○西家政府
委員 その後の美唄
炭鉱の災害の
状況につきまして御報告さしていただきます。
今月の十五日の朝、美唄
炭鉱の五片におきまして六名の方々の遺体を収容したのでございますが、その後引き続きまして五片の奥のほう、さらには五片から四片のほうに至る奥に四名おると想像されておりました個所の付近まで救護隊が入抗いたしまして捜索をしたのでございますけれ
ども、ついに四名の方の居どころを発見できずに引き上げてきたのでございますが、その後火炎が一向に衰えないという
状況でございまして、
ちょうど十七日に参議院の調査団に私も随行いたしまして参ったのでございますが、そのときの段階では、火がありますためにどうしても近寄れないというような
状況でございまして、救護隊も一時引き上げておるような
状態でございました。
したがって、そのときに、これは現場に通じます人気が新坑のほうと二坑のほうと大別して二カ所あるのでございますが、新坑のほうから来る人気は遮断をいたしまして、火勢を弱めまして救出に当たるしか方法がないじゃないか、こういうような会社側の計画が出てまいりまして、いろいろそれに対する検討、それから観測隊なんかの進入等の結果、十六日の夜から、新坑のほうから参りますところの二片の連絡坑道と四片の連絡坑道、この二カ所を本密閉することに決定をいたしまして、その作業に取りかかったわけでございます。この密閉は十九日の十九時までに終わっております。
その後
様子を見たのでございますけれ
ども、一時火勢は衰えたのでございますが、なおまだ二坑から相当人気がございまして、火炎は二坑の人気側のほうに広がってまいりました。このままほうっておきますと、さらに二坑の人気側に広がった結果、爆発をするおそれも出てまいりましたので、二十日に、二坑側から入る人気側も密閉をいたしたい、こういうような計画が会社側から出てきたわけでございます。二坑側の人気を全部密閉いたしますと、中におられる七名の方に対する人気は完全に閉ざされる——まだ排気がございますから、包囲密閉にはなりませんけれ
ども、人気側は全部閉ざされる、こういうことになりますので、この点につきましては
当局も慎重に取り扱いまして、会社側も残っておられる七名の方々の家族等につきまして、十分な
説明と了承をとったようでございます。また
組合側も別の立場で了承をとったようでございまして、とうとう二坑の人気側のほうも密閉することにきめたわけでございます。現在二坑から入ります人気側の四カ所密閉作業を続行中でございまして、きょうにはおそらく完了いたす予定でございます。
それから排気側のほうは、依然としてやはり煙その他が出ておりますので、排気につきましては密閉作業はむしろ非常に危険なこともございますし、手がつかないので、現在のれんをいたしまして通気の動きを少なくするというような方法でやっております。きょう現在そういう
状況でございますが、まだ火は消えていない、こういう
状況でございます。六名の方々の遺体を収容しました際、
ちょうど人気のコントロールで中に入っていたときに、五片につきましては実況見分を大体済ましておりまして、その
状況を見ました場合に、死なれた方あるいは坑道の
状況等から相当な圧風を受けておる、こういうような
状況を把握いたしております。しかし何ぶんにも火災の発生いたしました、山はねの起こりました四片坑に全然入れないという
状況でございますので、原因等につきましては、現在の段階ではまだ軽々に判断できない、こういうような
状況に相なっておる次第でございます。
引き続きまして、三池の坑内火災につきまして報告をさせていただきます。
三池
炭鉱は、鉱業権者が三井鉱山株式会社でございまして、大牟田市にございます
全国でも大きな
炭鉱でございます。この
炭鉱の三川鉱におきまして、四十三年の五月十七日の二十三時三十分ごろに火災が発生したのでございますが、非常に奥のほうでございまして、本層の三十六卸右六片原動機座のあります付近で火災が発生したわけでございます。
三池
炭鉱の既況を申し上げますと、これはもう
先生方十分
御存じのことでございますが、三川鉱と四山、それから宮浦がございまして、全体で鉱山
労働者数は一万九百六十二名、月に四十五万四千三百トンの出炭をいたしております。このうち三川鉱は、鉱山
労働者の数が三千百六十三名で、月に十九万四千九百トン出炭をいたしております。今回の災害の発生いたしましたのは本層三十六卸右六片坑道でございまして、大体坑口から六千八百五十メートルの位置にございます。ここで柱房式の払いの採炭をやっておる個所があるのでございますが、この切り羽からパンツァーコンベアに
石炭を落としまして、それを今度ベルトコンベアで本層の西三十六卸のベルトコンベアまで搬出をいたしておったわけでございますが、災害の起こりました二、三日前の五月十四日の一番方におきましてその個所の採炭は終了いたしました。五月十五日からは引き続いてその柱房式採炭個所のすぐ隣にある一昇りの左の部分の残柱採炭計画をやる予定になっておりまして、そのためにその採掘計画に伴う一連の運搬コンベア
関係の移設の取りかえ作業をやっておったのでございます。五月十七日の三番方の係員が二十三時三十分ごろ三十六卸をずっと入ってまいりまして、右六片の巻き立ての付近に参りましたときに、奥のほうで火を発見いたしまして、さらにその巻き立てから進入をいたしまして、連れ卸口の付近まで来たところで、ベルトコンベアの原動機座付近が燃えておるのを発見しております。直ちにこの付近で働いておりました
職員七名、鉱員二十九名、全部で三十六名の方々を連絡によりまして無事退避させたのでございます。とともに消火作業に入ったわけでございます。その後救護隊による消火作業をやったのでありますが、消火作業はなかなか進展しないで、当初は直接消火をやっておったのでございますが、これを断念いたしまして、水没をすることに決定をいたしまして、五月十八日の十七時五十分注水作業に切りかえたのでございます。二十日の二時には水没の水足が六日抜き下部の付近まで到達いたしましたので、一時注水作業を中止して、その上にある坑道の辺の
状況を探検したのでございますけれ
ども、まだ下のほうから煙が出てくるということでございましたので、さらに水没をもう
一つ上の段まで水没させるということに切りかえまして、現在水を注入中でございまして、予定まで水が入りますのは、大体きょうの夜の十時ごろになるのじゃないか、こういう予定でございます。
それで、災害の起こりました翌十八日の夜中に直ちに監督局から監督官二名を派遣いたしまして、その
状況を調査に当たらしておるわけでございますけれ
ども、なかなか火災の発生した位置に近寄れないということで、原因調査は——調査中でございますけれ
ども、なかなかむずかしい
状態になっておるのでございます。
なお、当三川鉱におきましては、昨年以来かなり坑内火災がたびたび起こっておりますので、非常に監督の頻度を増しておるのでありますが、今回も昨日から十四名の調査団を監督局から派遣をいたしまして、坑内一斉にわたりまして点検をさしておるような
状態でございます。
以上簡単でございますが、御報告申し上げます。