第五七五二号)  同(田代文久紹介)(第五七五三号)  同(田邊誠紹介)(第五七五四号)  同(田原春次紹介)(第五七五五号)  同(多賀谷真稔紹介)(第五七五六号)  同(高田富之紹介)(第五七五七号)  同(田畑金光紹介)(第五七五八号)  同(竹本孫一紹介)(第五七五九号)  同(只松祐治紹介)(第五七六〇号)  同(谷口善太郎紹介)(第五七六一号)  同(玉置一徳紹介)(第五七六二号)  同(千葉佳男紹介)(第五七六三号)  同(戸叶里子紹介)(第五七六四号)  同(堂森芳夫紹介)(第五七六五号)  同外一件(中井徳次郎紹介)(第五七六六  号)  同(中谷鉄也紹介)(第五七六七号)  同(中村重光紹介)(第五七六八号)  同(永末英一紹介)(第五七六九号)  同(楢崎弥之助紹介)(第五七七〇号)  同(西尾末廣君紹介)(第五七七一号)  同(西風勲紹介)(第五七七二号)  同(西宮弘紹介)(第五七七三号)  同外一件(野口忠夫紹介)(第五七七四号)  同(芳賀貢紹介)(第五七七五号)  同(華山親義紹介)(第五七七六号)  同外一件(浜田光人紹介)(第五七七七号)  同(樋上新一紹介)(第五七七八号)  同(平岡忠次郎紹介)(第五七七九号)  同(広瀬秀吉紹介)(第五七八〇号)  同(福岡義登紹介)(第五七八一号)  同(古川喜一紹介)(第五七八二号)  同(細谷治嘉紹介)(第五七八三号)  同外一件(堀昌雄紹介)(第五七八四号)  同(松前重義紹介)(第五七八五号)  同(松本七郎紹介)(第五七八六号)  同(三木喜夫紹介)(第五七八七号)  同(三宅正一紹介)(第五七八八号)  同(美濃政市紹介)(第五七八九号)  同外一件(武藤山治紹介)(第五七九〇号)  同(村山喜一紹介)(第五七九一号)  同(森本靖紹介)(第五七九二号)  同外一件(八百板正紹介)(第五七九三号)  同(八木昇紹介)(第五七九四号)  同(安井吉典紹介)(第五七九五号)  同外一件(山口鶴男紹介)(第五七九六号)  同(山崎始男紹介)(第五七九七号)  同(山田耻目君紹介)(第五七九八号)  同(山本弥之助紹介)(第五七九九号)  同(横山利秋紹介)(第五八〇〇号)  同(吉田泰造紹介)(第五八〇一号)  同(渡辺惣蔵紹介)(第五八〇二号)  同(渡辺芳男紹介)(第五八〇三号)  同外六件(伊藤惣助丸君紹介)(第五八〇四  号)  外国人学校法案反対に関する請願阿部助哉君  紹介)(第五八〇五号)  同(井上泉紹介)(第五八〇六号)  同外一件(伊賀定盛紹介)(第五八〇七号)  同(猪俣浩三紹介)(第五八〇八号)  同(池田禎治紹介)(第五八〇九号)  同外一件(石川次夫紹介)(第五八一〇号)  同(石田宥全君紹介)(第五八一一号)  同外一件(石野久男紹介)(第五八一二号)  同(石橋政嗣君紹介)(第五八一三号)  同(板川正吾紹介)(第五八一四号)  同(内海清紹介)(第五八一五号)  同外一件(江田三郎紹介)(第五八一六号)  同(枝村要作紹介)(第五八一七号)  同(小川三男紹介)(第五八一八号)  同(大川俊紹介)(第五八一九号)  同(太田一夫紹介)(第五八二〇号)  同(岡田利春紹介)(第五八二一号)  同外一件(加藤勘十君紹介)(第五八二二号)  同(加藤清二紹介)(第五八二三号)  同(加藤万吉紹介)(第五八二四号)  同(勝澤芳雄紹介)(第五八二五号)  同(勝間田清一紹介)(第五八二六号)  同外一件(角屋堅次郎紹介)(第五八二七  号)  同(金丸徳重紹介)(第五八二八号)  同(唐橋東紹介)(第五八二九号)  同(川崎寛治紹介)(第五八三〇号)  同(河上民雄紹介)(第五八三一号)  同(木原津與志君紹介)(第五八三二号)  同(木原実紹介)(第五八三三号)  同(北山愛郎紹介)(第五八三四号)  同外一件(久保三郎紹介)(第五八三五号)  同(工藤良平紹介)(第五八三六号)  同(黒田寿男紹介)(第五八三七号)  同(小松幹紹介)(第五八三八号)  同(小林信一紹介)(第五八三九号)  同(佐々木更三君紹介)(第五八四〇号)  同(佐藤觀次郎紹介)(第五八四一号)  同外一件(佐野憲治紹介)(第五八四二号)  同(斉藤正男紹介)(第五八四三号)  同外二件(阪上安太郎紹介)(第五八四四  号)  同(實川清之紹介)(第五八四五号)  同(島本虎三紹介)(第五八四六号)  同外一件(田邊誠紹介)(第五八四七号)  同(多賀谷真稔紹介)(第五八四八号)  同(玉置一徳紹介)(第五八四九号)  同(千葉佳男紹介)(第五八五〇号)  同外一件(戸叶里子紹介)(第五八五一号)  同外一件(堂森芳夫紹介)(第五八五二号)  同(中井徳次郎紹介)(第五八五三号)  同外一件(中谷鉄也紹介)(第五八五四号)  同(中村重光紹介)(第五八五五号)  同(西宮弘紹介)(第五八五六号)  同(野口忠夫紹介)(第五八五七号)  同(野間千代三君紹介)(第五八五八号)  同(長谷川正三紹介)(第五八五九号)  同(華山親義紹介)(第五八六〇号)  同(浜田光人紹介)(第五八六一号)  同(平岡忠次郎紹介)(第五八六二号)  同(平林剛紹介)(第五八六三号)  同外一件(広瀬秀吉紹介)(第五八六四号)  同(古川喜一紹介)(第五八六五号)  同(渡辺芳男紹介)(第五八六六号)  同(細谷治嘉紹介)(第五八六七号)  同外二件(堀昌雄紹介)(第五八六八号)  同(松前重義紹介)(第五八六九号)  同(松本七郎紹介)(第五八七〇号)  同(三木喜夫紹介)(第五八七一号)  同(美濃政市紹介)(第五八七二号)  同外一件(武藤山治紹介)(第五八七三号)  同(村山喜一紹介)(第五八七四号)  同(森義視紹介)(第五八七五号)  同(森本靖紹介)(第五八七六号)  同(八百板正紹介)(第五八七七号)  同外一件(山口鶴男紹介)(第五八七八号)  同(山田耻目君紹介)(第五八七九号)  同(山本弥之助紹介)(第五八八〇号)  同(吉田賢一紹介)(第五八八一号)  同(吉田之久君紹介)(第五八八二号)  同(米田東吾紹介)(第五八八三号)  同(安宅常彦紹介)(第五八八四号)  外国人学校制度創設反対に関する請願石野久  男君紹介)(第五九一二号) 同月十八日  教育公務員特例法の一部を改正する法律案反対  に関する請願阿部助哉君紹介)(第五九一八  号)  同(井岡大治紹介)(第五九一九号)  同(猪俣浩三紹介)(第五九二〇号)  同(石川次夫紹介)(第五九二一号)  同(石田宥全紹介)(第五九二二号)  同(石野久男紹介)(第五九二三号)  同(枝村要作紹介)(第五九二四号)  同(小川三男紹介)(第五九二五号)  同外一件(大原亨紹介)(第五九二六号)  同(大出俊紹介)(第五九二七号)  同(小澤貞孝紹介)(第五九二八号)  同(加藤勘十君紹介)(第五九二九号)  同(加藤万吉紹介)(第五九三〇号)  同外一件(角屋堅次郎紹介)(第五九三一  号)  同外一件(金丸徳重紹介)(第五九三二号)  同(唐橋東紹介)(第五九三三号)  同(河上民雄紹介)(第五九三四号)  同(河野正紹介)(第五九三五号)  同外一件(久保三郎紹介)(第五九三六号)  同外一件(工藤良平紹介)(第五九三七号)  同(黒田寿男紹介)(第五九三八号)  同(小林信一紹介)(第五九三九号)  同外一件(佐野憲治紹介)(第五九四〇号)  同(阪上安太郎紹介)(第五九四一号)  同(斉藤正男紹介)(第五九四二号)  同(實川清之紹介)(第五九四三号)  同(田邊誠紹介)(第五九四四号)  同(田原春次紹介)(第五九四五号)  同(武部文紹介)(第五九四六号)  同(只松祐治紹介)(第五九四七号)  同(中井徳次郎紹介)(第五九四八号)  同(西風勲紹介)(第五九四九号)  同外三件(西宮弘紹介)(第五九五〇号)  同外一件(野間千代三君紹介)(第五九五一  号)  同(阿部昭吾紹介)(第五九五二号)  同外一件(長谷川正三紹介)(第五九五三  号)  同(浜田光人紹介)(第五九五四号)  同(平林剛紹介)(第五九五五号)  同外一件(広瀬秀吉紹介)(第五九五六号)  同(細谷治嘉紹介)(第五九五七号)  同(松前重義紹介)(第五九五八号)  同外一件(三木喜夫紹介)(第五九五九号)  同(武藤山治紹介)(第五九六〇号)  同外一件(森義視紹介)(第五九六一号)  同(森本靖紹介)(第五九六二号)  同(八木昇紹介)(第五九六三号)  同(安井吉典紹介)(第五九六四号)  同(山口鶴男紹介)(第五九六五号)  同(山田耻目君紹介)(第五九六六号)  同(米内山義一郎紹介)(第五九六七号)  同(渡辺芳男紹介)(第五九六八号)  同(伊賀定盛紹介)(第六〇九九号)  同(井上普方紹介)(第六一〇〇号)  同(大原亨紹介)(第六一〇一号)  同(金丸徳重紹介)(第六一〇二号)  同(小松幹紹介)(第六一〇三号)  同(佐野進君紹介)(第六一〇四号)  同(鈴木一君紹介)(第六一〇五号)  同(戸叶里子紹介)(第六一〇六号)  同(中嶋英夫紹介)(第六一〇七号)  同(中村重光紹介)(第六一〇八号)  同(西宮弘紹介)(第六一〇九号)  同(野口忠夫紹介)(第六一一〇号)  同(長谷川正三紹介)(第六一一一号)  同(畑和君紹介)(第六一一二号)  同(広沢賢一君紹介)(第六一一三号)  同(三木喜夫紹介)(第六一一四号)  同(八木昇紹介)(第六一一五号)  同(山崎始男紹介)(第六一一六号)  同(山田耻目君紹介)(第六一一七号)  学校教育法の一部を改正する法律案反対に関す  る請願阿部昭吾紹介)(第五九六九号)  同(阿部助哉君紹介)(第五九七〇号)  同(井上泉紹介)(第五九七一号)  同(伊賀定盛紹介)(第五九七二号)  同(猪俣浩三紹介)(第五九七三号)  同(石川次夫紹介)(第五九七四号)  同(石田宥全君紹介)(第五九七五号)  同(石橋政嗣君紹介)(第五九七六号)  同(大出俊紹介)(第五九七七号)  同(岡本富夫紹介)(第五九七八号)  同(岡本隆一紹介)(第五九七九号)  同(川崎寛治紹介)(第五九八〇号)  同(河上民雄紹介)(第五九八一号)  同(木原津與志君紹介)(第五九八二号)  同(栗林三郎紹介)(第五九八三号)  同(後藤俊男紹介)(第五九八四号)  同(神門至馬夫君紹介)(第五九八五号)  同(斉藤正男紹介)(第五九八六号)  同(田原春次紹介)(第五九八七号)  同(多賀谷真稔紹介)(第五九八八号)  同(武部文紹介)(第五九八九号)  同(玉置一徳紹介)(第五九九〇号)  同(塚本三郎紹介)(第五九九一号)  同(内藤良平紹介)(第五九九二号)  同(中谷鉄也紹介)(第五九九三号)  同(中村重光紹介)(第五九九四号)  同(野間千代三君紹介)(第五九九五号)  同(平林剛紹介)(第五九九六号)  同(広瀬秀吉紹介)(第五九九七号)  同(細谷治嘉紹介)(第五九九八号)  同(堀昌雄紹介)(第五九九九号)  同(松前重義紹介)(第六〇〇〇号)  同(松本七郎紹介)(第六〇〇一号)  同(三木喜夫紹介)(第六〇〇二号)  同(村山喜一紹介)(第六〇〇三号)  同(森本靖紹介)(第六〇〇四号)  同(八木一男君紹介)(第六〇〇五号)  同外一件(八木昇紹介)(第六〇〇六号)  同(矢尾喜三郎紹介)(第六〇〇七号)  同(柳田秀一紹介)(第六〇〇八号)  同(米田東吾紹介)(第六〇〇九号)  同(佐野進君紹介)(第六一一八号)  同(中村重光紹介)(第六一一九号)  同(畑和君紹介)(第六一二〇号)  同(広沢賢一君紹介)(第六一二一号)  同(三木喜夫紹介)(第六一二二号)  同(八木昇紹介)(第六一二三号)  外国人学校法案反対に関する請願石川次夫君  紹介)(第六〇一〇号)  同(大原亨紹介)(第六〇一一号)  同外二件(金丸徳重紹介)(第六〇一二号)  同(佐野憲治紹介)(第六〇一三号)  同(斉藤正男紹介)(第六〇一四号)  同(田原春次紹介)(第六〇一五号)  同外一件(西風勲紹介)(第六〇一六号)  同(広瀬秀吉紹介)(第六〇一七号)  同(三木喜夫紹介)(第六〇一八号)  同(門司亮君紹介)(第六〇一九号)  同(井上普方紹介)(第六一二四号)  同(金丸徳重紹介)(第六一二五号)  同(佐野進君紹介)(第六一二六号)  同(中村重光紹介)(第六一二七号)  同外一件(西風勲紹介)(第六一二八号)  同(畑和君紹介)(第六一二九号)  同(広沢賢一君紹介)(第六一三〇号)  同(三木喜夫紹介)(第六一三一号)  同(山崎始男紹介)(第六一三二号)  教育公務員特例法改悪等反対に関する請願外三  十九件(井手以誠君紹介)(第六〇二〇号)  外国人学校制度創設反対に関する請願外一件  (岡沢完治紹介)(第六〇二一号)  同外一件(田畑金光紹介)(第六〇二二号)  同(帆足計君紹介)(第六一三六号)  人口急増地域の義務教育施設整備に対する特別  措置に関する請願  (福田篤泰君紹介)(第六一三三号)  同(福永健司君外三名紹介)(第六一三四号)  同(伊能繁次郎君紹介)(第六一三五号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  日本学校安全会法の一部を改正する法律案(内  閣提出第九号)(参議院送付)  文教行政の基本施策に関する件(昭和四十三年  十勝沖地震による学校施設等の被害状況に関す  る問題)      ————◇—————
  2. 高見三郎

