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1968-04-19 第58回国会 衆議院 商工委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年四月十九日(金曜日)    午前十時四十三分開議  出席委員    委員長 小峯 柳多君    理事 天野 公義君 理事 宇野 宗佑君    理事 鴨田 宗一君 理事 島村 一郎君    理事 中川 俊思君 理事 中村 重光君    理事 堀  昌雄君 理事 玉置 一徳君       内田 常雄君    遠藤 三郎君       小笠 公韶君    岡本  茂君       海部 俊樹君    神田  博君      小宮山重四郎君    坂本三十次君       櫻内 義雄君    始関 伊平君       塩谷 一夫君    田中 榮一君       田中 六助君    橋口  隆君       武藤 嘉文君    佐野  進君       多賀谷真稔君    千葉 佳男君       中谷 鉄也君    古川 喜一君       三宅 正一君    岡本 富夫君  出席政府委員         通商産業政務次         官       藤井 勝志君         通商産業省企業         局長      熊谷 典文君  委員外出席者         大蔵省主計局主         計官      岩瀬 義郎君         通商産業省企業         局参事官    橋本 徳男君         建設省道路局高         速国道課長   栗田 武英君         参  考  人         (日本万国博覧         会協会会長) 菅野 義丸君         参  考  人         (日本万国博覧         会協会事務総         長)      鈴木 俊一君         参  考  人         (日本住宅公団         理事)     稗田  治君         専  門  員 椎野 幸雄君     ————————————— 四月十九日  委員佐野進辞任につき、その補欠として江田  三郎君が議長指名委員に選任された。 同日  委員江田三郎辞任につき、その補欠として佐  野進君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 四月十八日  化粧品再販契約制度に関する請願愛知揆一  君紹介)(第四一五五号)  同(山下榮二紹介)(第四二四三号)  同外一件(愛知揆一君紹介)(第四三〇八号)  北海道地下資源開発株式会社労働者の処遇に  関する請願石橋政嗣君紹介)(第四一八六  号)  同(岡田利春紹介)(第四一六九号)  同(木原実紹介)(第四一七〇号)  同(田原春次紹介)(第四一七一号)  同(中井徳次郎紹介)(第四一七二号)  同(華山親義紹介)(第四一七三号)  同(帆足計紹介)(第四一七四号)  同(板川正吾紹介)(第四二四四号)  同(小川三男紹介)(第四二四五号)  同(大柴滋夫紹介)(第四二四六号)  同(勝澤芳雄紹介)(第四二四七号)  同(神近市子紹介)(第四二四八号)  同(川村継義紹介)(第四二四九号)  同(阪上安太郎紹介)(第四二五〇号)  同(山本幸一紹介)(第四二五一号)  同(石田宥全君紹介)(第四三〇九号)  同(岡本隆一紹介)(第四三一〇号)  同(北山愛郎紹介)(第四三一一号)  同(島上善五郎紹介)(第四三一二号)  同(多賀谷真稔紹介)(第四三二三号)  同(武藤山治紹介)(第四三一四号)  同(山花秀雄紹介)(第四三一五号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  日本万国博覧会準備及び運営のために必要な  特別措置に関する法律の一部を改正する法律案  (内閣提出第四〇号)      ————◇—————
  2. 小峯柳多

    小峯委員長 これより会議を開きます。  内閣提出日本万国博覧会準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  本日は、本案審査のため、前回に引き続き参考人として、日本万国博覧会協会会長菅野義丸君、日本万国博覧会協会事務総長鈴木俊一君、日本住宅公団理事稗田治君が出席されております。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中村重光君。
  3. 中村重光

    中村(重)委員 まず政務次官お尋ねをいたしますが、御承知のとおり万国博覧会は、政府代表であるとか、その他の人事問題で、やめるだとか、また人事がこじれてくるとか、専任で入っている人たちに対する不信の声が非常に高まってくる、何というのですか、だらだら、もたもたといったようなことで、非常に計画もおくれがちということになったのではないかと思うのです。具体的には協会のほうにお答えを願うわけですが、いまの進捗状態というのは計画のとおりいっておるのかどうか。それから、若干おくれておったとしても、間に合うのか、見通しをどうお考えになっておられるのか。政務次官には、発足当時からたいへん申し上げたように明朗でなかった、世紀の祭典といわれる非常に重要な万博でございますから、通産省としての、これに取り組む基本的姿勢についてひとつお答えを願いまして、お尋ねをいたしました具体的な問題に対しては、ひとつ参考人のほうからお答えを願いたいと思います。
  4. 藤井勝志

    藤井政府委員 万博のねらいは、先ほど御指摘のごとく、世紀の大事業として、しかもアジアにおける最初の万国博覧会でございまして、経済、社会あらゆる分野においての総合的な大事業でございます。したがって、国民ぐるみの体制でなければならぬ。しばしば御指摘のありましたように、国民不在万博であっては相ならぬ、同時に責任不在万博であっては相ならぬ。このように考え、時間的な日程に多少のずれはございましかけれども、今後ひとつその目的に沿うて、もういよいよ中盤戦になっておるわけでございますから、最善の努力をいたしたい、このようにお考えております。
  5. 菅野義丸

    菅野参考人 当委員会におかれましては、平表われわれのやっております万国博準備につきまして、陰に陽に非常に御指導、御鞭撻をいただいておるばかりでなく、また本日は再度参考人として発言の機会をお与えくださいましたことについて、厚くお礼を申し上げます。  ただいま中村先生からのお尋ねでございますが、協会に関する限りにおきましては、目下のところ絶対に心配ございません。御承知のように協会は、会場内基礎施設をつくるというのが、建設方面工事責任でございますが、その工事はまず土地造成から始まりまして、基幹施設を建造していくのでございますが、土地造成につきましてはもう九〇%以上できておりますし、あと道路とかあるいは埋設物等の基本的な工事も、大体におきまして本年の六月までには大部分できまして、あと残る工事も、九月ごろには全部でき上がる予定でございます。私どものほうでは長期にわたる進行工程というものをきちんときめまして、どんなにおそくなっても四十四年の十二月一ぱい、つまり四十四年中にはでき上がるような工程を組みまして、これを毎月非常に厳密にチェックして、おくれがあるものは取り戻すということにいたしておりまして、目下のところ致命的なおくれは全然ございません。なるほど一部土地買収のおくれ、あるいは家屋の移転がおくれたために、土地造成等についても、多いのは一月、あるいは半月くらいのおくれがございましたけれども、これは完全に取り戻す自信を持っております。ただ、しかしながら、これは協会の受け持っておる建設工事でございまして、今後われわれといたしまして注意しなければならないのは、この七月から始まる各国のパビリオン及び国内の企業パビリオン建設工事が、全部同じように終わるということが大事でございまして、この辺は協会が中心になりまして、各パビリオン進行状況を完全にチェックして、コントロールしていきたいと思っております。またそれのみでは足りないのでありまして、関連公共事業進捗との調整もはからなければなりませんが、これは常に関係方々と毎月会議をいたしまして、その進捗度をお互いに示し合わせて、この間にそごがないようにいたしたい、こういうふうに考えております。  以上であります。
  6. 中村重光

    中村(重)委員 万博協会側が担当しておるところの事業、それからいまお答えがございましたように公共団体がやる事業関係、いろいろあると思います。私は、そのいずれもがおくれておったのでは、これは開催に支障を来たすわけですから、その点に対してもそれぞれお答えを願わなければならないわけであります。なお工事そのものは一応計画のとおり進んでいる、若干おくれがあっても、いま御決意のほどはほぼ伺ったわけです。ところが伝えられるところによりますと、いろいろ資材等値上がりということから、計画の一部縮小をやったというようなことも伝えられておるわけですが、そうした予算面についての支障というものはないのかどうか。それから伝えられるような計画変更縮小というようなことは行なわれていないのか、またこの後はそういうようなことはないのかどうか。
  7. 菅野義丸

    菅野参考人 お答え申します。最近本部ビルあるいは展望台請負等につきまして、新聞紙上等でいろいろ報道されております。私ども年度内にその工事請負をきめてしまいたいという目途でもって進んだのでございますが、不幸にして年度内にそれができなかったのでございまして、これは年度に繰り越して工事を進めることになったのでございます。これはどういう点においてわれわれの欠陥があったかということを深く反省しております。前回委員会でも私御答弁申し上げましたように、一定の予算がございますと、それに対して、建設のほうのことを受け持っておる方々はできるだけりっぱなものをつくろうという考えになるのは当然でございます。しかしながら、万国博建物というのはおおむね新しい工法が必要な、非常に特殊なものが多いのでございます。ことに展望台の塔のごときは、いままでかつてないような新しい工法をしませんと、でき上がることができないという特殊なものでございます。そこで請負をするほうでは非常に安全度をとりまして、極端に申しますと、その研究費まで入れないと安心して工事が請け負えないというような種類の建造物が多いのでございます。そこで、その間に考え方あるいは建造方法等の十分な意思疎通がなかったために、われわれのほうで考えておりました予算額とかなり違った入札があったわけでございます。そこでわれわれといたしましては、これではいけない、とにかく設計をやった者のほうと請負をする者のほうとの間に完全な意思疎通がなければこれはりっぱな請負ができないということを痛切に感じまして、自後非常に回数を重ねてその間の意思疎通をはかっております。そして本部ビルはもう決定いたしましたが、ランドマークといいますか展望台のほうも少なくとも今月中にはきめたいというふうに考えておる次第でございます。  そういうふうになった場合に、一部手直しをした、つまり設計に一部変更を加えたというのがいま中村先生お尋ねの点だろうと思うのでございますが、これは確かにそういうことをする必要が起こってくるわけでございます。というのは、予算一ぱい一ぱい設計をやりますと、先ほど申しましたようないろいろの事情から、請負のほうとしては非常に不安な工事を請け負わなければならぬということになりますので、できるならばそういう非常にむずかしい点は簡易にするとか、あるいはできるだけ手数のかからないような工法でやるとかいうような点で設計を変える場合があるのでございます。私どものほうとしましては、かりに多少設計を変えても機能的にこれが全然支障がないという場合には、絶対に予算範囲内でもっておさめるように、往々にしてこういう事業は単価の値上がりとかいろいろな点でもって予算を超過する場合が多いのでございますが、われわれとしては、それはしたくない、せっかく国会の御審議も経ておる建設予算については、実施段階においてこれをオーバーすることは絶対にいかぬというような方針を堅持いたしておりまして、かりに設計変更いたしましても、予算をオーバーするということがないように心がけておる次第でございます。現在のところ遅延しているように見えますが、これはいずれも相当早くでき上がる建物でございまして、これが多少おくれましても、開会に影響するというようなことは全然ないものでございますので、そういうような慎重な方法をとって、これを前例として今後の本格的な建設をしていきたい、かように考えておる次第でございます。
  8. 中村重光

    中村(重)委員 いまお答えのように、当初設計をして現場で実際に施工しようとする段階に、いま展望台の一つの例をお話しになったわけですが、技術的な面でこれを変更しなければならぬということは私はあり得ると思うのです。それをとやかく言おうとは私は思わない。けれども協会側の、私が申し上げたような人事の面であるとか、あるいは怠慢と申し上げては穏当を欠くのかもしれませんけれども、いろいろ取り組みが弱いということから、計画が非常におくれてきた、資材がどんどん値上がりしてきた、こういうことになってまいりますと、勢い予算範囲内でおさめようとすると、設計変更し、いわゆる縮小しなければならぬということになってまいりますね。ところが、国会において予算をきめました際は、それなりの説明がなされて議決をしておるわけです。ところが、具体的に模型か何かあって、それを詳細に検討して議決しているわけではない。したがって、できたものを見まして、これは当初の設計のとおりできていないじゃないか、非常に縮小しているじゃないかということなんかは、それに専門的に取り組んで検査をするという形でなければわからない。だから私はその点が問題だと言うわけです。いわゆる縮小してそこで予算範囲内でおさめるということであってはならない。少なくとも予算の面におきましても国会議決というものがあるわけですから、それは尊重してもらわなければならない。ですけれども当初の計画その永のは、技術的な、真にやむを得ないということ以外には変更しないということでなければならない。やむを得ずこれを変更するという場合におきましては、そのことが明らかにされなければならない、私はそのように考えるわけです。その点に対して、いまの予算範囲であるということは、当初の計画をいわゆる技術的な面でやむを得ず変更しなければならぬということ以外にそうした縮小をするというような形はないのかどうか、その点をひとつお答えを願いたい。  それからこれは橋本さんからも、あなたの担当の面についてはお答えを願わなければなりません。関連事業等についての進捗状態はどうなのか、それもまた縮小するというような形はないのかどうか。それから予算関係等々、ひとつあわせてお答えを願っておきたいと思います。
  9. 菅野義丸

    菅野参考人 私のことばが十分でなくておわかりにくかったと思いますが、私どもがこの予算を尊重して、これをオーバーするようなことがないように心がけるのは、それはあくまでその前提となった計画の実現ということは、当然のわれわれの責任であると考えております。したがいまして、たとえば建てるべきものをやめるとか、そういうふうなことは私ども考えておりません。縮小と申しましても、縮小ということばであらわすほうがいいか、あるいは改善といいますか、工法上は非常に手数のかかるようなやり方、それをちょっと変えればずいぶん楽になるというような、先生のいまおっしゃったちょうど技術的なものが多いのでございます。したがいまして、私どもとしましては、一応あの予算前提になりました全体計画というものについては、これは予算と同様に尊重いたしまして、ただ、これを完成するまでに至るやり方とか技術的の点について少しでも請負人が請け負いやすくする、こういう点に十分な意思の疏通をはかりたい、かように考えておる次第でございます。
  10. 橋本徳男

