○細田
政府委員 私、公営
企業のうちの交通問題だけについて申し上げてみたいと思います。
先ほど来いろいろな御意見がございまして、私申し上げたいこともあったのですが、まあ時間も時間ですから一般論はやめますけれ
ども、いま
日本の交通
機関の中で何が一番困っておるか、これはもう申し上げるまでもなく大都市の問題、これは公営
企業だけではございませんで、全部でございます。大都市内を走っておりますバスにしましても、あるいは
東京都で言う営団地下鉄にいたしましても、昔は黒字を誇っておりました。国鉄でさえも、通勤電車の赤字はいま予想されておるわけであります。これは私
ども長年交通に携わっておった
立場から申し上げると、国の政策全体が交通にしわ寄せになっておるのだと思います。たとえば今度、三十六階のビルが立つ。これはもう通勤がふえるでしょう。しかし、通勤をどれだけ
考えられて建てたか、私は問題だと思う。そういうようなものが交通全体にしわが寄っておる。したがって、これだけの人口の大都市集中でありますから、これは世界的にそういう傾向ですが、特に
東京、大阪等についてはそういう傾向が強いわけです。ですから交通
機関一般として非常な苦境に立っておるわけでございます。であればこそ、たとえば国有鉄道でも、ことしからは
予算で利子補給をすることになりましたが、建設費その他についての
政府出資が望ましいといっている。これは独立採算の例外でございますね。独立採算をするその
基礎として、国鉄が金を借りてやるんじゃなくして、
政府から出資してくれというんですね。
そこで私は、公営
企業について
考えますと、おっしゃるようにたいへんにたくさんの問題が一般的な交通
機関の悩みとしてある、それからさらに、いろいろ付加されておる条件、いわば内包的といいましょうか、外側に問題があると同時に、中側にも問題がある。二つの問題がある。ですから、公営
企業の中でも、いわゆる交通問題というのは特にむずかしい問題をかかえておると思います。したがって、先ほど来いろいろ
お話がございましたが、公益性と
企業性の調和なんということは、私
ども長年
議論しておりますが、国鉄なんかについても
議論しております。なかなかわからぬところもございますが、ただ独算制を一応いま立てておると申しましても、いろいろな条件がありまして、たとえばいま申しましたように、あるいは国鉄の場合出資に相当するようなものを
考える、あるいは借金についてももっと長期で低利なものは何とかならないか、運賃はどうであるか、あるいは営業の範囲というものはこういうふうに限定されることがどうであるかといったようなものが全部関連をしております。したがいまして、たてまえとしては、私は独算制ということはいいと思いますが、その独算制をやらせるならやらせるようにしていく、こういうことが私は一番キーポイントじゃなかろうか。まあだんだん話すと長くなりますが、
基本的には私そう
考えておりまして、公営の交通
機関につきましては非常に問題がございますので、これらの点につきまして、いろいろ私
どものほうの省内でもやっておりますけれ
ども、しかしこれは
関係各省もございます。しかしこの問題にはさらにいろいろな角度から真剣に取り組まなければならぬ、公営
企業法の改正の必要があるかどうかというような点につきましては、そうした
立場から検討をしなければならぬ、かように私は
考えておる次第でございます。