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1968-04-03 第58回国会 衆議院 商工委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年四月三日(水曜日)    午前十時三十六分開議  出席委員    委員長 小峯 柳多君    理事 天野 公義君 理事 島村 一郎君    理事 中川 俊思君 理事 堀  昌雄君    理事 玉置 一徳君       内田 常雄君    遠藤 三郎君       小笠 公韶君    大橋 武夫君       岡本  茂君    海部 俊樹君       神田  博君   小宮山重四郎君       坂本三十次君    櫻内 義雄君       塩谷 一夫君    田中 榮一君       橋口  隆君    岡田 利春君       久保田鶴松君    佐野  進君       多賀谷真稔君    楯 兼次郎君       千葉 佳男君    中谷 鉄也君       永井勝次郎君    古川 喜一君       三宅 正一君    近江巳記夫君       岡本 富夫君  出席政府委員         通商産業政務次         官       藤井 勝志君         通商産業省鉱山         局長      両角 良彦君  委員外出席者         参  考  人         (日本鉱業協会         理事)     河上健次郎君         参  考  人         (中小鉱業対策         推進本部本部         長)      吉見 泰二君         参  考  人         (全日本金属鉱         山労働組合連合         会副執行委員         長)      鷲谷政之助君         参  考  人         (全国金属資源         産業労働組合連         合会中央執行委         員長)     遠藤  亨君         参  考  人         (金属鉱物探鉱         促進事業団理事         長)      加賀山 一君         参  考  人         (石油開発公団         副総裁)    島田 喜仁君         参  考  人         (海外鉱物資源         開発株式会社社         長)      山田 義勇君         専  門  員 椎野 幸雄君     ――――――――――――― 四月一日  化粧品再販契約制度に関する請願大久保武  雄君紹介)(第三二六四号)  同(八田貞義紹介)(第三二六五号)  同(古屋亨紹介)(第三二六六号)  同(秋田大助紹介)(第三三二九号)  同(上村千一郎紹介)(第三三三〇号)  同(辻寛一紹介)(第三三三一号)  同(神田博紹介)(第三三六四号)  同(田中榮一紹介)(第三三六五号)  同(中川俊思君紹介)(第三三六六号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 四月三日  昭和四十三年度韓国のり輸入に関する請願(中  垣國男紹介)(第一八一三号) は、委員会の許可を得て取り下げられた。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法  律案内閣提出第四九号)  金属鉱業等安定臨時措置法廃止する法律案(  内閣提出第五〇号)  昭和四十三年度韓国のり輸入に関する請願(中  垣國男紹介)(第一八一三号)の取り下げの  件      ――――◇―――――
  2. 小峯柳多

    小峯委員長 これより会議を開きます。  この際、請願取り下げの件についておはかりいたします。  本委員会に付託されております請願中、去る二月二十七日付託になりました昭和四十三年度韓国のり輸入に関する請願第一八一三号について、本請願紹介議員中垣國男君から取り下げ願いが四月一日付をもって提出されております。  本請願取り下げは、これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小峯柳多

    小峯委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。      ――――◇―――――
  4. 小峯柳多

    小峯委員長 内閣提出金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案並びに金属鉱業等安定臨時措置法廃止する法律案を一括して議題といたします。  本日は、両案審査のため、参考人として、日本鉱業協会理事河上健次郎君、中小鉱業対策推進本部本部長吉見泰二君、全日本金属鉱山労働組合連合会執行委員長鷲谷政之助君、全国金属資源産業労働組合連合会中央執行委員長遠藤亨君、金属鉱物探鉱促進事業団理事長加賀山一君、石油開発公団総裁島田官仁君、海外鉱物資源開発株式会社社長山田義勇君、以上七名の方々に御出席を願っております。  本日の議事は、先ほどの理事会で協議いたしましたとおり、初めに河上参考人吉見参考人鷲谷参考人及び遠藤参考人からそれぞれ十分程度両案に対する御意見を承り、次いで他の参考人の方方とあわせて委員の質疑によりお答えを願うことにいたしますので、あらかじめ各位の御了承をお願い申し上げます。  この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。参考人各位には、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございました。両案についてそれぞれのお立場から忌憚のない御意見を承り、もって本委員会審議参考に資したいと存じます。何とぞよろしくお願い申し上げます。  それでは河上参考人にお願いいたします。河上参考人
  5. 河上健次郎

