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1968-02-06 第58回国会 衆議院 地方行政委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年二月五日(月曜日)委員長指名で、 次の通り小委員及び小委員長を選任した。  地方税に関する小委員       青木 正久君    大石 八治君       奥野 誠亮君    亀山 孝一君       塩川正十郎君    中尾 栄一君       河上 民雄君    山口 鶴男君       山本弥之助君    折小野良一君       小濱 新次君  地方税に関する小委員長                 奥野 誠亮君  消防に関する小委員       大石 八治君    奥野 誠亮君       木野 晴夫君    塩川正十郎君       古屋  亨君    山口シヅエ君       太田 一夫君    細谷 治嘉君       依田 圭五君    門司  亮君       小濱 新次君  消防に関する小委員長                 古屋  亨君  地方公務員等共済制度に関する小委員       大石 八治君    奥野 誠亮君       木野 晴夫君    塩川正十郎君       野呂 恭一君    古屋  亨君       太田 一夫君    細谷 治嘉君       山口 鶴男君    折小野良一君       小濱 新次君  地方公務員等共済制度に関する小委員長                 大石 八治君 ――――――――――――――――――――― 昭和四十三年二月六日(火曜日)    午前九時五十五分開議  出席委員    委員長 吉川 久衛君    理事 大石 八治君 理事 奥野 誠亮君    理事 塩川正十郎君 理事 古屋  亨君    理事 和爾俊二郎君 理事 細谷 治嘉君    理事 折小野良一君       岡崎 英城君    木野 晴夫君       辻  寛一君    永山 忠則君       野呂 恭一君    藤田 義光君       山口シヅエ君    太田 一夫君       河上 民雄君    三木 喜夫君       山本弥之助君    門司  亮君       大野  潔君    小濱 新次君       林  百郎君  出席国務大臣         自 治 大 臣         国家公安委員長 赤澤 正道君  出席政府委員         警察庁長官官房         長       浅沼清太郎君         自治政務次官  細田 吉藏君         自治大臣官房長 宮澤  弘君         自治省行政局長 長野 士郎君         自治省財政局長 細郷 道一君         自治省税務局長 松島 五郎君         消防庁長官   佐久間 彊君  委員外出席者         専  門  員 越村安太郎君     ――――――――――――― 二月二日  委員中馬辰猪辞任につき、その補欠として山  口シヅエ君が議長指名委員に選任された。 同月五日  委員渡海元三郎辞任につき、その補欠として  中尾栄一君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 二月二日 地方公務員定年制実現に関する請願外二件  (荒木萬壽夫紹介)(第三四号)  同(大石八治君紹介)(第三五号)  同(吉川久衛紹介)(第三六号)  同外一件(篠田弘作紹介)(第三七号)  同(阿部喜元紹介)(第六一号)  同(小山省二紹介)(第六二号)  同外八件(鹿野彦吉君紹介)(第二八七号)  同(北澤直吉紹介)(第二八八号)  同(久保田藤麿紹介)(第二八九号)  同(毛利松平紹介)(第二九〇号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 二月二日  個人道府県民税にかかる徴収取扱費交付基準改定に関する陳情書(第五号)  地方財政確立強化に関する陳情書(第六号)  同(第三六号)  電気、ガス税撤廃に関する陳情書外七件(第七号)  同外三件(第三二号)  国鉄事業用固定資産にかかる納付金廃止反対に関する陳情書外十三件(第八号)  