    ○高見委員長 これより会議を開きます。  文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  去る十一日発生いたしました十勝沖地震に関しまして、特に学校施設等の被害状況につきまして政府より説明を聴取いたします。村山管理局長。
  3. 村山松雄

    村山政府委員 十勝沖地震の文教関係の被害の概況でございますが、実は刻々として被害が増大しておりまして、ただいま御報告申し上げますのは、昨日の午後七時現在ということで概要を申し上げます。  まず人的の被害でありますが、死亡四名、これは青森県の三戸郡名川町剣吉中学校の生徒でございます。死亡の概要は、地震が発生しました当時授業中でありまして、避難の途中校庭のがけくずれによりまして生徒がその下敷きとなり、そのうち四名が死亡したということでございます。それから負傷が合計、現在六十五名。北海道が一名、青森県が六十四名ということになっております。このように多数の死傷者が出ましたことはまことに不幸なことでありまして、深く哀悼の意を表したいと思います。  それから施設の被害関係でありますが、まず公立学校施設におきましては、現在まで学校数にいたしまして約千百三十二校。内わけは、北海道が五百七十一校、青森が四百十六校、岩手が八十校、宮城が二十校、秋田が四十四校、福島が一校、計千百三十二校ということになっておりまして、被害の金額にいたしますと約十二億でございます。被害の学校数はたいへん広範囲、多数に及んでおりますけれども、大部分は煙突の倒壊ですとか、あるいは壁が一部落ちたという小規模の被害でありまして、かなり大きい被害といたしましては、北海道では、西当別小学校が半壊、それから青森県におきまして、三沢の商業高等学校の校舎約六百平米が半壊、それから大浦小学校千三百三十二平米が半壊、大浦中学校九百二十六平米半壊、折茂小学校千二百平米半壊、これらがおもなものであります。それから岩手県の浄法寺小学校二千四百二十九平米、これが半壊でございます。それらがおもな被害でありまして、他は数が多いわりにこまかい被害でありますが、合計いたしますと千百三十二校、金額にいたしまして十二億という被害になっております。  それから国立学校施設でございますが、北海道大学、北海道教育大学、室蘭工業大学、岩手大学、苫小牧の工業高等専門学校、八戸の同じく高専、秋田の同じく高専、釧路の同じく高専、小樽の商科大学等に被害を生じておりまして、そのうちで大部分は、これまた屋根がわらが落ちるとかあるいは壁の一部が崩壊するとか、小規模の災害でありますが、八戸の工業高等専門学校につきましては、柱が折れて一棟がかなり大きな被害をこうむったようでございます。八戸方面は現在通信、交通が途絶いたしておりまして、調査が行き悩んでおり、詳細のことはわかりませんが、現在までのところでもかなり大きな被害が出たのではないかということが想像されております。この八戸の高専を除きますと、それ以外は部分的な破損でありまして、金額にいたしましても約二千万程度の被害でございます。  それから次が社会教育施設の被害でありますが、北海道で金額にいたしまして約三十万、それから青森県で金額にいたしまして細工千三百万。中身は公民館、郷土館、青年の家、県営プールなどの小規模の破損でございます。  それから私立学校施設につきましては、北海道で函館大学が校舎一棟が崩壊いたしております。約四千平米の建物であります。それから青森県で千葉学園高等学校及びその付属幼稚園に約七千万の被害が出ております。函館大学の被害は現在調査中でございますが、もしあの校舎が全部使えなくて、中の設備もあわせて復旧するとすれば、二億円をこえる復旧費を必要とするのではないか、かように考えられます。  それから最後に文化財関係の被害でありますが、全般的には調査がまだ進んでおりませんが、函館の五稜郭につきまして一部石垣がくずれて約千五百万の被害があるんではないかということが報ぜられております。  以上、合計いたしますと、被害の総額が約十六億弱ということに相なっております。
  4. 高見三郎

    ○高見委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。唐橋東君。
  5. 唐橋東

    唐橋委員 災害関係に関して、ただいまの報告を中心といたしまして質問いたしたいと思うのですが、質問に入る前に、漸次災害の状況がわかり次第、文書によって各委員に御配付願いたいと思います。それは、私たちも非常にこの災害に対して関心を持たなければならないし、また一日も早く復旧を希望しておるからでございます。  お伺いいたしますのは、小規模のものが非常に多かった、こういうことでございますが、小規模になってくればくるほど、公立学校が数多いですから、地方財政への負担が非常によけいになると思うわけです。倒壊、完全全壊をする、こういうような場合には、すぐに府県あるいは市町村が一体となって災害の対策を急速にやる、校舎の建築はわりあいに早くいく、こういうことなんですが、一部の災害ということになりますと、金額にはあがってきても、それが必ず地方財政に大きなしわ寄せがくる。こういうことがいつの災害においても非常に悩みでございますけれども、それに対しては地方財政との関連をどのように考えているか、まず第一にお伺いしたいと思います。
  6. 村山松雄