    河上参考人 河上でございます。御審議にあたりまして業界立場からの参考意見先生方にお聞き取りいただく機会を得まして、非常に光栄に存じます。  今回上程されておりまする金属鉱業等安定法廃止並びに探鉱事業団法の一部改正、これはお互いに関連がある問題でございまして、結論的に申しまして、安定法は五年前、ちょうど貿易自由化対策といたしまして、基本的な法律として制定されたものでございますが、この対策としての基本的な任務を果たして、時限立法としてここで廃止されるということでございます。今後の鉱業政策あり方一つの大きなしぼられた重点といたしましての海外開発に関連いたしまして、その面をしぼりまして、探鉱事業団のほうにこの任務を負わしていこう、こういう一連の考え方――従来の、自由化対策として果たしました安定臨時措置法の役目を顧みまして、業界としては、この廃止並びに探鉱事業団法の一部改正はいずれも時宜を得たものである、こういうふうに考えておる次第でございます。  以下簡略に、ポイントにつきましての意見を申し上げたいと存じます。  ただいま申し上げましたが、貿易自由化に臨みまする当時の鉱業現状下におきましては、銅、鉛、亜鉛等おもな鉱産物は、内外のコストの差が非常に甚大でございまして、早急にその合理化を進める必要があったのであります。この法律の制定によりまして、五カ年の間に、鉱業合理化は、鉱山におきましての生産性の向上、技術的進歩、また製錬所におきましての近代化大型化によりまして、合理化が進捗を見まして、体質が逐次改善されてまいったのであります。一方また、これと並行いたしまして、鉱業をめぐりまする国際環境が非常に変転いたしまして、貿易自由化影響は、この両方の面から、当初予想いたしましたような深刻な影響は回避することができまして、幸いにいたしまして特段の波乱もなく現状に立ち至ったのでございます。かような状況でございまして、安定臨時措置法現時点におきまして予定どおり廃止することが可能な状態になりましたことは、また私ども席鉱業界に置きまする者といたしまして、まことに喜んでおるわけでございます。  次に、事業団法改正に関連いたしまして、一言申し上げてみたいと思いますが、すでに御承知のように、銅、鉛、亜鉛需要はまことに急激なピッチで伸びております。世界的にも伸びておりますが、ことにわが国伸びは異常な伸びでございます。これを確保いたしますることが今後ますます緊急の度合いを加えてまいるわけでございます。こういう観点から、政府におかれましても諸施策推進していただいておりまするし、私ども業界立場からも、これにつきまして格段の努力もいたしております。  なかんずく問題になる点は、海外資源開発必要性であります。国内資源開発はもとより緊急問題の大きな中心点でございます。しかしながら、客観情勢を考えてみまして、ことに今後の需要伸び増大に対処し得る最も大きなポイントは、いかに海外資源確保し、これの開発を進めて有効な原料確保するかという点にございます。こういう点から見まして、今後昭和五十年には、日本の銅を例にとってみますると、現在の需要の約五十万トン近いところが百万トンになる見通しでございます。こういうことになってまいりますと、相当な努力海外資源開発に集中してやっていくことが必要になってまいります。そのような点にかんがみまして、重要な一つ施策といたしまして、海外に対するやり方をこの辺で抜本的に考え直す必要がある、こういう問題でございます。国内につきましては、探鉱事業団の創設以来、やっと根本的な探鉱についての進め方が緒についてまいりました。これはいわゆる三段階方式と申しまして、広域調査なる方法でもって、根本的な基礎調査から始めまして精密調査に及び、最後には企業段階における探鉱、こういういわゆる三段階方式でございますが、海外につきましても、こういったようなオーソドックスな探鉱方法を今後進めていく必要があるということが痛感されるわけであります。かような観点から、そういう任務を集中的な一つ努力の形において盛り上げていく必要があるわけであります。  今回、事業団法改正によりまして、かような面からの機能を探鉱促進事業団業務一つの分野といたしましてこれを担当させる法の趣旨は、まさに業界が当初から要望しておりました海外についてのあり方、この考え方を取り入れていただいておるわけでございまして、この意味におきまして、業界としては全面的にこの法案趣旨について賛同いたしまして、一日も早くこの法律が成立いたしまして、活発なる業務運営が実現いたすことを待望しておるわけでございます。  詳細はまた御質問によりましてお答え申し上げることにいたしまして、私ども考え方の骨子を申し上げたわけであります。御清聴ありがとうございました。
  6. 小峯柳多

