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1968-04-05 第58回国会 衆議院 逓信委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年四月五日(金曜日)    午前十時十六分開議  出席委員    委員長 古川 丈吉君    理事 齋藤 憲三君 理事 志賀健次郎君    理事 田澤 吉郎君 理事 坪川 信三君    理事 金丸 徳重君 理事 山花 秀雄君       小渕 恵三君    加藤 六月君       金丸  信君    内藤  隆君       根本龍太郎君    羽田武嗣郎君       水野  清君    武部  文君       森本  靖君    米田 東吾君       河村  勝君    中野  明君       田代 文久君    古内 広雄君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 小林 武治君  出席政府委員         郵政政務次官  高橋清一郎君         郵政大臣官房長 溝呂木 繁君         郵政省監察局長 西原林之助君         郵政省郵務局長 曾山 克巳君         郵政省貯金局長 鶴岡  寛君         郵政省簡易保険         局長      竹下 一記君         郵政省人事局長 山本  博君         郵政省経理局長 上原 一郎君  委員外出席者         専  門  員 水田  誠君     ————————————— 四月五日  委員石橋政嗣君江田三郎君、栗林三郎君及び  小沢貞孝辞任につき、その補欠として森本靖  君、米田東吾君、武部文君及び河村勝君が議長  の指名委員に選任された。 同日  委員武部文君、森本靖君、米田東吾君及び河村  勝君辞任につき、その補欠として栗林三郎君、  石橋政嗣君江田三郎君及び小沢貞孝君が議長  の指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関  する法律の一部を改正する法律案内閣提出第  四一号)      ————◇—————
  2. 古川丈吉

    古川委員長 これより会議を開きます。  郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、その審査を行ないます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。山花秀雄君。
  3. 山花秀雄

    山花委員 大臣がお見えになって、十時半に参議院のほうに行くそうでありますから、きわめて時間が短いのでありますけれども、質問のできない点は、またあとで続けていきたいと思います。  きょうは政府委員、どなたがおいでになっておりますか。
  4. 古川丈吉

  5. 山花秀雄

    山花委員 大臣にひとつお尋ねしたいのですが、当委員会における最初の大臣所信表明で、ことしは、郵便行政について、特に懸念されていた年末あるいは年始にかけての年賀郵便に関しては、組合との話し合いも終わり、近来まれに見る好成績で年賀郵便が遅配なく期間内に配達された、こんなことは珍しい、こういう組合側を称賛するような所信を述べられておりましたが、それは単なるおせじでなく、本心からそういう所信をお述べになったのかどうかをお答えいただきたい。
  6. 小林武治

    小林国務大臣 本心からでございます。
  7. 山花秀雄

    山花委員 大臣芝居なんかよく見られますか。
  8. 小林武治

    小林国務大臣 見ないとは申しません。ときどき見ます。
  9. 山花秀雄

    山花委員 それだったら、たぶん芝居の舞台で私の言うような場面があると思うのですが、お家を横領するような悪いさむらい、家老とでも申しましょうか、あるいは上席の武士であろうと思いますが、下郎にさんざん悪いことをやらして、一々報告を受けて、御用が終わりますと、ばっさり打ち首にする、その文句は大体芝居を見られる方は御承知と思いますが、下郎は口さがないやつということで、ちょうど今度の一月十三日の大量処分はそういう形のように私には思われますが、大臣、いかがでしょうか。
  10. 小林武治

    小林国務大臣 私は、よく協力してくださったことについては、ほんとうにこれは高く評価しなければなりませんが、しかし、不当とかあるいは違法の行為のあった者は、やはりこれを処置しなければならぬ、こういうことを相殺などということはあまりすべきじゃない、かように考えております。
  11. 山花秀雄

    山花委員 そういう信念労働行政をやられるということは、一つのあり方だろうと思うのです。われわれが経験したおおむねの労使間の紛糾というものは、話がついて協力すれば、大体あとは円満に行なうというふうなのが一つ労働行政常識になっておりますが、その常識を踏み越えて、大臣は、確固たる信念で、悪いやつ、違法のやつは首を切る。その違法性についてもいろいろ私は論議があると思いますが、ここではそれを論及いたしませんが、せんだってわれわれは本省人事局長のところへ参りまして、これは特に東京関係でありますが、というのは、全国三千有余のうちで東京がうんと多い処罰を受けておるのであります。的確な数字人事局長がお持ちだろうと思いまするから、ちょっと数字だけを御発表願いたいと思います。
  12. 山本博

    山本(博)政府委員 全国で三千六十一名でございます。
  13. 山花秀雄

    山花委員 東京は。
  14. 山本博

    山本(博)政府委員 こまかい数字まで覚えませんが、約八割が東京でございます。
  15. 山花秀雄

    山花委員 東京にはふらちな従業員が多かったということでございますか。いなかのほうはわりにいい従業員ばかりで、東京だけが悪いやつがたくさんいた、処罰の数から見るとそういう案分が出てまいりますが、そうお考えですか。
  16. 山本博

    山本(博)政府委員 昨年の年末の全逓の闘争における違法行為に参画いたしました職員の数が、東京が中心であったということでございます。
  17. 山花秀雄

    山花委員 せんだって、われわれは東京同僚議員一緒人事局長のところへ参りましたときに、これは人事局長が一々目を光らして、作業ぶり、あるいはどういう行動を行なったということを見ていたわけじゃないと思うのですが、人事局長から見れば、下僚管理者からの上申に基づいて、ざっくばらんに言いますと、めくら判を押した、こういう形になっておりますが、間違っておるような——たとえば、これはよくあることですが、ずっと前に、安保の騒動のときに学生が写真に写っていた、それが似ていたといって引っぱられた。抗議したら、それが間違っていた。これは当時問題になりました。ついせんだって、東大の医学部ですか、あそこでごたごたしたとき、処分したら、その人間はくにに帰っていたということであの騒動が引き起こった、そういうふうに伝えられていますが、間違い絶無といえるかどうかという質問に対して、人事局長は、いや、そういうこともあり得る、だから、十分調査をして、そういう点があったら、組合側もひとつ上申をしてもらいたい、そうすれば、人事局長責任において十分調査をして、処分の取り消しはやぶさかではない、こういうふうに言われましたが、いま人事局長もおられますから、この間の話、私の言っておることが間違っておるかどうか。
  18. 山本博

    山本(博)政府委員 私がお答えをいたしましたのは、私は、各地方の懲戒の事務の責任者が信頼すべき内容上申をしたと信じております。しかし、今回の処分内容において、絶対に一つ瑕疵がないかというような問い詰め方をされましたら、それは絶対ないということは、これは神さまでないから言えませんけれども、そういう具体的な内容を、組合なら組合のほうから、実は、この人間はこのような状態であった、こういうアリバイがあったというようなことを申し出てくれれば、それに基づいて再調査をするということはやぶさかではないということを申し上げました。
  19. 山花秀雄

    山花委員 それは当然のことでありますが、そこで、郵便行政に関して、円滑に行政が進めば国民サービスを全うすることであるから、もしこれが一つ問題点になって、またごたごたが起きるということは、国民に相済まぬことであるから、国会議員のわれわれも、処罰の、特に東京では停職が相当出ておりますので、そういう停職者の出たところを調査をして、間違っておるかどうか、われわれはわれわれでひとつ調査をしてやる、こういうことなんです。  そのときに人事局長は、それはひとつ自由におやりくださいということで別れたのですけれども、これからが少しきょうの問題点になると思いますが、東京都下で、私の地域の関係もありまして、同僚長谷川正三君と調布郵便局へ参りましたが、前日からこういう問題で貴局をおたずねすると連絡をとって参りましたが、郵便局長は、用事があると言って出かけて、ていのいい体をかわした。その前にも一ぺんそういう事件がございました。やはり所用があると言って出かけた。そういう点で前もって申し込んでいたのに、たまたま前から計画の所用があったかどうかわかりませんが、そのときのいきさつについて、きょうはこの問題について質問をするから、人事局長調布郵便局長とよく連絡をとって、逐一実情を聞いて、きょうの委員会に臨んでくれ、こう言っておきましたが、どういう調査をなされて、どういうふうに調布郵便局から御報告があったか、ひとつ承りたい。
  20. 山本博

    山本(博)政府委員 その前に一言だけ釈明をさしていただきたいと思います。  ただいま御質疑の中に、私が調査を御自由にしていただきたいということを申し上げたというお話でございましたが、私、はっきり覚えておりますのは、お目にかかった際に私が申し上げましたのは、こういう問題はできるだけ労使間において片づけたいというふうに考えておりますので、処分内容について疑義があれば、組合を通じて現在私のほうにいろいろな事案というものを申し出るルールをつくっておりますので、もしそういう疑義のある内容がありましたら、組合を通じて出していただきたいということを申し上げました。その際に、いや、われわれが資料をつかんだ場合はどうだというお話がございましたから、それは伺うのにやぶさかではございませんということを申し上げましたので、実は、郵便局を御自由に御調査していただきたいということを申し上げたのではございませんので、その点、私の真意でございませんし、私もそのつもりで申し上げましたので、御了解をいただきたいと思います。  それから、調布郵便局につきまして、おっしゃったとおり私のほうで調査をいたしました。その結果を申し上げます。  三月十六日に国会議員山花先生長谷川先生のお二人が調布郵便局をおたずねになりました。その前日に、組合を通じまして、郵便局長のところにお二人があすはお見えになるということだけの連絡がございました。その際郵便局長は、あすは人事上の打ち合わせがあるので郵政局に出向かなければならないからということで、組合にはお断わりをしたという事実がございます。ところが、当日午前十時になりまして組合が参りまして、もうお二人が局へおいでになった一そういう通告があっておいでになったわけであります。  そのときは庶務会計課長がおりまして、庶務会計課長組合との間に、きのう断わったはずだ、きょうは局長がいないということの幾つかのおことばのやりとりがありまして、結局、組合支部長、それから青年部長執行委員、それから調布支部の役員、そのほかに地本の執行委員の四人と、それから国会議員のお二人が局長室にお入りになったということでございます。そこでいろいろ、局長不在の問題、それから処分内容の問題その他やりとりがございまして、結局、局長がお目にかかるというようなことにならないで、郵政局に出向いたままで、お出かけになったお二人にお目にかかることができなかったということで、これはいろいろな御不満がありました。会計課長のほうは、その問題にからめまして、郵政局のほうから、処分抗議についてはお目にかからないようにという指導があるということを申し上げた経緯がございます。それについて、郵政局のほうではほんとうにそういう指導をしたのかどうかという問いただしの御質問がありまして、それにつきまして、会計課長郵政局連絡をいたしまして、処分抗議ということだけならば、局長が特にお目にかからなくてもよろしいんではないかという連絡郵政局からいたしました。そういう事情を庶務会計課長から申し上げた、そういういきさつになりました。その指導は、一体文書であるのか口頭であるのかという問いただしの御質問があり、それについては、文書で受けておるというようなことを御返事をしたという経緯がございます。
  21. 山花秀雄

    山花委員 大臣にいてもらって、一応このいろいろないきさつを聞いていただきたいと思うのですが、参議院関係がありますので、それはまた後刻聞いていただくことにいたしたいと思います。  いま人事局長報告されました点と、私がこれから言おうという点と、ずいぶん大きな違いがあります。あんまり違うようだと、これは本委員会で違った問題を、かみ合わない問題を論議をしておるということになりますと、これは人事局長のほうが偽りを言ったのか、委員の私が偽りを言ったのかという、そういう問題点に発展すると思いますから、これは後ほど理事会当事者をひとつ喚問をしてもらって、あくまで真相を正しく委員会としては把握してまいりたいと思いますので、これは後ほど理事会でひとつ相談をしてみたいと思います。  ただ、いま人事の問題に関しては労使間でやる。これはけっこうです。われわれも、人事の問題に介入しようなんで、そんなけちな根性は一つも持っておりません。当事者がそういう組合との間でよくやっておるかどうかということは、これは問題点になると思います。われわれから見ますと、そういう問題は、これは労使の問題でありますから、当事者同士話し合いをいたします。ところが、当事者同士話をしておるかどうかという問題点でありますが、調布郵便局ではこの問題に関しては一切やられていないと承っておりますが、そこは一体どういうように御調査なさっておりますか。
  22. 山本博

    山本(博)政府委員 一般の労働条件の問題でございますと、これは労使間で話をいたしますのが当然のことでございます。ただ、処分が行なわれまして、その処分内容が正しいかどうかということについては、これは団体交渉の事項というふうに私のほうでは扱っておりませんし、現業の局でも処分内容そのものについて交渉をするということにはいたしておりません。
  23. 山花秀雄

    山花委員 そういうことはどこですることになっておりますか。
  24. 山本博

    山本(博)政府委員 これは処分権者郵政局長でございますので、個々郵便局郵便局長労働組合との間でいろいろ交渉しても、これは具体的な問題として何ら実益のないことになりますし、また、処分権者のところで、処分内容が正しかったか、瑕疵があったか、錯誤があったかというようなことになりますと、むしろ郵政局段階でそういう内容話し合いが行なわれるのが至当だと思っております。
  25. 山花秀雄

    山花委員 郵政局でそれがずっと行なわれておりますかどうですか。
  26. 山本博

    山本(博)政府委員 これは組合のほうが、現在のところは本省本部間においてそういう問題を取り扱うということにいたしておりますので、郵政局では具体的にやっていないんじゃないかと思います。
  27. 山花秀雄

    山花委員 本省でずっと続けて行なわれておりますかどうですか。
  28. 山本博

    山本(博)政府委員 これは全逓本部と私のほうで、処分内容疑義があれば申し出てほしいということを申しております。向こうからは幾つかの事案というものを出してきておると思います。
  29. 山花秀雄

    山花委員 一月十三日ですから、だいぶ日時もたっておりますが、組合側から数項目の内容郵政本省のほうに来ておるといういまの段階ですか。
  30. 山本博

    山本(博)政府委員 私が承知しておりますのは、たとえば、こういう人物はその当時いなかった、したがって、その処分瑕疵があるのではないか、あるいは事実の認識に間違いがあるのではないかという形で出てきておるものはございます。ただ、この人物とこの人物との間には公平ではないのではないかというような話は上がってきております。
  31. 山花秀雄

    山花委員 ただ話が上がってきておるというだけで、まだ交渉には入っていないのですか。
  32. 山本博

    山本(博)政府委員 いろいろ話し合いはいたしております。
  33. 山花秀雄

    山花委員 まだ解決案件はないのですか。
  34. 山本博

    山本(博)政府委員 両社の意見がまだ一致いたしておりません。
  35. 山花秀雄

    山花委員 もし誤った上申のもとに、解雇なりあるいは停職なり懲戒、訓告というような処分をいたした場合にはいさぎよく取り消す、こういうことですか。
  36. 山本博

    山本(博)政府委員 私どものほうの処分内容に事実の間違い、あるいは瑕疵があるということでしたらば、そのように取り計らう必要があると思います。
  37. 山花秀雄

    山花委員 首の切り捨てごめんという制度は、民主主義では許されないと思いますが、そういう間違った上申をした当事者に対しての処分という点はお考えですか、どうですか。
  38. 山本博

    山本(博)政府委員 間違いの中身にもよりますけれども、どういう形かで適切な処置をとるべきだと思っております。
  39. 山花秀雄

    山花委員 管理者のほうを重く、従業員のほうを軽くというのは一つ常識なんですが、そういう心がまえで処置をされますか。
  40. 山本博

    山本(博)政府委員 人事の問題につきましては、これは管理者であろうが当事者であろうが、これを扱います人間は、常にその人事の権威ということを守らなければならない責任がありますので、特に管理者につきましては、そういう面から一そう強くその責任を追及すべきだと思っております。
  41. 山花秀雄

    山花委員 そこで、郵政当局の今度の問題に関する一応の話はわかりました。  それで問題になりますのは、局長不在で、そのかわりに会いました庶務会計課長ですか、これはあなたのほうで調査して十分御承知と思いますが、国会議員先生方おいでになっても、実は、上から会うなと言われておるので絶対に会いませんということをしばしば言われたのですが、その指令か通達ですか、いつ出たかと言うと、言を濁して、とにかく、年末から年始にかけての問題は、あれは十二月の五日だったか、いまちょっと日にちは覚えておりませんが、解決をしておる、その解決前にそういう指示が出たのか、解決後に出たのか、大体十二月ごろ出た、こう言うものですから、問いただしますと、その件もぼやっとして、いや、もう間違いなしに来ておりますから、私は下僚でありますから、へたに会って話をいたしますと、上司に対して相すみませぬから、上司命令は、国会議員の皆さんがいかに言われても私は守る立場にありますから、まことにすげないように思われますが、お会いできません、お会わせすることもできませんと、再三再四それを繰り返して、局長さんは一体どこに行っておるのだと言うと、それも明快にしない。いま人事局長は、人事問題について出かけておるというふうにはっきり御答弁なすったが、その行く先も絶対に知らせない。行く先を知らせないのはおかしいじゃないか、責任者が出ていくのに、責任の全体の所在を後者に託さずしていくのはおかしいじゃないか。そうしたら、電話で聞いてきますと言って、二回ほど何か電話で聞いておりましたが、やっぱり通牒を守らなくちゃなりません——二回電話をして、二回とも、通牒を守らなくちゃなりません、こういう答弁をしておられるのですが、そういう点は、あなたの調査ではどういうふうになっておりますか。
  42. 山本博

    山本(博)政府委員 従来、一般的な指導といたしましては、国会議員先生方郵政局あるいは郵便局、こういうところを正式に御調査なさる場合には、本省関係の向きにあらかじめ御連絡をいただくというルールがございます。それで、その際は、郵便局では来られた方にどういうふうな応対をするかということについても一応のルールをつくってございまして、それを各現業に流しております。ただ、そういう正式のルールでなくてお出かけになられた場合には、これは本来、それが組合のほうの紹介という形になりますと、いわば組合のほうの関係といいますか、組合の側に立っていろいろなお話をされるというような形になりますと、文書でございますと、たとえば秘文書の扱いをしておるようなものにつきましてはお見せをするわけにはいかないということ、これは東京郵政でも各郵便局連絡をいたしてございます。そういう文書が十一月に出ておることは確かでございます。現業の各局では、それを、正式のルールお出かけになった方には御説明をするということがあると思いますけれども、そうでない場合にはそういう文書はお見せしないようにという連絡、あるいは、今回の処分の場合に、抗議活動という形でお出かけになったときには、そういう文書というものをお見せしない、あるいは、業務上の必要というものを犠牲にしてもお目にかかるということはお断わりしてもやむを得ないという指導はいたしております。
  43. 山花秀雄

    山花委員 他の局では全部会っておるのですが、調布だけがこういうことになっておる。これはどういうことですか。他の局では全部会っているのですよ。そして、和気あいあいで話は進んでおるのですよ。その報告は受けておると思いますが、なぜ調布だけがそうなんですか。
  44. 山本博

    山本(博)政府委員 私は、他の局を全部調べたわけではございませんので、調布の場合と比較をしてお答えすることはできませんけれども、調布の場合は、あらかじめ前日に組合が、組合の資格で会見ということを申し入れてきた。また、当日も組合関係者が四人一緒に入ってきて、発言も、本来ですと、先生方おいでになったときは組合のほうは発言をしないというルールになっておりますけれども、調布の場合は、組合側が非常にたくさんの発言をしておるということで、管理者側のほうでも、郵政局から出しておる指導というものに非常に忠実といいますと、あるいは少しかたくななとおっしゃるかもしれませんが、そういう受け取り方をして応対をしたのです。他の郵便局の場合は、おそらく、組合のほうの会見申し込みということではなくて、先生方からの会見申し込み、あるいはその席において組合発言をしないというルールを守ったというようなことではないかと想像いたします。これは、ほかの局と比較いたしませんので、正確なお答えとはなりません。
  45. 山花秀雄

    山花委員 黙りなさい。他の郵便局は、代議士が直接行って話をしたから会ったのだろう。そういう詭弁はやめなさい。全部組合紹介で、あす行くからということで、停職者の出たところは全部行っておるのです。全部組合員同道で話をしておるのです。よそではそういうふうに話をしておる。調布だけがどうして話ができないのですか。もし調布上司命令を守ったとするならば、よその郵便局は守らないということになるじゃありませんか。だから、私はあなたに、この質問をするから、調布の局を調べると同時に、よく関連を調べてからこの委員会に出なさいと、一言前もって言っておいたじゃないですか。  では、よその郵便局局長連中上司命令を聞かなかった、こう判断していいのですか。
  46. 山本博

    山本(博)政府委員 そういう個々の状況については、各郵便局長判断ということにまかせておりますので、各郵便局長並びに庶務会計課長、そういう人たち判断の違いではないかと思います。
  47. 山花秀雄

    山花委員 判断の違いといったって、片っ方は、調布郵便局はおれたちの言うことをよく守った忠実な局長だとあなたはおっしゃる。そうすると、他の郵便局局長は、同じようなケースで会っておるのに、上司命令を守らなかったということになるのですか。  その出した通牒は、本委員会へ提示できるようなものですか、できないようなものですか。
  48. 山本博

    山本(博)政府委員 委員会として正式に御要望がございましたならば、これは秘文書でございますけれども、提出いたすことができると思います。
  49. 山花秀雄

    山花委員 これはあと理事会でいろいろ相談をしてみますが、その文書は、日にちはいつの文書ですか。
  50. 山本博

    山本(博)政府委員 四十二年の十一月二十五日であります。
  51. 山花秀雄

    山花委員 向こうでは、十二月に出た、こう言うのです。きわめてあいまいだ。十二月の労働組合との団体交渉の和解といいましょうか、これが成立した以前か以後かと聞きますと、その点は全然回答しない。それから、上司は一体どこへ何の用件で行かれたのか、きのう面会申し込み組合を通してやっておるのに、どこへ何しに行かれたかと聞いても、それも明示をしない。そうして二回ほど、会うか会わないかということで連絡をしたということになっておりますが、そこまで秘密主義をやらなければならないのですか、局長さんがよそへ出かけるときに。
  52. 山本博

    山本(博)政府委員 ただいまのお話のうち、この文書が十二月ではないかと局が申した点は、二十五日が、郵政局で発送といいますか、決裁をした日付でございますので、現業に届くのは十二月になっていたのではないかということで、これは現業に届いた日にちのほうを申し上げたのではないかと思います。  それから、郵政局に出かけること、あるいは、どういう内容で出かけるか、これは、人事のことになりますと、局長郵政局と直に電話で話をいたしまして出かけるものですから、庶務会計課長に一々、きょうは人事のことでどうこうというようなことは、むしろ話さないで出かけるということだと思います。
  53. 山花秀雄

    山花委員 そうしたら、どうして連絡をとれるのですか。二回も電話をかけたというのは、架空の電話で、われわれの目をごまかすためにちょろっと電話をかけたような動作をしたのですか。
  54. 山本博

    山本(博)政府委員 そこまで、電話の中身でどういう応答があったかまでは調べておりません。
  55. 山花秀雄

    山花委員 人事の問題では、そういう行き先もきちんとせずに出かけるというのが通例だ、それは私はそのまま承りましょう。  そうすると、その当該者が、局長連絡しますといって、二回にわたって電話をかけられた、その電話は、われわれ会っておるところからだいぶ離れたところでありますから、いや、どうしてもお会いすることはできません、命令が来ておりますので、そういう御返事であります、こういうことなんですが、そういう態度は、一体人事局長としては、是認さるべき態度ですかどうですか。ちゃんと行き先を知っていて行き先を言わなかったのか、それとも、われわれをごまかすために、ゼスチュアとして二回ほど電話をかけに行ったのかどうかという点になるのであります。これはもっと調査しないとわかりませんけれども、そういう態度はどうお考えになりますか。
  56. 山本博

    山本(博)政府委員 電話をかけた先、あるいは、どういう電話内容であったかということは、調査をそこまで行き届かせておりませんので内容ははっきりいたしませんけれども、おそらく内容については庶務会計課長も知らなかったのだろうと思いますが、行き先については知っておったのではないかと私は想像いたします。したがって、その場合に、郵政局に出向いておるということについてお話しをするということは、むしろ適当であったのではないかと思います。
  57. 山花秀雄

    山花委員 われわれは、不当に国会議員という権威をかさに着て労使間の紛争に入ろうというふうなそんなけちな根性は持っておりません。あなたのところへも大体六、七人の国会議員で行っていろいろ話をして、そういう気配があった。どうも先生方が来て威圧を感じたとお思いになるならば、ここで率直に言ってもらえばいい。また、東京郵政局長にも私ども二、三回参りましたが、いずれも和気あいあいとして話をした。ただ一回、行ったときに、例の飛行機のただ乗りをやった前の次官ですか、あれの額を掲げていたから、これはけしからぬじゃないかと言ってわれわれは抗議をした。それからその額をはずしたらしいですよ。あれは選挙の事前運動として各郵便局に額を掲げていたようです。あれは、前の局長とかいろいろな人の額を掲げるということは、従業員に対して精神的な影響を与えたり、教訓的なところがあると思うのです。しかし、この人の額を掲げるのはおかしいという、少し抗議をしたことがございますけれども、それ以外は全部知気あいあいとして話をしたつもりでおるのですが、あなたのところへ行って私ども話をしたときに、どういう感じがされたですか。
  58. 山本博

