○
武部委員 これは
逓信委員会でございませんので、これ以上のことはなかなか論議もしにくいわけですが、私は四月一日の午後七時三十分の
NHKのテレビを見ておりました。そうしたら、「みなさんと
NHK」という番組が出てきまして、そこに出たのは、前田会長と男女二人の評論家と称する方でした。それを三十分間見ておりますと、四月一日から
カラーテレビが上がったことの理由づけを、三十分間そのテレビを通して一生懸命やっておられるんですよ。
私は、言われることをいろいろ書いてみましたが、一日十時間
カラーテレビの放送をする、五年後には十五時間にしたい、こういうようなことですよ。このことについても、郵政
大臣はたしかクレームをつけたはずです。大体、一日十時間とか十何時間とかを
NHKが一方的に放送するのだ、金は高くなければいかぬという、そんなことはおかしい、
国民が一番希望する番組を放送すべきではないかということを言っていました。これにはいろいろ
意見もありましょう。
意見もありましょうが、五年後には十五時間にする。したがって、いまの経費を逆算すると百五十八円になる。百五十八円になるけれ
ども、百五十円にまけておくというような言い方ですよ。まけておきました。八円おまけになったようです。
問題は、
NHKは、
国鉄や電電公社と異なって、
国民全体のものだということを非常に強調されておりました。
国鉄や電電は
国民のものじゃないという言い方ですけれ
ども、私はこれもちょっと不可解です。
それから借り入れ金をして運営をしておるのだ。いまあなたのおっしゃること、われわれの言ったこととちょっと違うのですよ。そして、放送債券を発行しておるのだ、こういうことです。放送債券を発行されておりますが、放送債券の発行は、残高は四十一年度末で二百三十四億ですよ。
放送法によると、発行額の十分の一を積み立てることになっている。これにもいろいろ郵政省の行政指導の面があったというようなことを言っておりますけれ
ども、
現実には、
放送法の十分の一という、そういうことじゃない、三分の一の八十四億円が積み立てになっているのです。
こういう余裕しゃくしゃくたる
経理内容です。
長官の言われたとおりですよ。そうして借り入れ金の金額も調べてみましたが、あなたがおっしゃるのと同じことです。私
どもの
指摘したいことは。非常に余裕しゃくしゃくの
経理をしておる。にもかかわらず、
放送法の中で、
予算を通せばぽんと上がるような
仕組みになっている。これには私はやっぱり問題があると思う。そういう
見解を述べられた宮津
長官の
発言について、
NHKの会長はどういうことを言ったか。私はこれが非常にかちんときたから、ぜひきょうおいでいただきたいと思ったのです。
政府としては、ぜひひとつ今後の
NHKの
あり方について、はっきりした
見解をこれから立てていただきたい。
三月十三日の
逓信委員会の席上で、自民党の
委員から、宮津さんのさっきおっしゃったような、
NHKの
経理が非常にわかりにくい——ずさんということばは、
報道にあったことそのまま言ったのだから、そのずさんということばは当たらぬかもしれませんが、しかし、
内容は大体似たり寄ったりで、
新聞の
報道どれを見ても、それからいまお聞きしたことを見ても同じことなんですが、前田会長は、この宮津さんの
発言について、こういうことを言っておるのです。簡単ですから議事録を読みます。
経済企画庁長官あるいは
経済企画庁がいろいろ批評をしておるのを承っている。「巷間伝えられ、あるいは
新聞の
報道、記者会見等における
経済企画庁の
考え方は、根本的に、
NHKがいかなる法体制の中で、いかなることを目標として存在を認められている企業体であるかということについての御認識は、ほとんどお持ちでないのじゃないかというのが第一点」、「第二点は、
NHKの
経理の計数的分析が、第一点と関連して、全く事業会社の分析と同じ方式をとっている、したがって、これも私にとっては問題にならない御批評ではないかというように感じます。」こういうことをはっきり言われたのですよ。
ですから、あなたのいまおっしゃったことについて、全くこれは全然
指摘は当たっておらぬ、一体
企画庁は
NHKを何と見ておるか、認識がゼロだということをはっきり言われたのです。私は、たいへんなことをおっしゃるが、これはひとつ一ぺんお二人から聞いてみたいと思って、きょうぜひ
出席をしていただいてお聞きをしたかったわけですが、残念ながら片一方しかおいでになりません。しかし、
現実にこういう批評は、あの
カラーテレビの
受信料の
値上げをめぐっての
逓信委員会のやりとりの中で、はっきりと議事録に載っておるのですよ。こういう点についてどうお
考えでしょうか。