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1968-05-07 第58回国会 衆議院 内閣委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年五月七日(火曜日)    午前十一時一分開議  出席委員    委員長 三池  信君    理事 井原 岸高君 理事 浦野 幸男君    理事 藤尾 正行君 理事 松澤 雄藏君    理事 大出  俊君 理事 木原  実君    理事 受田 新吉君       赤城 宗徳君    上村千一郎君       内海 英男君    桂木 鉄夫君       菊池 義郎君    熊谷 義雄君       佐藤 文生君    塩谷 一夫君       藤波 孝生君    毛利 松平君       山口 敏夫君    淡谷 悠藏君       武部  文君    華山 親義君       浜田 光人君   米内山義一郎君       玉置 一徳君    伊藤惣助丸君       鈴切 康雄君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (行政管理庁長         官)      木村 武雄君  出席政府委員         首都圏整備委員         会事務局長   鶴海良一郎君         行政管理政務次         官       森部 隆輔君         行政管理庁行政         管理局長    大国  彰君         科学技術庁計画         局長      武安 義光君         農林水産技術会         議事務局長   近藤 武夫君         労働省職業安定         局長      有馬 元治君         建設省計画局長 川島  博君  委員外出席者         人事院事務総局         給与局次長   渡辺 哲利君         大蔵省国有財産         局国有財産第一         課長      斉藤 整督君         厚生大臣官房参         事官      湯沢 信治君         農林大臣官房企         画室長     小沼  勇君         工業技術院総務         部計画課長   松村 克之君         運輸省鉄道監督         局国有鉄道部施         設課長     高野 宗司君         気象庁総務部長 坂本 勁介君         専  門  員 茨木 純一君     ————————————— 五月七日  委員荒舩清十郎君、江崎真澄君、野呂恭一君及  び永末英一辞任につき、その補欠として山口  敏夫君、熊谷義雄君、毛利松平君及び玉置一徳  君が議長指名委員に選任された。 同日  委員熊谷義雄君、毛利松平君、山口敏夫君及び  玉置一徳辞任につき、その補欠として江崎真  澄君、野呂恭一君、荒舩清十郎君及び永末英一  君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 四月三十日  国及び地方公共団体建設関係職員現場手当支  給に関する請願井原岸高紹介)(第四九四  八号)  同(竹下登紹介)(第四九四九号) 五月二日  退職公務員の恩給、共済年金等に関する請願外  一件(齋藤邦吉紹介)(第五〇六七号)  同(山口敏夫紹介)(第五一〇六号)  国及び地方公共団体建設関係職員現場手当支  給に関する請願井原岸高紹介)(第五一八  二号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  行政機構簡素化等のための総理府設置法等の  一部を改正する法律案内閣提出第一〇号)      ————◇—————
  2. 三池信

    ○三池委員長 これより会議を開きます。  行政機構簡素化等のための総理府設置法等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。大出俊君。
  3. 大出俊

    大出委員 この間、私は佐藤総理に質問をここで申し上げましたが、総理答弁の中で、具体的に機構縮小するということを認めた上で、どういう点が機構縮小になるかという具体的な一つ考えというものを出していただけないか、私のほうもそれに従ってかみ合う議論をしたいんだという総理の御発言が実はあった。そこで私は、一つ行政の理論を取り上げまして、組織管理という問題が出てくるわけでありますけれども、世の中が非常に複雑になるということになりますと、非常に行政というものもその意味では民主化という点、つまり憲法に認められている内閣権限という形の中から、一つの政治的な意思を国民全体に及ぼそうとすれば、機構というのは国民全体を包含する形で伸びていかざるを得ない。これは逆に見れば、行政民主化ということになるのですね。さらに分業という形で、一つ組織の中では専門的な分野がふえていく。これは当然の結果である。したがって、民主化、つまり国民全体の規模に伸びていく行政機構というものと、それから個々の分野ではより専門的になっていかざるを得ないという分野行政機構が拡大をし、ふえていく。それを一体どう総合調整をするかということ、ここに行政管理というものの意味もあるし、機構改革縮小という問題のポイントがある。こういう点を御指摘を申し上げたところが、総理もそれには同意見だという。そこで一つの例をあげて、官庁権限の相錯綜する点、これはたくさんあります。このことはてっぺんから見ているとそうでもありませんけれども、逆に国民の立場から見ると非常に迷惑千万だということにならざるを得ない。しかも、そのたびに、国民不在官庁のなわ張り争いが続く。いい例は、最近の公害問題等をめぐりまして幾つもいい例が出ているわけですけれども、そういうふうな点を取り上げて、この間総理に私はものを言っているわけでありますが、そこで本日は、これをもう少し具体的に掘り下げて、各官庁相互間の権限の重複あるいは権限争いと称するもの、あるいは悪く言えばなわ張り争いと称するもの、かくて国民一体どれだけ迷惑をしているのかというふうな点について御意見を賜わりたいし、また私の意見も申し上げたい。総理のおっしゃっているとおり、かみ合う意見にしてみたいと思っているわけです。  そこで、一、二点例をあげて申し上げたいのでありますが、港湾行政などというものの全体をながめましても、船が一そう港に入ってくる、何日か停泊期間埠頭使用その他の期間がきまっておって、上屋敷使用方式等がきまっておる。私は横浜におりますから、なおその感じがするわけであります。たいへんこれは複雑多岐にわたる手続が要ります。ここらを一体どういうふうに皆さん考えなのか、どういう手続が要ると御認識なのか、そこらのところをまずひとつ御答弁願いたいわけでございます。
  4. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 大出委員のおっしゃるように、行政民主化してまいりますると、非常に細分化もいたしまするし、それから専門化も必要となってきます。それに合うような行政というものが実際に運用されていないんじゃないか、こういうお話であります。私も国会議員をしておったときから、そういうことをよく承知しております。特に管理庁に入ってまいりまして、実際問題と取り組んでみますと、あまりにもそういう点は複雑でございます。その点だけでなくて、ほんとうに、国民要求に応じられないようないろいろななわ張り争いのために行政不在行政不在から政治不在政治不在から政治家不在、こういうことなども最近は出ておるような状態でございます。これはよくわかります。何とかそれを国民の要望に合うように、整理するものは整理する、統合するものは統合する、それから拡大するものは拡大する、細分化していかなければならないものはもっともっと細分化したり、多角化したりして、国民要求に応じられるような行政機構に改めていきたいというのが行政改革の問題と取り組んでおります根本的な問題なんであります。私が現在まで関係をいたしました問題そういう点で一本化してみたいと思いましたことは、これはここでも御指摘になりましたけれども青少年対策行政というのは、このままではとてもいけないのじゃないか。そういうふうに、局をつくりましたけれども、つくったままだけで、あんなものは死物化しておる、これを生かして使うにはどうしたらいいかということをほんとう考えなければならない。この前お話しになりました公害の問題というのもそのとおりであります。何とかこれも一本にしたいと思って、考えてはみたのですけれども、そこまで私の手元に届かないものでしたから、閣議で、省で、いろいろなところで考えて、ああいうふうなことになってしまった。そういう点では、私は遺憾だと思っております。そういう点のないように、今後もそれ以外の問題と取り組んで、そして解決をしてみたい、こう思っております。今度の一省庁一局削減の問題でありますけれども、私といたしましては、これをとりあえず解決していく。そのもの自体にあまりに大きな意味を持っておりませんけれども、これが解決できるやいなやというところに、一つの根本的な行政改革ほんとうにできるやいなやという運命がかかっておるような気がするわけですから、これと取り組んで、解決していきたい、こういうふうに考えております。  ただ港湾行政はどう考えておるか、こういうお話なんでありますが、そのことにつきましては、確かに非常にいろいろな困難を伴ってくると思いますけれども、私、まだ具体的に承知いたしておりません。詳細のことは、それをお聞きいたしましてから、考えさせてもらいます。
  5. 大出俊

    大出委員 時間がかかりますから、専門的な点は、長官は、就任をされて、そう日があるわけではないのですから、無理な点は無理でわかります。そういう点は事務当局皆さんに承ればそれでけっこうなんでありますが、基本的な点を、いまお話にありましたから、幾つか伺っておきたい。  まず、一つは、いまの一局削減は、一つ意味を認めておられるとお考えか。具体的に伺いたいのは、この一局削減で人はどのくらい減りますか。予算はどのくらい節約されますか。
  6. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 いまの段階においては、あまり人も減らないだろうと思います。それから予算の節約なんかもそうたいしたことがないように聞いております。大蔵省の話によりますと、若干あるようでありますが、そんなものはたいしたものではないと思っておりますが、これを解決することによって、そうして幾らかたちます間にこれがだんだん浸透してまいりますと、いい結果が出るだろう、こう見ております。
  7. 大出俊

    大出委員 どうもそういういいかげんな答弁は困るのですね。ここまでまいりますと、これはやはり行政簡素化に関する法律なんで、そう書いてある、この法案に、何べんも申し上げておるとおり。そうすると、これは簡素化をされなければ、あるいは金も減らさなければ、これは似て非なる法案が出ておるのですから、羊頭狗肉どころの騒ぎじゃない。中身は何もない、からっぽなんですからね。具体的に私は聞いておるのですから、具体的にお答えをいただきたい。事務当局でけっこうでございますが、人は一体何名減って、金は一体幾ら減りますか。
  8. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 局長をして答弁させます。
  9. 大国彰

    大国政府委員 人員につきましては、先ほど長官からお答えいたしましたように、減っておりません。しいて申しますれば経済企画庁局長一名減だけだと思っております。  なお、予算のほうの減少額につきましては、ちょっと私どものほうで計算しておりませんが、これもほとんどこれといった減少額はないと思っております。
  10. 大出俊

    大出委員 いまのお話しだと、予算は私どものほうで計算したことはないというのですけれども、ずいぶん無責任な話ですね。ここに麗々と行政機構簡素化等のための総理府設置法等の一部を改正する法律案と書いてある。それでは何が一体減るのだと言ったら、しいて言えば人だということになる。しいてというのはどうも妙な言い方なんですけれども、しいて言わなければ何もないことになる。しいて言えば経済企画庁局長が一名だ、予算は計算したことがないというのですね。ずいぶん無責任きわまる話で、名前だけは行政機構簡素化等のための総理府設置法等の一部を改正する法律案、こういうばかな話はない。国民に向かっては、国民の税金を使ってやっておる行政機構なんだから、大いに簡素化をして人と予算を減らすのだと、一生懸命そういうふうにPRを方々でされる。総理が勇断を持ってやった。そうでしょう。迷惑しごくな話です。人も減らなければ金も減らない。これは長官お認めになりますね、人も金も減らない、しいて言えば一局長が減るぐらいである。
  11. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 現在の行政機構の中で、各省庁が一局をなくしたということだけでも非常に大きな意義があるのじゃないか。現在は人は減りませんけれども、その局がかりに部に格下げをしたりいたしましても、なくなったことによってこれからいろいろな面で変化が出てくるだろう。現在は、いま局長も言われましたとおりに一人しか減らない、金のほうもそんなに減っていない、計算もしていない、こういうことでありまするが、私はこの法案が通りまして、ほんとうにこれが実行される段階から徐々に進んでまいりますと、それ相当の効果があがるが、これだけで済むものではないというように私は思っておりますから、期待しております。
  12. 大出俊

    大出委員 各省で一局減らしたということだけでもこれはたいへんな効果があらわれるというのでありますが、じゃ具体的にどういうふうにあらわれるのですか、これからあらわれると言うが、あらわれるところをひとつ言ってください。
  13. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 各省庁で、この一局削減に基づいていろいろなことを考えておられるようであります。そういうものは必ず具体的に実現される、こう思っております。
  14. 大出俊

    大出委員 それでは具体的に例をあげて申しましょう。  赤澤大臣がここでお答えになった例の選挙局、これがなくなったわけですが、これは各省がいろいろ考えておりますからそれが徐々にあらわれると言うのですけれども選挙局がなくなったあと自治省一体何があらわれるのですか。
  15. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 一つの局がなくなったのでありますから、そういう点で各省庁としていろいろなことを考えると私は思います。
  16. 大出俊

    大出委員 一つの局がなくなったのだからいろいろなことを考えるといって、考えてここへ出ているのでしょう。選挙局をなくしましてかくかくしかじかいたしますと、この法案に書いてある。それ以上のものが何かあるのですか。
  17. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 やはり行政でありますから、局をなくす、局長をなくすということについていろいろなことを考えたに違いないのです。その考えたものは必ず具体的に出てくると私は見ております。
  18. 大出俊

    大出委員 いろいろなことを考えたに違いないのですけれども、それじゃ何を考えたのですか。
  19. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 そういう点で、なくすことについていろいろな相談が内部でありましたから、そのなくすことについていろいろな相談がありましたそのことが結果としてあらわれてくるだろう、こう私は考えております。
  20. 大出俊

    大出委員 しかし自治省赤澤大臣がおって、隣にあなたはおったのだから、当時いろいろ考えたことを赤澤さんから直接聞いたでしょう。赤澤さんがここで何を答弁したかというと、自治省には局が四つしかないのだ、四つしかない局を一局なくせなんてむちゃなことを言ったって、筋も何も通ったものではない。だから総理にもそんなことはできませんと言ったら、行管長官が来て、やれなくせやれなくせと言った。なくせと言ったってなくせない。総理が言うのだから何とかなくしてくれといって、何べんも来てきかない。あんまり言われるので、これはしようがない。だから、これは、全く、選挙局をなくすなんというばかげた話はない、ふざけた話だ、国民は納得しない。しかし一生懸命行政管理長官が、総理総理がと言うから、いまでもこれは大反対だ、反対だが、かっこうをつけたいと言うから、しようがないから局長だけはやめさせておくか、かえておくかということにしたのだ、こういうわけですね、言っていることは。ふんまんやる方ないということですよ。自治省だけは早くこれは例外にしてもらいたいと言っているわけですね。  今度自治省の言うことは何かというと、一局削減なんていったってこれは何もならぬのじゃないか。選挙局は早く復活しろというに違いない、そういうことで大臣が言っているのだから。この際は例外を認めておったらそろわないからだめだというので、しかたないからそろえた、しかし選挙局をなくすと将来困ります、私は選挙局を置いてもらいたい、こう言っている。  そうすると、いまは行政管理庁長官のほうの顔を立てた、立てたんだけれども、これは早く選挙局を復活してくれということがあらわれるに違いない。そういうことがあらわれるだけですよ。そう思いませんか。何がどこにあらわれますか。
  21. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 なるほど選挙局をやめるときにはいろいろな点で非常に苦情も言われましたけれども、さてやめるという段になりましたときには、やめるという段階で非常に考えられたようであります。苦心されたようであります。その苦心されたものが私は必ずあらわれてくるだろう、こう思っております。
  22. 大出俊

    大出委員 その苦心したというのは逆な苦心なんですね。これはもう、行政管理庁長官、全く、行政局選挙局を統合して行政局としということだけなんだ。これは同局に選挙局を置く、これだけのことです。これだけしかないですよ。これは赤澤さんが、将来ともにこんなことじゃどうにもしようがない、こう言っているのですね。そうでしょう、それ以上のことが、どこから考えたって、あらわれるわけじゃないか。  戦後、今日まで、一体何回行政整理行政改革をおやりになったか、御存じですか。
  23. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 何回やったか私はわかりません。調べてもおりませんからわかりませんけれども、ともかく各省庁一つの局を廃止するということと真剣に取り組んだならば、そこに必ず何かがあらわれてくる、私はこういうように期待しております。それだけでなく、これから根本的な行政改革を三カ年にわたって行なう、こういう方針を立てておりまするから、そうして具体的にあらわれるものはその三カ年の中に必ず出てくる、こういうように私は見ておるのであります。
  24. 大出俊

    大出委員 たよりないことを言われるのですけれどもね。戦後、行政改革と称するものは十四回やっているのですよ。これは行政管理庁方々が、臨調の答申が出てくるまでに、臨時行政調査会で、あれだけ、二年何カ月も、長い期間論議をされて、この中に一々——戦後十四回やった行政改革は全部失敗なんですね。この失敗の例を振り返って討論をしているのです。戦後の改革には四つの型があるのですね。その戦後の行政改革四つの型というものを中心にして、この臨時行政調査会というものは論議をしているのです。だから、ある意味では和製フーバー委員会ということまでいわれる状態が出てきているわけですね。そこらのところをあなたのほうが振り返ってお考えにならぬままに、何かがあらわれる、何かがあらわれると言う。出てこい出てこい池のコイじゃあるまいし、とんでもないこと、何も出てきませんよ。  労働省だって、安全衛生局をなくそうとされている。早川さんの昨年八月のこの席における提案は何かといえば、産業災害がどんどんふえる、部長がここへ出て答弁するよりは局長が出てきてお答え申し上げるということのほうが、それだけでも従業員諸君士気は非常に上がる。したがって、行政各般の中で特に安全災害に対する安全衛生という部門がクローズアップされていくのだ、そういう意味で認めてほしいという提案を去年の八月にここでしたんだ。だから、その点の指摘があったときに、小川現労働大臣が何とおっしゃったかというと、全くもって御指摘のとおりだ、だから私は、局が部になることによって士気が阻喪するという面がある、それを私が先頭に立って何とか阻喪しないようにせめて努力をしたいという御答弁です。去年の八月につくっておいていまいきなりこれは頭数、鼻づらをそろえるのだというので、理屈もへちまもなくて部にした。そういう逆の苦労をさせてしまっているものが一体何でいい結果が出てくるのですか。あなたほんとう本気でそういうふうに思っておられるのですか。
  25. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 本気どころじゃない、ほんとうにそれより以上に本気に思っております。
  26. 大出俊

    大出委員 それなら具体的に言ってくださいよ。中身が何もない……。
  27. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 具体的なものは三カ年の中にすべてのものを織り込んでみたい、こういう考えを持っていま根本的な改革案と取り組んでおる次第なんでありましてその中に必ず具体的なものを出していく、こういう考えであります。
  28. 大出俊