    村山政府委員 災害復旧につきましては、政府としては、まずもってこの非常災害の対策本部が設けられ、十七、十八日の両日にわたりまして、北海道、青森に調査団を派遣いたしまして、文部省からも各班に一名担当の課長が参加いたしております。この調査を手始めといたしまして、詳細に被害状況を確認いたしまして、災害復旧の工事、その予算措置、万全を期するつもりでありまして、被害の大きいものはもちろん、こまかいものにつきましても必要な措置を講ずるつもりでございます。
  7. 唐橋東

    唐橋委員 その方向は了承できるのです。しかし、そういう中において、私たちここで詳しく申し上げなくてもわかると思うのですが、繰り返すようですが、いつの災害の場合でも、大きな災害、校舎が全壊をするあるいは火災の場合には全焼をしてしまった、こういうような場合には、直ちに起債等の配慮によって建築が促進される。しかし、屋根がわらが落ちたあるいは壁が落ちた、こういうような一部災害の場合には、非常に手が薄い、こういうことになっているのです。そのような状況は文部省としても御存じだと思うので、そういう点に対してやはり十分なる配慮をしなければならぬじゃないか。こういうようなことは常日ごろ私たちも考えておりまして、いま申されましたような対策の中において特にこういう点について御考慮いただかなければならないんじゃないか、こう考えておりますので、いまの質問をいたしたのでございますが、それらの点に対する取り組みというものは、やはり私は少しでも前進するようにしていただきたいという気持ちを加えて質問するわけでございます。大臣、こういうような地方財政との関連、今度の災害の場合にしわ寄せになるそれらの県に対してどうしても——特に東北、北海道の地方財政というものは、私がいまさらここで申し上げる必要はございません。地方財政が豊かでないという点については、これはもういろいろ数字をあげなくてもわかるわけでございまして、この地方財政が豊かでない地域における災害というもの、岩手にしても青森にしても、地方財政が豊かであるというようなところはほとんど市部ぐらいなもので、あと郡部というものはおそらく地方財政の困難さというものが大きくあるわけでございますので、どうしてもこの災害に対しては地方財政へのしわ寄せということが非常に大きく出てくるわけです。それに対する取り組み方をやはりはっきりと立てて処していただきたい、このようなことで質問をいたすわけであります。
  8. 村山松雄

    村山政府委員 災害復旧の従来のやり方につきまして一応御説明申し上げます。  一応今回の災害につきましても、従来のやり方が基礎となりまして、そのほかに対策本部において今回の災害に即した検討がなされるかと思います。従来のやり方によりますと、災害が起こりますと公立学校の場合、公立学校施設災害復旧費国庫負担法の規定によりまして、建物、工作物、土地、設備の復旧に要する経費の三分の二は国庫補助がされることになっておりまして、残りの三分の一は地方債の対象になって、地方が直接支出しなければならぬということにはならぬわけであります。それからさらに、当該災害について激甚災害の指定を受けますと、それぞれの実情に応じましてさらに補助率がかさ上げになりまして、最高は九〇%以上の補助になることもあるわけでありますが、現在までのところにおきましては、今回の十勝沖地震災害は激甚災害の指定要件には事務的には達していないように判断されております。  最後に、こまかいものにも配慮ということでありますが、現在の公立学校施設災害復旧費国庫負担法によりますと、政令で確かに最もこまかいものは切っておりまして、その限度は都道府県の設置にかかるものは十五万円、それから市町村の設置にかかるものについては十万円というのが最低限度でありまして、零細なものにつきましては、その手当ては起債で見るというやり方がなされております。
  9. 唐橋東

    唐橋委員 実際災害がしばしばあって、私たちも現地において体験をしておるのですけれども、どうしても大きな災害が中心になって、たとえば今度、施設設備の中における給食設備とか、体育設備とか、理科設備、こういうようなものが、いつでも災害の場合にどうしてもしわ寄せになってくる。いわゆる小規模災害の累積というものが非常に大きい額になってくるのです。そういう点に対する配慮というものが非常に薄い。こういうことを私たちは常に現地について痛感しておるわけです。そういう点に対して、もっときめのこまかい方策を住民側としては常に要求しておるのですが、それに対する取り組み、進め方を——いまは、もう十五万円以下のものはしかたがないが、それ以上のものは三分の二見るんだ、三分の一は負担だ、こういうようなお答えですが、そういう点に対して、実際現場ではそのとおりになかなかいっていないんじゃないか、こういうような点がありますので、私たちは非常に心配しておるわけなんです。それに対する施策というものを、くどいようですが、もう一度ひとつお伺いしたいのです。
  10. 村山松雄

    村山政府委員 ただいま、災害復旧に対する従来のやり方を法令に即して御説明申し上げたわけでありますが、今回の災害復旧に関しましても、従来のやり方が最低の基準になることは申すまでもないかと思います。  さらに、今回の災害の実態に即していかなる措置が必要であるかにつきましては、文部省のみならず、各省にまた共通する問題もございますし、災害対策本部が設けられて、実情を調査しつつ適切な対策を立てていくことと思いますので、文部省は文部省の立場で、できるだけ公共団体なり住民の負担が少なく、一刻も早く教育活動が開始できるような措置をとるように努力いたしたいと思います。
  11. 唐橋東

    唐橋委員 公立学校や国立の学校の場合は、私が申し上げたような地方財政のしわ寄せということを中心に考えていけば、災害の復旧というものはわりあいにスムーズにいく。ただ、そのほかの施設ですね、今度は。たとえば私立学校等に対する配慮、こういう点はやはり非常に困難な状態ですが、この資料にも私立学校の施設設備に対する被害というものが出ておりますが、それに対してどのような方策をとられるのですか。
  12. 村山松雄

    村山政府委員 私立学校の施設の災害復旧につきましては、当該災害が激甚災害の指定を受けますと国庫補助の対象になりますが、しからざる場合には、現行制度では国庫補助の制度がございませんので、私立学校振興会を通じます復旧費の融資によって措置をすることになっております。今回の災害は、現在までのところ激甚災害に至らないようでございますので、そうだとすれば私立学校振興会からの融資によって措置をすることに相なります。
  13. 唐橋東

    唐橋委員 函館大の場合——函館市は激甚災指定になりませんか。
  14. 村山松雄

    村山政府委員 目下のところならないように聞いております。
  15. 唐橋東

    唐橋委員 もう一つ、地方財政のしわ寄せということを、私は先ほど前向きの姿勢で取り組んでいただきたいということを申し上げましたが、やはり復旧の場合には、国も県も市町村も、災害ですからお互いに負担を持ち、父兄も負担を持つということは当然でございますけれども、父兄負担への大きな軽減というものが災害の場合には特に配慮されなければならない、こういうように考えて言っているのでございますが、それに対して非常に簡単に父兄負担をさせておる現状、これを一つ申し上げ、将来に対する御答弁をいただいて、やはり災害の場合にそのような風潮になってはならぬ、こういうようなことを一つ申し上げたいと思います。  御承知のとおり県立高校のような場合には、これは直接であると間接であるとを問わず、住民に負担を転嫁してならないという法律がございます。しかし、そのようなことがあっても、入学時に三千円、五千円というような入学金の徴収というのが普通になっております。この問題については、私は昨年この文教委員会で取り上げて、父兄負担の軽減については、そういうような地方財政法違反の疑いのあるものについては十分なる行政指導をする、こういうことであったのでございますけれども、この父兄負担の軽減について去年あたり取り組まれた状態をお聞きし、そうしてその状態が確実に実施されて、そうして災害の場合には特に父兄負担に対する軽減ということを十分留意した行政指導というものが必要だ、こう考えるわけでございますので、したがって、昨年あたり、この入学時における父兄負担の問題についてどのような行政指導をされたか。ちょっと災害の問題と離れますけれども、大きな父兄負担への基本的な態度でございますので、お伺いしたいと思います。
  16. 村山松雄

    村山政府委員 父兄負担の軽減の問題は、これは文部行政のかなり多くの面に該当する問題があるわけでありますが、施設面で申し上げますと、結局施設の単価——単価が安いと、それが地方にしわ寄せされたり、場合によっては父兄のほうにしわ寄せされたりするわけでありますので、地方の超過負担の軽減、父兄負担の軽減という角度から、公立文教施設につきましては、従来単価を実情に合うように改定することに努力をいたしまして、昭和四十三年度の予算におきましては約一〇・三%の単価改定を行ないまして、これでほぼ、特別な御注文がない限りは、他に負担をかけないで必要な基準の建物が建てられるというぐあいに措置をいたしました。なお、今後とも施設面では地方ないし父兄に超過負担をかけるようなことのないように努力をいたしたいと思います。  そのほか教材ですとか、教科書ですとか、学校給食ですとか、いろいろな問題があるわけでありますが、それぞれ措置は何ほどかずつされたと思いますけれども、所掌でございませんので、施設面だけを御説明申し上げます。
  17. 唐橋東

    唐橋委員 私の要望だけを申し上げて質問を終わります。  いままで申し上げましたように、どうしても災害の場合には地方財政は圧迫の方向にある。これはお互い国、県、市町村が災害復旧の負担を持つというととは当然でございますけれども、そういう中において、どうしても地方財政という困難な状態に対する考え方、それからもう一つはやはり父兄負担の軽減という考え方、こういう中において十分なる行政指導をされて、財政的な裏づけ等も十分考慮された中において、一日も早く災害の復旧の促進をされることを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
  18. 高見三郎

    ○高見委員長 川村継義君。
  19. 川村継義

    川村委員 実はあしたも災害対策特別委員会が開かれます。これからこの十勝沖地震対策について、いろいろと災害対策特別委員会で議論をすることになろうと思いますから、私は、きょうはいまの御報告によって簡単にお尋ねをしておきます。  まだ被害状況もきちっとまとまった調査ができていなくて、相当調査中というような状況であるようでありますから、調査がまとまったあとでまたいろいろとお聞きをしなければならぬと思いますが、文部大臣、この被害が起こりましてから文部省は調査官を派遣しましたか。
  20. 灘尾弘吉

    灘尾国務大臣 政府の調査団の中に、文部省からも北海道、東北、それぞれ一名ずつ派遣をいたしております。なお、建築等の問題につきましては、状況によりましてさらにあらためて調査をいたしたいと思っております。
  21. 川村継義

