○多賀谷
委員 製錬会社の大手の多い
日本の
金属鉱業において、私は、そのことは、要するに
鉱山プロパーをやっている
企業に対しては非常に不親切な答弁だと思う。それは製錬でもうければいいという気持ちもある。同じ
鉱山株式会社でも、製錬をやっているわけですから、安い鉱石を買ってくればいい。そうすると、結局、
国内の
鉱山がしわ寄せを受けるということは当然でしょう。ましてや、
開発をする、償却もしなければならぬ、しかも
外国の
関係がある。そうすると、
外国で
開発したものはコンスタントに入れなければならぬ。
国内がむしろ調整用になる可能性だってある。ですから、いま産
業界がいいのだから、いまからよく情勢を見て
検討するなんてことを言わないで、せっかくある法律をなくするのだから、その機会に、将来予想されるものを入れておくべきではないか、こういうように
考えるのです。ですから、どういうことがあるかわからない。しかも、あなたが言われましたベトナム戦争とか、ローデシアの問題とか、チリ問題とかについて、いわばみんな非常に偶発的というような問題がありますけれ
ども、そんなに一度に重なってくるなんてことは今後はあまりないです。また、あったらたいへんだ。そういうものが重なって値段を上げているのに、そういうものは一応恒久的に続くようなものの
考え方をすることに非常に問題があると私は思う。ですから、一時の大きな不況でも、それに耐え切れない
鉱山——製錬会社は耐え切れると思うのです。ましてや、百万トンの消費に対して十五、六万トンぐらいしか
国内鉱石はないのですから、他は
輸入鉱や
輸入地金に待つわけですから、それば耐え得ますよ。しかし、
鉱山プロパーをやっているところは耐え得ない。こういうところがきわめて問題じゃないかと思うのですよ。ですから、私が先ほどから申しましたように、
政策は、好景気のときに不況のことを
想定して手を打つべきだ。ですから、これはいまが絶好のチャンスじゃないですか。
金属鉱業安定法を出すならば絶対のチャンスだと私は思う。いまの時期に話がつかぬようでは、利害
関係が対立する、だんだん不況になるというようになったら、とても話がつきませんよ。いま
供給不足だから、
需要業界でも、銅を節約してアルミの電線をつくろうかなんて言っているわけでしょう。
〔島村
委員長代理退席、
委員長着席〕
これが銅が安く買えるなんていったら、そのときはもう
政府が幾らやったってどうにもならない
事態にきている。御存じのように、鉄鋼の
状態を見てごらんなさい。役所が言っても、
日本の政界を動かすくらいの財界がものを言うのですから、どうにもならないでしょう。あなたも経験があるように、石油業法というような、何かよくわからないような法律でも、法律があるから、あなたのほうは現実に
需給調整をやったでしょう。だから、野放しで、鉱業審議会があるからということでできるわけはないですよ。ですから、これは絶対に必要だと私は思う。大臣がおられぬけれ
ども、ひとつ政務次官から御答弁願いたい。これは、いまから
検討するという問題じゃない。頭の中で
想定をすればいい事実、そういう事実をわれわれは苦い経験を得ているわけです。ですから、これは、その法律によって好況のときに使えというわけじゃないのでしょう。不況になったら使えばいいわけですからね。あるいは
需給が逼迫したときに、特別の場合に使い、発動すればいいのですから。しかも、これは国際物資である、変動が非常に激しいということはだれでも知っているわけでしょう。ですから、それに対してどういうお
考えであるか。もしその法律を発動する必要がなけれぱ、これは幸いですよ。これはひとつ御答弁願いたい。