    橋本説明員 関連公共事業等につきまして御説明申し上げます。  関連公共事業は、御承知のように、道路、それから鉄軌道、港湾、公園、こういったいろんな各種のものがございます。それぞれの事業によって若干異なりますが、基本的な考え方といたしましては、四十二年度におきまして、大体工事実施計画の設定、それから可能な限りにおいての土地取得という考え方でございます。それから四十三年度において実際にその工事をやっていき、四十四年中には完成するという形で進んでおります。したがいまして、四十二年度におきまする計画予算と実行の状況は九五%でございます。それから土地先行取得まで入れました数字では一〇五%ということで、やや四十三年度分以降のものをすでに取得はしております。しかし、それでは土地買収計画的に非常にスムーズにいっておるかといいますと、必ずしも全部がそうであるということは断言できないと思っております。したがいまして、現地でいろいろ問題になっておる点は、主として土地取得でございまして、すべての土地取得につきまして、大体本年の六、七月ごろにはその土地取得を完了するという考え方で現在進んでおります。そういたしますれば、こういった公共事業的なものは従来からやっておる工事でございますので、工法その他もはっきりしておりますので、予算工事というものは確実に並行してできるだろうというふうに考えておる次第でございます。
  11. 中村重光

    中村(重)委員 まあ施設に対する建設計画というものは当初から立てられたのだし、それに伴っての予算というものもきめられて、それが進められておる。同時に運営関係についても当然収支予算計画というものは私はあったのだと思う。ところが一昨日の当委員会においての入場料等に対しましても、実はまだきめてないのだということであります。そのきめてないのだということは、当初計画をお立てになっておられたわけですから、その運営関係予算はどうなっておるのかということと、それからその他の運営に伴っての収入関係入場料だけではないだろう、まだいろいろと、賃貸関係とかそれぞれたくさんあるのだろうと思いますが、そうした予算もそれぞれ立てておられたと私は思うわけです。それはどうなっておるのかということですね。それはまた変更するという必要はいまのところお感じになっていらっしゃらないか。  それから、入場料はまだきめていないのだとおっしゃったのは、それはどういう意味なのかですね。当初立てておった計画変更しなければならないというようなことが予想されるから、そこで入場料についても再検討を加えなければならぬという考え方の上にお立ちになって先日のあなたのお答えになったのかどうか、そこいらについてもひとつお聞かせ願いたい。
  12. 菅野義丸

    菅野参考人 お答えいたします。昨年の九月に、一応運営費につきましても二百三億という数字を部内的にきめたわけでございますが、これは御承知のとおり、全部この協会の自分のまかないになっておりますので、これは国会のほうには提出してないわけでございますが、この二百三億の数字をきめますときに、その算定の根拠になりました入場料というものは、一応大人一人の基本料金を六百円ということにきめてあるわけでございます。しかしながら、これは将来どういうふうに変わるかわかりませんので、本格的にはいよいよ前売りを始める段階においてさらに検討するというようなことで部内的にきめてあったのでございますが、その後モントリオールカナダ博の実際の結果を調査いたしましたし、それからだんだんとこの万国博覧会計画が緻密になってまいりまして、ことに催しものであるとかあるいは場内警備というようなことに対する経費というものがなかなか算定ができなかったのでございますが、催しものの計画もでき、それから場内警備の実際の状況モントリオールにおいて検討してまいりました結果、これはどうしても二百三億の運営費では足りないというような結論になったのでございます。  また建設費をきめます場合に、特定事業収入といたしまして二十九億というものを建設費の財源に充てておりますが、そのうちの五億は、その場合におきましては運営費のほうに回してあったんでございますが、政府の御指導によりまして、やはりこれは建設費に回すべきであるということで五億減ったというようなこともございましたし、その他残存価値という問題もございまして、運営費というものはどうしても変えなければならないような状態に相なったのでございます。  そこで、その後建設関係資金計画をきめると同時に検討を始めておりまして、現在のところ何とか早く結論を出そうとして進めでおるところでございますが、これはどうしても今月中にはきめませんと、九月の十五日に一年半前の入場券の売り出しを行ないますので、その時点を逆算して考えますと、どうしても今月中には正式に協会役員会にかけてきめたいと、かように考えましていま検討を進めておるところでございます。そういうような結果、どうしても二百三億では足りないのでございますが、総額がどのくらいになりますか、大体二百三億よりか多くなるということは事実でございます。  なお、先生方承知のとおり、モントリオールでは大体建設費と同じくらいの運営費になっておりますが、これは中をだんだん分析してみますと、多少こちらのほうとは事情が違うので、五百二十三億の建設費と同じだけの運営費が要るなんということは考えておりませんけれども、少なくとも二百三億では足りないという結果になりそうでございます。
  13. 中村重光

    中村(重)委員 いま御説明をいただきましたでも、何かたいへんなそごを来たすのじゃなかろうかというような実は感触を受けるわけですね。もうすでに当初計画変更しなければならないということが多分に予想されておられる。そこで、今月中にはこれをきめなければならないのだ。それをきめるにあたりましても、あとお尋ねをいたしますが、参加国見通しというものとの関連も実は出てまいります。やはり参加国が少ないということは、計画にたいへんなそごを来たすでありましょう。入場者も、したがって少なくなってまいりましょう。そうすると、運営収入というものが減ってくるということになってまいります。そこで計画のとおりいかない、実はたいへんなそごを来たして、赤字が出る、そういうことが予想されると私は思うのです。これはあまりいいことではございませんが、そうした最悪の事態も十分考慮しておかなければならないと考えるわけです。いわゆる運営費赤字が出た、建設関係におきすしても事実上予算の超過を来たすこともあり得ることだ、私はこう思うわけです。そうなってまいりますと、あと地処分等をいたしましてもどうしても足りない、そういう事態が不幸にして発生をいたしました場合、その責任はいずれにあるのか、どうしてその赤字を埋めるのかということが当然問題になってこようと思います。その点に対しましてそれぞれお答えを願っておきたいと思います。
  14. 橋本徳男

    橋本説明員 運営費等の問題からいろいろ最終的な責任の問題、そういう御質問に対しまして、当然われわれも日ごろ考えておるわけでございます。しかし現在の段階におきましては、運営費のきめ方といたしまして、先ほど菅野会長から御説明ありましたように、あらゆる要素を全部一応ここで洗い出して、それを十分まかなえるようなコスト計算の上に立った収入見みというものをやり、それに全力を注いでいき、かつまた諸外国の参加全力を尽くしてやっていくというふうな考え方に立っておりまして、万一にも赤字が出ないというふうな考え方努力をしておるわけでございます。
  15. 菅野義丸

    菅野参考人 ただいまの中村先生の御心配に対しまして、どういうふうに責任をとるかという点でございますが、私ども運営費をきめるのに一番苦労しているのはその点でございます。われわれ、不敏ながらこの協会を引き受けて準備運営をやるにつきましては、少なくとも自まかないの運営費に対して赤字を出すということはわれわれとして最も恥ずべきことであって、絶対に出してはいけないというのでもって、そういう考えから運営費の総額をいま検討しているのでございまして、いまのところわれわれといたしましては赤字というようなものは絶対に出さないという決意でやっております。目下のところはそれ以上は申し上げられないので、御了承願いたいと思います。
  16. 中村重光

    中村(重)委員 決意のほどはわかるのですよ。ところが私ども決意だけを伺って、赤字を出さないだろうという——たいへん申しわけないような感じがいたしますけれども、それで信頼をして、それではよろしくやってくださいという形で引っ込むわけにはまいらない。これはおそらく神さまでなければわからぬ、こう言うのでしょうが、先ほどいみじくもお答えになりましたが、二百三億では足りない、だがしかし五百七十三億の建設費ほどはかからないであろう、こうおっしゃったのですね。これは二倍以上でございます。だから五百七十三億かからないことは確かでございましょう。その点は信頼できると思います。しかしかりにこれが四百六億かかりましても二倍になりますよ。そういう運営収入を上げていくということになってまいりますとどういうことになりましょうか。入場料をずっと上げることにも限界があると私は思う。その他いろいろと経費の節減をいたしますと、この世紀の祭典といわれる万博そのものが全く消極的な形で行なわれてくるということになってまいりますから、成功そのものに大きな障害となってくるであろう、そう思います。したがって、この運営にあたっては、そうした予算の問題、これを成功させるということについて重大な関連があるわけでございますから、そこいらをどのような考え方を持っておられるのかということと、それから赤字は出さない決意ですとおっしゃるけれども、現実に赤字が出た場合にどうするのかということについては、当然その責任の所在も明らかにしなければなりません。ところが、万博協会に対して、赤字が出たからその穴埋めをしなさいといっても、そう簡単なものではないかもしれない。かといって、国の予算を追加をいたしまして国民の税金でもってこのしりぬぐいをしようということになってまいりますと、これはたいへんなことだと私は思う。各同僚委員からそれぞれ質問がなされましたように、現在においてすら国民的な合意がなされていない。これに参加する国民の盛り上がりというものがない。それはまた別の観点からでございますし、私はこの点についてもあとお尋ねするわけでございますけれども、これが赤字が出る、そういう場合においては国民の税金からこれを処理しなければならないということになってまいりますと、この点に対する国民の不平、不満というものはさらに高まってくるであろうし、国民の合意というものを得ることについての障害となってくることは避けられないと思うわけであります。かといって、これを伏せておくわけにはまいらない。やはりはっきりしておかなければならないと思うわけでございます。もし通産にいたしましても、あるいは大蔵にいたしましても、経済企画庁、関係各省において、その点について検討していないということになってまいりますと、私は怠慢であると思うわけであります。だからして、その点に対してはいま少しく明確なお答えをそれぞれ願っておきたいと思います。
  17. 橋本徳男

    橋本説明員 予算のきめ方の基本的な考え方は、いま御質問にありましたように、非常に複雑でございます。したがいまして、片方におきましては、博覧会自体を非常に国民的な期待に沿うようなものにしなければならない。しかも入場料負担につきまして国民所得からの制約がある。しかもその最終的な形において収支を完全に合わしていくという問題、非常にむずかしい問題でございます。  そこで、一つ考えられる問題といたしましては、要するにその運営行事の中でほんとうにこれを料金に転嫁してもこれは国民が十分納得できるというふうな仕分けが必要であろう。したがいまして、非常に大衆的な料金のものと、非常に特殊なものを期待する観客の特殊な料金というものは当然そこで分けまして、そういうコスト計算において料金自体が市場性から見て妥当であるかどうかという、その限界線をきめていくという問題が一つあると思うのでございます。そうやることによって国民に納得していただきながら博覧会を成功に導くことは可能でなかろうかというふうに考えておる次第でございます。  それからまた、最終的な問題といたしましての、要するに欠損が出ないための方法としましては、やはり運営費自体の中にかなり弾力性を持たせていく。将来の入場券の前売り、その他観客の動向等を見て事業の調整ができるような形は、何としてもこの運営自体の中に計画的に弾力性を持たしておくというふうな考え方で進めなければならないと思っておる次第でございます。
  18. 中村重光

    中村(重)委員 逆に黒字が出た場合は、その黒字の処理はどういうことになるのですか。
  19. 橋本徳男

    橋本説明員 黒字ができますれば、たとえばオリンピックの例を見ますと、これは社会事業的なところに寄贈しております。そういうものが参考になるかと考えておる次第でございます。
  20. 中村重光

    中村(重)委員 大蔵省はまだ見えてないですか。——岩瀬主計官ですね。  いまお聞きのとおりですが、赤字が出ないように運営の問題について弾力的にやっていきたい。ところが、何ぼ弾力的にやりましても、赤字が出ないという保証はない。また、その弾力的なやり方の問題なんですが、どうもこれは赤字が出そうだというので、必要な宣伝もやらないとか、あるいは経費の節減をずっとやっていかなきゃならぬ、いうことになってまいりますと、これは角をためて牛を殺すというぐあいになって、万博そのものが成功しないということになってくるだろうと思う。しかしこれは成功させなければならないと思うのですね。ところが万博協会赤字が出た場合責任を負わないんだということになれば、赤字はどうするんだということは当然議論しておかなければいけないでしょう。赤字が出ないようにやりますやりますと言うだけで、それじゃやるだろうという、そんなことでは国会審議にはならぬですね。だから、国民の税金から予算を計上して穴埋めをするということはないか、その点をひとつこの際明確にしておいていただきたいと思うわけであります。これは藤井政務次官もひとつお答えを願っておきます。
  21. 岩瀬義郎

    ○岩瀬説明員 お答えいたします。運営費につきましては、あくまで協会の自主的な運営にまかせるということで、収入の面からいたしましても、国費を一銭も投じないというかっこうになっておりますので、大蔵省といたしましては、運営につきまして、健全なる運営費の管理が行なわれるということを信頼いたしまして、運営費の中身について一々こまかくは言っておりません。ただし基本的な態度といたしまして、入場料の収入をはじめとした収入についての的確な確保をはかるということと、経費のできるだけの節減をはかるという点において、あくまでもこれは通産大臣の財団法人に対する監督という立場から、これが健全な、赤字を出さない運営をやっていくということに十分注意をしていただきたいということを申し上げております。ただ、赤字が出た場合にどうするかということは、ただいまのところは赤字が出ないという見通しでございますし、またこの運営を、赤字を出さないためにかなりのエキスパートの方も入っておられましてやっておられますので、それに信頼をしていく以外にない。ただし国民の税金をこれにつぎ込むということについては、大蔵省としては全く考えておりません。
  22. 藤井勝志