    川村委員 これは文部大臣、実は私からも心からの要望なんですが、政府の今度の調査団の中に入っていかれたのはけっこうだと思いますけれども、あれでは日程も少ないし、こまかな調査がおそらくできないのではないか。すべからく早く専門の調査官を派遣していただいて、ひとつこまかに調査をしてもらう必要がある。  私はなぜこういうことを申し上げるかといいますと、今日までわれわれは幾つかの水害であるとかいろいろの災害にぶつかってきた場合に、何といっても文部省の調査が一番手ぬるい。そういうのが特に心にかかっているわけです。私たちが地方の災害調査に参りますと、具体的な例を一、二申し上げますと、学校の校舎が、まだかわらが落ちたまま、あるいは校舎のむねの破損がそのままに放置されておる。雨が降ると教室に雨漏りがする。なぜ早くこれを修繕しないのですかと町長あたりに聞きますと、うっかり手をつけたらあとで教育委員会あるいは文部省あたりの調査が来られたときにどうもおしかりを受ける、補助対象からはずされるような傾向がある。そんなばかなことが文部省にあるものかと言っても、よくそういうことを耳にするわけですね。つまり、そういう文部省の査定が非常におくれるということで、学校の授業等に支障を来たすというような幾つかの事例をわれわれは耳にいたしました。そういう意味で、今度のような地震においては特に調査を、このあとの査定等についても急いでいただく必要があるのじゃないか、こう強く思っておりますからいまお尋ねをしたわけです。これは大臣からいまお話がありましたが、局長まだそういう急ぐという日程はおきめになっておりませんか。
  22. 村山松雄

    村山政府委員 災害が起こりましたときに応急措置をすることと、後日の災害復旧費の査定の問題でありますが、後日の災害復旧費を査定する場合に、災害時の原状が不明になってしまいますと問題が起こり得るので、災害時の原状は写真撮影その他で的確に把握しておく必要がございますが、応急復旧は、授業再開のために必要とあれば一刻も早くやってよろしいということを従来とも指導をいたしております。ただ、その際、できれば市町村だけで措置しないで、都道府県の教育委員会もありますので、都道府県教育委員会の立ち会いあるいは了解のもとに原状を把握しておいて、とりあえず応急措置をやるということは一向差しつかえございませんし、むしろそういうぐあいにするように指導いたしております。  また、今回の災害につきましては、かなり建築上も調査を要する点が多いと思われますので、政府の一般的調査とは別に、文部省として必要と認めるところには必要な調査員を派遣するつもりでございます。
  23. 川村継義

    川村委員 どうぞ、そういうような行政的な面で地方が困らないように、あるいは授業等に支障を来たさないように、ひとつ大きな配慮を願いたいと思います。  函館大学ですか、この間新聞を見て驚いたのですが、まだ新しい校舎のようですが、えらい大きな被害を起こしておる。あのような場合に文部省としては何ら手を打つ必要はございませんか。
  24. 村山松雄

    村山政府委員 函館大学の倒壊の原因につきましては、新聞等に大きく報道されましたので、建築学会がたいへん関心を持って現在調査団を派遣しております。従来学校の災害につきましても、大きいものにつきましては、文部省でやるにいたしましても建築学会の協力を求めてやっておりますし、建築学会のほうが自発的に調査されたものにつきましては、その結果をちょうだいして文部省の対策にも役立てるという相互連絡をとって措置いたしております。函館大学は建築学会が先に調査に着手されたようでありまして、そこと十分連絡をとりたいと思いますが、文部省としても単に建築学会まかせではなくて、必要と認めれば現地調査をやりたいと考えておりまして、どうもその必要があるのではないか、かように考えております。
  25. 川村継義

    川村委員 そうです。私もそう思うのですが、私学振興会あたりからおそらくあの金は出ておる、幾ら出しておるかきょうは聞きませんが、やはり相当な金が建築に出ておると思うのです。そうすると、そういう面から文部省の責任というものは必ずある。この前の緊急な災害対策特別委員会でも、建設省がひとりで、手抜きがあったのではないかとか、あるいは鉄筋の筋が小さかったのではないか、いろいろなことを答えておる。もちろん建設省がそういう建築上の問題について検討するということばいいことですけれども、文部省としてやはり独自に見る必要があるのではないかと私はつくづく思ったわけです。そういうので、いま建築学会のほうで調査されるということですから、これはもちろん緊密に連絡をとっていただかなければなりません。しかし、やはりできたらああいう場合には文部省が独自に調査をする。そうしてああいう建築の過程において何か粗漏を起こしておるのではないかということを発見し、金を振興会あたりが貸すときにも適切な指導等ができるようにすべきだと思います。いま局長から、大体必要があるので調査をしようということですから、そういう点につきましてもぜひひとつ力をいたしてもらいたい、このように考えるわけです。  それからもう一つ、これは大臣にとりあえず要望の形になろうかと思いますが、地震研究について、気象庁が情報を出すとかいろいろなことは担当しております。ところが、この前のえびの地震のときにも明らかになったのですが、どうも地震研究は日本は世界で最高水準をいっているというけれども、まだまだこれから研究を重ねていかなければならない、学術的に研究しなければならない幾多の問題が実はあるようです。そこで気象庁の話を聞くと、どうも大学の地震研究におんぶされているような面が非常に多うございます。こういう点から考えると、文部省としてもやはり大学の地震研究の力をもっと高めるという必要があるのではないかと思いますが、大臣、これについて、この前のえびの地震、今度の大きな十勝地震等を考えて、何かお考えをお持ちであるかどうかお聞かせいただきたい。
  26. 灘尾弘吉

    灘尾国務大臣 仰せのとおりに、地震につきましては、日本が一番自信を持っている国であろうと思うのでありますが、新潟地震のときにもたまたま私も文部省におりまして、この方面のことをもっと進めなければならぬということでいろいろ検討いたしてまいりました。おっしゃるとおりであります。私どもとしましても、大学の地震学の研究等につきましては、さらに積極的に検討を加えてまいりたいと思います。できるだけ、ことに関係の学者あたりの要望もずいぶんあることでございますので、それらも取り入れまして検討をしてまいりたいと思います。
  27. 川村継義

    川村委員 ぜひひとつこれは十分なる御考慮をお頼みいたしておきたいと思います。  先ほど唐橋委員から、地方財政等の関係についていろいろ御意見、要望が出ておりましたが、これは私から申し上げませんけれども、こういう災害が起こると、当面一番苦労するのは地方自治体でございます。そういう面につきましても、それぞれの公立学校の施設の復旧等につきましての対策は、すみやかに進めていただくことを重ねて実はお願いしたいと思います。  そこで、いま一つぜひ御検討を願っておきたいと思いますことは、もしもこれらの地震で激甚災害の指定を受けたとするならば、公立関係には三分の二の補助適用があるかと記憶いたしておりますが、私立学校にも二分の一の適用がたしかあるはずです。局長、そうでございましたね。
  28. 村山松雄

    村山政府委員 公立学校は激甚災害の指定を受けなくても、公立学校の災害復旧費国庫負担法によりまして三分の二の国庫補助がなされます。私学は一般には補助制度がございませんで、激甚災害の指定を受けますと二分の一の国庫補助ということになります。
  29. 川村継義

    川村委員 そこで激甚災害の指定を受けると——いまのお話のように、激甚指定がなくても三分の二、当然そうなりますし、また、そのほかにも地方団体はかさ上げの方法がありますからある程度助かるわけですね。九十何%というような財政措置ができるわけですから、地方団体はそういう面では非常に助かる。私立の二分の一というのはもうちょっと進めて、やはり激甚災害の指定を受けたときには、私立関係の学校にももう少し補助率を高めてやる必要があるのではないかと思ったりしているのですが、大臣あるいは局長のお考えはどうでしょうか。
  30. 灘尾弘吉

    灘尾国務大臣 この問題は私も実は心配いたしておる。今度の十勝沖の地震をどういうふうに扱うかという問題も、先ほど事務的に局長からお答えがありました。政府の災害対策本部におきましても、なおよく調査の上で十分検討しなければならぬと思いますし、また国会方面におきましてもいろいろ御検討がなされておるところでございますので、今後の検討に待っていかなければならぬと思うのでございますが、私の気持ちとしましては、できるだけ手厚い援助をしたいものだというふうな気持ちでもって対処していきたいと思っておる次第でございます。  私立学校の問題につきましても、全体の私立の学校がどうなっているかというふうなことも、なおよく調査をしなければならぬと存じておりますが、先ほど来お話の出ております函館の私立学校のごときはなかなか大きな被害でございますので、これが復旧という問題は容易でない、このようにも考えますので、その意味で実は心配をいたしているような次第でございます。結論はどういうことになりますか存じませんけれども、なるべくよくなるように私としましては検討を進めてまいりたい、また皆さんとも御相談をしたい、このように存じております。
  31. 川村継義

    川村委員 激甚災害を受けた場合の私立学校等に対する援助措置についてもぜひ御検討を願いたい。なお、さらに私立学校の復興等についても、私学振興会から出ていきます融資等の道についてもあたたかい御配慮、御検討を願いたい、このことを要望して終わります。
  32. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 関連して。ただいま唐橋川村委員から質問がありました中で、ちょっと念のために伺っておきたいのですが、唐橋委員の質問のように、とかくこれがまた地方財政を圧迫し、特に市町村の負担にかぶさるということの心配の御指摘がありましたが、いま管理局長の御答弁によって、公立学校につきましては、激甚災害の指定のいかんにかかわらず災害復旧費国庫負担法によって三分の二の補助が行なわれる、こういう御答弁でございましたが、その執行上の問題なんですが、たとえばこの表で出していただきました公立の高校——商業高校あるいは中・小、被害の規模が相当大きな全壊のようなものと、ほんの一教室ぐらいの被害じゃないかと思われるようなものといろいろあるようですけれども、私、いま伺いたいのは、原則としてもとに復する費用というふうになっていると思うのです。そうすると、老朽校舎で木造がこわれた、それをもとの木造の校舎に、こわれた当時のように復旧するというのは意味ないわけです。これはたしか法律の中でも、そういう場合は木造のものを鉄骨あるいは鉄筋に、あるいはいままで鉄骨だったものをさらに一歩進めて鉄筋にこの際建て直す、こういう場合ももとに復するという意味に解釈をしてその予算を見る、そういうふうになっていると思いますが、今回そういうふうに取り扱われる御方針かどうか、そこをまず念のためにお尋ねしておきます。
  33. 村山松雄

