○小暮説明員 積み立ての原資は、御
指摘のようにございます。ただ、ぜひ御理解いただきたいと思いますのは、あらゆる
条件を克服して、
生産者の売り渡します麦に、全量漏れなく一俵四十三円の奨励金を交付するということに仮にいたしますと、これは実はパリティ麦価の上に四十三円麦価を乗せたということと経済的には何ら異ならなくなるわけでございます。
ただ、私
ども先ほ
ども初年度ということを申しましたのはそういう意味もあるのですけれ
ども、十数年の長きにわたって、
生産者と加工業者とがおよそ顔を知らなくてもいい、全量
政府に売り上げれば、
政府の割り当て売却という形で、全然別の世界で物がさばかれるという形にお互いになれてきたわけでございますから、これを一朝一夕に、あらゆることを理想的に変えることはできないというように思いますので、これは
生産者あるいは加工業者と十分話し合いながら徐々にやっていく仕事だとは思いますけれ
ども、それにいたしましても、全量漏れなくすべて、暫定
措置ということで四十三円を乗せるということになりますと、これは米価審議会に御説明しました趣旨とも基本線において異なってまいります。また、パリティ麦価に四十三円上乗せる、麦価として支払うということと何ら変わらなくなりますので、その点はひとつ御了解いただきたいと思います。
ただ、先ほど申しましたように、
初年度でございますので、四角四面にものを
考えるということでなしに、できるだけ締め切りの期限等も延ばしながら、加工業者、
生産者あるいは食糧事務所、三者相寄りましていろいろと御相談するというような、柔軟性のある態度で事を進めておるつもりでございます。
なお、先ほど茨城等よけいな例を申しましたけれ
ども、経済立地としては決して悪くなく、県全体として一五〇%の申し込みがあったというところでも、特定の銘柄につきましては、かねてかなりの論争が加工業界でもございました。県全体として一五〇%の申し込みがあるような県で、なおかつ数千トンの申し込みが最初なかったというような事態は、具体的にこれを
生産しておられる農協と、これを加工する業者との間で話し合いを行なって、今後もし銘柄等について十分の話し合いが成立すれば、次
年度以降一応望ましいかっこうに変わっていくというような前向きの見解もあります。
御
指摘の地区につきましては、私
どもの聞き及ぶところでは、どうも品質、銘柄の問題ではない。むしろ、
北海道の
地域が非常に広いという実態からきた引き取り運賃の問題が中心であるということに了解しておりますので、それらの点をめぐって、なお業界と
生産者団体との話し合いを続行したいというように思います。