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檜垣説明員 御
指摘の全体を通じまする御趣旨として、一億人の消費人口をかかえておりますわが国が、
国民食糧の
確保という点に重大な関心を払うべきであるという点については、私も全く同感でございます。
ただ、米の
需給の問題につきましては、
昭和四十
年産米まではむしろ
相当の
不足の状態であったわけでございます。四十一
年産米のおおむね平年作への回復ということによって、やや
需給に余裕が出たのでございますが、四十二
年度が御案内のように千四百四十五万トンというような異常な大
豊作でありました
関係上、そこに本年十月末における古米繰り越し量の見込みが二百六十五万トンというような、いまだかってない大量のものになったということでございます。
そこで、最近のナショナルベースで申しますと、内地米の需要量はおおむね千二百四十万トンないし千二百五十万トンという線で停滞をいたし、あるいはことしは微減をするかもしれないというような状態であります。これに対しまして、
昭和四十二年の生産が千四百四十五万トンでございますから、ナショナルベースで見ましても、四十二年だけで約二百万トンの供給増ということになったのは、これは算術計算上もごく簡単な数字として出るわけでございます。
私は、長い将来のことを
——たとえば
大蔵省等が、いろいろなショッキングな数字を見通しのものとして出しておりますけれ
ども、私
どもはあの数字を直ちに、といいますか、承認をいたすわけにはまいらない。米審の
懇談会の席上でも申し上げたのでございますが、
食糧の需要の動向なり、あるいは生産の動向なり、あるいは買い入れ比率の動向なりは、過去のトレンド、傾向によって、近接時点の推定は可能であるけれ
ども、長期の推定はできるはずがない、むしろそういうのは計測
方法としても問題があるということで、私
どもは
大蔵省が、参考のためでございましょうが作成しました資料については、
昭和四十二
年度までは私
どもと同じ計測をいたしておりますから問題はないにしても、四十三
年度以降の計測については、関知せざるところであるということをはっきりいたしておるのでございます。
ただ、御参考までに申し上げますと、
昭和四十三
米穀年度の一応の
需給の推算をいたしてみますと、暫定平年反収というものを用いまして、四十二年の米の作付面積と同面積に作付をされるという計測をいたしますと、生産量は千三百二十二万トンということに相なるわけでございます。おそらく来年の内地米の需要量も千二百四十ないし五十万トンという線であることはほぼ間違いがないと思いますから、したがって、
昭和四十三
米穀年度末におきましては、古米の
持ち越し量は玄米石で九十万トンないし百万トン
程度の繰り越し増に相なるであろう、これはまず私は間違いないであろうと思うのでございます。
ただ、それ以後の問題は、これは神ならぬ身のことでもございますし、また、平年反収等はことしの作柄を見た上でなければ算出は不可能なのでございますから、私は、四十四
年度以降を直ちに計測するわけにはまいらない。ただ、そういたしましても、四十四
米穀年度、つまり来年の十月末には、玄米で約四百万トンの古米在庫を
食糧管理特別会計としてはかかえてくるという事実は、まず大きな狂いはない。したがって、
米穀に関します限りは、当分の間、現在の
需給事情が著しく変動するということはあり得ないということだけはいえるかと思っておるのでございます。
ただ、長期的に
国民食糧の
確保ということに重大な関心を払うべきである。また御案内のように、米はともかくといたしまして、日本の総体の
食糧自給力というのは漸減をいたしておるという状態のもとでは、総合的なわが国の
食糧自給力を高めるという努力を、あらゆる
観点からいたしてまいる必要がある、また、そのために必要な配慮を加えていく必要があるという点は、
兒玉委員の御意見に私も同感でございます。