    大出委員 それではひとつ三カ年計画というものを詳細にお出しをいただきたいですね。私はあなたの何とかの方針というこの紙っぺらに書いたものしかいただいておらない。こんなもの三カ年計画でも何でもない。何もわからぬ。したがって詳細な計画を出してください。あしたからでもそれを審議しましょうや。
  29. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 その三カ年計画のことはこの前も申し上げておきましたけれども、六月一ぱいまでの間に各省庁から、今後の各省庁行政計画はこうしたい、こういうものを出す。それを全部取りまとめて一つの案をつくるのが八月一ぱいかかる。そのときに私は必ず差し上げます、こういうことを申し上げておったのでありまして、私はその具体的なものを持たないで三年計画案を言っているのじゃありませんで、何としても現在行政を担当しておる人々と共同作業しないとせっかくつくったものでも実現の可能性がなくなるものですから、そういう方針をとっておるのでありまして、六月一ぱいまでの間にできましてそれを全部調整終了するのが八月一ぱいかかる。そのときにはっきりした具体案というものを御提示申し上げる。これはどの国会でもこう申し上げております。
  30. 大出俊

    大出委員 そうなりますと、六月にならなければ各省の案が出てこないのでしょう。そうなれば結局具体的な案はないじゃないですか。具体的な案がなくて言っているのじゃないとあなたはおっしゃるけれども、そうでしょう。六月までに出てくるのでしょう。まだ出てきてないのでしょう。だとすると、案がない。具体的な案はないのにさっきから三カ年計画で何かが出てくる、何かが出てくる。何もないから何かが出てくると言っているだけであって、だから出てこい出てこい池のコイというので、天気がよければ出てくるというのでしょう。そういうことでは論議にならぬじゃないですか。一体過去の行政改革はどうなっているのだと言ったって、それをおっしゃることもないし、知らないというのでは話にならぬ。そうでしょう。議論がかみ合わない。総理はもっと具体的に、どういうものがどうかみ合ってどうなっていて、それをどうすべきなのだということ、そういった具体的な形のやりとりをしていきたい、こうおっしゃるから、総理のいるところで、しからば私は基本となるべきものを幾つ総理に申し上げるけれども、具体的な点は行政管理庁長官といままで何もやりとりしてないけれども−−しちめんどうくさいことをおっしゃるなとあなたは言うから言わなかったけれども総理がしちめんどうくさいことを言えばいいというから、それならそうしましようということで、私はここへ来て内容に入ろうと思ってものを聞いているのだけれども、全くもってあけてみなければ何が出てくるかわからない。三カ年で何とかなるでしょうと言ったって、いまの行政機構の中における各省皆さん組織というものはそんな簡単なものじゃありませんよ。だからこそ戦後十四回にわたる行政機構改革というものは一つも成功をしない。全部失敗、こういうことになっているわけです。いつも頭から三割削減だとか何だとかいうたびに失敗ですね。今度も一局削減。どこの省に聞いてみたって納得しているところは一つもない。ばかなことをまたするものだ、総理がそう言ったからといって、お先棒かつい行政管理庁長官総理だ、総理だと持ちまわって一局減らすなんてばかげた話だというのが、各省皆さんの言い分です。その中から何も出てくるはずはない。  そこで、私はもうちょっとそこを具体的にものを詰めて話してみたいと思うから、先ほどのように港湾行政というものを一つ例にとった場合にどういうことになりますかという質問をしておるわけですよ。ところが、あなたのほうはどうもそこらのところははっきりしない。たとえば筑波研究学園都市問題なんというものをとらえてみても、方々の省に聞いてみても、あっちこっちいいかげんなことばかり。何がどうなっているのか、さっぱりわけがわからぬ。そうかと思うと、調査費はやたらそこらについちゃっている。そういうものを、行政管理庁が現実に存在しておって、これは閣議の申し合わせ事項、了解事項でございますからといって、黙って腕を組んでいる手はない。現に動いているものについて、それをどうするかということを考えないと——しかも臨調の答申で労働省安全衛生部門なんというものはもっと強化すべきだと書いてあるのに、逆にそこの局を、昨年八月につくったものまではずしてみたり、そういうつじつまの合わぬことばかりでは困るのですよ。  そこで、あなたには、中身は何もないでしょうからこれ以上言ったってかみ合わないのでしかたがありません。これでも論議してくれとおっしゃるのかと私逆に質問したいのだけれども、これではしかたがないから少し具体的に聞きますけれども、あなたに申し上げてもしようがないので、ほかの方にひとつお答えいただきたい。  この港湾のほうも、どうも——大国さん、あなたは港湾は詳しいですか。私は専門屋の一人なんだけれども、あなたはひとつおわかりになるなら、港湾の例でもいいのですが……。  何ともおっしゃらないから、それでは皆さん各省方々がお見えいただいておる筑波学園都市の問題のほうがおわかりいただけると思うので申し上げますが、この間私が総理に申し上げたようにずいぶん錯綜、かみ合ってしまってどうにもならないという実例が出てくると思います。  ところで、まず首都圏の事務局長さんに承りたいのですけれども、現在筑波の学園都市問題は大まかな筋としてどういうふうに進行しているとお考えでございますか。うまくいっていますか。
  31. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 筑波の学園都市の問題でございますが、昭和三十八年の九月に筑波の地区に研究学園都市をつくるということが閣議で了解されまして以来、逐次仕事を進めてきてまいっておるわけでございますが、その際用地の買収及び用地の造成につきましては日本住宅公団をして行なわせるということに相なりまして、その後住宅公団におきまして用地の買収にかかっているわけであります。用地の買収につきましては、目標といたしまして約千九百ヘクタールの買収を計画いたしておるわけでございますが、現在の段階でその七〇%の買収を了しているわけであります。  このように用地の買収及び用地の造成につきましては住宅公団に移っておりますが、その上に建ちます研究施設等につきましては関係各省で建設を進めていただいております。今年度は科学技術庁関係の防災科学技術センターあるいは無機材質研究所等の予算がついております。今年度から研究施設そのものの建設にかかるという段階になっております。
  32. 大出俊

    大出委員 これは十年計画ですね。鶴海さん、建設省の官房長官を長くおやりになっておられるので、その方面はだいぶたんのうでございますから、これは知り過ぎるくらい知っておられる点だと思うのでございます。ところで、十年計画といいますと、いつまでが十年ということになるのですか。
  33. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 おおむね十カ年計画で完成しようということが閣議で了解されましたのは、三十九年の十二月でございます。したがいまして、四十年からおおむね十カ年ということに相なろうかと思いますが、用地買収等にかかりましたのがその後おくれております。一年以上ずれておりますので、そういうことを考えますと、それだけはずれるということがあろうかと思いますが、おおむね十カ年程度で移転を完了したいということに考えておるわけであります。
  34. 大出俊

    大出委員 そうすると、四十年からということになると、これを昭和五十年までにつくる、こういうことですか。
  35. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 三十九年の十二月にそういうふうな閣議了解があったわけです。当時におきましてはそうでございますが、その後先ほども申し上げましたように、用地買収の関係がおくれておりまして、本年の三月現在で七〇%という状況でございまして、そういうことも考えまして実際的なプログラムをつくってまいらなければならぬというふうに考えております。
  36. 大出俊

    大出委員 私ここに三十八年九月十日の閣議了解、それから三十九年十二月十八日の閣議了解——これは正式な了解ではありません。口頭了解です。これは茨城地区における研究学園都市の建設について、こういうことです。中身を全部持っているのです。ところで承りたいのですが、でき上がった結果としてどのくらいの人口の都市になるわけですか。
  37. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 でき上がった姿というものはいろいろの段階考えられると思いますが、将来最終段階におきましては約四千ヘクタールの市街地の造成を行なうということがきめられておりますが、この段階におきましては約十六万人の人口が付加されるだろうというふうに一応想定されております。しかしながら現段階で行なっております事業は、その中の約二千八百ヘクタールにつきまして市街地を造成しようということで進めております。この事業ができ上がった暁におきましては、八万ないし十万程度の人口がつくのではなかろうかということを考えておるわけであります。
  38. 大出俊

    大出委員 そうすると、この筑波研究学園都市建設なるものは目的は一体何ですか。
  39. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 学園都市の建設の目的といたしましては、いろいろと考えられると思いますが、大きな目的の一つは国の研究施設、現在東京都内その他近郊に散在いたしておりますが、これらの研究施設の拡充整備をはかる必要があるということが一つの目的でございます。  それから、現在首都圏の中の開発の構想といたしまして、自然趨勢でいきますと御承知のように南関東に人口が非常に集まってきておる。これを防ぐといいますかこれに対処するためには、北関東各地を開発してそれに人口を定着させる施策を強力に進める必要があろうという考えで、現在十六の地区を北関東で選びまして積極的に都市開発をやっておるわけでございます。これらの大部分はこうした開発が主体になっておりますが、その一環といたしまして研究学園的な性格を持った都市を開発いたしまして北関東への人口の定着を進めていきたい、こういった考えを持っているわけでありますが、そういうねらいも持っているわけであります。
  40. 大出俊

    大出委員 そうすると、国の研究機関を一カ所に集めるということと、もう一つは過密対策という二つの柱がある、こう理解していいのですか。
  41. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 研究機関をただ一カ所に集めるというだけの問題ではなくて、筑波への移転を契機に研究体制の近代化、拡充をはかっていきたいということがねらいでございます。
  42. 大出俊

    大出委員 そうすると、研究機関だけを集めるというのは、どういうことですか。
  43. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 研究機関と大学等の学校でございますけれども、そういうものにつきましては必ずしも過密の進んでおります東京の中で仕事をしていく必要はないのじゃなかろうかというようなことで、学校とか研究機関が対象になっておるわけでございます。
  44. 大出俊

    大出委員 そうすると、先ほどの研究機関を強化拡充するというお話だから私は聞いているのですが、東京教育大学、これは研究機関ですか。そうじゃないでしょう。それから東京医科歯科大学医学部附属病院霞ケ浦分院、図書館短期大学なんというのは文部省傘下ですね。そうすると、それだけではないですね。そこらのところをもうちょっとわかりやすく言っていただけませんか。そんなに金もないのにやたらに拡充計画ができますか。研究に金を出さないのが日本の政策なんだから。
  45. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 先ほども申し上げましたように、研究機関だけではなくて大学その他学校も含んで考えておるというふうに申し上げたわけでございます。  研究費が将来国の予算の中でどのように伸びていくかという問題につきましては、これは大蔵省なりあるいは関係各省の問題だろうと思いますけれども首都圏整備委員会として研究費はかくあるべしということを申し上げる立場にございませんが、しかしながら研究施設の拡充は現にいま行なわれておるわけであります。たとえば私がかつておりました建設省におきましても土木研究所等は、本所は本郷の本富士にございますけれども、大きな橋をかけるとかトンネルをつくるとかいうふうなこと、あるいは大きなダムをつくるというようなことで研究施設を逐次拡充いたしておりまして、外へ外へと研究のための場所を求めてまいったわけでございます。現在は茨城県の鹿島のほうまで水理実験場の敷地を求めてやっておる状況でございまして、数カ所にばらまかれておるわけであります。この研究体制の充実の必要性はますます高まっていくものというふうに考えておりますので、これを一カ所にまとめて近代的な施設にしていきたいというふうに考えております。
  46. 大出俊

    大出委員 おたくの場合は、中身は国土地理院、土木研究所、建築研究所が行くことになっておりますね。どれだけ予算をつけるかというのは大蔵省だ、こうおっしゃるけれども、そう逃げてはいけませんよ。やっぱりあなたのほうの所管の三つを移すのですから——いまは違うかもしれぬけれども、旧官房長ですから……。大蔵省大蔵省と言うけれども各省みんな移すのだから、各省がおのおの計画を立てておるのではないですか。どのくらい拡充するかというのは全部大蔵省まかせ、そういうことになっているのですか。
  47. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 各省ともそれぞれ筑波に行きますにつきましての所要経費の見積もりはやっております。やっておりますが、実際に実行段階になりますと年々の予算できまっていくわけでありますので、将来研究費がどのような趨勢で拡大していくかということにつきましては、どうも首都圏整備委員会としてこういう趨勢で拡大すべきであるというところまでは申し上げかねるということでございます。
  48. 大出俊

    大出委員 そうすると、どれだけ拡大されるかわからぬけれども、整備委員会のほうは整備する土地だ何だを買収して四千ヘクタールを目ざして——さっき二千八百ヘクタールというお話だったけれども、そっちのほうだけやる、あとどれだけ研究諸機関が拡充されるかということはわがほうの権限にあらず、そういうことですね。  それでは権限のほうを聞きたいのだけれども、過密対策とおっしゃったのだけれども、八万から十万、十年かかっていいのですが、こっちのほうに人が移るということでしょう。  ところで東京都の人口というものは年々どのくらいふえておりますか。
  49. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 東京都の人口は次第に安定いたしております。むしろ付近の三県、埼玉なり神奈川なり千葉なり人口がずっとふえておりまして、南関東一都三県を合わせると年々六十万くらいふえております。その中で十万程度を目標にしたってしかたないじゃないかというお話でありますが、これはこの一カ所だけで人口の配分がどうこうという問題ではなくて、北関東全体といたしまして先ほども御説明いたしましたように、十六カ所の土地開発地域を指定いたしまして、総合的に整備をいたしておるわけでございます。
  50. 大出俊

    大出委員 安定して動いていないようなことをあなたはおっしゃるけれども、どうもそういうつかみで言われては困るのです。私ちゃんと聞いておるのですから。昭和三十七年十月一日現在で一千十七万七千二百九十八人、三十八年が一千四十二万八千二百六十二人、三十九年が一千六十三万四千三百六十四人、四十年が一千八十六万九千二百四十四人、四十一年が一千百万四百十五人、四十二年が一千百十七万一千八百三十六人です。四十二年までで幾らふえているかといいますと百万です。年々割っていきますと二十万。あなたの言われるように安定しているなら四十一年、四十二年を申し上げますが、四十一年、四十二年の間に東京都は十七万人ふえているのですよ。ちっとも安定していないじゃないですか。
  51. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 ことばが足りなかったのですが、ふえ方が漸減しつつありまして、主としてふえているのは東京周辺の三県でございます。東京都の部分についてはほとんどこれはふえておりません。そういう趣旨のことを申し上げるつもりで、ことばが足りなかったのでございます。
  52. 大出俊

    大出委員 五年間に百万人にもふえてしまうのに、十年かかって八万や十万人の町をつくって、これだけ世の中を大騒ぎをさせて、教育大学から始まるというわけですが、これでは過密対策なんかには毛頭ならぬと思うのです。これは何かやらなければぐあいが悪いというのでおやりになっているのだろうと思うけれども、これはほんとうにそういう意味では、私はまことにたよりない計画だと思うのです。しかも、ここにありますけれども、用地買収だって、反対だなんてきめてしまっている村議会だってある。そう簡単にはいきはしませんよ。だからあなたのほうは四千ヘクタールなんと言っておるけれども、最終的に二千八百ヘクタールなんということをおっしゃっている。そう簡単にそれは進みっこない。そうすると、十年か十五年たってようやく当初の目的の十万か八万か移ったというようなときには、過密度というものはよりふえてしまって、そういえば昔そんなことを計画したことがあったかなというようなことになる筋合いだと、私はこの中身を見て思っている。一体いまの鶴海さんのほうの立場で考えて、各省状態をながめてみて進んでいるというふうにお思いですか。
  53. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 ご承知のように、昨年の九月に筑波地区に移転を予定いたしました研究機関あるいは学校等につきまして閣議了解を得たわけでございます。その線に従いまして、各省とも必要な調査費あるいは現実に現地で建物を建てる建設費等の要求もいたしております。現にその金もついてまいってきております。逐次進んでいくものというふうに考えております。
  54. 大出俊

    大出委員 これは一体どこが中心になってどこがどうやろうというのですか。総理府に聞いてみたら、私のほうはさっぱりどうもどういうことになっていますかわかりませんと言うのです。建設省に聞いてみたらさっぱりわかりませんと言う。交通対策なんというのは運輸省なんだということで、運輸省に電話をかけて聞いてみると、研究都市と都心との交通関係というのは一体どうなんだと言ったらそんなものはバスでございまして、過密対策なんだからこっちにいる人口を向こうへ持っていってしまうのだから、その間の交通なんというものは、そんなものは初めから考えていないという話である。その新しい学園都市の中はバスでございまして、それだけのことだというわけですね。まことにどうもこれはお話にならぬ。そうしたらあとでわかりましたから、私はこれ以上言わないのだけれども、その方がお見えになって、話を聞いてみると、あなたのお考えともうほとんど同じで向こうに移った、疎開するのですから子供は都心の大学に行く、筑波山ろくからのこのこ都心まで来なければいかぬ。交通機関はどういうことになるだろうということを私も心配に思っていますとこの方は言う。そう言われてみると、最初は中はバスです、都心との関係というのは移してしまうのだからよけいなものはなくたっていいのだ、そういうことを首都圏の事務局が言っているというのです。しかしわがほうは何かなければ——たくさんの人が移るのだけれども、子供は東京の大学へというようなことになると、交通機関が必要になってくる。これはどうするのだと実は思っていたというお話なんですね。そういうことになると、対象になる名前があがっている何々研究所というのはどこへ行ってしまうのか、つとめている人はやがて何年か先には持っていかれてしまうのだ、そのころには子供は大学へ行かなければならぬ、どうなるのだろうというようなことになって、心配になるから電話をかけて聞いてみると、どういうことになるのかまるっきりわからぬ。首都圏事務局のほうが、疎開なんだから都心との関係はいいんだというようなことを言ったとすれば、これは事件です、そういうことになるとたいへんなことです。  ここにいまあなたがお話しになっている四十二年九月五日の閣議了解というのがちゃんとある。この中には交通関係についてどういうふうにするかというようなことは、一応のアウトラインというものが出ているでしょう。御存じでしょう。
  55. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 首都圏整備委員会といたしましては、筑波地区と東京を結ぶ交通の増強につきまして、どうでもいいのだというふうな考えを持っているわけでは毛頭ございません。むしろたとえば、常磐高速自動車道等の建設をできるだけ早く立ち上がってもらいたいということで、建設省にもお願いいたしておるような次第でございまして、今年中には基本計画も策定の運びになるだろうという話も、この自動車道につきまして得ておるような次第であります。そのほか鉄道の増強等につきましても、国鉄等とも話を進めておりますし、研究学園都市と東京を結ぶ交通あるいはその他の通信というようなものが近代化されることが、この学園都市の成立するための非常に重要な要素であるというふうに考えてその促進につとめておるわけであります。
  56. 大出俊

