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清水参考人 私、
日本学校給食会理事長の
清水康平でございます。
このたび
日本学校給食会の
職員が
収賄容疑で逮捕されるという
不祥事件が突発いたしました。まことに遺憾のきわみでございます。この
容疑事実の問題につきましては、ただいま
捜査当局におきまして徹底的に
調査されておりますので、その結果を待ちませんと、私からはっきり申し上げることができないことは遺憾しごくでございます。しかし、一部
新聞等の
報道を見ますると、正常の人では考えられないようなことが、もし事実であったとしたならばこういうことが一体あったのであろうかというくらいの
容疑のようでございまして、
日本学校給食会最高の
責任者である
理事長私の
監督不行き届き、私の
不明不徳のところは深くおわびをいたす次第でございます。私
どもといたしましては、このようなことが二度とないように全役員、全
職員、自粛自戒いたしまして、心を新たにいたしまして、
事務組織その他を検討し、もしそこに改善するところがあるとしたならば、どういうふうに改善したらいいであろうかということも検討いたしておる次第でございまして、二度とこういうことのないように万全の
措置をとってまいる決意でございます。こういう問題を起こしましたことをあらためて心からおわびいたす次第でございます。
犯罪容疑の事実は、先ほど申し上げましたとおり、
捜査の結果を待たなければわかりませんが、一部の
新聞によりますと、ただいま
小林先生から御
質問があったのでございますが、たとえばこういうようなことが書いてございました。
日本学校給食会は
外国からの
スキムミルクを
輸入する
指定業者を
指定しておるんだ、それを自由に増減できる、それを
小松が一人できめておったというような点がございましたが、現在やっております
実情を申し上げますと――決して私はその
職員をかはうとかなんとかいう問題ではありません。現在事実やっていることを申し上げますると、
日本学校給食会業務方法書というのがありますが、その
細則に、
外国産
脱脂ミルクの
買い入れという章がございまして、その
買い入れの
方法は
輸入者の
競争に付するものとなっております。それから違う条文に、それならば
輸入者の
資格はどうかということになりますと、その
輸入者の
資格は通商産業省が
輸入発表に定める
申請者の
資格とする。こういうことになっておるわけでございます。それで、この
輸入発表に定める
申請者の
資格とはそれならばどういうことになっておるかと申し上げますると、年に一度または二度
通産省公報でもって、その
学校給食用の
脱脂粉乳の
輸入割り当てについての
輸入発表がございます。それによりますると、その
申請者の
資格といたしまして、
前期に基づいて
輸入割り当てを受け、これにより
日本学校給食用物資を
輸入した
実績を有する者であって云々ということになっております。
前期の
学校給食用脱脂粉乳輸入の
実績を有するということになりますと、これはもう私
たちもわかりますし、
通産省もわかっておりますし、
輸入業者もわかっておるのでございまして、それが
先ほどお話がございましたように
輸入業者が七社になっておるわけであります。これは
日本学校給食会が始まりました三十年以降から
実績があるものですから、そのまま私
どものほうはその
資格として、その人を呼びまして
説明会を開いて、そしてやっておるわけでございます。そしてその場合、
業者に、おまえのところは何千トン持ってこい、おまえのところは千トン持ってこい、こう言って
割り当てるというのじゃございません。
実情を申し上げますると、たとえばずっと長い
間アメリカのCCC、当初は
余剰農産物であったのでございますが、これをたとえば
年間契約で、かりに四万トン買いますと、月別に二千トンとか三千トンとか五千トンとかをきめます。そうすると、
説明会におきまして四千トンなら四千トンを
アメリカの
五大湖から、何
月積みでどういう品物を、
価格は
幾らで、一ポンド
幾らと
説明しまして、それを輸送してもらいたいということで
説明会を開くわけでありまして、当初から
価格も
数量もわかっておるのでございます。それに応じまして、その
資格を有する七社は計算をいたしまして、
説明会後数日後、
入札日に
入札見積書を持ってきてこれを
入札に付する。そして一番安い
価格、われわれがっくりましたところの
予定価格よりも低くてそのうちで一番低いものが落札する。こうなりますと、
落札者はわれわれの発行しました
発注書を持ちまして、銀行の
証明書を持って
通産省へ参りますると、そこで初めて
外貨資金の
割り当てを受けるということになっておるのでございます。
それから先ほどの御
質問にございましたが、
倉庫業者はどうするかというと、
倉庫業者はこういうふうにして
指定しておるわけでございます。
学校給食用の
スキムミルクの
寄託の問題でございますが、これは
倉庫業者は、
倉庫の
指定は毎年度で、毎年あらかじめ
指定いたしておるわけでございます。現在は東京、横浜、神戸を入れまして、二十三の
指定倉庫を
指定しております。これは毎年やるわけでございます。それで
指定倉庫を
指定する場合の
要件がございます。たとえば、おおむね次の各号に掲げる
要件を具備しなければいけないというふうに書いてありまして、一号、二号、いろいろな
要件がございます。従来
学校給食ミルクを取り扱った経験があるかないかとか、
倉庫の構造が堅牢で
機械設備等があるかないかというような、
指定倉庫の
要件がございます。それを頭へ入れまして、
倉庫業者が毎年申請してまいりますので、これを毎年あらためてそういう
要件を頭へ入れて
指定しておるわけでございます。
それならば今度は、
外国から
スキムミルクを運んでまいりますが、それをどういうふうに
寄託するか、
保管を頼むかということになるわけでございます。それはやはり
規定がございまして、
寄託をしようとする場合におきましては、そのつどその
