○米澤説明員 電信
電話関係の災害並びに復旧状況を御
報告申し上げます。
去る十六日午前九時四十九分の十勝沖地震により、青森県を中心として電気通信施設に被害が発生しました。
このために、現場機関はもちろん、東北、北海道両通信局並びに本社に、直ちに非常災害対策本部を設置すると同時に、被害の実情
調査のため、直ちに本社の担当者を現地に派遣するとともに、復旧対策並びに今後の施策を立てるため、橋本総務
理事を現地に派遣いたしました。
今回の地震による北海道管内の被害は軽微でありましたが、東北管内は
相当の被害を受け、盛岡以遠の
電話並びにテレビ回線が不通となりました。これは本州と北海道を結ぶ唯一のマイクロルートにおける青森側の甲地無線中継所で停電及び電源障害を起こしたこと、また盛岡−青森間の同軸ケーブルが道路の決壊等により十カ所近く切断したことによるものであります。
このような非常災害時にこそ確保さるべき通信を約二時間にわたって途絶せしめたことはまことに遺憾に存じます。
また、津軽海峡には旧形式の海底ケーブルが二条あり、これにより音声回線八回線を使用しておりますが、この回線の一部は同軸ケーブルを通じて東京−札幌間等の打ち合わせ回線として使用し、また他の一部は函館−青森間ローカル回線として使用しておりますが、今回の地震によりローカル回線は被害を受けませんでした。
なお、甲地無線中継所には、電子管式のマイクロ方式に使用されるスリーエンジンが五台設置されておりますが、外部の停電事故が起こり、その上このエンジンが地震によりベットからずり落ちて傾斜したため、このような障害を発生したものであります。
次に復旧状況について申し上げます。
十六日午前十一時四十五分にテレビ映像四回線及び
電話三百回線を、同日午後四時三十分にはおよそ六割にあたる北海道方面の
電話回線及び青森方面のテレビ回線を、さらに十七日午前三時ごろにはほとんどの回線を復旧いたしました。青森、弘前方面の
電話回線につきましては、秋田経由の裏日本マイクロ回線に切りかえ、十六日午前十一時十分には約八十回線を復申し、同日深夜に至って全回線を復旧いたしました。
復旧作業につきましては、移動電源車、移動無線機並びにヘリコプターをも利用し、最大限の動員を行ない、全力をあげて早期復旧につとめました。
公社におきましては、従来から災害時における通信確保のため、全国にわたって主要区間の有無線による二ルート化、並びに市外局の分散設置を進めてまいりましたが、今回の経験にかんがみ、さらに積極的にこれら計画を再検討し、新たな計画を樹立し、これらの施策を推進する所存であります。
今回の災害地について申し上げますと、本州−北海道間に第二マイクロルートを今年十二月中旬完成の予定で建設中でありますが、その工期を約三カ月短縮いたしたいと思います。
また、既設海底ケースルを利用し、六月下旬までに二十四回線、七月下旬までにさらに二十四回線を作成し、台風シーズンに備えたいと思います。
さらに、札幌市外局につきましては、マイクロ端局装置、市外交換機の分散配置を年度内に完成いたします。
これらの対策の実施により東北、北海道方面の通信確保に万全を期する所存であります。
なお、被害の全体につきましては、お配りした資料のとおりでありまして、第一ページに東北管内、北海道管内両方が出ております。
そして、東北管内、北海道管内に分けてございますが、市外
電話回線につきましては、障害回線数が三千二百十回線、現在復旧率が九七%でございます。テレビ回線が五回線、これは完全復旧いたしました。電信回線が八百十七回線、これは完全復申しております。市内
電話回線は四千四百九十九回線でありますが、復旧率が九八%。途絶局が十一局であります。これは全部直っております。
なお、市外
電話回線は十九日午後九時、一〇〇%回復いたしました。途絶局は十八日午後三時三十分に完全に解消いたしました。なお、罹災地には特設の公衆
電話を設けまして、一般の方の利用に充てた次第でございます。
なお、二ページ、三ページにはその回復の時点がありますが、これは省略いたしたいと思います。
なお、職員の被害状況でございますが、人身
関係で山津波により死亡したもの一件、家屋
関係では三分の一程度損壊以上のもの二十九件であります。
以上、簡単でありますが、御
報告いたします。