○中村(重)
委員 どうもあなた方三人の
お答えを聞いてみると、私どもの常識とははるかに違っておりますね。私は、
宮澤長官の
答弁でそういうことを聞こうとは思わなかった。
管理価格が起こらないとあなたはほんとうにまじめにお
考えになっていらっしゃいますか。少なくとも佐藤内閣の中において、
宮澤企画庁長官に対する国民的な期待というものは大きいと思うのです。あなたがそういう現実遊離な御
答弁をなさるとは——佐藤内閣の人気は二八・五%というように落ちも落ちたり、これはもう最低の内閣なんだけれども、そのあなたが、
八幡、
富士の
合併に対して、これは
管理価格なんというものは起こってくるとは思われないというような
お答えは、私は、失礼だけれども、常識はずれだと思う。これは資料を見てもわかるように、一〇〇%になるのも幾つか出てくるのですよ。そうすると、五〇%だとか六〇%とかいうものもあるんですね。それから、こういう超大型の
企業が出てくることになってまいりますと、その
シェアだけでなくて、投資
調整の問題あるいはカルテルを結ぶといったような場合でも、
企業の意思によってこれは支配していきますよ。そうすると、必然的にそうした
管理価格、独占価格というようなものが起こってくるわけですね。これは正常な
競争なんということは
考えられません。第一、同業の
企業が同一の
品種をつくるんだからそういうようなおそれはないのだ、それをずっと見ておればいいんだからというような
お答えなんだけれども、そんなことは
考えられますか。こういう大型
企業が存在をいたしますと、自由自在にできますよ。
経済界はそんなになまやさしいものじゃないはずです。あなたはもうわかり過ぎるくらいそこはわかっていらっしゃるのです。
通産大臣は、技術の総合開発、それから
企業運営という点からこれは絶えず改善を加えて
いかなければならないんだからと、こうおっしゃる。それはわかりますよ。わかるけれども、それじゃこういう大型
企業をつくり出さなければそれができないのか。
政府はそうした研究開発等についても本腰を入れて
いかなければならぬと私は思う。そういう点は
政府も弱い、また
企業にそれを期待されるという点もある。しかし、それはそれなりに、それを
合併だけによって求めていこうとする
考え方は正しくないと思う。それこそ創意くふうというものをこらして、そうした研究開発というようなものを絶えず追求していくということでなければならぬと私は思うわけです。
そこで、
通産大臣は大体独禁法というものは必要だとお
考えになっているのだろうか、端的にひとつそれをお聞かせ願いたい。必要だとお
考えになっていらっしゃるならば、こういうふうに次から次に産業再編成という形で大型
合併というようなことを歓迎をしていく、そういうことをどんどん進めていくということになると、独禁法そのものは事実上——これは歴代の
通産大臣が大穴をあけるとかなんとかと言ってきたんだけれども、大穴どころでなくて、これは事実上崩壊するという形になるんじゃな
いかという気がいたします。そのようにお
考えになっていらっしやらな
いかどうかということです。
それから、私は、
山田委員長に対して、見込みについて答えてもらいたい、こう言ったんでなくて、少なくともこうした
合併に対して歴代の
委員長はそれなりの
考え方というものがあったわけですね。だから、あなたは従来の
委員長と比較をいたしますと、少なくともこの
合併問題については非常に後退をしているという印象を強く受ける。だから、その点に対しては、あなたは歴代
委員長の国会における
答弁と、今回のこうした
合併に対してはどのようにお
考えになっていらっしゃるか。これはあなたのほうでは具体的に
生産集中等の調査もおやりになった。そこで
八幡と
富士と——これはあなたのほうから出した資料によってはっきりしているんだが、一社の集中度、三社の集中度、五社の集中度というものがあるんですね。だから、
八幡と
富士の
合併に対してはどの
程度の集中度になるかということはおわかりになっていらっしゃる。だからして、三〇%がまず
警戒ラインということであったんだけれども、平均は三六%とかといわれているのですが、五〇%以上、七〇%以上、一〇〇%というものが
相当あるわけだから、こういうことは
合併として好ましいのかどうか。
合併をしたらどういう結果をもたらすかということについては、単なる見込みについて云々ということよりも、あなたが
判断してしかるべきですよ。だから、
合併の申請があってから
考えましょうということじゃなくて、少なくとも事前に、この
合併は好ましいのか好ましくないのかということに対しての意思表明ぐらいはなさる必要があると私は思う。どんどん事が進んできて、あなたの手元に申請書が出ましてからは、摘当でないとお
考えになってもだめですよ。あなたはその書類を突っ返すほどの勇気は出てこないと思う。そんな
段階まで進んで、あなたの
考え方なりあるいは
委員会の
考え方によって支配し得るならば、いまの審判制度だってもたもたしないで、もっとどんどん進みますよ。押されてあなたはどうにもこうにもできないでいるのだから。そこまでこないうちにそういうことを防止していくという態度くらいあってしかるべきじゃありませんか。私はこの問題だけをもってあなたにいろいろ言っているのじゃなくて、ずっとあなたがとってきておられる経過から
考えてみて、もっとあなたには勇気と、こうした問題におくれないように対処していくというような態度が望ましい、こういうことで申し上げておるわけですから、それぞれ
お答えを願います。