○
吉國(二)
政府委員 ただいま御指摘がございましたように、
予約減税の問題も、これは租税の特別
措置の
一つでございます。しばしば御指摘がございますように、租税特別
措置というものは、
一つの政策目的を持っているという面と、それによる
税制の公平が一部害されるという面と両面を持っておりますので、絶えずその実情を再検討して洗いがえをしていかなければならぬ、これはもう仰せのとおりであると思いますし、現に私
どももそれに心がけている
わけであります。
この
予約減税の制度は、御
承知のとおり、従来超過供出奨励金あるいは早場米奨励金についての免
税制度が当時の米穀事情として政策的に必要であったということから、それを事前売り渡し申し込み制度に変わったときに換算をいたしてつくった制度でございます。その当時は、御
承知のとおり全
農家のうちの米作課税
農家というものは大体一四・五%でございましたし、売り渡し
農家のうちの課税
農家というものは実に二六・七%もあった
わけであります。ところが、その後累次の減税が続きまして、現在ではその数が、一五%あったものが四・一%、さらに売り渡し
農家のうちで課税
農家というものが二六%あったものが六・五%程度に下がっております。したがいまして、従来から毎年のように
税制調査会でこれが問題になったという趣旨は、単に他の所得者との問の不均衡という問題ではなくて、
農家相互間においても非常に不均衡がある。さらに、この
措置を受けている者の間でもこの制度の不可避的な現象といたしまして、地域によって非常な不均衡がある。早場米地帯とその他とでは全く不均衡があるということはしばしば言われております。そういう意味で、昨今になってこれを廃止するということを
税制調査会が言った
わけではございませんで、前からこれは言っておった
わけであります。そういうような意味で、最近の状況を見ますと、全
農家という観点から見ますと、これはわずかに五%程度のものだけが恩恵を受けるという結果でございますので、その不均衡というものはむしろ
農家そのものの中にあるという点から、しかも
予約減税がその事前売り渡し申し込み制度の補強策として役に立っておるかと申しますと、最近では事前売り渡し申し込みよりもこの減税の適用のない、それを越えた供出といいますか、売却、これが非常に多いのです。たとえば、ことしなどでは御
承知のとおり予約した数量は八百十万トン程度でございます。実際に供出されるものは九百万トンをこえると思います。そういう実情で、先ほど
食糧庁長官が言われましたように、この制度の目的としてはもう十二分に達してしまって、これはすっかり地についている。予約売り渡し制度は地についた、こう見られるということから、この際廃止をしよう、こういうことを言った
わけでございます。
ほかの特別
措置につきましても、同じようにその効果等を考えて廃止すべきものは廃止する。たとえば、本年の
税制改正におきましても、価格変動準備金の率を下げている。なぜ下げたかと申しますと、この価格変動準備金というものは前に税率を上げたときにそれの代替
措置としてある程度認められたものでございます。したがいまして、四十年、四十一年と
法人税率を下げました。それに応じて今度切り下げをした、そういうようなことをやっておる
わけでございます。配当について御指摘がございましたが、この配当利子につきましても、御
承知のとおり、昨年源泉徴収税率を引き上げまして、自後三年という期限をつけて現在その実効を見守っておる最中であります。
そういうように、私
どもとしては米だけを
措置するのではないのだ、
税制調査会もそういう態度でこの
措置に当たっておることを申し上げたいと思います。