    山本(博)政府委員 私は威圧を感じませんでした。しかし、現業郵便局長になりますと、ちょっと趣きが違いまして、組合のほうも、あした先生が来るぞということを先に話せば、精神的には相当な威圧を加える形で通告するという例はままございます。また、現業局長は、率直に申し上げますと、国会議員先生方が来られることについては、相当大きな精神的な重荷を感ずるということは、偽りない事実でございます。
  59. 山花秀雄

    山花委員 こういう話があるのです。この赤じゅんたんを先生方が通っておりますと、衛視さんが極度の最敬礼をなすっているのです。それで、すれ違って、ひょっとうしろに回ったときに、その衛視さんがぺろっと舌を出して一度問題が起きたことがある。だから私は、国会議員が全部心底から尊敬されておるとは考えておりません。また、そんなうぬぼれも持ちません。だから、局長たるべき人物が、国会議員が来るからといっておののくというような局長だったらやめさせたらいい、そんなばかな局長は。われわれどこにも行けないじゃありませんか。落選してから行くよりしかたがない。そういうことは言わないようにしてもらいたい。最も民主的に、最も公平的に問題の処理を——われわれは、国民サービス機関としてあまり紛争が起きておる、だから、その紛争が一日も早く円満裏に解決してもらいたい。いま聞きますと、組合本部本省のほうで一月十三日問題では折衝をしておる、こう言われておりますが、これは、もし間違いがあれば、一日も早く正していただくということでやっていただきたい。  それから、大臣がおれば、これに関連していろいろお尋ねしたいと思いますが、大臣おりません。ただ、この委員会で問題になりました私の話と、あなたが調査した点はずいぶん違う。これはやはり明らかにしておかないと、委員会の権威にも関しますから、これは後ほど理事会その他で相談したいと思います。当該文書が、見せられるような文書が極秘文書で見せられないとか、これは委員会の決定でもあればお見せいたします、そんな何か極秘の大本営発表のような文書ですか、どうなんですか。
  60. 山本博

    山本(博)政府委員 これは郵政局から各現業文書を回しますときはマル秘の判がついてございます。したがいまして、各郵便局のほうではこれを外へ出すべきものでないという判断をしたのは正しいのではないか。ただ、内容につきまして、これが秘であるべきかどうかという判断郵政局がしたわけでございます。したがいまして、現業でお見せできなかったというのはやむを得なかったのじゃないかと思います。
  61. 山花秀雄

    山花委員 こういうことですよ。調布郵便局だけががんばって、いま言ったような態度で話が進まない。他の郵便局では、全部組合同道で行って、和気あいあいとして——東京都で十ヵ所ほどでしょう。  そうすると、あなたのいまの言をかりると、調布郵便局上司命令をよく守った、そうすると、他の郵便局局長連中上司の命をかたく守らなかったということになるのでありますが、その間は人事局長は一体どうお考えになりますか。
  62. 山本博

    山本(博)政府委員 これは正式の業務上の命令という性質のものと内容が違いまして、それぞれの状況に応じて各郵便局の長が判明すべき内容、裁量すべき内容というものを相当含んだ指導でございます。したがいまして、そのときの状況に応じて各郵便局長がそれぞれ適切な判断をしたということで、相当な幅が現実にはあるのではないか、こういうふうに考えております。
  63. 山花秀雄

    山花委員 まことに便法な幅だと思うのです。  そこで、ここから私の想像になりますが、あそこは停職六カ月で一番重い停職者ただ一人出ておるわけです。そういう点で少し気おくれしたのではないかという気がするのです。よその郵便局と比べて、おれのところの局は相当がめつくやったからということで、それで国会議員の連中が抗議にでも来たのではないかというようなことで、みずからやった行為に気おくれしたような懸念がある。確信持ってやっておれば、国会議員が来ようが郵政大臣が来ようが、堂々と胸を張って応待をすべきだと思うのでありますが、私は、この問題の点はここで打ち切るわけにはまいりませんので、あなたのほうも、もっと的確な、もっと確信のある調査をなさって、私のほうもゆるぎない、きちっとした調査を行ないまして、もう一回この問題は質問したいと思います。いま懸案になりました問題は、理事会等で検討を他の理事諸君にもしていただきたいと思います。  なお、切手の問題について若干質疑がございますが、これは大臣が来てから質疑をしたいと思います。  以上、私の質疑は中途でありますが、あとに残して、一応終わります。
  64. 古川丈吉

    古川委員長 中野明君。
  65. 中野明

    ○中野(明)委員 大臣に関することは後ほどにしまして、事務的なことを当局にお尋ねしたいと思います。  切手類の売りさばき人の使命というのですか、原則を、法では「売さばき所における一般の需要をみたすに足る数量の郵便切手類及び印紙を常備して、」云々と、このように規定されておるわけですが、郵政省としてはこの基準を具体的にどのように実施にあたってなさっているか。
  66. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 御指摘のように、法第五条の三によりまして郵政大臣は郵便切手類の常備定額を指示することになっております。その指示は、具体的には売りさばき所を受け持っております集配局長がいたします。その準拠といたしまして郵便規則がございます。  しからば、内容としてどういうことを勘案してきめるかと申しますと、抽象的には、実情をよく見てきめる。この実情と申しますのは、その地方におきまして、地域住民がどの程度の切手、印紙類を通常買いに来るかということでございます。ただ、通常の例を申し上げますと、大体一カ月分くらいを定額として定めるというぐあいになっております。
  67. 中野明

    ○中野(明)委員 これは、われわれが切手を買いに行ったときに、ときどき品切れに出くわしたり、いろいろのことがあるので尋ねておるわけですが、最初に設置するときの基準というのはなかなか見当がつきにくいと思うのですが、いままで何回かずっと繰り返されてきての基準ならばいいのですが、最初にきめた基準を途中で変える、そういうようなことはなさっているのですか。
  68. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 当然いたしております。改定を集配局長が命じます。
  69. 中野明

    ○中野(明)委員 では、次にお尋ねいたしますが、売りさばき人の資格の問題でございます。あるいは、別のことばでは地位と言いましょうか、郵政業務に対してどのような考え方で当たっておられますか。
  70. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 法律第二条によりまして、売りさばきのために必要な資力及び信用を有する者の中から選定するということになっております。したがって、先ほど御質疑のございました売りさばき定額、およその常備切手定額の範囲内の資金を準備できる者であり、同時に、地域社会におきまして、自然犯等の、つまり刑事罰の適用を受けたことのないような人格の高潔であり、また、地域住民から尊敬を受けておる方々から選ばれておるのが実情であります。
  71. 中野明

    ○中野(明)委員 ちょっと私の質問を勘違いなさっておるのではないかと思うのですが、売りさばき人に対して、郵政省では身分の問題についてどうお考えになっておるか。郵政業務の一端を確かに担当しておるわけですから、これについて、郵政業務の従事者と、このように基本的に考えておるかどうか、そういうことなんです。
  72. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 確かに、法四条によりますと、「売さばき人は、国の行う郵便に関する業務の一部を行う者」としまして、公共の利益のために、誠実にその業務を行なうということになっておりますので、私どもといたしましては、精神的には、当然国の業務をになう一翼者として扱っております。ただ、具体的には国家公務員でございませんものですから、身分的な保障はないということになっております。
  73. 中野明

    ○中野(明)委員 そこで、売りさばき所のことについてお尋ねするのですが、過去に、売りさばき所において——過日、森本委員質問にもありましたが、そこからもう一歩進んで、過去において、売りさばき所に切手が買い取られた、それから後において種々事故があるんじゃないかと一応想像するわけです。そういうことについて、どの程度まで郵政省のほうで掌握なさっているか、これをお尋ねいたします。
  74. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 買い受けをいたしましたあとの切手の所有権は売りさばき人に帰しますので、その後におきましては、実は、郵政省としましては、棄損あるいは汚染等によりまして、故意または過失がなくて交換を求めるという場合は把握いたしますが、たとえば、盗難にあったとかあるいは火災で焼けたというようなものにつきましては、率直に申しまして、掌握しておりません。ただ、最近私ども承知した例でございますけれども、買い受けの途中におきまして、たまたま泥濘の中に切手類を落としたという事故がございました。そういう事故はときどき耳にいたしております。
  75. 中野明

    ○中野(明)委員 先ほど、精神的には郵政業務の従事者と、こういうふうにお考えになっているようですから、そういうことについて当然起こり得る可能性はあるわけです。これは、いまお話が出ましたように、火災とかそれから不慮の天災、そういうようなことによって損失を受ける、こういうことはあり得ると思うのです。そういうことについて、どの程度までお考えになっておるか。やはりその事故があるということは推定なさっているのでしょう。ですから、過去において、そういうことについて調査なりあるいは資料を集められたことがあるかどうか。
  76. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 いま御指摘になりました故意または過失によりませんで汚染したあるいは棄損した、たとえば天災などの場合はそれに当たると思います。そういった場合には、原形がございまして、保存してあります場合には、それと現物と交換するという手当てを講じております。  なお、具体的な数につきましては、申しわけないことでありますが、完全には掌握しておりません。ただ、先ほど間々あっちこっちにあるということは申し上げた次第でございます。
  77. 中野明

    ○中野(明)委員 そのときに、故意または過失じゃなくて、天災その他で不可抗力的な事故を受けて、そうして全然あとかたがなくなっちゃった、そういうことはあり得ると思うのです。その場合にどういうふうに考えられるか、そういうことなんです。
  78. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 あとかたのない場合は、実は本人が買い取りましたあとなものですから、率直に申しまして手当ての方法がございません。ただ、理屈を申し上げますと、実は、切手売りさばき手数料をきめます中で、そういった場合のことを予想いたしまして、それに保険手数料的なものをこの売りさばき手数料の中に加算してあるわけでございます。
  79. 中野明

    ○中野(明)委員 現在の手数料の中にそういうことが含まれている、そのようにお答えになったと思うのですが、それで間違いないでしょうか。
  80. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 そのとおりでございます。
  81. 中野明

    ○中野(明)委員 これは私たちも非常に心配している一つなんですけれども、非常に手数料の少ない中で非常にめんどうなことをやってもらっているわけですが、そういう事故が起こっても、それはもう手数料の中に含まれているのだから私は知らぬというようなお考えじゃなしに、将来もこれは当然起こり得ることであります、不可抗力ですから。そういう場合のことについて、何とかその補償というのですか、あるいはそれを救済する方法、こういうことについてお考えになったことがありますか、また考える用意があるか、そういうことなんです。
  82. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 実は、この売りさばき人たちが福利厚生のために組合を結成しております。その組合の中でさような場合の見舞い金制度を考えたいということも話は出ております。また、郵政省の外郭団体がいろいろございまして、火災見舞い金制度を施行しておるところもございます。そういったところに相当の売りさばき人が加入いたしておりまして、側面的に、できるだけただいま御指摘のございました点については手厚い措置を講じたいというぐあいに考えておるわけでございます。
  83. 中野明

    ○中野(明)委員 実際面でそこまで関心を持っておられるかどうかと思いますが、組合をつくって、組合なんかでそういうことが実際に起こった場合、ちゃんとそういうふうにされているという実例がございますかどうか。
  84. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 実例はございます。たとえば、保険加入者協会というところでも見舞い金制度をいたしておりますが、それに相当数の売りさばき人が入っておりまして、損害保険でございますので、見舞い金の対象として見舞い金を相当額出しておるという事実がございます。
  85. 中野明

    ○中野(明)委員 郵政省のほうとしては、それに対して、見舞いとかそういうふうな形で具体的に何かされるようなお考えがあるかどうか。
  86. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 たとえば伊勢湾台風のときの例を多少覚えておりますが、そういった場合に、省といたしましても、先ほど御指摘のございましたように、国の業務の一翼をになっておるという立場での協力者に対しまして見舞い金等を贈呈したという例はございます。
  87. 中野明

    ○中野(明)委員 今後も起こり得ることでありますので、できるだけ——これらの人たちは郵政業務の一端をになって、ほんとうにまじめにこつこつやってくれているわけですから、そういう点について十分気を配って、納得のいくように処置をしていただきたいと要望したいわけでございます。  それから次に、郵便ポストと売りさばき所との関係についてお尋ねしたいのですが、ポストは、いま全国で何ヵ所ぐらいございますか。
  88. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 昭和四十二年三月末現在におきまして、十一万五千百七十一本ございます。
  89. 中野明

    ○中野(明)委員 原則として、ポストがある周辺に売りさばき所がある、こういうふうに法で規定されておりますが、売りさばき所の数は、いまいただいている資料では十万二千三百五十二、このようになっております。それで、ポストのある近所に売りさばき所のないところが具体的にございますかどうか。
  90. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 ございます。
  91. 中野明

    ○中野(明)委員 それはどういうわけですか。
  92. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 規則三条によりまして、切手売りさばき所を設ける場所は、いま御指摘のございましたように、ポストの設置場所から近いところ、五十メートル以内でございますが、それに加えまして、切手類の需要の特に多い区域、たとえば丸の内の中心街等がさような例でございますが、さようなところには、必ずしもポストが近くにないということでございます。その食い違いがあるわけでございます。
  93. 中野明

    ○中野(明)委員 それ以外にはございませんですか。原則として、ポストがあるその周辺に切手の売りさばき所がないというところ。
  94. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 いま申し上げました例を除きましてはございません。私どものこの数を調査いたしました結果も、ポストのあります付近には売りさばき所がある、逆に売りさばき所の付近にはポストがあるということになっております。
  95. 中野明

    ○中野(明)委員 それで、ちょっと話がもとへ戻るようですが、ポストの設置の要望、これは現在、要望されただけ満たされているかどうか、要望があるけれども、まだポストをつくられないというところがどれくらいあるか。結局、それと切手売りさばき所の問題と関連してくるわけです。結局、ポストをここへつくってもらいたい、そういう要望がある、にもかかわらずポストができてない、当然切手売りさばき所もできない、そのために住民が非常に不便を感じている、そういうことが言えるわけなんですが、ポストのほうから……。
  96. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 ポストの設置につきましては、毎年大体二千本ないし二千四百本ずつ増設いたしております。売りさばき所の数といたしましては、大体千六百ないし千九百ずついたしております。したがいまして、要望を基礎にいたしまして私ども設置いたしております。
  97. 中野明

    ○中野(明)委員 積滞数はどのくらいになっていますか。どれだけポストの希望があって、実際どうなっているか。これは、私たちのほうで現地に行ってみても、ポストをほんとうにほしいな、必要だなと感じるところはたくさんあるわけです。だけれども、なかなかポストができないという要望があるわけなんです。それでお尋ねしているわけです。  ですから、昨年でいえば、どれだけポストに対する設置の希望があって、幾らポストをつくったか、それをはっきり示してもらいたい。   〔発言する者あり〕
  98. 古川丈吉

    古川委員長 不規則発言はしないように……。
  99. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 私の答弁がまずくて失礼いたしました。  ポストの要望は依然としてございます。現在におきまして、要望といたしましては、全国で約七千本ぐらいございます。ただ、基準に合っているところと合ってないところがございまして、合っているところからやっていくということで、先ほどの二千四百という数字が出ているわけでございます。
  100. 中野明

    ○中野(明)委員 これは基準に合っておって、予算その他の関係でできない分もあるのですか。
  101. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 私どもといたしましては、基準に合ったものにつきましては、できるだけ充足しているつもりでございます。
  102. 中野明

    ○中野(明)委員 できるだけじゃなしに、基準に合えば全部そのようになさっているかどうか。
  103. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 基準に合いましても、御案内のように、ポストを設置いたしますと、取り集めという作業が伴いますので、当然定員が要るわけでございます。したがって、定員の充足が必ずしも十分でございませんので、ポストも、基準に合っておってもなかなかつけにくいという事情がございまして、大体、先ほど申し上げました二千四百本というのが、全体の要望数の七割程度というぐあいに考えております。
  104. 中野明

    ○中野(明)委員 じゃ、基準にちゃんと当てはまっておって、そうしていろいろの都合でつけられないというのは何カ所ぐらいあるのですか。
  105. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 先ほど具体的に申し上げましたものの約三割の数字でございますので、約六百ぐらいが、四十二年度におきましては基準に合ってもつけられぬものでございます。
  106. 中野明

    ○中野(明)委員 そうしますと、当然切手売りさばき所もそれに付随して住民は不便を感じているわけですが、やはりポストのほうも極力基準に合ったところは設置していく、そういう方向で進んでもらいたい。同時に、売りさばき所のほうもそれに当然きめられているわけですから、任命されていく、そういうことになると思います。この点は要望しておきます。  なお、記念切手のことについて森本委員からも発言がございましたが、記念切手の関係の基準は、何か法で示されているのでしょうか。
  107. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 特別に法律では示されておりませんが、過去におきます経験から、発行のつどいろいろ抽出調査をいたしまして、どれだけ人気があったかというようなことも調査いたしまして、それによりまして次の発行数をきめる。先般の委員会でもお答えいたしましたが、大体一種類につきまして、記念切手については年間千八百万枚調製するようにいたしております。
  108. 中野明

    ○中野(明)委員 記念切手を発行する一番もとの基準、それがはっきりしないと、一年間に大体何回くらい記念切手を出していいのか出さなくてもいいのか、もう無制限に出していいのかという回数ですね、そういうことをちょっと心配するわけです。それでお尋ねしているわけです。
  109. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 記念切手の発行の基準というものは省内にございます。  これは内部の基準でございますが、具体的に申し上げますと、国家的あるいは国民的に重要な事項でありまして、その場合でも、周年行事でございます場合には、大体二十五年めぐりで考えるという基準が一つございます。第二には、国立あるいは国定公園というようなわが国の代表的な観光地あるいは風物等を紹介するものがございます。第三としましては、国民的なキャンペーン、たとえば交通安全といったようなものをキャンペーンいたしますもの、第四といたしましては、国家的な、ないしは国際的な非常に重要な会議が行なわれるというような場合等がおもな基準でございます。そういう基準にのっとって出しております。
  110. 中野明

    ○中野(明)委員 基準はわかるのですが、一年間に何回出すかという根拠はどこにありますか。
  111. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 それは、先ほども申し上げましたが、大体過去におきましての経験と申しますかを基礎にいたしております。と申しますのは、あまりにも乱発いたしますと、国民の側から当然批判も起きますし、また郵趣家からいたしますと、あきられるわけであります。  大体わが国におきましては、年間件数としましては二十件前後、種類といたしましては三十種類前後というものを基準にして従来やっております。
  112. 中野明

    ○中野(明)委員 大体その過去のデータからその線を出しておるように思うのですが、ときどき記念切手を買いに行っても全然もうないという不満の声も聞くわけですが、配付の基準、分配の基準、これはどうなっておりますか。
  113. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 配付につきましては、一般の切手の配付の基準とほぼ似ているわけでございます。ただ、いま御質問がございましたのは、おそらく売りさばき所についてではないかと存じますが、売りさばき所につきましては、一般の切手を先に補充いたしまして、こういう特別な記念切手等につきましては、主としてその地域に要望があった場合、たとえば、売りさばき人が特に要望した場合ということにいたしております。
  114. 中野明

    ○中野(明)委員 では、事前にPR不足その他で売りさばき人が知らなかった場合は、そこの売りさばき所にはない、こういうことになるわけですね。
  115. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 さように御理解いただいていいと思います。数字的に申し上げますと、大体全国で二〇%くらいのところが記念切手を発売しているというぐあいに言えると思います。
  116. 中野明

    ○中野(明)委員 何とか、どの売りさばき所にもそういうふうなことで公平に割り当てるような考えはおありなんですか。
  117. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 年賀はがき等につきましては十分配分いたしておるつもりでございますが、ただいまお示しのございました記念切手等につきましても、需要の動向等見まして、できるだけさような方向で検討いたしたいと思います。
  118. 中野明

    ○中野(明)委員 次に、郵便切手類の手数料の支払い高についてお尋ねするのですが、昨年でもけっこうです。一番新しいデータでけっこうですが、大体この郵便切手類を取り扱われた手数料で、最高の人はどれくらいか、そしてまた最低はどれくらいになっているか。一番多いランクはどの程度か。
  119. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 去年の例でございますが、最高額は、月に買い受け額が三千六百万円あった例がございます。それに対しましての手数料は十九万六千四百円でございました。最低は、御案内のように、法律によりまして、五千円に満たない場合でも五千円売ったものとみなしまして九分の手数料率を掛けておりますので、したがって四百五十円が最低になるということであります。
  120. 中野明

    ○中野(明)委員 最低の取り扱い金額を調査しておられますか。
  121. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 調査いたしました結果、極端な例でございますが、せいぜい百円程度しか売らなかったというところがございます。ただし、そういうところも、いま申しましたように、最低額の保障四百五十円をいたしておるわけでございます。
  122. 中野明

    ○中野(明)委員 最高額のところは、東京ですか、大阪ですか。
  123. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 東京及び大阪でございます。法務局の所在地でございます。
  124. 中野明

    ○中野(明)委員 私、この法律を見ておりましてちょっと矛盾を感じるのですが、売りさばき所で売りさばかれる、いまお話が出ております総取り扱い金額、そのうちには、大きく分けまして収入印紙と切手に分けられると思うのですが、これは、私たちがいただきました売りさばき所数及び売りさばき金額の各ランク別に分けた表に出ておりますが、これでいきまして、どういうふうに分類されているか。  例をあげますと、十万円から二十万円の人で売りさばき額が幾ら幾らと出ているわけです。そのうち、収入印紙を扱った金額は幾らで、郵便切手が合計で幾ら、それをはっきり分類できているかどうかということです。
  125. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 大体分類できております。  売りさばき所で売りさばきました郵便切手類並びに印紙の総売りさばき高が千四百四十二億九千八百万円でございます。これは四十三年度の予算推計額でございますが、そのうち千三十億円が印紙でございまして、残り約四百十四億円が郵便切手ということになります。それを逆に、ただいまお示しのありました一万円以下のもの、あるいは十万円以下のもの、二十万円以下のものというぐあいにずっと分類いたしますと、一々申し上げますのもたいへんでございますので、最高のものと最低のものを申し上げますと、最低の一万円以下のものにつきましては、印紙のほうが三四%、つまり、逆に言いますと、六六%というものが切手である、逆に、最高額のほうになりますと、八四%から八五%が印紙でありまして、残りの二八%ないし一五%が切手であるというのが実情でございます。
  126. 中野明

    ○中野(明)委員 これは、後ほどその内訳を資料でお願いしたいと思うのですが、ここで私がお尋ねしたいのは、こういうふうに分類をしてみますと、非常に高額な取り扱いをするところは、結局収入印紙が多い、そして、郵政業務本来の仕事である切手類を取り扱って、非常にこまかい金額で、めんどうな手間のかかる仕事をしてくれている人の取り扱い合計金額が少ない、こういうことは当然推定できるわけです。収入印紙と郵便切手とではこのように極端に取り扱い金額が違います。  そこで、それをどうして合計額にして手数料を算出するようになったか、そのことを説明してもらえますか。
  127. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 いろいろ御意見もございますが、切手類と印紙を一緒にしまして手数料を算出しております理由は、そのほうが、手数料の算出の面から見まして、事務が簡素化されていいという利点が第一でございます。  それから第二の考えといたしましては、手数料率を決定するにあたりまして、いろいろ要素がございますが、その中で、特に売りさばき人を置きます人件費的な手数があるわけであります。この手数の面につきましては、切手の場合、印紙の場合、そう変わらないということがあります。ただしかし、ただいま御指摘になりましたように、印紙のほうが高額が多いものですから、その点につきましては、逆に料率を上のほうを低くしているということでバランスをとっているわけであります。総体的にいま申しましたような考え方でいたしておるわけでございます。
  128. 中野明

    ○中野(明)委員 収入印紙と切手というのは、全然性格が違ってきていると思うのです。もちろん、収入印紙は大蔵省のほうの関係で、郵政省の窓口を使って売りさばいておる。切手は当然郵政の本来の業務です。そして、最も住民に密着した七円、十五円というような小額な取り扱い額を扱っておるわけです。そうしますと、手間とかいろいろな危険、そういう点では非常に労力をかけておるわけです。収入印紙と郵便切手の取り扱いは、はっきり性質が違うのですから、切手の手数料と収入印紙の手数料を分けてすべきではないかと思うのです。過去にもこれは議論があったことかもしれませんが、この際、こういうふうに手数料の変更を出してこられるときに、そのことをどうして考えられなかったか、それを聞いておるわけです。
  129. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 ごもっともな御意見だと思います。その点につきましても、いろいろと私ども内部で検討いたしましたが、ただこの際、先ほど第一の理由で申し上げました手数料の算定の簡易化ということでいたしたわけでございます。  なお、ふえんいたしますが、先ほども申し上げましたように、一万円以下の売りさばき等につきましては郵便切手が大宗でございますので、その点については、歩合、料率を高くしてやるということでバランスをとってあるわけであります。
  130. 中野明