    藤井政府委員 万博を成功させるための核心的な問題の一つとして、中村委員より建設的なお気持ちでの御心配、私も拝聴いたしまして非常に大切な問題だと思います。したがって、まず日本の万博の最終責任者は一体だれかという、この問題にも関連をするわけでございまして、これはすでに御承知だとは思いますが、万博に関する条約の第一条に、公の博覧会と公に認められた博覧会という二種類がうたってありまして、このたび日本で行なわれる場合には、公に認められたる博覧会であるという種類に相なるわけでございますから、第一義的には最終責任者は万博協会、こういうことになるわけでございましょう。したがって、ただいま大蔵省の主計官のほうからお答えされたのが一つの基本的なかまえでございます。しかし、条約上海外に出展国を招聘する、こういったことの窓口は、いわゆる外交の経路は、政府がこれを担当するということになりますから、対外的には日本政府責任を持たなければならぬということに相なりましょう。同時にまた、国内的に見ても、全国民的ないわゆる世紀の大事業でありますから、その成否はまさに国の権威にかかわるということにもなりますから、法律的な責任論だけでなくて、道義的に、いろいろな面においてやはり私が最初にお話を申し上げたように、いわゆる国民不在であってはならぬと同時に、責任不在であってはならないということは、このようなたてまえから申し上げたわけでございます。やはり備えあれば憂いなしでありますから、赤字が起きないように最善の努力はしなければならぬ、しかしながら起こったときにどうこれを解決するかという備えも、われわれは最初から体制を整えなければならないということを私は考えるわけでございまして、それをどのように今後万博協会として考えていただけるか、また考えてもらうか、こういう問題については、私は十分審議の場を通じて万全を期さなければならぬ、このように思うわけでございまして、あくまで運営費のたてまえも自主的に協会が定められるということでありますけれども、いまのような諸般の事情考えると、いわゆる万博が終わって、ふたをあけてみた結果が責任不在になっては相ならぬ、このように思うわけでございます。同時にまた、前後いたしますけれども、あまりにもおっかなびっくり、一文惜しみの百文失いで、万博の内容そのものが貧弱になってもいけない、きわめて流動的なむずかしい問題だと思います。したがって、そこは総ぐるみでいけるような体制を、通産省としては直接の担当大臣でございますから、よく皆さんの御意見も拝聴して、世紀の大事業が有終の美をなすように努力をしなければならぬ、このように思うわけでございます。
  23. 中村重光

    中村(重)委員 まあ的確な答弁だと思うのです。だがしかし、答弁は的確でありましても、何かやはり一つ残るのです、私が指摘いたしました点がね。それをどうするのかということが残る。  そこで菅野参考人に、決意は先ほど伺ったわけですけれども、確かに、いま政務次官からお答えがございましたが、運営費には国はタッチしていないのですね。協会が自主的におきめになる。まあ、あなたは運営の遺憾なきを期して赤字を出さない、むしろ黒字を出して、先ほど橋本参事官がお答えになりましたように、社会事業その他にこれを寄付をしていく。そういうことはこの万国博の人類の進歩と調和という趣旨にも沿うことでございますから、そうした努力をしてもらわなければならぬ。そういう成功をおさめてもらわなければならないと思うので、たいへん水をさすようで、私もいやではございますけれども、事きわめて重要な問題でございますから、重ねてあなたにお尋ねをいたしますが、運営費赤字を出して国にこの負担を求めるということは絶対にないという確信を持ってよろしいのかどうか、その点に対するあなたの責任あるお答えを再度願っておきたいと思います。
  24. 菅野義丸

    菅野参考人 お答え申し上げます。建設費につきましては、ばく大な国費とそれから地方公共団体の費用で補助金をいただいておる協会といたしましては、先ほど来申し上げましたように、少なくとも運営費について赤字を出すということは、われわれその衝に当たっている者の最大の恥辱とするところでございまして、絶対にそういうことのないように心がけておる次第でございまして、それではもし赤字が出た場合にはどうするかというお尋ねでございますが、いまのところは、私どもとしましては、出さないつもりでおります。また、かりに出ました場合におきましても、これは政府の国費からいただきたいというようなことは、運営費の性質上、われわれ考えてもいないことでございます。
  25. 中村重光

    中村(重)委員 正規の国費から出さないという。それでは何かあなたの頭の中にあるような気がする。それは要するに、いわゆる競輪であるとかあるいは競艇であるとか、もし赤字が出た場合、そこらから寄付、支出を求めるということになってまいりますと、やはりそこに問題がある。田中委員からその点に対して、たしかいつか質問をされたことがあると思います。絶対にそういうことはないということを大臣は答えております。だからして、そういうことがあってはならないと私は思うわけであります。きょうはこの点に対してはこれ以上は質問は申し上げませんが、絶対に万博を成功させる、そして運営の遺憾なきを期して、赤字を出すということがないようにやる、どのようなことがあっても、国に対し、国民に対して迷惑をかけるということがないようにすることが万博協会責任である、ということを強く決意をして当たってもらいたいということを強く要望いたしておきますとともに、国の予算でもって、あるいは私が申し上げましたように、田中委員の質問に対して大臣が明確に答えたということは、もうその答えが単に答えにすぎなかったというようなことが起こらないようにやってもらいたいということを要望いたしまして、次に進みたいと思います。  招請国が百二十八カ国ということであったと思うのですが、これに対しましてたいへんな努力をなさったということは、先般来のお答えによっても明らかでございますが、それに比較いたしまして、いまのところ二十九カ国と一政庁でございますか、先方できめておるが、はっきりした意思表示がまだされてない、それを含めると三十五カ国くらいであろう、だがしかし、現段階ではっきり協会との間の契約がなされておるのは二十一カ国にすぎないということでございますが、何か、開催日まで余すところ七百日近くあると思うのでございますけれども、それは開催日のことでございますから、準備その他になってまいりますと、もうどんなにおそくとも半年以内くらいに参加国を締め切るというような形でなければ、みんなそろわないであろう、準備ができないであろうと思うのでございますが、この見通しについてどのようにお考えになっていらっしゃるのか。時間がございませんから重ねて私が申し上げてお答えを願うのですが、モントリオールの場合には六十カ国であった。だがしかし、これにはAA諸国、南米の諸国は参加をしてない。日本の場合はAA諸国がこれに参加をするから、モントリオールよりも上回るということは間違いないというような確信のほども、たしかお示しになったように伺っておるわけでございますが、最終的に何カ国ぐらい参加するという見通しなのか、どうして現在のように、この参加が少ないということになっているのか、その原因等についても、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
  26. 橋本徳男

    橋本説明員 参加国でございますが、現在のところで正式に参加を申し込んできておりますのは、三十カ国と一政庁で、三十一でございます。それからいわゆる在外公館から大使名によりまして、国として大体きめた、しかし向こう側の事情によって発表ができないのだという国が、これ以外に六カ国ございます。それから、先般来万博特使その他在外公館等からの連絡によりまして、ほぼ確実、大体当選確実と思われる国が十カ国ございます。これだけはいまの段階といたしましては大体参加間違いなしというところでございまして、全部で四十七でございますかになるわけでございます。これ以外に今後の出展の見込みでございますが、たとえばアフリカ、アジアの地域におきまして、やはりこういった諸外国は万博というものに対する認識度合いが、国によっても非常に違います。したがいまして、何といいましてもモントリオールに出た、いわゆる博覧会に出展したという経験のある国、こういったところが要するに博覧会というものに対する認識が深うございますので、そういった国で現在なお意思表示が全然ない国が十一カ国ございます。こういったところは、先般来特使も回り、今後も引き続いて招請活動を継続することによって、何とかわが国としても出展が可能であろうというふうな実は感じを持っておるわけでございます。それから、すでにそれ以外に南米等におきましても、アンデス六カ国といったような、コロンビアを中心にいたしましての国は共同市場を持っておりまして、そこで再三この博覧会に対する参加検討が行なわれております。そうして、この五月の後半におきまして閣僚会議があるようでございますので、その直前に強力な手を打つことによって、これまた何とか可能性があるのではなかろうかというふうにも考えております。これ以外にもアラブ等におきましては、今月の二十七日から参加についての共同会議がございますので、ここへも強力な手を打つというふうなことによりますれば、少なくとも六十というふうなことはまずない。したがいまして、目標の七十は、そういう意味におきまして、何とか確保していきたいというふうに考えております。  モントリオールがこの時点におきまして、三十八ないし七の出展がございましたのに対しまして、日本がいまその数に達しないという点でございますが、これはいろいろ検討いたしますと、やはりモントリオールから日本の博覧会まで三年にしかならないというふうなところに、かなり問題点があるようでございます。特にこういった低開発国におきましては財政負担等の問題もございまして、そういった面からするいわゆるちゅうちょの色が見えるわけでございますが、これはいろいろな方法——たとえば向こう側で非常に交換条件的に出してきておる、向こうで開催する見本市に日本は参加したことはないがそれに参加をしてくれとか、あるいは博覧会の会場で自分の国の牛肉を輸入したいといったような条件等がいろいろ出されておりますので、わが国経済全体の立場から、そういうようなものについてできるだけそういう要求を満たしてやることによって、何とかそこまでこぎつけられるのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
  27. 中村重光

    中村(重)委員 アジアで最初に開催する万国博覧会ですから、やはり特別な配慮がなされなければならぬと思います。そのためには、アジア館なんというものは当然考えなければいけないのではないか。それからいまお答えがございましたように、確かに低開発諸国というのは、財政上の問題その他によって、出展をするということについてちゅうちょするということになるであろう。そういう場合、これはいまのアジア館との関連も出てまいりましょうが、連合館というのか共同館というのか、そういうものも考えなければならないのではないか。そういうものを考えると、それぞれの参加国が、それじゃ一緒にやるんだからというのでその一国でもって参加するということにならないというようなことも考えなければならぬかもしれませんけれども、少なくともそういう配慮というものもするべきである。特にこのアジア館というものだけはぜひひとつ実現をしなければならないと思うのですが、それらの点に対してはどのようにお考えになりますか。
  28. 橋本徳男

    橋本説明員 低開発国につきましては、御承知のようにいろいろ独立的に参加することにきわめて困難な状況にあると思うのでございます。したがいまして、一応構想としては、出展国のほうにおいてまとまる体制がありますれば、たとえばアフリカ館とかあるいはアジア館とかというふうなことは、もちろん向こうにも提案してすでに招請活動をやっておるわけでございます。ただしかし、アジアのような場合には民族意識が非常に強うございまして、アフリカ等に比べますれば、出る場合は独立だというふうな色彩が強うございます。しかし、可能な限りにおいては共同で出展することによる共通費の削減というふうなことによって財政負担を軽減しながら出展を勧誘していきたいというふうに考えておるわけでございます。
  29. 中村重光

    中村(重)委員 この招請国のうちに、中国を中心として共産圏のうちたしか五カ国か六カ国招請をしてないということが、私の商工委員会においての質問の中で明らかにされたわけです。その招請をしない理由について通産大臣からお答えを受けたのでございますけれども、私はそれは適当でないということに対して、このことも十分検討努力をしたいという御答弁を受けたように記憶をいたしておる。その点がどうなっておるのかということを一応伺っておきたいと思います。
  30. 橋本徳男

    橋本説明員 確かにおっしゃいますように七カ国につきましては招請をやっておりません。これにつきましては、毎回同じ答弁かと思いますけれども、やはり外交ルートがつけられないために招請活動ができない。今日におきましても、残念ながらまだ招請活動は行なわれておらない状況でございます。
  31. 中村重光

    中村(重)委員 まあ国交を回復してない国々だ、したがって政府のほうには外交ルートというものがない。私はそれは理由にならないと思う。オリンピックの場合においては、これはそれぞれの国は参加をしておるわけですよ。それがどうしてこの万博に対して招請ができないのか。その点はいまの答弁では答えにならないと私は思う。しかも私の質問に対して、いまあなたがお答えになったような、若干ニュアンスの違いはあるのですけれども、大体同じような答弁がなされた。先ほども申し上げたように、その適当ならざることに対して私のぜひ招請すべきであるという主張に対して、前向きで検討するという意味の答弁があったのでございますから、私はこの点は橋本参事官からではなくて、藤井政務次官からお答えをいただかなければならない点であろうと思います。
  32. 藤井勝志

    藤井政府委員 この前の大臣の発言はすでに御承知の上での再度のお尋ねでございまして、たてまえとしては、先ほど橋本参事官から申し上げましたごとく、外交ルートを通じて招請するという国際博覧会のたてまえになっておるので、窓口が正式に開けてないのでアプローチのしかたがない、こういうことでありますけれども、政治的な視野から考えて、何とかしてひとつ、アジアで初めてであるし、特に最近の流動するアジア情勢、世界平和を求めての情勢を考えますとき、何とかくふうをせよという御趣旨は十分理解しなければならない。したがって、そういう意味で大臣もお答えをされたと思うのでありますが、いまだに目鼻がついておらないのが現実でありますが、今後も御趣旨を体して努力するということで御了承をいただきたいと思います。
  33. 中村重光

    中村(重)委員 そういう答弁で結局最後まで招請をしないという形になるのだろうと私は思う。御承知のとおりこのモントリオール万国博覧会参加報告書にもありますように、万国博覧会は産業、経済発展の披瀝の場であり、文化、歴史、国情紹介の場、教育の場、哲学の場、ショー、娯楽の場ひいては各国間の理解と親善を深める場であるということができるのだ、こう報告書の中に書いてあります。全く私はそのとおりであると思う。人類の進歩と調和——七億の人口を持つ隣国中国に対して、一昨日のあの三人の参考人の発言をあなたも一緒にお聞きになって、中国との国交、中国との友好親善、中国との貿易を促進していくということが、日本の経済安定のために、国民生活を向上させる上において不可欠の問題であるということを強調された。イデオロギーを越えて、ともかくいかにアメリカとの貿易関係に強い結びつきのある財界人ですら、日本人という立場から、日本の経済の安定と発展をはかるという立場から、中国との貿易を拡大しなければならないということを強調しておる。しかも御承知のとおり中国におけるところの貴重な文化、こういうものは、人類の進歩と調和をはかるところの日本の万国博覧会に対して、これを参加させるということの意義というものは私はきわめて大きいものがあると思う。うしろ向きでこれを参加させないというような考え方でまいりますと、それはいまお答えになりましたような、いままでこれを招請をしないでおるというようなことの合法性みたいな形が、当然これは間違っていないということになるわけです。しかしそうではないのだ、何とかしてこれを参加させなければならぬという考え方の上にお立ちになるならば、私は招請するルートというものは幾らでもあると思う。先ほど申し上げましたように、オリンピックにこれを招請し、参加をさせておるではないか。どうしてこれを万博に招請するすべがないということになるのか。そういうことであってはならぬと考える。だからいまお答えになりましたように、このことも努力をするということがほんとうに政務次官の気持ちの中からこみ上がってくるものであるならば、そうして将来そうした努力を最大限にやろうという決意の上に立ってのお答えであるならば、私もあなたに対して失礼なことは申し上げたくない。しかし、少なくともあなたの決意がほんとうに答弁のとおりであるのかどうか。かつて菅野さんの当時でありましたが、菅野通産大臣が答弁されたことと変わらない、おざなりな、単に質問に対して答弁のための答弁にすぎないというような感じがしてならない。だから、いまの答弁がほんとうにあなたの決意であるかどうか、どういう具体的な努力を続けようとなさるのか、ひとつその点を重ねて伺っておきたいと思う。
  34. 藤井勝志