寄託しようとする
数量、たとえば二千トン入ってくるということになるとその二千トソという
数量と、それから
倉庫はもう
指定してありまするから、どのくらい預けるかという
数量とその
倉庫の
状況を勘案いたします。これは
規定がございますが、
倉庫の
状況等を勘案してと書いてありまして、そしていろいろ折衝するわけですが、その
倉庫が詰まっておったりあいておったりいろいろするわけです。そして詰まっているところは少なくし、あいているところは多くするということがあり得ると思います。
倉庫の現状を把握いたしまして、そして
指定しました二十三社のうちを選んで
寄託する、こういうことになっております。この点におきましては、あからさまに申し上げますと、一つの自由裁量権の問題があろうかと思います。自由裁量というのは、いろいろ
状況を判断をして入れる。その辺
実情を申しますると、これは
物資課でやりまして、そしてこの担当の
理事、それからもう一人の
理事、それから私のほうへまいるのでございますけれ
ども、そういう
倉庫の
状況によりまして多い少ないがあり得るわけです。しかし、これではいかぬので、どうして少なくなったかということを実は二年ばかり前から、これこれこういうわけでこの
倉庫は多い、これこれこういうところで少なくなったということを横に、その結論よりも論理と経過を書くように指導したわけでございます。そこで、これではどういうものか、やはり
指定した以上は、とにかくその当初は少なかったり多かったりするかもしれぬけれ
ども、これは四十一年の終わりごろだったと思いますが、幹部会を開きまして、やはりこれは
指定した以上は
年間を通じて、当初はばらばらであっても、
年間を通じて大体の
数量は同じようにしたらどうであろうかということまでいたしておるわけでございます。以上が、この
輸入業者と
指定との関係を申し上げたわけでございます。
でございますから、
倉庫へ入れる場合におきましては、これは申し上げましたとおり、
指定だけしまして、どれくらい入れるかということは
競争入札じゃないのです。これはやはり規程の第十五条に基づきまして随意契約になるわけです。これはどうしてそうなるかと申しますと、この立法が
昭和三十年にできたのでございまするが、
寄託料というものは一致いたしております。高い安いじゃなくて、
寄託料というのはもう一致いたしておるわけでございます。たとえば
寄託料は運輸省で定めたというか認可したものでございまして、普通
倉庫保管料率表というものがございます。そして貨物の
種類がたくさん、六十か七十ありまするが、その中にいろいろありまして、
スキムミルクの該当があるわけです。それで
スキムミルクの
保管料というものは、従価率と従量率を出しまして、それを
寄託価格にかけまして出ておりまするので、具体的に入れる場合に
競争入札にしていない、随意契約ということになっておるのはおそらくそういう点からきているのじゃなかろうか。
寄託料が同じでございます。そういう意味合いから、入れる場合には
指名競争入札にはなっておりませんという
実情だけを御報告申し上げたわけでございます。
それから、ちょっと長くなりましたけれ
ども、ただいま
小林先生から、こういう
事件が発生いたしますると
日本学校給食会の
内部が一体どうなっているのだ、紊乱しているのじゃないかというように思うというような
お話がございました。こういう
不祥事件を起こしまして各方面に御迷惑をおかけし、特に本会の信用を失墜せしめたということは、担当者としてまことに申しわけないのでございますが、しかし、その
収賄容疑とは別に、
日本学校給食会の運営が本来の使命に違背しておったとか、あるいは
日本学校給食会の経理が不正であったとかいうようなことは絶対ない、私はさように確信いたしております。決してこれは毎年会計検査院が調べるとか、
文部省の会計と一緒に調べておるとか、
日本学校給食会の監事さんがそう言っているとかいう意味でなくて、また、部下を信頼しておるというような精神論ばかりでなく、私は
日本学校給食会の運営そのものが不正があったとか、あるいは本来の使命に反しておるというようなことは絶対ないということを確信いたしておるのでございます。
しかし、この問題で世間に本会の信用を失墜せしめたということはまことに申しわけないのでございまして、長くなりますけれ
ども、私は、
日本学校給食会自体としてどこに一体そういうすき間があるかないか、もしあるとしたならばどういうふうに改善したらいいであろうかということを考えまして、
日本学校給食会の運営改善検討
委員というものを全役員、全課長に命じまして、検討いたしておるところでございます。
しかし、私は率直に申し上げまして、このよって来たった
原因と申しますか素因というものは、反省いたしますると、やはり何といたしましても同一人を同一職種にあまり長く置くということはいけない。なるほど世帯は少ないのでございますけれ
ども、やっている
仕事は非常に複雑であり多岐でございますので、同一人を同一職種に長く置くということはまずいのではなかろうか、これは直ちに改善せねばならぬのじゃないだろうか。その他、長くなって恐縮でございますが、われわれといたしましては、われわれ
職員が特殊法人に基づく特殊の身分を持っておりますので、いままで新規採用、これはあまりないのでございますけれ
ども、ぽつぽつありますが、新規採用の際には宣誓をせしむるとか、あるいは
職員の研修というようなことをやるべきではなかったろうか。あるいは事務的の面から見ましても、物の面と金の面がございますので、相互牽制、チェックということを今後よほどまじめに考えていかなければいけない。分化、分担せしめると同時に、責任を感ぜしめていかなければならないのじゃないだろうか、かように思っておる次第であります。
小林先生の御
質問にあるいは逸脱したことがあるかもしれませんが、今日までの
経緯を申し上げ深くおわびをいたし、今後こういうことのないように万全の
措置をとってまいりたい、かように考えておる次第でございます。