同外四十三件(第三一号)  軽油引取税引上げ反対に関する陳情書(第三三号)  町自治会指導責任確立に関する陳情書(第三四号)  地方公務員等共済組合制度改善に関する陳情書(第三五号)  地方委任事務職員の身分切替えに関する陳情書(第三七号)  住民税所得割課税最低限引上げに関する陳情書外二件(第三八号)  住民基本台帳制度実施に伴う経費補助に関する陳情書(第三九号)  地方公共団体超過負担解消に関する陳情書外一件(第四〇号)  地方交付税税率引下げ反対に関する陳情書外二件(第四一号)  町村道路整備目的税源創設等に関する陳情書(第四二号)  人口急増自治体財政援助に関する陳情書(第四三号)  地方公務員災害補償法に基づく財政措置に関する陳情書(第四四号)  地方交付税制度改善に関する陳情書(第四五号)  道路交通法等の一部改正に関する陳情書(第七〇号)  競輪収益金均てん化反対に関する陳情書外二件(第七一号)  繭引取税廃止反対に関する陳情書(第七二号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  地方自治地方財政警察及び消防に関する件      ――――◇―――――
  2. 吉川久衛

    吉川委員長 これより会議を開きます。  地方自治地方財政警察及び消防に関する件について調査を進めます。  赤澤国務大臣より地方自治及び治安行政の当面する問題について説明を聴取いたします。赤澤国務大臣
  3. 赤澤正道

    赤澤国務大臣 委員各位には、平素から地方自治及び治安行政の問題につきまして御尽力をいただいているところでありますが、この機会所管行政の当面する問題につきまして、所懐の一端を申し述べ、各位の御理解と格別の御協力を賜わりたいと存ずるものであります。  近年、国政の進展とともに地方自治行政を取り巻く環境は急速に変化し、地方行政に対する各種要請はとみに強まり、地方行政のあり方は、その質と量の両面において大きな変貌を遂げつつあります。私は、このように変貌する地方行政の現実に対処し、社会経済的諸条件変動に即応するため、すみやかに適切な措置を講じ、地方自治の伸展と国民福祉向上に万全を期してまいる所存であります。  昨年末、当委員会において申し述べましたように、最近の社会経済情勢変化に伴い、行政運営広域的処理必要性は、一そう強まっていると考えられます。政府といたしましては、このような見地から、広域的地方公共団体としての府県自治能力充実強化を期すべく、第五十一回国会以来都道府県合併特例法案の御審議をわずらわしているところでありまして、私といたしましては、当法案を一日も早く成立させていただき、今後の地方制度改革の中核ともいうべき府県の規模の問題について、その解決に資したいと考えております。一方、これと並行して、都道府県市町村を通じて事務共同処理方式の活用を推進するなど、行政の広域的、かつ、効率的な運営について積極的な指導を引き続き進めてまいりたいと存じております。  また、人口及び産業都市集中化に伴って生じておりますいわゆる過密・過疎の問題の解決は、地域格差是正とともに、現在の政治、行政の上で最も重要であり、かつ、緊急を要するものであります。私は、この際、変貌しつつある各地域社会の特性に応じた個性ある地方自治体の形成、振興につとめるとともに、地方中堅都市の構想などを含め、制度運営両面にわたり再検討を加えてまいりたいと考えております。  なお、最近における行政需要増高に伴い、国、地方を通ずる行政事務は、ますます複雑多岐となり、行政能率向上を阻害している面も多く見受けられるのでありますが、現在、国においては行政機構簡素化能率化をはかり、国民負担軽減に資するため、各省庁の一局削減並びに定員管理方針を決定し、計画的にこれを実施することといたしております。地方公共団体としてもこのような国の措置と相呼応して、出先機関など行政組織の再検討零細補助金整理などを通じて、行政運営簡素化合理化につとめなければならないと存ずるものでありますが、各地方公共団体限りでこれを実施することは、法令その他補助金交付条件等による拘束、国の行政組織の不合理のもたらす地方への影響などのため不可能なものも少なくない実情にあります。