    村山政府委員 現在の公立学校施設災害復旧費国庫負担法によりましても、木造校舎を鉄骨または鉄筋コンクリート造に改良復旧が認められております。従来の例によりましても改良復旧ができる予算措置が認められております。今回もできると思いますし、また、ぜひできるようにいたしたいと思っております。
  34. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 御明快な御答弁でございますので了承いたします。ぜひそうしていただきたい。  もう一つ心配になりますのは、これは唐橋委員の質問がそういうことをさしていると思いますが、その災害の度合いの大きさがやはり一定の基準に達していないと、その対象にならないのじゃないか。これは当然どっかで線を引かなければならないということだから、法律にそういう規定があるのは当然だと思いますが、実際問題として、貧弱な市町村が災害によって困っているときに、学校のこわれ方が少ない、全校倒れればよかったけれども、二教室倒れたためにこれはどうも復旧の対象、補助の対象にならない、こういうようなことになって、軽微であったためにしわ寄せが逆に大きくなる。こういうことがやはりこの法律の条文を見ましても心配になりますが、その点についてどうお考えか。
  35. 村山松雄

    村山政府委員 現在、先ほど御説明申し上げましたように、少額で補助できない限度が、県立校で十五万円、市町村立校で十万円でございますので、一応の被害が出れば復旧費が補助できることは一般的にはいえようかと思います。やり方につきましては、おいおい調査を進めまして、現地で文部省関係、財務局関係と立ち会い調査をして、具体的にどれだけのことをやるかということはきめますが、できるだけ設置者なり学校に有利になるように文部省としては努力いたしたいと思います。
  36. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 これもまたたいへん力強い御答弁を承りましたが、ぜひいま管理局長のおことばどおり実行されるように、大臣にも特に御要望申し上げまして、大臣から一言お考えを伺って私の質問を、関連ですから終わりたいと思います。
  37. 灘尾弘吉

    灘尾国務大臣 文部省の態度といたしましては局長がお答え申し上げましたとおりでございます。  なお、この問題はやはり地方の財政力の問題ということにもなろうかと思います。自治省方面ともよく相談をしてまいるつもりでございます。
  38. 長谷川正三

    ○長谷川(正)委員 終わります。
  39. 高見三郎

    ○高見委員長 有島委員
  40. 有島重武

    有島委員 ただいま各委員から御質問ございましたけれども、私どもの公明党といたしましても、当日災害が起こりまして数時間の後に調査団を派遣いたしましたので、その調査その他をもとにいたしまして質問させていただきます。  私どもとしても一番心配しております点は、地方財政あるいは父兄負担にかなり大きなしわ寄せがかかってくるんじゃないかという点でございます。この点については、ただいままでいろいろな質問がございましてお答えがございましたので省略いたします。そしていまもっぱら問題になっておりますのは、復旧という点が一番当面の問題として、これは当然論議されておりますけれども、将来に向かってこれがいつどこで起こるかわからないわけでございます。そうした将来に向かっての配慮をしながら今度の災害対策をやっていかなければならないのではないか、この点を一番痛感しておるわけでございます。  それで、このたびの災害の中でも、それは不可抗力ではございますけれども、同一地域内において非常な差があるという点でございます。その中でも函館なんかの場合には、学校がその中で一番問題になってしまった。この点は非常に遺憾な点であると思います。手抜き工事のことがあるんじゃないか、そういうことがうわさされておりますけれども、こういった点においては、今後学校の工事ということについては特段のやはり注意、監視をしていかなければならないのではないか、そういうふうに思います。それで、こうした大きい災害になりましたところは、かなりみんな衆目の集まるところでございますから、いいと思うのでございますけれども、壁が落ちた、ガラスが破れた、それから校舎にすき間ができた。こういう寒い地方でございますから、これは夏だからいいようなものでございますけれども、すき間がずいぶんできてしまった。これについてはやはり同じ学校内でも古いところ、新しいところ、新しくてもだめになってしまったところ、いろいろこれは差別があるわけでございます。先ごろ調査団が参りましたけれども、このことにつきましては、やはりこまかく調査をなさって、将来にわたっての、ちょっとしたことでもってがたがくるこない、そういったことについてあらかじめここのところは補修しなければいけないのじゃないかという、そういうような配慮をしていかなければならないのじゃないかということを痛感してまいりました。  それでお伺いしたい点は、いま老朽校舎の指定という、これは何か点数制になっているというふうに伺っておりますけれども、その点数の基準というのは何年間ぐらいずっと変更しないできたのか、最近変更する御予定があるのか、その点を伺いたいと思います。
  41. 村山松雄

    村山政府委員 危険校舎の認定の基準でありますが、これは建築基準法にのっとって、完成したばかりの完全な建物を一万点として、主としてその構造の耐力度の面からだんだん点を下げていきまして、四千五百点以下のものを危険校舎ということにして認定しておるわけであります。この点数の計算方法そのものはかなり固定的に考えておりますが、具体的に個々の学校を危険校舎に認定するかどうかにつきましては、ときどき実態調査をやっております実態調査によって、前回は危険でなかったけれども、今回点数が落ちた場合には、四千五百点以下に落ちた場合には危険校舎に認定するという、年々即応の措置をとっております。
  42. 有島重武

    有島委員 今度被害を受けました各校舎について、いままでの査定が何点ぐらいであったかということはわかっておりますか。
  43. 村山松雄

    村山政府委員 そこまでまだ詳細にわかっておりません。
  44. 有島重武

    有島委員 その点が問題であると思うのです。現実には五千点以上であった、だけれども同一地域内において、ほぼ同じ条件と思われるところでもって、にもかかわらずこういったことが起こった、そういうことをしっかりと調べていただきたい。それが一つであります。  それから、もしも関東なら関東、あるいは関西なら関西にこういったけたの地震が起こったときに、現状のままであればどのくらいのどういう被害が起こるであろう、これはいろいろと予想されておりますけれども、こういったことも特に学校の関係はこの際に考えなければいけないことではないかと思います。そうして、そうした一つの想定の上に、災害が起こってから十六億円出すよりも、起こらない前に処置すべきものはお金を出したほうがよほど安上がりである。災害のたびにみんなそう思うのだけれども、現実はなかなかそういかないわけでありますけれども、それをやはり、事学校に関しては、これは子供を守っていくのだからという強い情熱をお持ちになって推進していただきたいと思うわけであります。  要望に終わりましたけれども、大臣の御所見を承りたいと思います。
  45. 灘尾弘吉

    灘尾国務大臣 平素からそういう問題につきましては十分注意してまいらなければならぬ問題でございますので、学校建築の状況等につきましても、なかなか全国的に調べるということも文部省としては容易でないと存じますが、何と申しましても地元の教育委員会等においてそういう問題について十分関心を持って、各学校の状況等についての実態の把握につとめてまいるようにいたしたいと存じております。
  46. 有島重武

    有島委員 それで先ほどの点数の問題でございますが、その点数で、にもかかわらず被害がこうであった、その点については調査のでき次第資料を出していただけますでしょうか。
  47. 村山松雄

    村山政府委員 現在、一番新しい危険校舎の調査台帳で文部省に参っておりますのが昭和三十九年度の分であります。実は昨年小部分の調査をやりましたが、それがまだまとまっておりません。そこで三十九年現在の危険校舎の状況は、全国的にどこの学校がどうということは文部省ではわかっております。今回の災害で具体的にどこの学校のどこの校舎が災害によって被害を受けたかということがわかりますと、文部省の台帳と照合すると、それが危険校舎であったかどうか、どういう状態のものであったかということがわかるわけでありますが、その照合がどの程度かかりますか、急速にはいかないと思いますけれども、できるだけつとめたいと思います。
  48. 有島重武

    有島委員 それではすみやかにそれを処置なさいまして、資料をいただきたいと思います。資料の提出について委員長にもお願いいたします。  それから大臣、各地方の教育委員のほうにも言って、そうした注意を喚起していきたいとおっしゃいましたけれども、通達か何かを実際にお出しになりますでしょうか。
  49. 灘尾弘吉

    灘尾国務大臣 事務的ないままでの経過を十分存じておりませんのでなんですが、学校建築について十分注意をするようにというふうな通達はいつでも出してよろしいと思っております。
  50. 有島重武

    有島委員 こうした一番関心の集まったときに、しっかりした調査をもとにして通達をお出しになっていただくように、これは要望いたします。  以上で質問を終わります。      ————◇—————
  51. 高見三郎

    ○高見委員長 参議院送付にかかる内閣提出の日本学校安全会法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。     —————————————
  52. 高見三郎

    ○高見委員長 この際、おはかりいたします。  ただいま議題となりました本案について、本日、日本学校安全会理事長西田剛君を参考人として、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 高見三郎

    ○高見委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     —————————————
  54. 高見三郎

    ○高見委員長 参考人には、御多用のところ御出席をいただきましてありがとうございます。  なお、参考人の御意見は、委員からの質疑に対するお答えでお述べいただくよういたしたいと存じますので、さよう御了承いただきます。  質疑の通告がありますので、これを許します。斉藤正男君。
  55. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 今回の日本学校安全会法の一部を改正する法律案、第一には高等専門学校の学生を共済給付の対象とするということが第一点、第二点は、監事に関する規定等を整備をするということで、二項目にわたっていると思うのでありますけれども、高等専門学校の学生をその対象とするということは当然なことであろうと思うわけでありますが、ここで一ぺん総括的に伺いたい点は、日本学校安全会の監事に関する規定というようなことで、文部省関係の特殊法人につきましてはすでにその大部分がこの監事規定等整備をされていると考えるわけでありますけれども、この際、特に高等専門学校の学生を対象とするという法案の一部改正が行なわれることに便乗をしてこの監事規定を挿入されたのか、あるいはもし高等専門学校の学生を対象下に置くということがなくても、この監事規定というものは当然設けなければならないという考え方から法案として用意をする意思があったのかどうなのか。どうも便乗してついでにやるんだというような気がしてならないわけでありますけれども、局長、どのようにお考えでございますか。
  56. 赤石清悦

