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1968-05-17 第58回国会 衆議院 大蔵委員会 第33号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年五月十七日(金曜日)    午前十時四十一分開議  出席委員    委員長代理 理事 毛利 松平君    理事 金子 一平君 理事 山中 貞則君    理事 渡辺美智雄君 理事 只松 祐治君    理事 村山 喜一君       大村 襄治君    河野 洋平君       小山 省二君    四宮 久吉君       砂田 重民君    西岡 武夫君       古屋  亨君    坊  秀男君       村上信二郎君    村山 達雄君       山下 元利君    吉田 重延君       阿部 助哉君    佐藤觀次郎君       平林  剛君    武藤 山治君       河村  勝君    玉置 一徳君       広沢 直樹君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 水田三喜男君  出席政府委員         大蔵政務次官  倉成  正君         大蔵省主計局次         長       海堀 洋平君         運輸政務次官  金子 岩三君  委員外出席者         内閣総理大臣官         房参事官    岸野 駿太君         総理府恩給局恩         給問題審議室長 大屋敷行雄君         大蔵省主計局給         与課長     津吉 伊定君         自治省行政局公         務員部福利課長 寺本  力君         参  考  人         (国家公務員共         済組合連合会理         事長)     中尾 博之君         専  門  員 抜井 光三君     ————————————— 五月十七日  委員岡沢完治君及び小川新一郎辞任につき、  その補欠として玉置一徳君及び広沢直樹君が議  長の指名委員に選任された。 同日  委員福永一臣君及び玉置一徳辞任につき、そ  の補欠として西岡武夫君及び岡沢完治君が議長  の指名委員に選任された。     ————————————— 五月十五日  音楽舞踊演劇及び映画等入場税撤廃に関  する請願熊谷義雄紹介)(第五四三四号)  同(坂田道太紹介)(第五四三五号)  中小企業に対する国民金融公庫融資制度改善  に関する請願佐々栄三郎紹介)(第五四三  六号)  同(島本虎三紹介)(第五四三七号)  同(武部文紹介)(第五四三八号)  同(浜田光人紹介)(第五四三九号)  同外二件(井上泉紹介)(第五四九三号)  同(下平正一紹介)(第五四九四号)  同(西風勲紹介)(第五四九五号) 同月十六日  音楽舞踊演劇及び映画等入場税撤廃に関  する請願荒木萬壽夫紹介)(第五九〇五号)  同(神田博紹介)(第五九〇六号)  医療法人に対する法人税減免に関する請願(華  山親義紹介)(第五九〇七号)  邦楽器物品税撤廃に関する請願外十五件(永  山忠則紹介)(第五九〇八号)  台湾省民凍結預金払戻しに関する請願山中  貞則紹介)(第五九〇九号)  中小企業に対する国民金融公庫融資制度改善  に関する請願佐々栄三郎紹介)(第五九一  〇号)  同外一件(古川喜一紹介)(第五九一一号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  所得に対する租税に関する二重課税回避のた  めの日本国デンマーク王国との間の条約の実  施に伴う所得税法法人税法及び地方税法の特  例等に関する法律案内閣提出第七一号)(参  議院送付)  昭和四十二年度における旧令による共済組合等  からの年金受給者のための特別措置法等規定  による年金の額の改定に関する法律等の一部を  改正する法律案内閣提出第六二号)  昭和四十二年度における公共企業体職員等共済  組合法規定する共済組合が支給する年金の額  の改定に関する法律の一部を改正する法律案  (内閣提出第七四号)  国家公務員共済組合法及び公共企業体職員等共  済組合法の一部を改正する法律案武藤山治君  外十一名提出衆法第一八号)  国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律  案(武藤山治君外十四名提出衆法第一七号)      ————◇—————
  2. 毛利松平

    毛利委員長代理 これより会議を開きます。  委員長所用のため、指名により私が委員長の職務を行ないます。  所得に対する租税に関する二重課税回避のための日本国デンマーク王国との間の条約実施に伴う所得税法法人税法及び地方税法特例等に関する法律案議題といたします。     —————————————
  3. 毛利松平

  4. 倉成正

    倉成政府委員 ただいま議題となりました所得に対する租税に関する二重課税回避のための日本国デンマーク王国との間の条約実施に伴う所得税法法人税法及び地方税法特例等に関する法律案につきまして、提案理由及びその内容を御説明申し上げます。  政府は、さきにデンマーク王国との間の租税条約に署名いたしました。この条約の締結の承認については、別途今国会において御審議を願っているのでありますが、この条約は、昭和三十四年三月に両国間で調印された現行租税条約を全面的に改定するものであります。現行条約国内において実施するための特別の法律として所得に対する租税に関する二重課税回避及び脱税の防止のための日本国デンマーク王国との間の条約実施に伴う所得税法特例等に関する法律があるわけでありますが、現行条約改定に伴い、これにつき所要立法措置を講ずるため、現行特例法の全部を改正する必要があるので、ここにこの法律案提出することとした次第であります。  以下、この法律案のおもな内容について御説明申し上げます。  まず、非居住者または外国法人の取得する配当利子及び工業所有権等使用料に対する源泉徴収所得税に関する事項であります。  わが国所得税法によりますと、非居住者または外国法人の取得する配当利子及び工業所有権等使用料につきましては、二〇%の税率により源泉徴収所得税を徴収することになっております。  しかるに、このたびの租税条約によりますと、配当につきましては親子会社間のものを除き一五%、親子会社間の配当利子及び工業所有権等使用料につきましては一〇%を、それぞれこえてはならないとされております。  そこで、これらの所得に対する源泉徴収所得税税率を、それぞれその条約上の最高限度である一五%及び一〇%と定めることとするものであります。  次に、非居住者または外国法人のうち、わが国支店等を有しているものにつきましては、国内法では、配当利子及び工業所有権等使用料にかかわる所得と、これら以外の他の所得とを合算して課税するたてまえになっております関係上、配当等につきましては租税条約で定める制限税率をこえて課税されることとなる場合がありますので、その点を考慮して、総合課税の場合の税額につき、租税条約規定に適合するよう、所要軽減措置をとることといたしております。  なお、この場合、このたびの租税条約におきましては、住民税をも条約の対象とすることとなっておりますので、総合課税の場合の軽減措置を講ずるにあたっては、法人税割住民税をも含めて制限税率をこえることのないよう、所要措置を講じております。  その他、このたびの租税条約実施するにつきまして必要な事務取り扱い等につき所要規定を設けております。  以上この法律案提案理由及びその内容を御説明いたしましたが、何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願いいたします。
  5. 毛利松平

    毛利委員長代理 これにて提案理由説明は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ります。      ————◇—————
  6. 毛利松平

    毛利委員長代理 次に、昭和四十二年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案昭和四十二年度における公共企業体職員等共済組合法規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案武藤山治君外十一名提出国家公務員共済組合法及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案武藤山治君外十四名提出国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律案議題といたします。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。  なお、本日は、参考人として国家公務員共済組合連合会理事長中尾博之君が出席されております。  只松祐治君。
  7. 只松祐治

    只松委員 時間がありませんので、問題点だけ御質問をいたしますから、答弁のほうもできるだけ実質的なお答えをいただきたいと思います。  まず最初に、公的年金スライド制について、私たちは長い間、また常にいろいろ意見を申し述べてまいりました。したがいまして、私たちは、これを少なくとも本年度内実質的な検討をし、具体的な措置を講じてもらいたい、こういうことを結論的に申し上げてきておるわけでございますけれども、本年度内に具体的な結論が出ますかどうか、出たならば直ちにその方向に向かって善処されるかどうか、お尋ねをいたしたいと思います。
  8. 大屋敷行雄

    大屋敷説明員 この問題は、総理府審議室というところがございますが、そこでやっておるわけなんですが……。
  9. 岸野駿太

    岸野説明員 室長がちょっと所用のためおくれておりますので、かわりましてお答えいたします。  ただいま御指摘がございました公務員年金制度連絡調整会議におきましては、御承知のように、スライドの問題を鋭意検討しているわけでございます。しかしながら、検討の過程におきまして、各種年金制度におきます共通部分個別部分、これにつきまして、それぞれ制度沿革等がございまして、かなり差異がございます。共通部分と特殊の部分を仕分けをするという検討に現在追われておりまして、この検討が終え次第、具体的なスライドの問題につきましてもすみやかに検討を加え、できるだけ各種制度共通の尺度を見出すべく、私ども会議事務局としまして、早く結論が出ますように取り進めておる段階でございます。
  10. 只松祐治

    只松委員 今年度中に出るのですか、どうですか。
  11. 岸野駿太

    岸野説明員 社会保障制度審議会からの申し出も、一両年中に結論を得るようにという申し出でございまして、私ども気持ちといたしましては、できるだけ早く、少なくとも本年度中には結論を出したい、会議事務局としての私ども気持ちはそういうことで、各省に対しましては、そのような方向でもって討議を急いで進めていただきたいということをお願いしております。
  12. 只松祐治