    大出委員 とにかくその窓口になっている運輸省の関係の諸君のほうは、きのうも私は聞いたんだけれども、そういう言い方というのはなかった。したがって、私はそうなるとその点を各省に一々聞いてみなければならぬ。一体どこがどういうことになって、これから先どういうことになるのですかという点を承ってみないことには、さっぱりわからぬことになると思う。(「順番に聞いてみたらいい」と呼ぶ者あり)横のほうから声がかかりましたけれども、一々皆さんのほうにどういうことになりますかという点についてのお考えをまず承っておきたいわけであります。  先ほど鶴海さんに私質問したのですけれども、十六万の都市をつくるというのですけれども、十カ年間で十六万にはならない、八万かそこらの都市になる。こうなると、過密対策という面ではあまり意味がない、こう考えなければならぬと思うのですが、この点はいかがですか。
  57. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 筑波の研究学園都市の八万ぐらいでは東京の過密対策にならぬではないかという御質問でございますが、先ほどから何回もお話しいたしておりますように、筑波学園都市一カ所で過密を解決するということはもちろん不可能でございます。われわれといたしましては、北関東におきましてできるだけ人口の吸収力といいますか、定着力を高めたい。それによって南関東の過密を少しでも軽減したいということで、北関東の開発を進めておるわけでございます。そういう都市を現在十六指定いたしましてその開発を進めておるわけであります。そういうものをあわせて考えますと相当の定着力が今後ついていくものというふうに考えておるのでございまして、筑波学園都市一つだけを取り上げて何万人にしかならぬじゃないかというふうな考え方ではなくて、広く北関東全域の開発という目で見ていただきたいというふうに考えております。
  58. 大出俊

    大出委員 十六とかおつくりになるというのですけれども、それはいつまでにおつくりになるのですか。
  59. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 現在の目標では、昭和五十年を目標にしてやっております。しかしそれだけで足れりとは考えておりません。まだ北関東開発は一そう拡大していかなければならぬだろうというふうに考えておる次第であります。
  60. 大出俊

    大出委員 その十六の基本計画というものは、具体的な中身等が全部立っておりますか。
  61. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 十六のうち、筑波を除きます他の十五でありますが、それらにつきましては、昭和四十五年までの整備計画を立てております。また昭和四十五年が近づきますと、そのあとの整備計画を立てるという予定でやっております。
  62. 大出俊

    大出委員 筑波学園都市建設で、金は一体どのくらいかかる予定でございますか。
  63. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 まあかかる金はいろいろございますが、たとえば住宅公団等が引き受けております都市の基盤的な施設についていいますと、用地買収費を含めまして約六百億近いものになるだろうというふうに見込んでおります。  それから、研究施設、学園施設、各省でいろいろ坪割りをやっておられますが、これは大蔵省の査定を受けた数字ではございませんので、それできまるというわけではございませんけれども、相当な額になりまして、二千億程度の投資を各省では考えておるようであります。
  64. 大出俊

    大出委員 そうすると、十六全体でどのくらいの予算計画になりますか、何年までに。
  65. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 十六全体については、ほかのところの資料を持ってきておりませんから正確に答えられませんので、後ほど資料として提出させていただきたいと思います。
  66. 大出俊

    大出委員 出していただいたらいいと思います。夢みたいな話で大風に吹きまくられちゃってどこに飛んでいくかわからないようなことを言われても困るのです。ひとつもう少し具体的に中身をお出しいただきたい。一ぺん私のほうも次の国会までにじっくり検討させていただきたいと思います。  ところで、科学技術の振興と、こう銘を打っているのですけれども中身を読んでみますと、科学技術の振興というのは研究学園都市をつくったから振興するとお考えですか。
  67. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 研究学園都市をつくれば振興になるというそう簡単なものじゃないと思います。しかしながら、現在東京及びその近郊に散在しております研究機関の研究環境といいますか、見ますと、用地の拡張も非常に困難でございます。拡張しようとすれば遠くのところに分散していかなければならないというふうな状況になっておりまして、必ずしも東京にある現在の施設がいい環境のもとにあるとは言えないと思います。科学技術を振興するためにはやはり良好な研究環境をつくるということが必要だろうと思います。そういう意味で大いに寄与するというふうに考えております。
  68. 大出俊

    大出委員 教育大学のある学部の学部長さんその他のお話を聞きますと、いま研究環境というお話がありましたが、学問をする環境というものは一体学問的にどう考えるかという一つのテーマがあるわけですね。その面からいきますと、学生さんというのはやはり社会人の一人なんですね、特に大学ともなると。そうすると、そういうところから隔絶をして山の中に学校を建てておいたからそれで学問の成果があがるかというと、逆だと言うのです。そうではないと言うのですね。したがって、環境がいいから向こうへ持っていくんだということで、一体学問をどう考えるか。そういうものの言い方をするのはしろうとが言うのだと言うのですね。そう簡単にはいかない。問題は、いまある研究所に対する金、研究に要する金、用地買収云々じゃなくて、それも足らないで、これはそこらじゅうぶうぶう言っておるわけですよ、学者は。とんでもないほうから金をもらったといって大騒ぎが起こっているでしょう。御存じでしょう。週刊誌までやたら取り上げて、どこの研究団体でも大騒ぎになっているでしょう。学術会議だっていろいろ問題になっているでしょう。なぜかと言ったら、日本政府が金を出さぬからですよ。それだけ渋い政府がりっぱな研究所を建ててあげましょうとかちょうちんとか言ったって、そんなに金を使うはずはない。現在だって金は足りない。新しい建物を建てなくたって研究費そのものが足りない。それをみんなぶん投げっぱなしにしておいて、筑波学園都市でございますとか、そっちへ行ったら科学技術を振興いたします、そんなことを言ったって、どうもこれは話が違うのじゃないかと私は思う。これは予算との関連ですよ、そんなことを言ったって。そうでしょう。だから、大蔵省ということになる。これは学者に聞いてごらんなさいよ。ほんとうに話にも何にもならぬ。うたい文句だって言えばそれでいいですけれども。過密対策というのはうたい文句であり、科学技術の振興というのはうたい文句であって、そうでも言わなければかっこうがつかぬというならいいですよ。そこらはどうですか。
  69. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 科学技術振興の問題につきましては、科学技術庁から担当局長が見えておりますので……。  これはかっこうだけをつけるためにそういうことを言っておるのではなくて、過密対策につきましても首都圏整備委員会としては南関東の過密をどのように解消していくか、軽減していくかということは真剣に考えておるわけでございます。そういう意味で北関東各地に都市開発区域というものを指定いたしておりまして、この開発に尽くしておるわけでございます。その中の一環としての役割りをになっておるというわけでございます。これはやはり真剣に進めていかなければ、南関東の過密の軽減に結びついていかないと思います。今後とも真剣に進めていく所存でございます。
  70. 大出俊

    大出委員 首都圏特別委員会事務局の役割りというのは、現在の計画全体に対する総括ということなんでしょうね。
  71. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 筑波の問題につきましてはいろいろな役目があろうと思うのでございますけれども、何しろ各省庁にまたがっている仕事でございます。そのために総理府に推進本部が設けられております。推進本部の構成は、首都圏整備委員長が本部長になっておりますが、あとは総理府の総務副長官及び関係各省の次官クラスで構成されております。この取りまとめの庶務は内閣の審議室で扱うことになっておりますが、一つの都市づくりでございますので、そういう意味では首都圏整備委員会が内閣の審議室に協力申し上げておる、そういうかっこうになっております。そういう関係で、首都圏整備委員会としては、町づくりの計画につきましては本腰を入れて進めなければならない立場にあるわけでございます。
  72. 大出俊

    大出委員 ちょっとわかりません。いまのお話ですと、推進本部は総理府にあるわけですね。本部長首都圏整備委員会の委員長ですか、そうして副長官が推進本部の何か役を引き受けておられる。あとは内閣の審議室ですか、そこのところをちょっともう一ぺん言っていただけませんか。
  73. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 推進本部の構成でございますが、本部長首都圏整備委員委員長が担当いたしております。それから構成員でございますが、構成員は総理府の総務副長官関係各省の次官クラスでやっておるわけであります。庶務は内閣の審議室がやる。それに対しまして首都圏整備委員会が協力をしてやっていく、そういう仕組みになっております。
  74. 大出俊

    大出委員 この間私はこの問題少しこまかくあたってみたいと思って、総理府に、お答えいただけますかと言って相談をしたのです。推進本部がおたくにあるのだからと言ったら、さっきちょっと冗談めかして言いましたが、ごめんこうむりたいと言うわけですよ。さっぱりわからぬと言うのです。だってそんなこと言ったっておたくに推進本部があるのじゃないですかと言ったら、ございます、ところが総務長官のほうは実際は建設省側に聞いてくれという。いまのお話だと、建設省というよりは、どうも内閣の審議室が庶務をおやりになるというならば、そっちのほうが一つなければ、乗っかっている方々にはわからぬことになるのですね。そこらのところは一体どこがほんとうのところ総括かと聞いたら、いまのお話を聞くとそうじゃないのですね。庶務は内閣の審議室がやるので、それにただ単におたくのほうは、首都圏整備委員会事務局というのは御協力申し上げるだけだというのですね。そうすると私は、主体でない御協力申し上げている鶴海さんに質問しているような勘定なんですね。そうなると、行政管理庁長官、そこで何か読んでおられるけれども行政機構の面からいってこれをどう考えればいいのですか。推進本部がある総理府にものを言って、何とかいま申し上げておくから、時間がかかってもいいから、審議の段階総理府に来たときに質問申し上げたいんだが、こういうふうに御相談申し上げた。そうしたら、推進本部というものは確かに総理府にございますと言う。ございますけれども、どうも私のほうではさっぱり何がどうなっているのかわかりません、建設省です。建設省に伺ってみたら建設省もどうもさっぱりわからないと言うのですね。そうすると、これ、持っていく場所がないから、こんなにわけのわからない行政機構になっていたんじゃしようがないじゃないですか。行政管理庁長官行政管理をおやりになっているんですから、行政管理の面とあわせて、ひとつ各省においでをいただいて何が中心でどうなっているのか承りたいと思って質問を始めた。よくよく質問していくと、事務局というのは内閣の審議室だというのですね。首都圏の事務局長鶴海さんのほうはその審議室に御協力を申し上げているのだ。そうすると、御協力申し上げているほうに、私のほうから先ほど来四の五の言ったのはたいへん御迷惑だったわけで、主体はだれにどこに聞いたらいいのですか。それでは行政管理庁さんが行政管理できないですよ。
  75. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 どうも大出さんの話を聞いておりますると一々ごもっともでございます。あなたが行政の欠点を非常に指摘される、聞いておりまして全くそのとおり、しようがないと思っております。  この問題を突然私に質問されたのですけれども考えろと言えば考えさしてもらいますけれども、いま質問されてどうしたらいいか、どこが主体だ——文章からいうとここが主体になっているようですけれども、しかしこういうことはただ形式的な答弁だけでは私も不愉快なんです。そんな答弁はしたくありません、ほんとう答弁をしてみたいと思います。ほんとう答弁をするためには少し研究さしてもらいたい。こういうことはおろそかにしておくわけにはまいりませんし、ただ自分のできないことを、知らないことを答弁したくありませんから考えさしてもらいます。どうもあなたは私の何十倍もいろいろなことを知っていらっしゃるものですから、聞いておりまして答弁のしようがなくなってきますが、研究さしてもらいます。
  76. 大出俊

    大出委員 長官、正直に言って、私も少し頭に来まして、方々聞いたのですよ。私は長官の性格を、内閣委員長をやっておられたので百も承知だから、長官がはっきり言われることを文句をつける気持ちは毛頭ないのです。鶴海さんもきのうやきょうではなくて五年前の建設省時代からのおつき合いだから四の五の言いたくないのだけれども、あまりわけがわからぬから、いよいよしようがないと思って、この間も文部省だけは大臣に聞いてみたのですが、方々委員会に当たって聞いてみたのだけれども、何だかどうもさっぱりわからないやというのが各常任委員会の言い分なんですね。建設常任委員会に聞いてみても——そうかといって陳情などは方々からやたらにくるわけです。筑波の研究学園都市というのは一体どうなっているのかと言われるから、聞いてみればさっぱりわからない。交通なんというのはどうなんですかと言われるから、運輸省に聞いてみればさっき申し上げたようなことなんです。それは首都圏のほうとは関係はないのだ。何しろ人を移すのだから、それが目的なんでありますからと言う。そんなおかしな話はない。そんな無責任な話があるか。移る衝に当たる人間になってみて、自分のせがれが大学にいくという立場で内部事情を調べてみてくれ。その方がお見えになって聞いてみたら、いや私は全くあなたと同じ考えだ、実は首都圏の事務局のほうではそう言っているんだ。そんなことを言うんなら、この新しい都市と首都圏とのいまのような問題を抱えて、その交通網をどう整備するかということで、窓口を運輸省にしてちゃんとやりなさいと閣議できめている。きめておる当の運輸省のほうは、私と同じ考えで首都圏の事務局、そう言ったと言ってくる。これは運輸省は計画を立てなければいけないです。閣議できめているのです。分野は運輸省ですよ。そうでしょう。その人は二転三転するけれども、どっちにしても言っていることはやはり筋が通らない。本家の運輸省がそんなことを言ったって所管は閣議決定で運輸省になっているわけだ。そうでしょう。首都圏の交通体制はどうなって、この新しい研究学園都市の内部の交通体制はどうなって——首都とつなぐ交通網はどうあるべきかということは計画を立てなさいということで運輸省になっているでしょう。所管は運輸省でしょう。その運輸省のほうが、人がせっかく聞くと何だかいま申し上げたとおり話にもならぬから、論議のしようがないわけです。これはどこが主体で、だれに基本的なことを承ればいいのか。いま総括ですかと聞いたら、そうじゃないと言う。確かにそうです。お話を聞いてみれば協力です。そうなれば、これは将来のことがあるのであれですが、いまのところはだれかが主体になって、何を聞かれても、これは運輸省との打ち合わせの結果こうなっているとか、これは科学技術庁との関係でこうであるとか、これは大蔵省との関係でこうなっているとかいうことが一応全部わかる。ここまではわかる。ここまではわかるが、ここから先は総括という立場からして、直接どこどこを呼んで聞いてくれというせめておぜん立てができていなければ——閣議決定してきているのです。しかも予算がついて調査費を使っているのですから、それでにっちもさっちもいかなかったというのでは世の中は心配するだけなんですよ。これは結局総括と名がつくとどこでしょう。総括もわからないようではしようがないな。
  77. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 ほんとうに総括もわからないようですね。この文章にこう書いてあるのです。研究学園都市の建設に関する連絡調整及び推進を行なうため、総理府に研究学園都市建設推進本部を設置する、こういうことになっておりまするから、この文章によりますると研究学園都市建設推進本部でしょうね。しかし私もいまの行政機構とか官僚組織というのは、責任の所在を非常に不明確にしているのですね。私自身もそういう点については非常に不愉快に思っております。この文章を読みますとこうでありますけれども、質問される大出さんのほうで、ほんとうに所在が不明確だ、こういう質問の結果そういうことになるというお話でありまするから、その点は私も行政管理庁長官をしておりまして、これも行政管理一つの仕事だろう、そう考えまするから、もっと時間をかしてください。
  78. 大出俊

    大出委員 何とか総括的答弁のできるようなところ、責任の所在を明らかにしてください、確かにこれは行政管理の一環ですから。そうでないと行政管理庁は要らなくなってしまうのです。行政管理庁一つ管理していない。行政管理庁だ。  とにかくわけがわかりませんが、せっかくお見えをいただきましたから一応聞かしていただきたいと思うのですけれども、先ほど来協力申し上げておる鶴海さんのほうに少し毒舌を吐いて恐縮でございました。  科学技術庁の方がお見えになっておりますから承りたいのでありますが、その前に鶴海さんの所管なんですか、協力なんですか、二千七百二十六万円という昭和三十九年から四十二年までの調査費がついていますね。これは一体どのように使ったのか。四十二年まででありますから、どんなふうになっているのですか。
  79. 鶴海良一郎

    ○鶴海政府委員 首都圏につきました調査費でございますが、これは主として筑波に地区がきまるまで首都圏の区域で候補地が四つばかりございました。その四つばかりの区域の地盤の調査であるとか水質の調査であるとか、主としてそういうことに使ったわけでございます。筑波にきまりましたあとも若干の調査費がついておりますけれども、これは事務雑費程度の金額でございまして、特別に大がかりな調査はやっておりません。
  80. 大出俊

    大出委員 科学技術庁のほうは、閣議決定内容からいきますと計画局の科学調査官という方のところで、研究機関について計画の総括を担当する、こういうことだと思うのですがね。今日までのところ総括なるものは一体どんなようなぐあいになっておりますか。
  81. 武安義光

    ○武安政府委員 研究学園都市に移ります機関のうち、大部分が国立の研究機関でございますので、その間の施設あるいは環境の基準等について検討しております。それから研究団地というような形になりますので、たとえばそこには放射線のセンターでありますとかあるいは実験動物とか計画とか、いろいろ共同的につくったほうが能率的なサービス関係の施設が必要になってまいりますので、それの内容あるいはあり方等についても各省と連絡し、相談しながらやっております。
  82. 大出俊

    大出委員 皆さんの役割りの中に、総括に必要な関係研究機関担当者との協議連絡などということがありますね。結局これで具体的な計画内容というものができ上がるわけですね。そういうものはできているのですか。各関係機関との協議連絡、こういう役割りが、閣議できめている基本計画からいきますと、皆さんのほうにあります。そうすると、やはりこれに基づいてどうするかという何か計画みたいなものが立てられなければならないわけですね。そういうものができておりますか、できておればいただきたいのですが……。
  83. 武安義光

    ○武安政府委員 それを含めました計画というものはまだできておりません。先ほど申し上げましたのは、施設の基準等の問題をいま検討しておるということでございます。
  84. 大出俊

    大出委員 そうすると、ほとんど緒についていないということですね、いまのお話でいきますと。  そこで科学技術庁の予算関係が、それで見ますと三十九年、四十年、四十一年、四十二年、四十三年、こういうふうに、四十三年は四百八十五万八千円ですか、こうついておりますが、これらの予算一体何の予算でございますか。
  85. 武安義光

    ○武安政府委員 これは先ほど申し上げました共同利用のサービス施設の調査研究のための費用、あるいはこのための一部ボーリング等の試験を含めました費用でございます。
  86. 大出俊