    ○赤石政府委員 監事に関する規定につきましては、政府全体の方針といたしまして、やはりいま提案申し上げてありますような内容に将来どの法人も改正すべきである、こういう方針でございます。さりながら、この監事に関する規定を一斉にするということも——適当な機会に、つまり他に改正の機会があるそのときにおいてなす、こういうような政府の方針があるのでございます。便乗と申しますか、何か適当な機会、したがって今回安全会法は高専を給付の対象にする、こういう重要な機会でございますので、その機会にやらせていただく、こういうことにいたした次第でございます。
  57. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 大原則に従って、たまたま高専の学生を対象にするという法案改正が行なわれるので、この際、便乗ではないけれども一緒にやる、こういうことですね。  次に伺いたいのは、学校安全会法十八条によりますと、「安全会は、第一条の目的を達成するため、次の業務を行う。」ということになっておりまして、その第一号に「学校安全(学校における安全教育及び安全管理をいう。)の普及充実に関すること。」これが第一号にあげられ、第二号に給付の規定が出ておるわけでありますけれども、とかく学校安全会あるいは学校安全会法といいますと、二号のことはいろいろいわれておりますけれども、学校安全の普及充実に関することということになりますと、それほど目立っていない、また問題がないというように考えられますけれども、一体日本学校安全会は、この第十八条第一号の普及充実事業を具体的にどのようにやってきたのか、それからまたやっていこうとしておるのか、御説明をいただきたい。
  58. 西田剛

    ○西田参考人 ただいまお話しのように、学校安全会法によりますと、給付の事業とあわせて普及啓発の事業をやるという法律上のたてまえになっております。安全会ができて以降、主として給付のほうに重点が置かれてきたうらみがございますが、それにはその財源がやはり大蔵省の補助金にあやかってきておったというような状況もあるのですが、従来やってまいりましたのは、二、三の例を申し上げますと、一つは、各府県に学校安全に関する研究指定校を設けております。本部として各県に一つずつ。また、支部においては支部の状況に応じて幾つかの研究校を設けておるわけですが、本部といたしましては学校種別によりまして小学校、中学校あるいは高等学校、特に交通安全をやってもらいたいところは特にこうした特定テーマを与えるということで、安全会ができて二年目から研究を開始してまいっておりますが、それらの成果につきましては逐年その報告を求めまして、それをこちらで分析しまして、研究成果の発表を毎年報告書として出しまして、府県及び研究指定校に配付するなり、あるいは関係の機関等に配付しまして、この推進をはかっておるのが一つでございます。  なお、あわせまして、安全会自体といたしまして、学校安全に関する研究の大会を年に一度この四、五年行なってまいっております。大体の参加者は二百人程度でございますが、これを中心にして研究を格段に進め、これにつきましても研究の成果の報告書等をつくりまして、各府県及び研究校等に配付いたしまして研究の促進をはかっておるような次第でございます。  なお、この種の研究大会につきましては、そのほかに文部省と共催で保健大会その他に相当の学校安全に関するテーマを主題とした分科会を設けて普及充実に資していくというようなこと、あるいは交通安全協会と共催いたしまして、これもこの三年来毎年やっておりますが、交通安全を主とした学校安全の研究大会を持つ、こういうふうな仕事もやっておりますが、そのほかに機関誌を各学校に年に六回出しまして、学校安全に関する意識を高める、あるいは児童の関心を高めるために図画や作文を募集しまして、そして表彰を行なう、あるいは学校安全について非常に成績をあげておるというような学校につきまして各府県で表彰するというような事業を行なっておりますが、これらにつきまして本部といたしましても助成を行なっていく、あるいは文部省と共催いたしまして、やはり学校安全について特に研究の成果の著しい学校を顕彰していくというようなことをやってまいりましたが、全体的に見まして、御指摘のようにやはり給付にややアクセントが置かれ過ぎておる。もっと積極的に予防のほうに力を入れるべきだと私ども考えまして、この二年来、そのためには大蔵省の予算だけにあやかっていたんではやれることもできないということで、独立採算的な事業としまして、普及啓発に資するような資料なり印刷物を有料で配布するという事業を展開いたしまして、これには文部省及び大蔵省の了解も求めまして、予算上そういうような費目を起こしまして、自前の予算でございますが、独立採算でやるという予算をつくりまして、それに基づきまして交通安全その他の事業を最近は活発に実施しているような状況でございます。  交通安全について申し上げますと、文部省の編さんにかかる手引き書を発行いたしましたが、これが二十七万部くらい出ております。それだけでは学校の現場では扱いにくいというので、それをこなすための参考になるような資料を安全会でつくりまして、すでに第一集、第二集、第三集というようなものを出しておりますが、そのほかに心同じ趣旨で低学年用のスライドを用意しておるというような事業もやっております。この二年来そうしたことで普及啓発については従来よりも一段と力を入れるという方針でただいま臨んでおるような状況でございます。
  59. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 昭和四十年十二月十七日、行政監察局は文部省に対し次のような勧告を行なっております。その中に「日本学校安全会は、学校安全研究校を設置しているが、学校安全について、いまだ十分な普及を行なっていない。文部省は、学校安全の手びき、学校安全点検要領など具体的な安全管理方法を示し、都道府県教育委員会および日本学校安全会を通じ学校の安全管理が適切に行なわれるよう指導する要がみられる。」こういう勧告を行なっておるわけでありますが、いま理事長のお話を聞きますと、学校安全に関係をしてやかましくいわれております交通安全の手引きについては一集から二集、三集というように出しておられるようでありますけれども、学校安全全体について、監察局の勧告は、学校安全の手引きと学校安全点検要領というような、具体的に安全管理の方法を示せというように言っておりますけれども、交通安全は社会問題でもありますし、当然なことだと思うわけでありますけれども、全般的な学校安全の手引きについてどのようにされたのか、あるいは学校安全点検要領といったようなものについて文部省としてどのように配慮をされたのか、局長から伺いたい。
  60. 赤石清悦

    ○赤石政府委員 御指摘のように昭和四十年十二月十七日におきまして行政管理庁から、児童生徒の安全、保健の確保につきまして文部省に対しまして勧告があったのでございます。これを受けまして、またいろいろな世論を受けまして、学校安全につきましては文部省は従来とも取り組んできたわけでございます。したがいまして、今回の教育課程の改善等におきましても、学校安全を従来学校保健という中で取り扱っておっただけでございますが、さらにいろいろな安全上の諸問題がありますことにかんがみまして、教育上学校安全ということを特別に特記いたしまして、これへの取り組みをしようというふうに、今回の教育課程の改善におきましてでき上がっておるわけでございます。  もっとも、この教育課程の改善以前におきましても、ただいまの勧告がございましたので、交通安全につきましては、しばしば申し上げますように手引きをつくっておりますが、さらに交通安全以外の一般学校安全、たとえば水難事故、山登り、キャンプ等、いろいろ学校安全の問題ございますので、さような学校安全全般の指導の手引き書をつくるべく準備してきたところでございます。  ただ、この学校安全につきましてもいろいろの分野がございますし、なかなかにこれをまとめるということに時間がかかっておったのでございますが、今回教育課程の改善がはっきりといたしましたこの機会に、さらにこれらのいろいろな資料につきまして、一般学校安全の指導の手引きをつくりたい、このように準備させていただいておるわけでございます。  なお、それらとは別に、またそれらと関連いたしまして、たとえば水難事故、子供の水難事故がやはり非常に多うございますので、どうしても学校教育の面で水難事故を防止するような指導、したがいまして学校教員の泳ぎ方、泳げない先生をできるだけなくしたいということのための実技指導とか、いろいろなことについての予算措置その他をいたしておりますし、また登山の事故防止につきましては、これは単に学生、生徒だけではございませんで、一般社会人も含めまして山岳遭難事故防止対策のために協議会をつくって、各省庁とも連携をとりましてやるとか、あるいはまた御協力いただきまして富山県に登山研修所をつくらせていただくとか、いろいろとそれぞれの分野でいたしてきたところでございます。  したがいまして、学校安全につきましては、学校安全のための特殊法人である学校安全会がございますけれども、文部省といたしましては、やはり基本の問題は、文部省の教育体系の中で学校安全をどのように続けるかといったようなことを担当させていただきまして、学校安全会ともども今後取り組んでまいりたい、このように考えておる次第でございます。
  61. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 行政管理庁の勧告は四十年に行なわれておるわけですから、やはり学校安全の手引き等につきましては、いま広範な準備をされておるようでありますけれども、やはり早急にこういうものはつくって、その十分な利用をはからせる、あるいはその対策を確立させるという必要があると思うわけでございますが、昭和三十九年度において約四十一万件の災害が発生をし、全児童生徒数の二・六%に当たっている、百人のうち二・六人が災害にあっているわけになるわけでありますけれども、その後四十年、四十一年、四十二年、一体学校災害というのはどういう傾向にあるのか。三十六年以後急増の傾向にあって憂うべき現象である、こういうようにいわれてきておったわけでありますけれども、一体四十年、四十一年、四十二年はどのような件数になり、そのパーセンテージはどのような傾向をたどっていたのか、説明員でもけっこうですから、説明をいただきたい。
  62. 赤石清悦

    ○赤石政府委員 確かに先生の御指摘のように、件数といたしましてはふえているような資料に相なっております。これはいろいろと事情を探索いたしてみますと、交通事故のように、一般交通事情の変化に伴いましてふえる要素のある点も指摘できると思います。しかしながら、それ以外の事故につきまして詳細に分析、できかねておりますが、必ずしもふえているということがいえるかどうか疑問を感じております。むしろ、事故件数は学校安全会が取り扱いました件数でございます。   〔委員長退席、久保田(藤)委員長代理着席〕 したがって、学校安全会は、どうしても給付の対象にしてほしい、こういう要望が各学校から出ておるわけでございます。その件数がふえているわけでございますので、実際の事故がふえている要素と同時に、安全会の給付の対象となる件数がふえている、つまり安全会が本来の機能を十分に活動するためにふえているという面と、この両方があるのではなかろうかと考えております。  次いで申しますと、昭和三十九年が五十三万件、これは負傷、疾病、廃疾、死亡、全部総計でございますが五十三万件、四十年が五十五万件、四十一年が五十九万件、こういうふうに少しずつふえておるわけでございます。
  63. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 私の資料と若干違うわけでありますけれども、三十九年が五十三万件ですか、四十年は五十三万件、四十一年が五十九万件、四十年は何件ですか。
  64. 赤石清悦

