○
宮澤国務大臣 消費者物価というものを下げるという方向で考えるかどうかということでありますが、私は、いまのわが国の経済の、あるいは社会全体の変動から見まして、
消費者物価を下げるということは実際上はむずかしいであろうと考えております。したがって、その
値上げ幅を、
上昇の幅をどれだけ小さく押えられるかということに政策の重点を置いておるつもりであります。その中で、ものによりましては、いわゆる生産性の低いものでございますが、生産性
上昇のための施策を講ずることによって
値上がりを押えられる
部分がかなりあると思います。これはかなり長い間の
努力を必要といたしますが、何年か続けてやってきております。他方で、生産性が相当高いと思われる産業の中で、あるいは寡占体制とか価格管理体制とかいうものがあり得るわけでありますから、そういうものについては、そういう不公正な
取引に対してはこれを
指摘して直していく。これは主として公取がやっていてくださるわけでありますけれ
ども、従来にもそういう例がございました。そういうものについては、生産性
上昇分はこれを企業者だけでなく、労働にも、また
消費者にも公平に分配をしていくということがいいのではないかと考えまして、そういうふうにやっておるつもりであります。しかしながら、そうであるとは申しても、
消費者物価全体が下がっていくということはなかなか考えられませんで、
上昇をどれだけの小さな幅に押えていくかということが、私
どもの政策の当面の
現実的な
目標になっておると思います。
それから、いまのLT貿易の小站米の話でございますが、私これをどういうふうに使ってまいるのか実は存じません。
お尋ねでございますから一度確かめておきたいと思いますが、この酒米につきましては、御
承知のように、一般の飯米と同じような売り方をしておりますために、酒の原料米は毎年上がってきております。そうして、したがって清酒の製造価格、コストが上がっておるので、清酒の価格の引き上げを認めてもらいたいという
動きは、もう実は相当強い
動きであって、またコストが上がっておるということは、これは隠せない事実であります。そこまでは私も実は認めております。これがまた、しかし、もう一ぺん、供給者と需要者との間の勢力関係がありまして、ことに二級などについてはいわゆる値くずれといったような現象が従来からあるわけでございますから、そこにつけ込むと言ってはことばが悪うございますけれ
ども、なかなかそのきまった価格を
現実には需給関係で維持できていないではないかということなど
指摘をいたしまして、原料米は上がっているんでしょうが、がまんをしてくださいというようなことを私としては実は申しております。多少この申し方には立ち入ったところがありますけれ
ども、
値上がりということは、私としては賛成できないという態度をただいままでとっております。カリフォルニア米を使おう、これならば安いからといったような
動きも一部にございますけれ
ども、どうもまだ本格的には成功しておりません。今度の小站米の扱いにつきましてはどういたしますのか。いままでの扱いでございますと、原料米だから安く売るということはいたさずに、やはり原料米でも食管がもうけて売るというようなことをやってきておるわけでございますから、どういうふうになりますか、一ぺんこれは主管大臣と御相談をいたしてみようと思います。