    大出委員 次に、私のところにありますものの順番がこうなっているので順序不同になりますが、お許しをいただきまして……。  これは行政管理庁皆さんでもけっこうでございますし、人事院関係のどなたでもけっこうでございますが、この対象になる方々の中にそっちに移るという——将来、先行きの長い話でありますけれども、そのときにはたして暫定手当、都市手当あるいは調整手当というものがあるかどうかわかりませんけれども、何かまだ十年くらいかかるそうでありますから、世の中が変わってしまって調整手当なんか要らないということになるかもしれませんが、現時点で考えればそういうふうなものはどっちにいくんだということで、この間私は灘尾文部大臣に承ったところが、わからぬということであります。わからぬということになると、この調整手当なんというものは勤務地重点主義で旧来から考えられておりますから、行く人間がどうもえらいいなかに行くんだからいいじゃないかというようなことで暫定手当が落ちるなんということになると行き手がない。そこらのことは一体どういうふうに御研究いただいておりますか。これはやはりなるべく早くこういうふうにするんだといわなければ、各対象機関職員の方々の身になってみれば、それなりの論議が一々出てくるわけでありますから、そこらのところは御研究いただいておりますか。
  87. 渡辺哲利

    ○渡辺説明員 お答えいたします。  調整手当及び暫定手当につきましては、級地を異にして異動いたします場合には、異動の円滑化をはかるために、現行制度におきましても二年間の異動保障措置が講ぜられております。したがって、筑波山の学園都市に移転いたしましたとりあえずの二年間につきましては、異動保障措置で保障されることになりますが、その後の問題につきましては、研究学園都市が国家的見地から行なわれる大事業でもございますし、その実現の過程におけるいろんな実情を十分考慮し、かつ調整手当、暫定手当そのものにつきましては、昨年の法改正におきまして、三年以内に、調整手当その他の地域給に関しては給与法二条六号の一環として調査研究をするということが人事院に対して義務づけられておりますので、それらとの関係も十分考慮いたしまして、研究学園都市に対する措置といたしましては、これから十分誠意を持って検討いたしたいというふうに考えておる次第でございます。
  88. 大出俊

    大出委員 これは旧来官署指定になったものもあるのでありますけれども、そうなりますと、今度は各省予算という問題ともからんでまいります。これだけ大きな移動を、民族大移動的な移動をおやりになるわけですから、それらもやはりなるべく早く方針をお立ていただいて、こういうことなんだということでないと、行く人の立場に立って考えてみると、ああも考ええ、こうも考えるようになるわけであります。私のところにもたくさん聞いてくる方があり、したがって、そういう不安がやはり反対だという——先の先まで計画が立ってない、どうなるかさっぱりわからないということが不安の大きなポイントになるわけであります。そういう点はなるべく早目に方針を出していただきたい、こう思うわけであります。  それから大蔵省の国有財産局の関係の方に伺いたいのでありますが、研究学園都市内に、国家公務員の宿舎であるとか研究所、土地、こういうふうなものを大蔵省の国有財産局が担当するということになっているわけであります。現在まで何かこれに対する計画的なものが立てられておりますか。
  89. 斉藤整督

    ○斉藤説明員 ただいまおっしゃいました宿舎等につきましては、昨年の九月五日の閣議決定で、そういった整備をはかるという方針は決定しておりますけれども、それの具体的な内容につきましては、まだ検討いたしておりません。
  90. 大出俊

    大出委員 これはいつごろまでにどうするというような一つの目標、何か期間的なものを設定されてやっておられるわけですか。
  91. 斉藤整督

    ○斉藤説明員 移転官署の計画が具体化いたしましたら、それに即応しまして適切な検討をしていきたいというふうに考えております。
  92. 大出俊

    大出委員 まだともかくはっきりしないということを言われました。  文部省はこの間大臣に承りましたから、きょうはおいでいただいていないのでありますが、厚生省関係で官房の科学技術参事官室というところが担当になっていると思いますが、厚生関係計画、病院、診療所、こういうふうなものを担当されておるようであります。これもやはり何か計画がぽつぽつ出てこなければならぬと思います。これは移転した家族あるいは職員の方々にとって、この種の施設は不可決な要件であります。そういうふうなものについての計画、企画というようなものがございますか。
  93. 湯沢信治

    ○湯沢説明員 私どものところで、厚生省関係の移転研究機関の問題と、それから学園都市全般の厚生関係の問題を担当しておるわけでありますけれども、御指摘のように、病院、診療所という学園都市の都市施設の中の衛生問題は、これは大事なポイントだろうと思います。現在、厚生省の立場ではいろいろ検討いたしておりますが、住宅公団が、すでに委託をいたしまして、研究学園都市開発基本計画を立てられておりますけれども、都市計画学会等におきまして、それに関連いたしまして学者グループの方々の医療施設等の一つの検討もありまして、私どももそういう研究報告をもとにしたりして現在検討を進めつつございます。御指摘のように、病院、診療所等各地ニュータウン等におきましてもかなり話題になっておる問題でございますけれども、ただ具体的なプランニングまでにはまだ達しておりません。
  94. 大出俊

    大出委員 二月の段階で厚生省がお答えになっている中身を見ますと、担当者の一人しかいないから何もできないんだというように御答弁になっている。ここに書いてある。それ以来、いまおっしゃるように、いろいろお考えになったのだと思うのでありますが、これらもやはり先ほど申しましたように、これだけ大がかりな計画になりますと、その衝に当たる方々もたいへんだと思うのですけれども、担当者が一人でやっているというようなことになりますと、どうも何を考えているんだということになりますので、そこらももう一つ御検討いただきたいと思います。  ところで農林関係方々がお見えになっていると思うのでありますが、農林水産技術会議の事務局、農林研究センター建設準備室の方々だと思うのでありますが、これは三十七年から四十二年までに二千三百七十六万円の調査費を支出されておるわけでありますが、この調査というのは一体どういう調査であり、どういう結論がそれによって出ているわけでありますか。
  95. 近藤武夫

    ○近藤政府委員 農林省関係の研究機関といたしましては、非常に研究環境が悪化してきたということで、この筑波研究学園都市の構想が出てまいります前から移転をいたしたいという希望を持っておりまして、三十七年度の調査費というのはその関係でついたものでございますが、その後筑波の学園都市の問題が出てまいりまして、その関係で必要な調査なりあるいはもろもろの準備的な事項の検討を行なってきた、こういうわけでございます。  それで、やりました調査といたしましては、農林水産関係の研究機関の特殊事情と申しますか、自然条件というのが非常に決定的な重要性を持ちますので、既存の資料に基づいてのこういった面の検討、それから現地に立ち入ることが許される個所につきましては直接現地調査を行なってまいりました。土壌でございますとか、あるいは水でございますとか、そういったものの立地条件の調査をやってまいりました。それからもう一つは、科学技術庁のほうで先ほど御説明がございましたが、各省共通の共同利用施設というのがございます。農林関係では十三機関がいまのところ一応予定機関になっておりますが、十三機関の中で非常に大規模なものは、科学技術庁のほうでお考えになっております共同利用施設を使うということになりますが、それよりももっと規模の小さなものは、農林関係の十三機関が共通に利用するような、そういったような共同利用もいろいろございますので、分析でございますとか、あるいは計算でありますとか、あるいは情報サービスといったようなものですけれども、そういった共同利用施設をどういうふうに考えたらいいかということを検討してまいった、こういうのがいままでの実情でございます。  それからなお、どこへ移転するか、土地がまだ完全に確定いたしておりませんけれども、いろいろな場合を想定いたしまして、その場合に一体どういうふうな研究機関の配置にしたらいいかというような、配置についてもいろいろな案についての検討をやってきた、こういうところがいままでの実情でございます。
  96. 大出俊

    大出委員 これは行政管理庁長官に承りたいんですが、いままでのお話の中に、土壌調査というのが幾つも出てくるわけですね。いまの農林の方のお話でも、土地がまだ最終的に確定はしていないんだということをおっしゃっているんですけれども、確定はしていないんだけれども土壌調査をやっているというのですね。調査したのだがそこでなくなっちゃったら、これは何のための調査かということになる、いまの答弁の筋からいけば。そうでしょう。水というような問題も、共同利用の面とそうでない面があるといういまの御発言であります。ちょっとあとから質問を建設のほうにいたしますけれども、地下水をどう使うとか、この中にいろいろありますけれども、間に合わないですね、水というのは。大問題です。そうすると河川との関係で取水をしなければならぬことになる。地元の人の話によりますと、これだけの土地をあれだけ高いところにつくりますと非常に水が少ないというのです。そうなると、これは全体計画がどこかで立てられて、そして一体全般的な水というのはどういうふうに計画上進められていくのかということが明らかになって、その上でいまのお話の水の調査なんというものは当然すべきなんで、いま水の調査なんかやってみたって、全体的に水がないのですから、取水工事から何からやってこうやるんだということになった場合に、全部変わっちゃう。そうでしょう。土地だってそうでしょう。まだ最終的にきまっていない。きまっていないけれども、調査費がついて土壌調査をやっている、そういう何といいますかまとまりのない、各省ばらばらで調査費を適当につけている。こういうばかな話は私はどうにも受け取れないのですね。これが国民の税金である限りそうでしょう。どこかにやはりそういう意味では管理主体があって、総括主体があってやっていかなければ、いままで質問した中だって、至るところかってきままにやっている。まだそこがきまったかどうかもわからない。住宅公団のほうからこういうものが出てきたからこういうものをやってみたということじゃ、それも最終的でないというのじゃこれはどうにもならぬと思いますが、どうですか、この辺のところは。
  97. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 ごもっともです、それは。それですから、これだけによりますると、主体性が確立されておって動くように思われまするけれども、実際質疑応答を通しまして、私、実際を調査しておるのではありませんけれども、判断いたしますると、どうも主体性が確立されていないような気がいたします。確立されておったといたしましても心もとない、こんな調子では。  それから最初のうたい文句であります、かりに過密都市対策であるとか、それからりっぱな研究施設の設置だとか、それから学園を移すにいたしましても、どうも私はあらゆる点において心もとないような気がいたします。それでありますから、やはりこういうものが考えられるには考えられるだけの根拠があったのだろう。理由があったのだろう。しかしそういう根拠があって、理由があってつくられたにもかかわらず、朝変暮改も及ばぬようないままで動きをしてきた。それがあなたの質問によって明瞭になった、私はこう判断するのであります。それでありまするから、これはもう一ぺん取り上げさしてもらいたいと思います。そうしてこういうことはぐずぐずしておると間に合わなくなってしまう。たとえばいまお話を聞いておりましても、十年間に十八万移すといったって、とても間に合わなくなる。やるのだったら早くやらなければいけない。それからやるにいたしましても、もっと各省の調整ですな。それから納得してもらう場所はもっと馬力をかけて精力的に納得をしてもらう動きもしなければならないと私はいま考えたのであります。この前から考えておりましたけれども考えたのでありまするから、この問題はほんとうに取り上げさしてもらいたいと思います。  私も、行政管理庁で取り上げなければならないものだといままで思っていなかったものですから取り上げていなかったのです。しかし取り上げなければならぬものだと思いますから取り上げまして、大体納得のいくようなものを早急にこれを主体にして考えさしてもらいたいと思います。
  98. 大出俊

    大出委員 私のところにある、二月段階の、農林の皆さんのほうからの回答を見ますと、これは農地転用の問題だとか営農計画の窓口も農林省の方は考えているわけですね、計画からいきますと。それから農林関係の移転計画があるわけですね。二つある。この農林関係の移転計画では、土壌調査をした、結果はまとまっていない、各試験場にまかしてある、こういうことなんです。それから農地転用だとかあるいは営農計画なんということについては全然知らない、こういうのです。どうもたよりなさ過ぎるわけでありまして、何とかやはりこれだけのお金を使う、これだけの計画ならば、そこらのところはやはりお考えおきいただかぬと困ったことになるのじゃないかと思いますが、この農地転用だとかあるいは営農計画だとかというふうな方面のほうは一体どうなっておるのですか。
  99. 小沼勇

    ○小沼説明員 農地の転用の関係でございますが、農地を含めまして、用地の取得につきましては、これは研究学園都市の建設についての閣議了解に基づきまして、日本住宅公団が茨城県と地元町村の協力を得て実施するというたてまえになっておりまして、その農地転用については、農地法に基づきまして便宜措置を特別に講じているという状況でございます。  なお営農対策につきましては、これも四十一年の六月十三日首都圏整備委員会で、建設省と農林省と協議して決定したものがございますが、これに基づきまして農林省といたしましては普及指導の充実なり農業近代化資金あるいは畜産経営拡大資金の融資、代替地の造成改良のための開拓パイロットの事業とかあるいは土地の区画整理の施行地区以外におきまして、農業構造改善事業あるいは野菜指定産地の推進事業、土地改良事業などの実施につきまして、地元の要望に即して重点的にやってまいりたいというふうに考えておりまして、これに対応いたしまして、現在茨城県の当局におきましてどういうふうに営農対策をやっていくかということを調査をしておるという状況でございまして、この調査が出てまいりますれば、それに基づきまして具体的に策を立てて進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
  100. 大出俊

    大出委員 お話を聞いていると、何かもっとものように聞こえる面もなくはないのですが、先ほどから私は科学技術庁の皆さんにも御質問いたしました。また厚生省の皆さんにもお尋ねをしているんでありますけれども、厚生省なんかでも、五階建ての新研究棟というものの予算要求をされたのでしょう。これは削られたわけですね。それから農林省でも図書館の建設費ですか、何かここにありますが、これも削られておりますね。こういうふうに、みんな削られてしまっているのですが、これらとの関係、科学技術の振興だ、研究施設の拡充だといっているのですけれどもそこら関係一体どういうふうに理解すればいいのですか。
  101. 武安義光

    ○武安政府委員 現実に各機関の移転が進むのは、ここ一両年から展開することと思いますので、この段階において、予算、施設等が適切な構想で組まれて実現していくことが望ましいと考えております。  それからわれわれ科学技術庁としましては、良好なる研究環境が整備されて、そこで独自の研究機関が集まって、非常に能率的な研究ができるように努力いたすわけでありますが、それに先立ちまして、やはり土地の問題とか公共施設の問題あるいは住宅等の問題が先行的に解決していかなければならないと思っておりますので、現在の段階では、まず土地その他の基盤の整備が先に進められなければならない、こう考えております。
  102. 大出俊

    大出委員 ちょっと答弁が違うのですが、私が言っているのは、五階建ての新研究棟の予算などを厚生省が要求しておりますね。それから図書館の建設費、これなんかも予算要求が出ております。それから通産省の関係なんかでも鉄筋建物の予算要求が出ておりますが、プレハブにしておけとか、つまり研究学園都市というものが目標になっているから、当面こういった、現在あるものの改築なり既存のものの拡充なりという形の予算は、一切研究学園都市という名のもとに削られているわけです。そうなるといまのお話からすれば、まだこれは一、二年先に新しい予算を組むのだという、しかもこれができ上がるのは十年か十何年かわからぬ。用地買収がおくれてまだ七割しかできていない、そうでしょう。そうなると十年も先のことがここにあるからというので、現に必要な予算要求がそのことを理由に削られているということになると、それとの関係一体どうなるのかということが出てくる。そこが問題なんです。
  103. 武安義光

    ○武安政府委員 これは確かにむずかしい問題だと思いますが、長期的な観点からは、研究学園都市においてすぐれた施設で研究をやっていくということが必要だと思います。当面その施設との関連につきましては、個々の事情等に応じて考えられる問題だと思っております。その間の調整というのはもちろん必要であると思います。
  104. 大出俊