    只松委員 ぜひ本年度中に結論をお出しいただくように御努力をお願いしたいと思います。  なおその際、これもまた非常にこまかいことですが、増額のしかたについて、これはいままでのいきさつなり沿革なりいろいろありますから、複雑なこともわからぬわけではありませんけれども、受け取る人間、受け取る自分が、今度スライドした、あるいは今回の場合もそうですが、なかなか複雑で実質自分幾ら増額になるか、スライドになるかわからないということが実態のようですね。したがって、これはそれの事務を担当している人の中にもそういう意見が非常に強いわけですけれども、受け取る本人が少なくとも今度は自分は幾ら上がるのだ、幾らスライドするのだ、増額になるのだということがわかるように、ひとつ簡略化といいますか、あるいはもう少しまとめるといいますか、一本化をするといいますか、そういうことをしてくれという要望事務的にも非常に強いわけです。それから受け取る人間も、自分が今度大体幾ら上がるのやらわからない、こういうことはもうすでに時間がありませんから言いませんけれども、春闘で賃上げがあると、何%アップになる、今度幾ら上がるということが、受け取る人が自分でわかるわけですね。ところが年金の場合、給料俸給をもらうのが終わって、そして今度は年金生活をしていくという段階になってきて、アップになっても、自分の受け取る額がわからない。ごまかされているのやら何されているのやら、まさかごまかしているのじゃないと思うのですけれども、とにかくわからない。きてみて、なるほどこれだけ上がったのかというのでは、これはありがたみも少ないわけですし、これはどうせそこにすわっておる皆さん方もおもらいになるわけで、そのときになかなかわからないというのでは困るわけですから、もう少し簡略化をするということはできないものですかどうですか。
  13. 岸野駿太

    岸野説明員 個別の制度改定につきましては、それぞれ沿革がございますので、私から一括して御説明お答えするのはどうかと思いますが、ただ、スライド規定を適用いたしまして、過去既裁定年金につきまして上げるというような場合におきましては、できるだけスライドの中身が、たとえば物価であるとかあるいは給与改定分であるとか、あるいは国民生活上昇分であるとかというようなものが、比較的簡単なものさしでわかるようなことでもって、各種年金を簡単な竜のさしでかつ共通なものをつくりたいということで、私ども協議会事務担当者段階ではそういう話し合いで進めていきたいというぐあいに思っております。しかしながら、それぞれの制度はいろいろ複雑でございますので、具体的な問題につきまして改定する部分、実際の事務取り扱い上の問題につきましては、また先生の御趣旨もございますので、それぞれ各関係省庁間の担当者ともお話をいたしまして、そういう方向でもって進めたい、こういうぐあいに思っております。
  14. 只松祐治

    只松委員 いろいろ沿革があって、既得権益を侵害したり喪失したりするというようなことは困るという意見が出ると思うのですけれども、しかし、今度スライド制についてある程度の根本的な検討を加える、こういうときにでもいま言うようなことも直していかないと、なかなか受給者にわからない。いわば年金民主化といいますか、そういうこともできないと思いますから——税法とこの共済法が一番わからないといわれております。実質、私たちが見てもなかなかわからないわけであります。ぜひひとついまのような御努力をお願いしておきます。  それからもう一つ、大体いままでの慣例としては十月からアップになるわけですが、その場合に恩給は一月に支払う、共済は十二月ということで、三カ月ごとの支払いになります。共済の場合は九、十、十一、十二、これを二回に分けて支払うというような事務的ないろんな繁雑さ——事務的ということは、結局受け取る側もいわばわずかなアップを二回に受け取る、どういうことにもなるわけですね。したがって、そういう点も何か恩給に合わせるとか、あるいはそういう上がるときだけ四カ月一緒にまとめてするとか、何か便法を講じて、どうせ受け取りに行かれる方はお年寄りの方とか遺家族の人とかが多いわけですから、こまかいことですけれどもそういう点にもひとつ配慮をしていただきたいと思います。よろしゅうございますか。
  15. 津吉伊定

    津吉説明員 公的年金全体を通じまして全般的に調整さるべき事柄であるとは思いますが、御指摘のように、われわれのほうの支払い期というのは先生おっしゃるとおりでございます。これは支払い窓口等の問題もございますので、その辺受給者の御都合ということもございます。いずれも総合勘案いたしまして、適切な結論を出したいと存じております。
  16. 只松祐治

    只松委員 次に、これもほかの議員もたびたび申し上げましたし、私たちも申し上げてきておる事柄ですが、連合会の構成、またその内容運営、そういう問題について近代化といいますか民主化といいますか、ずばり言うならば組合員の多数意見というものが、上にいけば上にいくほど逆ピラミッドで代表意見が出てきていない、発言するチャンスがないということが指摘されておるわけでございますが、ぜひひとつ圧倒的な多数を占める組合員、いわば職員組合に参加しておるような人々の意見が、自分たち社会保障の大きな柱であります共済の問題についても意見が述べられる、意見が反映してくるというようにすべきだと思います。今回は附帯決議にもつくわけでございますけれども実質的にこれは推進していただきたいと思いますが、これは大蔵省当局意向とともに、運営の衝に当たっておられる連合会意見も聞いておきたいと思います。
  17. 津吉伊定

    津吉説明員 先生承知のような、連合会の法令上定められておる組織がございます。おっしゃいますような面がございますので、従来から加入組合員意向が十分反映されるような措置というのを検討しながら進めつつあるところでございますが、さらに御要請を検討いたしまして、適切な運営をはかりたいというふうに存じております。
  18. 中尾博之

    中尾参考人 御質問の御趣旨のあるところは私もよく理解いたしております。これは前々からいろいろ御議論のあったところであるということもよく承知しております。そういうような意味におきまして、私といたしましても、連合会仕事法律に基づく仕事でございますが、その中で福祉関係というのは実際にお使いになる公務員の御要望に一番即したものでなければならぬということが一番大事なことで、そういう意味でそれらの御意見を十分に反映できるようなぐあいに仕事をやってまいることがぜひ必要である、こういうように考えております。  ただ、私のほうでできますことは運用の問題でございます。したがいまして、制度の問題になりますと私のほうでは実はどうしようもない。私ども制度をちょうだいいたしまして、それを誠実に運営してまいりたい、どういうように考えております。そういう場合の考え方の基本は、いま私が申し上げましたような心がけでまいりたい、かように考えておる次第であります。
  19. 只松祐治

    只松委員 こういう席でいかがかと思いますけれども、この共済組合連合会運営、いろいろな動向というのは、前の今井さんのときよりもうしろ向きの姿勢になってきたのではないか、こういうことがよく巷間伝えられております。法律もさることながら、やはりこういうものの運営は人にあるわけですから、世界の情勢というのはいかに社会保障制度の拡充に向かって進んでおるか、先進国家がそういう問題をいかに重要視しておるかということを十分お考えになって——やはりそういうことがささやかれるような後退があるのではないか、非民主化をしておるのではないか、こういうことがささやかれることがないように、連合会としてもぜひひとつ御努力をしてもらいたい。これは意見として私は申し上げておきます。  次にお尋ねをいたしますけれども国家公務員も、それから地方公務員についてもそうでございますけれども、この年金額算定基礎退職前三年間の平均が大体とられております。ところがある組合においては、公企体あたり最終俸給だけ、こういうことです。同じ国民が法のもとに、こういうふうに不平等であることもさることながら、いま御承知のように毎年毎年賃上げが行なわれております。物価が上がり、インフレが進んでおりますから、三年間ほとんど俸給が上がらないということならば別ですけれども、毎年毎年上がって、さらに退職後もどんどん物価が上がり、インフレが進んで名目賃金が上がっておるというときに、依然としてこの過去三年間平均だということは、これは論理的にも実際的にも合わないことだと思う。過去の三年間じゃなくて、退職した後から三年間というくらいの気持ちが本来的にこの共済制度を運用していく精神だと思います、老後を安定させるために。将来の三年間は不確定のものですから、実質上道理がないわけでございますけれども、あとずさりして三年間にするのではなくて、少なくとも現時点において、退職時において——将来上がる、必ず上がっておるわけでしょう。いまわれわれ考えてもまだ上がっていくわけですから、それをあとずさりして三年間の平均をとるのではなくて、最低限退職時における給与額算定基礎にする、こういうことにすべきだと思います。ひとつそういう御努力をしていただきたいと思います。いかがですか。
  20. 津吉伊定