    ○中野(明)委員 大臣がちょうどおいでになっておりますので、この点について大臣はどのように考えておられるか。将来のことになると思いますが、収入印紙と切手類、これを合算した額で手数料を出しておるということは非常に不合理である、だから、これをはっきり分類をして、収入印紙を扱った額に対する手数料と、郵便切手類の手数料と区別して計算して支払うべきだ、そうすることが最も公平であり、そしてまた、それが小額の切手を一生懸命に取り扱った人たちに対する親切じゃないか、このように考えるのですが、大臣考えをお聞きしておきたい。
  131. 小林武治

    小林国務大臣 御意見は検討すべきものだ、かように考えます。
  132. 中野明

    ○中野(明)委員 いままでも検討なさっておるでしょうけれども、いま私が申し上げておる内容の性格は全然違ってまいります。そして、将来はだんだん収入印紙も現金化してくるという傾向になっております。ですから、そういうことも考え合わせて、こういう点について検討を加えて、近い将来、分けて手数料を計算する。事務の簡素化ということは確かにあります。ありますけれども、事務の簡素化の名のもとに、実際に苦労しておる人たちに思いがいかないということは、私はどうかと思うわけです。そこのところを私強く感じておりますので、その点を前向きになって検討を加えていただきたいと思うわけですが、もう一度大臣から。
  133. 小林武治

    小林国務大臣 御趣旨はたいへんごもっともなところがございますので、お話しのような趣旨でひとつ検討いたしていきたいと思います。
  134. 中野明

    ○中野(明)委員 次にお尋ねいたしますが、今回法案を出してこられた理由として「その後における労賃その他売りさばきに要する経費の増加等の状況にかんがみ」、このように改正の趣旨の中にうたわれております。そこで、この手数料の積算をなさった根拠、これを示してもらいたい。
  135. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 積算にあたりましては、資金の調達のために必要でありますところの金利、それに集配局長が備えつけを指示いたしておりますところの、たとえば保管箱あるいは標識等がございますが、そういったものの施設費、そのほか大宗は人件費、それに先ほどお答えいたしました危険負担費、そのほか諸雑費というものを合算しまして、きめておる次第でございます。
  136. 中野明

    ○中野(明)委員 そういたしますと、当然これは全体に当てはまってこなければならぬと思うわけです、すべてに影響しているわけですから。ところが、今回の改正では、御案内のとおりに、十万円以下は現行どおり、こうなっております。数字を見てみますと、十万円以下の取り扱いをしておる売りさばき所の数は全体の八〇%以上です。今回恩恵に浴するのは、それ以外の十万円以上の高額者、こうなっておるわけです。どうして一番苦労している一万円から十万円の範囲、全体でいえば売りさばき額も四〇%近いランク、ここを手数料の値上げの対象からはずされたかということを具体的に説明してもらいたい。
  137. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 御案内と思いますが、四十一年の四月にこの手数料率の値上げをいたしました。その後、確かに若干の値上げの状況、要素はございましたけれども、私どもといたしましては、むしろ不均衡を是正するという見地に立って今回は改正したい、こう思った次第でございます。と申しますのは、十万円をこえまして百万円の刻みの中におきまして、特に十万円から二十万円、あるいは二十万円から五十万円というところにつきまして、従来の一・五の率では低過ぎる、その点を是正すべきであるというぐあいに考えまして、いわば不均衡是正と申しますか、そういった意味において十万円以上で是正したわけでございます。
  138. 中野明

    ○中野(明)委員 それは、十万円以上の是正はよくわかるわけです。いま私が聞いているのは、十万円以下の人たちが一番の協力者である、郵政業務に対する最高の協力者であるこれらの人たちに対して、何にも考えてやらないということはどうか、こういうふうに言っているわけです。今回改正された趣旨、これは私たちも了としておりますが、何とか十万円以下の人たちに、早い機会にそういうことを考えてあげる、そういうふうに要望したいわけですけれども、いまの点、大臣から……。
  139. 小林武治

    小林国務大臣 これは私前にもお答えしましたが、四十一年に十万円以下を改定したばかりである。したがって、そう続いてというようなことでことしは遠慮をした、しかし、お話しのように、できるだけ近い機会にこれらについても再考しなければならぬ、かように考えております。
  140. 中野明

    ○中野(明)委員 これは実情を当局のほうも御承知と思うのですが、現状は、こういうことの苦情というのですか、要望がきております。  私たちが会って話してみても同じなんですが、月間十万円前後の売り上げで、利益としては一万円の手数料が九百円、一万円以上の売り上げからは一万円に対して五百円でございまして、十万円の売り上げといたしましても利益は五千四百円でございます。税務署などの近所で特別高額な印紙でも売らない限り、普通の販売店では七円とか十五円程度が多く、十万円の売り上げに対して店員が一人くらいは大体必要だ。十万円の切手を売ろうと思えばそれくらい忙しい。といたしますと、店員一人一万七千円の給料に対して五千四百円の国からの手当て、現在の待遇ということになるわけです。こういう点について、もう少し目をあけて見てもらいたいというのが、切手を取り扱っている人たちの気持ちのようであります。これは私も二、三聞いてみましたら、事実、小額なことを、めんどうなことを一生懸命やっているわけです。法の上では、切手を買いに来た地域住民に迷惑をかけてはならぬというふうに、ある程度義務も課せられておる。そういうふうな現状で、一番たいへんなのが十万円そこそこの売り上げをしている人たちです。ところが、収入印紙はわずかで、はがき、切手類が大半、これはちょうど表通りに面した商店で十万円を売ろうと思うとたいへんです。これに対して、国のほうからはわずか五千円そこそこしかもらっていない。これはこの間森本委員も、たばこの手数料と比べて非常に少ないということも御意見の中に出ておりましたし、私もそう思います。同時に、郵政省としては、この切手売りさばき所というものをもっともっと大事にしてもらって、そうして、郵政業務の一環を預かっておりながら何ら公務員としての身分の保障もないわけですから、せめても手数料で日ごろの労苦に報いるという考え方で、今後積極的に、一番苦労しているところに恩恵がいくような考え方で進んでもらいたい。これは、私たちがこの手紙を読んでもそうですし、現実もそうなっております。  これはあまり極端な手紙じゃないようです。まじめな意見として私たちも聞いたわけですが、そういうことについて、この法案が出ましたことは、私たちもいいチャンスでございますので申し上げるわけですが、できれば来年度においても、この一番恵まれない、そうして一番苦労しているランクを考える、このようにぜひお願いしたい、こう思いますので、それだけ申し上げます。
  141. 小林武治

    小林国務大臣 ごもっともでありますから、続いてひとつ検討いたします。
  142. 中野明

    ○中野(明)委員 じゃ、以上で終わります。
  143. 古川丈吉

  144. 山花秀雄

    山花委員 大臣参議院関係で途中退席されましたので、あるいは重複する点があるかもわかりませんが、他の委員諸君にはごしんぼう願いたいと思います。  人事局長といろいろ質疑応答しておりまする中で、人事局長は十一月二十五日に指令を出した、調布郵便局においては十二月の上旬にその指令が出た——若干食い違いがありまして、十一月二十五日の省議で決定をしたのだから、現地に着くのはあるいは十二月になったかもわからぬ、こういう答弁でありましたが、省議で決して、省内に通達するにはちょっと郵便局が遅配になっておると思いますが、どんなものですか。
  145. 山本博

    山本(博)政府委員 これは郵政局が地方に流した文書でございますので、郵政局できめた日付が十一月二十六日になっております。したがいまして、現業の課長が、そこへ着きましたあとに、いわば局内の文書受付の処理をしまして、それから回覧なら回覧という手続きをとります。そういう日にちを計算いたしますと、庶務会計課長が見た記憶というのが十二月ということではないかというふうに申し上げたわけであります。
  146. 山花秀雄

    山花委員 これは省内だからどうの、あるいは一般だからどうのということではなくして、最近遅配がだいぶ改善された、こう承っておりますけれども、だいぶこれは遅配になって、上意が下達するには相当日時がかかっておる。途中で情勢変化、どういう変化があるかわかりませんが、そこで、私は特にその内容を知りたいということは、たしか、十二月の五日じゃなかったかと思うのでありますが、労働組合との団体交渉が、今後円満にやろうということで落着をした日が十二月五日と思いますが、これはいつだったでしょうか。
  147. 山本博

    山本(博)政府委員 十二月五日でございます。
  148. 山花秀雄

    山花委員 そこで、十一月の下旬にきめた省議というのは、省内においては相当物議騒然の中にきめられたことであると思うのでありますが、それが一応落着をいたしまして相当日時がたって、その問題に関してわれわれが面会に行ったときに、私は、その事件で郵便局長ががんばったというのだったら、これはある程度いろいろな関係で理解できると思いますが、事件がもう落着をしてあと始末の段階になっておるときに、他の郵便局は全部組合同道で、組合の申し込みで全部和気あいあい裏に話し合いを進めておるのに、ひとり調布だけが峻拒するということは、一体これはどういうことか。人事局長は、それはその郵便局長が通達を忠実に順守したからそういう形になり、むしろ上意に対して忠僕であったという意味のことを言われましたが、そうなりますと、他の郵便局長は上意を守らなかった、そういうことにもなるわけなんでありますが、そう申しますと、これは相当現場現場によって幅が広い解釈が成り立つのだという答弁のようであります。そういう融通自在の解釈を、上から流れた通達についてしていいのかどうか。これはひとつ大臣お答え願いたいと思います。
  149. 小林武治

    小林国務大臣 ただいまの話は、何か文書指令があったそうでございます。それを各局長考え方で受けておる、こういうことであって、多少局の受け方において違うところもあるのかもしれません。
  150. 山花秀雄

    山花委員 私は、特に各郵便局労使間が和気あいあいで円満にいっているところと、鋭く先鋭化して、ことごとに何かこう物議が出るという、この二通りがあると思うのです。大臣としては、そういう円満にいっているところのようにすべての郵便局が右へならえすれば、これは一番いいことだと思うのでありますが、私もそれはそのほうがいいと思います。何としても、国民のサービス機関でありますから、省内でとんがり合っておるような形では、とばっちりがどうしても国民の側にかかると思いますので、業務はおのずから相互理解のもとに和気あいあいで進めていきたいと思います。  特に、一般的にはこう言っております。これは当たるか当たらないかわかりません。悪口か、あるいは称賛のことばかわかりませんけれども、郵政一家と言われる。これは一般で言っておる。私はそれはそれなりでいいと思うのです。郵政一家ということばが使われるということは、相当保守性が残っておると思うのでありますが、しかし、保守性であっても、いい面をずっと残すという点においては、これは悪いことではないと思うのでありますが、その郵政一家がどこかでくずれてきておるというのがいまの状態であります。そのくずれてきておる、そういう欠陥を生じた責任はだれが負うべきかということになりますと、これは上に立つ者が負わなくてはならぬと思います。下の側のほうには全然ないとは私は申しませんが、しかし、おおむね上に立つ者が指導よろしきを得れば、私は、和気あいあいで国民のサービス機関として円満に業務が遂行されると考えております。  そこで、先ほど劈頭、芝居の例をちょっと言ったのでありますが、やるだけやらして、あとでばっさり首を切るということは、どうもあまりじょうずな郵政のやり方ではない、こう考えるのでありますが、大臣は、法は法だからと言う。そこで、法を守るという点になりますと、これは組合側でもよく言っておることでありますが、人事院の勧告なりあるいはその他を完全に守られてない。でありますからこういう問題が派生してくるんだというようなことを言っておりますが、その間のいきさつについて、今日の段階大臣はどういうお考えでしょうか。
  151. 小林武治

    小林国務大臣 われわれも、和気あいあいと円満に運行されている局と、それからそうでない局を幾つか聞いておりますが、これらは急に起きた問題でなくて、ほとんど沿革的に長い間だんだんにそういうような空気が出てきておる。東京都内にも幾つかあると聞いております。これは局の名前は申しませんが、これらはきのうきょうの問題でない。やはり上の者がむろん責任があると思うのでありますが、また下の者でも特別変わった人がよくおる局がありまして、そういうところは特別に悪くなる、こういうようなことも私は聞いておるのであります。むろん両者が反省の上に立たなければなりませんが、わけても、お話しのように上の者は気をつけていくべきである、こういうふうに考えます。  それで、私も紛争など実は大きらいでありまして、できるだけ何とか円満に運営したい、かように考えまして、組合等のお話も、私はほんとうに虚心たんかいにできるだけ聞いて、しかるべきことはそれに応ずるようにしたい、こういうことで誠意をもってやっておるのでございますし、またその向きのことは、もう管理者に私はやかましく申しておるのでございます。ただ、まだたまたま、やはり長い間のいろいろのいきさつが解消しないでいまだに残っておるのがあるということは非常に残念であります。しかし、これはお話しのように、やはり気をつけるのは管理者が十分注意を持ってやらなければならぬということでございます。
  152. 山花秀雄

    山花委員 大臣の立場から見れば、管理者側も職員側もこれは一視同仁に見られるというのは、これは私は当然だと思うのです。いま大臣も言われましたように、これを円満に遂行するためには、どこかの責任を問わねばならぬという、そういう事態が生じたときには、やはり上に立つ管理者のほうから、それから、もし下にもあれば泣いて馬謖を切るというようなことはあり得ると私は思います。  そこで、これは一例でありますが、東京でもいろいろ問題がありますが、あるいは大臣の耳に達しているかどうかわかりませんが、これはひとつ人名を申し上げることはこの際私は避けたいと思いますけれども、しかし、たった一つだけの事例は大臣の頭に入れておいていただきたいと思います。それは城東局の局長の問題であります。これが解決しない限り、なかなか東京郵政局内においては問題が尾を引くというような事態があるということだけ、ひとつ胸に入れていただいて、十分調査をして大臣がこの処理に当たっていただきたいと思います。それより以上のことは、私は申し上げる必要はないと思うのです。  それからもう一つは、ことしはうまくいったけれども、一月十三日に、特に全国処分のうちで八割以上東京に集中した。東京は集配の多いところでありますから、あるいは東京が俗にいう拠点個所になったのだからとかいうお話もございましたけれども、問題は、大臣は私はそれでいいと思うのです。こんなことを申すと失礼でありますが、ことしの年末から来年の年賀には、おそらく大臣はこの職責にはおられないと思うのです。あとに来た人がたいへん迷惑をこうむると思うのです。ただし、大臣はこのまま大臣のいすを去って下野するとは私は申しません。またもっといい方向へあるいは栄転をされるか、それはわかりません。それは大臣の持つ個人的技能によると思うのでございますが、しかし、おそらく郵政大臣の職にはとどまっていない。私の勘が当たるか当たらないかわかりませんが、まあ大体当たると思うのです。そうすると、あとを引き受けた方がずいぶん重荷を背負って引き受けられると思いますが、その点、大臣は後任者のことの責任を感じられておるのかおらないのか、一体どうですか、大臣
  153. 小林武治

    小林国務大臣 いまおっしゃることは、私にはよくわかりませんが、もっと具体的にひとつ言うていただきたい。
  154. 山花秀雄

    山花委員 具体的と申しますと、このままこの問題がいい方向に解決しなければ、来年は年末から年始にかけて郵便業務は相当混乱すると思うのです。そうすると、混乱することがわかっていながら後事に託するというのは、少し責任のない態度じゃないか、こういうふうに私は考えておるのですが、大臣のその御心境はいかがですか。
  155. 小林武治

    小林国務大臣 いまのこのまま、ということはどのままか、私には実はよくわかりかねるのでございますが、昨年の十二月の問題、したがって一月十三日の問題をおさしになるのでございましょうか。(山花委員「そのとおりです。」と呼ぶ)実は、私も昨年の年末はもうほんとうに友好的に、話し合いの上で、両者とも初めから誠意を出し合ってひとつお話し願いたい、こういうことを人事局長に私はきつく申しつけておいたのでありまして、組合の要求等も最大限にこれを取り入れてもらいたい、こういうことを言うておいたのでありまして、その話の進行中に、十二月一日にぽかりと休むというあの有名ないわゆるぽか休みというのをやられて、そうして郵便が非常におくれた、こういうことで、私は実はあの際は、あれだけお互いに誠意を持って話し合いをしたいというのにどういうことだろうと驚いたのです。私自身も、その朝、きょうはもう外務員が出てこない、こういうことを聞いて、非常に意外に存じたのでございます。  これはやはりお互いの誠意の問題、信頼の問題でございますから、そういうときには、そういうふうに対応するような措置をひとつとっていただいたらどうか。去年のような、突然十二月一日に、もうわれわれが全然予想もしないのにほうぼうの局でぽか休みをされるということは、私は非常に心外に感じた、こういうことだけは申し上げておきますし、また、実は私は、違法あるいは不当の行為があったものは、もう非常に早く、迅速にこれを処置するということを私の方針としておりまして、従来も実はあまり間をおかないでこれらをやっておきましたが、十二月の問題については、いろいろのお話もあったのでございますからして一月まで延びておった。これらのことも、この席で私はあからさまに申し上げかねるのでありますが、そういう事情もあったのでございまして、われわれの誠意というものはやはり組合側でもくみ取っていただく、こういうことをほんとうにいいかげんにやっているものか、本気にやっているものかというようなことは、私はやはりしんしゃくをしていただきたいと思うのでございます。  昨年、たとえば五月の問題にしましても、あのときは政府も方針を改めまして、調停段階においてもうできるだけ実質的の妥結をするような方法をとろうということを政府部内でも申し合わせ、郵政省関係においても、私はその際もう先頭に立って、仲裁までいかぬでも実質的にきめましょう、こういうことまで言うて、返事のこと、回答のことも考えておったが、あの際、われわれのそういう好意が十分通じなかったか、五月にまたストライキがあった、こういうようなことで、私はお互いの誠意というものは、ひとつお互いにくみ取ることを考えてほしい、こういうふうに思うのであります。  また、いま、山花委員がこのままと申しまするが、私は、ことしの一月十三日のあの処置というものは、そうあとまで累を引くというふうには考えておりません。あとの方にえらい重荷を残して私が退陣するなどということは、認識不足かもしれませんが、私はさようなことは考えておりません。組合の方々もそういうふうな認識でおられるかどうかということについては、私は疑問を持っております。
  156. 山花秀雄

    山花委員 タイミングがちょっと私は悪かったと思う。それは、ちょうど年賀郵便配達の時期が終わった瞬間にあの処分が出たという点です。大臣は、なるべく早くこういう問題は、こう言われますが、これはその人のこれからの人生航路の大きな問題になります。したがって、慎重に、より慎重に調査をして結末を出すというほうが、むしろ下僚を思う上の立場ではなかろうかと思うのです。何でもかでもこれは早く始末をしたらいいという、そういう形でいきますから、そこにそごを来たしておる。言いかえれば、ある程度のあやまちがあるという点です。このあやまちは、いま組合でも調査をしておりますし、人事局長のほうでも、もし上への報告のあやまちがあれば、処分の取り消しあるいは処分の編成がえ、これにはやぶさかでない、そう言われております。そういうあやまちが出るということは、やはり急速に、悪いことばで表現いたしますと、あんまりあわてて、そのあわててやられた時期がちょうど年始の配達の終わった瞬間、一月十三日ということになっておりますから勘ぐられておるのです。やるだけのことはやらして、おだてるだけおだてさせて、そしてあとでばっさりやるというような血も涙もない郵政大臣だ、郵政一家の、いままでこう何となしにやんわり持ってきた義理人情の社会をここで一挙にくつがえすような郵政大臣だという陰口も相当あります、あなたの耳にはなかなか入らないと思いますけれども。  そこで問題は、そういうあやまちの報告とかなんとかというようなことが明らかになった場合、私は人事局長からも言明を聞いておりますが、ひとつこの際、郵政大臣からもはっきりしていただきたいことは、これは誤った報告をして、ずさんな調査をやって、それで長い人生航路に大きな傷をつけたという、そういう人に、ある程度の処分をするかどうか、そして、責任を明らかにするかどうかという点を承りたいと思います。
  157. 小林武治

    小林国務大臣 これは私にも異論があるのでございまして、あんまり早くやったとは思いません。実は、昨年五月の際などは、もっと早く、これは二十日もたたぬうちに処置をしたと思っておりますが、従来郵政省が、私が見るところでは、少しそういうことについてはやわらかくやったというか、だらしなかったと申すか、私はそういう感じを持っておって、職員の中には、これはいつのストライキに対する処分だろうというようなことを言って笑い出す人もおるくらい、忘れるくらいたってからやった処分があったそうでございまして、そういうようなことでは、私は、役所の秩序を維持するには適当でない、したがって、けじめをつけるものはなるべく早くつけたほうが、これは組合のほうもさっぱりするだろうし、まあ、いつの行為に対する処置であるかなんということを従業員から言われるほど——これは怠慢であったかどうか私は知りませんが、そういうことが言われておったのが郵政省の幹部であったようにも私は聞いてもおるのでありますから、したがって、さようなことは、ただだらだらなんてやらないで——調査は十分し、正確を期するということは当然であるのでございます。  一月十三日の問題につきましても、これは十二月一日のことでございますから、これは十分、一カ月以上慎重に調べて、そして結論を出した、こういうことになっておりますし、もっと率直に申せば、私は実は、年内にもあれはけじめをはっきりさせたいということを強く考えておったのでありますが、いろいろの方面からいろいろのお話があって、むしろ延び延びになってきた。そして、仕事をさせておいてあとでああいうことをしたというふうな誤解さえ招くようになったことを、私は当時の事情として非常に残念に思っております。  しかし、いずれにいたしましても、私はこれらのこともごまかそうとは思っておりませんし、また、間違いなどあれば、当然これは直しますし、また、そういう間違いなどをした者があれば、私どもとしては、管理者処置も当然すべきだと思っておるのでございます。これらについて、私は、ごまかして、その非を隠しておこうなんという意思は毛頭ございません。その点はひとつ、まだいろいろ組合側においてもお調べになっておるだろうし、われわれのほうにおいてもそのことは十分考えなければならぬ。  それから、先ほど城東郵便局の問題がありました。これは私も城東局のことはいろいろ聞いておりますので、暮れには私は年末郵便の忙しい中にあの局だけ行きまして、そして、あの局長その他等にも十分面接して、いろいろのことを私は尋ねて、自分の心証を得ることに私はつとめておるのでございます。これらのことについても、私はないがしろにするつもりはありません。また、管理者等についても、方々からいろいろの批評、意見のあるものは、私自身もこれらについてはひとつ当たってみたい、かように考えております。
  158. 山花秀雄

    山花委員 もう繰り返してくどくど言う必要はありませんが、最後に一つだけこの問題に関してお尋ねしたいと思います。  調布郵便局長は、私と同僚長谷川正三君と前日組合を通して申し込んで、その前に一回ございましたが、その前も所用があって出られて、今度も所用があるということで出られて、あとの人はたいへん迷惑しただろうと私は思うのです。その心情をはかるにやぶさかではないほど迷惑をされたと思うのです。局長だったら、局長の権限でてきぱきと言動ができたと思うのでありますけれども、ところが、あとで調べてみますと、他の郵便局は全部組合同伴で、和気あいあいで話し合いを進めておるのであります。その一つの理由としては、先ほど話のやりとりのありました十一月二十六日決裁の省内における通達、これは一応極秘になっておる。これはごたごたの起きるときの通達でございますから、あるいは極秘の文書かもわかりませんけれども、それをたてにとって、絶対国会議員といえども会うわけにはいかぬと言って、調布郵便局だけやられた。他の郵便局はそういうことがなかったという点については、私どももたいへん——個人としては別にどうこうございませんが、何か、国会議員の権威をかさに着て会いに来たような態度で扱っておられるその調布郵便局指導幹部の方々の認識をこの際改めてもらわないと、私どもはやはり自分でも国会議員でございますので、なるべくそういう誤解を受けないようにみずから心得て省と折衝しておるのであります。それは東京郵政局長にもあるいは人事局長にもこの間五、六人にお会いいたしまして、そういう気配を感じたかどうかと言ったら、人事局長は、さような気配は全然ございません——あるいは、心の中でどう思っているかわかりませんが、この公の席上ではさような気配は全然ございませんと言った。それでは、調布郵便局はどう思うか、こう言いますと、下のほうの郵便局長だと、国会議員が来ると、少しおそれるような気配があるのじゃないかというようなことを言われましたが、私は、そういうようなものの考え方では、大ぜいの人の先頭に立つ管理職の資格はないと思うのです。どなたが来ようとも、あるいは下僚の家族がいろいろな問題で来ようとも、あるいは監督の郵政大臣が来た場合でも、自己の信念で、き然たる態度で面会、折衝するというのが管理者の人柄でなくてはならぬと思うのであります。何か、えらい者が来ると、少しおべっかをやったり、あるいは何だかんだとおそれるようなそういう内向性といいますか、内気といいましょうか、そんな者は、私は満足な局長の資格はないと思うのです。大臣、管理職の一つの心がまえとしてどうお考えになるか、ひとつこの際所信をお聞きしたいと思う。
  159. 小林武治

