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大和田政府委員 農林中金の資産の運営
内容につきましては、お手元に資料としてお配りいたしております一一ページにございますが、調達
資金といたしまして、四十一年度末で預金の九千九百七十一億、農林債券の二千九百六十九億等を含めまして、全体の調達、運用の
資金が計で一兆四千七百六億でございます。これに対しまして、員内の貸し付け、これは、
信連でありますとか漁
信連等々に対する貸し付けが二千三百一億でございます。員外と関連産業貸し付けが四千八百四十九億、それから有価証券が三千八百四十八億、コール、
金融機関貸し付け等が二千五十四億、これがおもなものでございます。
確かに御
指摘のように、中金といたしましては一兆四千億をこえる運用
資金があるわけでございますが、系統に対する貸し付けは二千三百億
程度であるわけでございます。これは、中金から金を借りるはずの
信連なり漁
信連なり等の
資金内容が、最近におきまして相当充実をいたしてまいりまして、員内としての
資金需要が少ないことに基づくわけでございます。私
ども中金に対する指導といたしましては、当然員内貸し付けに大いに努力をしてもらいたいこと、特に共同
経営その他普通の
信連なり
農協なりがなかなか金を貸しにくいような
農業経営に対して中金としても相当な努力を最近払っておるようでございます。
しかし、いずれにしろ相当な
資金量が余裕金として残るわけでございますから、これは有価証券なりあるいはコール等の運用は別といたしまして、関連産業貸し付けにつきましては、中金の
融資先として明確に
融資先の範囲をきめる。とにかく、関連産業として農林水産業の
振興に資するようなものの範囲を明確にいたしますことと、さらにそれと同時に、中金が関連産業貸し付けをいたします場合に、最近までは、短期
資金につきましては
農林省が大
ワクをきめて、その範囲内で包括認可をいたしておりましたが、中金法の十五条の二による長期の貸し付けにつきましては、
一つ一つ事案を
農林大臣、大蔵大臣が認可をしていたわけでございます。これは
金融機関といたしまして、実際そういうことに役所が一々こまかくタッチすることは適当でございませんので、昨年の暮れでございますか、関連産業貸し付けにつきまして、いままでのようにやむを得ざる
融資というたてまえより、むしろ関連産業を強化
育成するという趣旨で、中金が余裕金を使ったらいいというふうに私は思っておるわけですが、関連産業の貸し付けの相手方を明確にすると同時に、一件一件
農林大臣が認可するということをやめまして、包括認可に改めたわけでございます。
これが中金に対する私
どもの態度でございますが、
農協なり
信連なりに対しましては、
金融事情がゆるんだり締まったり、なかなかこれは予測しがたい生きものでございまして、そう硬直的な指導はできませんが、最近の
農協の
経営についてごくあらまし申し上げますと、信用
事業がいわば黒字の源でございまして、五百万円
程度の黒字を信用
事業がかせぎ、購買
事業がやや黒字で、販売
事業、利用
事業は相当な赤字で、収支で、大体二百万円あるいは三百万円くらいの黒字が残るということでございますが、
農協の
経営にとって人件費の圧力その他だんだんございまして、
農協の
経営というのは、必ずしも今後楽ではございませんので、また
金融がゆるめば、中金あるいは
信連の奨励金等も減っていくわけでございますから、
農協の
経営を確立するためには、信用
事業についても相当な努力、つまり
貸し出しの努力、これは
農業振興という面から見てもそうでございますし、たとえば、
近代化資金でありますれば九分で基準金利が見られるわけでございますから、
近代化資金を
農協資金で貸すということは、
農協の
経営にとってもプラスでございますから、貯金の受け入れを強めるばかりでなしに、
貸し出しについての努力をすべきであるということを、あらゆる機会を通じて申し上げておるわけでございます。