    津吉説明員 御指摘になりました給付水準を高めたいという面におきましては、われわれやぶさかでないのでございますが、すでに先生承知のように、各種公的年金におきましてその年金基礎となります報酬あるいは俸給といいますのは、先ほどの総理府からのお答えのように、種々ばらばらでございまして、差異があるわけでございます。また反面、そういう給付水準の問題とともに財源負担という問題がございますので、直ちに、いずれの基礎額によるべきであるかということは、早計には結論を出しがたいところでございます。  したがいまして、公的年金の全体の中における検討ということが当然必要になるわけであります。たとえばいま引かれました公企体関係では、最終俸給基礎になっておりますけれども、反面では、これも御承知のように、退職金につきましての調整ということを行なっておりますので、そういうことがあってしかるべきであるかどうか、基本的に検討いたしますと、給付水準とともに、退職にかかわる諸給付あるいは住宅対策等々、退職後における処遇というものも総合的に考えられなければいかぬわけでありますので、これらを総合勘案いたしまして、鋭意、水準はもちろんできるだけよくなるように検討はいたしたいと存じております。
  21. 寺本力

    寺本説明員 地方公務員共済制度は、先生承知のように、国家公務員共済制度に準じてつくられておるものでございます。仕組みその他給付内容等すべて国公共済と同様になっておるわけでございます。したがいまして、先ほど給与課長のほうから御説明ございましたように、他の公的年金制度、特に国家公務員共済制度の歩み方というものと歩調を合わせてまいらなければならないもの、さように考えておる次第でございます。
  22. 只松祐治

    只松委員 それは国家公務員に準じて、あまり先んじてやったらおこられるかしれないから準じてということはわからぬわけではありませんけれども、やはり民主主義のもとでは、地方自治体地方自治体の独自の権限というものを持っておるわけですから、自主的にひとつやっていただきたい。しかし、そうおっしゃるならば、たとえば臨時職員の問題につきましても、国家公務員では、年金の通算の場合に任用後六カ月たてば適用になる。ところが、地方公務員の場合は一年になっておりますね、十二カ月。これなんかあなたが言ったことと全くうらはらで、国家公務員が六カ月ならすぐひとつ六カ月にしたらいいでしょう。こういうところは悪い意味の独自。いい意味の独自で三カ月にしているなら別だけれども、悪い意味の、国家公務員にも準じないで独自なことをしておる。だから、その場その場の答弁をしないで、私が言うように、独自にやはり地方自治体関係地方自治体関係でやりなさいということを言っている。独自にやるべきです。それからあなたの言ったとおりの準じてということになるならば、やはり当然に地方公務員の場合には六カ月にすべきだと思う。そういう強い要望があることも御承知のとおりと思います。なされますか、どうです。
  23. 寺本力

    寺本説明員 臨時職員期間取り扱いにつきましては、先生指摘のように、国と地方の場合若干異なっております。一年をカットして、しかもその後の給料月額が五千六百円以上、こういうワクを地公のほうでははめておるわけでありますが、国のほうでは期間が半年カットということになっておるわけであります。国共のほうが非常に有利な取り扱いとなっておるわけであります。  確かにそういう面をながめてまいりますと、先生おっしゃることごもっともであるわけでございますが、ただ、国の臨時職員の場合は、給与の支弁につきましても国の予算上明確になされておる。したがいまして、その実態の把握ということが比較的容易であるわけでございます。ところが、地方公務員の場合でございますと、失対の労務者から臨時職員になる、あるいは非常勤の学校の給食婦から臨時職員に切りかえられるもの、そうした雑多な種類のものがございまして、一がいにその実態を把握することが困難であるわけでございます。しかしながら、従来国会におきましてもいろいろ御指摘を受けておる点でございますし、地方公務員制度が国共の制度に準じて歩まなければならぬという性質のものでもございますので、われわれとしましては、こういう点につきまして近く実態調査をやりまして、その結果を明らかにいたしましたところで政令の改正を行なおう、こういう気持ちでおるわけでございます。
  24. 只松祐治

    只松委員 政令の改正を行なうと言うから、六カ月に国家公務員と同じにする、こういうことですか。
  25. 寺本力

    寺本説明員 国家公務員共済組合取り扱いと大体同様の取り扱いに改めたい、そういうぐあいに考えておるわけでございます。
  26. 只松祐治

    只松委員 自治省の方にもう一点お尋ねをしておきたいと思うのです。  短期掛け金の問題についてもいろいろ要望が出ておりますが、その中で医療関係政府管掌の健保よりも比較してもなおかつ高い、こういう面があるわけです。ほんとうはどういう面があるかから論議してお答えを聞きたいところですけれども、時間がありませんから、そういうことは一切省略いたします。ひとつそういう面については、他の単位共済との関係もあるし、あるいはいま申します一般の政府管掌のものよりも高い、こういうことでは組合員が不利益を受けるわけでございますから、そういうことがあった場合には、もっと大蔵省と折衝をして国のほうからめんどうを見させるなり、あるいはあなたのほうでほかに知恵があるならば考えて、そういうことで組合員に不利益がないように努力をしていただきたいと思うのです。
  27. 寺本力

    寺本説明員 地方公務員共済組合の短期給付の掛け金率と申しますものが、政管健保の千分の七十という料率をこえておるという御指摘でございます。確かに地方公務員共済組合の中で、市町村の職員で構成しております四十六の共済組合の中には、政管健保の料率は千分の七十でございますが、これを共済に換算いたしますと、約千分の九十四になるわけでございます。その千分の九十四というものをこしておりますものが十五組合ばかりあるわけでございます。  この財政対策という問題につきましては、われわれとしましても従来あれこれと検討をいたしてまいっておるところでございまして、ある時期におきましては国庫補助金を要求しようということで準備をいたしたこともございますし、また現在、医療保険制度の抜本改革の問題の一つとして考えられておりますような財政調整制度を市町村共済相互間でやらせようということで、市町村の職員をもって構成しております組合連合会がございますが、この連合会の機関にはかったこともあるわけでございます。しかし、この財政調整につきましては、組合間の利害が必ずしも一致しないわけでございまして、なかなかどうもうまくいかなかったというようないきさつもございます。またそのほかに、特に高い組合員に対してだけある一つの歯どめを前提といたしまして、市町村が補助金を出すというようなことも検討をいたしておるところでございます。あれこれ総合的に財政対策という面につきましては力を入れて検討を続けてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  28. 只松祐治

    只松委員 ぜひひとつ、いま私が指摘し、お答えになった問題については、少なくとも一般の中小企業やなんかが加わっている政府管掌よりも不利益になるというようなことがあった場合に、自治体でめんどうを見るか、国のほうでめんどうを見るか、それは皆さん方が研究され、努力されることとして、そういうことがないようにひとつ御努力をお願いしたいと思います。  最後に、これも附帯決議の中に出てまいりますので、要望みたいになりますが、今度地方公務員に定年制が実施される、五十七、八歳で今度は首になる、こういう状況が今国会にもあらわれてきている。もちろん私たちはこれに対して強く反対をいたしております。特に国家公務員の場合は五十五歳、地方公務員の場合は五十七、八歳、そこで、いろいろな社会保障制度は六十歳以降、よく五十五歳から六十歳までは人生の徒歩連絡、こういうことがいわれます。いわゆる退職後いろいろな問題にぶつかりますし、悩むわけですが、高級官僚で、すぐどこにでも天下れるという場合なら別ですけれども、一般の組合員はなかなかそういうわけにはまいらない。その間に不幸に病気をしたり何かいたしますと、これはたいへんな不安な状態を来たすわけでございます。退職後少なくともそういう収入も少なくなったり、なくなったりしているときに、突然病気が発生したとしても、それは長い間の労働をした一つの集積、宿病としてあらわれる場合が多いわけです。また、勤務中からある病気もあるわけであります。こういう面の医療給付については、もっと長期的にめんどうを見るように、具体的な措置を講ずべきであります。これも多少前進といいますか、前向きの方向検討されておるわけでございますが、さらにこの面について、いま言うようにいろいろなことがあるけれども、少なくとも病気だけぐらいは、まあやめてかかっても何とかいままでどおりめんどうを見る、こういうことぐらいは私はやるべきだと思うので、この点についてさらに格段の努力をお願いいたしまして、時間がありませんので、私の質問を終わりたいと思います。ひとつその点について、政務次官のほうから答弁だけは承っておきたいと思います。
  29. 倉成正

    倉成政府委員 退職後の医療給付の問題につきましては、私も国鉄の退職者の方々その他からいろいろお話を伺っております。現行制度につきましては、只松委員承知のとおり、在職中から療養を行なっていた疾病については、療養開始後五年間継続して給付をするということになっておるわけでございます。しかしながら、それからまた任意加入の制度もあることも御承知のとおりであります。しかし、まあ退職時には健康であって、退職後発病したときに、昔かかっておった病院が非常になれておるから、そこで療養させてほしい、また、それによって保険給付を受けたいということは、人情としては非常によくわかるわけでありますけれども、やはりいま国民健康保険の制度ができ上がっておる今日、退職後も退職前と同様の扱いをするということになりますと、保険制度全体の根本に触れる問題になってまいりますので、情においてはよくわかるわけでありますが、制度としてこれを取り上げるのには、非常に困難な問題があろうかと思うわけでございます。   〔毛利委員長代理退席、金子(一)委員長代理   着席〕  したがいまして、現在厚生省で制度全般の問題を取り上げておりますので、やはりそういった退職後のいろいろな方々の気の毒な問題、また、負担能力が非常に少ない方々の問題を、国民健康保険その他と関連して、どう取り上げていくかという問題は、やはり制度全般の問題で検討していただくべきことではなかろうかと思っておりますので、そのほうで検討をわずらわしたいと思っておる次第であります。
  30. 只松祐治

