○
中村(重)
委員 率直な答弁です。私は、人間としても政治家としても、
藤井政務次官を信頼をしておるわけです。だからいまのあなたの答弁はほんとうに心の底からにじみ出た答弁だというように受け取る。確かにおっしゃるように、あなたが最大限に
努力をしても壁は厚いと思う。しかしやらなければならない。
モントリオールの報告にありますように、各国間の理解と親善を深める。政経分離であるとかいろいろなごまかしの
ことばをもって、中国との
関係をいつまでもいまのような、いわゆる敵視の
状態に置いておくということは許されない。これはアメリカと中国が日本の頭越しに手を握るという日も、いまのような日本のていたらくでは私は時間の問題だと思う。こういうときにこそいわゆる理解を深める場として
万博を利用しなければならぬ。私はこう
考える。だから最大限の
努力をあなたがされるならば、与党の諸公といえ
どもあなたの
努力に好感を持って協力される
方々が多いということを私は期待をいたしております。この問題に対しましては、時間の
関係もありますからこの程度にとどめて、ひとつあなたを信頼して先に進ましていただきたいと思う。
いわゆる
モントリオールの
万博に学んだものは何か。たとえば
入場者が非常に多かったアメリカ館であるとかあるいはソ連館であるとか、あるいはチェコ館であるとか地元カナダ館、しかもアメリカ館とソ連館は川を隔てて対峙という
ことばは適当な
ことばじゃございませんが、非常な特徴があった。アメリカ館は宇宙ロケット、ソ連館の場合はソ連の産業の規模というようなものを大写しに写し出すといったような、非常に雄大な形であった。しかしそのいずれも、対照的であったが、
入場者が非常に多かった。何か強い特徴がいわゆる
万博のあり方という点についてにじみ出ておったような感じが私はするわけであります。それに比較いたしまして日本館は非常に評判が悪かった。私は見本市か産業博覧会のような感覚で臨んだのではないかという感じがしてならない。ですけれ
ども、それらの具体的な問題に対しましていろいろと
お尋ねをしてまいりますと、時間が幾らあっても足りませんし、同僚中谷
委員も質問をすることになっておりますから、それははしょりまして、具体的な問題についてひとつ
お尋ねをしてまいりたいと思います。
国民的な合意という問題に対しましてもいろいろ
お尋ねをしてみたいのですが、御
承知のとおりに
モントリオールの場合におきましては、カナダ百年祭の記念行事というものが行なわれた、その中の一つとして
モントリオールの
万国博覧会というものが開催をされたということになっているわけです。ですからこれは完全に国民の間に消化され、国民がこれに合意した、そうして国民的な
参加というものが行なわれたところに私はあの成功というものをもたらした原因があるだろうと思う。日本の場合におきましては、そういうような
モントリオールにあったような、成功をもたらしたような国民的な合意を求めることが
考えられていない。同僚
委員の質問に対して明治百年祭ということを
お答えになりましたが、何か苦しまぎれの答弁であったような印象を私は受けたわけです。いままで海外に対し、国内に対し、明治百年祭とこの
万国博覧会とどう結びつけたPRがなされてきたのか、またいかなる
計画がなされてきたのかということを
お尋ねしてみますとどういう答弁があるかわかりませんが、いずれにしても、いまのような取り組みでありましたならば、皆さん方の
努力にもかかわらず成功しないのではないか、もう少し国民的な合意を求めるための対策というものが
考えられなければならないのではないか。オリンピックのときを
国会で見ますと、オリンピックの際はたしか組織
委員会というものをつくったように記憶をいたしております。これには与党も野党も
参加して、まさしく
国会は全員
参加、そのことは国民全員
参加という形においてオリンピックは開催されたと思う。ところが、六カ月間の期間を要するこの
万国博覧会、
世紀の祭典である、アジアにおいて初めて開催され、大きく期待され注目される日本の
万国博覧会において、オリンピックほどの取り組みもしていないというようなこのあり方ということに対して、どのようにお
考えになっていらっしゃるか。冒頭に
藤井政務次官は、私がいま申し上げることと同じような気持ちの上に立った御発言が実はあったわけです。ところがそういう
考え方であるにもかかわらず、残念ながら現在はそういう方向に進んでいない。だからオリンピックにおけるところの与野党ともに
参加をいたしました組織
委員会というものは成功でなかった、そういうものは必要がないのだというような
考え方を持っていらっしゃるのかどうか。それらの点に対して国民の合意を求めるための具体的な対策、ただいま私が申し上げましたような組織
委員会のようなものの必要性、それらの点について
お答えを願いたいと思います。
まず基本的な問題でございますから
政務次官から
お答えを願いまして、それから
橋本参事官から
お答えを願いたいと思う。