    小林国務大臣 これはお話しのとおりでありまして、どなたがおいでになっても平静な態度で応接するのが当然であります。  ただ私、一言お願いを申しておきたいことは、とにかく、国会議員の方は非常にえらいので、われわれ職員にとっては非常にこわい存在だということは、言わずしてどなたも御存じのはずでございます。それもまた、一人、二人でおいでになるならけっこうですが、大ぜいで、複数でおいでになると非常な威圧を感ずる。これは偽らざる局長連の心情でございます。また、場合によっては大きな声でおこられるので、ふるえ上がるということがあるのでございます。また、事が国会の問題になると、彼らは実におそれおののいておるのでございます。こういうことからいたしましても、おたずねくださる方には、とにかく非常なおそれを持っているんだ、非常な威圧を感じておるんだということを私からも申し上げて、よろしくお願いをしたいと思うのでございます。実際問題として、相当大きな声でしかられるという場合がしばしばあるのでございます。郵便局長が平静のつもりで応待できるように、私からもひとつ特にお願いをしておきたいのでございまして、またわれわれも、皆さまが大ぜいでなくても、とにかくおいでになったら、これに対して懇切に応待をすべきは当然であるから、そういうことはよく管理者には申し伝えておきます。  余分なことを申してたいへん恐縮でございましたが、事実だけ申し上げます。
  160. 山花秀雄

    山花委員 最後に一言だけ念を押してお尋ねしたいと思います。  これは人事局長さんも、これから私の言うような意味のことをこの間お会いしたときに言われた。大臣もいまちょっと言われましたが、いわば調査の粗漏あるいは誤解によって報告が上に行って、それを基礎に処罰をされたということになりますと、これは即刻取り消す、あるいは、かりに停職に該当しないで、小言の一つくらいということになれば、停職を取り消して小言の一つくらいにする。この点はわかるのでありますが、そういう誤った報告をした管理者に対する責任追及という点は、下僚の諸君よりもより厳粛にやられるというふうに承ったのですけれども、これはそういうふうに理解して間違いございませんか。
  161. 小林武治

    小林国務大臣 これはもうそのつもりでおりますし、また私も、大ぜいの中だからたまには間違いもあるだろう、どうも、あと直すのに……。(「たまに間違えられてたまるか」と呼ぶ者あり)あるだろうと想像して、よく念を押してもおるわけでありまして、私は、あれば改めるのに何もはばかるところありませんから、お話しのようなことは十分いたしたい。実際、いままでないないと言っているのが少しおかしいくらいに考えて、そんなはずはない、たまにはあるだろうというようなことを言ったこともあるのでありまして、仰せのとおりであります。(発言する者あり)だから、そういうことはないつもりでおりますが、人間のすることだから、それはあっても別におかしくない。それは直さなければならぬ。いままでのところ、ないないということであるから、私はそれを信用いたしておるのであります。十分注意をいたします。
  162. 山花秀雄

    山花委員 大臣が自分の考えておる本音といいましょうか、ちらっとおしゃべりすると、横の人事局長がちょっと耳打ちをする、そうすると、ちょっとことばが変わるのですが、ここから舞台を見ておりましても、少し大臣はおかしいなという感じがします。まあ、先ほど大臣の言われたことをわれわれも十分了解していきたいと思います。  次に、一問だけ記念切手のことについて、これは郵務局長の所管になると思いますが、この前の委員会森本委員から、ただいままた私の前に公明党の代表からいろいろ質問がありました。重複を避けたいのですが、質疑応答の中に、九十億円くらい一応売り上げがある、そして切手の退蔵によって、益金といえば少し語弊がございますが、それが四割と聞いたのか六割と聞いたのか、ちょっと忘れましたので、その点、どのくらいの退蔵によって郵政当局は利益を得ておるかという点を承りたい。
  163. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 四割と算定いたします。
  164. 山花秀雄

    山花委員 そうすると、一二十六億円くらいは浮くということですね。
  165. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 そうでございます。
  166. 山花秀雄

    山花委員 そこまで調査がいっておるかどうかわかりませんけれども、世界的に切手収集の熱が上がっておりますので、わがほうの切手が外国でどのくらい退蔵されているか、また、わがほうで外国からそういう切手をどのくらい買ってくるかという点まで調査をされておるかどうか、もし調べておりましたならば、承りたいと思います。
  167. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 実は、そこまでの調査はいたしておりません。
  168. 山花秀雄

    山花委員 概念はどうですか。どっちが得をしておるかという点、わかりませんか。
  169. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 調査いたしておりませんが、私ども郵趣のいろいろな団体の方たちと接触いたしております中では、おそらく四百万円くらいは向こうに出ておるのではなかろうかということを言う者がございます。  なお、向こうから申し込むものにつきましては、私ども正確に把握いたしておりません。
  170. 山花秀雄

    山花委員 郵政省はお役人で商売気を離れた——あるいはそのほうがいいかもわかりませんが、こういうものは、外国でも歓迎されて売れるようなりっぱな、図案のいい記念切手をつくっていただきますと、国内の退蔵も四割から五割、六割とふえてくるのではないかと私は思います。そこで、売れ行きのいいものと売れ行きの悪いものの大体の傾向は、いままでの経験から判断しても私はできると思うのです。これからそういう経験を生かして郵政省の財源をふやすようにやっていただきたいと思います。これはもうけるばかりが能じゃないと思うのです。それは郵政省の重要会計の一つにこの記念切手はなっておるということは、いま言われましたように、四割退蔵で、四、九、三十六億円ほど入る。入れっぱなしではちょっと私は困るのでありますが、これはどういう方面にお使いになっておられますか。
  171. 曾山克巳

    ○曾山政府委員 その分につきましては、たとえば弾力条項の発動の対象になりましたし、つまり、手当に還元されるというようなことになるわけでございまして、一般的には省の支出の対象になるということが言えます。
  172. 山花秀雄

    山花委員 厚生年金だの、あるいは簡易保険だのその他でそれを還元というような形で利用して、郵政省では、温泉地帯であるとか、各所にいろいろ施設をつくっておりますね。年に三十六億、これからやり方いかんによっては五十億くらいの収益をあげるのですから、従業員を優遇する記念切手会館というような名目でもよろしいと思いますから、ひとつそういう大きな還元優遇の事業を計画されたらいかがと存じますけれども、そういうお考えはいまのところございませんか。それとも何か考えておられますか。
  173. 小林武治

    小林国務大臣 これはそういうことも考えたいと思いますが、実は、こんなことをここで申してはなんでございますが、たとえば仲裁裁定等の場合、これらの収入が、いわゆる弾力条項として増収が出てきて、そしてベースアップの原資等にも相当使われておるのが事実でございます。私はよく笑うのでありますが、郵政省は郵便を運ぶことによって収支のバランスをとっているばかりではなくて、記念切手などという、いわば骨とう趣味と申しますか、そういう趣味のために郵政省の収支バランスがある程度とれておる、こういうふうなことは、あまりけっこうなことじゃないと思いますが、そういう事態にいまなってきておるのでありまして、この収入というものは、郵便本来の仕事でないが、全体の収入の一部をなしておる、そして、いま申したような弾力条項等による収入増の原資になっておる、こういうことだけはひとつここで申し上げておきたいと思います。三十六億と申しまするが、これはもっとあるかもしれませんし、もっとふえるかもしれない、こういう事態でございます。  また、お話しのようなこともひとつ考えたいと思います。
  174. 山花秀雄

    山花委員 ぜひひとつ、これは小林郵政大臣の在任中の大きな功績の一つといわれるように——もう余命幾ばくもございません。その間にひとつ思い切って大事業をやって、惜しい郵政大臣といわれるような形できれいにやめていかれるというのが、老婆心でございますが、いいんじゃないかと思います。ぜひひとつ勘考していただきたいと思います。  以上、私の質問を終わります。
  175. 古川丈吉

    古川委員長 米田東吾君。   〔委員長退席、田澤委員長代理着席〕
  176. 米田東吾

    米田委員 私は、ただいま議題になっております法律案の関連といたしまして、きわめて重要な問題がございますので、大臣並びに関係局長に御質問をしたいと思うわけであります。  と申しますのは、どういうりっぱな法律ができても、どういう合理的な法律ができても、それを施行する権限のある立場の方々の判断やあるいは方針によって、その法律は、はっきり言えばどうにでもなる、こういう実情というものは否定できないと思いますので、私は、以下、重要な問題を郵政大臣並びに上層部の皆さんの姿勢の問題、また方針の問題としてお聞きをしたいと思うわけであります。  第一に、大臣にお伺いいたしますが、郵政省の労務対策の最高責任者というのは、一体どなたでございましょう。まず、このことを大臣にお聞きいたします。
  177. 小林武治

    小林国務大臣 私でございます。
  178. 米田東吾

    米田委員 大臣だということでございますから、これは当然でありますけれども、私はあえて御質問したわけであります。  郵政省の設置法や組織令あるいは組織規程等をもちまして、いわゆる大臣権限の労務対策というものが、それぞれ人事局長やあるいは地方局長、それから現場長、そういう段階において、分掌上また系統的にも一貫したものがあろうかと思うわけでありますけれども、大臣が最高責任者として持っておるその労務対策というものは、どういう部署を通じ、どういう系統を流れて現場に届いているのか、どういうふうに掌握されているのか、これは大臣としては重要な問題であると思いますから、大臣にお聞きをしておきたいと思います。
  179. 小林武治

    小林国務大臣 これはもう次官以下、直接の系統としましては人事局長が私の補助者としてのその面の責任を負っておる、こういうことでございます。
  180. 米田東吾

    米田委員 現場のほうはどうでございましょう。地方郵政局以下。
  181. 山本博

    山本(博)政府委員 郵政局人事部がこれを担当いたしておりまして、各郵便局は庶務課がこれを担当するということになっております。たとえば特定局のほうは、そういう課のないところは局長自身がその責任を負っております。
  182. 米田東吾

    米田委員 まことにわかり切ったようなことを御質問申し上げておりまするけれども、実際の現象というものは必ずしもそうでないということを私判断いたしまして、そういう御質問を申し上げておるわけであります。  そこで、大臣にお聞きいたしますけれども、あなたのほうでは労務連絡官というものを配置しておられます。私の勉強不足かどうかわかりませんけれども、郵政省の法令集やあるいは設置法、組織令あるいは規則その他いろいろ見ますけれども、労務連絡官というものはないようであります。これはいま人事局長から答弁していただきましたけれども、一体どういう分掌を持って、何の役を持って、そうして、どのような権限で現場の労務対策をなさっておられるのか、この点ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
  183. 山本博

    山本(博)政府委員 労務連絡官と申しますのは、これは俗称でございまして、正式の規程、組織、そういうものの中にはございません。おっしゃるとおりでございます。  と申しますのは、これは郵政局人事部管理課の課長補佐、組織上は課長補佐でございまして、また、同時に地方の郵便局に駐在をいたしまして、その局の兼務にもなっておるというのがたてまえでございます。  で、仕事の内容は、何せ労務問題というのは、管理者にとっても相当むずかしい問題でございます。規程その他の関係でもなかなか消化しにくい問題、また、あわせて相手の労働組合との間にいろいろな折衝という、これもやさしいことではございません。いろいろ勉強したり、いろいろ相談をしたり、いろいろ指導を受けたりということが必要な分野でございます。したがいまして、人事部の管理課の課長補佐兼郵便局ということで、それぞれある一定の地域につきまして、各現業の情報というものあるいはいろいろな連絡事務、こういうものを担当いたしていくというのが実態でございます。
  184. 米田東吾

    米田委員 なるほど、いま御答弁いただきましたように、人事部管理課の課長補佐、官制上はそういうふうになっているかと思います。しかし、この方々は二つの鑑札を持っております。名刺にも労務連絡官というふうにいたしまして、そうして、いわゆる俗称といわれる労務連絡官という、ちょうど労務担当重役のようなそういう立場を振り回して、いまお答えいただきましたいわゆる人事の系統を越えて、たとえば現場の普通局でありますと、局長から庶務課長、そういう郵政省の系統があるわけでありますけれども、そういうものを越えて、労務担当重役のようなふるまいをしているわけであります。  これは一体どういうことでございますか。上局の郵政局の管理課長補佐というその肩書きがそうさせるのだという御答弁になるかもしれませんけれども、もしそうだとするならば、そのようにきちっと分掌規程やあるいは内部の規程を整えて、現場で、この労務という関係で指揮命令系統が混乱したりあるいはいざこざがないようにすべきではないかと思いますけれども、その点どうでございますか。
  185. 山本博

    山本(博)政府委員 労務問題の指揮系統、こういうものははっきりいたしておりまして、もし労務連絡官がこの指揮命令系統というものを侵しておれば、これは是正するのは当然でございます。おそらく、私の考えでは、郵政局の課長補佐としての活動を主にいたしておりまして、たとえば、郵便局においては、これは当然郵便局長あるいは庶務課長、こういう人たちが正規の指揮系統、命令系統でございます。おそらくいろいろな相談を受けて、それに対していろいろなアドバイスをする、そういうことはいたしておると思いますが、正面に立ってみずから活動をする、指揮系統の立場で活動するということはないと思っております。
  186. 米田東吾

    米田委員 いろいろ問題があるのです。たとえば、矛盾を感じますのは、あなたのほうで出しておる郵政省職員録、こういうのを見ますと、その労務連絡官が配置されている局では、局長、次長の次に労務連絡官というものが、確かに、呼称は何々郵政局管理課長補佐、そういう呼称ではありますけれども、格づけされて、庶務課長やそういうものの上にあるわけであります。  それからもう一つは、局長はそういうことはないだろうとおっしゃいますけれども、現状を承知して私はそういう答弁をなさっておられるのではないかと思いますが、労務関係というものは、ほとんど現場の長や庶務課長には権限ございません。全部この労務担当重役というふうに飛び回っておる労務連絡官がほとんど指示をし、さいはいをふるっている。したがって、現場長としてのこの面に関する責任やあるいは管理者としての自主性、そういうものはほとんどいま失われておるというのが、実際の現場の郵便局の状態じゃないか。事、労務管理という問題に関する限りは、一切がこの労務連絡官が、その受け持ち区域全般を含めて握っておる。現場の局長や庶務課長に与えられておるこの面の職責というものは、ほとんど有名無実であって、もうあなたのほうでは取り上げられておるのではないか、こういうふうに思いますけれども、もう一回、局長の見解をお聞きしておきたいと思います。
  187. 山本博

    山本(博)政府委員 御指摘のありました問題ですが、労務問題というのは、業務上のいろいろな指揮命令というものと相当趣が違います。業務上の問題ですと、これは非常に縦から垂直に流れるという形がとれますが、労務問題というのは、起こってくる事態が非常に複雑でございますし、その処理のしかたにつきましても、これは起こってくる事態事態によって非常に違ってくるわけでございまして、いわば非常に簡明率直な形での業務上の指揮命令というのと処理のしかたも相当違うという事情もございまして、各郵便局長あるいは庶務課長その他の関係の課長がすべてこの問題について非常にベテランであるというわけにもまいりません。毎年数千人の管理者が出てくるという新陳代謝がございますので、それぞれが問題の処理のときに、郵政局の課長補佐ということで、ある程度そういう問題について、規定上の問題とか処理の問題とかについて経験のある人に相談をするという意味で、労務連絡官というのが活用されておることは事実だと思います。しかし、各郵便局長の権限あるいは課長の権限、こういうものはそれぞれ筋を通して処理されておるというふうに理解いたします。
  188. 米田東吾

    米田委員 私の時間はそうたくさんもらっておりませんので、なるべく簡潔にひとつ御答弁いただきたいと思います。  これは水かけ論争になりましょう。しかし、実際は局長、決してそうなっておりませんよ。もうはっきり、現場の局長なんかはそういう問題については全然権限ございません。それから庶務課長でもそうであります。そんなふうにはなっておりません。権限を侵してまで、とおっしゃいますけれども、侵しておる。そして全部あなたのほうが、これは郵政大臣が握っておるのかもしれませんけれども、取り上げておるということだと思います。ですから、これは水かけ論争でございますから、いずれ証拠をもってあなたによくたださなければならぬと思います。  もう一つ重要なのは、いまお聞きいたしましたところでは、大臣から人事局長、それからそれぞれ地方郵政局、現場段階には、ちゃんと規程上明確な分掌をもって労務管理というものが一貫し、系統的にあるのだという御答弁がございました。  私、それはそうだと思いますけれども、もう一本の線があるのではないか。要するに、表向きはいまおっしゃったような答弁で、確かに分掌上、系統的になっておると思いますけれども、もう一つの、ほんとうの意味の労務対策というものは、あなたの分掌の中にあるのか、あるいはそれ以外のところに大もとがあるのか、とにかく、現場段階までは第二の労務管理の系統というものが明らかにある、こういうふうに思います。これはあなたが所管されている全国的な郵便局段階における労務管理を見ますと、ありありとそういうことが私は判断できると思います。  それで、大臣にお聞きをするのでありますけれども、大臣、どうでありますか、そういうものはございませんか。もしないとすれば、私は、局長なり郵政省の担当は二枚舌を使っているのではないか、表向きはいまそういうふうなことをおっしゃっておられますけれども、実質は、隠れた地下のルートを通して、徹底的に不当労働行為法律で禁止しておる不当労働行為を公然とやって、労働組合というものを破壊しようとしておる、そういうふうになっているんじゃないかと思いますけれども、この点について、大臣はどう御判断なさっておられましょうか、率直なところをお聞きしておきます。
  189. 小林武治

    小林国務大臣 いまのお話のようなものは、絶対ありません。私もそういうものを一切関知しておりませんし、大臣を除いてそのようなことが行なわれているとは、私は思いません。しかし、いまの労務連絡官などは、これはいまのような課長補佐だというが、お話しのようないまの立場もあるし、私はもう少しこれを筋道を立てたらよかろうと思うのです。そのあり方、あるいはある姿について、俗称などで呼ばれないような何か筋道を立てたい、こういうふうに私は思います。
  190. 米田東吾

    米田委員 いま大臣から御答弁いただきましたが、ここであまり時間をとりたくありませんので、ひとつ資料として人事局長に要請いたしておきます。いま御答弁いただいたその課長補佐といわれる労務連絡官、これが郵政省全体で何人おられて、そうして各郵政局別に、数と氏名をはっきりお聞かせいただいて、そうして、それぞれ配置局、これも含めまして、ひとつ私のほうに資料として出していただきたい。それから、この制度が始まりましたのはだいぶ前だと思いますけれども、そのこともあわせて資料の中に加えて出していただきたい。
  191. 山本博

    山本(博)政府委員 承知いたしました。
  192. 米田東吾

    米田委員 次に、大臣にお伺いいたしますが、大臣、いまあなたがとっておられるいわゆる労務管理なりあるいは労働組合対策、この基本方針というものは何でございましょう。こんな抽象的な質問で恐縮でありますけれども、はっきり言えば、いま私は、少なくとも日本の労務対策という関係では、協調から労使互恵の原則の上に立って、労使ともに日本の産業の発展あるいは生産に当たる。それはあくまでも互恵の原則、そうして対話協調の精神でそういうふうに労務対策というものを進めていかなければならない。これは日経連であろうと、最近はそういうふうに姿勢を変えてきておるわけです。そういうことが郵政省の中にはどうなんだろうかということから、実は疑問を持っておりますので御質問をするわけであります。  要するに、あなたの方針というものは、対労働組合、あるいは対労働者という関係においては、対話協調であるのか、対決であるのか。それから、いま郵政省の中には、特に労働組合としては全逓労働組合だと思いますけれども、この全逓という労働組合に対しては、第二組合をつくって分裂支配をやろう、そういうことで臨んでおられるのか、それとも、この組合を健全な労使関係を確立するという立場から認めて、育成は私は必要ないと思いますけれども、尊重をして、それぞれ自主的な成長というものを期待されるという方針になっておるのか。少なくともこの点につきましては、大臣から基本的なあなたのお考えをお聞かせしておいていただきたいと思います。
  193. 小林武治

    小林国務大臣 もうあたりまえのことを米田委員は……。
  194. 米田東吾

    米田委員 あたりまえじゃない。
  195. 小林武治

    小林国務大臣 それがあたりまえなんです。私どもも、労使というものは相互信頼、相互互恵、対話協調、あなたのおっしゃるとおりのことを考えておりまして、われわれは対決などということは考えたことはありません。したがって、組合が健全な姿であるということを心から希望しておるものでありますし、また中には、組合では、ただ官と対決するなんということばをしばしば使われておるのか、あるいは書かれておるのか、そういうことさえ聞いておるのでありますが、われわれのほうは、対決などという考えは毛頭ございません。いまおっしゃったような考え方を強く堅持しております。
  196. 米田東吾

    米田委員 大臣の御答弁をいただくとすれば、そういう御答弁だと思いましたが、私はそれを信じたい。ただ問題は、必ずしもあなたのその方針、見解というものが、いわゆるあなたの持っておられる労務管理の系統を通して、一番大事な現場の郵政省職員、労働者のところには届いておらないのではないかというふうに私は心配をしておるわけであります。この点では、人事局長からひとつ御答弁いただきますが、いま大臣は、私が申し上げたいわゆる対決でなくて、対話協調であり、労使互恵の原則の上に立って事業を進めるという御答弁、これは当然なものとしてあったわけであります。いま局長が所管されております人事管理あるいは労務管理という面では、この方針がそのまま基本になっているのかどうか、具体的に現場段階にはどういうふうにこれが徹底され、指導されておるのか、これはひとつ局長から答弁をいただきたいと思います。
  197. 山本博

    山本(博)政府委員 基本的には、もう大臣のおっしゃったとおりでございます。どういうふうに指導しておるかということでございますが、基本的な問題は、これは憲法なり法律なり、その他に明確に書いてございます。そういうことについては、いろいろな管理者の訓練、そういうような場で十分説明をしておるわけでございます。  ただ、これは蛇足になりますが、先ほど大臣が申しました対決というようなことは、こちらのほうでは全く考えておりません。ただ、従来とかく管理者のほうで引っ込み思案になる、組合というと、おそれる姿勢ばかり強くて、フランクに、いまおっしゃったような対話というような形をもっと率直にすべきではないか、非常におそれて、言うべきことも言わない、依頼すべきことも依頼しない、あるいは正すべきことも正さない、そういう傾きがそれぞれの郵便局の力関係であったということは、長い間の郵政省の労使間の中にはございました。したがいまして、もっとフランクに、率直に言うべきことを言う、それで、それぞれの管理者責任をちゃんと遂行するという意味での訓練は、同時にいたしております。
  198. 米田東吾

    米田委員 もう一点、基本的な問題としてお聞きいたします。  いま、たまたま局長から憲法のことに触れましての御答弁がありましたが、私の聞きたいのは、あなたのほうでは、私が調査した限りにおきましては、人事権、いわゆる経営権でありますが、経営権というものを徹底的に行使をされまして、そして対話というものをこわしておられる。   〔田澤委員長代理退席、委員長着席〕 また、管理運営事項というものの孤塁を守るために人事権、経営権というものを非常に活用されておるわけです。そうしてまた、この人事権、権というものが、法律では禁止しておる不当労働行為のいわば根拠にもなっているようにお聞きをするわけであります。  そこで、私は大臣人事局長に、これは最高責任者でありますからお聞きするわけでありますけれども、私は経営権、人事権を認める立場であります。ただ私は、いまの憲法のたてまえからいきまして、経営権、人事権というものは、それだけが皆さんに考えられておる権利ではない、独立したものではないというふうに理解をしておるわけです。もっとはっきり言うならば、それは労働権というものと見合った形でこの経営権、人事権というものがある。憲法の条項を見ましても、第二十五条から二十七条、二十八条、生存権に属する労働者の団結権あるいは団体交渉権、労働基本権、これがむしろ優先をしているようにもとれるわけでありますけれども、私は法律家でありませんから固執はいたしませんが、これとの関係において人事権、経営権というものはあるんだということを忘れておられるんじゃないかということを、しばしば私は現場段階での現象から受けとめるわけであります。これは非常に重要でありますから、その点はどうなのか。大臣局長からお聞きをしておきたいと思うわけであります。
  199. 小林武治