    藤井政府委員 御指摘になりましたとおり、過般財界からの三人の参考人の御意見、私も敬聴いたしました。全くただいま御指摘になりました方向に向かって努力をすることが当然で、この場のいわゆる答弁のための答弁、こういう気持ちで申し上げたわけではございません。特に最近平和のきざしの見えたわがアジアにおいて初めて行なわれる万博でもございますし、人類の進歩と調和というこのテーマから考えても、モントリオールのとき以上にいまのような方向に向かって努力をするということは当然であると思うのでありまして、ただ、いままでの国際博覧会の条約のたてまえからいうと、いわゆる事務的になかなかむずかしい面がある。しかしこれは、片一方を誘致しようとしたら片一方がむくれる、こういうことになっては困りますから、そこら辺をひとつそれこそ調和してうまく目的に沿うように、おっしゃったように中共はもちろんのこと、共産圏でいままでつき合いのない国の参加もできるようなくふうをする、最善の努力をするということがこの万博の精神をほんとうに生かすゆえんである、このようにしかと心得ておるわけでございます。ただ微力にして実際の御期待に沿えるような方向にいくかどうか、私としては政治家としての最善の努力をいたしたい、このように考えます。
  35. 中村重光

    中村(重)委員 率直な答弁です。私は、人間としても政治家としても、藤井政務次官を信頼をしておるわけです。だからいまのあなたの答弁はほんとうに心の底からにじみ出た答弁だというように受け取る。確かにおっしゃるように、あなたが最大限に努力をしても壁は厚いと思う。しかしやらなければならない。モントリオールの報告にありますように、各国間の理解と親善を深める。政経分離であるとかいろいろなごまかしのことばをもって、中国との関係をいつまでもいまのような、いわゆる敵視の状態に置いておくということは許されない。これはアメリカと中国が日本の頭越しに手を握るという日も、いまのような日本のていたらくでは私は時間の問題だと思う。こういうときにこそいわゆる理解を深める場として万博を利用しなければならぬ。私はこう考える。だから最大限の努力をあなたがされるならば、与党の諸公といえどもあなたの努力に好感を持って協力される方々が多いということを私は期待をいたしております。この問題に対しましては、時間の関係もありますからこの程度にとどめて、ひとつあなたを信頼して先に進ましていただきたいと思う。  いわゆるモントリオール万博に学んだものは何か。たとえば入場者が非常に多かったアメリカ館であるとかあるいはソ連館であるとか、あるいはチェコ館であるとか地元カナダ館、しかもアメリカ館とソ連館は川を隔てて対峙ということばは適当なことばじゃございませんが、非常な特徴があった。アメリカ館は宇宙ロケット、ソ連館の場合はソ連の産業の規模というようなものを大写しに写し出すといったような、非常に雄大な形であった。しかしそのいずれも、対照的であったが、入場者が非常に多かった。何か強い特徴がいわゆる万博のあり方という点についてにじみ出ておったような感じが私はするわけであります。それに比較いたしまして日本館は非常に評判が悪かった。私は見本市か産業博覧会のような感覚で臨んだのではないかという感じがしてならない。ですけれども、それらの具体的な問題に対しましていろいろとお尋ねをしてまいりますと、時間が幾らあっても足りませんし、同僚中谷委員も質問をすることになっておりますから、それははしょりまして、具体的な問題についてひとつお尋ねをしてまいりたいと思います。  国民的な合意という問題に対しましてもいろいろお尋ねをしてみたいのですが、御承知のとおりにモントリオールの場合におきましては、カナダ百年祭の記念行事というものが行なわれた、その中の一つとしてモントリオール万国博覧会というものが開催をされたということになっているわけです。ですからこれは完全に国民の間に消化され、国民がこれに合意した、そうして国民的な参加というものが行なわれたところに私はあの成功というものをもたらした原因があるだろうと思う。日本の場合におきましては、そういうようなモントリオールにあったような、成功をもたらしたような国民的な合意を求めることが考えられていない。同僚委員の質問に対して明治百年祭ということをお答えになりましたが、何か苦しまぎれの答弁であったような印象を私は受けたわけです。いままで海外に対し、国内に対し、明治百年祭とこの万国博覧会とどう結びつけたPRがなされてきたのか、またいかなる計画がなされてきたのかということをお尋ねしてみますとどういう答弁があるかわかりませんが、いずれにしても、いまのような取り組みでありましたならば、皆さん方の努力にもかかわらず成功しないのではないか、もう少し国民的な合意を求めるための対策というものが考えられなければならないのではないか。オリンピックのときを国会で見ますと、オリンピックの際はたしか組織委員会というものをつくったように記憶をいたしております。これには与党も野党も参加して、まさしく国会は全員参加、そのことは国民全員参加という形においてオリンピックは開催されたと思う。ところが、六カ月間の期間を要するこの万国博覧会世紀の祭典である、アジアにおいて初めて開催され、大きく期待され注目される日本の万国博覧会において、オリンピックほどの取り組みもしていないというようなこのあり方ということに対して、どのようにお考えになっていらっしゃるか。冒頭に藤井政務次官は、私がいま申し上げることと同じような気持ちの上に立った御発言が実はあったわけです。ところがそういう考え方であるにもかかわらず、残念ながら現在はそういう方向に進んでいない。だからオリンピックにおけるところの与野党ともに参加をいたしました組織委員会というものは成功でなかった、そういうものは必要がないのだというような考え方を持っていらっしゃるのかどうか。それらの点に対して国民の合意を求めるための具体的な対策、ただいま私が申し上げましたような組織委員会のようなものの必要性、それらの点についてお答えを願いたいと思います。  まず基本的な問題でございますから政務次官からお答えを願いまして、それから橋本参事官からお答えを願いたいと思う。
  36. 藤井勝志

    藤井政府委員 御指摘のごとく、万博が全国民的支持のもとに行なわれなければならぬということは、全く御指摘のとおりでございます。そのためにオリンピックの前例にならって、国民の総意を代表した国会が超党派的にいわゆる盛り上がりの組織をつくり、いろいろな面のよき建設的な助言をする、こういった機構を考えたらどうか、こういう御提案でございまして、私は、非常にそういう面が欠けているとするならば、ぜひ早急に検討しなければならぬ問題ではないか、このように思うわけでございまして、ただ私はオリンピックは、国内でも国体をやっており、その国際的なスケールだということで国民になじみがあったわけでございますけれども万博の場合は、初めてやることだという事情があって、盛り上がりが十分でない。だから、反面、一そう国民的基盤を持たなければならぬという御意見がまた出ると思うのでありまして、組織委員会の前例にならった超党派的なこれが推進機関という点については十分検討させていただきたい、このように思います。
  37. 橋本徳男

    橋本説明員 推進機関につきましては、藤井政務次官の指示によりまして十分検討してまいりたい、こう考えておりますが、国民的な盛り上がり、これは先ほど御質問の中にもございましたように、モントリオールが建国百年というふうな点で、そういう非常にはっきりしたものがございましたから、かなりそういった国民的な盛り上がりは早かったと思うのでございます。日本には現在そういったはっきりしたものは確かにないと言えばないのでございますが、しかしわれわれがこの博覧会というふうなものを国民各層に周知徹底させたいという気持ちのものは、御承知のように日本が戦後急速なこういう社会の発展を遂げてきておる、しかし、その社会の発展を遂げた中にもわれわれが解決しなければならない幾多の困難な矛盾なりひずみがある、これは世界各国ながめまして共通の問題である、これはやはりどうしても何らかの契機にこういったものをお互いに考えて解決をしていかなければならないというふうなところに日本万博の意味がございます。しかし、それを徹底させるのはなかなかむずかしい問題でございます。したがいまして、現在におきましても、協会を中心にして、国民運動的な姿を、大阪の地元はもちろん和歌山、徳島、こういったところにつくりつつございますが、より以上積極的な体制という点につきまして十分今後検討し、御趣旨に沿うような方向で国民的な盛り上がりができるように努力を進めたいと考えております。
  38. 中村重光

    中村(重)委員 具体的な点についての御答弁がなかったのですが、時間の関係がありますから、具体的な問題について三、四点質問をいたしまして終わりますが、同僚中谷委員から、この万博の意義というような点から原爆の問題についての質問も出たわけであります。補足という形で私お尋ねするわけでありますが、原爆館ということを考える必要があるのではないか。世界の恒久平和のために、原爆によって大きな悲惨な被害を受けた日本として、原爆映画というようなものを当然考えなければならないでしょうし、またいろいろ原爆に対する資料、戦争特に原爆によるところの被害というものがどういう悲惨なものであるかということを知らしめる、また一方、平和な世界をつくり上げるために、平和な日本をつくるためにどういうことが大切なのか、いわゆる平和であるための国民の喜び、そうした明暗ということを浮き彫りにするような形の原爆館というようなものを考えなければならぬのではないかと思いますが、この点に対しては政務次官、どのようにお考えになりますか。
  39. 藤井勝志

    藤井政府委員 これは中身の問題で、むしろ万博協会のほうからお答えいただくことも必要ではないかと思うのでありますが、お尋ねがせっかく私にもございましたからお答えをさせていただきますが、私は、御承知のごとく、原爆被災のただ一つの国が今度万博をやるわけでありますから、その強烈な破壊力というもの、これが悪いほうに利用された場合のうしろ向きの面だけでなく、それよりもむしろ、これが平和に利用されればいかにお互い人類の進歩と平和に役立つかという、この前向きの方向に重点を置くというのが、万博のこの事業の性格に合うのではないか、このように思うわけでございまして、この辺のかげんはいろいろ演出技術の問題もありましょうし、専門的ないろいろ検討を要する問題でございます。以上の程度のお答えで不十分でございますけれど御答弁にかえます。
  40. 中村重光

    中村(重)委員 菅野参考人お尋ねをいたしますが、いま政務次官お答えになりましたように、いわゆる平和利用、逆にこれが戦争の兵器として使われた場合の悲惨な姿、いわゆる明暗両面を写し出す、そういう意味の原爆館というのか、資料館というのか、これは日本万博で初めて資格があるのだというように考えるのですが、その点に対しては、どのようにお考えになりますか。
  41. 菅野義丸

    菅野参考人 協会の仕事は、御承知のとおり、会場をつくって基本的の施設をするということでございまして、展示館というようなものは私のほうでは全然つくらないのでございます。共通の施設といたしまして、あるいはお祭広場であるとか、あるいは美術館であるとか、小劇場というようなものはつくりますけれども、いわゆる特設館というのは外国の政府あるいは国内の企業、そういうようなところが出すのでございまして、協会自体が展示館を出すというようなことは考えておりません。
  42. 中村重光

    中村(重)委員 そうだろうと思う。ところが、全体のいわゆる万国博覧会というものを成功させる、そこに日本としてどういう形で取り組むかということについては、やはりあなたの地位からいたしまして相当な発言権というものはあってしかるべし。具体的にその実施段階においては、だれがどういう方法でやるかということは、おのずから別であると思う。ですから、私は強い発言権、この主催の責任を負っていらっしゃる立場においての一つの基本的な考え方ということについて、御意見を実は伺いたかったわけであります。しかし、政務次官の答弁もあったわけでございますから、どうかそういう点は前向きに検討いたしていただきたいということを要望しておきたいと思います。  具体的な問題について、この法案との関係もありますからお尋ねをするのですが、その前に、この参加国施設がまだ実は着工されていない。協会の場合もそうであろうと思うのですが、まだ着工していないということについて、昭和四十一年当時に、資材費がどの程度だ、これらの建設に要する経費はどの程度だということを、それぞれ招請国かあるいは参加申し込み国か知りませんけれども、それがお出しになった、ところが技術屋がやってきて調査をすると、もう二〇%くらい、三〇%くらい上がっておる、これじゃどうにもならないというので、設計変更をしなければならぬという状態におちいって、そのためにおくれておるということが言われている。その間の事情はどうなっておるのか、どういうような見通しをお立てになって、そうした関係諸国、参加諸国に対して建設に対するところの知識をお与えになったのか、そこいらを伺いたいということと、それから当初の計画といたしまして、どの程度そうした建設の費用というものが値上がりしておるのか、伺ってみたいと思います。
  43. 菅野義丸

    菅野参考人 招請を始めますときに諸国から一番聞かれることは、どのくらいの費用でパビリオンが建てられるのかという建築費の問題でございます。この点につきまして、協会といたしましては、一応の参考にガイドブックのようなものをつくりまして、各国を回ったときに渡してきたのでございますがその当時までの建設費関係は、材料というものはほとんど横ばいの状態であったのでございます。労務費はだんだんに一〇%ぐらいずつ上がっておりましたが、材料費はほとんど横ばいでありましたので、たいした値上がりはないという、労務費だけを入れた将来の見通しを書いておいたのでございます。ところが不幸にして、その後だんだんとこの材料費が値上げになりまして、労務費のほうは大体予想したとおりでございますが、そういうわけで建設費全体といたしましてはやはり年々一割以上の値上がりをしているようでございます。その点が各国の単位当たりの建設費の違いというものに対して多少の影響を与えていることは事実でございますが、実際において、最近新聞紙等で報道されておりますように、設計変更をしなければならぬというようなことは、先ほど私が協会施設についてお答え申し上げましたように、どこの国のパビリオンも非常に新しい特殊なものでございまして、特別の工法をしなければできないようなものが多いのでございます。もちろんこれはパビリオンでございますから、非常に細心の設計で、それ一個だけしかつくらないというようなものでございまして、普通のビルディングをつくるような計算では、とても平米当たり幾らというようなことでは計算ができないものでございます。その点が、先ほど協会の独自の施設に対しても申し上げたと同じように、各国の建築の技師が来まして日本の請負業者に言いますと、やはりそういうような特殊性が非常に大きな影響を与えておるようでございます。そこで、これはもう、個々に当たって、参加国と国内の請負業者との間の意思疎通をはかって見積もり金額をきめるというよりしかたないのでございますが、平均的の値上がりにつきましては、不幸にして私どものほうの予想が当たらなかったということは率直に私どもも認めておりますので、来月の二十七日には各国の政府代表が集まりまして、京都でもって国際会議を開きますので、この機会には建設の専門家を一緒に帯同してきてもらいまして、分科会を開いて、現状及び将来の見通しについてもっと的確な打ち合わせをしたい、かように考えておる次第でございます。  なお、本年の七月からは外国のパビリオンを建てられるように、私どもとしては、電気、水道、ガスというようなすべての供給施設に遺憾なきを期しておりますが、目下のところ、外国のパビリオンで七月から建て始めますのはカナダ一国でありまして、あとの国はまだそういう予定を聞いておりません。モントリオールの例を見ましても、一番大きなアメリカ館、ソ連館のようなものでも着工は一年半ぐらい前でございまして、日本館は一年前に着工したというような次第でございまして、七月からはいつでも着工できるように用意を進めておる次第でございます。
  44. 中村重光