    ○赤石政府委員 いま申しましたことは、これは安全会の扱っております幼稚園、全部含めてでございます。いま先生の御指摘のは義務教育だけでございますから、義務教育だけについて申し上げますと、三十九年が四十一万四千件でございます。それから四十年が四十一万七千件でございます。四十一年が四十三万八千件でございます。やはり義務教育の場合は少しずつふえております。
  65. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 やはりふえているのですね、明らかにふえている。これは何か給付の対象に幅広くなるべく適用したいという要請があって、扱い件数がふえているというような言い方なんですが、これは三十九年が辛くて、四十年が甘くて、四十一年はもっと甘くしたということじゃない。もう基準はかた過ぎるほどきちっとできているのですから、やはり絶対件数がふえているといって、もう明らかに数字が証明していると思うわけなんです。もちろん、これには交通事故等に伴う事件が増発していることは間違いないだろうというふうに思うわけでございますけれども、これらの災害の発生はきわめて憂慮すべき問題だろうというふうに思うわけであります。先ほど西田理事長の答弁にありましたように、研究指定校を指定して研究会をやり、大々的な発表会もやっている、二百人くらい集まるというようなお話でしたけれども、これは一体ブロックでやるのか、全国でやるのか、あるいは都道府県でやるのか、その辺の、いわゆる学校安全会の指定なり文部省の指定なりで学校安全教育の研究会をやられる、その内容と規模は一体どういうようになっておられるのか。全国でやった、全国のただ一つの研究会に二百人集まったからといって、こんなものは成績があがったとはいえない。郡、市でやったのに二百人集まったといってもたいしたことじゃないな、こういうように思うわけです。私は現場にいた感覚から受け取るわけでありますけれども、一体どういう規模でやった学校安全研究会にどのような成果があがったのか、そこら辺もう少し詳しく御説明願いたい。
  66. 西田剛

    ○西田参考人 説明が不十分で失礼いたしましたが、本部がやっておる学校安全全体を踏まえての講習会には二百人見当でございますが、そのほかにブロックで——全部のブロックではございませんけれども、大体半数のブロックで、ブロックの安全講習会をやっております。それから各県でも、約十県足らずでございますけれども、学校安全の研究会を行なっておるのが普通でございます。なお、研究校がございますが、研究校は必ず発表会を行ないますので、各校とも研究校に指定されておるものは当該年度に相当大規模な発表会を行なっておりまして、それぞれ相当多数の者が参加をいたしております。  なお、前後いたしまするが、本部と関連のある行事といたしましては、学校保健大会というのが御案内のようにございます。これは文部省主催で、私どもも共催で入っておるわけですけれども、大体三千人近い参加者があります。五、六十の分科会になりますが、そのうちの五つ足らずのものが学校安全を主たるテーマにして学校安全の研究会が行なわれる。全体的に見ますと、そういうふうな発表、研究の状況でございます。
  67. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 本部主催の研究会というのは、これは全国規模の研究会というように思うのですけれども、四十六都道府県から三人ないし四人あるいは五人という規模だと思うのですね。学校安全会なり文部省が主催、後援をする研究会としては、私はそう盛大な研究会ではないと思うのです。また、この行政管理庁の勧告の中にもありますように、「常に災害発生率の高い学校があるにかかわらず、市町村教育委員会では、警察など関係機関との協力を要するような交通事故防止についても、これらと連けいしていないものや安全対策を講じていないものがある。」、あるいは「学校の休憩時間中の事故が、災害総件数中、小学校では四六%、中学校では三四%を占め、相当多いが、学校内において安全管理を担当する者が明確でないものがある。」というようなことが指摘をされておるわけでありますけれども、道徳教育とか国防教育の研究会というのはまだ聞いたことはありませんけれども、そういうものを文部省が主催でやるとか後援でやるとかいうことになると、国立教育会館があふれるばかりに集まってくると思うのです。しかるに学校安全については関心が少ない。これは設置者である地方教育委員会の責任だとか、あるいは都道府県教育委員会の責任だといって放置できる問題ではない。重大な学童あるいは生徒、学生の生命に関係する問題であるわけであります。これに関心が薄くて、全国規模の研究会を開いて、そこに二百人そこそこしか集まらないというようなていたらくは、これは断じて許されない思うのです。もっとやはり人の命を預かる、人の命をはぐくむ、行政機関の責任者なりあるいは現場の責任者なり担当教師の関心は深くなければならぬというように思うわけでありますけれども、文部省の指導が適切であるかどうか、きわめて疑問に思わざるを得ない。体力を増強し、健康を増進するという積極的な保健対策もあります。しかし一方では、消極的には見えますけれども、万全の措置をし、万全の対策を立てて、学童、生徒の生命を守るということも、当然車の両輪のように考えなければ完全な学校教育というものは進まないというように思うわけであります。どうもやはり全国規模の研究集会に二百人集まりましたというようなことでは、その成果があがったとはいえない。どこかに欠陥があるというように思うのですけれども、局長、その辺をどのように把握されておりますか。
  68. 赤石清悦

    ○赤石政府委員 御指摘のように、学校保健の領域はややじみでございまして、このために取り組む学校保健主事、養護教諭、または非常勤学校医、歯科医、薬剤師等々いろいろございます。しかし、何ぶん学校教育全体におきまして、あるいは御指摘のような点なきにしもあらず、われわれ関係者といたしましては日常やきもきしている分野でございます。おかげさまで、しかし目立たないとは存じますけれども、この学校保健の問題は学校安全とともにやや関心が従来よりも増しつつあるのではなかろうか。特に私ども苦心いたしますのは、学校医とか学校保健主事、こういう当然やってくださる方々の講習会も大事でございますが、何といいましても、やはり学校管理の責任者、学校長あるいはまた教育長、こういった方々がこの種の方面に理解を示していただくことが大事であろう、こういうことでいろいろ苦慮いたしているところでございます。  いま、学校安全会の講習会二百人というのは少ないじゃないかという御指摘がございましたが、中央がいたしますのは量よりも質というふうに私ども考えますので、そうした講習会によって、地方でさらにその普及徹底をはかるということがねらいでございますので、   〔久保田(藤)委員長代理退席、委員長着席〕 会場、経費その他の問題がございまして、二百人程度でやらしていただいておるわけでございます。しかし、全国的に見れば、それを機縁にいたしまして、いろいろと各方面でそれを受けました講習会等がいたされておると思います。また、学校安全会のみならず、文部省が直接いたしますものもございます。それを受けまして教育委員会あたりがさらに県ごとにやる、こういう仕組みになっておるのでございますので、二百人を三百人にふやすことができれば、学校安全会と検討することにいたしたいと思いますが、量より質という点に着目してやらしていただいております。
  69. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 そこで先ほどの行政監察の問題に戻るわけでありますけれども、学校安全会の手引きは鋭意いいものを出すように準備中だということで了解をいたしますけれども、学校安全点検要領、こういうものも具体的な方法として検討せよということが言われておりますけれども、学校安全の手引きの中へこういうもの含めて出すおつもりなのか、あるいは別な方法で考えられているのか。すでに勧告を受けて三年になろうとしているわけですから、具体的な対策があってしかるべきだというように思うわけでありますけれども、いかようにお考えでありましょうが。
  70. 赤石清悦

    ○赤石政府委員 いま御指摘の点検は当然学校安全指導の全般の重要な一項目と考えますので、その中に含めるつもりでおります。
  71. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 ぜひ学校教育の成果をあげるために、きわめてじみな仕事のように思われますけれども、件数にいたしましても、また金額にいたしましても、それほど少ないものではないわけでありまして、万全を期する意味でこうした対策の確立を早急にいただくように要望をいたすものであります。  次に、昨年八月、文部省管理局教育施設部指導課から、公立学校公害実態調査の結果についてというものが発表されております。この冊子は産業公害が学校教育に悪い影響を与えている具体的な姿を浮き彫りにしておるわけでありますけれども、公害にはいろいろございます。しかし、この公害のうちで特に騒音、振動あるいは大気汚染等々、直接学校教育に悪影響を及ぼしておるわけでありますけれども、このうちで特に北九州工業地帯、あるいは京葉工業地帯、あるいは特殊な形であるといわれておりますけれども四日市の公害問題等々、学校教育に非常に大きな悪影響があることが、この統計調査からも明らかであります。いわゆる四日市ぜんそくといわれている風土病的な産業公害がその原因であろうと思われるぜんそくが四日市にあることは御承知のとおりでありすすけれども、この四日市ぜんそくの罹病者のうち、学童は一体どの程度あるかお調べになったことがございますか、あったらひとつデータを示していただきたい。
  72. 赤石清悦

