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広瀬(秀)
委員 きょうはあまり時間がないのですが、いまの
倉成政務次官の御答弁に対して私は非常に大きな不満を持つのです。
国有林はその利益の中から、特別積立金引当資金などを設けて、これを今回のように
森林開発公団へ三十三億、さっき五十億と言いましたが三十三億出資をする。あるいは治山その他の経費の財源にしたり、あるいは
林業信用基金、これは
民有林などが全部対象になるわけでございます。あるいは農林漁業金融公庫への出資財源とか、こういうようなところにもだいぶ使っておるわけですね。それから
森林開発公団への支出財源として、いままで三十六年以降だけでも百三十八億も出しておるわけです。こういうようなぐあいにして、
民有林の育成なども同時にやっておるし、
林道の
開発というようなこともやっておる。こういうようなものも、やはり
国有林野事業のワクの中だけで将来にわたってやって、いわゆる
森林資源の
造成というような問題もこのワクの中だけではたしてやれるのか、それで
自給率をほんとうに高められるのか。こういうような点については、一般会計からの繰り入れというようなことももう少し大胆に打ち出して、そういうものにもつと力を入れるべき
状況に私は来ていると思うのです。この点はこれ以上やっても、きょうは時間がないから、
あとの同僚もおりますので、その点で私の不満だけをはっきり表明しておきます。
そこで最後に、
造林事業等を積極的に進めていく、あるいは
開発事業を進めていくにあたって、講じようとする
施策の中でも一番問題になっておりますのは、そういう事業をやる地域においてはいずれも労働力不足というような問題に当面しておるはずです。これは非常に今後の発展のためには重大な問題点だろうと思うのです。それで、いま
国有林に働いておる人が、これは正式の公務員たる地位を持っておる人がおそらく三万人だといわれておる、常用の職員といいますか、これが一万人、臨時が二万人、こういうような構成で約七万人で
国有林の事業に携わっておるといわれておるわけでありますが、この常用、臨時というような人たちに対する賃金の問題、あるいはできる限り
計画的な仕事を与えるというようなことを通じて、これ以上の人たちをおそらく確保していかなければ、何カ年
計画を立てたところで、それがみんな
計画倒れに終わって、みんな
計画よりは少しは下回りました、下回りました、毎年そういう
数字がそこから出てくるのじゃないか、こういうようにおそれられるわけであります。
この四十三年度に講じようという
施策の中でも、従業員対策というものが
かなりウエートを持って書かれておりますが、非常に抽象的であってどうもピントはずれな問題が多いと思うのです。青年の山をつくるなんということもいかにも思いつきで、こんなことで深刻な従業員の問題というものは解決つかないと思うのです。要するに、その人たちにしっかりした生活の基礎が得られるだけの賃金が与えられ、仕事が年間を通じて与えられるというような
状況で定着をさしていかなければ、これはたいへんなことになる。山仕事なんかやる人が必ずいなくなってしまう。まあ薪炭というものが燃料革命の中で落ちていったにしても、しかし
森林資源を、これからどんどん
需要が増大するというときに、それを
造成する、
開発する、そういう人たちが全部いなくなってしまう。こういうところに非常に重大な問題があるだろうと思うのです。これについて一体どういう
考え方、どういう対策というものを具体的に
——この
施策に書いてあるようなことだけではとても解決つかぬ。思いつきの対策ではだめだ。抜本的にはやはりその人たちに常時的な仕事を
計画的に与える。あるいは若干の移動くらいはやむを得ないと思うのですが、これは
林野庁なり国なり、県なり、そういうようなものの責任において、浮浪的な出かせぐというような形でなしに、統制ある、組織ある立場でのそういうことも考慮して、年間を通じて平らに仕事を与える、賃金をちゃんと保障していく、そして
森林労働者、
山林労働者でちゃんと食っていかれるような生活の基盤を保障するというのが一番大きい問題だと思うのです。そういう点ではやはり根本的な配慮というものが足りないと思うのですが、これについてお答え願いたい。