私としましては、国が行政機構改革などに手をつけるこの機会をとらえ、各省庁に対してその是正方を強く要請し、もって各地方公共団体機構改善定員管理合理化実現に寄与するとともに、国と地方公共団体及び地方公共団体相互間の行政事務の再配分や補助金整理などをより一そう推進し、行政責任の所在を明らかにして、行政合理化能率化につとめてまいりたいと存じます。  次に、公務員行政につきましては、地方自治行政における住民の信託にこたえるため、適正な近代的人事管理体制の樹立について各般努力を重ねておりますが、今後なお一そう公務員秩序確立し、近代的な正常な労使関係を樹立するようつとめることとし、また、定年制の採用、適正な給与制度確立とその運用地方公務員福祉の増進などの制度面改善をはかり、あわせて公務能率向上を期するとともに、特別職一般職を問わず、公務に従事するもののモラルの向上士気の高揚に力を入れてまいりたいと考えております。  次に地方財政について申し上げます。  明年度地方財政は、社会経済情勢を反映して、地方税収入及び地方交付税収入において、かなりの自然増収を期待し得るのでありますが、一方においては、住民税中心とする減税要請があり、他方においては、地方道路財源確保特別事業債事後処理などの従前から引き続いて解決を要する問題があるのであります。申すまでもなく、地方財政現状は、いまもなお義務的経費増加が著しく、さらに社会資本整備のおくれを取り戻し、行政水準向上をはかることが強く要請されているのでありますが、この際、これらの事態を十分に吟味し、内外の経済情勢に対応し、あわせて将来にわたる地方財政健全化をはかるため、国の基調に準じ、財政投資重点化に徹し、節度ある運営を期することといたしたいのであります。  このような観点に立って行ないます明年度地方財政対策の概要は、おおむね次のとおりであります。  まず第一は、住民負担軽減であります。住民税中心として、初年度七百四十四億円にのぼる減税を行なうことといたす所存であります。  第二は、財政投資重点化をはかるため、地方債においては、その重点公営住宅辺地対策都市対策公共用地先行取得、上下水道、地下鉄などの事業に指向いたしました。  第三は、道路目的財源確保するため、自動車取得税を創設するとともに、交通安全対策財源として交通安全対策特別交付金を創設いたす所存であります。  第四は、地方交付税繰り入れ額法定額より四百五十億円減額してこれを将来に繰り越すこととしたほか、交付税及び譲与税配付金特別会計における二百五十億円の借り入れ、災害債の繰り上げ償還一般会計における地方債への依存度の引き下げなどの措置をとることにより、その健全化を促進することといたす所存であります。  第五は、国と地方との間の財政秩序確立するため、昭和四十一年度に発行された特別事業債元利償還については特別事業債償還交付金制度を創設し、また国庫補助負担金に伴う超過負担については、三カ年間でこれを解消することといたす所存であります。  第六は、地方公営企業健全化対策として、新たに下水道についても公営企業金融公庫にかかる融資金利を引き下げることとし、工業用水道事業についてはその償還期間を延長するとともに、高料金水道事業については、既発行債の低利借りかえを認めることといたしたいと存じます。  なお、明年度地方財政については、今後の社会経済情勢変動等に伴い、若干の変動もあることと考えられるのでありますが、行財政運営合理化効率化につとめるよう強く要請するほか、地方公営企業についても、その健全な運営がはかられるよう努力を重ねてまいりたいと考えております。  地方税制につきましては、ここ数年来、困難な地方財政のもとにおいて、あとう限りの減税を行ないながら、税負担合理化均衡化を進めてまいりましたが、昭和四十三年度においては、負担現状にかんがみ、住民税について、夫婦子三人の給与所得者課税最低限を十万円程度引き上げることを目途として、基礎控除等各種控除をそれぞれ一万円引き上げ、大幅な減税を実施する方針であります。また、中小企業者農林漁業者負担軽減するため、専従者控除を引き上げることといたしております。また、道路整備緊急性にかんがみ、地方団体道路目的財源を賦与するため、自動車取得税都道府県税として創設し、その三分の二程度の額を市町村道路財源として交付することといたしたいと考えております。  さらに、消防行政につきましては、最近における火災、その他の災害の多発と複雑化傾向にかんがみ、消防力の増強のための施策を一そう積極的に進めてまいる所存であります。