    ○赤石政府委員 これはまだ文部省において直接全体的に調査したといいがたいのでございますが、四日市市の教育研究所がございまして、そこで塩浜小学校でいたしました健康診断——塩浜小学校と桜小学校、二つの学校を調べた結果を私ども入手いたしまして、一応いまのところその資料に基づきまして検討を始めておるところでございます。これは一、二の例でございますので、全体を推しはかれるかどうかわかりませんが、いまの先生の御指摘の四日市ぜんそく、これを一応分けておりまして、咽喉頭炎、気管支炎、ぜんそくといったように分けておりますが、受診者が九十名中、咽喉頭炎が男女合わせまして五十九人、それから気管支炎が十六名、ぜんそくが十一名というふうになっております。この数値は同一人が二つのものを持っている場合もございますが、全数はちょっと出ておりませんが、九十名中でございますので、これはかなりの数字ではなかろうか。ただこの数字が、いわゆる公害が原因であり、結果であるか、こういう議論になりますと、また別の問題がもう一つありますが、一応とにかくこういう数値が出ておるのでございます。
  73. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 四日市の塩浜と桜が公害による特殊な病気であるということはもう明らかなんですよ。その公害発生源がどこであるかということになると、これはまた問題になってくると思いますけれども、特に桜と塩浜が集団的にのどが痛い、あるいは気持ちが悪いという学童が出ていることは、これはもう産業公害であることは明らかです。ですから、そんなことに文部省が何も気を使う必要はない。ただ、私がここでお尋ねしたいことは、この学校安全会法の適用事項の中にいろいろとずっと書いてあるわけでありますが、これらの産業公害によって明らかに災害を受けている児童生徒にこの学校安全会法が一体適用できるのかできないのか。どうも条文によりますと、こうした問題は、もちろん授業中のことでありますし、学校安全会法の適用を受けて治療なり、防除というわけにはいきませんけれども、すべきだというように考えるわけですけれども、もし適用するとすればどの条項を適用するのか、適用しないというならばなぜ適用できないのか、これは法文の解釈にもよると思いますけれども、局長なりあるいは理事長のほうから見解を伺いたい。
  74. 赤石清悦

    ○赤石政府委員 公害によります災害に対する学校安全会の給付の対象についてのお尋ねでございますが、御承知のように安全会は、けがをしたとかあるいは集団中毒したとか、そういったような災害を中心にいたしましてでき上がったものでございます。したがいまして、学校管理下という一つの制限がございまして、いま申しましたような災害がはっきりと学校管理下に見られるようなケースについて救済していくというのが学校安全会の当初の発足の趣旨でございましたので、今日のように非常に複雑な要素を持っております公害と学校安全会との関係につきましては、なかなか重大な問題があるように考えられます。しかし一応私どもの見解といたしましては、その原因が何であれ、明らかに学校管理下において、たとえば学校の運動場で遊んでおって、目に公害の粉じんが入って目を痛めた、かような場合においては、それが公害であろうがなかろうが、ともあれその現象をとらえまして給付の対象とする、こういうふうなたてまえをとっておるわけでございます。ただ、おそらく先生の御指摘の中には、いまのぜんそくだとか気管支炎といったようなものを御指摘になっておられるのではなかろうかと思いますが、こうした病気は、遺憾ながら現在の学校安全会法ではいまだ給付の対象としておらない。こういうふうに学校管理下であるかどうか、またそれが対象となっている疾病であるかどうかといったようないろいろな制約で今日のところ非常に問題が残っておるのでございます。ただいえることは、その原因が何であれ、事実起こったことにつきまして、できるだけ学校安全会が救済をしていくということにつきましては、将来とも検討の余地があるであろう。しかし、公害全般と学童の問題を学校安全会法で全部措置するというふうな問題になりますと、ちょっと別の問題でありますし、これは公害全般の問題として取り上げるべき課題ではなかろうか、こういうふうに考えている次第でございます。
  75. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 目にごみが入ったが、それがどこから飛んできたかわからない粉じんであったという場合にはこれは適用する。だれが投げたかわからない、あるいは投げた者がはっきりしている、石ころが飛び込んだ、これはもうもちろん対象になるわけです。学校管理下におけるということが一つある。これは学校管理下における粉じんであり、有毒ガスであり、悪臭であることは間違いない、学校へどこからともなく侵入してくるガスであり、悪臭であるのですから。しかも先ほど集団中毒というお話がありました。これは学校でつくった給食用のものに中毒要素があって発生した事故だということで、明らかだといえば明らかでありますけれども、集団的にやられている、ほかの学校に例を見ない数があらわれているというようなことも、これまた明らかだと思うのです。公害全般の対策として扱うべきだということも、これまたわかるわけでありますけれども、公害全般として、たとえば公害基本法ができたからといって、こういうものが救済されるわけでも何でもない。そんなことはやりません。これはやはり当面学校が受けている集団的な公害の影響ですから、私はもう少し柔軟性を持って——さればといって、そんなことをいえば全国どこでも公害があるというふうに拡大解釈をされるという心配もあるかと思いますけれども、これは特殊な例なんです。いま全国どこの学校でもこのことによって特殊な疾病が発生しているというわけではない。私は四日市の例をあげ、先ほども局長から、九十名からの四日市ぜんそくだとは断定できないけれども、それに類する疾病を持っている学童があるという具体的な数字をいただいたわけでありますけれども、そういうことは何万、何十万件というような件数になるとは思わない。もしそうなっても、これはやはり日本の産業経済の発展に伴って起きてきた一つの災害でございますから、当然学校安全会法の適用をしてしかるべきだというように思うわけでありますけれども、そんなことは拡大解釈をすれば切りがないというお考えなのか、あるいは明らかにこれが産業公害に原因を持つ特殊な疾病であるという場合に限って考慮の余地があるというのか、もう一度局長から答弁をいただきたい。
  76. 赤石清悦

    ○赤石政府委員 明らかに公害による疾病であるということになりますと、加害者はだれであるかといったような問題がございますし、学校安全会法は第三者にそういう場合それに対して弁償請求をするようなたてまえになっております。つまり、父兄なり設置者なりが平等の立場で掛け金を払って、同じようなケースについてお互いが助け合っていこうというような安全会の趣旨でございます。ところが、通常見られないケースによって、しかもそれが学校管理下であるかないかといったようなきわめて重要な問題を残しているときに、やはりそういったものを入れるか入れないかということは、これはかなり重要な問題でございます。その地域における掛け金に影響しないかどうか、あるいはまた、そのような場合を認めたとき、さらに加害者に対してどういうような安全会としての請求をするかといったような、いろいろな問題があるのではなかろうかと存じます。そこで私ども申し上げましたのは、公害による学童の被害について何らかの急速な対策を講じなければならないという点については、学校保健をあずかる私どもとしては考えなければならぬ問題だとは存じますが、しかし学校安全会でその原因を究明することなく、直ちに救済ができるというところまで現在ものの考え方が進んでおるかどうかという点にちゅうちょを感ずる次第でございます。ただ御指摘のように、一般の場合でもできるだけ安全会が救済の手を広げつつございます。さようなことを講ずることによって事実上公害による学童の被害を救済していく、手を広げるという配慮がどの程度までできるか、こういうことについては学校安全会とともに検討してもいいのではなかろうか。ただ、それが学校管理下であるかどうか、たとえば学校も住居も公害地域である場合、それがはたして学校公害とのみいえるかどうか、もし住居が清浄な空気のところから通って、学校が公害の地域であるような場合は、何となく常識的には理解できないわけではございませんが、そういうようなケースはむしろまれでありまして、学校も住宅地域も全部公害地域にあるような場合、学校管理下にあるといえるかどうか、きわめて専門的、技術的な難点、問題点があるわけでございまして、御趣旨はよくわかるわけでございますが、これは全部国費でもってまかなうのではございませんで、お互い父兄なり設置者なりがともども出し合って組織している安全会である以上、やはりそこは慎重に事を処しなければならぬのではなかろうか、かように考えておるわけでございます。
  77. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 局長の説明はよくわかるのです。私の住まっているところが公害の発生源に近く、しかも集中的な被害を受けている地域であって、学校にいる間に受ける被害よりもうちへ帰ってからの被害のほうが明らかに大きい。むしろ住まいへ帰ってからの原因のほうが大部分だというものにつきましては、また別の角度から公害対策全般として考えるべきだというように思いますけれども、特殊な例でありましても、やはり空気清澄な地域に住んでいて、その学校へ通っているがゆえに災害を受け、先ほど申し上げましたような病気にかかったという場合は、これはほかの学校へ行っていればかかるわけはないということも明らかになると思うわけなんです。さればといって、学校運営上、この子は安全会法を適用し、この子は適用しない、それはなかなかむずかしい問題が現実的、具体的問題として出てくることはよくわかるわけでありますけれども、局長のおことばにもありましたように、公害問題全般が大きな政治問題となりあるいは人道上の問題となっている今日、やはり学校に襲来してくるこうした産業公害に対する一つの基本的な、学校教育としてのあるいは文部行政としての考え方も、この辺で明らかにしていく必要があるのではないかというように思うわけであります。消極的な防除対策もありましょうし、あるいは施設そのものの移転といったようなこともありましょうし、その際文教政策上どうするかというような大所高所からの対策もありますけれども、現実に起きている、それほど多数でない、しかも明らかに学校管理下と思われる学童あるいは生徒の対策については、おことばにありましたように、前向きの姿勢でひとつ検討をいただけるものかどうか、もう一度大臣からお答えをいただきたいと思うわけです。
  78. 灘尾弘吉

    灘尾国務大臣 きわめて重要な問題だと私ども考えております。問題は、いま質疑応答にも出ておりましたように、いろいろな問題点というものがあろうかと思うのであります。いずれにしましても、学童の身体、生命の安全を守っていくということは、われわれとしてゆるがせにできない問題でございますから、学校安全会法の問題であるかどうかというふうなこともさることながら、そういう公害のある地帯における学童の保健衛生あるいは健康、生命という問題として、文部省としてもっと掘り下げて研究しなければならぬ点が多々あろうかと思うのであります。同時に、この対策としましても、いま御指摘もございましたけれども、ただ病気が起こったときにどうするというだけの問題ではなくて、その原因を一体どういうふうにして緩和するか、また除去するか、こういう問題もございましょうし、また、そういうふうな公害に対する責任は一体どこでしょっていくかというふうな広い問題もあろうかと思いますが、いずれにしましても、学校安全会が現在担当いたしております業務も、この公害対策の一翼をになうものとして、われわれとしても考えていかなければならぬ大きな問題ではなかろうかと存じております。具体的な問題に対してどういうふうに制度を適用していくか、こういう問題についてもいろいろ検討すべき問題はございますけれども、いま申しましたような意味において、私どもとしましても積極的に検討を進めさしていただきたいと存じます。
  79. 斉藤正男

    斉藤(正)委員 なお数項目ありますけれども、時間の都合で続けましょうか、それとも休まれますか。
  80. 高見三郎

    ○高見委員長 この際、暫時休憩いたします。    午後零時三十六分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