    小林国務大臣 いまの団結権にしてもあるいは団体交渉権それから人事権、すべての権利というものは、乱用はいけない。独断でやったり、これを専断でやることは慎まなければならない。したがって、人事権といえども、ただその権利者が個々の好みで、それから個々の独断でやるなんということは、これはすべきでない。やはりできるだけ多くの人の意見も聞き、やる。したがって、正当な運用ということは、いずれの場合においてもぜひ必要なことである。それから、いまの労使関係などということも、これは全く相互的な問題であるということは、私どもはあくまでも頭に置いていかなければならぬ。一方的ではできません。われわれのほうと、あるいは組合のほうがどういう誠意を示しても、官が誠意を示さなければだめだ。その反対の場合もだめだ。これは全く相互関係だということは十分理解をしなければならぬ。したがって、いまのような権利の行使につきましても、これを乱用するとか、独断専行するということは、相互にやはり慎むべき問題である、そういうふうに思います。
  200. 山本博

    山本(博)政府委員 人事権の問題でございますが、人事というのは、先ほどからお話がありましたように、大臣がかわりましても、私がかわりましても、これは郵政省の人事として長く続くものでございます。したがいまして、人事というものが、長い間、これは組合との問題ということではなくて、全従業員から信頼されるような人事でなければいけないということは、私もかねがね自粛自戒をしております。地方の人事担当者の会議その他においても、こういうものは常に公正に、だれが見ても納得できるようなやり方で、こういうものの乱用があってはいけないということについては、十分指導しております。私も、人事というのは常に公正でなければならない、こう思っております。
  201. 米田東吾

    米田委員 ちょっと私の質問が、あるいは御理解いただけなかったか知れませんが、私のお聞きしておるのは、人事権というものは、あるいは経営権というものは、決して独立したものではない。それのみが独立したものではない。要するに、経営者のみなさんや使用者のみなさんが経営権、人事権というものを主張される限りにおいては、あるいはそれを行使される限りにおいては、当然労働権というものを認める前提で行使されなければならない。このたてまえというものについての御見解をお聞きしておるわけであります。経営権、人事権がまかり通って労働権が通らない状態というものは、少なくとも現下における近代的な労使関係という今日の状態からしてはあり得ないんだということを、私は大臣から、人事局長から見解として聞かしてもらいたい、こう思って質問をしておるわけであります。
  202. 小林武治

    小林国務大臣 これはもうどっちが優先するとかいう問題でなくて、これは相互にからみ合っていく問題であろうと思う、こういうことでありまして、私が人事権の乱用等が許されないと言うことは、そういう意味であります。
  203. 山本博

    山本(博)政府委員 大臣が申し上げたとおりであります。
  204. 米田東吾

    米田委員 これはあまり議論になりませんが、私がこういう御質問を申し上げておるのは、いまの郵政省の労務管理、少なくとも現場に出ておる状態というものを見てみますと、ある場合は当然の対話が拒否される、あるいは法に基づく団体交渉が拒否される。それは、主要なものは経営権、人事権というものによって拒否される、そういうことは決していいことではないじゃないか。それから、いまの郵政省の労務管理というものを見ていきますと、管理運営事項、人事権、経営権というものだけがあって、労働権を認めるという立場というものはないのではないか。こういうことから私はそういう御質問を申し上げておるわけであります。いま御答弁いただきましたように、少なくとも郵政省の労務対策というものは、大臣人事局長が答弁されたとおり徹底するように、これは古くて新しい——いつでも私は常に新しい大事な問題だと思いまして御要請を申し上げておきたいと思います。  次に、私は三月二十一日から約三日間、札幌郵政局管内を視察いたしました。これは主として労組法第七条にいう不当労働行為を犯しておる疑いがあるのではないかということで私は調査に行ったわけであります。  念のために申し上げておきますが、これは特に社会党がこの問題を重視いたしまして、社会党は調査団を編成いたしまして、二十一日から二十八日まで約十日間ちょっとでありますが、衆参合わせまして、合計十名の国会議員がこの調査に参加をいたしました。そうして札幌郵政局における不当労働行為の事実があるかないか、労使関係がどうかということを調査をしてまいりました。したがって私は、その上に立ちまして、きわめて重要で、しかも具体的だと思われますけれども、二、三御質問を申し上げておきたいと思うわけであります。  まず第一に、私、前段の質問でもいたしましたが、大臣の労務管理の基本的な方針あるいは人事局長の方針というものが現場に届いておらないという証拠が一つ出てまいりました。これはあと同僚議員からもただされると思いますけれども、郵人管第九〇号、これは労務対策としては郵政省としてきわめて重要な指導方針である。これは一九六六年の五月二十四日に、各地方郵政局長からそれぞれの責任者に出された文書であります。しかも、この文書はそれなりの理由がありまして、国会の本委員会法律審議の段階における経過がございましてこの指導文書が出されておるわけであります。これが現場には徹底しておらない。札幌におきましては、札幌郵政局長がこの文書を握りつぶして、そうして、私どもがお聞きいたしましたところ、その趣旨については、私の方針として管内にはよく言うてあります、こういうふうには言っておりますけれども、私はこれは間違いじゃないかと思う。ここで言っている第九〇号、これが徹底されておるとすれば、あえて私がこれから以下御質問申し上げるような必要はないのでありますので、念のために読み上げておきますと一、使用者として職員に対して職責の自覚をもとめ自識を換起することは当然の職務であるが、その場合においても職員を特定の組合に加入させ、あるいはこれから脱退させ、または組合に加入させないための言動は許されないものであること。二、人事権を乱用して組合の結成または、運営に支配介入を行うことは許されないものであること。三、組合事務室、組合掲示板の使用許可、組合活動に対する休暇等の承認の如き、いわゆる便宜供与を行う場合には所定の手続に従って公平に行うべきものであること。あと四、五と二項ありますけれども、これはもう省略いたしますが、この内容を持った指導文書が一九六六年五月二十四日付で郵政省から出されておるわけであります。これは郵政省全管理者、全職員に徹底さるべき文書だと私は思う。これが一郵政局長によって握りつぶされておる。しかも、調査したところによりますと、全国郵政局長のうち三つだけが流しておる、他はほとんど握りつぶしておる、こういうような実態もいま明らかになっておるようであります。こういうことにつきましては、大臣はどう思われますか。  こういう大事な労使関係というものは、いまや経営の基本であります。少なくとも、労使関係というものをマスターできない経営者というものは資格がないといわれておる。その労務関係の最も基本になるこういう文書が、あなたの意に反して、一郵政局長によって握りつぶされるとか、あるいはあるときは掩蔽されるとか、そういうようなことは、私は許されないことだと思いますけれども、この点につきましては、いかがお考えでございますか。
  205. 小林武治

    小林国務大臣 これはまあ大事な文書でありますが、この趣旨を徹底することはいろいろな方法がある。そのまま文書を流す方法もあるし、口頭でみなに伝える場合もあるし、そういうことは郵政局長の裁量でおやりになることでありまして、各郵政局との文書によったものもあるし、あるいは普通局長会議、特定局長会議、各種の会議のおりにこの通達の趣旨を徹底しておる、そういうことでありますから、その方法は別として、徹底の手段を講じておる、こういうことでございます。
  206. 米田東吾

    米田委員 それは徹底の方法はいろいろありましょう。しかし、少なくともこういうようなものは、従来の郵政省の文書取り扱いあるいは業務の運行の慣行からいきますと、公報なり局報掲載等をもちますとか、あるいは特定の文書として、重要文書として、少なくとも労務を扱う現場までは届いておる、周知されておる、私はそういうふうに思うわけでありますけれども、この取り扱いはそうなされておらないというところに問題がある。これは大臣、率直にこの取り扱いについて誤りがあったということを認められませんか。
  207. 小林武治

    小林国務大臣 私は一々調べておりませんが、この通達の趣旨に沿って徹底方をはかっておる、こういうことでございますから、それを了承しておるのであります。
  208. 米田東吾

    米田委員 人事局長、いかがお考えですか。
  209. 山本博

    山本(博)政府委員 ただいま大臣が御説明を申し上げましたように、方法といたしましては、本省が流した文書をそのまま地方へ流すというやり方、これはその他の事例にもございます。また、そこで消化をいたしまして、現業にわかりやすいような形で、会議を使いまして、あるいは講習会を使ってそういうような形で周知徹底をはかる、あるいは、訓練の場に不当労働行為という項目をあげまして、こういうものだというので、管理者に対して特にそういう問題について訓練をする、こういう方法、いろいろな方法をとって周知いたしております。特段、文書そのままの形で流さなかったということで、これは非常に誤った方法であるというふうには考えておりません。
  210. 米田東吾

    米田委員 そう答弁されましても、大体この重要な指導文書が握りつぶされたり押えられたりしているところにおいて、私は、いま労使関係というものが非常に悪化している状態が出ているのじゃないか、たとえば札幌郵政管内において、あるいは長野郵政管内等において、とにかくそういうふうに思うのでありますけれども、人事局長文書の取り扱いですね、私は責任を追及しておるわけではありませんけれども、こういうものは、あなたの方ではもっと徹底して全管理者に周知させなければならない問題、しかも、この内容においては、郵政局長がどういう裁量を加えるとかあるいは労務担当官が裁量を加えるとかいら余地のない、きわめて基本的で、しかもわかりやすい、当時においては具体的な緊急の問題であった。それが、何かいまのような御答弁で、間違ってもいないというようなことで濁されるとすれば、私は非常に重要だと思う。そういうことであれば信頼できません。そういうことがあるから労使間というものはうまくいかないと思うのです。人事局長、これはいかがです。
  211. 山本博

    山本(博)政府委員 その当時、この通達の趣旨をどのように措置をしたかということを調べまして、おっしゃるとおり三カ所だけがこの文書をそのまま下部に流した、その他は全部管内の普通局長会議、特定局長会議、あるいはその他の講習会、あるいは訓練、そういう方法を通じて、不当労働行為というものはしないようにということを管理者に十分周知徹底をした、これは十分事実を確かめてございます。こういう方法をとったということでございます。決して途中でそれを握りつぶして、下のほうまで流さなかったというような方法はいたしておりません。  ただ、徹底のしかたが、一回限りでいいというような問題ではございませんので、私のほうでは、たとえば管理者を集めた訓練の教材には必ず不当労働行為という項目もあげてございますし、不当労働行為をしないようにということを、その際、毎年の訓練で教材として使っております。十分周知はしておるというふうに考えます。
  212. 米田東吾

    米田委員 くどいようでありますが、もう一回見解を聞きます。  いま郵政省の山本さんが指導されているこの労務管理というものは、しっぽさえつかまえられなければ、不当労働行為はどんどんやれ、やり得だ、そうしなければ、いまの全逓の組織をくずしたりあるいは支配することはできない、こういうことが公然と行なわれておるのではございませんか。いろいろ答弁では御丁寧な答弁をいただいておりますけれども、どうも私はその点についての疑念が晴れないわけであります。少なくとも私は郵政省の綱紀が弛緩しているとは思わない。人事局長の方針、そういうものは当然徹底をしているものと思う——私は思いたいのでありますけれども、それが徹底しておらない。そうだとすれば、一面では、いま局長が答弁されたような、表のつらがまえはそういうふうになっているけれども、裏のほうのつらがまえというものは、やり得だ、どんどんやれ、そうして、やった者については褒賞してやる、こういうふうになっているのではないか。そうして、その裏のほうの関係というものは、人事局長が主管するのでなくて、どこかで主管して、そうしてこれは現場の局長とか庶務課長をあまり通さぬで、ストレートで労務連絡官あるいは現場の労務担当主事、そういうところにいってやられているのではないかというふうに思うわけであります。証拠をここに持ってきておりませんから、私はきめつけて申し上げることはできませんけれども、そういうふうに実は思うわけであります。  そこで、局長からその点については、どうかあなたの良心に立ってひとつ御答弁いただきたいし、さらに言わせてもらうならば、法律の第七条では不当労働行為は禁止されておりますけれども、これについての罰則はありません。これがいわばやり得だということになっている。しかし、私はあえて時間をとって御質問申し上げましたが、これは罰則をつけないというのは、やっぱり憲法の精神に立脚しているからなんです。罰則以前の問題です。憲法でいう生存権、労働者の団結権、これはもう罰則や何かで制裁すべき問題ではない、もっと基本的な、生まれた者が生きる権利として当然認められる。そういうことから、この罰則や何かについては、それ以前の問題としてこれはのけておると私は思いますけれども、それをよいことにして、やり得だということになれば、どんなにりっぱなことをおっしゃっても労使関係というものは改善されないし、労使間の信頼というものは出てこない。  さっき山花委員の御質問大臣は、誠意をもって話をしているときにぽかっと十二月一日から全逓がなにをやったじゃないかということがありました。私は、そういろ状態はどこからくるかというと、日ごろの郵政省の労務管理というものが、常にこういうふうに二枚舌、表と裏があって、そしてその基本となるものは不当労働行為のやり得、こういうものがあるから信頼がない。これは日本の労働運動全体にもいえるけれども、特に郵政省にそれがあるのじゃないか。かつてILOからドライヤーが来て、調査をいたじまして勧告をしていきましたが、その中でも労使間の不信というものを重視して指摘をされておりましたけれども、こういう状態が改善されない限り、しかも、これは皆さんの指導のもとに、皆さんのイニシアのもとに改善されなければならない性質のものであります。そういうことがあると、せっかく話し合いをして早く解決しようとしても、不信というものがあって、大臣が答弁されたような事態だって当然あり得る。みずからまいた種じゃないかと私は言いたいくらいなんであります。そういうことでありますから、ひとつ労使間の信頼を取り戻す意味からいって非常に私は重視をしておりますので、重ねてお聞きをしたわけであります。お答えいただきたいと思います。
  213. 山本博

    山本(博)政府委員 私の良心をもってお答えせよということでございますので、私も良心をもってお答えいたします。  私は公務員でございますので、憲法並びに法律には忠実でなければならない責任を持っております。当然のことでございますが、憲法や法律にたがうようなことはしないつもりでございます。  それから、こういう問題につきましては、確かに相互不信がございます。私もそれを率直に認めたいと思います。ただ、その責任がどちらにあるかという議論になりますと、これはいつも水かけ論になりまして、やっぱりお互いが、こういうものは将来の問題として、反省をし合いながら、労使間の改善というものを対話を通じながらよくしていく努力を双方が積み重ねるべきではないかというのが私の考えであります。  したがいまして、不当労働行為の問題も、これは厳密に申し上げると、第三者機関が判定すべき問題だということになると思います。これはいろいろ問題が起こりましたときに、一つのことばをとって、片一方から見ると、これはこういう意図でこういう発言をしたのだろうという言い方も出てまいります。こちら側はそういう意図ではなかったのだという、いろいろ水かけ論が起こってまいります。したがいまして、第三者機関がこれを裁定するというのが現在のたてまえになっております。しかしこれは、私のほうと組合と話を昨年末以来いたしまして、これを全部第三者機関にかけてそれを待つという方法では、やっぱり労使間のいろいろな問題を相互に解決しようという形としては不十分ではなかろうか。したがって、そういうような問題があったときには、労使間で話し合いをして、できるだけそういうことの起こらぬようにしようではないか、これがやはり労使間の正常な関係の安定ということに役立つだろうということで、実は、現在組合との間に、不当労働行為だと組合が思う問題があるならば、こちらに提起してもらいたい。こちらがそれを調査して防ぐ、あるいはそういうことが起こらないように何らかの措置を必要とするというようなことは、お互いに話し合いをもって措置していこうではないかということで、両者の間でそういうルールをつくりまして、そういう話し合いをいたしております。第三者機関にかけるというたてまえ以上に、労使間でそういう話をしようという一歩進んだ形での解決方法をとっておりますことを申し上げておきます。
  214. 米田東吾

    米田委員 いま御答弁いただきましたように、解決のための労使話し合いの機関があることを私もお聞きいたしております。いわゆる六人委員会、これは私はいいことだと思いますし、ぜひその機能が労使の立場を越えて公平に、しかも迅速にこの種の問題の処理に当たるような機能を与えてもらわなければいけないのではないか。ただ、そういうものがあったとしても、開店休業であったり、持ち込んでも、結局は時間がとられてしまう、話にならぬ、何のことはない、あなたのほうのベースに巻き込まれるだけであって有効性がないというようなことになりますと、せっかくこと七人委員会というか、そういうものは私は意味がなくなると思う。現状はあまり機能を発揮しておらないというように私は聞いておりますけれども、ひとつ局長、どうか、いまの御答弁にありました六人委員会だけはまともなものにしていただきますよう、これは要望として申し上げておきたいと思います。  それから、この問題につきましてはまだ不十分でございますけれども、いずれまた同僚議員もこの問題についてさらに追及されるわけでありますから、私は時間がありませんので次に進みたいと思います。  札幌郵政局長は就任以来青達、黄達というものを出しました。これは郵政局長の経営の基本にかかわる指導方針であります。青達は昭和四十二年三月二十五日浅見局長が就任早々であります。それから黄達のほうは、ことしの三月一日、これは新聞にも紹介されておりますように、郵政省のほうも御存じだと思います。私はこの中身についてきょうどうこう申し上げるつもりはございませんが、そういうことについて国会議員が介入するということは、これは間違いだと思います。そういうことは申し上げません。  ただ私、お聞きしたいのでございますけれども、この青達、黄達についての意図というものがどうも納得できないわけであります。札幌郵政局長が、郵政管内の事業運営等の近代化のために、このことが確立されておるとするならば大いにけっこうでありまして、私は何も言うことはないのでありますけれども、これは私の憶測かどうかわかりませんけれども、このねらいとするところは、かつての札幌郵政管内にありました労使関係という慣行はぶち破ってしまう、一切白紙に戻してしまう、その口実として支社だ、支店だ、出張所だ、民間企業をまねするような、そういう形態をとって独立採算、積極的にやりなさい、まことに私は妙を得た発想だと思いますけれども、ねらいがどうも気に食わない。この労使関係というものは、法律だけではなかなか律することはできません。世界の労使関係の歴史を見ても、日本の状態を見ても、これは皆さんもそうだと合点されると思う。長い間つちかってきた、お互いが努力してきた一つの慣行というものがある。これは私は重要であるし、無視することはできないと思う。いまの局長は赴任以来、長年つちかってきたその北海道における労使関係というものを、まず全部取っ払ってしまわなければならぬ、ただそれをやったのじゃまずいから、こういう黄達、青達というものを出して、まず第一のねらいとしては従来の慣行を一掃する、こういうことにあるようであります。  なぜ私がそういうことを申し上げるかというと、これに関係して札幌郵政局長指導文書が出ている。これによりますと、札幌郵政局長人事部長公用の文書でありまして、普通局長、集配特定郵便局長あて人管第六五〇六号「労務管理体制の点検について」ここで膨大な点検項目を並べまして、しかもこの文書の中にこういうくだりがございます。いろいろ前後ありますが「この程度のものは報告しなくても、ということからその事実を隠ぺいしたり、あるいは今後新たに悪慣行を発生せしめた様な場合は、貴官の責任を問う所存であるから念のため申し添える。」私が重視するのは、少なくとも権限と機能を持った上役の人が自分の部下やあるいは下部機構に対する公の文書として「貴官の責任を問う。」なんていうおどかし文句をつけた文書なんていうのは私は初めて見ました。こういうまことに、何といいましょうか、これは形容がちょっとできませんけれども、こういうような文書をもって、そうして青達、黄達を徹底させる。ねらいは全逓北海道と札幌郵政局長との間に長年つちかってきたいわゆる労使慣行というものを一切取っ払ってしまう、破壊してしまう。もしそれに抵抗したり隠蔽したり従わなかった者は責任を問う、まるでファッショであります。こういうような指導文書が、公用文書が出ておるわけでありますけれども、このことについて人事局長はいかがお考えでございますか。
  215. 山本博

    山本(博)政府委員 そういう文書が出ておることは聞いております。ただ、私の経験もございますが、私がかつて郵政局長をしておりましたときに、地方の郵便局においてやはり報告すべきことを隠蔽しておったという事例がございました。それは、長い間いろいろ表に出したくない、労使間だけでいろいろな慣行ができて、それは一般の他の郵便局と比べて相当違った慣行であるというときに、それを郵政局報告しないでやっておったという事例がございました。私も、それを是正するために、必ず報告せよ、報告しなければ、その報告しないことの責めを問うということで指導したことがございます。郵政局の場合もそういう趣旨だと思います。それは聞いてみましたら、そのことによって責めを問うたという事例はないそうでございます。ただ、一般の綱紀というものを正すという意味で指導したのだと思っております。
  216. 米田東吾

    米田委員 そんなことを、局長判断で一方的にそうだと思いますでは、私は答弁にならぬし、世の中は通らぬと思う。少なくとも、これは公の文書でございます。権限を持った人事部長が管内の普通局長、特定局長に与えた文書であります。明確に「貴官の責任を問う。」と、はっきりしているわけであります。これがあるものだから、いま北海道の現場の管理者というものは戦々恐々である。その限りにおいては、その局の運営の自主性といいましょうか、そういうようなものはほとんどありません。ですから、これは単に綱紀粛正あるいは喚起をする意味でこういうことを使ったなんてことじゃありません。私は、札幌郵政局におきまして局長にお会いして、このことについてただしてまいりました。局長も、いま私が申し上げたこのことについては答弁ができないわけであります。まさか、そのとおりでございますという答弁もできなかったのでしょう。そうかといって、いま局長が答弁されたような否定もされておらないわけであります。——この文書、ありますか、郵政省には。人管第六五〇六号、札幌郵政局人事部長が出したこの「労務管理体制の点検について」という資料ございますか。
  217. 山本博

    山本(博)政府委員 まだ入手しておりません。
  218. 米田東吾

    米田委員 これは私の持っているのを資料としてあげてもいいけれども、これは札幌郵政局長から取り寄せていただきまして、十分この真意はただして追及をしていただかなければならぬと思います。大体、公用文書に「貴官の責任を問う。」なんていう文書、いままでそんなことありましたか。郵政省だけじゃなくて、よその官庁機構やあらゆる面でも、こんなのは私はないと思う。防衛庁だってこんなことばは使っていませんよ。局長、どうですか。これは不適当だと思いませんか。  これはひとつ大臣、どうですか。文書、何ならおあげしてお見せしてもいいですけれども。
  219. 小林武治

    小林国務大臣 札幌郵政局がこういう達しをしたなんてことは、その積極的な意図を、私はむしろ多としております。このくらいの考えを持って——いいかげんに、ただ一年二年過ごすというようなことじゃ局長は困る。したがって、私は、内容はよく読みませんが、こういうふうなつもりでひとつ事業を管理してもらいたい、かように考えておりますし、いまのお読みのものはまだ見ておりませんが、しかし、それは書く書かぬにかかわらず、われわれの仕事というのは責任の上に成り立っている。悪いことをしたら責任を負う。戦後無責任時代と申しまして、責任を負わないから世の中が乱れる。役所の仕事に対して責任を負う。とにかく、間違ったことをやったら責任を負う。これは当然だから、言わぬでもいいことを言ったということはあるかもしれませんけれども、私は、責任体制というものを徹底するということは必要だ、かように考えております。
  220. 米田東吾

    米田委員 それは大臣、重要な御答弁だと私は思うのですよ。前段のほうは、これを読んで受けられた感じからすれば、大臣がいまむしろ積極的にほめられておる。その点については私はどうこうとやかく申し上げません。ただ、これとの不可分の関係において、この責任を問うというおどかしをかけた。従来の慣行を一切御破算にせいというこの文書が出ておる。ですから、私が申し上げたのは、ねらいはそこにある。それについて、大臣は、それでもなおかつ、このことについては積極的でいいのだというふうにあなたおっしゃるのですか。そういうねらいについて、これは明らかであります。この文書がありますよ。
  221. 小林武治

    小林国務大臣 私は、その責任を問うことが妥当かどうか別として、役人としては、責任を感じて仕事をするのがあたりまえである。しかし、その内容いかんによっては、私は前段のことを知りませんから、どういうことを言うておるかわかりません。ただ、何か聞いておるところによると、札幌管内では昔から他の管内にもないような慣行が幾つかあるそうでございます。他の管内でやっておらぬような札幌だけの慣行……。(「いい慣行だよ」と呼ぶ者あり)いいものなら、まことにけっこうであるし、不適当なものなら直すのがよかろう、こういうふうに私は思っておるのであります。実は、いろいろな慣行とか口約束だとか、こういうのがありますけれども、とにかく十年も二十年もたっておる。だからして、悪いものは、時勢に合わぬものは直していく、こういうふうな弾力的な考えはあってしかるべきだ。どんな事態になっても、一度きめたことは直さぬ、こういうことではいけないと私は思う。こういうことで、要するに、長い間の時の経過があるから、時の経過に合わないようなものは直していくのがほんとうじゃないか。お互いに話し合いの上で直していくのがほんとうじゃないかと私は思います。   〔「そのとおりだ」と呼ぶ者あり〕
  222. 米田東吾

