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中川(理)
政府委員 現状から先にお答えいたしますが、豪州炭の四十二年度の輸入量は八百八十六万トンで、全輸入量の約三六%でございます。豪州炭は埋蔵量から見まして量的に非常に期待が持てるということでもあり、また地理的にも
わが国に近いために輸送費も節約できる、炭価も安いということで、依存度は今後ますます高まるものと予想しております。しかもいま
お話がございましたけれ
ども、長期契約のものがやはり圧倒的に多いわけでございまして、スポット買いは豪州炭全体の輸入量のうちの約二〇%にすぎないという
状況でございます。今後の増加買い付け分につきましては大部分が長期契約のものになる
見込みでございます。
カナダ炭は、輸入が米国及び豪州に片寄る
傾向に対しまして危険分散のねらいもあって輸入しているものでございます。四十二年度で約九十四万トン、全体の約四%の
見込みでございます。しかしカナダ炭につきましては、概して積み出し港より遠い
状況にございまして、インランドの輸送費がかさむために、これらを含めて開発については慎重に検討するというのが需要
業界の
傾向のようでございます。
先生御承知のように、当
委員会の御
見解もそうでございますが、私
どもは長い目で見て、
日本の鉄鋼業というものは相当の伸び率でふえていく、所要の原料炭のうちで国産でまかなうものの率をある
程度確保したいという
気持ちは変わりはございませんで、むしろ国内原料炭の開発に力を入れることとの関連で、長期契約等があまり過大な
数字にならないように鉄鋼
業界に頼んできた、こういう経緯がございまして、鉄鋼
業界自身も、
感じといたしましては私
どもの
立場をかなりサポートしてくれておりますので、低目に長期契約分を押えてきておるという
感じがございます。したがって、先ほど来申しておりますように、わがほうの
生産計画の狂いが原料炭で大きく出てまいりますと、需要家にはずいぶん迷惑をかけることに相なるわけでございます。スポット買いのあるものはそういう
理由から出てきておる。向こう側の事情で出てきておるものもあろうかと思いますけれ
ども、こちら側の事情で出てきておる分もある、こういうことでございます。私
どもとしましては、原料炭はひとつ重点的に国内炭を確保するということで進みたいと思っておりますが、諸外国の今後の原料炭の
見通しがどうなるかということは、いろいろ
見方もあろうかと思いますが、大まかに見てそう心配はない。ただし相当先に手を打たなければいかぬという
感じにあるようでございます。若干のコスト高要因もあるようでございますけれ
ども、他方、また輸送費というものは、大型船の進歩に従いまして漸次輸送費のコストというものは小さくなってきておるような
状況でございますので、契約のあるものにつきましては原価アップにスライドするような契約方式をとっているようなものもあろうかと思いますけれ
ども、国内炭と輸入炭との値差というものは当分はやっぱり同じような
状況で進むのではなかろうか、私はかように考えております。いまの価格差補給を
前提にする限り鉄鋼
業界は優先して国内炭を使ってくれるということには変わりはございませんで、むしろ
出炭割れをしないように原料炭にこれからどれくらいの手だてを講じていけばいいかということが今後の問題であろうかと考えております。