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赤澤国務大臣 こういう調査を始めましたもとは、言うまでもなく、前から超過負担分がありますので、
地方団体が非常に迷惑をしておった。迷惑しておったと申しましても、それに見合う資本の蓄積がその場でできておるとは言い条、やはりその間負担区分で、国と
地方との
財政秩序と申しますか、国が当然持たなければならぬものをかわりに
地方に持たせるということはまことに相すまぬことでございまするので、この調査にかかりまして、さっきの六事業だけより出したものがやっと結論を得た。
〔和爾
委員長代理退席、
委員長着席〕
その中には一部
地方として負担すべきものもはっきりしてまいりましたし、また国の持つべき部分は、お手元に数字がありまするとおりに、国のほうでいまからでも埋めましょうということになりました。しかし、この問題を究明しましたことが大事でありまして、将来に向かってどういうことになるかと申しますと、私
どもの
考え方では、これは三年越しでなしに一ぺんに解決しなければいけなかったのに、三年でやるということになったことは残念といえば残念だけれ
ども、こういう方法で不合理が将来にわたって是正できるという道が開かれたわけでございまして、一たんこうしたら、また次には累積があるのじゃないかということがすぐ
考えられますけれ
ども、そうでなくして私
どもは、こういう方法で検討しました内容が始終移動しますならば、そのつど正していくという
考え方に立っております。では、前にたまっておった分はどうなるか、こういうことになりますと、これは私
どもといたしましては、それを返してくれと言われる声も聞かぬではありませんけれ
ども、しかしそれもただ何か、
地方のそういった貴重な資金を国のほうへ吸収したというわけでもありませんし、先ほど申しましたとおりに、それに見合うものはやはりそこへ資本の投下が行なわれておるわけでございますので、そこはしばらくしんぼうしていただいて、将来に向かってこういうことをなくすということでひとつごかんべんを願ったらどうかという気持ちでございます。
あわせて、先ほど御質問がありました、例の
住民税の
減税をしたけれ
ども、結局来年度は、四千億円までの増収を見込んでおるのだったら
減税したことにならぬじゃないかというお
考えですね、私も
考えぬでもないわけでございます。ですから、先ほど質問がとぎれました際に、
税務局長には、法人分もあるじゃないか、内訳についてよく御説明したらどらだということを言っておいたわけなのです。税目を拾ってごらんになればわかりますとおりに、府県税以下
市町村税、たくさん中身があるわけです。しかし法人税だからといって、これは最終は、やはりそこで税金を払っていけばそれだけ
収入が減ってくるのは間違いない、
考え方によっては。しかし、私
どもが今度、ぜひ
住民の皆さんに喜んでいただきたいと思ってこういう
減税をいたしました根拠は、御案内のとおりに、去年、当
委員会の
附帯決議をいただきました。そのときは、「
住民税の
課税最低限については、大巾な引上げを行なうものとし、」ということで、先に金額まであげられたわけですね。つまり諸控除一万円ずつ、合わせて
標準世帯で十万円の控除の
引き上げをする。
地方財政の現況から
考えて、これをこのまままるのみにするとどういう
影響が来るかということについてずいぶん検討も加え、頭を悩ましたわけでございます。同じ決議でも参議院のほうは、やはり同じ趣旨のことであっても、金額までは入っていなかったわけですね。しかしせっかくの御決議であるので、まずこれに沿わなければいかぬということで鋭意検討いたしました結果、今後この御決議をそのまま体して
減税をいたしたいというのが筋道になっておりまするので、私
どもといたしましては、やはりその間におっしゃるような御意見もあります。たとえば、物価調整ということで
考えたら、ほんとうの
減税になっていないじゃないかとか、先ほどおっしゃいました来年の増収があれば、結局同じことじゃないかといういろいろな御意見があります。それはお
考えになる方々によってこの
減税の中身を分析なされば、いろいろなお
考え方はあるかもしれませんけれ
ども、私
どもといたしましては、当
委員会の御決議を体して、結局これだけでも
課税最低限を
引き上げて、そして税額はいまの時点で減るということになれば、それだけ
住民の方々に喜んでいただける。その中を分析すればいろいろな
議論もあるかもしれませんけれ
ども、そういう
考え方で、一日も早くこの
減税を御可決願いたいということをお願いしておる次第でございます。