    只松委員 前向きで検討するという御答弁がない以上、再質問をせざるを得ないのだけれども、そういうことは私たちもわかっているわけです。ただ、いま一言言いましたように、これは根本的には定年制の問題から何から全部関連してくるわけで、五十五歳で首になって、たまたまいい職があればいいけれども、そうでなくて病気になったりいろいろな問題があるわけです。だから、社会保障制度なり定年制なり、そういう制度の問題も全部この問題と関連してくるわけです。そういうことであるから、まあ少なくとも長い間そこで働いておったなら、日本の場合、終身雇用制度が多いわけですから、当分はそこでめんどうを見るというくらいのことは、これは制度問題を論ずる前に、人情的にも考えるべきではないか。それをもっと前向きで考えていただきたい、こういうことを言っているわけです。時間がありませんからもそういう問題全部を論議をして詰めておるわけではありませんが、ぜひひとつそういう面を前向きでお考えをいただきたい、こういうふうに要望いたしておきます。
  31. 金子一平

  32. 武藤山治

    武藤(山)委員 割り当て時間が四十分しかありませんから、答弁者側はひとつ簡明率直にお答えいただきたいと存じます。  最初に、連合会理事長である中尾さんにお尋ねをいたしたいと思います。  御承知のように、従来共済連合会は、今井一男さんが、二十年間にわたり理事長としてそれぞれ運営の任に当たってきたわけでありますから、この二十年間に、一つの慣例というか、運営のビジョンというものが何か定着していたような気がするわけであります。中尾さんになってから、この連合会運営がどういう方向に指導されていくのだろうか、また、中尾理事長の共済に対する考え方、ビジョンはどういうものであろうか、こういう点をまず明らかにしないと、今後の連合会運営についてのいろいろな不安、摩擦、組合員の心配というものがあろうと思うのであります。  そこで、まず最初に、中尾理事長が名理事長になるためには、一体どういうビジョンをお持ちになっておるのか、まず先にこれからお答えを願いたいと思うのであります。
  33. 中尾博之

    中尾参考人 実は、きょうはどういうことをお尋ねにあずかるのかと思いましたが、そういう施政方針的なことであるとは予期しておりませんでしたので、整理したものを頭の中に持っておるわけではございませんけれども、お話でございますから、思いつくままに、日常の私の心がまえを申し上げたいと思いますが、即席でございますから、多少不備であるかもしれません。  まず第一は、ビジョンというお話でございますが、本質的には、私は私なりのビジョンがございます。それは、共済制度を運用いたしまして、これを制度の目的とするところに従って最も効率よく運営していくということに尽きると存じます。内容が少し形式的な表現になりましたが、共済はいろいろな面にわたっておるわけでございまして、非常に複雑なものですので、実は私も、本質的にまだ理解しがたいところがいろいろございます。社会保障の面もございましょうし、職場の一つの設備という点もございましょう。それから、一面において、給与的な面も非常に強いものでございます。また、福祉施設にいたしましても、組合員の方々の現実の労働条件というものと密接な関係があると思います。  こういうような、一口で言いがたい非常にむずかしいものでございますが、しかし、いずれにいたしましても、法律でその仕組みができておるきわめて大事な制度でございますので、この制度趣旨を体しまして、円滑に、効率的に運営いたしていくということに全力をささげたいと考えておるのでございます。  なお、ちょっと先ほどから、理事長がかわったのでどうこうというお話がありました。前の御質問にもそれらしきことがございましたが、それらの点につきましては、私は、きわめて忠実なこの制度運営者でありたい、誠意をもって、善良な管理者として効率的に運営していきたいということに尽きるのでございます。  それらの点で、あるいは多少従来のやり方とは変わった感じを持たれるかもしれません。たとえば、制度の問題につきまして私先ほど答弁というか説明を申し上げたのでありますが、制度そのものを論ずることの立場、政策を論ずることの立場というものは、私個人といたしましてはいろいろございますし、あるいは学識経験ということでその意見を求められる場合でありますれば申し上げるべきことも必ずしもなくはございませんが、現在の制度における連合会理事長としての立場に立ちますなら、まず与えられました制度そのものを忠実に生かしていくということが一番であろうと思います。それ以上の議論を連合会理事長といたしましてこれを要望するとかあるいは主張するとか、あるいは何人かに約束するとかいうようなことにつきましては、その妥当性があるかどうか、政府あるいは国会の先生方その他それぞれ政治的な妥当性をもって御議論になる立場と私はいささか違います。そういうことで、そういう点は私は分を守るべきであるというふうに考えます。そのかわりといってはおかしいですが、制度をちょうだいいたしましたならば、その趣旨に従いまして全力をあげてこれを効率的に忠実に実施していきたい、かように考えておるのでございます。
  34. 武藤山治

    武藤(山)委員 いまのあなたの施政方針演説には非常に重大な問題が含まれておるわけであります。まことに不満でありまして、その第一点は、あなたは効率よく運営していくのだ——確かに効率よく運営することは非常に重要な一つのかなめでありますが、同時に、民主的な運営をしなければいけません。そういう問題の配慮があなたが理事長になってから欠けておるのであります。はたせるかな、その表現があなたの施政方針の中に含まれていなかった。これはまことに不満であります。  第二点の、制度を忠実に守ればいいのだ、法に定められたものだけを守っておればそれでわしの分は足りるのだ、こういう認識についてもまことにこと足らぬさびしい感じがいたします。その制度がほんとうの意味でうまく活用され、その制度自体がほんとうに実現されておるなら私は何をか言わんやでありますが、あなたが理事長になってから、その制度自体も忠実に法の精神が守られておらぬのであります。あとで具体的に摘示しますが、そういう点から、あなたのいまの方針というものはどうも私には好ましい理事長の態度だとはいえないのであります。時間が四十分でありますから、具体的な問題について指摘をしながらあなたの見解をただしていきたいと思うわけであります。  いままで今井理事長は、この大蔵委員会に出席をして再三答弁をした中で、いまの評議員会、理事会という中に大多数の組合員の意思をすなおにストレートに反映をする役員が少ないことを認め、しかし、いまの段階で直ちに理事会なり評議員会なりに労働組合の代表を含めるということは、いろいろな過去の長い歴史の中からむずかしい問題がある。だからといって、これを放置して組合員意見を反映させないということはよくないと思う。だから、運営協議会なる仮称のものを設置して、これならば定款変更程度で可能であるからも運営協議会なるものをつくって組合員意見を反映させたい、こういう答弁を国会において行なっております。同時に、先ほど給与課長もそういうものができそうだということの意味深長な答弁をこの委員会で只松君にいま答えております。しかも、その運営協議会は、昨年八月、九月に今井理事長が組合代表と会見をして、それらのものをつくっていこうということを提示いたしております。しかるに、あなたが理事長になりましてから、今日いまだこの運営協議会の問題が前進をしないということは一体どういうことなのか、あなたはそういうものをつくる意思がないのか、前任者の理事長の約束であるから、そういうものは私は行なうつもりがないとでも言うのか。最後のあなたのいまの発言の中に、何事か約束することは妥当性があるかどうかという発言があった。このことは、その運営協議会の問題をさしての発言ではなかろうかとも受け取れるのであります。あなたは一体運営協議会をつくっていこうというお考えがあるのかないのか、明らかにしてください。
  35. 中尾博之

