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小林国務大臣 これは御
承知のように、およそ
官庁事務で
郵政の
仕事ほど単独の
責任において執行しているものはない。すなわち、
配達などは全く一人の
責任においてやる。だから、これは
監察だけではなかなかむずかしい。結局は
従業員一人一人が
仕事というものに十分な反省を持たなければやれない。どの
仕事も全く一人だけで
責任を持つというような
郵便の
配達みたいなものはあるまい、こういうふうに私は思っておりますから、むろん
監察機構も大事であるが、それ以上に、
従業員の
訓練と申しますか教養と申しますか、こういうことにひとつ
重点を置かざるを得ないと思うのでございまして、さような向きに対するいわゆる再
訓練と申しますか、そういうことにひとつ十分力を注いでいきたいと思うのであります。
私は、どうも
日本では会社の
監査役でも、公団、
公社の監事にしても、職務が
日本人に一体向いているかどうか、非常に不徹底なものがあって、これが
日本に十分育つものであるかどうかということにさえ疑問を感じておる。
決算委員会の問題につきましても、
あと始末については、どうも
日本人は全体として関心が薄い。つくるときは一生懸命やるが、
あと始末は悪いということで、そういうふうな問題については私は非常な疑問を持っているのであります。
監察業務についても同様でありまして、せっかくあんなりっぱな
制度を特別に
郵政省にはつくってもらってありますが、それが十分な
機能を発揮しておるかということになると、私は
一つの
国民性と申しますか、どうも
監察機能というものが十分な成長ができるかどうかということを疑問に思っている。しかし、何といたしましても、いまのような
郵政犯罪が起きる、ことに
抜き取り事件、これなどは全く個人の反省にまたなければならぬ問題でありまして、発見もきわめてむずかしい。だから、やる場合には、
監察機構が個人の平素の行状まで見なければ
——抜き取ってぜいたくな暮らしをしているかなんということまで見なければならぬということになりますが、こういうことは、また
一つ別の問題が起きるということでありまして、私は根本的にはどうしても個人の反省にまたなければならぬと思うのであります。
監察機構につきましては、私もその後いろいろ様子を見ておりますが、りっぱな
機構があるにもかかわらず、いまのような
方面については十分な効果をあげているとは思わないのでございます。今後また
機構の
改正等において同じような問題が起こってくるのでありますが、これらについては、私はいまのお話のように、どうしても現場
機構を拡充する以外にない、監督とか企画とか本省
機構などというものじゃなくて、むしろ
郵便局における現場
機構をひとつ
充実していく必要がある、そういう
方面にぜひ力を注ぎたい、かように思っておるのであります。