    中村(重)委員 いま改定ガイドを作製をしておるということも伝えられているし、カナダは一番乗りを確かにやった、ところが、非常な値上がり設計変更をしなければならぬとか、あるいはアメリカもソ連も技術者を派遣した、ところが、これもまた設計変更をやらなければいけないのだというようなことも伝えられておるわけですね。私はそれら参加諸国の不信を買っていなければ幸いであると思うわけです。来月の二十七日に開かれる国際代表者会議においても、そこで値上がり対策も話し合いをするのだということを言われたのですが、十分な理解を得るような努力をなさる必要があるのだろうと思います。  最後に稗田参考人お尋ねをいたしますが、この法案の中身を見ますと、日本住宅公団が住宅であるとかあるいは関係施設をつくってこれを協会に貸与する、それを参加諸国の従業員が使用する、こういうことになるのだろうと思いますが、どういう規模でどの程度をおつくりになるのか、時間の関係がございますから、続いてお尋ねをいたしますが、恒久的なものをおつくりになるのかどうか、終わりましたらその処分はどうするかということ、それらの点について一括してお尋ねしますから、お答えを願いたいと思います。
  45. 稗田治

    稗田参考人 お尋ね万博の外国の使用人の宿舎の件でございますが、これにつきましては大体建設省のほうからわれわれのほうに内示していただいておりますのは、八百戸の宿舎をつくるようにということでございまして、これは本年度住宅公団といたしましては賃貸住宅を全体で四万三千戸建てるわけでございますが、そのうち既成市街地に建つようなものを除きますと、郊外に建てる貸し家の戸数というのは三万七千戸でございます。そのうち八百戸をさいて、この万博協会の使用が終わったあとには従来の公団の賃貸住宅として使用する、そういう関係でございます。まだいろいろと万博協会側ともこまかく打ち合わせをして詰めていかなくちゃならぬわけでございますが、まだ具体的な設計というところまではいっていないわけでございます。八百戸でございまして、したがって一戸当たりの規模は五十二平方メートルということになっておるわけでございます。これを普通の五階建ての住宅でやりますと、全国平均の単価でわれわれ内示をいただいておるのでございますが、大体一月当たり、用地費を含めて二百二十万、それからエレベーターつきの高層のものにいたしますと二百七十万ぐらいかかるわけでございます。なお、生活の様式が外国人と日本人と違うものでございますから、後に日本人向きにこれを使うわけでございますので、外国人向きに若干の設備の付加はやむを得ないことでございますけれども、やはりこれが日本人にも応用できるように、その辺をこれから万博協会のほうとよく詰めていきたい、かように考えておるわけでございます。  それから公団で団地をつくりますると、団地内に集会所とかそういったものを付随してつくるわけでございます。そういった集会所の施設とか、それらが、万博協会のほうで使用が始まりますと、あるいはそれが一時食堂に使われるとか、さようなことでございまして、全部将来は日本人が使うということで考えておるわけでございます。
  46. 中村重光

    中村(重)委員 最後に、政務次官と、それから菅野会長お尋ねをいたしますが、この事業というのは国際的な大きな期待が持たれておるわけです。ところが、私がただいま申し上げましたように、資材値上がりその他によって、設計変更等もなされなければならぬ。それらの点について理解しながらも、やはり何か割り切れないものを参加国も感じておるだろうということが言えるわけであります。ところが、いろいろこれらの事業につきものの汚職、不正事件が発生するということになってまいりますと、国際信用を失墜することはもうおびただしいものがある。世紀の祭典であるこの万博を開催しながら、日本の汚名を天下にさらけ出すということになってはたいへんなことだと思う。非常に利権が伴います。それらの点に対して、万々配慮はされておるだろうとは思いますが、その決意と、そうした不正、汚職が発生しないように、どのような配慮がなされておるのかということにつきまして、政務次官菅野参考人から最後にお答えを願いまして私の質問を終わりたいと思います。
  47. 藤井勝志

    藤井政府委員 御指摘の点は全くそのとおりでございます。万博という世紀の大事業、これが運営に直接当たられる立場の方はもちろん、これが協力あるいは監督、特に通産省の場合、通産大臣は万博担当大臣でございます。通産省の関係職員、万々ただいま御指摘のようなことのないよう、心がまえももちろんでありますが、内部牽制と申しますか、そういったことの起こらないような最善の機構上の配慮もいたしたい、しなければならぬ、このように考えております。
  48. 菅野義丸

    菅野参考人 いま御指摘の点は全く同感でございます。私どもこの仕事を引き受けることになりまして以来、石坂会長をはじめ、常に、機会あるごとに言っていることは、きれいな万博でございます。万博がよかったか悪かったかということは、いろいろ主観の違いがございまして、とかくの批評は受けても、これはやむを得ないと覚悟しておりますが、いやしくも不明朗なことがその背後にあったとしては、これは世界じゅうの指弾、批判を受けることであるから、絶対に不明朗なことのないように、ということがわれわれの覚悟でございます。そして、機会あるごとにその覚悟、決意を新たにするような方法をとっておる次第でございます。また組織的にもそういうことができないように、監察室という組織をつくりまして、そこで、どんな小さい投書にしても、あるいは風聞にしても、あるいはまた検査立ち会いというようなことにつきましても細心の注意を払って、絶対にそういうことがみじんも起こらないようにということを心がけておる次第でございまして、今後も御指摘のとおり、あくまできれいな万博をやり遂げたい、こういう決意でおる次第でございます。
  49. 小峯柳多

    小峯委員長 中谷鉄也君。
  50. 中谷鉄也

    ○中谷委員 万博の国民的な支持、国民的な合意という問題について前回お尋ねをいたしましたが、同僚委員前回からの質問に対する政府の御答弁の中で、次のような点が気にかかりましたので、最初に指摘をしておきたいと思います。  国民的合意に関することですが、万博の意義を国民に周知徹底させるということを政府は盛んにおっしゃるわけです。といたしますと、外国参加企業参加施設参加というふうなことで、主として外国企業万博の開催について直接的にこれらについて参加をしてくる。ところが国民の場合は、万博が開催されて入場するという以外に参加をする方法がないということであれば、そういうふうな考え方と発想の中に、国民的な支持というものを得られない一つの原因があるんじゃないか。要するに、万博の意義を国民に周知徹底させるというけれども、国民が万博開催まで、国民自体が直接万博参加をしていく、こういうふうな具体的な方法というものが考えられなければならないのだと私は思う。国民というものが単に万博のPRの対象としてとどまっているというふうな、万博の基本的な考え方がもしそういうところにあるとするならば、ついに国民的な支持を私は得られないだろうと思うのです。国民が直接万博開催に向けて税金を払うというかっこうだけではなしに、直接に国民が万博開催に向けて参加をするということについて、具体的にどのように考えているか。そうでなければ、私は国民は単なる万博の客体であって、主体たり得ないと思うが、この点についてひとつ、単に国民運動というふうなことではなしに、バッジを胸につけるというふうなことではなしに、政務次官万博と国民、国民存在の万博というものをどのように考えるか、この点について、私はこの構想と考え方が欠落しているように思うので、お答えをいただきたい。
  51. 藤井勝志

    藤井政府委員 なかなかこれは、実際に御指摘の点をどう具体化するかということになりますと、たいへんむずかしい問題ではないかと思うのでございます。私はこの万博について、実は私見を申し上げて恐縮でありますが、かつて明治御一新前にええじゃないか運動というのが歴史上あった、ああいう仕組みに盛り上がる方法はないかということを頭に浮かべたことがあります。自然発生的に盛り上がる、そうして人類の進歩と調和という——ところがなかなか直接万博が開かれるまで、具体的な行動として参加するという事業の性格ではない。オリンピックの場合は、身近に運動会から始まって、すそ野がずっと、県の段階で国体がぐるぐる回ってやられておる。こういうことから盛り上がって、ずっと深く国民生活に直結する。ところが万博は一つのテーマ、そういったものをめぐって、いわゆる頭の中に、心の中に万博の意義を浸透させるという、こういうこと以外にいわゆる事前運動がなかなかむずかしい、こういうことでありまして、御質問の御趣旨はわかりますが、それを具現する方法においては、それ以外に私としてはお答えをする材料がない、こういうことでございます。
  52. 中谷鉄也

    ○中谷委員 ささやかな提案ということではありましょうが、直接国民が万博参加をするというようなこと、ただ頭の中で万博の意義を周知徹底させられるということでは、国民として単なるPRの客体でしかないと思うのです。そういうことで、次のようなことについて、これは全くそのことは国民的支持を受ける、あるいは国民的支持を盛り上げることの単なるささやかな提案でしかありませんけれども、次のようなことを私は考えてみました。全くこれはささやかなことでありまするけれども、ひとつお答えをいただきたいと思います。  一つは、御承知のとおり万博の会場につきましては、人工湖を中心としたところの緑地帯などが相当にあるわけなんです。そこで、あとで参事官のほうからお答えいただきたいと思いますけれども、この緑地帯の植林に要する木というのが一体どの程度必要なのかというようなことについて、ひとつお答えをいただきたいと思います。現在自治省などのほうの協力されている各都道府県知事会等の提唱によりまして、各県が県の花というのを現在制定いたしておりますね。たとえば和歌山県の場合は梅の花というのが和歌山県の県花ということに相なっておるわけです。そういうふうなものを各県に呼びかける、あるいはまた——これは単なる苗木ではいけないということは私よくわかるのですけれども、そういうような緑地帯に国民の希望によって植林をしていくというふうなことは、国民自身の手によって万博をつくり上げていくんだというようなことで、きわめてささやかなことではありまするけれども、ひとつ御検討いただきたいと思うが、政務次官の御答弁を求めます。
  53. 藤井勝志

    藤井政府委員 たいへんいいところにお気づきの御提案ではないかというふうに私思うわけでございまして、たとえそれがささやかでも、国民的な盛り上がり、またその趣旨に沿うた事柄はどしどし取り入れていくべきである。ただいまの御提案はまさにその一つである、このように考え、ひとつ単なる検討でなくて、できるだけ実現するように関係当局、関係者に相談したい、このように思います。
  54. 中谷鉄也

    ○中谷委員 参事官にお尋ねをいたしたいと思います。  施設参加というのが非常に大きな課題になっております。植村財務委員長を中心にして多額のお金が要るものをとにかく努力をしなければいかぬ。ところが、この点についても私は一つ提案をしたいことがあるわけなんです。これはまあ非常にやり方考えていかなければいけないと思いますけれども施設参加についての表というものを見てみますと、百万円までが一番最低で、あと十億というふうな施設参加、これは一人一人の国民にとってはとうていそういうふうな施設参加をする資格、能力もなければ余力もないわけなんです。中小企業館というのはあります。中小企業館には中小企業が出展参加をするわけですけれども施設参加のできない中小企業というのが何らかの形でこの万博会場の建設努力をしたいという中小企業があってもしかるべきだと思う。いうなればベンチの一つ、ごみ箱の一つでもいいじゃないか。そういうようなものをひとつ、施設参加という形で——物品参加ということばでもいいでしょう。備えつけ品参加ということばでもいいと思う。そういうふうなことを国民に呼びかける。そうして自分の会社の、自分の家のベンチがあそこにあるのだ——ベンチばかりを持ち込まれても困るので、そういうようなことは考えなければいかぬけれども、そういうふうなことが御検討あってしかるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
  55. 橋本徳男

    橋本説明員 先ほどの木の点からお答えいたしますが、一応緑地帯に植える木としましては六千六百本というふうなことでこれを予算に計上しておりますが、先生のおっしゃいました各県からの県木といいますか、これはわれわれもそういうことは当然行なうべきだろうと思いますし、非常にけっこうな提案と思いますので、実現するように十分努力したいと思います。  それから施設参加の問題につきましては、われわれも前から、オリンピックのときに国民のそういった具体的な参加としまして十円募金がございましたが、十円募金といったような形において今後国民募金、国民の参加というものを具体的にお願いするのがいいのか、あるいは先生いまおっしゃいました、ささやかなものでもそういったような形において参加してもらうのがいいのかというふうな問題は十分検討させていただきまして、できるだけその方向で検討したいと思うのでございます。ただ非常に残念なことは、いままでどちらかといいますと、われわれ博覧会というものになれない関係から、何としても出展に力を入れなければ博覧会というものが成り立たないというふうなことで、当初の一年間半は出展対象の呼びかけをやり、それから後半において観客への呼びかけをやるというふうなことで、ややその間外から見ますればいろいろ問題はあるかと思いますが、四十三年度、本年度から本格的にそういった呼びかけによりまして、こういったもののいろんな形においての募金なりあるいは施設参加なりといいましても、やはりその根底として国民の理解というものがなければいずれも成功しないのだろうと思うのでございます。したがいまして、十分に国民に理解をしていただきながら、具体的なそういった問題を、先生がいまおっしゃいましたような非常にいい提案につきまして、できるだけ早急に具体化を進めてまいりたいというふうに考えております。
  56. 中谷鉄也