    大出委員 これもまた行政機構の問題とからむのだけれども、十年先のことをいまから想定をして計画を立てるというなら、各省予算要求のしかたというものは、やっぱりどこかでまとめて、一つの都市構想というものができ上がって——最近は都市の区画整理とか云々ではなくて、アーバンデザインということばを使う。都市設計ですね。新しい都市設計というものはこうなるのだ、その中に各研究機関はこう入っていくのだというその予算、その規模に応じて何年間ということになるわけですから、それを全体としてまとめて、大蔵省との関係はどうする、何年ごろからどういうふうにする、それから現在ある既設のもの、これも拡充しなければならぬものがある。鉄筋の建物を要求をしたらプレハブで間に合わせておけという。片一方は十年先の話だ。そうすると、そういうところは各省まちまちにものを出した。出したら、それは新しい研究学園都市の関係だからだめだ、こう言われた。それまで待っていろといったら、十年も十二年も待たなければならぬ。そうでしょう。そういうふうな形に、各省ばらばらになってしまっているということでは、こんな計画は満足に進みっこないでしょう。やっぱり全体としてまとめて、新しい都市設計の中で、何と何と何が重点的にどうなるということが明らかになって、その予算はいつごろ出すからこうだという大筋をどこかできめて、それまでの間はどうするかということがきまっていって、当然必要なものは認めていく。プレハブでがまんしろということではなくて、必要なものは認めるということでなければいかぬでしょう。そういうものではなくて、各省ばらばらに出てきているということになると、これこそむだばかりやるのだと私は思うのです。相当な労力を使って、各省予算編成を徹夜でやって、そうして一生懸命やっている。大蔵折衝を各省別々にやっている。そうしたらそれが全部、首都圏の鶴海さんが言っているように、先々の計画に合わせなければだめですとみんなけられてしまっている。そんなことをするんなら初めからわかっている。そうでしょう。そこらのところは、私はほんとうに何というのですか、行政あって管理なしということになる。やっぱりそこらのところはどういうふうに総合調整をして、この大きな計画を生かそうかというなら、生かす方向に各省はどういうふうに進めるかということが一本筋が通ってなければ、これは各省どこへいかれたって、うちはこういう要請を出したのだけれども、新しい都市の問題で削られましたということを答えているというだけでは、これはずいぶん能がない話だし、衝に当たる方々は心配になるだけだし、困ったものだということになると私は思うのです。これは長官の回答を求めてもしかたがありませんから言うだけ言うのですけれども、時間の関係もありますからこの辺でしぼってものを申し上げますが、研究学園都市開発基本計画、これは四十一年の一月、日本都市計画学会だとか日本住宅公団、先ほどちょっとお話がありましたが、ここでできている。これは言うならば国のマスタープランです。国のマスタープランがなければいけません。それに基づいて上水道はどうするとか、下水道はどうするとか、使用水量はどのぐらいかかるとか、水源はどこに求めるとか、こういうことになってくるわけです、水なら水の分野でいえば。だからそういう点は、霞ケ浦が地理的に見れば一番近いのだから、あそこから取水するなら取水するという形に一つずつまとまっていかなければならぬと思うのです。何かどうもいまの各省お話を聞いておりますと、そこらがさっぱりはっきりしないわけであります。ところで時間の関係で、これ以上申し上げてもしかたがありませんので、質問をずっと並べますからお聞ききいただいて、お答えをいただいて、そのあとで総括的にひとつ長官にものを申し上げて私の質問を終わりたいと思うのであります。  大蔵省皆さん方にもう一つだけお伺いをしておきたいのですが、現在でもいろいろな理由で移転をするあとに国有地が残る。ところが移転さしたあとの国有地は、緑地帯になるとか公共施設に使うというならいいけれども、いつの間にかそこにスーパーマーケットができていたりする。渋谷なんかに幾つも例がありますが、もしそういうことになったらえらいことになる。たとえば、教育大学なら教育大学が向こうに行ったあと土地があいた。たくさん国有地ができるわけです。そういうものの使用計画をやっぱり明らかにしておきませんと、ほとぼりのさめたころにとんでもないことになっているということでは困る。そういうきめのこまかいところも大蔵省考えていただきたいのですが、何かお考えがあるか。  それから農林省の関係で、先ほど営農計画云々というものがあまりなかった、こういうのであります。はっきりしていないのでありますが、閣議決定の中身からすれば、つまり筑波の用地に該当するところで仕事をなくした人、こういう人たちの就職の問題その他を含めて、労働省が雇用対策という形の窓口になっておる。そうすると、一体それは雇用問題の担当として、離農者の職業あっせん、ここらのところは一体どういうふうにお考えなのかという点を労働省に承りたい。  それから通産省関係、これは工業技術院の計画課長さんだろうと思うのでありますが、現在まで二千九百四十三万円の調査費が使われております。何を調査し、どういう結論になったかという点、それから現在計画があればそれ、計画をどういうふうに大体進められておられるかという点等を簡単にお答えをいただきたい。  それから運輸省の皆さんには、先ほど私が申し上げましたが、都市交通との関係、この新研究都市内の、つまりバス交通というものはわかりますが、一体この都市交通と首都との関係は、先ほど私は電話のやり取りを例にあげましたが、どなたがどうとかいうことを申し上げたのじゃありませんので、そこらのところをお考えになっているならいる、いないならいないで、窓口は運輸省に間違いなくきまっておりますから、そういう点でお答えをいただきたいと思います。  それから建設省の都市局長さんがお見えになっておられるのだろうと思いますが、都市計画担当、こういうことになっておる。そういたしますと、研究学園都市なるものの都市計画全体の担当だろうと思いますが、そこら各省との連絡協議その他を含めまして一体どういうふうに進んでいるのか。先ほどもマスタープランとの関連もありましたが、その点あたりのところをひとつ承りたい。  さらに建設省につきましては、この建設省の研究機関の計画担当になっておられるわけです。具体的に計画がもし煮詰まっておる点があればお知らせいただきたいのであります。  それから建設省の計画局宅地部、こちらが公共事業の御担当になっておる。この公共事業担当という立場での計画あるいは調査、どの程度どう進んでいるのかという点を承りたいわけであります。  それからいま私が河川の話をいたしましたが、霞ケ浦の取水なんかということを申し上げましたが、河川局の方々のところで河川改修の計画、それから地下水その他を含めての問題、先ほどはみずから水を調べておる農林省がいるわけでありますから、基本的には一体どういうふうに取水その他を考えておるのか。大体どのくらいの水量が要るのかという見当をつけておそらく計画されるのだろうと思いますが、そういうふうな問題、あるいはダムなんかをつくらなければならぬことになるかもしれませんが、そこらのところを含めましてお答えをいただきたいわけであります。  それから、日本住宅公団関係の方はお見えになっていないと思いますから、建設省のほうであわせてお答えいただきたいと思いますが、先ほどは首都圏事務局長からお答えをいただいたのでありますが、御協力申し上げるということだったそうでありますので、あらためてひとつ建設省の側から現在の土地買収状況、それから当初計画四千ヘクタールが二千八百になるとすればどういうところがどう変わってくるのかということを承りたいわけであります。  それから茎崎の村の議会で反対決議が出ております。ここにありますが、これは茎崎でありますが、土地の買収契約期限を三月まで延長したということですね。先ほどは七〇%と言っておりましたが、私のところにある資料では六七%、こうあります。ここらのところとあわせまして、ひとつ強制土地収用法を適用するなどということが出てくるのですか、出てこないのですか、それらの点。  それから四十一年二月の研究学園都市マスタープランに対する意見、これを日本住宅公団側に資料として提出したということを記載しております。その結果住宅公団側とマスタープランとの関係はどういうことになったかという点、このあたりを簡単でけっこうでございますから、せっかくお見えをいただいておりますので承らしていただきたいと思います。足りない点は後ほどまた時間をあらためて資料をいただこうと思います。
  105. 斉藤整督

    ○斉藤説明員 移転機関のあと地につきましては大体三百万平米ほどございまして、このうち一般会計が九割弱でございます。一般会計に属しますものにつきましては大蔵省に引き継がれまして、大蔵省で処分いたしまして、特別会計に属するものにつきましてはそれぞれの特別会計の処分の段階大蔵省は協議をするという形で参与をするわけでありますが、このあと地の処理の方針につきましては、昨年の九月五日の閣議了解で、移転機関のあと地等の利活用及びその手段方法については別途検討するものとするというふうな了解がなされております。先ほど御指摘のように、国有財産に対します国民的要請は非常に高いものでございますから、その趣旨に沿いまして、あと地につきましては公用あるいは公共用施設の整備及び都市の再開発上有効な方向に利活用するというのが適切であるというふうに考えておる次第であります。
  106. 有馬元治

    ○有馬政府委員 買収用地の農家が、減反農家を含めまして千六百八十三戸ございます。しかしながら現在のところ、先ほどから話が出ておりますように、計画の進捗状況から見まして、求職者となって安定所にあらわれておる者が二十九名でございます。就職決定をした者が九名ございます。今後におきましてもこの六カ町村にわたりまする地域につきまして、マイクロバスによる職業相談あるいは職場の見学、こういうものを実施いたしまして、農家の離転職希望者については再就職、転業の万全を期していきたいと思います。
  107. 高野宗司

    ○高野説明員 次は、学園都市と東京都の都心との連絡鉄道の関係がどうなっておるかという御質問に対するお答えでございます。  この学園都市の場合には、一般的な、たとえば東京周辺のいわゆる住宅団地の開発とはちょっと趣を異にいたしておりまして、いわゆるそういうところの一般的な通勤通学というような問題とはちょっと趣を異にいたしておると思います。しかしながら現在常盤線を——先生もすでに御存じだと思いますが、現在東京都内から工事に着手いたしておりまして、現在複線を複々線の工事をやっております。これが取手までたどりつくのが四十六年度末の予定になっております。そうなりますと、いままでと比べまして常盤線の交通が非常に便利になりまして、ローカルでおおよその感じといたしまして現在の二倍、大体東海道線のような感じで御認識になっていただけばけっこうだと思います。そのくらいローカルがふえるだろうと思います。でありますから、あの地区からの東京都心への通勤は非常に便利になると思いますが、おそらく先生の御質問は、それもさることながら学園都市と私鉄の線路を結ぶ点の考えはどうなんだ、そういう御質問だと思います。  これにつきましては将来最終的には十五、六万の人口の町ができるわけでございますが、先ほど申し上げましたように一般的な通勤通学の問題は非常に数は少ないだろう。先ほど大学生のお話が出ましたけれども、それはだれが申し上げましたか知りませんですが、特殊なそういう人たちはあるいはおられるかと思います。しかしながらおそらく高速度道路ができたり、それからあの付近に住んでおられる方になりますと、やはり自分で自家用車を持っておる方もおられるだろう。ですからそういった全体的な人口の中で東京都内のいわゆる往復をされる人なんかというものは、これはいろいろな仮定がありましてはっきり申し上げられないかもしれませんけれども、おそらく一日平均いたしまして数千人、まあ三千人かその程度のオーダーじゃなかろうかと現在のところ想像いたしております。そういった程度のオーダーとなりますと、新線を敷くということにつきましてはまだちょっと検討さしていただきたい、こういうふうに考えております。
  108. 松村克之

    ○松村説明員 通産省の調査予算につきましては、各年度約三百万ないし四百万の予算がついております。その内容につきましては各省庁と同様でございまして、ボーリングによる地耐力の調査、それから建物を建てますときの基本的なレイアウト等の設計、主としてそういうものでございます。  それから現在の通産省の移転計画というものにつきましては、御承知のように閣議了解の中に九つの機関が移転するということになっておりますが、その移転の開始時期等についてはまだ決定いたしておりません。
  109. 川島博

    ○川島(博)政府委員 お答え申し上げます。  最初の問題は都市計画の問題でございますが、私は実は国土計画の担当でございまして、都市計画の担当ではございません。この筑波研究学園都市の都市計画につきましては、ただいま推進本部で御策定願っておりますマスタープランに沿いまして具体的な計画を立てることになるわけでございますが、ただいま各研究機関の規模、配置並びに中心市街地あるいは主要な道路、公共の関連施設につきまして具体的に計画を策定いたしております。最終的にはマスタープランがきまりませんと確定いたしませんが、作業はただいま進めておる段階でございます。  それから建設省の移転機関でございますが、これは先ほどもお話が出ましたように、国土地理院、建築研究所、土木研究所、三機関の移転を予定しておりますが、この三機関の移転時期につきましては、建設省といたしましては第二期すなわち後半に移転をいたす予定にいたしております。  それから公共事業でございますが、これは域内につきましては都市計画の一環でございますので、主要な幹線街路、下水道、これについてはやはり都市計画の一環として調査を進めておる次第でございます。  それから水利用でございますが、これは治水、利水、あわせて計画を立てる必要がございますが、これもまだ研究機関の全体の計画が出そろっておりません。いずれにいたしましても研究機関でございますので、工場等と違いまして、そう大量の水は必要でないと思いますので、一部は地下水にたよる場合もありましょうが、相当部分は霞ケ浦から揚水をして利用するということになると思います。この町の性格、規模から見ましてまずまず水の需給には心配がないのではなかろうか、こう考えております。  それから土地の買収につきまして、当初の四千ヘクタールを二千八百ヘクタールに縮小したのはなぜか、こういうお話でございましたが、これは差しあたり移転予定の研究機関三十六機関予定されておりますが、これに必要な面積といたしましては所要の市街地分を含めまして二千八百ヘクタールについてこの際開発をいたしますれば、当面研究環境の整備には支障がないわけでございますので、将来といたしましては、先ほどの人口十六万人に見合う町の規模といたしましては四千ヘクタールでございますが、当面の規模といたしましてはそのうち必要な二千八百ヘクタールについて計画を立てておるわけでございます。  それから買収の実績でございますが、正確に申しますと住宅公団がことしの三月末日までに買収した面積が四百一万坪でございまして、七〇%弱ということになっておるわけでございます。なお将来土地収用法を適用するつもりかどうかという御質問でございますが、どうしても必要な場合には収用法の発動も考慮することになるわけでございますが、現段階におきましては茨城県並びに地元の市町村を通じまして円満に地主と買収交渉が進められておりますので、それで予定どおり買えればあえて強権を発動する必要はないのではないか、かように考えます。  それから、四十一年にマスタープランをきめたが、これを政府なり住宅公団がどう取り組んでおるかというとこでございますが、おそらく四十一年につくりましたマスタープランは、公団から学会に委託をしてたしかつくったものだと思いますので、これはその後の事態はみずから委託をして公団がつくってもらったわけでございますから、十分それで足りるわけでございますが、ただ具体的に、現地に対する研究機関の配置なりあるいは地形なりに応じて若干具体的な計画としては変更を要する面が出てくるだろうと思いますが、基本的にはやはりこういうものを基礎に置くことにいたしたいと考えております。
  110. 大出俊

    大出委員 運輸省の移転計画で気象研究所が移転予定機関からおりたですね。これは一体どういう理由ですか。
  111. 坂本勁介

    ○坂本説明員 気象研究所の仕事と申しますのは、平生の日常の研究と非常に密接な関係がございまして、たとえば本庁におきます電子計算機も気象研究所の連中も一緒に使うとか、これは一例でございますけれども、毎日行き来がかなり激しい状態になっておりまして、離れますと、かえって実は研究の成果があがらないというふうに判断いたしまして、おりておる次第でございます。
  112. 大出俊

    大出委員 最後に二つだけ希望を申し上げます。  たいへんお忙しいところを皆さんにお集まりいただきまして、恐縮でございましたが、以上申し上げたような理由もあって実はおいでをいただいたのでありますけれども各省当局に対して移転対象になる諸君、あるいは用地買収その他によって用地が買収されていく地域の方々、いろいろなところから陳情等が私のところにたくさん来ておりますけれども、どうも全貌がわからないというのですね。何となくどうもないから出てこないというとこになる面も、いま聞いてみてたくさんあるのでありますけれども、何か秘密主義で事を運んでいるように見える面がある。あるいはどうも言うことがひとつまちまちである。さらにまたやっていることを見てみると、さっと私例に引きましたが、どこかでまとめてやればいいものを、おのおの各省に預けているというとこで、そのたびにいろいろ各省の性格が出てくれば、調査費一つをとってみても、そういう点が出てくる。したがって、私はできるだけこれだけのことをやろうというならば、移転対象人員も多いのですから、そういう点で中身は公開をして、その対象になる方々が十分この計画を理解する時間が必要であり、わからぬところは納得いくまでひとつ説明をしていくことが必要であり、そしてやはり全体的にこの計画が必要なものであるという理解度が深まっていくというとこでなければ、せっかく移転する段階そこらじゅうに反対運動が起こったら、これだけの計画ですから、どうにもならぬ、国費の空費になってもたいへん申しわけないことになります。そういう意味でできるだけひとつ公開をして、中身については納得を求めるという形が私は必要ではないかという気がするのであります。  それからもう一つは、行政機構簡素化というのがこの委員会のいまの議題でございますが、先ほど来総括といって質問を申し上げたら、どうもはっきりしない。主として知っておられる鶴海さんのところがどうも協力の側であったりするようでは、これはやはりこれだけの調査費も使い、これら膨大な予算をかけるということでありますから、やはり国民全体に対する説得力も必要でございまするし、そういう意味でたくさん欠ける面が出てくる。これはなぜ取り上げたかというと、単にいまの筑波学園都市問題だけでなくて、港湾の問題にしても、あるいは厚生省傘下のお医者さんが一人町で開業するということをめぐりましても、あまりといえば複雑多岐にわたる手続が多過ぎて、そのためにたいへんな精力を使ってしまう。これはほんとうならば、行政管理の面でおやりになっている担当の方々がみなおいでになれば、わかっている方が多いと思いますが、臨時行政調査会論議の中でも相当詳しく実際の例をあげて論議をしております。そういう点を一つ一つどういうふうに重複を避けて、権限争いをなくして、それは機能的に分けているいまの日本の行政組織でございますから、何省、何省というのは英国のかつての第一次大戦後のプランのようなことになっているわけでありますから、そういう面でとかく権限争いが出てくるのはある意味では避けがたい面があります。それをどういうふうに総合調整をして機構簡素化をはかるか、能率化をはかるか、こういうところがこまかく具体的に指摘をされて組み立てられて出てくる形の行政機構簡素化に関する法律案というならば、理論もあり、筋もあり、理屈もあるわけですから審議のしようがあるのだけれども、冒頭に長官答弁されたようなことでは、三年先といったって、では計画はと言えば、六月に出てくるのだと思います、局がなくなったんだから大騒ぎになったんだが、何かが動いているのだと思います、相当な効果があると思います、効果とは何ですかと言ったら、何だかわかりませんがやがて効果になるでしようということでは論議になりません。総理がいかにかみ合う論議をしてくれと言ってみたって、質問に対して答えのほうがかみ合う答えにならぬ限りは、資料はいろいろ持ってきておりますが、どうも論議のしようがない。したがってきょうのところは、一局削減というのはいかにも大山鳴動しましたが、しいて言えば局長が一人減るかもしれない程度であって、予算もさっぱり節約にならない、また皆さんが妙なものを審議を求めてお出しになったものだという程度にとどめておきたいと思うのであります。あらためて、許認可等の問題もありますから、たくさん残りましたけれどもそちらのほうでは質問させていただきたいと思います。  どうもたいへんお忙しいところお呼び出ししましたが、ありがとうございました。
  113. 三池信

    ○三池委員長 受田新吉君。
  114. 受田新吉

    ○受田委員 私は、今度の政府提案行政簡素化に関して、先般も、きわめて場当たり的な、単なる一局削減という形だけが削減に見えて中身の全然伴わない法案であることを指摘さしていただいたのでありますが、なおお尋ねした各省別の問題点で残された省がたくさんあるわけです。それについて一々取り上げる用意をしておったのでございますが、とても十分や二十分で各省を扱うわけにいかぬので、いま皆さんにお帰り願ったわけです。大出委員に次いで私もちょっと残った方に御用があったのですが、お帰りいただいたわけです。長官一人で私の太刀を受け取めることが可能かどうかはいささか危ぶまれると思いますが、長官と担当局長とお二人でけっこうです。もし質問に対して納得のいかない御答弁があれば直ちに各省を呼び出し、ずらりと並べますから……。  残ったものもすでに審査の終わった分はやりません。残されてまだ討議してない省がたくさんあるわけです。木村先生、あなた自身の作品として会心の笑みをたたえられるほどでもないこの法案が出たわけですけれども、この中でまず名称の点でいかにもその体系が裏づけされてない点があるのです。たとえば通産省の場合に鉱山局と石炭局を一つにするときに鉱山石炭局とやっておられる。また農林省で蚕糸と園芸を蚕糸園芸局とやっておる。園芸局はあとから飛び出して局に昇格したのでありますが、それがないときにはそれぞれ関係部局で片がついておったわけです。したがって、こういうものを整理されるときは、石炭山というのは鉱山かどうかということをひとつ——石炭山というのは鉱山にあらざる山かどうかというのをまずお答え願います。
  115. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 それだけの話でしたら、局長答弁させていただきます。
  116. 受田新吉

    ○受田委員 局長でいいです。
  117. 大国彰

    大国政府委員 広い意味の鉱山の中には当然炭鉱も入るわけでございます。鉱業法の中には全部一緒に入っておるわけでございます。なぜ鉱山石炭局という長い名前にしましたかと申しますと、石炭行政につきましてはまだまだ非常に大きな問題もございまして、あえてこの際鉱山特に石炭を分掌するという局の名称をつけておく必要があったということでございます。
  118. 受田新吉