    中尾参考人 いろいろ御心配をいただいて恐縮でございますが、いま申し上げましたのはいささかお粗末でありまして、お答えしたとおりでありますが、効率的に行なうということは、まさに国家公務員の方々の実際の需要に合わせてむだのない仕事をするということでございます。そういう意味で実際に実情に合った仕事をしていきたいということであります。そういう意味におきますところのいわゆる民主的な配慮ということは、私は最も大事なことであると思うということは先ほども申し上げておるのであります。その点は申し上げたとおりでございます。  それから、次は運営協議会の問題ですが、この問題につきましては、率直に申し上げまして、私はいま非常に困惑いたしておるのでございます。国家公務員の皆さま方の実情が、率直に正確に私どもの計画に反映するということが絶対必要なことは、これはもう言うをまちません。したがって、それについてのあらゆる運用上許されるところのくふうは私どもつとめたい、こういうふうに考えておることは明瞭に私は申し上げておるのでございます。  ただ、先ほどお話がございました前理事長が組合の方々、これは大ぜいおられますが、大体二つございまして、一つは国公の事務局長の岡田さんその他の方とお会いになって話し合いをされた場合、それからもう一つは、全農林の委員長でございます渡会さんにお話しになりましたものと二つ記録が残っております。それによって、私もそのような事実があったことはもちろん承知いたしておりますし、そういう申し入れが運審からあったことも承知をいたしておるのでございます。ただ、その中におきまして、いま私どものほうは正規の機関がありますが、それが単なる判こを押すだけだというようなことになっておる点、しかもこれらは各省もこれを承知いたしておるというような前提でお話しになっておるのでございますが、大事な点でございますので、私も実は各省にそれらの点を念を押しておるのでございますが、どうもその点はそういうふうにはなっておらないのであります。それが困った点の一つでございます。  もちろんこういうお話でございますから、前理事長もいろいろな段階を経まして、いろいろの形でおそらく何とか話をまとめるなり固めるなり、いろいろな了解を固めたい、こういうふうに努力されたと思います。思いますが、どうもそこのところが前後いたしておりまして、各省のほうがそういうような理解を持っておりません。この点私としては非常に苦慮するに足るのであります。なければそれはだめだというのでは、今井さんの御趣旨を没却することになりますし、そうかといって各省が承知してないものをしていると私が強弁するのでは、また事実に反しますから、今後は動きません。  それからこれらのお話がありまして、いわゆる呼びかけをさしておるわけです。それでかわられたのでございますが、それに対するそれぞれの御回答が——正式にまだ私はお目にかかったわけではありませんから、正式の回答というか、回答の全容を示すものであるかどうかは存じませんが、一応そういうような線に乗ろう、それで話し合いをしようということですが、その話し合いの中には、さらに機構問題を含むところの民主化問題を議題にする。私が前理事長から話を伺っておったところでは、こういうような話し合いをもって民主化というような形に考えておられたようです。しかし、この場においてさらに機構的民主化を含む話し合いをやるんだという前提でまたこの話を受けておられるようであります。この点も実は私としましては、運用できることならば責任を負いますが、機構をどうするかということにつきまして、組合の方と直接私はお話を申し上げることは、立場上おそらくちょっと余地がなかろう。これは本来転倒でありまして、やはり一方で定められておることは、一方の妥当性と責任のある向きでお話し合い願いませんと、その点は私のほうといたしましては立場上これに応じがたいむずかしい立場にございます。それは私の立場の問題で、法律上の問題です。そこを御理解願いたい。  それじゃそういうものはだめかということですぐに御返事をしますと、中尾というのは、いまお話しになったように、何かそういう共済組合員の真意をそんたくすることについて非常に粗末に考えておる男ではないかというふうにとられるのは、私としてはまことに心外です。そこで私は非常に困っております。各省にも御相談をしております。それから監督官庁の法律関係、このほうにもどういう意味を持つかということでお願いしております。それが実情でございます。
  36. 武藤山治

    武藤(山)委員 そうすると、各省が反対しているというのは、具体的に何省と何省がその協議会をつくることについて反対しているのか。
  37. 中尾博之

    中尾参考人 反対をしていると私は申し上げておりませんで、この運営協議会できめたものを認証するように、ただ判こを押すだけにするという点ですね、これを言っておられるということになっておるのです。その点が、そういうことで各省御承知でございますかということを私は関係課長会議でやったのですが、だれもそれを承知している方がないのです。それ以外、別にどこの省が反対ということではありませんで、私の省ではそういうことを了承しているのだということを御発言になる向きもございませんでした。
  38. 武藤山治

    武藤(山)委員 あなたは、これができれば正規の機関が判を押すだけになるなんということは、今井さんのつくった要綱には全然うたってないじゃありませんか。それは悪意に今井要綱なるものをあなたは理解しているからじゃないですか。まずあなたは、事実関係として今井要綱というのを読んだことがあるか、ないか。  第二には、昭和四十一年三月、今井理事長がそれを提起して、四十一年四月に協議会要綱についての説明を行なって、国会では四十年三月二日にこの委員会ではっきり給与課長が次のように答えている。評議員会にかける前、組合員意見を十分聞くため、運営審議委員の労使代表二名による議決機関の方法も考えられる。だけれども、それよりも協議会のほうがまだ当たりがなくていいだろうということで、今井さんはこういう案を打ち出してきたのですよ。この中のどこに書いてあるのですか。要綱を読んだのですか、はっきりしてください。
  39. 中尾博之

    中尾参考人 運営協議会(仮称)設置要綱案というものは私のところにもございますから、これは私も拝見はいたしておるのでございます。ただ、私が申し上げましたのは、これがほんとうかうそか存じませんのですが、私のほうの公式記録としまして、当連合会に実は記録があるのです。それが昭和四十二年八月十一日午後一時三十分から四時まで虎ノ門の共済会館におきまする会合が一つ。それからもう一つございますが、同じく四十二年八月に、これは十日でございますが、虎ノ門共済会館におきますところの関係の方の御会談がございます。それの中のつまり発言ですね、それを私は申し上げておるのでございます。この運営協議会設置要綱案なるものに私が申し上げたことが出ておらぬということは私も承知いたしております。しかし、これは実際にはどういうふうなものであるかということの相談もしておられるわけです。その中にあるわけです。さらにこれにもいろいろその実態といいますか裏といいますか——これは通り一ぺんですね、表面のものです。実際の運用はこういうふうにやるのだというような趣旨の御会合があるわけです。その中に、たとえば労働組合が表面に全然出ないじゃないかというような質問に対しては、それはもう一つ裏になるのだというような御説明があったり、そういうふうな雰囲気の会合です。そのときのやりとりの中に、そういうことで進んでおる、こう申し上げたのであります。
  40. 武藤山治

    武藤(山)委員 しからば、あなたはどうしようというのか、あなたは今後どういう態度をとろうとするのか、それを明らかにしていただきたい。
  41. 中尾博之

    中尾参考人 事柄は、いわゆる連合会の事業が組合員要望に沿えるところに対しまして正確にそれに向かうようにするということは、私はきわめて大事なものであると思いますので、その線に従って努力いたします。ただ、私の立場といたしまして御理解いただきたいのは、やはり制度がございますので、この制度に即していきませんと——なおこの制度を変えなければならぬということになったら、ひとつそちらのほうで御配慮の上お願いをいたしたい。いまのところ、私どもといたしましては連合体というような性格もあり、それから私自身が監督官庁の任命になっておるような関係もあり、なかなか一がいに申し尽くせる形ではありませんが、いろいろな性格が私どもに与えられております。それに即して私は最善を尽くすということであろうと思います。ただ制度の問題、法律上の問題というものにつきましては、単位共済組合あるいは御当局、あるいは国会の先生方というような方々は、やはり十分な妥当性をもって御議論あるべきものと思いますが、私どもはいわば法律に基づく受託されたる一つの装置で断ります。行政学的にいえばアパラタス。しかし、それがとかくの立法的な論議を推進的に申し上げるということには御遠慮があろうかというのが私の感じでございます。しかし、実情を最前線においてよく承知いたしておるという意味におきましては、私ともも十分にそういうところの知識に接しておる立場にある者としての立場というものはやはり心得ております。したがいまして、そういうような事実的な面につきましていろいろお尋ねもございますれば、私どもといたしましては、何と申しましても公務員の皆さま方の福祉のため、共済制度の発達のためでございますから、関係者といたしまして十分に協力をいたさなければならない、こういうふうに考えております。
  42. 武藤山治

    武藤(山)委員 あなたの答弁、よくわからぬ。運営協議会をつくる方向検討を進めるというのか、それともそういうものはいろいろむずかしい議事の中で応答があったから、それが全部理事長として個々に当たって解消するまでは運営協議会なるものはつくる気がないというのか。国会の決議なんというのは全くそれはしろうとがきめているものであって、わしはそんなものには縛られぬ、国会で附帯決議をつけたって知っちゃおらぬ、こういう態度なのかね。はっきり言ってくださいよ。あなたの答弁、さっぱりわからぬじゃないか。協議会をつくるのかつくらぬのか、どうなんですか。
  43. 中尾博之

    中尾参考人 つくるとかつくらぬとかいうことをここではっきり申し上げる用意がないのです。というのは、これは非常に大事な問題でもありますし、それから共済組合連合会でやっております福祉事業なるものが国家公務員のためにかゆいところに手の届くものでなければならぬということ自体が私の基本理念でございますから、したがって、そういうような態度に対して誤解を与えるような発言は、私としてはよくせきでなければできないのです。だけれども、いまここで申し上げておることは、前にこういういきさつもあり、その経緯を見ると、なかなか私の手に負えない問題がある、そこでたいへん困っております。  しかし、これをいまこういうわけで困っておりますと申し上げると、おそらく、当時話し合った方は、双方でそういうことで了解しておるわけですね。各省も承知しておると思って了解しておるわけです。何だということで、これもたいへんがっかりされるといいますか、どういうことだとむしろ憤慨されるかもしれない。やはり国家公務員の方々の実情に即して今後仕事をいたしてまいりまする私といたしまして、それが誤解の種になったのではほんとうに不本位千万、そこで、私はどういうふうにいたしたらよろしいかと実は非常にまいっておるというのが実情なんですが、問題はやはり制度というものを変えていただくなら変えていただく、変えていただかないなら、その範囲内で、しかも連合体でもございますから、それぞれの御理解のもとに何とかして体をなすものを持っていきたい、そういうふうに持っていかなければいかぬだろうと思っております。それには限界がございます。
  44. 武藤山治