    米田委員 そのとおりじゃないのですよ。時勢に合わないものは直していく、それは当然だと思います。私はその限りにおいて賛成であります。問題は、労使関係というものが問題なんだ。これは大臣、どうですか。時勢に合わないということ自体があり得ないことじゃないですか。世の中は進歩する。時勢に合わせるということは、進歩する時勢に合わせるということであります。時勢に合わせるように労使関係というものも当然直していかなければならぬ。ですから、労使関係というものが、古い慣行といいましょうか、そういうようなものをいつまでも残しておくなんてこと自体が、労使関係としては本来本質的にあり得ない。これは進歩する時勢に合わせて、労使関係というものはどんどん慣行としてもおのずから労使間において改めていくのですよ。あなた方の権限や法律やなんかによって、これを押えたり、あるいは時勢に合わせるという口実で、逆に低下させるなんて事態は、これはあり得ないと思う。そういう労務対策は私はないと思う。もし時勢の進歩に合わせるならば、法的措置をして、そうして合わせていく、これが当然の姿ではないか。おくれてわるものに対して、法的措置をして合わせていく。ちょうど戦後日本が労働基本権を憲法の最も中心のものに据えて、そうして法律体制をつくりましたけれども、これこそ、時勢に合わせた労使関係というものの正常な姿を政府は求めたことになるだろうと私は思うのです。こういうものがほんとうであって、時勢に合わない慣行なんというのは、本来労使関係においてはあり得ない。これは大臣、全然認識が違うじゃないですか。
  223. 小林武治

    小林国務大臣 それはやはりあります。私が、たとえばこういうやり方はまずいじゃないかということを言うと、これは労使慣行だ、これは約束だから直せないというように、幾つかそういうものが出てきて、私も意外に思って、こういう時勢にこういうことをやっておることは適当でないと思うことはあります。それも、とにかく労使慣行——労使慣行というのは、これは法律じゃありません。お互いにきめて、やり方が自然にできたものが労使慣行であって、これも時勢によっていろいろ違っていく、こういうように思います。
  224. 米田東吾

    米田委員 とにかく大臣、どうですか、「貴官の責任を問う所存である」ということについては、これは不適当だと思いませんか。私は、こういうことを大臣が認められるなんと言ったら、こういう形式はみなよそで使いますよ。ファッショになりますよ。あなただってこんな文章を使ったことはないでしょう。これはひとつ大臣の見解をはっきり聞かせていただきたい。
  225. 小林武治

    小林国務大臣 私は、責任を問うなんということは、そんなことはあたりまえです。書かぬでもいい。それが妥当であったかどうかということは、そんなことは、役人は責任を感ずれば当然のことだ、書かぬでもいいことを書いた、こういうことは言えるかもしれません。
  226. 古川丈吉

    古川委員長 米田君に申し上げますが、時間が少し過ぎておりますから、結論をお願いします。
  227. 米田東吾

    米田委員 大臣、やはり書かぬでもいいことを書いたというふうに消極的にお認めになっておりますが、私はこのことを重視しております。大臣もしばしばおっしゃっておりますように、本来、こういうことはあたりまえなんです。そこに日本の官庁機構といいましょうか、日本の管理機構というものは、綱紀の問題として、当然のものとして系統的な体系というものが守られているわけです。ですから、これは当然のことなんです。知らないはずはないのです。よけいなものをつけ加えたなんというミスではないのです。しかし、こういうふうにおどかしをかけなければ、百も承知をして、なおかつ責任を問うぞというおどかしをかけなければ、さっきあなたがおっしゃったけれども、札幌郵政管内にあった労使の慣行というものが、浅見局長の意図するようになかなかこわすことができない。四の五の言うやつは全部首切ってしまう、責任を追及する。そういうふうにファッショのように、切りかえるために、あえて承知して用いたこれは文書ですよ。この点はひとつ大臣、よく理解をしておいていただきたいと思います。  したがいまして、これも私はお願いでありますけれども、こういう内容につきましては、札幌郵政局長から文書を取り寄せて、そして真意をただして、間違いは間違い、行き過ぎは行き過ぎとして、的確に厳重に注意されてしかるべきだと思いますから、ひとつ、局長にそのことを要請しておきたいと思いますが、まずいですか。
  228. 山本博

    山本(博)政府委員 文書を取り寄せまして、よく読みまして、それから判断をいたしたいと思います。
  229. 米田東吾

    米田委員 次に、札幌郵政局長は、ともかく大臣がおほめになるように、これはかつて本省の労務担当の重責にあった管理課長でございまして、それだけに、また、自分が本省で企画立案し、やってきたものを実際に札幌において実行しよう、あるいは、大臣からでも特命を受けて、いみじくも大臣がおっしゃったように、札幌では郵政省として好ましくない慣行がたくさんあるから、全部それを打ち破ってしまえ、そして、新しい労使慣行というものを立てろという内命があったのかどうかわかりませんけれども、とにかく青達、黄達というようなものを出しまして、いま札幌郵政管内ではこのことによってたいへんな状態にあるわけであります。業務上というよりも、当然労務上にはね返ってくると思いますが、労使関係が全く正常でない。  集約して申し上げますと、一切の慣行をまず破壊をして、それぞれの現場、職場で全逓という労働組合を圧殺してしまおう、そのために、国費を使って組合に対する支配介入をやっておる、あるいは人事権を乱用して——明らかにこれは乱用でありますが、乱用して、組合に対する反組合的思想あるいは支配介入をやっている、こういう事実がたくさんあるわけであります。私はこれから具体的な例も申し上げたいと思いますけれども、こういう実態にあることについて、札幌郵政局長からも、私どもが行っていろいろ事実を聞いてきておりますから、相当な報告本省に上がっていると思います。  人事局長から御答弁いただきたいのでありますが、札幌郵政におきましては、労使関係というものはいま正常になっておりますか。問題がたくさんあるのではないかと思いますけれども、あなたのほうではどんなに見ておられますか。この関係につきましては、全逓とあなたのほうと、いろいろ不当労働行為の疑わしい問題等については交渉をやられておるようにも聞いておるわけであります。いまあなたのほうは、札幌郵政のこの労務関係労使関係というものをどういうふうに理解をされて、どういう指導をなさっておられるのでございましょうか、質問に入る冒頭に、ひとつこのことを局長からお聞きしておきたいと思います。
  230. 山本博

    山本(博)政府委員 先ほども申し上げましたように、労働問題というのは、全国同じ条件で、同じような処理のされ方をしておるのではございません。たとえば、先ほどお話に出ました慣行の問題なんかも、これは千差万別、いろいろなものがございます。すべて全国一律のものさしというものはございません。したがって、どれが正常で、どれが不正常というのは、やはりそれぞれの管内のいろいろな従来の経緯、そういうものを考えながら、正常であるか正常でないかということをはかると思います。北海道の場合が正常であるか正常でないかということを、どういう部門で、どういうものさしではかって判断をするかというので、いろいろ違うと思いますが、現在起こっている問題というのは、私は労使間の不幸な事態だとは思いますけれども、これはやはり管理者側のものの考え方、労働組合のものの考え方、それぞれに相当いろいろな違いがございますし、立場の違いもございます。意見の違いもございます。そういうものが対立しておるということは現状においてございますけれども、これが直ちに——労使間というのは、協力し合うときもございますが、同時に、いろいろな意味で対立するときもございますので、一律に、意見が違った場合に直ちに不正常だというふうにきめつけるわけにいきません。現在の事態、先ほど申し上げましたように、不幸な事態でございますので、こういう問題については、労使間でできるだけ努力をして解消していきたい問題だというふうに考えております。
  231. 米田東吾

    米田委員 あなたがおっしゃいましたように、労使の慣行というものは、これは全く全国それぞれの事情によって異なるわけでありますから、これはあなたのおっしゃったとおりだと思う。ところが、北海道にあるそういう慣行については、あなたのほうでは、意に反する、郵政省としておもしろくないということであなたが答弁された。その慣行を北海道においては認めないで、一方的にすべてあなたのほうの方針どおり一線にそろえる、こういうことが行なわれておるから問題が起きておるのです。だから、私どもも調査をしなければならないような事態になっているわけなんです。どうかひとつ、局長から一貫した答弁をしていただきたいと思う。全国郵政局、しかもまた全国一万七、八千の現場郵便局、全部私は法律——ある場合は法律を上回っているところもあると思う。法律というのは最低の基準であります。上回っているのは当然だ。ある場合は、その法律までいかない慣行もあるでしょう。しかし、それはそれで私はいいと思う。労使双方が努力をしてそういう慣行をつくってきているわけだから、認めてやるべきだと私は思う。ところが、北海道においては、気に食わないからといってこれを否定されるわけです。その矛盾を私はいまついているわけです。しかも、あなたはそういう答弁をされますけれども、相当これにはあなたのほうでは、まあ特別予算措置をしているかどうかわかりませんけれども、国費の乱用を認めて支配介入を黙認されておるんじゃないかと思われるわけでありますけれども、そういうことはございませんか。まあ、そういうことは本省局長でなくて現場の郵政局長だと思いますけれども、私は、郵政省の方針として、きわめて重要なある証拠を手に入れておりますので、念のためにあなたにお聞きをするわけでございます。どうでございますか。
  232. 山本博

    山本(博)政府委員 私は一人一人全部当たったわけではございませんが、本来、そういうようなことはあるべきことではないと思っております。
  233. 米田東吾

    米田委員 私は、ここで局長にひとつお聞きをいただきたいと思うのです。いかに、あなたのほうがやらないやらない、やってはいけないと言っておられます不当労働行為が公然と行なわれておるかということを、私は証拠として申し上げたいと思う。  いま、これから私が読むのは、これは北海道ではありませんよ。しかし、郵政省の方針であることにおいては変わりはない。なかなか全部資料として手に入れるわけにいきませんから、手に入ったものだけを申し上げますけれども、ここでは明らかに郵政省と全郵政、それから現場の人事部、労担、現場長、そういうものが一体になって全逓の切りくずしをやっているということは歴然としているわけだ。この文書を私は出しませんが、読み上げます。これは全郵政という第二組合支部長が、その上部機関にあてた文書、手紙であります。  前書きがありますが「又、人管からは大田係長が先行され、実に万全の体制で、大いにムードがあがり、この機を逸せず大戦果をおさめるべく、今后頑張る所存でありますから、」——ここでは人管から大田係長が先行され、実に万全の体制で大いにムードづくりをやっている。これは支部長が、たまたま全郵政の本部から来たオルグとの関係においてこういうふうに報告をしておるわけです。  それから、具体的にその上部機関に対して要請している幾つかの内容があります。  これは全郵政の本部の中村委員長に対する要請でありますが、「三月二日頃、本省人事部長を通じ」——これは本省人事部長とあるのは、部長が局長になったのをわからないのじゃないかと思うのです。「本省人事部長を通じ長野人事部長並びに人管の課長を当支部に派遣される」よう要請してください。全郵政の中村委員長に対して人事部長に、あなたに話してくれ。「長野人事部長並びに人管の課長を当支部——これは長野のある支部であります。「当支部に派遣される」よう要請してくれ。  「2、課長と阿智千代、天竜峡局長と会わせること」——この課長というのは、おそらく管理課長だと思うのです。  それから、三番目に「当支部より十五名以上の全逓局員の中から一名ずつ四、五名を東京に送り込む。部長に会見させる。其の旅費は当支部に全くないから本部で見てもらいたい。」——ここでは、全逓組合員を何らかの名目で東京に送り込むから、本省の部長に会見させてやってくれ、こういうことを言っている。  それから「飯田の代表者と懇親会の費用がなく支部長個人が負担」しているから「郵政人管に行って渉外費として、二、三万飯田郵便局長に送金する様に交渉してもらいたい。(飯田郵便局長と話はできている)」——これはかっこしてつけ加えてある。  それから次に「浪合郵便局長の給料が頭打ちであるから功績者として二、三級上格されたい。」——第二郵政は特定郵便局長の給料まで心配してやってくれております。  その次「人管管理者を平谷、根羽に送りこんでもらいたい。」  その次「郵政の阿部さんを送って頂きたい。(飯田局のみ)」——これは人管だと思います。  それから「浪合郵便局に臨時者を雇う賃金を増額してもらいたい。」——支部長が三月は全局をかけ回るため、他の者に負担がかからないような措置を頼むんだ、こういうことであります。  さらにまた「人管の動きに注意して動いた時タイミングを合致させる必要があるから」連絡をしてもらいたい。  それから「本省の指示が各特定局長に指示徹底がなされていない」、——こういうことだから注意をしてくれ、こういうことであります。  「三月下旬までには一斉のろしを上げるべく対策を樹てるから万全の支援を頼む。」こういうふうに結ばれております。  これは全郵政の支部長が、上部機関に対して組織のいろいろな対策を要請した手紙でありますけれども、このように、明らかに人管の関係、金の援助、こういうことがいわれておるわけであります。あり得ないことが平気で指示の中に自然に出てきておる。こういうことが現実に郵政省としてあるんじゃないですか。おれは知らぬというふうには通せないと思いますが、局長、いかがでございますか。
  234. 山本博

    山本(博)政府委員 全郵政の文書でございますし、その中にいろいろ私のことが出ておりますが、私には全く思い当たる節がございませんので、おそらく全郵政自身としてのいろいろな希望あるいは見込みあるいは願望、そういうようなものがいろいろな形で入っておるのではないかと思います。  私の立場として申し上げられるのは、省としては、そういうことは一切関知いたしておりません。
  235. 米田東吾

    米田委員 見込み、希望、これはあり得ること自体がおかしいし、あり得るはずはないのですね。省と労働組合との関係、ましてや金の関係、ところが、それが自然に希望となり期待となりお願いになって出てきておるような情勢というものを、あなたはお認めになりませんか。気違いでもなければあり得るはずがない。こんな手紙を書くはずはないでしょう。それが自然な形で平気でこういうことを期待あるいはお願いをしてくるということを言っている。ここまで現状はきているんじゃないか、こういうふうに私は思うのでありますけれども、局長、どうでございますか。
  236. 山本博

    山本(博)政府委員 先ほど申し上げましたように、郵政省としまして、そういうことに関与するつもりもございませんし、そこの文書に書いてあるということに思い当たる節もございません。
  237. 米田東吾

    米田委員 もう時間もあれですし、これは局長と論争してもしようがありませんから、いずれまた機会と場所をかえて、もう少し局長から説明をいただきたいと思います。  次に、私は、はしょりまして、非常に重要な問題が一つだけ残っておりますので、このことで、場合によると委員長にもお願いしなければならぬと思いますから、ただしておきたいのであります。  私は稚内郵便局にも行きまして、いろいろ事情を聞いてまいりました。それから、札幌郵政局長並びに管理課長、あるいは人管の課長補佐という方々にも会って話を聞いてまいりましたが、たまたま、私どもの調査で上がってきた資料の中で出たわけでありますけれども、苫小牧の郵便局の天野幸衛事務官、これを業務連絡あるいは打ち合わせということで、三月の一日に札幌の中央郵便局に出張をさせております。そうして、その機会を利用して、札幌駐在の池田という人管のいわゆる労務連絡官、課長補佐でございます。これが自分の部屋に呼んで、いろいろ話をされております。その際の記録を私は入手しているわけであります。これは本人の記憶に基づく記録でありますから、正確だとは私は申し上げませんけれども、しかし、その後わが党の加藤代議士、渡辺惣蔵代議士が直接苫小牧に行きまして、本人に会われまして——本人というのは天野君であります。会われて、記憶に間違いがないかどうかただしております。その結果、間違いがない、きわめて鮮明に記憶を持っておられることもわかりました。それで、非常にこの中身が重要でありますので、私は機会を失しても困りますから、札幌におりましたときに、特にこの札幌中央郵便局駐在の池田事務官にも来てもらいまして、その真意をただしたわけであります。しかし、そのときは一方の天野君がおりませんので、しかも立ち会い者が一、二おりましたが、その諸君もおりませんで、当人だけでございましたから、非常に大事な部分についてはほとんど記憶がない、あるいはそういうことを言わないようだ、こういうふうに濁して、大体否定をされておるわけであります。しかし、これはそれで済まされるべき問題ではございませんので、私はここで大臣局長から見解をお聞きして、何とかこれを解明する措置を講じてもらわなければいかぬだろうと思いまして御質問するわけであります。  大体八項目にわたって言っておりますが、その中で私が重要だと思われますのは、公務員として、日本社会党に対する誹謗、それから憲法に対する誹謗あるいは侮辱、そういう事項がございますので、その点について、おそらくあなたのほうにも、私どもが調査をしたわけでありますから報告は来ておると思いますから、申し上げて見解をお聞きしたいわけであります。  幾つかありますが、省きまして、重要な部分としてこういうことを言っております。「現在の憲法は資本主義からなっているものであるから、自民党が憲法改正をとなえているとき社会党が改正に反対するのはおかしなことであるし、自分の国を守ることからして自衛隊しかり、倉石発言などは日本人として当然である。また社会党が国会で郵政の組織介入をとり上げているが、これもおかしいことだ。こういうことからして、社会党は国の政治を混乱させるだけである。敗戦後の日本の復興は資本主義であったから出来たことであり、社会主義であれは出来なかったであろう。」——あとありますが、特に重要だと思われるのは、いま私が読み上げたこの点であります。  このことを言ったのは、社会党並びにいまの全逓というものを誹謗することによって全逓から脱退をさせ、そして、いま札幌郵政局が手がけておるいわゆる良識グループといわれるグループにまず入れて、そして全郵政の結成に移行していく、そういう意図を持っておる。この池田という課長補佐でございますか課長代理でございますか、これがこういうふうに本人に言っているわけであります。これは局の施設の中の労務連絡官室で勤務時間中にやっているのであります。  これについて人事局長からまずお聞きをして、総体として大臣からも見解をお聞かせ願いたいと思っております。
  238. 山本博

    山本(博)政府委員 これは、過日組合のほうから同様の申し立てがございました。申し立てがございましたので、私のほうから現地に課長補佐を派遣いたしまして、それで、いまお話が出ました天野君、それから労務連絡官池田君の両方から事情聴取をいたしまして、そういう事実があったかどうか、両者の意見を聞きました。  で、いろいろ両者の意見の内容に食い違いがございまして、完全に一致いたしておりません。天野君が言っておりますのは、ただいま御説明がありましたように、大体日本の憲法は資本主義からできておる、したがって自民党が憲法改正を主張しているが、社会党が反対をしている、しかし、資本主義ならば憲法改正を自民党がするのはあたりまえなんじゃないか、倉石発言は当然ではないか、こういうふうに言われたというふうに天野君は主張しております。それで池田君に聞きましたときには、池田君は、大体いまの社会が資本主義であるということは本人に話をした、またその際、倉石発言を取り上げたことは事実である、しかし、倉石発言を取り上げた取り上げ方は、本人にストに参加しないように、ストは違法だからストに参加しないように、君個人はどう思ってもストに参加せぬようにという話をして、たとえば、という例で、倉石発言も個人の意見ならばかまわないのだけれども、公人としてはやはりああいうような形になってしまう、やはり責めを問われた、だから君も、個人的にはどういう考えを持っても、公人としてはストに参加しないように、法律というものを十分守るようにというときの引例として倉石発言を用いた、それで倉石発言内容についてのある程度の説明をしたという内容になっております。  私のほうがこの両者の問答を聞きまして、法律に違反せぬようにという説明をする材料としてこれを用いたのだが適当かどうかということになりますと、私も、もっといい例がたくさんあったのではないかと思いますが、本人が申しますのは、個人的にどう思っても、公人としては法律を守らなければいけない、公務員としては法律を守らなければいけないという事例で説明した、こういう形の説明をしておる、私どものほうの調査ではそうなっております。
  239. 米田東吾

    米田委員 これは、時間もありませんし、私がいろいろお聞きをしても、当事者もいないわけだし、それから、局長からも有利な部分については、きわめていいようにこじつけて答弁されておりますけれども、そういうことでは問題の解決に私はならぬと思う。  そこで私は、いずれ委員長から善処をお願いしたいと思いますが、もう一回だけ聞いておきますけれども、社会党に対する誹謗については、調査をいたしておられますか、おられませんか。
  240. 山本博

    山本(博)政府委員 この点につきましては、本人に問いただしましたが、そういう点については全く発言をしていないという言い方をいたしております。
  241. 米田東吾

    米田委員 大体、私どもが調査したところによりますと、約一時間ちょっとの時間が池田課長補佐とそれから天野君との話の時間になっておるようであります。私どもがただしたのは三月二十三日、こういう事実があったのが三月一日、まあ約二十二、三日たっております。それから時間も長い、したがって、言ったというその池田事務官に対しましては、いろいろお聞きをいたしておりますが、記憶があまりはっきりしておらない、終始そういうことでございましたが、肝心な部分になると、きわめて明晰な記憶を持っておる。そういうことはやらない、言わない、あるいは、こう言ったのだ。それ以外のところになると、ほとんどどう言ったか忘れました、あるいは、よくその記憶はありません、そういうふうにぼかすわけです。しかし、大事なところはもうはっきりと否認をされる。私ども司法権があるわけでありませんし、しかも、国政調査権の乱用だなんて言われても困りますから、冷静に事実について調べたいと思いましたが、そういうことであります。いま、あなたが調査をされた段階でも、社会党に対する誹謗は、そういうことは言ってないし、言う筋もないというふうに大体調査されているようです。みんなこれは一方的な調査であります。信用できません。  私は特に重視しなければならぬと思いますのは、やはり国家公務員でありますから、憲法に対する見解、これは誤っておってもらっては困る。これは明確にしてもらわなければならない。  それからもう一つは、日本社会党に対する誹謗であります。社会党は国の政治を混乱させるだけである。これは私は、公務員として、しかも勤務時間中に役所の事務室でこういうことを一あなたは言ってないと言っておるけれども、とにかく、聞いた本人は明確に私どもの調査に対して証言しておるわけであります。一方のほうの本人は、いま申し上げましたように、きわめて不自然であります。天野君のほうは、一部始終明断である。池田君のほうは、きわめてあいまいなところが出たり、ぼかしてみたり、あるいは、はっきりしておるところがあったり、郵政の事務官ともあろうりっぱな人でありますから、人間としても大体そんなにアブノーマルでは私はないと思う。  ですから、これをただすには、この委員会に来てもらいまして、両人をそれぞれ喚問していただきまして、誤りがあっても困りますから、両人をひとつ呼んでいただきまして——これは、社会党としてはきわめて重要な問題でございます。場合によれば、私どもは党議にかけてこの問題は明らかにしなければならぬと思いますけれども、一公務員の問題をそれほどまで大げさにする必要はない、とにかくそういう措置をしたいと思いますが、これは委員長からも配慮いただきまして、理事会でひとつ十分審議をして、私の要請にこたえる結論を出していただきたいと思います。  はっきり申し上げておきますが、札幌郵政局人事部管理課課長補佐池田隆徳君、それから苫小牧郵便局郵便課郵政事務官天野幸衛君、この二人を、私は、国会議員の権威、また社会党が誤解される事態をそのまま認めておくわけにいきませんので、社会党の権威にかけてもこの経過を明らかにしたいと思いますから、この委員会にひとつ証人として呼んで事態を解明されますように、委員長理事会の取り計らいを要請しておきたいと思います。委員長、いかがでありますか。
  242. 古川丈吉

    古川委員長 米田君の提案がありましたから、理事会相談をいたします。
  243. 米田東吾

    米田委員 時間もございませんし、たくさん資料がありますが、きょう私は特に重要だと思われる問題についてはお聞きをいたしましたから、これで質問を一応打ち切りまして、きょうは終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
  244. 古川丈吉

    古川委員長 本会議散会後再開することとし、この際、休憩いたします。    午後一時五十六分休憩      ————◇—————    午後四時十一分開議
  245. 古川丈吉

    古川委員長 これより再開いたします。  郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。武部文君。
  246. 武部文

    武部委員 ただいま審議中の切手売りさばき料の手数料の改定問題でありますが、先ほど米田委員からも話がありましたように、この法律がどのように決定されましても、第一線の現場でこれを処理する管理者なりあるいは従業員のそういう立場に重要な問題があれば、それは非常に重要視しなければならぬと思いますので、米田委員発言等に関連をして、大臣並びに郵政省の見解を承りたいと思います。  先ほど大臣は、米田委員質問の際に、相互信頼あるいは互恵、対話ということを非常に強く主張されておりました。ところが、いろいろ質問内容を聞いており、回答も聞いておりますと、残念ながら、大臣がいかにそのように言われようとも、現場の第一線においては全く相反する具体的な事実が次々と出ておるようであります。  私も、去る三月の終わりに北海道へ三日間参りまして、三日間のうちに、わずか三局でありますが、比較的小局を見てまいりました。その現場でいろいろな事実を知ることができたのでありまして、そのような点から具体的な事実をあげて、ひとつ見解を承りたいと思います。  その前に、私どもは札幌の郵政局へ参りまして郵政局長といろいろ話し合いをした中で、郵政局長が最終的に答弁をいたしましたことは、先ほど問題になった郵人管第九〇号、一昨年の五月二十四日の通達についてでありますが、それを流していない、しかし、その内容についてはあらゆる会合等を通じて管理者に話をしてある、こういう話でありましたが、その流していないという事実はおかしいじゃないかということを問いただしました結果、最終的に、その通達を地方へ流す、流したら、その通達の写しか何かを、私ども参りました議員団のほうへ必ず郵政省を通じて報告をする、こういう回答が浅見郵政局長からありましたが、その取り扱いがどうなっているか、まず最初にお伺いしたい。
  247. 山本博