    ○中谷委員 次に、そういうふうな国民的な支持を求める一つの方法として、万博協会はモニター制を設けられたわけです。ところが、このモニター制については非常な不満と批判が国民の中であります。たとえば善意の国民がそのモニターとして応募をした。ところが結局会合はごくわずかしか開かれていないというふうなことがいわれている。有名人もかなり集められているようでありまするけれども、公募をして集めたそのモニターが具体的に生かされていない。モニターに委嘱状をもらっただけだというふうな状態です。一体会合は何回今日までお開きになりましたか。またこのモニター制を推進するための予算というのはどの程度お組みになっているのでしょうか。要するにそういうふうなものは一つの思いつきとしてつくっただけで、今後会合を開いたりあるいはモニターからの意見をどんどん聴取したりというふうなことはあまり重きを置いてないのかどうか。副会長さんいかがでしょうか。
  57. 菅野義丸

    菅野参考人 ただいま御指摘のモニターの制度でございますが、これは各界各方面からの方を集めておりまして、百人以上になっておるのでございますが、これを一堂に集まっていただいて御意見を伺うという会合はいままで一回も開いておりません。しかし、事柄によりまして、各界からこちらからお願いしまして会合に来ていただいたことは数回でございます。しかし実際会合というのは、先方の方々の御都合もあって、なかなかむずかしいように思いますので、主として私どものほうではアンケートを差し上げて、そして御意見を伺うという方法をとっておりまして、あるいは御提案をいただくようなことについてこちらから御照会する、こういうようなことにして、モニターの方々にはむしろこちらからずいぶんいろいろなことをお願いしているような気持ちがいたしますが、場合によりましては、全然あるいはそういう会合もないし照会もこなかったなんという方があるかもしれませんけれども協会全体としましてはそういうふうに御協力を願っておるような次第でございます。
  58. 中谷鉄也

    ○中谷委員 岡山市の高木純子さんという家庭の主婦の人が応募をしてモニターになった。いろんな点について近所の人とも努力をしてそうしてお返事を出した。ところがそういう提案に対して、あなたの御指摘の乗りものにはモノレールがきまっていますという新聞の写しだけがお返事としてきた。そうしてどうもモニターの予算などについてはほとんど計上されていないようだ——まあことしは計上されたようですが、というふうなことが載っている。こういうふうな国民の総意を結集するという努力については、ひとつ十分な配慮を持っていただきたい。これはひとつ苦言を呈しておきます。  次に、同じく国民的な合意を求めるということについてお尋ねをしたいと思いますが、たとえば万博協会のほうへお伺いをいたしまして、いろいろな資料を私いただいてまいりました。こういう「日本万国博」、「施設参加のご案内」というふうなパンフレット、ずいぶんきれいな、りっぱなものができていると思うのです。ところが、あとお尋ねをいたしますけれども入場者三千万、そのうちの相当部分を占める小中高等学校の生徒諸君に対するところのPRは一体どうなっているのか。これらの問題について、副読本等をつくるという具体的な構想があるようです。いつごろまでにどんな内容のものを、どの程度のものをつくる構想をお持ちなのか。これは一体小中高校の生徒諸君に有料で配るものなのか、それとも無料なのか。これらの問題をひとつお答えをいただきたい。
  59. 菅野義丸

    菅野参考人 学校生徒に対する広報といいますか、これは私どものほうでも非常に重要視しておりまして、現在やっておりますものは、小学校の生徒に対する絵新聞でございます。これはもうすでに一年くらい前から絵の壁新聞をつくりまして、そして各学校に送っております。またその内容等につきましては、文部省のほうに見ていただいておりまして、間違いがないようにいたしておる次第でございます。副読本は現在計画中でございますが、これも文部省あるいは地方の教育委員会等と相談しなければならないと思っておりますが、内容をきめることが非常にむずかしいので、まだ発行しておりません。できましたらば、これは先生用と生徒用とを無料で配布したいと考えておりますが、あまり厚いものになりますとそういうこともできないのじゃないかと考えております。
  60. 中谷鉄也

    ○中谷委員 そこで、この万博についての協力というのは、特に出版社あるいはテレビ等の報道関係人たちの協力を得なければならないと私は思う。すでにこの問題は新聞の論説の中にもあらわれ、そうして前回田中委員の質問の中にもあらわれてきたわけなんです。と申しますのは、例の百科事典の中にも勧業博覧会ということが記載されているじゃないか、万博というもののイメージ、性格というものとかけ離れた、一時代前の百科事典の記載があるじゃないかということについての発言がございました。そこで、そういうふうな百科事典の記載を私詳細に読んでみましたけれども、そのこと自体の表現が間違いだとは言えないわけなんです。しかし正しいといいますか妥当な記載ではないと思うのです。それほど目くじらを立てることではないと思いますが、この種の問題について、こういう百科事典の記載について、国民的な支持を求めるという観点から、出版社に対して、新しい版をお出しになるときには、万国博覧会というこの項については、一時代前ではなしに新しい万国博覧会の記載をお願いしたいと、訂正を申し入れるとか——訂正せよというようなことは言える筋合いのものじゃないと思うのですが、そういうふうなことを連絡し、お願いをし、協力を求める、この程度のことは、全国民的な事業ということの中においてはしてもいいことだし、また小中高等学校の生徒諸君に対する義務としてしなければならないことだと思うが、副会長いかがでしょうか。
  61. 菅野義丸

    菅野参考人 御指摘の百科事典につきましては、さっそくそういうふうな申し入れをするつもりでおります。これは発生的には、先生承知のとおり産業博覧会的なものでございましたけれども、第二次大戦後の万国博というのは性格を一変しておりますので、その点を特に強調して、こちらのほうから資料も差し上げて、次に版を改めるときにはぜひ訂正していただきたいと思って、その申し入れをするつもりでおります。
  62. 中谷鉄也

    ○中谷委員 次に、次のようなことを一つお尋ねをしておきたいと思います。  万国博というものは、どんなことがあっても国民的な支持の中で成功をさせるのだという目標とそれに対する確信というものを持たなければ、こういう事業には取り組めないと思うのです。それがためには、ずいぶんたいへんな苦労と、そうしていろんな批判に対して、それを柔軟に受け入れると同時に、そういう批判の中で新しいものをつくっていくという努力が必要だと思う。そういうふうなことは、人間といいますか、そういう一つの組織の努力の集積だと思うのです。たとえば最近、国民が非常に感動した映画の中に「黒部の太陽」という関西電力の人たちの黒部峡谷のダム建設の映画がございました。そういうことを申し上げると、東京オリンピックでは「東京オリンピック」という非常にわれわれの感動を呼んだ映画、これはオーバーな言い方をすれば、日本国民の一つの財産としてそういう映画をわれわれは持ったと思うのです。そこで万博協会として、この万博事業というものをほんとうの確信と自信のもとに遂行されるなら、むしろこの際万博に関する映画、それも単なるPR映画でなしに、このような努力の中でわれわれは万博を行なった、このように世界の人たちは人類の進歩と調和を求めて集まってきた、そういう記録映画であると同時にそこに人間のドラマがあるようなものがつくられてしかるべきではないか。しかし、こういうようなものをつくろうというような話もあまり聞かないし、立柱式はすでに終わったけれども、そういうような映画の準備をしているということを聞かないのですけれども万博事業というものが自信に満ちたものであるためには、むしろ映画をつくって、さらに世界の人に、この会場に参加のできない人たちにも日本の万博、アジアの万博というものを見てもらうのだということがあってしかるべきだと思うのですけれども、いかがでしょうか。
  63. 菅野義丸

    菅野参考人 オリンピックの公式記録映画というのは、私も拝見して非常な感動を受けたのでございますが、それにならいまして、私どものほうは発足の当初から公式記録映画をつくるという目的でもって、すべての行事等の映画はつくっております。これはいまのところは材料として残して、あとで編集するのでございますが、主としては開催後の各国国民の表情とか、そういうものが非常に大きなエレメントになると思いますけれども建設の初めからのものは遺憾なくデータとして残しておるつもりでございます。また宣伝広報の意味におきまして、EXPOニュースという映画もつくりまして、これは国内及び国外に回しまして映しておるのでございますが、参加国の招請等に参りましたときに最も効果があるのはこの映画でございます。これによりまして参加国人たちが非常に認識を改めていただきまして、ことにテレビ等にもそれを利用した例がございます。いままではどうも、先ほど橋本参事官からもお話がございましたが、参加国招請、あるいは万国博の意義を主として宣伝するというような意味におきまして、印刷物が多かったのでございますが、今後はもうテレビであるとか、映画であるとか、そういったような端的なものでもって国民各層を対象にした広報宣伝が大事じゃないかと思って、広報関係計画につきましても、今年あたりからはもうすっかり変えまして、いままでとは違った方向で進めたい、かように考えておる次第でございます。
  64. 中谷鉄也

    ○中谷委員 非常にお話が実務的なお話だったと思うのです。私が申し上げておるのは、記録映画をつくるというのはあたりまえのことだと思っております。また公式的な記録を残すというのもあたりまえのことです。そういう報道とか、記録とか、それからまたPR、広報のための映画フィルムということを申し上げているわけではない。副会長もごらんになったと思いますけれども、東京オリンピックの場合も二つ映画がございましたね。そういう、たとえば、日本の著名な映画監督とか——テーマ館については岡本太郎さん、基幹の施設については丹下さんというふうな方にお願いをしておるわけですね。この人類の進歩と調和というそういう一つのドラマを、日本の映画界の最高の方に委嘱をして、そしてアジアの万国博というものを映画化していく、そういう構想はありませんか、そういう構想を持つべきではありませんかというお尋ねをしておるのです。
  65. 菅野義丸

    菅野参考人 私御質問を取り違えまして申しわけないと思っています。私申し上げましたのはほんとうの事務的な記録の映画でございますが、実は公式記録映画というのは二本つくることになっております。オリンピックと全く同じでございまして、ほんとうの工事段階から建設状況等に至る事務的なものと、それから各国にも送れるようなりっぱな芸術作品もつくるつもりでおります。
  66. 中谷鉄也

    ○中谷委員 監督はだれですか。
  67. 菅野義丸

    菅野参考人 つくるつもりでもって予算はとってございますが、まだ監督はきめておりません。
  68. 中谷鉄也

    ○中谷委員 そうすると、監督さんなどについても、少なくとも日本映画界の最高の方にということでお答えになるわけでございますね。じゃそういうことで次に進みたいと思います。  政務次官に一点だけ確認をしておきたいと思います。  政府館構想でございますが、すでに政府館構想につきましては、閣議の、一応のこの程度のということの決定を見ているわけでございますね。その政府館構想には、御承知のとおり、先ほど政務次官のほうから御答弁になりました被爆国日本、同時に原子力の平和的利用というものについてはできていないわけなんです。要するに被爆国日本と、その被爆国であったということの原体験に基づく原子力の平和的利用日本という構想は、したがってそういうものが展示されるということは、すでに決定になった閣議決定を前向きに修正していく、前進的に改めていくというふうにお伺いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
  69. 橋本徳男

    橋本説明員 政府館の基本的な構想につきましては、昨年の秋一応閣僚協議会で大体の方向として御審議いただき、方向はきめていただいたわけでございます。ところが、そういういまの原爆の話が出てまいりましたのは、昨年の暮れに通産大臣に申し込みがございまして、それから着手をしている段階でございます。したがいまして、現在の政府館構想の中にはそれは入っておりません。したがって、これが最終的に事務的に固まりますれば、当然閣僚協議会へそれを持ち出しまして、御審議していただいて方向をきめていただかなければならないと思っております。事務的にはその方向で進めてまいりたいと考えております。
  70. 中谷鉄也

    ○中谷委員 次に、政務次官の御見解をひとつお伺いしたいと思うのです。  政府館構想は、これはやはり日本政府万博に対する考え方、基本的理念というものをどのように日本政府は表現したかという非常に大事な展示だと私は思うのです。この中に、「むかし」、「いま」、「あす」そうして、「ゆめ」、こういうふうなテーマで展示をすることになっておりますね。ところが、これについてはいろいろな批判はあると思いますが、「むかし」というところからこれは始まっていきます。そうして石器時代より昭和に至る、要するに石器時代から始めていくのだということになっている。そうすると、これはひとつ私の個人的な提案ですけれども、われわれ日本人は記紀などによる神話というものを持っているはずでございますね。こういうふうな神話というものを政府館構想の中で避けて通っている。このことは一体どういうわけなのだろうか。何か神話というとすぐそれが復古的だ、反動的だというものでは私はないと思う。日本人の一つのロマンとして日本の神話というものが政府館構想の「むかし」の部分の中に出されるということがあってもいいという意見だって国民の支持を受け得るのではないかと思う。いかがでしょうか。政務次官にひとつ……。
  71. 橋本徳男

    橋本説明員 神話の点につきましては、政府館をつくります場合にもいろいろ検討にはのぼったわけでございます。昔の神話の扱いというものは、これはちょっとどちらかといいますと、国体とのつながりがないわけではない。しかし昨年の秋にこの神話について審議会でこれを学校教育にも取り入れるというふうな話に実はなっておるわけでございます。そういった観点からこういったものを取り上げてみたいという検討は行なってみたのでございますが、神話というものはどちらかといいますれば、口から口へ伝えることによって各種のイメージをそこに与えるという非常に多様性を持っておるものでございまして、これを一律的な形において展示することによるイメージの破壊ということも予想されやしないか。それからまた、神話によりましては、あるいは学説等におきまするいろいろな問題もあるというふうなことから、特に避けたのじゃございませんが、そういった点で非常にむずかしいという点から取りやめた次第でございます。
  72. 中谷鉄也