    武藤(山)委員 給与課長、あなたは二年間給与課長をやっておって、附帯決議がつけられた経過も知っておる。そういう組合員意向を十分反映するような連合会意向が強いということで、今井さんも呼んでわれわれが議論したことを知っておる。あなたはそれを、監督官庁として、連合会がこんな運営協議会ができない障害は何だと思うのですか。ぼくは、こんなことは、理事長がやろうと決断すれば簡単にできないことはない、なぜできぬのかふしぎでしようがないのですよ。監督官庁としてどうですか。
  45. 津吉伊定

    津吉説明員 先生承知のように、いわゆる連合運審というのを、もちろん事実上の会合でございますけれども、四十年度から行なってきております。これは重々先般来から申し上げておりますように、共済組合のたてまえあるいは制度、組織につきまして、法律で定められておるところがございます。これは先ほど来理事長が申しておりますところの制度ということでありますけれども、その制度の範囲内における運用という問題であるか、あるいは制度そのものであるかは、やはり実質的にそれぞれ関係者において検討を尽くす、相談するということが必要かと存じております。また、私といたしましては、その制度の範囲内における運用というめどにおきましては、これは反対をする意図はございません。
  46. 武藤山治

    武藤(山)委員 そこで、関係者と十分何回も協議をして、会見をして、引き継ぎ事項でずっと今井さんから提起された問題であるから、もう一年に近くなろうとするのだから、なぜそれが進まなかったのかというのは、私は理事長の責任だと思うのですよ。理事長の個人的な問題に及んで恐縮ですが、あなた、理事長になってから何時間出席しましたか。欠席は幾日ありますか。出勤簿を持っていますか。からだがぐあい悪くて、あんまり出てないというでしょう。だとしたら、私が欠席がちなんでこういうことはなかなか進まなかったとか、私が健康を回復したらこんなものは簡単に、何回も会議をして、早急に片づけますと言えるじゃないか。私はあなたの責任だと思うのですよ。そうじゃありませんか。あなたに責任ないと言い切れますか。はっきりしてください。
  47. 中尾博之

    中尾参考人 私の責任の問題は私から申し上げるのはどうかと思いますので、これは監督官庁のほうにお願いしたいと思います。  ただ、私といたしましては、私は法律に基づいて発令をいただきまして、それで責任を持っておるものでございます。したがって、その立場において運営していかなければならない、そこをひとつ御理解いただかなければならないのであります。しかもこれは連合体、したがって各省の御意向もまとめていかなければならないという立場にありますが、先ほど来申し上げましたようなことで、話の順序が少し前後いたしておりまして、各省とも承知いたしておるのに、これがどうも私が言うと承知しておらぬというようなことであります。それからまた、話し合いの内容も、共済制度そのものについて、私が労働組合の皆さま方と何らかの相談、合意、約束といったようなものをするような線にいっておるようなことでありますが、これはまことにどうも私といたしましてはいかがかと思います。そういうことでなく、ひとつ実際に現在の制度を前提にされまするならば、現在の制度の範囲内で動くような形、そういう形ができたらたいへん好ましい、こう私は考えております。従来の連合運審というような考え方は、いろいろな方が考えてもやはりそういうところに落ちつくので、私はたいへんけっこうなことだと思うのです。現に私どもやっておりましても、単一の単位共済組合の御意見なり御要望なりが出てくるわけですが、その背後にはいろいろな経緯もあり、それから賛否両論、それぞれの立体的な背景があるわけでございまして、それらの問題を私ども立体的にやはり御理解申し上げましてそれを受け取るということは、実は私としてもぜひ必要なことだと思っておるのです。  そういう意味において、何かうまい制度ができたらぜひその運用上やっていきたいということについては、私は非常な熱意を持っておる次第でございます。
  48. 武藤山治

    武藤(山)委員 とにかく割り当ての時間があって、いまの問題をきちっと——本年になってからも、国家公務員共闘からあなたと会談をしようとしてもあなたがおらぬ。常務理事では話にならぬといって断わられる。その要望の詰めをやろうとしても会談すらできなかったじゃありませんか。だから私は、じゃあなたが一体どのくらい出勤されているかという個人の問題にまで及ばざるを得なくなったのですよ。しかし、時間がありませんから次へ進みます。  それだったらあなた法令どおりにきちっと法令を守ってやっていけばいいのだ、それが私の分なんだ、こういうあなたの見解ですが、今度の審査会委員の任命についてだって、いままでの慣例を全く破ったじゃありませんか。共済組合法百四条によれば、「審査会は、委員九人をもって組織する。委員は、組合員を代表する者、国を代表する者及び公益を代表する者それぞれ三人」とする。そういう場合に「組合員を代表する」とは一体どういう概念なのか。一番好ましい組合員を代表するという意味はどういうことなのかという理解の問題が非常に重大な問題なんですよ。そういう場合に、いままではちゃんと国公共闘の意見を聞いて、推薦を聞いて、その推薦人を選んできたのが、ことしは推薦をちゃんと二名、国公共闘がしたのにかかわらず、それを拒否して一方的にきめている。こういう慣例無視はどういうことなんですか、あなたになってからこういう慣例無視をするということは。ひとつあなたの所見を伺いたい。
  49. 中尾博之

    中尾参考人 まことに申しわけないので、またお気持ちにあれするかもしれませんが、その問題は実は私のほうの所管の問題ではございません。何ぶんの御意見はちょっと申し上げることはできないのであります。
  50. 津吉伊定

    津吉説明員 御指摘の審査会は、連合会加入組合にありましては連合会に置かれます。加入組合以外は、たとえば郵政等はその組合に置かれるわけであります。その審査会委員は大蔵大臣が任命をする。先ほど先生がおっしゃいましたような分野の中からそれぞれ三人ずつ任命をするということになっております。  したがいまして、大蔵大臣が任命する際の考え方いかんということに相なるわけでございますが、一方的に任期到来の審査会委員につきまして任命をいたしたというような評価があるいはされるかもしれません。しかし、われわれといたしましては、すでにおっしゃいますところの職員団体側の要請もございましたけれども、これも御承知のように、この任期は三年でございますが、任期到来の審査会委員はそれぞれ、三期つとめた、それから二期つとめたという方々でございます。われわれ組合員意向を最もまんべんなく代表するというふうな意味合いからこれを見ますると、組合員数というのが一つの徴標でございます。またもう一面考えましたことは、これも重々御承知でございましょうが、別途また審議会といたしまして国家公務員共組合審議会というものがございます。そこに出られております委員は、組合員代表という面におきましてやはり組合員数の多少というようなことも勘案し、また、共済事業の実体的な評価ということも考えまして、文部省あるいは農林省、郵政省というふうな関係のいわゆる組合員代表というのが出られておるわけでございます。そういう他の審議会という面からも勘案いたしますと、この際はやはり四選あるいは三選ということではなくて、もちろん永久にそれぞれの審査会委員が固定的にその省のいわゆる株になるということでは毛頭ございませんので、その間組合員意見を最も広範に代表し得るという面と、それから重複いたしますが、先ほど申し上げたほかの審議委員の選出状況というものも勘案いたしまして、決して一方的にこれを任命したものではございませんで、御意見としては拝聴しておるということでございます。
  51. 武藤山治

    武藤(山)委員 一方的でないと言うが、従来はちゃんと推薦した者を大蔵省は認めておいて、今回に限って推薦を、片方は三期任期が済んだから、二期済んだからという理由で、全く推薦されない別な者を選ぶというのは、いままでの慣例を破ったことですよ。やはり民主的な運営を認めていくという方針なら、組合が出してきた者がもし好ましくなければ、この人は好ましくないのだがもう一回別な人を推薦し直してくれぬか、そして推薦し直した者を認めたらいいじゃないですか。それが民主的じゃないですか。違いますか。
  52. 津吉伊定

    津吉説明員 おっしゃるとおりでございますが、今回推薦が出ました状況は、これは手続的なことを申し上げて恐縮でございますけれども、すでに任命手続が大詰まりにまいりまして任期すれすれというところで、前どおりの委員を任命されたいというような推薦といいますか要請があったのでございますが、これはいま申し上げましたように、別段いわゆる組合系統を毛ぎらいして拒否をするという意図では毛頭ございませんで、先ほど申し上げた趣旨に基づいて選任いたしたということでございます。
  53. 武藤山治