    ○受田委員 鉱業法にも一括してあるし、それから通常鉱山といえば石炭山を含んでおるわけです。そして石炭を大事にすることはその行政中身で幾らでも可能である。したがって、石炭の名称を除くと石炭を粗末にするのではなくて、鉱山すなわち石炭が重点という印象を与えて石炭の担当者の方々に御納得をいただけばいいわけなんです。鉱山石炭局というような性格の同じものをわざわざ二つ並べておられる。こういうときには鉱山局としてすかっとする。たとえば、警察庁で刑事局にもう一つのやつをひっつけて刑事局とやっておられる。これでもうりっぱに代表しておられるわけです。そういう意味で、鉱山局といえば石炭が一番大事なんだという印象を与えることで、この名称はすかっと鉱山局にされたらいいのではないか。  そして防衛庁に人事教育局というのが誕生しました。防衛庁の中で四字ある局はこれが初めてです。教育というものは人事の一環と見ることができるわけです。事実基礎訓練のほうは、この御所管を防衛局のほうに持っていこうとしておられる。これでもりっぱに人事局の中に教育の仕事を含む——たった一課しかない教育局、天下無類の局が防衛庁にあった。そのたった一課しかない教育局を整理するということになれば、人事局の中に教育課を入れて、そして人事局とぴしっとやられていいはずだ。人事教育局なんて、とにかく大根を切ってひっつけたような——武者小路実篤先生が二つのくだものを並べて、されど仲よきというのを書いたのがよくある。こういうようなことで担当者を自己満足させるような儀礼的な行政簡素化をやっておられるわけであります。  なぜこれが人事局ですかっとやれないのか。鉱山局ですかっとやれないのか。そしてその担当された方々に十分満足を与える道は幾らでもある。現に大蔵省では、理財局と国有財産局をひっつけて理財局で片づけておられる。資金の総合調整というような問題を国有財産と一緒にひっつけて理財局になっておるじゃないですか。こういうようなところを見たら、なぜ大蔵省でも理財国有財産局とやらないかということになる。つまり名称の整理の上に各省間のバランスがとれておらぬ。場当たり的な思いつきで、これが抵抗を避けるためにその名称を残しておかなければいかぬというような、蚕糸園芸局というのもできてきた。  長官、御答弁願いたいです。
  119. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 御質問は全くごもっともでございます。一番最初は各省庁とも——防衛庁のほうはわかりませんけれども、鉱山石炭局のほうなんかはすきっとした考えは持っておられたようです。そして出してこられたようでありますが、途中また変更になったのです。それがいろいろな事情があって、それを押し切るだけの大臣に力がなかったのじゃないか、最初の鉱山石炭局のほうなんでありますがね。それでその妥協的な名前が出てきたような気がいたします。その点はもうお話のとおりです。私のほうからいえばすきっとした名前がほしかったのでありますが、一転、二転したようでございます。しかし私のほうといたしましては一切、一省一局削減については、ただ一局削減をしてもらいたいということを言っておるのであって、内部には少しも干渉をしませんでしたものですから、向こうから持ってきたものを不本意ながら受け取らざるを得なかった、そういうものもたくさんあるのでありまして、お話のとおりです。
  120. 受田新吉

    ○受田委員 お話のとおりというおことばでありますが、やはり行政各部の調整をはかる上においてはやむを得ない奇形児が生まれた、かように了解してよろしゅうございますか。
  121. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 大体そうだと思います。
  122. 受田新吉

    ○受田委員 そうすると、この法案は奇形児を含む法案であるということになるわけで、たいへん私としては、これは不本意な改正案である。特に、これは行管が管轄するのにはいささか独立性を持っているからやむを得ないと仰せられるならば、やむを得ないというように考えられないこともないけれども、人事院は、機構改革の中に局の削減、一局削減一つもされていないわけです。これはどういうわけですか。
  123. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 局長から答弁させます。
  124. 大国彰

    大国政府委員 人事院は内閣の所管に属しておりますが、一般の行政機関と異なりまして、独立性を強く持っておりますので、今回の一局削減にあたりましては、政府としては、これに準じて措置するように要請をするにとどめたわけであります。
  125. 受田新吉

    ○受田委員 最後のところをもう一ぺん。ちょっとおしまいの結論だけはっきりしなかったので……。
  126. 大国彰

    大国政府委員 行政機関について行なっておりますこの一局削減の趣旨に沿って措置するように要請したわけでございます。
  127. 受田新吉

    ○受田委員 要請されたとすると、その答えはどうなっておるのですか。
  128. 大国彰

    大国政府委員 答えはございませんでした。
  129. 受田新吉

    ○受田委員 これは人事院といえども独立機関に見えて、実は政府機関です。これはその独立性が強いというだけなんです、国家公務員法で守られているから。われわれは、人事院の機能を削減するということは好ましくない、公務員の立場を守る唯一の機関として大事であることを従来提唱してきた。しかし、それと一局削減の政府の方針とを混同してはならない。人事院だけが残されておる。これは要請をしたけれども答えはないというような、まとまりのつかぬような法案、つまり行管としては人事院に要請をしたことの答えを得ることなくしてこちらのほうだけを片づけましたという法案ですね。これはやはりこの機会に行管としては、同じ政府機関である。ただその強い独立性を尊重して遠慮したというような形だけでは済まぬ問題だと思うのです。やはり人事院といえども、一局を減らして国民の期待にこたえる、こういう形であるべきだと思うのですよ。これは人事院を呼んでかれこれ言うよりも、行管長管としてこの独立性におそれをなして、これには触れない。それだけでなくて、もう根こそぎ人事院の機能を縮小しようという計画がかつてあったわけなんですから、それに比べたら、この一局を御遠慮願うということは、国民にささたるサービスをお願いするだけで、人員が一人も減るわけじゃないですよ。ちっとも遠慮する必要はないのですよ。これは筋は筋として通さなければいかぬと思うのです。やはり妥協の産物、奇形児を多く生むことが人事院にも波及しておる、こういう改組案だということになりますね。御答弁を願いたい。
  130. 大国彰

    大国政府委員 ただいまちょっと間違ってお答えいたしまして申しわけないのでございますが、一局削減につきましては、これは行政機関だけの内部の問題といたしまして政府がきめたわけでございますので、いわゆる国家行政組織法の傘下にある機関についてのみ考えたわけでございます。したがって、人事院に対しましては、要請はいたしておりません。先ほど要請したと申し上げましたのは、定員管理についての削減の問題は要請したわけであります。
  131. 受田新吉

    ○受田委員 要請もしない、答えももちろん要らない、人事院は、全く国家公務員法による独立の機関として公務員をささえる存在であるからこれにタッチできない、すべきでない、こういう御判断のようです。しかしこれは、政府としては、この点については少なくとも政府の機関であることは間違いない。同じ政府の機関であって、その人事院の独立性というものを十分尊重しながら、行政機構簡素化については、国家行政組織法に準じた扱いを人事院にお願いをして御協力を願うというかっこうをとるほどの実力がないような内閣とは私は思わないのですがね。実力はまことに微々たるものに堕し去ったと了解してよろしいか、あるいは依然として実力が健在なりという御見解か、御答弁を願いたい。
  132. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 経過は、いま局長の報告したとおりであります。しかし受田委員お話を伺っておりまして、私は考えさせられるものがあります。それでありますから、この点は十二分に取り上げて、あとで考えてみたいと思っております。  それから先ほどの鉱山石炭局の問題で、奇形児というおことばがありましたけれども、一局削減をしたのですから、決して奇形児じゃないのですが、変な名前ができた、こういうふうに御了解をお願いしたいと思います。
  133. 受田新吉

    ○受田委員 それではそこは、速記録を適当に直すことを認めておきます。  私は、さらに外務省の関係でお尋ねをしてみたいのですが、かつてこの委員会で移住局と中南米局を合わせた中南米・移住局という、これも奇形的な名称、変な名称が——変なというのも、奇形でも大体似ているのですが、変な名称の局ができたのです。ところが移住という局をなくすと、移住に非常に影響するからというので移住というのが残っておった。これが今度領事移住部ということになって、官房へくっついてきた。そこで移住政策というものが軽々しく扱われるというような形のものになってはならないわけなんです。北米局、中南米局を一本にしてアメリカ局、それからアジア局という中にもヨーロッパ関係の局との間の、広い意味のユーラシア大陸という関係から、その名称と所管がちょっと危ぶまれるような、区切りの悪い管轄の局もある。こういうような管轄、所管とそのやっている仕事とが継ぎはぎになってくると、その責任の持ちぐあいにおいて非常に欠陥が生ずると思います。今度は、こうはっきり中南米を含めて、北米と一緒にしてアメリカ局というのだから、その点は、すっきりしたのです。いままで非常にあいまいだったのです。ところがヨーロッパ関係から、アジアのユーラシア大陸を所管する外務省の局の中には、たとえば欧亜局という局がある、それからアジア局という局がある。この欧亜局の亜とアジア局のアジアとどうかということは、これは欧亜局ということになってくると、名称と実体とが非常にあいまいになってくる。これはアジアを含んでいるアジア局とどう違うかということ、これはちょっと局長さん、その所管についてはっきりしてくださいませんか。
  134. 大国彰

    大国政府委員 アジア局と申しますと、アジア全般と申しますのですが、アジアの中でも中近東は中近東アフリカ局の中に入っております。それからなお欧亜局と申しますのは英連邦課がございまして、この関係で一部がアジアに存在するということで欧亜局という名前になったということを聞いております。
  135. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 いま受田委員の話を聞いておりまして非常に感じたことがあるのですけれども、たとえば鉱山石炭局という名前でも何でもそうなんですけれども、名前というものはあまり軽率に扱うべきものではないということがしみじみわかったのです。名は体をあらわすというのはごもっともなんでありまして、今度はやはりこの問題が解決いたしますると、各省庁と話を進めましてほんとうに名は体をあらわすようなものにするように話をしてみたい。こういうことを、いまお話を承っておりまして切に感じたことだけ申し上げておきます。
  136. 受田新吉

    ○受田委員 これは大臣非常に悟りを開いておられる、けっこうでありますが、外務省の役所の所管というものは、われわれが海外視察をしても、どこかに政治の圏外に置かれたような印象を受ける部位があるのです。いまの欧亜局の所管の中に西欧課、東欧課というそれぞれ西欧民主主義国家と東欧共産主義諸国とが所管が違っておる。それに英連邦課というのがある。この英連邦課という中には、カナダとか他の所管にあるものを除くというわざわざここに説明を入れなければならないややこしい問題がある。それでアイルランドから西サモア島の外交政策もそれに入るというかっこうになっている。アジア局というなら、それでその欧亜局の中でアジアに属する部分はなぜ除かれなければならぬかということで、北東アジア課、南東アジア課というような極限されたアジア課になってくる。そういうようなことで、地域的な所管でなくしてそういう政治的な配慮が入っているのです。これは中南米、北米を一本にすると、これが全くその地域に関する外交事務を一切扱うというようなことになる。それから移住というのは、従来中南米に非常に関係が多かったからこれにひっつけたと当時答弁されたが、移住政策はいまや東南アジアからその他の国々にも広く、世界全人類の共同の福祉のために開放された地域は、いずれの国を問わず人類が移動して、狭いところで苦労するよりも広いところで道を開いてやるという人口政策も当然ここに考えられなければならぬ問題がある。人口政策というような問題と、世界的の移住政策というような問題については、どこかで何か所管する役所がなければいけないのだが、そういうところが一つもない。そういうようなことで、行政機構改革ということになったら、日本の前向きの将来の人口問題というものをひっつけてぜひ世界政策をやるような役所が一つ要るのですけれども、厚生省の人口問題研究所というような部分的なものではいけない。そういうような五十年、百年後の日本の世界的な政策を考え機構が要ると思うのですが、大臣答弁を願いたい。
  137. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 ごもっともだと思いますが、行政機構の三カ年計画の案を立案するときに、そういうような根本問題は取り上げて織り込むようにしてみたいと考えております。
  138. 受田新吉

    ○受田委員 私は、各省別に相当抱負経綸をノートに用意しておるのを、かいつまんでいま申し上げられないほど協力しておるわけです。それで大臣、いま残った、まだ質問出ていない郵政省の機構簡素化について、監察局をやめて首席監察官を一人置くこと、首席監察官は行政職一の該当者にするのか、いまある人でも監察官は指定職になっている。これは監察官はすべて指定職たる行政官を当てるのかどうか。
  139. 大国彰

    大国政府委員 現在それはまだきまっておりません。研究中でございます。
  140. 受田新吉

    ○受田委員 その置かれるポストが従来よりも高いところへ置かれる人も出てくるわけなんです。たとえば青少年対策本部というものが本部長総理を持ってくると、総理そのものがその対策会議に終始顔を見せてやるという指導力があるかないか、そういう熱意があるかないか、この前聞きたかったのですけれども、時間がなかったのですが、そういうシャッポだけ置いて、あるいは地位だけ高いところに置いて祭り上げる、こういうような哀れな存在にしてはいけないと思うんです。首席監察官というのがどのような職務を持つかという、たとえば首席監察官は指定職にしてあげますとはっきりうたっていいと思うのです。監察官はいまでも指定職なんですが、いわんや首席監察官は指定職にするということがきちっと何かされてないと、大体そういうふうにしなければならぬはずなんですがね、実際問題は。まだ研究してないそうですから……。そこで地方の郵政局とそれから郵政監察局との関係を昨年の郵政省設置法の改正以来相当論議されて、去年もこれがお流れになっておる。この長い歴史を見たときに、郵政省には戦前は郵政局しかなかった、逓信局と称しておった。それが監察業務を重視して、同格の郵政監察局がちょうど郵政局と同じほど全国に九つほどできた。そういう行きがかりを見たときに、このあたりでも行政管理庁としては、監察業務の統一強化という各省別の独立のものもあるし、各省に共通するものもあるが、願わくはこの行政監察は、行政委員会のようなもの、フーバー委員会の構想というものは、これは日本に採用して決して間違いないと私自身は思っておるわけだが、こういうようなことで監察の行政委員会というのを各省にまたがる——各省の特色はあろうけれども各省にまたがる強烈な権能を持った行政委員会を監察目的のために設置するというかっこうでいけば、これが郵政監察局、そんなものはなくて済むわけです。そういう意味で郵政監察局というのは——そういう意味であろうとなかろうと、どうしようとされるのか、去年設置法で大いに討議された問題であるだけに、何らかの構想を打ち立てられたと思うのです。これに触れてないだけにちょっと伺いたいと思うのです。地方の監察局は廃止したのですから、地方はどうなるかということをお尋ねします。
  141. 大国彰

    大国政府委員 郵政省につきましては、昨年設置法におきまして二カ所の監察局を統合するという案を出したわけでございますが、いろいろな関係で審議未了に終わったわけでございます。  なお地方におきまして、郵政監察局と郵政局とが大体同じ権能の中に入っておるというような関係もございます。これを何らかの形で統合するという点につきましては、郵政省においてもいろいろ検討されておることであると思います。なお今度の行政改革の三年計画の中には、必ずこの問題は郵政省におきまして取り上げてくると私どもは確信しております。
  142. 受田新吉

    ○受田委員 ちょうど三十分になっておりますから、公明党の鈴切先生、三十分ほしいとおっしゃるから私これで質問やめますが、私いま御注意申し上げたことは十分肝に銘じて御検討願いたいと思うのです。
  143. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 この前もお話ししてありましたけれども、私お話を承っておりまして、私がこれから担当してまいりまする行政改革について、ほんとうに取り上げなければならない問題がありますれば十二分に取り上げまして、そうして善処するように努力いたしたいという考えでございます。
  144. 受田新吉

