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村山(喜)
委員 あまり別な方面に発展をさせないでいただきたい。私に言わしめれば、いまの生命保険の問題であっても、
社会保障制度が充実してくれば、
国民が
自分の命を
自分で守っていくというような体制はつくらなくてもできるんですよ。しかしながら、そういうような情勢でないから、国
会議員でも三百万円の団体生命保険に入っている。この前島口さんがなくなった。そうしたら弔慰金まで入れても五百万円ぐらいのなにしかない。しかも年金はついていない。これは何とかせにゃいかぬなという話が出ておるような
状態なんですね。だから、だんだん物価が上昇をしていけば、そういうふうにして生命保険金もまた引き上げなければならない、こういうようなことにならざるを得ない。そういうふうにして、人間の命というものは金には換算はできませんけれ
ども、あとに残った人
たちの生活のめんどうが十分に守られないからそういうような生命保険制度というものが発展をしていくわけですね。だから、これらの問題は、
社会保障制度との関連性の中において、国家がそういうようなことを実現ができないから、それぞれ
自分で責任を持たざるを得ないということから生まれてくるわけであります。それを助長していく中において、生命保険は
国民のそういう掛け金を集めて、また、大きな
経済の発展に寄与するのだという理屈だろうと思いますが、そういうような形ではなしに、もっと
租税の原則的なあり方の問題から私はこれらの問題については御
検討願いたい。
そこで、この問題は原則論はやめまして、次に
お尋ねをいたしたいのは、リファイナンスの供与に伴ったその結果とその
税制の
関係についてであります。
これは参議院の木村禧八郎
先生が、予算
委員会で追及をしてだいぶ
新聞に出ました。また、この席におきましても、いろいろ産投会計の問題をめぐる論議をいたす中において、リファイナンスの問題も
阿部君あたりから追及をされたことは御
承知のとおりでございます。
そこで、去年の十二月十二日に調印がされまして、四千三百六十万ドルという資金、これは円で供与されておりますから、
日本円に直しまして百五十七億五千万円というものが、インドネシアの中央銀行に対しまして輸銀を経由して貸し付けられておる。そこで、その結果、輸銀の条件を私もあとで調べてまいったのでありますが、四十一年の七月一日から四十二年の十二月末までの間に期限が到来しておるもの、それから六カ月以上の長期分であること、それから第三点は輸出保険法による輸出代金保険に入っているものという三つの条件をつけたものについて、六カ月以上の債務の履行が遅滞したものについて、インドネシア中央銀行のほうから
日本の輸出の商社に対しましてドル建てで支払いがされたわけであります。それを受け取ります場合に、インドネシア
関係に対する輸出業者の諸君は、いまの輸出保険特別会計から保険金を受け取っているわけです。これは調べてまいりますと、長短合わせまして一千余件余りの、百八十億円を輸出保険特別会計から支払いを受けております。こうなってまいりますと、この輸出保険で支払いを受けた分についてはリファイナンスの結果、インドネシアの中央銀行がドル建てで
日本の商社に支払いを済ました
関係がありますから、当然その代金は二重
所得になってはいけないわけでございまして、その分について回収をしなければならない、こういう結果になるわけであります。
そこで、その結果、これが
日本の商社
関係に税法の上においてどういう影響を与えているのかという点を
お尋ねしているわけでありますが、四十二年十一月期の決算で、一億以上の資本金をかかえております
法人の売り上げ高と
申告所得を見てまいりますと、
申告所得は二〇・九%の大幅増益でございます。ところが、貿易商事
関係の二十二社について調べてまいりますと、
申告所得額は昨年同期に比べまして九三・八%ということで減収をしているわけであります。ほかの企業については、これは軒並みに売り上げもふえ、しかも
申告所得もふえておるにもかかわらず、貿易商事
関係だけは、これは二十二社の分だけではありますけれ
ども、九三・八%と、かえって減になっている。私はそれを見まして、リファイナンスして、インドネシアの中央銀行に金を貸し、それをもとにしてインドネシア中央銀行からドル建てで
日本の商社に支払いが済まされた、それで長期の分については保険金額の百分の九十に見合う分は当然手に入ったわけでありますから、では税法上どういうふうな
措置をとることによってこういうふうになってきたのであろうか、そこで具体的な問題として疑念を感じましたので、次の事項について
お尋ねをいたします。
この繰り越し控除や欠
損金の繰り戻しをやった例が商社
関係であるのかどうか。それから海外市場開拓準備金を取りくずした例があるかどうか、これについてまずお答えをいただきたいと思います。