    山本(博)政府委員 三月の二十五日の日付でございますが、札幌の郵政局人事部長から地方の郵便局長あてに依命通達を出しております。その結果、こういう通達を出したということは島本委員のほうに連絡済みでございます。
  248. 武部文

    武部委員 そうしますと、文書で各現業管理者に出しておるというふうに理解してよろしゅうございますね。
  249. 山本博

    山本(博)政府委員 そのとおりでございます。
  250. 武部文

    武部委員 そこで、具体的な問題についてお聞きいたします。  人管九〇号によると、かねてから使用者の立場にあるものは、いやしくも労働組合法で定められた不当労働行為、そうしたものにわたるような行為は行なうべきではない、こういう人管九〇号の趣旨の通達が、かりに札幌においてはつい先日流されたにしても、郵政局長は、訓練、その他会議等を通じていろいろとその精神は通知をしておる、こういうふうに言っておったわけです。その通達の中に、人事権の乱用は厳に慎まなければならぬ、あるいは、組合の結成または運営に支配介入してはならぬ、こういう具体的な項目があるわけであって、このことは、大臣の言明から見れば当然のことである、こういうことでありました。  ところが、以下申し述べるような具体的な事実から見ると、このような通達が、全く地方の一番下の段階にいっていない。いっていないどころか、むしろ逆の事実が次々と私どもの耳に入ったのであります。私は、この具体的な事実をひとつ申し上げて、郵政局長の見解を承りたいと思います。  まず、人事権の乱用、このことについては、組合組合員である、組合員ではない、あるいは、どの組合組合員である、こういうことを問わず、いやしくも管理者はこのことについて介入してはならない、こういうことが具体的にいわれておるのであります。私が回った三つの局、それは何も抽出して回ったわけではありませんが、滝川局、美唄局、上砂川局の三つ、これは隣接局で、局員の数は大体七、八十名という非常に小局であります。  そこで具体的な事実を聞いてみると、たとえば、全逓という労働組合におったのでは、主事、主任というそういう役職につくことはできぬ、あるいはまた、級別定数からいうと、二級とか一級とか、そういう昇格もおくれる、したがって、早く全逓をやめたほうがおまえの身のためだ、こういうことを具体的に言っております。これは名前をあげて申し上げてもいい。そういうことが許されていいかどうか。まず最初にこのことからお聞きしておきたい。
  251. 山本博

    山本(博)政府委員 人事を行ないますときに、どちら側の組合になっておるか、そういうことは全く関係いたしませんで、そのポストに最も適材を選ぶということで人事をいたすのが当然だと思います。
  252. 武部文

    武部委員 したがって、もしかりにそういうことが行なわれておったとすれば、それは郵政省の意思に全く反した管理者だといってよろしいですね。
  253. 山本博

    山本(博)政府委員 そういうことが完全に実施をされましたら、おっしゃるとおりでございます。
  254. 武部文

    武部委員 その場合に、これは明らかにあなた方の通達に違反をした行為でありますが、その責任をとらせますか。
  255. 山本博

    山本(博)政府委員 通達違反ということよりは、人事権を正しく行使しなかったという意味で、責めを問うということになると思います。
  256. 武部文

    武部委員 時間の関係で、たくさんのことを申し上げたいので順序が不同になりますが、こういう事実は御承知でしょうか。  先般、北海道の深川という局で労働組合が分裂をいたしました。去年の十月二十日に職員が一名この局に採用されたわけでありますが、その採用される際に、先ほど米田君の質問に答えられて、労務対策その他の面については、末端の局においては庶務会計課長ということを言われたわけでありますが、この深川の庶務会計課長は、いまの組合は官の言うことを聞かない、ネームプレートもつけない、君は官と組合とどっちが悪いと思うか、君たち若い人がこちら側につかないと、組合を弱くすることができない、こういう意味のことを言って、おまえは一体どうだ、こういう問いたかしを、採用をする間接の際に言っておる。これには若い青年は返事に困った。ところが、返事に因るようでは採用できぬ、こういうことになります。そこで、採用してもらわなければ困るわけですから、適当なことを言って、いいように、向こうの気に入るような答弁をして採用になった、ところが、これは採用になって全逓組合に入った、そうしたら、今度は、あとでこの男を呼び出して、全逓の脱退を慫慂しておる、この事実があるわけであります。  これは明らかに不当労働行為であると思いますが、こういう事実を知っておられますか。
  257. 山本博

    山本(博)政府委員 私のほうが本人について調べましたのでは、採用の際、法律をよく守るようにということについて、これはいわば新任の者についての当然の初任者訓練でございます。法律を必ず守るように、また、法律には、ストというものは現在禁止されておるということは、いわば初任者訓練の一部として話はしたけれども、組合を脱退したほうがいいというようなことについては、本人はその職責上からも言うはずはないと私は思っておりましたが、調べた内容におきましては、そういうことには触れておりません。
  258. 武部文

    武部委員 これは、本人がこの目の前におるわけじゃありませんから水かけ論になると思うのですが、いまの人事局長のことばを聞きますと、訓練ということをおっしゃっておるが、私どもの調べたところでは、採用の際の面接の場合のことなんです。入ってしまってからあとのことじゃないのです。採用の面接の際にそういうことを言って、初めて局に採用をされるかどうかという、そういうこの若い人にとっては、これから新しい職場がきまるのかきまらないかというたいへん大事な場面で、そこにある労働組合を誹謗し、同時に、それに入ればおまえは普通の人間じゃないというような意味のことを組合の名前をさして言うことは、これは明らかに不当労働行為だ、私はそう思います。あなたのおっしゃっておる訓練というようなこととは、これは日にちも全然違うわけでありますが、いかがでしょう。
  259. 山本博

    山本(博)政府委員 私が訓練と申し上げましたのは、私たち調査の際そういうところまで調べましたので、つい先のほうまで申し上げました。  いまおっしゃった点だけに焦点を合わせますと、採用の際、確かに、法律を守ることができますかということを強く本人に問いただして、法律を守るという言質を得てから採用するかしないかをきめるという態度を示したのは事実でございます。
  260. 武部文

    武部委員 法律を守るとか守らぬとかいう、そういう抽象的なことではないのです。具体的にはっきりと言ったことを、本人がそのように言っておるわけですから、これは間違いない。したがって、これも先ほどから言うように、この現場で水かけ論をしてもしようがないわけですが、こういう事実が、これから申し上げるようにたくさん出てくるのです。  次に進みます。上砂川という局で、これはちっちゃな局ですが、この三月、二回にわたって六人の人事異動が行なわれているわけですね。この人事異動、これは特に官庁執務時間でもない、いわゆる交代制勤務の者もおるわけですが、即日強制的に配置転換が行なわれる。こういう例は、私どもから見るとおかしいと思うのです。特に、郵政省と組合との間に結んでおるところの勤務時間および週休日等に関する協約の第十九項によれば、こういうことはできないはずなんです。それが突然その日に休日発令というような形でぽんぽんぽんぽん異動されておる。こういうことを御承知ですか。
  261. 山本博

    山本(博)政府委員 まだ聞いておりません。
  262. 武部文

    武部委員 これは明らかに、六人の人間を調べてみると、当該の局の組合の役員がその中にたくさん含まれておるわけです。したがって、組合の役員を突然その日に勤務形態の全然異なるところにぽんぽん発令しておる。こういうことは、勤務時間協約の十九項によって違反じゃないかということを私は局長に問いただしました。そうしたところが、この勤務時間協約十九項にただし書きがついておる、そのただし書きを実は運用上利用した、こういうことを言うのであります。  しかし、この内容を調べてみると、ただし書きというのは、よほどのことがないとそのただし書きの運用というものはあり得ないのです。本来は、この勤務時間協約の十九項、その原則を適用しなければならぬのに、原則を適用せずして、ただし書きをどんどん乱用して、即日異動する、これは明らかに人事権の乱用だと思うわけですが、どうですか。
  263. 山本博

    山本(博)政府委員 具体的な事実をもっと調べてから、はっきりお答えをいたしたいと思います。
  264. 武部文

    武部委員 それでは、具体的に調べて、報告をしてください。  次に胸章、ネームプレートの問題について、ちょっと質問をいたします。  この胸章については、郵政省としては、これをつけるつけぬということについて、つけない者をどうするというような具体的な指導をしておりますか。
  265. 山本博

    山本(博)政府委員 全国的に取りまとめた形での指導はいたしておりません。
  266. 武部文

    武部委員 そうすると、各郵政局なりあるいは現場の長にその取り扱いを一任してあるというふうに理解してよろしいですか。
  267. 山本博

    山本(博)政府委員 一般的にはそのとおりでございます。
  268. 武部文

    武部委員 そうすると、もしつけていない者に、郵政省として、人事局長として、それが何か、法律違反とか郵政省の通達に違反するとかいうことで、たとえば処分するとか、そういうことを考えていますか。
  269. 山本博

    山本(博)政府委員 それはただいまお話しがありましたように、各それぞれの局所の長にその裁量を委任してございますので、各局所の長が自分の命令という形で職員に流せば、命令になります。どういう形で出しておるか、局によって違うと思いますが、いわば命令という形で出せば、命令違反になりますが、これが直ちに懲戒という事案にあたる命令違反か、そうでないかということになると、いろいろな見方があると思います。
  270. 武部文

    武部委員 そうすると、滝川の郵便局庶務会計課長が、この胸章、ネームプレートをつけていない者は滝川の局員でない、職員でないから、もう出てこぬでもいい、こういうことを具体的に言っておるわけですが、これはどうですか。そういうことは正しいと思いますか。
  271. 山本博

    山本(博)政府委員 表現がどういう表現をしたか、これも確かめてございませんが、もし、胸章をつけるように局内に通達を出したということが背景にございますとすると、胸章をつけるように局員に勧奨したりあるいは要請したりということは、局長として当然して差しつかえないと思います。いまおっしゃったような表現のしかたというものは、適当な表現、あるいは少し行き過ぎの表現、そういうものはあるかと思いますが、それも具体的によく調べてみたいと思います。
  272. 武部文

    武部委員 もし行き過ぎが事実とすれば、間違いだ、しかし、具体的に調べてみるということですね。こういうことをいろいろ調べてみると、次から次へと出てくるのです。  それから上砂川、ここには庶務会計課長というのがいなくて会計長というのがいましたが、これはネームプレートをつけて、命令に従わなければ、処分する、昇給、昇格に影響する、こういうことをはっきりと職員に言っておるわけです。これはどうですか。
  273. 山本博

    山本(博)政府委員 これも同じことでございますが、そういう表現をしたかどうか、これもよく調べてみます。  やはり、私のほうといたしましたら、局長が胸章をつけるということをきめて、それを局内に通達をいたしましたら、従業員は胸章をつけるのが妥当だと思います。したがいまして、それをつけさせるように努力をするのは、管理者として当然のことだと思います。ただ、つけさせる方法について、協力あるいは命令に従ってもらうという形で十分説得をするほうがよろしいのであって、それを直ちに処分をするぞという、いわば、すぐに処分権という形と結びつけた表現をするのがいいのかどうか、これはよく調べてみたいと思います。
  274. 武部文

    武部委員 いま私は二つの例を申し上げたわけですが、まだまだほかにもあるのです。時間の関係で、実は省略して二つ言っておるわけですが、具体的に、ネームプレートをつけないから局員じゃない、あすから出てこぬでもいい、あるいは昇給、昇格に影響する、あるいは処分する、こういうことを管理者が職員にしきりに言っておる、こういう事実があるわけです。あなたのほうは、調べてみなければわからぬとおっしゃる。これ以上のことは、言っても確かに水かけ論ですが、これは明らかに逸脱行為だと思うのです。  それで、まず一つ苫小牧の例を私聞いたわけですが、苫小牧の局では、そういうことは一切押しつけはしないと言っておるのです。その面においては、この苫小牧の局がやっていることが正しいと私は思うのです。押しつけはしない。ところが片一方で、押しつけどころか、もうあしたから出てこぬでもいい、こういうことが表現上どんどん出ておる。こういうことが紛争の原因になっておるということを聞いて、私どもは、これはまことに行き過ぎもはなはだしいと思った。ですから、このことについては、ひとつあなたのほうで具体的に調べてもらって——胸章をつけておらなければ局員じゃないから、あしたから出てこないでいいということは、これは少し言い過ぎもはなはだしい。具体的に調査の上、ひとつ御回答をいただきたい。大臣、何か御意見ありますか。
  275. 小林武治

    小林国務大臣 私は、つけろと言ったら、つけたらよさそうなものだと思う。何でもないことじゃないですか。局員が、いまあなたのおっしゃったようなことを言うとすれば、それは言い過ぎであります。何も意地はって——つけたらいいと思うのです、局内におる間だから。しかし、そういうこと言うとすれば、言ったことは言い過ぎであります。私は、もう少しすなおにつけたらよさそうなものだ、こういうふうに思います。
  276. 武部文

    武部委員 つけたくない者につけさせる必要はないのです。その辺は、お互いが職員としての良識でやればよろしいのですから、つけなければ、おまえはばかだ、ちょんだなどと言わなくてもいいのです。だから、言い過ぎだけはやめてもらいたい。私どもの言っておるのは、そのことが労使の紛争の最大の原因になっておるということです。  次に、私はこの事実について、ひとつ郵政省の見解を求めたいのであります。通信課長というのはあまり普通局にはいませんが、上砂川という局は電話の交換事務を持っておったために通信課長という名前があります。この局で次のような事実が発生をして、人権擁護委員会にこれを提訴するか、あるいは、人権無視としてこれをどういうふうに取り扱うかということで、いろいろ問題になっておるという具体的な事実を私は聞いたのであります。  この通信課長は、前職は函館の郵便局の郵便指導官であります。そこの若い郵便外勤の青年が、同じような職場にある小さな局ですから、たまたま通信課長の机の上のゴム板をはぐった。紙が出ておったので、はぐった。これは確かに、私どもから見ればいいことではない。管理者の机の上にあるゴム板に紙のはじっこが出ておった、それをはぐった。この事実は私はいいことではないと思う。悪いことだ。本人もそのことについてはあやまっておる。ところが、この課長はその事実を自分で見ていなかったが、たまたま課長の娘さんが臨時にその局におってその事実を見ておったので、おとうさんにつけ口をした。そこでその課長は、まず、はぐっていない人間に嫌疑をかけて、しきりにこれをおどした事実がある。ところが、それはそうでなかったというので、具体的な人物がわかったというので、今度はその男に、なぜはぐったかというところから問いただした。私はその辺まではあり得ることだと思うのです。ところが、聞き捨てならぬことをこの課長は言っておる。人のおるところでさえそういうことをするのだから、人のおらぬところではどういうことをするかわからぬ、おまえは郵便を盗んだことはないか、盗んだんだろう、こういう嫌疑をかけたわけであります。郵便物を盗んだ嫌疑をかけたわけです。あまつさえ、自分は前の局におったときに、ある局員が局のストーブで郵便を焼いておったのを見た、たまたま見つけたが、そのときに本人があやまったのでかんべんしてやった、こういうことを言っておるのであります。きょう具体的に、時間がないのでたくさんな事実はあげませんが、たいへんな課長であります。他人に郵便物を盗んだという嫌疑をかけて、しきりにそれを脅迫に使った。同時に、両親まで呼び出してそれを追及しておる。さらに、私どもの聞き捨てならぬことは、先ほど言ったように、郵便指導官ともあろう者が、郵便をストーブで焼いた現場を見つけて、頭を下げたからこらえてやった、おまえはもうこの局につとめるような男でないからやめたらどうだ、こういうことを言って、しきりに脅迫した。このことがそこの労使関係の中で大きな問題として取り上げられて、これは少なくとも人権問題として処理してもらわなければならぬ。したがって、この事実があったかなかったかということについて、それは一対一ではだめだというので、七、八人の人間がこの問題についてのやりとりをしておるわけです。私は具体的にその議事録を見てきました。管理者の側からは介添えに一人出ておりました。二人出しておる。組合側は六、七人おった。そのやりとりの議事録を見ると、ほとんどこれを認めておる。しかし、謝罪文は書かぬ、こういうことになっておる。そういう事実を知っておられますか。
  277. 山本博

    山本(博)政府委員 ごく最近、組合のほうからそういう話があったのは事実でございます。私のほうで、人権擁護問題がそういうところで取り上げられておるという事実まで存じておりますが、いまのやりとり内容については承知いたしておりません。
  278. 武部文

    武部委員 この上砂川という局並びに美唄という局、あるいは滝川という局に私行ってみて、小さな局ですけれども、非常に労使関係の間に不信感というか、対立のあることをまざまざと知りました。その根源が一体どこにあるか。先ほど米田君の質問の際にいろいろ答弁がありました。労使関係に不信がある。こういうことについては、必ずしも片方だけを責めるわけにはいかぬというような話がございましたが、少なくとも、この三つの局に私が行っていろいろなことを聞いてみた中においては、明らかに、これは管理者の皆さんのとっておられる行動が職員を刺激して、無用な対立を起こしておるという証拠をたくさんここへ持って帰ったわけであります。  そういう点を考えるときに、今日、大臣なり人事局長が、こうした問題については労使双方がおのずから反省をしてみる必要がある、立場もあるだろうし、意見もあるだろうとおっしゃるけれども、残念ながら、見て回った局では、明らかに管理者の立場からこのような紛争を起こしておる、無用な圧力をかけて、その中に労使の対立点が浮かび上がっておる、こういうことを、私はいろいろな事情を調べて見てわかったわけであります。  極端な例を言うと、たとえばそこで、よその課の人がある課長に、あなたは組合員にがみがみ言うが、あまりそこまで大きな声で言わぬでもいいじゃないですかと言うと、はい、五分間賃金カットと言う。こんなことは、私どもはいままであまり経験したことがないのです。五分間賃金カット、メモにすぐしろとか、そういう中に円満な業務の運営というものは私はあり得ないと思うのです。ありありとそういう事実を見て、これはもう明らかに、札幌郵政局の労務管理、労務政策というものが、末端の小さな局の管理者にありありと伝わっておる、こういう事実を見て帰りました。したがって、こういう点について、あなたのほうでは郵人管九〇号というものが浅見局長のところから全部下のほうに流されておるから、こういう事実がこの面で明らかに出てきておると思うのです。  そこで、最初に戻って、私は人事局長にもう一ぺんお聞きしたいのでありますが、この郵人管第九〇号というものは、米田君も言ったように、おととし九州の紛争の際に、その紛争が終結する場合に、いろいろな事情のもとにつくられた通達であります。ですから、当然のことだけれども、二年前のこのりっぱな通達が今日は全く生かされていない。同時に、先ほどの話から見れば、三つの郵政局以外にはほとんど全部ストップ、握りつぶされておる。札幌もそうです。こういう事実を見るときに、この際郵政省はこの郵人管第九〇号というものの通達を——、これはだれが見てもあたりまえのことなんですよ、この通達の内容を見ると。労働組合に対する不当労働行為なり人事介入というものが不当であるということについては、これはだれが見てもあたりまえのことなんで、何も隠す内容のものじゃないのですから、郵政省はこの際、こうした末端における無用な紛争を解決するためにも、郵政公報というような、そういう周知の方法もあるわけですから、そういう点を徹底するという気持ちはないですか。その点をひとつ。
  279. 山本博

    山本(博)政府委員 ただいまお話しのありましたように、郵人管第九〇号は、一昨年、いろいろな背景のもとで出された通達でございまして、これが地方に十分浸透するということは郵政省の方針で、先ほど申し上げましたように方法はいろいろございますが、いろいろな方法をとって周知徹底をはかっております。  ただ、いまお話がありましたように、これは労働組合とも折衝を最近重ねておりますが、こういうものについて、なお指導徹底をする必要があるかどうかという判断でございますが、一応私のほうといたしましては、これについて再指導をしたいという気持ちを組合にも表明いたしておりますし、また、私のほうでも再指導したいという気持ちをもって措置をしたいと思っております。
  280. 武部文

    武部委員 再指導ということを言われたわけでありますが、具体的に、これは全国一律、何も札幌なりあるいは長野なりに限ったものじゃないのですから、これは郵政省全般、一万五、六千の郵便局全部に同じように適用して差しつかえないものですから、具体的な方法が知りたいのであります。したがって、私がさっきから言うように、これは何も隠すものでも何でもないのです、あたりまえのことなんですから。それを公報等によって流す意思があるのかないのか、それを聞いておるのです。
  281. 山本博

    山本(博)政府委員 公報については、まだ最終的にきめておりません。これからきめていきたいと思います。
  282. 武部文

    武部委員 きめておられないということでありますから、そうだとすると、私が言うようにそういう方法をお取りになったほうが、これは一目りょう然、あなた方の趣旨というものが、何もまん中で、こうゆがめられたり取捨選択されたりして末端に行くという危険性はないと思うのです。これは非常に簡潔な文書でありますし、内容もはっきりしておると思いますから、ぜひひとつそういう方法をとって、全国どこでもこうした問題についていざこざが起きないような方法をとってもらいたい、このことを要望しておきたいと思います。  続いて、もう一つお聞きしておきたいと思いますが、この通達の中にもございますように、労働運動に対する不当な介入あるいは不当な差別ということの中に、掲示板のことが載っておったようであります。これがまた一つの紛争の種になっておるようであります。組合側の張った文書を官側でとってしまう、破ってしまう、こういうことが出てきて、それがなんでとったか、やれ、破ってとったなら横領罪だ、窃盗罪だ一まあ、あまりいいことばじゃありませんが、そういうようなことまで実はある。この掲示板というものは、あなた方と全逓労働組合というものの話し合いによって、許可を求めて掲示板を認めておるわけですね。そこへ張った新聞、新聞に至るまで破り去る、とり去るということが、一体いいと思っておりますか。
  283. 小林武治

    小林国務大臣 掲示板の必要でありますが、掲示板というのは、組合員に対する主として通知その他の問題で、中には玄関先に出ておる。まるで公衆を相手にしたような掲示板があるので、私は、ああいうのは困る、組合の掲示板は、組合員にものを知らせるのがおもな目的じゃないかと思っております。掲示の場所等についても、組合のいいなりになったかどうかは別でありますが、私は、たとえば最近津の郵便局へ行ったら、玄関を入ってすぐのところに組合の掲示板が出ておる。ああいうものは困る、私は郵便局長にすぐ申しつけたのでありますが、やはり場所についてもおのずから常識的な場所があろう、こういうふうに思います。こういうようなことについては、お互いに話し合いで、当然意思が疎通するのであります。  さっきからお話を聞いておれば、たとえば、いまネームプレートをつけろ——あれはつければいいと思うのですよ。そんなつまらぬことが紛争の種になるのは、私は、要するに組合と幹部との相互不信、こういうものがあるからそういうことになるので、やはりその原因を、そういうようなふだんからの不信そのものをお互いが解消していくことにつとめなければならない。個々のことで小さい問題は、もとが悪ければ幾らでも起きます。そういうことで、私どもは、何とか、もとをもっと対話のできるような状態に持っていきたい、かように考えるのであります。
  284. 山本博

    山本(博)政府委員 技術的な問題で補足をさせていただきます。  この掲示板は、私のほうと組合との間で協約を結んでできておるものではございません。これは組合に対する便宜供与という形で処理をいたしております。したがいまして、どういう内容文書を張っても差しつかえないというものではなくて、一定の、私のほうで秩序を維持するための必要最小限のものは、これは認めないということにいたしておりますが、包括的に掲示板を使用することは認めております。ですから、一枚一枚のポスターについて許可をするという手続はいたしておりません。張られたものを見て、これは、たとえば政治的目的を有するもの、あるいは郵政事業の信用を非常に傷つけるものだとか、あるいは個人の中傷にわたるもの、こういうものについては、個別に、張られたあとに、これは適当でないということで組合に対して撤去を求める、こういう扱いをいたしております。
  285. 武部文

    武部委員 そういう点は私も聞いておるわけであります。ただ問題は、私はほかの具体的なことをたくさん聞いておる、現物も持っておりますけれども、それは出しません。そうじゃなしに、一般的に、全逓という組合が二十五万部の全逓新聞というものを発行しております。これはあなた方も御承知のとおり。それすら張ってもだめだということ、そういうことは常識考えられますか。
  286. 山本博