    武藤(山)委員 すると給与課長、大臣も来て採決を待っておるようですから私は詰めて詰めて、質問は十点ばかりあるのがまだ二点しか終わらぬのですよ、あなたの答弁も長いから。そこで、今後任期が来たときに、こういう場合やはり従来のように推薦制をとってできるだけ組合員多数を代表する者の意向が反映できるようにする、今後はそういう配慮をする、従来の慣行どおり、こういうことを約束できますか。
  54. 津吉伊定

    津吉説明員 従来の慣例とおっしゃいますのが労組の推薦ということであったかどうかは、私おことばを返すようですけれども、いろいろ解釈のしようがあるかと思います。いずれにいたしましても、十分その余裕があります段階組合員意向を十分に代表する委員を選任いたしたいという気持ちにおいては変わりがないわけでございますので、十分検討いたしたいと思います。
  55. 武藤山治

    武藤(山)委員 中尾さんもう一つ。あなたはこの間、共済組合連盟から連合会は脱退するということをきめたやに承っておるのですが、脱退をきめたのですか。
  56. 中尾博之

    中尾参考人 きめました。きめましたが、あれは手続上は私のほうでかってに脱退するわけにはいきません。内部の御承認がなければできません。したがって、その手続は残っておりますから脱退したということではございませんが、脱退をいたしたいという申し入れをいたしましたことは事実でございます。
  57. 武藤山治

    武藤(山)委員 いままで長い間、連盟の最も大きな母体としての連合会がなぜこの場になって脱退をしなければならぬのか。理事長の見解どうですか。脱退しなければならぬ積極的理由をひとつ明らかにしていただきたい。
  58. 中尾博之

    中尾参考人 先ほども申し上げましたように、私も共済組合連合会のほうの立場で実は申し上げておるわけであります。その立場から申しますと、これは法律に基づいてできた一つの機関でございまして、私ども任命制によって任命されておりますが、それ自体、言うならば広義の政府関係の機関、特別な監督を受けた機関でございまして、そういう立場からいたしますと、一方的な意見を述べる、あるいは若干の特殊利益を代表するとか、あるいは極端にいえばプレッシャーグループとかいう式の活動というものは、あらゆる施策においてあるわけだし、それはまた意味もあると思いますし、必要な場合もございましょうが、それらの活動にどうも私はなじまない、私どもの団体といたしましてはなじまないというふうに私は考えます。その結果でございます。
  59. 武藤山治

    武藤(山)委員 それは、あなたが理事長にかわったとたんに、そういう共済組合全体の横の連絡や意見交換のできる場から飛び出てしまうということは、何か一つの挑戦ですよ。そう受け取れますよ。私はそこは、あなたのしかとした定見があって、その連盟をぶっつぶすことをねらいとしてやるのか。あなたたちが抜けることによってどういうことになるかということはわかっているでしょう。おそらくこれは厚生省の医療制度の改革試案が提示されて、それに対して各組合が反対の意向をそれぞれ述べた、そういうことに対するあなたの感情的な態度が、こういう連盟から脱退という処置に出たのではないか。これは推量ですがね。  こういう点から、大蔵大臣はまことに不適任な理事長を選んだという感じがするのです。大蔵大臣、いまの共済組合連合会中尾理事長をあなたは任命をしたのでありますが、どうも理事長に就任して以来のとっている態度というものが、従来の今井さんと比較した場合に、まことに納得いかぬ点があるのです。あなたは任命をした責任上、今後この理事長の運営方針というものについてもっと厳重な指導をすべきだと思いますが、大臣どうですか。——もう時間がないから結論を言いますが、私たちは大蔵委員会において何回も附帯決議をいろいろやっております。連合会運営についても、できるだけ組合員意見を反映できるような検討をせよ、こういうことを四十年以来ずっとやってきたわけです。本年の附帯決議にも、いまここでもって決議されようとしておりますが。しかるに中尾理事長は、今井さんがいままでそういうことをやろうとして運営協議会をつくろうというところまで、要綱までつくってきた問題を、新理事長は実行しようとしない。国会の決議も全く無視している。法律にはないけれども、一番大きな共済連盟という、私学共済も農林もみな入っている、横の意見調整や連結をやろうという親睦団体からも連合会がまっ先に、理事長は、評議員会の決議も経ないで、理事会だけで決定して脱退を申し出ておる。こういう理事長ですよ。適任者ですか。大蔵大臣、どう思いますか。附帯決議も守らぬ者をどう思いますか。
  60. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 先ほど十分指導するようにということでございました。十分指導いたします。
  61. 武藤山治

    武藤(山)委員 まあ理事のほうからの約束の時間もありますから、共済問題はまた臨時国会で、その後中尾さんがどういう態度をとるかをひとつ十分確認をし、追及をしたいと思います。その後、誠心誠意どういう処理をするかを見守りたいと思いますから、中尾さんもひとつ早くからだをなおして、連合会に対して組合員の持っている不安というものが解消されるように努力せられたいということを希望しておきます。  最後に大蔵大臣に、ちょっと問題が違いますが、たいへん大きな地震が起こって、佐藤内閣も少しゆれざるを得ないような大きな地震だったと思います。そこで、まず予算の問題で、この災害についてまだ積算はしていないと思いますが、大蔵省の関係で予算措置としてどのくらい必要となるだろうか、その目鼻についてはどんな感覚ですか。
  62. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 まだ所要額についてはいま全くわかりません。事前に新潟地震とかいろいろあったときの経費は一応調べてありますが、今回のものは地震の程度は低いのですが地域が非常に広いということもございまして、いままでの地震に比べて今度のほうが大きいか小さいかというようなことも、もう少し実情を調査しないとわかりませんので、いまのところ被害額はわかりません。
  63. 武藤山治

    武藤(山)委員 いずれにしても、地震保険の百億以上突破し五百億までの範囲内は半分国庫が負担をする、五百億以上の現金支出になった場合は国がオーバー部分を全額負担するというふうに法律ではなっております。したがって、今度の地震保険の持ち出しもおそらくいまの地震保険特別会計では間に合わなくなるだろう。その他公共事業あるいは災害復旧、いろいろな補助等においても相当の支出を必要とする。予備費は一千二百億あるが、公務員ベアもかつての三公社五現業の裁定などをおもんばかると、これも予備費から支出することが非常に狭められてくる。そこでとうとう総合予算主義というものはここでくずれる。ここで総合予算主義というものはくずれて、補正予算を組まざるを得ない。この一点だけ、大臣はどうお考えになっておるか、明らかにしていただきたい。
  64. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 御承知のように、本年度は予備費を相当充実させてありますので、補正予算は組まない、この範囲内で処理できると私は考えております。
  65. 金子一平

    金子(一)委員長代理 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。  中尾参考人には、御多用中のところ長時間にわたり御出席をいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼申し上げます。御退席いただいてけっこうです。  ただいま議題となっております各案中昭和四十二年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度における公共企業体職員等共済組合法規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案の両案に対する質疑は、これにて終了いたしました。     —————————————
  66. 金子一平

    金子(一)委員長代理 この際、両案に対しまして、自由民主党、日本社会党、民主社会党、公明党を代表し、毛利松平君外三十七名よりそれぞれ修正案が提出されておりますので、提出者の趣旨説明を求めます。毛利松平君。     —————————————
  67. 毛利松平

    毛利委員 ただいま議題となりました自由民主党、日本社会党、民主社会党、公明党四党共同提案にかかる昭和四十二年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案並びに昭和四十二年度における公共企業体職員等共済組合法規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提案者を代表してその趣旨を御説明申し上げます。  案文は、お手元に配付いたしておりますので、朗読を省略し、その要旨を申し上げます。  外国政府及び外国特殊法人職員であった者が公務員になった場合、現行共済組合制度では、その外国政府及び外国特殊法人の職員として在職した期間は、共済年金受給に必要な最短年限に達するまでを限度として通算することとしておりますが、この制限を昭和四十四年一月から廃止し、その在職期間のすべてを通算しようとするものであり、これに伴う所要規定の整備を行なわんとするものであります。  このことにつきましては、すでに数年来本委員会において善処すべき旨附帯決議が付され、また、今国会においては恩給法等の一部を改正する法律案についても同趣旨の修正が行なわれた上、衆議院を通過し、参議院において五月十日可決成立しているところであります。  何とぞすみやかに御審議の上、満場一致の御賛成を賜わりますようよろしくお願いいたす次第であります。
  68. 金子一平

    金子(一)委員長代理 これにて両修正案の趣旨説明は終わりました。  ただいまの両修正案中、昭和四十二年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案は予算を伴う修正案でありますので、内閣において御意見があればお述べください。水田大蔵大臣。
  69. 水田三喜男