そのため、まず消防常備化広域化推進するとともに、消防財源充実して、消防施設強化をはかってまいりたいと存じます。特に、近年における産業経済の著しい成長と生活環境変化に伴い、危険物及びプロパンガス等による特殊な災害が続出しており、また、超高層ビル地下街等もますます増加しておりますので、これらに対する防災対策強化するとともに、交通事故の激増に対処するため、救急業務実施範囲を拡大するなど、救急体制整備に力を注いでまいりたいと考えております。なお、これらの施策と並行して消防職員及び団員の処遇の改善についても引き続いて努力してまいりたいと存じます。  次に、国家公安委員長として所信を述べたいと思います。御承知のようにわが国社会経済は、都市化進展生活圏広域化など急速な変貌の過程にありますが、このような現状に適切に対処することが各般行政の重要な課題となってきております。そこで、警察といたしましても、派出所、駐在所改編等中心とする外勤警察体制の再編成、いわゆる一一〇番の集中運用その他警察通信機能高度化などの施策推進することといたしておりますが、なお今後ともこの面での積極的な方策検討してまいる所存であります。  交通事故の発生は依然として著しい増加傾向を続け、昭和四十二年中における死傷者数は、これまでの最高を記録しました。交通事故防止対策推進につきましては、委員各位にも格段の御配慮をいただいているところでありますが、私は、特に歩行者事故防止対策強化、無暴運転排除の徹底、雇用者等責任体制確立などの事故防止対策を強力に推進いたしますとともに、都市における交通渋滞の激化を緩和し、その円滑化をはかるための交通渋滞緩和対策を積極的に推進いたす所存であります。なお、昨年道路交通法の一部を改正する法律によって新設されました交通反則通告制度は、来たる七月一日から実施されることとされておりますが、本制度が適正かつ円滑に運営されますよう諸般の措置を講じてまいる所存であります。  少年非行の問題は、関係者努力によっていささか好転のきざしを見せておりますことは御同慶にたえないところでありますが、勤労少年非行率は依然として高く、また、家出少年増加しているなど、なお対策推進しなければならないことが多いのであります。私はこれらに対処するため、関係機関協力を密にして、補導活動推進保護活動強化及び有害な社会環境の浄化に一そう努力を重ねてまいる所存であります。  昨年の羽田事件や先般の佐世保事件に見られますような一部学生団体の著しい暴徒化傾向は、わが国治安上まことにゆゆしい問題でありまして、これに対処するため、治安警備体制充実強化することがぜひとも必要であると考えられますので、このたび機動隊員の増員その他所要の措置を講ずることといたした次第でありますが、この問題につきましては、今後とも十分な留意と努力をして万全を期する所存であります。  暴力団の取り締まりにつきましては、これまで相当の成果をあげてきたと存ずるのでありますが、さらに国民各層の御協力を得て強力な取り締まりを継続し、その根絶をはかってまいる所存であります。  なお、本年夏には第八回参議院議員通常選挙が施行される予定でありますが、これに随伴する違反行為に対しましては、真に巖正公平な取り締まりを行ない、明るく正しい選挙実現に寄せる国民の期待にこたえるようつとめる所存であります。  以上申し述べましたような警察運営を適切に行ないますためには、言うまでもなく警察活動に対する国民の積極的な支持と警察官の旺盛な士気が前提となるのでありますが、それには仕事に当たる警察官一人一人が真に国民に親しまれ、信頼されると同時に、日夜治安確保に献身している第一線警察官が、安じてその責務が遂行し得るような方策を講ずる必要があるのであります。このような観点から、今後警察教養を積極的に充実強化し、警察官質的向上をはかるとともに、警察官待遇改善格段努力をいたす所存であります。  以上、所管行政の当面の諸問題について所信を申し上げたのでありますが、委員各位格段の御協力によりまして、その実をあげることができますよう、一そうの御鞭撻と御指導をお願い申し上げる次第であります。
  4. 吉川久衛

    吉川委員長 以上で所管に関する説明は終了いたしました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午前十時十分散会