○佐々
委員 農林省としては、非常に
監督のしにくい
立場にあるということは、私にもわかるわけであります。わかるわけでありますけれ
ども、やはりこの問題は、そのままに放任しておいてよいという問題ではないので、
農林省が
監督の
立場からいって、積極的な姿勢ををもってこれらの職員の待遇改善に
努力する熱意を持っていただきたいと私は思うわけです。
そこで、ただいまの
局長の
お話では、合併の促進によって待遇の改善が期せられるのではないか、そういう期待のおことばがありましたが、私、香川県でありますけれ
ども、香川県は
全国的に見まして一、二を争うところの合併促進県でございまして、非常に合併がうまくいっております。ところが、合併がうまくいったから職員の給与がよくなっておるかというと、そうではなくて、合併の
一つの条件として、
事業面が優先をされるというような形の合併が非常に多うございますために、むしろ職員の給与というものは、二の次三の次というふうにされておるというのが現状であります。決して
局長の言われたような結果にはなっておりません。
そこで、私は
全国的な給与
状況の御
報告を求めるつもりでありましたけれ
ども、時間の都合がありますのでそれは省略しまして、香川県における
状況をごく簡単に私は申してみたいと思うわけです。これは単協の
状況でありますが、四十二年の八月に調べたわけですから比較的に新しいわけでございます。これによりまして単協の平均賃金を見ますると、男が二十八・五歳で二万二千四百六十八円、女が二十五・九歳で一万七千九十一円、平均にしまして、二十七・二歳で一万九千七百七十九円でございます。この中にはいろいろな手当を含んでおるわけであります。これを他の産業、製造業などと比較してみますると、最近若年労働者が非常にふえた
関係もあって、また労働力不足の現状でもありますために非常に上がっておりまして、これと比べて半分ぐらいの線といっても過言ではないと私は思うわけです。それから公務員なんかの場合と比較をいたしましても、公務員の賃金というのは、企業の賃金の大体中ぐらいのところじゃないかと思いますが、これと比べましても非常に低い。これはわれわれ町村に在住しておりまして、役場の職員の給与と農協の職員の給与を比較してみますと、そこにかなりの差があるわけなんです。こういうのが実態でございます。
それで特別な例を一、二申し上げますと、これは私のほうの香川県の
調査の結果でありますが、男の三十四歳、勤続年数二年、家族四人で一万六千四百円というのがあります。それからもう
一つは、男の三十一歳、勤続年数四年、家族三人で一万九千七百円というのがあります。最低一万円ぐらいの賃金の人もおるわけです。
それから諸手当の
状況を見ますと、もちろん県連のほうでは手当がいろいろ出ておりますが、単協ではあまり出ておりません。たとえば家族手当を見ますると、
実施しておる組合はわずかに三分の一ぐらいの組合でありまして、その
金額にしましても月に五百円ぐらい。それから時間外手当を見ますと、
実施しておるのが三分の一から二分の一ぐらい。総会なんかで
予算をきめまして、その
予算の範囲内で、まあいいかげんなところで出しておるというのが現状でございます。それから退職手当なんかを見ましても、一年について一カ月分くらいということになっておるようでありまして、これは普通の場合と比べて、公務員は一年について一・七カ月になっておりますが、非常に悪くなっておるわけです。
こういうような
実情を見ますると、先ほど当初に私が申し上げましたように、合併したからよくなったというようには結論づけられない。香川県の場合は、合併した町村が、先ほど申し上げたとおり非常に多いわけでありますから、そういうようなことで期待をせられるということはどうかと私は思うのです。
そこで、これは中央会を通ずるという形になるだろうと思いますけれ
ども、もっと積極的に、将来の日本の農漁村を背負って立つところの人たちのために、こういうような非常に貧弱な給与体系の改善を行なうということが、どうしても必要だと私は思うわけです。これについて
政務次官はどういうふうにお
考えになられるか、同時に、これから一体どういうような
考え方でやっていこうと思うか、ひとつお
考えを聞きたいと思います。