    ○受田委員 それではこれで終わります。
  145. 三池信

    ○三池委員長 鈴切康雄君。
  146. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 一省一局削減に関連しまして今日までいろいろ議論がかわされてまいりましたが、総括にあたりまして、行政改革の推進に当たる長官行政改革に対する姿勢と考え方について少々お伺いいたします。  ずばり言って、何が行政改革を難事中の難事にしているかという原因について、まずお伺いいたします。
  147. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 戦後二十年間、行政改革をやろうと思ってやれなかったことが一番大きな原因だと思います。それから、戦前の行政のあり方と戦後の行政のあり方というものが、違うものがたくさんあったんじゃないであろうか。  それから、行政を担当する人々なんでありますが、戦前は天皇陛下のお役人でしたけれども、戦後は国民の公僕になってしまった。そういう点でも新たな使命感を持った新たな教育訓練というものが必要だったんじゃないだろうか。  そういうようなことの何もかにもおろそかにしてきたという積み重ねが、私は行政改革を非常に困難にしておるのじゃないかと思います。  それからもう一つ行政改革をやる者自体でありますけれども、おざなりでなく、どんな困難がありましても真剣に取り組むということが一番大切だと思いますが、やってやり得なかったのは、そういう点においても欠けたるものがあったのではないかと思っております。  私が今度の行政改革と取り組む態度でありますが、最初に一省庁一局削減というものが出てしまった。これは行政改革の可能の範囲を測定する意味合いにおいては非常に役に立ったと思いますけれども、いままで皆さま方から御指摘を受けたように本末転倒だったんじゃないか。根本方針をきめて、そうしてそれを提示して後にそういう具体案が出るべきものだと言われますと、そのとおりだと私は思います。ともあれ、先ほど申し上げましたようなことが重なり合って行政改革を非常に困難にしている、こういうように考えております。
  148. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 確かにいま行政管理庁長官の言われたのもその一因と思うのでありますが、私は私なりのやはり考えがあるわけであります。  まず、私はいまの時点におけるところの考え方としては、長官自体の指導性のなさということを思うのであります。その例としては、行政機構簡素化等のための総理府設置法等の一部を改正する法律案の一省一局削減に見ても、しいて言うならば、経企庁の局長が減少するのみで予算に全然反映するものでもない。また自治省選挙局などは、四局しかない。しかも永久選挙人名簿も年四回にもなるし、また有権者も増加している現在、それから政治資金規正法という重要な問題もかかえているわけであります。また厚生省の国立公園局を格下げした。これは三十九年の七月一日設置のものでありますし、また労働省安全衛生局は四十二年八月一日設置のもので、その格下げ等の朝令暮改的な削減、全く問題の多い削減を、総理が思いつきのようなことを言ったからといって、最後はチェックして判断すべき長官が、めくらがちょうど大根をぶった切るようなやり方をするということ自体も、長官の指導性のなさがまず第一の問題であると私は思うわけでありますが、長官はどういうふうに判断されましょうか。
  149. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 それはごもっともです。私はいまの鈴切委員お話は決して否定いたしません。ごもっともなんであります。しかしこの行政改革というものは非常に困難なものだ。一体どこから登ったらいいだろうかということを総理自身が非常に考えられたんじゃないだろうかと思います。それで登り口として一省庁一局削減という場所をお選びになったんだろう、私はこういうように判断いたしております。そういう点で内容を見ますと、全く鈴切さんのおっしゃったところがたくさんある、こう思います。私が行政管理庁長官にならない前なんでありますが、総理が一省庁一局削減と言われましたときに、たいへんなことを打ち出されたものだ、これが内閣の命取りになりやせぬかと思ったこともあったのであります。それから自分がこれを担当しましてやれるかやれないか。各省庁で、喜んで私のほうは一局削減しましょうなんて申し出たところはほとんどなかった。ほんとうにいやいやながら一局削減に応じたのであります。しかし、いやいやでありましてもやったことはやったのであります。やってやれないことがないという自信を持っただけでも非常によかったのじゃないか。それからいままで左を向いておったものが——左とは何だといいますと、各局、各部、各課なんというものはぐんぐんふえてきたことは事実だったと思います。現にいまの内閣のときでも一省庁一局削減と言いながら局は八つ、部が八つ、課を六十四も要求してくるというようにちぐはぐな行政であったのでありますが、そういう際に、それを全部やめてしまって、それだけでなくて行政改革の方向に向いたというだけでも、そうしてここから登れば頂上まで登り得られるだろうという見通しが立っただけでも非常に成功であった、こういうふうに私は思っております。ただし、私自身の指導性、指導力というものはないのじゃないか、こういうお話になりますと、それはごもっともだと思っておりまして、その足らざる点は皆さまの御質問を聞きながら、なるほどここは足らなかった、あそこは不足しておるというようにだんだんと埋め合わせをしていく、そうしてほんとう改革具体案が出たときには納得のいくようなものをつくってみたい、こういう考えを持っておりまして、私はここに参りまして各委員方々の御質問をお聞きいたしまして非常に参考になりました。私の足らない点を補うには申し分ない、こういうように考えて、ほんとうに心で手を合わせて皆さまの御質問を承っております。ことごとくをそしゃくしてみたい、消化してみたい、こういう考えで取り組んでおります。
  150. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 行政管理庁長官がそのように前向きに行政改革に進んでいくという決意と、そうしてなお多くの人の意見を反映してというような御発言もありましたので、私はきょうは長官を追及するという形でなくて、むしろ私の考え方、またそれに対するところの、二十年間行政改革が進まなかった一つの病原体というものを私も私なりの考え方から一応申し上げたい、そのように思うわけです。どうかそれも参考にしていただきたいと思う。  まず第一に、いま申し上げましたとおり少なくとも行政管理庁長官はその主たる一つの大きな役目を持っておるわけでありますから、当然それに対する指導性というものは問われるわけであります。  それから、次にはやはり政府部内に改革の熱意が見えないということですね。官僚の抵抗と圧力団体の力に押され、審議会の答申に対してもほんの小手先だけの改善しかできなくていままでお茶を濁しておったという点が見られるのであります。  次にはやはり官僚のなわ張り意識であると思うのです。高級官僚は、そこにもたくさん官僚がおられますけれども、きょうはあえて言わせてもらいますが、自己の勢力を維持するために常に仕事と人員の拡大をはかり、ますます機構を複雑化しているということも一つの原因だと思うのであります。  次には、地方自治体に対する不信という点から事務の地方委託が行なわれず、ここに各省庁を頂点として地方出先機関につながるいわゆる縦割り行政の体制をつくり中央官僚の行政支配が行なわれておるということも言えると思うのであります。  次には、官僚主義は各省相互間のセクト主義、相互不信となってあらわれた、横の連絡は全く円滑を欠いておる、そういう問題もあるでありましよう。  それから、現在の議院内閣制のもとでは、当選回数を重ねた者が大臣となっているわけです。派閥のバランスによって割り振られている。これは自民党さんに多い問題でありますが、このため真剣に行政に取り組み、その改善をはかっていくという熱意に欠け、そればかりか官僚機構に乗った形で行政が運営されておる。そういうふうに、その病原体の一つの因はそこにあるのではないかと私は思うのでありますが、その点いかがでしょう。
  151. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 あなたのおっしゃるとおりだと私も思っております。  いまの、各省のなわ張り争いなどというものは、私が見ておりましても非常に不愉快だと考えるのでございます。何とかこれを直してみたい、打破してみたい、そういう際に、各政党が応援してくださると非常にやりやすいのでありまするけれども、そうでない面もありまして、腹背ともに敵を受けたようなかっこうが出るときには私は泣きたいような気がいたします。ごもっともだと私は思っておりまして、この各省庁の高級官僚のなわ張り争いというものをなくさない限りは、現在の日本の行政機構というのはよくなりません。何とか思い切って大胆に直してみたいと考えておりますが、私は高級官僚になり得られる資格もなかったものですから、こうしてこの仕事を担当せしめられているものですから、敵意を持ってやっているわけじゃありませんけれども、そういう点には非常な情熱を燃やしております。非常な正義感を持って私はこの問題と取り組んでおるつもりであります。  それから、地方自治体に対する不信というものも確かにあったに違いありませんけれども、この地方自治体というものも私はもっと考えてみなければいけないと思う。私は戦争前の地方行政も知っておりますが、そのときには知事は任命されておりました。いまは選挙になりましたけれども、民選知事と官選知事とどっちが仕事をしたかというと、私の県だけで申し上げますとどうも官選知事のほうが仕事をしたのじゃないかと思います。私は山形県ですが、いわゆる三十六人いままで知事がかわっておりまして、初代の三島通庸さんだけが記憶に残っている。それ以後の知事さんは一つも記憶に残っていない。大体二年、三年ぐらいできた知事は何か一つ仕事を残している。民選知事になってから何も残していないという傾向がある。そういう点から何か地方に対する不信感というものを抱いておるかもしれませんけれども、こういうようなものは両方で話し合いをして早くなくしていかなければならぬ。覆水盆に返るわけじゃありませんから、民選知事がまた官選知事になるなんということもありませんけれども、そういう不信感というものは早くなくしていくようにつとめなければならぬ。そのつとめ方もいまの行政では足りないと思っております。横の連絡なんかもありません。不十分であります。そう思いますけれども、私は鈴切委員のおっしゃった個条書きにされたことは一々ごもっともだと思いまして、今度の改革の中にはそれを大胆に取り上げております。
  152. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 行政改革を行なう場合には、当然、一つは精神的な面、もう一つは技術的な面があると私は思いますけれども長官は、どのようなところに配慮してやったらよいか、どのように思われているか。どういうところに一番力を入れてやっていかれるかということであります。
  153. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 私は、一般の国民とお役人との間に大きな違うものがあると思う。それは、お役人は公金を毎日扱っておるということです。もう一つは、権力の地位についておるということです。その権力には利が伴う。たとえば許認可のようなもの、みな利が伴う。その二つの点が一般の民間人と違う。したがって、一般の民間人よりもより高度の道徳をも持っていないと、役人というものはつとまらないのではないだろうかと考えております。そういう点で欠けたるものがあるのではないだろうか。そうですから、毎日毎日の新聞紙上をにぎわしておる公務員の不正事件のようなものがたくさん出てくると考えております。これをどうして直したらいいか、根本的に直すにはどうしたらいいかということを私真剣に考えて取り組んでおりますが、そういう点では私特に公明党のあなた方のお話を承ってみたいと考えております。精神面では公明党のお話なんか非常に役に立つだろうと思っておりまして、一ぺんお伺いしたいと思っておったのです。何やかにや教わりたいことばかりでございます。
  154. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 それは後日のお話し合いにいたしまして、一つは、行政改革の意欲を示す大臣も閣僚も、常にその政府がかわる場合に交代をしているわけですね。これも私は、行政機構に対する改革の振り戻しというか、たとえば木村さんがここでかなり意欲的に勉強をされる、そしてあらゆる点を吸収してやっていこう、そのように思われるつかの間、今度はたとえばかわってしまうというかっこうになってしまったのでは、いつまでたっても一つの官僚の支配下というか、そういう点から抜け出せないのではないか。むしろ私は、行政改革を最後の最後までやるまでは大臣はかわらないというぐらいな、それくらいの考え方でなくてはならぬと思うのですが、その点いかがでしょうか。
  155. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 全くむずかしいことで……。私がかわるかかわらないかは別として、それにつけても、三ヵ年の行政改革案は八月一ぱいにきめたいというのは、そこに目安を置いたんであります。九月までは大体私の身分ももつだろう。その間につくってみよう、八月一ぱいでこういう考え方を思い切ってやってみたい。でありまするが、私がどうなるかということは、総理大臣に聞いてください。
  156. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 あなたがどうなるというのではなしに、私は、考え方としてはやはりそういうふうになくてはならぬじゃないか。私はあなたのことを言っているわけではない、今後の考え方として、やはり大臣としては、行政改革をやるには、これはかなりむずかしい問題でもあるし、そういう点で少なくとも大きな問題が解決できるまではそれと取り組んでいくというふうな姿勢でなくてはならぬじゃないか、そのことをお聞きしているわけであります。
  157. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 ごもっともであります。戦前は内閣は連帯制でありまして、その内閣の続く限り大臣はそのまま残っておったのでありますが、戦後はまるきり変わってしまいましたものですから、そういうことになるだろうと思いますが、ごもっともだと思います。私がその際にはそういうことを進言していきたいと思います。
  158. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 時間もあまりありませんので、あと二、三問質問して終わりたいと思いますが、いまもいろいろ責任体制ということが問題になりました。行政機構が分立して拡大されることにより著しい弊害を生み出している縦割り行政を、内閣の責任のもとに統一的に執行運営される必要性から、縦割り行政の是正によってその総合調整をはかったらどうかと思う点についての行政管理庁長官の御意見をお伺いしたい。
  159. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 これも三年計画の中で大きく取り入れております。どうしても総合調整をはからなければなりませんし、各地に同じようなもので各省庁にまたがっているものなんか一本にしなければなりません。そうしないと、責任のある、国民に納得してもらうような、能率のあがるような行政ができませんから、それは非常に大きく取り入れております。
  160. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 そこで、例をとってみますと、予算会計制度について、予算は国の事業計画であり、あらゆる行政活動の裏づけをなすものであります。したがってその合理化、簡素化はもちろん、その総合調整が必要となるわけでありますが、予算の編成が年末の短期間に集中し、与党や外郭団体の圧力が必要以上に働いて、政策内容は十分審議されないで閣議でも実質的な調整がほとんど行なわれない点について、私はやはり根本的に改革をしなければならないのではないか、そのように思うのであります。非常にむずかしい問題であると思うのですが、その点について長官の御意見をお伺いします。
  161. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 それもごもっともであります。私はいまの予算編成の時期、方針なんか見ておりまして実は歯がゆく思っております。戦争以前にも私はこういう経験を持っておるものですから、その時代と比較いたしまして現在のむだの多い、それからばかばかしい騒ぎの多いことは改めなければならないと思っておりまするが、どうしたらいいかというと、まだ判断がつきません。
  162. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 いま申し上げた面は非常にむずかしい問題でありますので、一つのやはり私の意見として考えていただきたいと思うわけです。  それからもう一つは、審議会の整理の問題でありますが、これも二百六十幾つにのぼる審議会がありますが、これは特定官庁の隠れみののような存在になっているし、また事務処理の繁雑、行政運営の能率を妨げている点があるわけであります。その点について、その整理の経過並びに具体的な案というものはおありであるかどうか。また、そのこと自体は確かに財政硬直化の大きな一因をなしているのじゃないか。一省一局削減よりもむしろこういう問題、あるいは公社、公団の統廃合という問題も、もっともっと大きな効果をあらわすものではないか、私はこう思うわけでありますから、最後に審議会と公社、公団の統廃合の問題について、どのようにいままで経過が行なわれ、そして具体的な案を持っておられるかをお聞きしたいと思います。
  163. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 経過は局長から説明いたします。  それから、私の今後の考えなんでありまするが、あまりにも審議会が多過ぎる、それが行政の隠れみのになっている、それだけではなくて政治を非常に無責任にしてしまっていると考えまして、一つ一つの審議会をどうして整理することができるかというような取り上げ方を、在来のようなやり方をしておりますると、とても二百幾つなんかの審議会の整理はできないものですから、いま大体三つくらいの案にまとめてみたいと思って、この前も閣議で発言したのであります。それは、一つの案は一省庁一つの審議会にまとめてみるという案、それから海なら海の審議会、陸なら陸の審議会、空なら空の審議会、そういうようなものに全部統合するような案も考えてみるというような調子に、非常に大きく審議会を整理統合するにはどうしたらいいかと思いまして、いまそのことは鋭意取り上げて研究中なんでありまして、これは早急に解決してみたい、こういう考えでいま一生懸命努力中なんであります。
  164. 大国彰

    大国政府委員 審議会と公団の整理の経過について簡単に申し上げます。  一昨年三十四の審議会を整理いたしました。なお、本年ただいま御審議願っておりますこの法律案の中で六つの審議会の整理を提案しております。なお、残りにつきましては、いま長官からお話がありました線に従いまして私どものほうで検討いたしております。  公社、公団につきましては、昨年一年間行政管理庁の全力をあげまして対象全部の公団につきまして実態調査をいたしまして、その結果行政監理委員会意見といたしまして二十五の特殊法人につきまして統合、廃止その他の意見が出たわけでございまして、そのうち十月と十二月の二回の閣僚協議会におきまして九つを整理するということにいたしまして、そのうちの四つにつきまして今度の国会に廃止並びに統合の法律案提案してございます。
  165. 鈴切康雄

    ○鈴切委員 最後に、行政改革国民の大きな希望でもあり、またやっていかなければならない重要な問題であると思うわけです。そこで行政管理庁長官に対しては、この問題についてやはり真剣に具体的な案を持って臨まなければ、場当たり式であってはならぬということ、少なくとも相当の長期計画によってその行政改革というものを推進していかなければならないということと、やはり勇気を持ってそのことに当たられんことを切望して、私の質問を終わります。
  166. 三池信

    ○三池委員長 この際、暫時休憩いたします。    午後一時五十六分休憩      ————◇—————    午後三時五十二分開議
  167. 三池信

    ○三池委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  行政機構簡素化等のための総理府設置法等の一部を改正する法律案を議題とし、引き続き質疑を行ないます。松澤雄藏君。
  168. 松澤雄藏

    ○松澤委員 本法案に対しては同僚委員各位から、ときによっては事務当局すらも考え及んでないような最小限度といいますか、最大限度、微細にわたった御質問がございますから、私のほうはそういうふうな御質問ではなく、大臣の決意と今後のものの考え方について簡単な御質問と、ときによっては御確認をしていただきたいという点だけを申し上げたいと思います。  大臣は、率直に申し上げて私同様にそうこまかいことは御存じなかろうと思います。幾らあなたが御答弁なすっても、そんなこまかいことまで知っておられるというようなことは私はどうも考えられない。知らないのがあたりまえだと私も思うのです。その意味で、決してむずかしいことを御答弁を願うわけではございません。ただ政治家として大臣が今後十分に考えてやってもらいたいというふうな点を含めてお聞きいたします。  今回のこの法案は、一応いろんな部面からいわれまして必ずしもりっぱな法案だというふうなことはいわれないようであります。しかしものは考えようでございまして、さっきのお話のようにショック療法だの、あるいはまた登山口を一応見出してそして今後のやり方、方式によっては頂上まで達していけるのじゃないかという率直な大臣のさっきの御意見でございましたが、私もそのとおりだとかように思っています。そういう点から考えますと、ただ単に口だけで一局削減だといって何べんも何べんもお話がありました。単に局を部に格下げしたからとかあるいは局長をなくしたとか、その人数がさっぱり減りもしない、予算も何も関係ないのだというふうなことからあれすると、過般来からの質問に対する御答弁にも、これも大臣が率直に認めておるようですが、しかしいま申し上げたような形でございますから、われわれ与党の立場からは大いに推進をしてほしいという気持ちを持っております。  そこでこの法案それ自体に対して今後考えてもらわなければならぬのは、せっかく大臣お話のように登山口が見つかったという立場において、また総理みずからが登山口を見出した、これを実行するのが行政管理庁だ、また長官であろうか、かように考えます。  そこで、せっかくここまできたものをこのままの状態でおしまいにしてしまったのでは何にもならない結果になると思うのです。ですから一つの例を簡単に申し上げますと、現在建設省で預かっておる営繕局というのがあります。この営繕局それ自体はほとんど政府自体が取り扱うところの営繕関係全般にわたって、そして建築その他に対しても統制をとりながらやっていくというので今日までやってきております。ところが昨今における状態をずっと調べてみますると、お話にならないような方向に進んでおるようであります。これは御存じあるかどうかわかりませんけれども、建設省が現在各省からお預かりした形になっておる、これを金額的に見ますと約二百四十七億六千九百万円というものを昭和四十二年としてやっておりますが、しからばこれが最も大きいかと思って見ますと、なるほどある程度まで大きくは見られますが、特別会計なんかを含めていきますと、文部省方面では四百四十七億の仕事を別個にやっておる。郵政省においてもまた特別会計だけで見ましても百五十六億三千万というふうなものもやっておりますし、そのほかにも一般会計でもやっておる。今日こうやってずっと調べてみますと、一省残らず全部各省とも営繕関係をやっておる。ですから一局削減もけっこうでございますけれども、こういうふうなことになってしまうような形であらゆる行政が施行されたのでは、国民側に立って考えてみますと何が何だかちっともわからない。どこに行って話をすればいいか、これは営繕関係でございますから、あるいはそういうふうなきらいがあるかもしませんけれども、一般の仕事にいたしましても同様だと思うのであります。こういうふうなことのないように、ほんとう行政簡素化するとなれば国民側に立って、率直に申し上げて木村長官も一国民になりかわって、あなたがもしも必要があって、いまのようなことに対して、かりに建設省に営繕局というものがあるのだからそこに行けばすべてわかるだろうと思って行ってみたところがさっぱりわからなかった。それは郵政省であるというふうなことになってしまったのでは、国民側としてみればまことに複雑多岐であって何が何だかちっともわからないというふうなことになってしまうのではなかろうかと思います。  そこで確認ということばをさっき申し上げましたが、この営繕局関係なんかをこの機会にぜひ一本化するというふうな方式に持っていってもらわなければならぬのではなかろうか。決してこれだけではありません。いろいろと並べればたくさんあります。従来ともに御承知のように建設省それ自体というものを国土開発省にしたらどうか、たとえて申し上げるならば砂防関係において建設省でもやっておるが、山腹砂防といって農林省でもやっておる。ところがお役人各位からするとみんらそれぞれの理屈がついております。そこで、私も建設省で政務次官をやったことがありますが、ひとつうまい方法がなかろうかと思いまして、農林省におる治山課長を建設省に持ってきまして、建設省におったところの砂防課長を農林省に派遣した。そうしたところが、その来た課長も行った課長もそうですが、行った人のほうを、これは建設省から行ったのですから話をすればわかるだろうと思って本人を呼んで聞いたところが、これは完全無欠に農林省の立場に立ってしまって、いままで自分がやってきたところの話とまるきりあべこべの答弁をしたというふうな状態でございます。これがおそらく役人各位の今日におけるものの考え方といいますか、立場というものを擁護するといった意味から出てきたかどうかわかりませんけれども、これはすべてが代表した形にあらわれておるのだろうと思うのです。こういうふうなこともございますが、それは今回さておいて、一局削減という名において出てきております営繕局というものを、今度は小さくしてしまうというふうなことに対しては、これは非常に大きい問題が出てくるのではないか。合計しますと、そういうふうなものを全部含めて考えますと一年間に千三百八億からになってくる。こういうふうなものを一括して、これこそ何も直接に国民が云々といってどうこうするものじゃなくて政府自体が考えれば考えて、まとめればまとめていけるものです。特にこれは各省でやらなければ建物それ自体があらゆる面において不合理だ、あるいは技術的にやっていけないんだとかいうふうなものであればこれは格別ですが、そういうふうなことは一つも認められる何ものもない。ただ各省のセクショナリズム的な立場からかようなことになっておる。ですから局を小さくするとかなんとかというよりも、簡素化するなら簡素化するように一本化するんだ、こういうふうな方向に持っていかなくてはならぬものだろうと思うのですが、大臣にその決意があるのかどうか。率直に申し上げて、さっき私は総理にも会ってきました。総理にははっきり言った。盛んに定員法、定員法と言われるけれども、その程度のことだけですべてが終わってしまうような法案の出し方であるならば定員法もへったくれもないぞ。そこで木村行政管理長官は幸いにしてあまり事務的なことはわからぬからかえってけっこうだ。そういう人こそ行管に長くとめておいてもらいたい。すぐに首を切って一年交代みたいなことはやらないでほしいということを実はさっき申し上げてきたところですが、そこであなたがやる、やらないにかかわらない問題ですが、あなたのお気持ちをこの際はっきり聞かしておいてほしい。
  169. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 今度の行政改革のスタートは簡素化、能率化であります。簡素であって能率化しなければならぬ、こういう二つのねらいで、二つが二つとも行なわれなければならないようなねらいであります。そういう立場に立って営繕行政というものを、私も各省庁にわたってながめてみましたところが、営繕事業のようなものをやってないところはどこにもない。おのおのみなやっておる。そういう点で何でも一カ所にまとめれば能率も上がるだろうし、簡素化もできるだろうに、なぜこのように各省庁が各個ばらばらにやっていなければならないものだろうかと自分も最近考えたのであります。そうでありまするから、これはともあれ一つにまとめてみようか、こういう考えを起こしまして、そして事務的にもそういう問題をいまでも進めております。これが解決したならばさっそくこの問題と取り組みたい。そして営繕行政というものをとにかく一つにまとめてみよう、まとまるものはみなまとめてみよう——いま御質問の中にもありましたとおりまとまらないものがあります。それは技術的にまとまらないものがあるかもしれません。そういうものは別にいたしまして、ともかくまとめてみよう、こういう考えを持ってこの問題とこれから取り組んでいこう、こういう考えで調査は進めておる段階であります。
  170. 松澤雄藏