    山本(博)政府委員 全逓新聞にどういう内容が書いてあったのか、ちょっとわかりませんけれども、全逓新聞の内容に、いま私が申し上げた郵政省できめております基準から見まして、非常に不適当なものがあった場合にはそういう扱いがあり得ると思います。
  287. 武部文

    武部委員 これは、その現物は私もきょうは持ってきておりませんが、少なくとも、私もだいぶ全国を歩いてみておりますが、二十五万部も発行しているような新聞が張ってあって、それが不当だとかどうだとかいって郵政省がはいだということは聞いたことがないのですよ。ところが、北海道のそういった小さなところでやっておったわけですね。そういうような、これは一つのことだけれども、そんなことが毎日毎日そういう局で起きておるという、そこの背景を私は重要視しておるのですよ。  そこで、私も時間に協力しなければいかぬことになっておるので協力いたしますが、業務管理より労務管理の指導を強化する、そういうことですね、問題は。たとえば深川の局ですが、深川の局の主任以上の業務の打ち合わせ会での局長の書いておる文書の中に、業務管理より労務管理の指導を強化する、こういうことがあるのです。少なくとも、郵政の会合で、業務よりも労務管理のほうが重要だ、そういう議題のもとに局の運営をするということは、これはたいへんだと思うのです。業務を二の次にしてこういうような点をおやりになるというこのことについて、どう思われますか。
  288. 山本博

    山本(博)政府委員 私たちは労務管理も業務管理も、両方大事だと思っております。どちらが大事かというのは比較できない、両方とも同じように大事だと考えております。
  289. 武部文

    武部委員 この三つの局、その隣が深川ですね。だから、私が言ったのは三つの局ですが、その隣が深川です。深川、滝川、美唄、上砂川というような四つが、ほとんど同じようなところにある。そうして、大体数も人間も同じような局ですね。いろいろごたごたあって、あとで聞いてみればみるほど、私どもが想像できないような労使の冷たい空気というものがあるのですよ。それで、さっき私は盗んだとか盗まぬということを言ったのですけれども、これも一つの例ですが、公衆の面前で課長が局員をどなりつけるとか、ばかやろうというようなことを連発するとか、非常に、ちょっと想像ができないようなことが起きておる。  一体この原因がどこにあるだろうかというようなことについても、私どもは私どもなりに判断をし、局長や課長ともいろいろ話をしてみました。局長や課長にも一応の言い分はありました。ありましたが、やはり、先ほどのどろぼう扱いじゃないけれども、そういうものの考え方で局員に接しておれば、これはいつまでたったって労使の対立というものは私は解けぬと思うのですよ。そういう意味で、やはり不当労働行為なりあるいは人事権の介入というようなものが次から次とあるから、そうしたうっぷんとなってあらわれて、その間に紛争が起きておると思うのです。  ですから、きょうは私が申し上げたことについて郵政省の調査もまだないというような御答弁もありましたが、先ほどのこの人権問題、これは非常に大きな問題でありまして、現地でも重要視しておるのです。そのどろぼう扱いされたり、親を呼んだり、こういうようなことや、それから、重複して恐縮ですが、郵便指導官ともあろう者が、郵便物を焼いておる現場を見つけて、黙って頭を下げたからこらえてやったというようなことを言って脅迫したというような管理者は、許すわけにいかぬと思うのです。  ですから、この具体的な事実をぜひ調べていただいて、またの機会に私も聞き、質問をいたしますので、その点だけ保留して、協力しまして、私の質問を終わります。
  290. 古川丈吉

    古川委員長 田代文久君。
  291. 田代文久

    ○田代委員 時間がないように伺っておりますが、またの機会に十分お尋ねするとして、きょうは簡潔に質問をいたします。  これは郵政大臣並びに郵政当局にお尋ねするのですが、郵政局指導して、そうして郵政局単位で中間管理者の訓練が行なわれておりますが、それはどんな訓練が行なわれておるか、御説明願いたいと思うのです。
  292. 山本博

    山本(博)政府委員 どんな組織でも一般的に言えることでございますけれども、やはり組織の中のちょうど中核といいますか、中間の位置と機能を持っておる層というのは、これは非常に大事な機能と層でございます。郵政省でも、従来訓練というものを考えますときに、ちょうど現場の組織の中で一番大きな役割りをになっている者が中間管理層だ、こういうふうな認識を持っております。したがいまして、この層に対しまして、重点的に、ごく最近の訓練というものは比重をかけておる。それは当然それぞれの職務の内容それから職責、それから主事、主任あるいは課長あるいは課長代理であるとか、こういう人たちが業務知識というものを十分に身につけてもらうということと、それをどう発揮するかという能力、いわば業務知識上の能力、それから管理者としての能力、こういうものを総合的に高めていくということで内容もきめております。
  293. 田代文久

    ○田代委員 そうしますと、最近、東京郵政局から各郵便局長に「職員の指導要領」として配付された約二十ページの小冊子ですね。その中で「中間管理者ゼミナール特集」というのがあります。この「指導要領」を配付されたという事実があると思うのですが、それは間違いございませんね。
  294. 山本博

    山本(博)政府委員 東京郵政局から各郵便局へ配付をしたというお話でございますが、私のほうではどういう内容の冊子を配付したのかよく存じません。
  295. 田代文久

    ○田代委員 いま申しましたように「中間管理者ゼミナール特集」というのです。
  296. 山本博

    山本(博)政府委員 私のほうに入手いたしておりません。
  297. 田代文久

    ○田代委員 それじゃ、これは全然御存じないですか。
  298. 山本博

    山本(博)政府委員 これは各郵政局が独自の施策として現業に配って、現業の教材としておるのだと思います。一々本省のほうに全部届け出あるいは許可、こういうことをいたしておりません。
  299. 田代文久

    ○田代委員 そうしますと、先ほどそういう説明があったこの中間管理者の訓練ということに対しては、本省のあなた方は、これは全然無関係ですか。そうじゃないでしょう。
  300. 山本博

    山本(博)政府委員 本省から大筋は示しますが、どういう教材をつくるか、どういう人間を対象にするか、こういうのは、それぞれの郵政局がその責任において実施いたしております。
  301. 田代文久

    ○田代委員 いずれにいたしましても、これは本省責任において、したがってあなた方の、中心的にはこれは大臣責任においてやられておることは、これは間違いない。  そこで、私から申し上げますが、各郵便局長に配付された、いま私が申しました指導要領の中で「1、管理者の姿勢に関するもの、」という項の中では、小さい(1)として「管理者は、絶対にストに参加させないという気迫をもって行動することが必要である、」と書いてあります。  それから、2の項では「人間関係に関するもの、」でありますが、そこは読みません。  それから3のところで「違法スト参加に伴う不利益等に関するもの、」という項では、小さい(1)として「スト参加者とスト不参加者との間には厳しく差をつけること、即ち、信賞必罰を厳しくしてスト不参加の素地をつくっておく必要がある。」(2)として「スト参加者には厳罰主義でのぞみ、一回でもストに参加すれば数年間不利益になる様な罰を与えるべきである。特に職制には厳しく臨むべきであり、配置転換による不利益などを講じてもよかろう。」(3)「スト不参加の意志を表明しない者は、昇任、昇格をさせないような強い方針が望まれる。」などと書いてあります。  それから、4のところで「説得の内容に関するもの」という項の(5)では「見越採用者の採用の時の訓練の際に、(ストは違法である、ストに参加すれば身分上、経済上に不利益になる)と説得する、」とあります。  5の「説得の内容に関するもの」の項では、その中の(1)で「平常時から違法行為を行ったら処分をうけ経済的、身分的に不利益をうける事を話しておく。」こういうふうに書いてあります。  それから、6の項では「中間管理者の育成強化に関するもの、」であります。  それから、7は「訓練に関するもの」。  8は「村八分対策に関するもの」。  そうして、9の「その他」の項(2)では「ストには絶対参加しない旨の誓約書をとる」などと書いてありますが、こういう指導郵政局本省、あなた方はやっておられますか。
  302. 山本博

    山本(博)政府委員 本省郵政局も、ストをさせない、またはストをさせないようないろいろな施策あるいは訓練、こういうものは日常的にしようということについての意見は、これは一致いたしております。ただ、郵政局がそれぞれ独自の教科書あるいは教材、そういうものをつくっております。その中の表現そのものは、全国いろいろ違うかもしれません。ただいまおあげになった内容は、表現についてはいろいろ御異論があろうかと思いますけれども、基本的には間違っていないというふうに考えております。
  303. 田代文久

    ○田代委員 本省はそういう指導をやっておるということを明確に答弁なさったわけです。きょうの委員会の朝からの山花委員米田委員、ただいまの同僚委員発言でも、これは私は実はびっくりしたのですよ。  大体、郵政省の労務政策はどういうふうにやられているのだ、私も質問しようと思っていましたけれども、期せずして、実にこれは全国至るところで、北は北海道から九州の南までこういうものがごたごた起きている。その基本には、私がいま読み上げましたようなこういう指導がなされている。先ほど大臣人事局長も何と言われました。憲法を守り、法律に従って、労働組合なり労働者と対決するというような姿勢をみじんも持ちません。当然ですよ。そういう発言にもかかわらず、事実においてはこういうことがやられている。これは内容について実に不当だ。どの項を私が読み上げてみても、経済的に、身分的に不利益を受けることを話しておくというようなこととか、それから、参加した者は数年間不利益になるような罰を与うべきものであるというような、そういうことで、労働者なり労働組合——労働者あっての省じゃないですか。日本の郵政事業というものはだれがになっているのです。そういう指導がやられている。したがって、郵政省は職員に対してこのような、先ほども同僚委員が言いましたように、組合の不当な分裂とかあるいは弾圧——全くこれは省自身が労働者に対して対決している。もし強いことを言いますれば、そういう指導がされているということは、全くこれは敵と考えているのではないかというような気さえするのですよ。これは訓練のためと称して、毎年各級に分けて訓練が行なわれております。  そこで私は、あらためて資料の要求をいたします。昨年の夏、中央郵政研究所での中間管理者の訓練に使用した資料、これを提出していただきたい。委員長もこれをひとつ確認して、出すようにしていただきたいと思います。
  304. 山本博

    山本(博)政府委員 私のほうの考え方といたしましては、ストは立法論上いろいろ御異論はあろうかと思いますが、現在は法律に違反することになっておりますから、管理者側といたしましては、従業員に、法律に違反しないような行動をとるようにという訓練をするというのは、私のほうとしては当然だと思います。  それから、資料につきましては、教科書、こういうものは提出いたしたいと思います。
  305. 田代文久

    ○田代委員 じゃ、次に質問いたします。もうわずかであります。  労働協約の問題についてお尋ねいたしますが、全逓労組との労働協約では、女子職員の生理休暇について大体どうなっておるか、その労働協約の点をひとつあなたのほらから読んでいただきたいと思うのです。
  306. 山本博

    山本(博)政府委員 生理休暇は、特別休暇の中の一つでございまして、第一条に「職員が左の各号の一の理由に該当して、勤務日または正規の勤務時間中に勤務しない場合には、それぞれ下に掲げる基準に従いその日または時間を、特別休暇とする。」これが大前提でございます。その中に、十二番目といたしまして「生理日」というのがございます。「女子職員が生理のため請求する期間、ただし、一生理期において暦日二日をこえることはできない。」ということがございます。  それから、手続といたしましては、第三条に、「前二条の休暇をうけようとするときは、あらかじめ所定の書式により所属長の承認を得なければならない。」ということ、あとずっと手続のことがたくさん書いてございますが、趣旨はそういうことでございます。
  307. 田代文久

    ○田代委員 生理休暇についての協約の点は、もう読んでいただいてはっきりいたします。  そこで、昭和三十八年の五月に発行されております各郵政局長に配付された郵政省人事局編の「労使関係の具体的諸問題」というのは、これは職員に対する指導の指針のようですが、その一一一ページに生理休暇について書いてあると思うのですが、それはどうなっておりますか。
  308. 山本博

    山本(博)政府委員 一一一ページではございませんで、私のほうの手持ちの資料ですと一一四ページでございます。そこの「生理休暇」という文句の下に「生理休暇の付与の対象となる女子は、「生理日の就業が著しく困難なもの」である。」、「従って、この制度は、右の趣旨をよく理解せしめて運用するようにすること。」こういうのが趣旨であります。
  309. 田代文久

    ○田代委員 そういたしますと、先ほどお読みいただいた労働協約とそれからこの人事局編集の具体的諸問題というのでは、表現が明らかに違いますね。これはお認めになりますか。
  310. 山本博

    山本(博)政府委員 表現は違います。精神は同じだと思います。
  311. 田代文久

    ○田代委員 明らかに表現が違いますね。そういたしますと、人事局のほうは、労働基準法第六十七条第一項と同じように、「生理日の就業が著しく困難」となっております。これはそうなっておりますが、これをそのまま適用しておるのでありますが、これをお認めになりますか。
  312. 山本博

    山本(博)政府委員 確かに、表現は異なっております。しかし、これは有給休暇でございますので、こういう協約を結ぶときに、その精神は労働基準法の精神で、こういう就業に困難かどうかというようなことは判断が非常にむずかしゅうございます。一々確かめるのは非常に困難でございますので、精神はそうだということで協約を結んだのであります。
  313. 田代文久

    ○田代委員 人事局長は、私が質問しないことをおっしゃいますが、私、いまそれを言っているのではないのです。こういうことです。  人事局のほうのそれは、労働基準法の第六十七条第一項と同じように「生理日の就業が著しく困難」となっておる、これをそのままいわゆる適用しておるのじゃないか、これを認めるかどうかということを聞いているのです。
  314. 山本博

    山本(博)政府委員 先ほど申し上げましたように、これは、全く就業に困難でない人のために設けられた制度ではございませんので、就業に困難な人に有給の休暇を与えるということでございますから、精神は労働基準法どおりということに考えております。
  315. 田代文久

    ○田代委員 文字づらは、全く同じですね。一字も半句もこれは違わない。その字が、イロハニホヘトということでイロハニホヘトになっておるのに、いろいろ言われておるのがわからないのですけれども、とにかく、これは全く一字一句違わない。  そういたしますと、人事局は、労働協約の既得権、これを労働基準法までに下げたということになりませんか。
  316. 山本博

    山本(博)政府委員 これは、協約のときにそういう表現はもちろん使いませんでした。そういう表現になってはおりませんけれども、これは有給休暇という趣旨そのものからいって、何にも支障のない人に与うべきものではない、支障のある人に与える、これは当然中の当然だという理解で、文句ということについて、いまのような文句は使っておりますけれども、精神はそのとおりということで考えております。
  317. 田代文久

    ○田代委員 かれこれ言っておられますけれども、これは明らかに、労働基準法の第一条二項の、協約が優先するということに違反するのです。憲法を守るとか法律を守るとかいいながら、事実そういうことをなされておるのは明らかです。  このことをもう一度お尋ねしますが、あなたたち指導要領としてマル秘までつけて出されておりますけれども、これは秘にする必要は何もない。労働政策として、なぜ公然と、堂々とこれをやらないのです。その中にちゃんとそういうことが書いてある。何も隠したりごまかす必要はないじゃないですか。「労使関係の具体的諸問題」という文書に書かれておるこれは、明確に基準法に違反している。もう一度、違反しているということをはっきりさせてもらいたい。
  318. 山本博

    山本(博)政府委員 基準法の六十七条に書いてありますのは、女子が就業困難な場合に「生理休暇を請求したときは、その者を就業させてはならない。」という規定がございます。私のほうの組合との協約は、その日を有給にするということです。基準法のほうは、有給、無給ということはないのです。ただ休ませろということです。それが無給の場合もあるのです。私のほうが組合と結んでおるのは、二日間は有給にしようということです。だから、本人の要望で、もっと休んだってかまわない、二日間は有給にするという協約です。
  319. 田代文久

    ○田代委員 そのとおり、協約どおり実行されておりますが。私たちが、これは病院関係へ行って調べました。ところが、婦人の職員がとにかく生理のために、その休暇、いわゆる有給休暇を出している。当然これは労働協約に基づいて出しているのです。それにいろいろ文句をつけて、そして、休んだといって、賃金カットをやっているというような具体的な違法行為がなされている。そういうことを認められますか。
  320. 山本博

    山本(博)政府委員 これは幾つかの事例を承知いたしております。ただ、こういう賃金カットをしましたのは、たとえば、生理休暇だといって休んでおって、その日に自動車の練習場へ通っておった、あるいは六十幾歳の人が生理休暇を要求した、あるいは、まだとったばかりなのに、また間を置いてすぐ休む、いわば、世間の通念から反したようなとり方をしたときに、そういうことをしたということで、平常の場合にはそういう措置はいたしておりません。
  321. 田代文久

    ○田代委員 そういうことをおっしゃいましたけれども、私はそういうことを聞いていないのです。事実は全く反対のことなんで、とにかく、マル秘の「労使関係の具体的諸問題」というものを基準法そのままで出しておる意図、その意図ですよ。明らかに、こういうふうな方針で締めつけろ、有給休暇とかなんとかいったって、それはさっきの大臣の話じゃありませんけれども、それは過去に協約を結んで、あるいは慣行になっておるかもしれぬけれども、いまは時世が変わったのだ、いわば、それをどんどん縮めていくようにやっていけというふうにやられておるということになってもしようがないじゃないですか。  いずれにいたしましても、こういうことは、各同僚議員がずっと一貫して質問し、明らかにしたように、憲法を守るとかなんとか言いながら、事実は労働政策というものが、実に非民主的な、そうでない方向に行なわれておる。これは非常に危険であると考えます。ですから、時間がありませんから私は質問を終わりますけれども、そういう点で注意していただきたい。  これで終わります。
  322. 古川丈吉

  323. 森本靖

    森本委員 この法案もいよいよ大詰めを迎えたようでありますが、私は最後に、大臣一つ質問をしておきたいと思います。  それは、先ほど来米田委員武部委員からいろいろ追及がなされました。それに対しまして、おもに山本人事局長のほうからいろいろ答弁がございました。全くぬかにくぎみたいな答弁でございます。しかしながら、現実の問題としては、火のないところに煙は立ちません。かつて九州の郵政局、大阪の郵政局、当時問題になりました。それに対しまして、社会党の国会議員団と前郵政大臣と折衝いたしまして、結局、その結果九州と大阪は一応おさまったわけであります。ところが今回、長野郵政局、さらに北海道郵政局の管内においてこれが行なわれておるということは、これは現実に事実であります。そういう点について、やはり最高責任者でありますところの大臣考え方がはっきりしてもらわなくては困る。要するに、大臣は、この委員会においては絶対不当労働行為はやってはならぬ、こういうことを言われておりますけれども、はっきり言って、いまや、あなたの独裁になっております。各郵政局長は、いま郵政大臣に気に入られなかったら首になる。その一番いい例は大阪の郵政局長であります。気に入らぬから首にした。場合によったら、第二組合の育成をやらないから首にしたというくらいのことを言いかねぬ場合もあると思います。もし大臣がそうでないとするならば、私は一ぺん石丸君を参考人として呼んでもけっこうであります。場合によっては、石丸君とあなたを対決させてもいいと考えております。しかし、そこまでやろうとは私は考えておりません。  いずれにいたしましても、いまあなたが一番郵政局長を牛耳っている。さらに、本省人事局長以外のところから指令が出るというようなことについても、かりにそれが大臣命令であるということであるとするならば、一応聞かざるを得ない。なぜかならば、六月の人事を行なう場合に、あなたがいつやめるかどうか知りませんけれども、いずれにいたしましても、この次の人事はあなたがやっていかれる。そうすると、いまの大臣に対しては、どんなことがあっても絶対服従しておかなければ、いつ首になるかわからぬ、こういう空気が、本省局長を通じ、さらに下部の郵政局長の末端まで伝わっておるのであります。その点について、私は、あえて内部の実情をここで暴露しようとは思いません。しかしながら、こういうふうな不当労働行為をやってはならぬということは、法的にこれははっきりしておるわけであります。  そこで、私が大臣にはっきりと御答弁を願いたいと思いますことは、不当労働行為をやった者については、郵政局長以下、管理者であろうとも、やはり法にそむく行為でありますから、これは厳罰に処するということを、ひとつはっきりと言明を願いたいわけであります。そうでなければ、ここにおきまする質疑応答が、それはやりませんでした、それはどうのと、全くぬかにくぎの質疑応答であります。だから、それよりも、今後法を犯すような不当労働行為というものを管理者がやったというはっきりした証拠書類があがった場合においては、その末端の管理者、並びにその最高責任者であるところの郵政局長については、はっきりと処分をするということを、この際私は大臣から言明を願いたいわけであります。これは筋でありますから……。
  324. 小林武治

    小林国務大臣 これはもう郵政省は、田代委員がさっき、ストをやったらどうこうというのはけしからぬと言われましたが、ストをやってはいけません。法律が禁止しています。また、不当労働行為法律が禁止しています。これもやってはいけません。両方とも、万一おやりになって法律に違反をすれば、それぞれ処置しなければならぬということは当然であります。
  325. 森本靖

    森本委員 最後に、ストをやってはいかぬということについては、現行の法律においては、私どもの立場から見れば、当然処分をするということになるわけであります。いま次に言われました不当労働行為の問題については、法律に反することは、これは明らかであります。だから、もし具体的な証拠があがって、そうして、これが不当労働行為をやったということになれば、これはやはり現場の長、さらに郵政局長、その上の局長というところまで処分を行なう、さらに、そういうことを行なった者については、今後、栄転その他については行なわないということを、はっきりここで言明を願っておいてもらいたいと思うのであります。ただし、ぬかにくぎみたいな質疑応答になるような問題については、私は取り上げておりません。はっきりとした具体的な証拠の事例があがった場合については、その責任を上から下まで明確にしてもらいたい、管理者は。その点だけであります。
  326. 小林武治

    小林国務大臣 これはもう、不当労働行為であるかどうかということは、しかるべき機関がこれを決定いたします。決定をされた場合には、お話しのとおり措置すべきものと考えます。
  327. 森本靖

    森本委員 その不当労働行為について機関が決定をいたしますけれども、その機関が決定するころには、その郵政局長、その局長も、はっきり言いまして、おりません。そういうことでは、いまの裁判と同様でありまして、何ら効果がありません。選挙違反の裁判と同じように、何年もかかってやられてはかないません。現実に私が言うのは、証人もちゃんとおって、具体的に証拠があがってきた場合については、そういうことはやってはならぬということは、はっきりと法律違反になりますから、そういう者については栄転もさせない、さらに、そういう点については処分をするということを、ひとつ大臣のほうではっきりしておいてもらいたい、こういうことであります。
  328. 小林武治

    小林国務大臣 これはもう、いま申すように、最終決定は公労委でおやりになる。しかし、それまでにもえらい顕著なものがあれば、また当然考えなければなりません。明瞭にさようなものだと認められるようなことがあれば、考えざるを得ません。
  329. 古川丈吉

    古川委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————
  330. 古川丈吉

    古川委員長 この際、小渕恵三君外三名から、本案に対する修正案が提出されております。
  331. 古川丈吉

    古川委員長 提出者から趣旨の説明を求めます。小渕恵三君。
  332. 小渕恵三

    ○小渕委員 ただいま議題となりました自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党、四党共同提案の修正案について、その趣旨を御説明申し上げます。  修正案の案文は、お手元にお配りしてございますので、朗読は省略させていただきますが、修正案の趣旨を簡単に申し上げますと、現在、すでに原案の施行期日を過ぎておりますので、附則を修正して、施行期日を公布の日とするとともに、新手数料率の適用については、売りさばさ人の利益等を考慮して、昭和四十三年四月一日以後に買い受けた分からこれを適用することとしようとするものであります。  なお、新たに加えた附則第二項は、昭和四十三年四月一日から法律施行の日までの間に支払われた手数料の性質を明らかにするとともに、これによって、この間において死亡または契約の解除等により売りさばき人たるの地位を失った者に対しても、新料率による手数料が支払われるべきことを明確にしておく趣旨の規定であります。  以上がこの修正案の趣旨でございますが、何とぞ全会一致で御賛成くださいますようお願いいたします。
  333. 古川丈吉

    古川委員長 これにて修正案の趣旨説明は終わりました。
  334. 古川丈吉

    古川委員長 修正案に対する質疑の申し出がありませんので、これより原案及び小渕恵三君外三名提出の修正案を一括して討論に付します。  討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。  まず、小渕恵三君外三名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  335. 古川丈吉

    古川委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、ただいま議決いたしました修正案の修正部分を除いて、原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  336. 古川丈吉

    古川委員長 起立総員。よって、郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案は、修正議決いたしました。     —————————————
  337. 古川丈吉

    古川委員長 なお、ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  338. 古川丈吉

    古川委員長 御異議なしと認めます。よってさように決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  339. 古川丈吉

    古川委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十五分散会