    ○中谷委員 神話の表現のしかたとして、そういうふうにまさに昔々を表現する方法だって私はあると思うのです。したがって、私はこの機会に神話を展示しなかった政府考え方の中に、二段目に参事官が御答弁になった、要するに学説上のいろいろな論点、相違があるということをおっしゃった。私はやはり万博というものが国民的なものであってほしいと思うのです。要するに学説上いろいろな相違があるというふうなことについての、だからそれが神話を出さない一つの理由だというのは、端的に申しましてわれわれの考え方ではないと思うのです。非常に公務員的な役人的なお考えのように私は思います。そういう考え方、要するに結果において失敗をしないという考え方も私は非常に大事だと思いますけれども万博というものは一つの壮大な夢を追うということからいいますと、そういうふうに憶病になることがはたしていいのかどうか。もちろん参事官の御答弁は憶病じゃないんだ、慎重なんだというようにおっしゃるだろうけれども、慎重過ぎることが万博というものとはたして一致するのかどうか、非常に私は疑問に感じております。と申しましてもどうしても神話をとにかく出さなければいけないというようなことを申し上げているのではないわけなんで、万博自体の展示そのものの基本的な考え方の中で慎重過ぎることによる弊害というものもあるのだということはひとつ指摘をしておきたいと思います。  そこで、そういうふうな観点からお尋ねをいたしたいと思いますが、テーマ館の問題です。副会長さんにお尋ねをいたします。岡本太郎さんがこのテーマ館については非常に努力をしておられる。ところがテーマ館の問題について、新聞の報道によると、岡本さんの考えておられる構想と万博協会そうして大蔵省の考え方の中にはずいぶん差異があったように思うのです。これらの問題については完全に調整ができましたかどうか。要するに十億と三十億ということではずいぶん差があり過ぎると思うのですが、いかがでしょうか。
  73. 菅野義丸

    菅野参考人 岡本太郎画伯にプロジューサーになっていただきまして、テーマ展示に関することをお願いいたしておるのでございまして、だんだんとその構想が固まりまして、少なくとも本月中には正式にそれをきめる段階になると思いますが、費用の点につきましては、岡本さんともよく相談いたしまして、その計画を実現するのに差しつかえない程度に下げてもらいまして、それに必要な費用はこちらは出しましょうということで、今度の運営費の中にもそれを考えておるような次第でございます。ことに展示の費用でございます。したがいまして、岡本さんの考えております構想を実現するには差しつかえない費用を出したいと考えております。
  74. 中谷鉄也

    ○中谷委員 朝日ジャーナルの昨年の十月二十二日号ですけれども、テーマ委員会の副委員長の桑原さんと岡本さんが対談をしておるのですね。「万国博への期待と不安」という見出しがついております。要するに「冒険の精神を」ということで、岡本さんの対談に一貫して流れているものは、べらぼうなものをやりたいのだ、とにかく平凡な、慎重な、だれからもしかられない優等生のようなものではおかしいのではないか、ということを言っておられるわけです。そこで、私はいろいろな考え方があるだろうと思うのですけれども万博である以上は、そのような岡本さんの考え方というものが私は個人的に正しいと思うし、そういうふうなものであってもらいたいと思うのです。そこで、問題は、しかしお金の問題ですけれども、そういう岡本プロデューサーの考え方、構想というものが予算の面ではどの程度のものとして協会との間に了解がついたのですか、お尋ねをしたいと思います。当初の予算はたしか十億でございましたね。岡本さんはあと二十億要る、それで三十億だということだったと思うのですが、どの程度のところでこの岡本構想というものは実現できるのでしょうか。
  75. 菅野義丸

    菅野参考人 最初岡本先生が、どうしてもこれはもう運営費まで入れると三十億以上だというようなお話でございまして、いろいろとわれわれお話し合いをいたしまして、まただんだん計画もできてまいりましたので、具体的になってまいりましたが、結局建設費といいますか、この施設をつくる費用が十五億でございまして、それで展示の費用は十億で何とかできないかということで、いろいろお話し合いしたのですが、どうも十億では足りないというような御要求が強いので、今度の運営費では三、四億それにふやしたいと考えております。まだきまっておりません。
  76. 中谷鉄也

    ○中谷委員 かけ足で参ります。  外国参加の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。菅野会長が日本経済新聞主催の万博に関する講演会の中で、九十カ国の参加を求める、九十カ国くらいはきてもらいたいということを、ことしの二月に御講演になりましたけれども、そういう意気ははなはだ壮としますけれども、どうも現実の歩みというのは非常に遅々として進まない感じがいたします。特に外国政府参加状況について、アジアの万博ということで検討をしてみたいと思いますけれども、要するに、モントリオール万国博、日本の万国博、同じように開催まで二年という時点をとって見てみましても、イスラエル、イラン、セイロン、インドなどについて、すでにモントリオールのほうはその時点において参加を決定しておったわけですね。日本の場合は、フィリピン、クウェート、香港、トルコなどが、モントリオールと違って参加を決定しているということなんです。端的にお尋ねいたしますけれども、アジアの万博なんですが、アジアの国は一体どの程度——これだけ参加をしなければアジアの万博とは言えないというふうな一つの最低線というものがあると思うのです。副会長のおっしゃるように、アジアの国としてはこれだけはどうしても参加させたいという一つの線というものがあると思うのです。アジアの万博として、アジアの国ではどの程度のものが参加をしていただけるかという見通しをお持ちでしょうか。  と同時に、いま一点お尋ねをしておきます。外国参加の問題で、こういうふうに、モントリオールと比べてみまして参加の国の数が、たとえば三月末でモントリオールについては三十八、日本の場合は三十というようなことで、モントリオールよりおくれているわけですね。そういうことは一体現在までの外国参加を求める交渉の中で、どんな点において欠陥があったか、どの点を反省をするか、これをひとつこの機会にお答えをいただきたい。
  77. 菅野義丸

    菅野参考人 私ども外国に参りまして参加を招請する場合、非常に意外に思いますことは、われわれアジアで初めて、日本で初めてということは非常に誇らかに言うのでございまして、またアジア、アフリカの諸国等におきましては、それを非常に高く買っていただいておるのでございますが、たとえば南米であるとかあるいは中米、あるいはまたヨーロッパというふうなところに参りますと、アジアという国は非常に遠いところで、よく様子がわからないという点で、理解が非常に薄いのでございます。その点からしてまずいろいろな誤解も生ずるのでございまして、われわれはまずアジアで初めての万博がどういうものであるかということについて、相当努力をして理解をしていただくようにしている次第でございますが、なかなかそう端的に、たとえばモントリオールでもって開くときのように、簡単にはわからないというのは、ことばの違いもございましょうし、また日本という国が残念ながらまだ世界各国に十分に理解されているというような状態ではないわけでございます。  そこで、ただいま御指摘になりました日本経済新聞の万博教室で申し上げましたのは、実は昨年の一月でございますが、これはもとから七十カ国の参加ということは非常に強く要望しておるのでございますけれどもモントリオールの例で見ますと、非常に多くの国が途中で脱落しておるのでございます。たしか十七カ国ぐらいキャンセルしております。これはモントリオールの特殊な事情もあったようでございますけれども、とにかく、われわれとしては七十カ国を確保するためには九十カ国くらいのところを目標にしなければならぬというような意味でもって、そういうことを申し上げたことも記憶しております。しかし、実際九十なんという数が実現できるとは思っておりません。われわれとしてはあくまで七十カ国を確保しようとして努力しておるような次第でございます。  また、お尋ねのアジアにつきましては、何とかしてこれはもう全部入っていただきたいと思いまして、非常に力を入れておるのでございますが、東南アジアにおきましては、すでにだんだんとこの独立館の参加が始まってまいりましたけれども、先ほども中村委員からお話がございましたように、どうしてもこれは共同館というような形式でもって、発展途上国のなるべくたくさんの参加をお願いしたい。それから中近東におきましては、アラブリーグというリーグを中心としまして、十四カ国ございますけれども、これを十カ国ぐらいはぜひアラブリーグ館に入っていただきたい。またアフリカにつきましても、三十数カ国ございますが、そのうち十数カ国はぜひ入っていただきたいというふうに考えておりまして、そういうようなものを足しますと、七十カ国はだいじょうぶであるというふうに考えておる次第でございます。  非常におくれておるという理由につきましては、これは先般もお話がございましたように、何ぶんにもモントリオール万国博からわずか三年でございます。しかも、開催のときから開催のときまでが三年でございまして、実質は二年半しか準備の期間がないのでございますが、各国は相当財政負担になりますので、その衝に当たっておる方々は、非常にやきもきしておるのでございますが、まあ時期はまだ早いから正式の決定もしないのだ、また決定をするような働きかけをしないのだというようなことを言って、われわれには話してくれるのでございますが、私どもは感じといたしましては、アジアで初めて、日本で初めての万国博には、非常に関心といいますか、来たいという気持ち、参加したいという気持ちが強くて、ただいろいろな各国の事情から、それがてきぱきといけないというような事情にあるのじゃないかと思っております。モントリオールの場合は、非常に早くどんどんときまったのですが、しかし、そのかわりに、途中で落ちたのが十七カ国あるというような状態でございまして、日本は正式な外交ルートを通じた公式のアナウンスでなければ、これは参加とみなさないというようなことにいたしまして、非常に確実に数を増していきたいと考えておる次第でございます。
  78. 中谷鉄也

    ○中谷委員 なるほど副会長のそういうふうなお話もございますけれども、落ちた国を引いても、三月末ではモントリオールに八カ国及んでいないわけです。これはどうしても、やはりおそいということは、認めざるを得ないと私は思うのです。  そこで、次に、発展途上国、特にアジア、アフリカの発展途上国の参加というのは、共同館を設けるという。これは一つの基本だと思うのですが、同時に展示等について、ひとつ日本政府としてお手伝いをする、また、展示の方法、内容について、これらの発展途上国が安心して、また胸を張って、誇りを持って参加できるようなことの説明をする、こういうことでなければ、片一方でとにかく原子力の一番進んだ平和利用についての展示をしているというふうな中では、発展途上国としても戸惑うものがあるだろうと思うのです。そういうふうな点についての具体的な構想、具体的な相手国に対する説明、これはどういうように進んでおりますか。
  79. 菅野義丸

    菅野参考人 お話しのとおり、発展途上国が一番心配するのは、出展に対する経費、これを一番心配するのでございますが、かりにそれが解決しても、一体何を展示するのだ、また、どういう方法で展示するのだということは、一様に聞かれる点でございます。そこで、私どものほうでは、今後そういうような国にはリエゾンオフィサーと申しておりまして、紹介役と申しておりますが、その紹介役がその国々を数カ国受け持ちまして、そうしてすべてそういう点についての相談を受ける、いわゆるコンサルティング・リエゾンオフィサーというような形で、何でも相談を受けるというような制度を開いて、これを実際に実行しております。そのためにいろいろ具体的な展示方法等について相談に来たところもございます。私どものほうで処理できるものはいたしますし、またそれを専門家の意見を聞いてもらうこともございますが、そういったように何でも相談を受けてやろう、こういうつもりでおります。
  80. 中谷鉄也

    ○中谷委員 入場料の問題なんですが、大阪と東京で、たしか二カ所で入場料の問題についての公聴会をお開きになりましたですね。この公聴会の性格は一体どういうものなのか。聞くところによると、公聴会をこっそり開いてというふうなことについての批判も報道されておりました。要するに、どういうふうな人選をされたのでしょうか。これがまず第一。  そうして公聴会の意見は、現行と申しますか、現在の内定と申しますか、あるいは世間に伝えられているというふうに申しますか、おとな六百円、青年が四百五十円、子供が三百円という、その案でなければという人もおったけれども、同時に千円でもいいじゃないかという人もかなりいたというようなことがある。一体そういうような公聴会の意見というもので料金というのがきまるのか。それとも一体万博協会は料金をきめる基準は何なのか。運営費が足りないから料金を上げるということなのか。その料金というのは一体どういうことで、どんなファクターの中できめていくのか。これはひとつ副会長さんにお答えいただきたいと思います。
  81. 菅野義丸

    菅野参考人 公聴会を開きましていろいろな各方面の御意見を伺うというのは、あくまでもこれは事務的の案をつくる参考にするのでございまして、最後は役員会等できめるわけでございます。そこで、こっそり開いたという御批判がございましたけれども、最近におきましては、全部報道関係の人も入れまして、公開の席上で御意見を伺っておるような次第でございます。  それで入場料をきめるのはどういう基準できめるのかというお尋ねでございますが、これは第一に考えなければならぬことは、万国博というものの普通の定価といいますか、入場料の基準というものがあるべきではなかろうかということで、過去の万国博状況等を調べますと、御承知のとおりニューヨークのワールドフェアは初め二ドルだったのが二ドル半になった、またカナダのモントリオールのやつはカナダドルでもって二ドル半、大体八百円、九百円くらいのところでございます。そうすると日本の万国博におきましても、その程度のものをとっても、まあ万国博の普通の値段というものとはあまり違いがないような気がするので、標準はそういうところにまず置いております。それから、しかしそれだけではきまりませんので、国民所得の状況とか、あるいは物価の状況とかいうことも考えまして、しかも昭和四十五年度を基準にして考えたい、こういうふうに考えております。そういう場合に、それと一緒に考えなければならぬことは運営費の問題でございまして、運営費の大部分というものは入場料金でまかなうのでございますから、これが一体どういうふうにきまるか。これはたくさんあればあるほど楽かもしれませんけれども、そうはいかない。先ほど来お話がありましたように、弾力性を持って切り詰めて、この程度はいい、そうするとどの程度の人数が入るということを想定すれば一人当たりのものはこれくらいになるというようなことから計算してまいるのでございまして、そういったいろいろな要素について考える次第でございまして、決して公聴会の御意見をそのままということは、これは実際的にもできませんし、そんなつもりはないわけでございます。
  82. 中谷鉄也

    ○中谷委員 入場者の数が一応三千万人と推定されている。この推定は、一応内定されていたとされている入場料金六百円ということとの関係で、私はこういうふうな基準が出てきたのだと思っている。そうすると、かりに入場料金千円ということになってきた場合に、入場者の数は一体どういうことになりますか。影響ありませんか。同時に三千万人という入場者と言われているけれども、有料入場者は一体幾らというふうに想定しておりますか。
  83. 菅野義丸

    菅野参考人 私どものほうで野村総合研究所その他に委託いたしまして調査をした場合の結果が、約三千万人というのが平均の数でございますが、これはあくまで有料の数でございます。無料入場者のことは全然別問題でございます。そこで先般、先ほどお答え申しましたとおり二百三億の場合に、その算定の基礎として六百円というのも一応きめたことがございますが、そのときは三千万人が全部有料の入場者として、基本料金の六百円できめたわけでございます。今回もこれはどうなるかわかりませんけれども、私ども考えでは、この三千万人というものを動かして操作しようというような気持ちは全然ございません。やはりこれは三千万人として、そして基本料金を幾らというふうにきめたいと、かように考えておる次第でございます。
  84. 中谷鉄也

