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只松小委員 いろいろ各
委員から
質問をいたしましてお答えをいただいたわけですが、にもかかわらず、私が一番最初
お話し申し上げたように、
ドル不安というものはそう簡単になくならないと思う。これは、きょうは論争しようというわけじゃありませんが、
アメリカの百十四億
ドルの保有高に対して、民間だけで百五十億
ドルの国外の保有、あるいはほかのものを合わせまして三百億
ドル近いものがございます。そういう側面、あるいは
アメリカ経済の
一つのこういう後退の
原因をもたらしているベトナム戦争が、今日すぐやまるという
見通しはない。いま幾つかの大きな条件を考えましても、七カ国
会議が終わったからすぐ
ドル不安がなくなる、こういうことは私はないだろうと思う。いま起こっておるゴールドラッシュの問題にいたしましても、直接の
原因が幾つかありますけれ
ども、たとえば産
金価格にいたしましても、七百円近いものが実際南アでかかっておる。そうすれば、結局
日本で四百五円の
価格というものは非常に安い、三十五
ドルは安い、こういうことにもなるわけです。こういう直接の、一審身近な具体的な産金という問題、どんなことをとりましても、ゴールドラッシュと今度の
ドル不安がそう簡単に消え去ると私
たちは思っておらない。しかしきょうは、ここで論争をしようということじゃなくて、お考えを聞く会でございますから、これ以上論争はいたしません。ただそういう結果、たとえば
日本では金保有が非常に少ないわけです。三億三千万
ドルしかない。
ドル価格が実際上相対的に下がってまいりますと、こういうふうに現物の金を持たないで、
ドルを持っておる
日本というのは、これは損をすることになる。こういう問題についても、これは国益という面からは非常に大きな問題があります。それからいずれにしても、こういう
状態の中から
各国が緊縮
政策をとってまいりますと、
貿易というのがたいへん困難になってくる。特に輸出が容易でない。
一つだけここでお尋ねしておきますが、輸出振興策その他について、あなたはさっき、いろいろな面を積極的にやりたい、こういうお考えを申されました。
金融政策上、何か特別のことをお考え
になっておるかどうかということをお伺いしておきたいと思います。と同時に、いろいろ論議をされておりましても、無責任と言っては失礼だけれ
ども、今度の七カ国
会議にもいわばつんぼさじきですね。今後
IMFや何かに、呼びかけがあればおいでになると言いますけれ
ども、世界第一の成長国家とか、あるいは国際
貿易に非常なウエートを持ってわが国の産業を発展さしておる
日本が、こういうときになっても現実に国際的に発言権をほとんど持っておらない。また何らかの形でオブザーバーでも行くかと思ったら、オブザーバーも行かない。いわばなすがままというのですか、もっとこういう
事態に、
日本政府はもちろんですが、日銀等においてもこういう問題に積極的に発言をしていく、あるいは意思表示をしていく。あるいはさっき私が一番最初にちょっと触れましたけれ
ども、ベトナム戦争問題についても、これは
金融政策上から見れば、ベトナム戦争という問題も非常に大きな問題で、政治面から見れば
宇佐美さんだけで発言はできないかもしれませんが、
ドル防衛なり円の維持ということになれば、きわめて重要な関連を持つ。こういうことに
一つも発言しないし、他人事のようにしていて、単に
ドル防衛に無条件に追随をしていく、円の維持をはかる。私は無責任過ぎやしないかと思うのです。日銀
総裁といえ
ども、国の政治の重要な一部面を
金融政策上になっておる。そういう人はそういう面に対してもっと積極的な考え方をし、発言をしていくべきだと思う。私
たちはきょうは単に
質問ということで、論争しておりませんから、
委員会の大臣対
委員じゃありませんから、そういう意味の詰め方はきょうはしておらないわけです。しかし、本来
参考人でなくて、対
政府ならこういう形では終わらないわけですね。しかし、一応きょうは表面上は
参考人でございますからそう詰めばいたしませんけれ
ども、そういう点についてもっと責任をお感じになるというか、責任ある積極的なお立場というものをとっていただきたい、こういうふうに思います。たくさん論争したいこともありますし、
質問したいこともありますが、時間の
関係でやめますが、せひひとつそういうふうにお願いしたいと思います。私の
質問いたしました一点だけお答え願います。