    ○松澤委員 確認を申し上げたいのですが、いまのお話、ともあれまとめてみたい、調査を進めていきたい、こういうふうな話ですが、いわば決意は、ものによってはまとまらないものもあるでしょうが、大方針としては一本化の立場に持っていこうという基本方針としては間違いない、こういう意味ですね。そういうふうに了解してよろしゅうございますか。
  171. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 そのように御理解いただいてけっこうであります。
  172. 松澤雄藏

    ○松澤委員 大臣がそういうふうな気持ちになっておるのだが、よく各省事務当局を見ると、いろいろなことをやるにしても、昨今はどうも大臣の質が落ちたのかどうか知らないけれども、必ずしもそのとおりにばかりいかないようで、よく批判をこうむるので、この際その担当しておる大國局長から、命令に従ってどの程度にやろうとしておるのか、それをひとつはっきり答弁しておいてほしい。
  173. 大国彰

    大国政府委員 ただいまの営繕関係行政につきましては、長官からかねてより命を受けまして、私どものほうで調査を進めておるわけであります。  なお、行政改革三年計画の中におきましていわゆる共管競合行政、これもいろいろとたくさんございますが、こういったものにつきましてもできる限りの改革をはかるという意味でそれとあわせまして検討をいたしております。
  174. 松澤雄藏

    ○松澤委員 これと似たようなものがたくさんあるようですけれども、青少年関係における対策、これらも局がなくなってしまう。これに対しても同僚の各委員から非常に詳しく御質問がありましたから、あえて私はそれ以上のものは申し上げる必要がないし、かえって専門に調査をしておる方々のほうが詳しいようですから申し上げませんけれども、これも同様なものの考え方に立ってやっていこうというお気持ちでございますか。ただ単に対策本部をきめて、総理大臣という名前をくっつけて、そうしてこれから次代をになっていくところの青少年というものを単に名称だけでごまかしていくといわれないようにしてほしいと思うのです。大臣も特に考えてほしいといった気持ちのようですけれども、これまた念を押しておきたいと思います。
  175. 木村武雄

    木村(武)国務大臣 総理府で青少年局をやめて、そうして対策本部に移すというこの問題を非常に検討した。現実に局がどういう活動をしておるだろうかということも調べてみたのですけれども、なるほど局はできましたけれども、実態としてはあまりまとまって活動もしていなかったようであります。それは各省庁にまたがっておるものですから、なかなかいまの局長では各省庁の青少年関係のいろいろな行政をまとめて運営していく、指令をしていくということは非常にむずかしくなってきておる。それやこれやを考えまして、そういうものを担当しておりまする各省庁に対していろいろの指令を出すに都合のいいようにするにはどうしたらいいか、こういうことで本部をつくって総理を総裁にしてみたのであります。そうした関係上、この問題もほんとう青少年対策行政というものをまとめて名のあるものにしてみたい、実のあがるものにしてみたい、こういう考えで取り組むべく準備を進めております。
  176. 松澤雄藏

    ○松澤委員 実はけさほどの理事会で、いま一つ二つだけを端的に拾って、結論的な面だけで確認するような形に立って御質問申し上げたものの、できれば附帯決議的な立場というふうなことまで申し上げたのでございましたが、各党の代表の方々から言われてみればそのとおりでございまして、つければみなつけなければならぬ。各省のものは全部つけなければならぬというふうなことになって、言われてみるとそんな気もしないわけでもない。それでは何のために一体法案を出したかといわれると、政府を預かっておる与党の立場としての形もまたおかしくなる。そういうふうなことも含めて、実は本会議中なりあるいは委員会で審議の途中なりで附帯決議の件についてもお話し合いをしてみようということの申し合わせ的な話をしてきましたが、あえてこの際私たちの提案といたしましては取りやめさせてもらって、ただここで御質問した形で確認だけしておきたいということで申し上げたのですから、附帯決議と同じような気持ちに立って、今後——いま申し上げたのは一、二の例にすぎませんけれどもほんとう国民側に立って考えていくならば、言われたように、上り口が見つかっただの、登山口が見つかっただのというだけであっては、これは話にならぬと思うのです。一日も早く頂上に達するような形に立ってあらゆる面から検討してほしい。特に事務当局に申し上げておきたいのですが、要望というよりも要請をしておきたいと思いますが、とにかく皆さん方が各省ほんとうによく見て自分のものにするような気持ちに立ってやらなければ、その外観だけでは私はうまい行政改革なんというものは生まれてこないと思うのです。この点は、もう何べんとなく言われておったわけですから、あえて詳しく申し上げなくても、議事録等をよく見ていただいて、そしてこれからあとのこれに続く第二段、第三段に及ぶところの行政簡素化というものを国民がなるほどと喜んで納得するようなものにしてほしい。  ここで特に大臣に申し上げておきたいのは、こういうような程度のものであったにしても、非常に抵抗が多かった。今日までこの法案が延び延びになってきたのは、野党諸君が引き延ばしとかなんとかいった普通の方法手段でやってきたというふうに見たら、これはとんでもない間違いなんです。それは各省大臣の諸君にぜひ出席してくれと言うても快く出席したところはほとんどない。質問しようとしても質問のしようがない。それほどこの法案に対して各省の諸君はあまり気持ちよお思っていないわけです。ただ、しかしながら総理大臣が一言こういうふうに言うとこういうふうになるのだという総理というものの力、そういうふうなものがここにあらわれてきたというふうにも見るべきだと思うのですが、それほど総理大臣が力があるならば、もっと別のことでもってこれに第二段、第三段がプラスできるようなこういうようなことを大臣から言わせるように、特に木村大臣佐藤榮作君に長年そばについておった、そして今日なお影に回った大参謀とも言われているのですから、ただ一局削減というだけで事足れりといって総理がふんぞり返っておるような形にならないで、もっといいことを総理からばあっと言わして、それをいやおうなしに各大臣がははっとなるようなことをやらせるようにあなたから総理大臣に要請していただきたいという希望を申し上げて、私の確認的な立場における質問を終わりたい、かように思います。
  177. 三池信

    ○三池委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
  178. 三池信

    ○三池委員長 これより討論に入ります。  討論の通告がありますので、これを許します。大出俊君。
  179. 大出俊

    大出委員 この問題は、まず第一に行政機構の簡単化に関する総理府設置法等の一部改正に関する法律案、こういう名がついておるのでありますが、人は一人も減らない、予算は一銭も減らない、つまり似て非なる行政機構簡素化に関する法案、にせ簡素化法案だと言わざるを得ないわけでありまして、それをこともあろうに簡素化法案だとあえて強弁されるところに一番大きな私は間違いがあると考えているわけであります。  世の中に、佐藤さんが総理になられてから、しきりに勇断ということばがはやってまいりました。しかし、この勇断ということばも知性なき勇断ほど国民にとって迷惑千万な、かつ百害あって一利なき勇断ということばは存在をしない、こう考えているわけでありまして、今回の提案中身はいずれも理由がない。でありますから、まさにその上に勇断とついておるわけでありますから、知性なき勇断だということになるわけであります。それを言論の府に提出して論議しようということ自体に第二の間違いがある。  第三番目に、いま最後の確認の質問がありましたけれども、これも行政機構が理論的に日本の場合は、機能主義という形の縦割りを中心に考えられている各省庁分野であります。したがって、機能主義というたてまえに立つ限りは、当然その機能に基づく権限というものが多岐にわたります。したがって、それに基づいて営繕業務というものがついてくるのはあたりまえであります。この機能主義という縦の関係と、あるいは階層別、地域別という横の関係、二つのこれは行政学上の議論があるわけでありますが、これをどういうふうに総合調整するかというところに、私が口ぐせのように申し上げている民主的な行政というものを専門化していく、分業的な分野で深くなっていく部面との総合調整がはかれるかということになるわけでありまして、そこまでの具体的な事実に対する理論づけがなくて、行政機構簡素化をしようなどと考えても、今日かくのごとく歴史的にでき上がっている官僚機構というものを目の前に置いて、簡素化ができるはずはないのであります。それが過去十四回にわたる行政機構簡素化失敗の歴史でありますから、そのことすら御存じないという形で行政機構簡素化をおやりになろうとするところに、さらに大きな誤りがある。おそらくもののわかった官僚の皆さんは、ずいぶんばかなことを総理は言い、行政管理庁長官はお考えなんだと笑っているんだろうと実は思っているわけでありまして、そういうことではいかに蛮勇をふるおうとされても、知性なき勇断をふるおうとされても少しも前向きに前進をしない、こう実は考えているわけであります。  したがって、行政機構簡素化、能率化、それが国民にとってプラスであるという方向に立つ限り大賛成であります。しかし、いま出されておる法案は、その基本的な立場とは縁もゆかりもないものだというふうに考えますので、そういう意味で私どもとしては賛成いたしかねます。反対であります。  以上で終わります。(拍手)
  180. 三池信

  181. 玉置一徳

    玉置委員 私は、民社党を代表いたしまして、行政機構簡素化総理府設置法等の一部を改正する法律案につきまして、反対の討論を行なうものであります。  御承知のとおり、臨時行政調査会は三十六年十一月九日から法律の設置を見まして、三十七年の二月十五日に発足をしたのでありますが、それから実に二年七カ月、百四十四回という委員会の回数を重ねまして、三十九年の九月二十九日にこの答申を見たのであります。俗に佐藤委員会長をはじめ七人委員会というもので、これほどまじめにやられた委員会というものは、いまだ日本に例を見ないわけでありまして、国民はこれに非常な期待を持っておったのであります。  佐藤総理はしばしば閣議におきましても、あるいは本会議の施政方針演説におきましても、この行政調査会の答申を受けましたものを必ず実行するということを強く言明されておったのでありますが、十六項目にわたりました数々のうち、実に三年半もたちまして、ようやくこの法案提案されたわけでありますが、内容は今日まで委員諸君の審議によりまして十分に明確になりましたとおり、ほんとうに一省一局の削減は名前を変えたにすぎない。そうして人員も予算も大きく削減されているようなあとを見受けないわけであります。公団、公社にいたしましても、百八つありましたうち、廃止が今日まで十八、今度はわずかに四つであります。審議会にいたしましても、二百六十二のうち、前回に三十四、今回はわずかに六、公益法人のいわゆる睡眠法人の整理というものも、ほとんど見るべきものがございません。  先ほど大出委員からもお話がございましたとおり、行政機構簡素化が保守政党の内閣にとりましては一番重要な柱であるということは、古今東西を問わず、これは定説であります。こういう意味におきましても、佐藤総理国民に公約し、議会に公約されました問題をこのような形で糊塗されるようなことではあたかも政治資金規正法の問題と同じでありまして、国民から政治というものに対する非常な不信を買うことになるのじゃないかということを非常におそれております。こういうような意味におきましては、ひとつ思い切って抜本的な削減をすると同時に、長年の年月を経ましてそのものが重要ではなくなって、より重要な行政的な部門というものが、十年もすれば移り変わってきて当然だと思います。財政の硬直化だけでなしに、こういうところに行政の硬直化があるということも私は言い得るのではないだろうかと思います。  こういう意味におきましては、先般予算の査定におきましてとられましたような、ある大臣一つのワクを渡されまして、ことしならことし一番必要と思われるところに、そのワクの中で自分で配分を考えてごらんなさいというようなやり方も、今後は一つの参考になるのではないだろうか、こういうように考えます。  もう一つは、権限の地方委譲であろうと思います。大幅な権限の地方委譲。その次は許認可事項というようなものを簡素化いたしまして、真に国民のための行政機構になるような問題を拾い上げなければ、いたずらに一夜づくりで一省一局削限というて実際は室もしくは審議会、審議委員というような形で糊塗されたのでは、せっかくの国民待望の七人委員会の答申、三年半かかりましての政府の答案としては、ほんとうに貧困にすぎるのではないか。私は政府のこれでも精一ぱいだというようないまの御答弁もございましたが、その善意を信じて、附帯決議でも重大に付しましておしりをたたいて賛成したいと思っておったのでありますが、附帯決議もないというふうなことでは、意思の反映が十分にでき得ませんので、ひとつ今後思い切って断行されることを期待しながら反対の意思を表明いたしまして、皆さんの今後の御健闘を期待して討論を終わりたいと思います。(拍手)
  182. 三池信

    ○三池委員長 伊藤惣助丸君。
  183. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)委員 私は公明党を代表して行政機構簡素化等のための総理府設置法等の一部を改正する法律案に対し、反対意見を申し述べます。  昭和三十九年九月に行なわれました臨時行政調査会の答申以来、すでに三カ年以上を経過した今日、行政機構改革につきましてはほとんど見るべきものがないことはまことに遺憾であります。  佐藤総理は、政権担当以来、行政改革を重要施策の一つとして、これを強力に促進すると再三にわたって述べておりますが、遅々として進まず、総理のリーダーシップの欠除を国民の前に如実に示したものであります。  本法案、いわゆる一省一局削減法案といわれるもので、厚い官僚組織の壁に対する精神的ショック療法であると政府は述べておりますが、いままでの審議によって、その効果すら期待することはできないことが明らかになったのであります。  まず、本法案は、単に局を部に格下げする程度であって、機構の簡素、合理化も何ら行なわれず、臨調答申とはほど遠いことであります。さらに行政改革実現のため、この一局削減によって今後どのように具体的に推し進めるかも明らかになっていないのであります。  次に、このたびの一局削減の措置は、合理的な根拠は全くなく、実情にそぐわない点が多々見受けられるのであります。むしろ各省庁にまたがって、部局等の統廃合を検討すべきであって、単に機械的に一省一局削減を断行しようとするだけでは、行政機構の無用な膨張を押えながら機構行政需要の伸縮にマッチしたものにするという行政改革本来の目的を忘れた措置であるといわざるを得ません。  本法案の内容を見ますと、二、三年前の行政需要に対応して設置または昇格したものの中で、たとえば、昭和四十一年三月に設置された総理府青少年局、昭和三十九年に昇格した厚生省の国立公園局、さらには、昨年昇格した労働省安全衛生局等の格下げは、朝令暮改のそしりを免れないのであります。また、自治省選挙局格下げに至っては、全く民主化の逆行であり、将来の需要に対する効率化、責任体制の弱体化等は、全くその姿勢に大きな問題があるのであります。  さらに、今回の一局削減は、実質的には何ら経費の節減を伴わないものであることは明らかであります。  以上が、私ども行政機構簡素化等のための総理府設置法等の一部を改正する法律案に対する反対の理由であります。  わが党は、政府に対し、従来の行政改革に対する弱腰の姿勢を改め、行政機構の簡素、能率化を望む国民の要請にこたえるよう抜本的な施策を講ずべきであることを表明いたしまして、私の討論を終わります。(拍手)
  184. 三池信

    ○三池委員長 これにて討論は終局いたしました。  行政機構簡素化等のための総理府設置法等の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  185. 三池信

    ○三池委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。  なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  186. 三池信

    ○三池委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  187. 三池信

    ○三池委員長 次回は、来たる九日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時二十七分散会