    ○中谷委員 質問はそうじゃないのです。要するに、国民的な支持の中に万博が成功しなければならないということを、もう一貫して私は主張しているわけですね。かりに極端なことを言えば、入場料一万円にしてみなさい。人は入ってきやせぬですよ。だから入場料が千円というふうなことになった場合には、一体勤労青年はどうなりますか。入場者が減ってくるおそれがありませんかということを聞いているわけなんです。まして入場料が上がるだけじゃなしに、遊戯場施設のものもほとんどとにかく有料になってくるというようなことが伝えられている。逆に言いますと、子供をかかえている多くの国民は、あの万博の会場に入ってしまえばずいぶんお金が要るぞというふうな心配をしているわけなんです。特に近畿には有名な遊園地がございますね。奈良のドリームランドとか、あそこに子供を連れて入ったら親は泣くと言っているのです。それと同じようなことにならないかということを心配しているのです。だから入場料を上げるということが観客動員に響いてきませんかということを聞いているのです。
  85. 橋本徳男

    橋本説明員 先生のおっしゃいますことは、確かに一理あると思うのでございます。全く経済的にもそうでございます。しかしここで考えなくちゃならない問題は、確かにいつの時点でも三千万人ということではなしに、野村研究所の調査をもとにいたしますれば、一応二千七百万ないし三千八百万ということで、それをやや低目な形において一つは把握しておったという問題があるわけでございます。それからもちろんその料金の変更に伴う需要の変化というものは当然起きるわけでございます。しかしそういう需要の変化は、またここで再び経費をどうするかというその組み合わせによって、当初の考え方と今回の考え方とで操作をすることによって、限界需要を何とか吸収し得る経費の構成をすれば、三千万は変更しないでも可能ではないか。たとえて言いますれば、どうせ三千万人と言いましても、日本全国三人に一人来るわけじゃなくて、大阪周辺の人が何回か足を運ぶというふうな形になるわけでございます。したがいまして、そういった人たちが、かりに料金改定になりましても、改定前程度のメリットのあるような経費をいろいろ組み合わせることによって、最低需要の減をもう一度すくい上げるというふうなことが論理的に可能ではないかというふうにも考えております。  それから料金の立て方の基本的な考え方といたしましては、一つはやはり原価主義という問題と市場主義という問題とがあると思うのでございます。しかし市場主義というものをここで端的に出すことは、きわめてこういう場合困難でございます。したがいまして、あくまでもやはり原価主義の体制によらざるを得ない。しかしこういった非常に短期に償却する施設をまるまるぶっかけたのではたいへんということで、建設費等については国の補助金が出ておるわけでございます。したがいまして、あと大衆的なものの性格を持ったものを料金というコスト計算をやってみて、これが市場性からあまり遊離するかしないかというふうなところで、おそらく公聴会等の意見も参考にされるんではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
  86. 中谷鉄也

    ○中谷委員 あと 二問だけで終わりますから……。いま参事官の御答弁の中に、三千万といったって主として近畿の六府県の人たちが観客動員の主要部分を占めるだろう、こういうふうなお話の趣旨になったと思うのです。それだけはあとで御訂正いただきたいと思います。  そこで一つお尋ねいたしたいと思うんですけれども、大阪府は、総入場者の地域別構成というものを見てみますと、一九八・九%、確実に大阪府の人口の二倍、一人が二回行くことになっておりますね。奈良県が同じく一〇三・七%、県民必ず一回行くことになっている。京都府は同じく一〇六・六%、滋賀県も同じく一〇〇%にわずか〇・八%切れるだけなんです。ところが和歌山県の場合、五九・七%で六〇%を割ってしまっている。これは一体どういうことなのか。近畿の六府県の一つとしての和歌山県にこんなに入場者が少ないということは、和歌山県の持っている非常な不利な条件というのがあるに違いない。これをひとつお答えをいただきたい。  同時に、この機会にひとつ建設省の方にお答えをいただきたいと思うけれども、和歌山の児童のみならず滋賀あるいは奈良等の児童の中には、ことにまた子供を持った父親や母親の中には、万博はいいけれども、とにかくあんなに自動車が混んでは、道が混んでは、子供を疲れさせるために行くようなものだというふうな不安と苦情もあることは事実なんです。そういうような点で、いわゆる万博関連事業としての近畿自動車高速道路、和歌山から海南へ行く道、こういうような問題については早急に工事を私は急いでもらわなければならぬと思うのです。現在工事のネックになっているものは一体何か、これらのネックについて地元にどのように協力を求めるか。そうして聞くところによると、四十六年にしか完成しないなどというふうな、きわめて地元にとっては、残念な情報もあるけれども万博というのは開催の年が勝負の年だといわれている。四十五年に完成しなければ、万博そのものの成功にも支障を来たすのでけないか、これらの問題についてひとつ建設省からお答えをいただきたい。
  87. 橋本徳男

    橋本説明員 先ほどの答弁でちょっと手落ちがございましたので、訂正させていただきたいと思いますが、三千万といいますのは、要するに日本全国からいろいろな観客が来るであろうと思うのでございますが、しかし周辺の府県は一回ではなく二回あるいは三回というようなのを積み重ねた上で、三千万になるというふうなことでございますので、何も周辺府県を観客動員の中心にしておるということではございません。それからもう一つは、府県によって、いま和歌山県と奈良県それ以外の県との問題がございますが、これはあくまでも野村研究所のほうにおきまして、一応その距離と所得、こういったものがたとえばいまのいろいろな遊園地等に行く理論値を求めまして、それの相関関係におきまして想定した数字でございます。したがいまして、これは具体的にそうなるとか、それによって左右されるとかいう種類のものではなく、一応従来の遊園地関係への距離並びに所得あるいはその交通の状況等の相関関係の理論数値でございますので、そういう意味におきまして御理解いただきたいと思うのでございます。
  88. 菅野義丸

    菅野参考人 ただいまの地域別の観客予想は、おそらく「施設参加のご案内」に載せた図表だろうと思いますが、これは野村総合研究所からの調査をもとにして協会のほうでつくったものでございます。  そこで、その野村の調査はどうしてつくったかといいますと、十八歳以上の日本人を中心としまして五千人を抽出いたしまして、万博参加の意向を直接インタビューで調査して、しかも旅行動態の調査を確かめまして客観的にまとめたものでございます。近畿におきましては四十五年の推定人口が千七百四十二万人でございますが、そのうち九百十二万人、約五二%の人々が見に来る。そして平均の回数は二.七五回入場するものとして、延べ入場者が二千五百十四万人というような推定をいたしております。  地域的に見ますと、大阪府では四十五年の人口の約六五%の人が参加しまして平均三・六回である、兵庫県では四十五年の人口の四八%の人が参加して、平均二・四四回である、和歌山県におきましては四十五年の人口の約二七%の人が参加しまして、平均二・一九回であるというふうに推定されておるのでございます。この二七%というのがほかの県に比べて非常に少ないようでございますが、これはやはりアンケートあるいはインタビューの調査の結果こういうような数字が出てまいりましたので、これはあくまで理論的な数字でございまして、必ずしもこれが真実を語るかどうかは、実際に開いてみないとわからないのでございます。
  89. 栗田武英

    ○栗田説明員 お答えいたします。和歌山地方の交通問題としましては幹線国道二十六号線がございますが、非常に込んでおります。そこで建設省といたしましては、昭和三十八年から二十六号線の二次改築に着手いたしまして、極力工事を進めておるわけでありますが、これは堺市から大阪府の泉南町まででございます。そこで泉南町から和歌山市までの間は高速自動車国道として建設するという方針をきめまして、この四月一日付をもちまして、道路公団に有料事業として着手するように施工命令を出して、公団は目下その実施設計を急いでおる段階でございます。工事を進めるにあたってのネックは何かという御指摘でございますが、これは端的に申し上げまして用地問題でございます。国道二十六号のバイパス建設のほうも用地さえ片づきますれば、この万博に間に合わせるように極力工事は急ぎたい。この建設も全断面一斉に完成ということでは工期から見ましても、建設資金の面から見ましても、なかなか問題がございますので、半断面でもつくって間に合うように努力したい、こういうことで工事計画しております。  高速自動車国道のほうは、これから実施計画及び路線決定を急がねばなりませんので、その線形がきまりましてから用地買収にかかる段取りになりますが、これについては極力地元の協力、特に県及び関係市町村の用地買収に対する協力を期待しておるわけであります。和歌山県等から、用地の委託を受けてもこの工事を促進したいという御意見も出ておりますので、県の格段の御協力をお願いしながらできるだけ工事を急ぎたいということで、工事準備に万全を期しております。一番の問題点はやはり用地でございますので、工事進捗いかんは用地取得のいかんにかかっておるといって差しつかえないと思っております。
  90. 中谷鉄也

    ○中谷委員 万博公害というようなことばが最近はやってまいりまして、物価と公害の問題について質問の準備をいたしましたけれども、時間の都合でこれは省略をいたしますから、たいへん待っていただいて恐縮ですが、経企庁の方に対する質問が結局いたしかねますので、ひとつ御了承いただきたいと思います。  そこで最後にまとめて質問をいたしておきます。  ホテル、宿舎の問題です。すでに私のほうで資料を持っておりますけれどもお答えをいただきたいと思いますが、現在どれだけのホテル、旅館があって、どれだけが不足しておって、そして近畿六府県のいわゆる七十キロ圏といわれている、万博の会場に入っていくために宿泊を予想されているホテルの割り当てはどういうことになっているのか。七十キロ圏内という中で、たとえば奈良県はどれだけ今後増設を期待されるのか、和歌山県は一体どうなのか、この問題が一点。  それからいま一つ、それに関連をしてですけれども万国博が修学旅行に非常に不人気だというふうな記事が出ております。これは結局宿舎難をもうすでに非常におそれているわけです。たとえば東京のほうの公立中学校修学旅行運営委員会が四十五年の修学旅行予定を調べてみたところ、ほとんどの学校が関西方面に旅行するのに、万国博を見学するというのは関西行きのたった四割だという記事が出ております。もうすでにいまから宿泊難ということでおそれをなしている。こういうふうな問題について、万博協会としてはどうお考えになるか。なお民泊ということもこの際利用されねばならないと思うけれども、民泊についての考え方はどうか。もし具体的な構想があるならば、奈良、和歌山、滋賀等に民泊の割り当てがくるのかどうか、それは一体どの程度の数なのか、これらについてお答えをいただきたい。  なお、万国博の用地の使用料の問題について、われわれから見ましてあまり愉快でない問題が大阪府との間に起こっておりますね。この問題について話がつきましたですか。つけば非常にけっこうだと思うのです。要するに大阪府と協会が、この万国博の敷地の使用料をめぐって、大阪府はとにかく使用料をもらいたいというし、万博協会は公共的なものだし国家的な事業だから払う必要はないという問題、これはしかしすでに本日常任理事会を開いておられるようですが、片づいたら非常にけっこうです。心配しておりますので、お答えをいただきたいと思います。
  91. 橋本徳男

    橋本説明員 まず第一に宿泊施設の問題でございます。宿泊施設としまして一時間圏内における供給能力としましては九万五千人分ございます。しかし、この九万五千人分が全部この万博の際に活用できるかということになると非常に問題がございます。したがいまして、この点につきましては、各省間及び地元と相談をいたしまして、特に地元市町村におきまして、通常の場合一般客を泊めないところもどの程度までそれを万博の際にうまく活用できるかということを十分詰めてほしいということで現在協力を求めると同時に、環境的にも可能であるかという最終的な数字を取りまとめてもらっておる最中でございまして、その点からいきますと、九万五千人分というのは若干下がってくるかと思っております。  それから、それに対します需要でございますが、百八十三日を平均いたしますれば、一日に十数万人でございまして、野村等の調査によりましても、大体九万人程度の宿泊ということがいわれておりますが、問題はピーク時だと思うのでございます。それで問題のピーク時の四十二万人のうちで、単純計算いたしますれば二十万人も宿泊するという形になると思うのです。しかしそのピークのときの姿というものを想定いたしますれば、ピークのときにはむしろ会場周辺からの入場率が非常に高いのではないかというふうなことを考えますれば、それほど大きくはならないであろう。しかしいずれにいたしましても、こういった問題は推定の数字でございまして、具体的にどれだけのものが絶対ピークのときに必要かという数字はきわめて困難でございます。したがいまして、現在におきましては、むしろその能力の確保というところに主力を置きまして、御承知のように開銀、中小企業金融公庫というところで七十億の令を投じましてホテルをつくるということで現存やっておりますし、さらには地元の大阪府市といたしましても三億の金を商工中金にそれぞれ預託いたしまして、自己資金と合わせまして旅館の改造に融資をつけております。それからまたさらには、環境衛生関係の金融公庫のほうから、地元の要請によりまして、これは額はいまのところきまりませんが、宿泊融資というふうなことが可能であるということで、現在それの手当をやっておるような次第でございます。  それ以外に民泊等につきましては、現在地元市町村におきまして神社、仏閣、そういうようなやや公的なところに対しまして、どの程度の供給能力があるか、またそれに伴う諸条件並びに融資等の問題、こういった諸般の状況を調査してもらいまして、できるだけこういったものを早急にまとめてその手当をやっていきたいというふうなことで考えておる次第でございます。
  92. 菅野義丸

    菅野参考人 先ほどお尋ねがございました大阪府との敷地使用料の問題でございますが、結論から申しますと、まだ話がついておりません。目下協議中でございますが、私どものほうでは、これは公共的なものであるから何とか免除してもらいたいということを強硬にお願いしておりますが、大阪府のほうでは展示地域は別としても、パーキングプレースだとかあるいは売店のようなところは敷地料を取りたい、こういうようなことでございまして、いままだ協議を続けておるところでございます。
  93. 中谷鉄也

    ○中谷委員 それではこの程度できょうは質問を終わります。  若干質問が残りましたので、一応留保しておきたいと思います。
  94. 小峯柳多

    小峯委員長 本日の質疑はこの程度にとどめます。  参考人には、御多用のところ長時間にわたり御出席をいただきまして、ありがとうございました。  次回は、来たる二十三日火曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時四十四分散会