    ○水田国務大臣 本修正案につきましては、恩給法等の一部を改正する法律案に対する修正に伴い、恩給受給者共済年金受給者との均衡上、政府といたしましてはやむを得ないものと考えます。     —————————————
  70. 金子一平

    金子(一)委員長代理 これより両法案並びに両修正案の討論に入るのでありますが、申し出がありませんので、順次採決いたします。  最初に、昭和四十二年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び同案に対する修正案について採決いたします。  まず、毛利松平君外三十七名提出の修正案を可決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  71. 金子一平

    金子(一)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、本修正案は可決いたしました。  次いで、ただいま可決いたしました修正部分を除いて原案を可決するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  72. 金子一平

    金子(一)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、修正部分を除いて原案は可決し、本案は修正議決いたしました。  次に、昭和四十二年度における公共企業体職員等共済組合法規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案及び同案に対する修正案について採決いたします。  まず、毛利松平君外三十七名提出の修正案を可決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 金子一平

    金子(一)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、本修正案は可決いたしました。  次いで、ただいま可決いたしました修正部分を除いて原案を可決するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 金子一平

    金子(一)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、修正部分を除いて原案は可決し、本案は修正議決いたしました。     —————————————
  75. 金子一平

    金子(一)委員長代理 ただいま議決いたしました両案に対し、自由民主党、日本社会党、民主社会党、公明党を代表し、村山喜一君外三十七名より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  この際、提出者より趣旨説明を求めます。村山喜一君。
  76. 村山喜一

    村山(喜)委員 ただいま議題となりました四党共同提案にかかる附帯決議案につきまして、提出者を代表して提案趣旨を御説明申し上げます。  案文は、印刷してお手元に配付いたしてありますので、朗読は省略させていただきます。  本附帯決議案の内容は、共済組合制度上早急に検討、改善を要すると思われます次の九項目に関する問題であります。  すなわち、まず第一は、公的年金調整規定の運用に関するものでありまして、すでに御承知のとおり、恩給については、三月二十五日に恩給審議会の答申も行なわれているととろでありますので、昨年七月、総理府に設けられました公的年金制度調整連絡会議における検討を精力的に進められ、今年度中にその結論を得て具体的対策を講じていかれることを望むものであります。  第二は、国家公務員共組合連合会運営につきましては、加入組合員意向が評議員会等に十分反映できる方途について具体化を進め、その近代化民主化をはかるべきであるとするものであります。具体的には、今井構想の運営協議会を早急に発足することも一案であろうと考えます。  第三は、共済組合の短期給付に要する費用につきましては、医療費の増高に伴う掛け金率の上昇等により、組合員の負担が限界に達していると思われる面もありますので、医療保険制度の抜本的改正あるいは他の社会保険制度との関連もあるかと思いますが、新たに公的負担制度を導入することを検討するとともに、長期給付の公的負担割合についてもその引き上げをはかるなど、前向きの検討要望するものであります。  第四は、各公的年金の最低保障額につきましては、現在かなり不均衡な状態を呈しておりますので、各年金について統一的な視点に立ってこれが適正な均衡をはかるとともに、受給者の実情にかんがみ、その引き上げを考慮願いたいとするものであります。  第五は、国家公務員共済組合法では、年金額算定基礎となる俸給の額は、現在、退職前三カ年間の平均額となっておりますが、これを公共企業体職員の共済年金の場合と同様、退職時の俸給額とするなどを考慮して、現在のベース改定額あるいは物価上昇等の状況にかんがみ、退職俸給と三年前とは大きな差があることにかんがみまして、他の社会保険及び共済制度との均衡を考慮しつつ、これが検討を求めるものであります。  第六は、旧陸海軍の共済組合等いわゆる旧令共済組合期間を有する者に対する厚生年金保険上の特例老齢年金につきましては、年金制度の通算の改善をはかる際、当該期間を資格期間としてでなく、内容のある期間として取り扱うことができないものかどうか、この点について十分検討すべきであるという趣旨であります。  第七は、御承知のとおり、外国政府職員期間または外国特殊法人職員期間恩給公務員に相当する職員期間は、恩給法上あるいは共済組合法上でもそれぞれ通算措置が講ぜられており、さらに今回、恩給法改正案、共済年金改定法案を修正して、いわゆる滞日ケースの者についても完全通算ができるように措置することにいたしましたが、雇用人としての在職期間につきましては、共済組合制度上では、現在、資格期間としてだけ取り扱うこととなっておりますので、内容のある通算をすることができるように、これが改善についても今後検討を要する点だろうと思うものであります。  第八には、遺族給付を受けられる遺族の範囲は、現在、組合員の配偶者、子、父母、孫及び祖父母で、組合員の死亡の当時主として組合員の収入により生計を維持していた者に限られております。現行法で規定されております十一万七千円は、現在内職収入の非課税措置分二十二万五千円等のランクに引き上げ、遺族給付の実情に即した運用が行なわれるよう検討要望するものであります。  第九は、現在、退職者の疾病につきましては、継続療養のみ最高五年間まで給付が認められているのでありますが、退職後の新たな疾病や事故に対しましては、共済組合員の資格がないため、給付水準の低い国民健保によらざるを得ないのであります。しかしながら、五十五歳あるいは六十歳で退職した者は、退職後二、三年の間に発病する場合が多いという実情、及びこれらの者が長い間共済組合員として掛け金をかけ、共済に尽力をしてきたという事情を考慮いたしまするならば、他の医療保険制度との関連もあるとは思いますが、退職後においても一定の期間医療給付が行なえるよう改善をはかることが必要ではないかと考えるものであります。  以上の諸点は、本委員会で従来とも論議されてきたところであり、あるいはまた、附帯決議として政府検討するよう要望してきたところでありまして、その実現方は組合員諸君の熱望してやまないところであります。したがいまして、この際、重ねて附帯決議として政府に強く要望するものであります。  何とぞ委員各位の御賛同が得られますようお願い申し上げまして、趣旨説明を終わります。     ————————————— 〔参照〕 昭和四十二年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度における公共企業体職員等共済組合法規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 一、公的年金スライド制についての調整規定の運用については、今年度中に結論を得ることを目途として公的年金制度調整連絡会議において検討し、具体的対策を進めること。 一、国家公務員共組合連合会運営については、加入組合員意向が評議員会に充分反映できる方途につき具体化を進めること。 一、共済組合給付に要する費用については、他の社会保険制度との均衡を考慮して、短期給付及び長期給付ともにその改善に努めること。 一、公的年金の最低保障額について、これが適正な均衡と引上げについて検討すること。 一、国家公務員共済組合法年金額算定基礎となる俸給については、他の会社保険及び共済制度との均衡を考慮しつつ、その改善に努めること。 一、旧令共済組合期間を有する者に関する特例老齢年金については、年金制度の通算を図る際、検討すること。 一、外国政府、外国特殊法人に在勤した庸傭員期間についての通算について検討すること。 一、遺族給付を受ける遺族の範囲は、主として組合員の収入により生計を維持していた者に限られているが、その取り扱いにつき、実情に即した運用が行なえるよう検討すること。 一、組合員退職後一定期間内に発病した場合において、他の医療保険制度との関連を考慮しつつ、医療給付が行えるよう具体的措置を講ずるよう努めること。 —————————————
  77. 山中貞則

    山中(貞)委員 ただいまの村山君の趣旨説明の項目は、附帯決議についてでありますから、もちろん各党一致しておるわけでありますが、あまりにも具体的な点について御指摘がございました。これらの一々はあげませんが、二、三の点においてなお与野党間で話し合いのついていないまま、したがって、附帯決議の程度の表現とせざるを得なかった問題点等が含まれておるやに拝聴いたしました。したがって、これらは今後検討するにやぶさかでないとしても、全会一致でその点を要望するものであるという具体的な点が全部含まれておっての賛成であるというふうにとられて、私どもがその処理に責任をとらざるを得ないということになりますと、ここで詰め直さなければならない点が出てまいりますので、趣旨については、説明についても賛成であります。また、附帯決議の各項目、いずれも賛成でありますから、以上、念のため申し添えまして、自民党としての立場を明らかにしておきたいと思います。
  78. 金子一平

    金子(一)委員長代理 これにて趣旨説明は終わりました。  おはかりいたします。  本動議のごとく附帯決議を付するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  79. 金子一平

    金子(一)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。倉成大蔵政務次官
  80. 倉成正

    倉成政府委員 ただいま御決議ありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って十分検討いたしたいと存じます。
  81. 金子一平

  82. 金子岩三

    金子政府委員 ただいま御決議のありました事項については、政府といたしまして、御趣旨に沿って十分検討いたしたいと存じます。     —————————————
  83. 金子一平

    金子(一)委員長代理 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  84. 金子一平

    金子(一)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  85. 金子一平

    金子(一)委員長代理 次回は、来たる二十一日火曜日、午前十時十五分理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十一分散会