    小峯委員長 次に、吉見参考人にお願い申し上げます。
  7. 吉見泰二

    吉見参考人 吉見でございます。金属鉱業等安定臨時措置法立法以来、満五カ年の期限が致来いたしまして、本法が廃止せられる時期にまいりましたことに関しまして、中小鉱業対策推進中央本部長として中小鉱山対策についての所見を申し述べる機会を与えていただきましたことはまことにありがたく感謝を申し上げます。なお、金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案も御審議されますので、中小鉱山対策についてのかねてよりの要望事項と関連いたしまして、あわせて所見を申し述べたいと存ずる次第でございます。  昭和三十八年に安定臨時措置法が施行せられました当時のわが国鉱山業界は、貿易自由化を控えまして、海外鉱山国内鉱山との間の著しい競争力の格差をいかに打開するかという絶対絶命の立場に近い込まれた情勢にありました。それから五年間、業界は操業の各種合理化努力国内外原料資源確保のための努力量産化によるコスト低減努力等を積み重ねてまいった次第でありますが、現在の時点に立って見た場合、今後の問題点としては、金属非金属鉱物の数量的な安定供給価格の問題、国内外資源開発促進問題等が残されておると考えるのでございます。中小鉱山といたしましても、鉱山業界の中にあって、同じような方向合理化努力を続け、同じような問題をかかえているのが現状でございます。  われわれ中小鉱山国内鉱山産出量に占める自給貢献度品穂別に見ますと、水銀鉱クローム鉱アンチモニー鉱ドロマイトけい砂耐火粘土等は九〇%以上、タングステン鉱モリブデン鉱石こう、黒鉛、ろう石砂鉄等は七〇%以上、銅、鉛、亜鉛鉱につきましてもそれぞれ一四%、二〇%、二一%を占めておるのでありまして、中小鉱山による国内地下資源開発重要性は、工業原材料安定供給という使命から見て、今後ますます大きくなるものと考えるものでございます。  また鉱山労働者数の中に占める中小鉱山労働者の比率は、金属鉱業で三一%、非金属鉱業で七二%となっておりまして、双方を合わせますと、ほとんど半数に近い労働者中小鉱山で働いている現状でありまして、経済政策面と同様、社会労働政策面でも非常に重要な地位を占めておるのでございます。  ひるがえって、最近の国内稼行鉱山数の推移を見ますと、金属鉱山については、昭和三十七年末四百七十四鉱山昭和四十一年末に三百三十三鉱山と百四十一鉱山減少非金属鉱山については同年比較で千百七十一鉱山が千八十九鉱山と八十二鉱山減少という状態で激減を見ております。かかる数字は、現在の日本国内鉱山の置かれている地位のいかに困難であるかを示すものでございます。  鉱業審議会答申におきましては、国内外鉱源確保基礎原料安定供給わが国鉱業の進むべき方向として示されておるのでございますが、中小鉱山立場といたしましては、海外鉱源開発はもちろん重要でありますが、供給安定性鉱種によっては価格の低廉、地域経済への寄与等の点から、国内資源開発海外のそれに劣らず今後力を注ぐべき重要な課題であると考えるものでございます。  金属鉱物探鉱促進事業団法改正につきましても、以上のような国内鉱物資源開発推進前提として、その上に海外資源開発を推し進めていくという総合的な見地からいたしまして、まことに適当であると考えるものでございます。  以上に関連して、この際、中小鉱業対策推進本部長として、中小鉱山についてのかねてよりの要望事項を申し述べたいと存じます。  その第一は、新鉱床探査費補助金制度強化拡充でございます。中小鉱山に対する国家助成策の唯一のものともいうべき新鉱床探査費補助金は、探鉱所要経費の三分の一程度しか補助を受けていない実情でありますが、鉱山経営生命線とも申すべき探鉱推進のための実際の経費の二分の一程度補助が受けられるよう御配慮を願いたい次第でございます。また、補助対象探鉱範囲拡大につきましても考慮を払っていただきたいとお願いする次第でございます。中小鉱山としては、この探査費補助金増額が最大の要望事項でありますが、補助単価のアップによって対象探鉱メートルの減少になることのないよう、補助金総額増額配慮されるよう強く要望しておるものでございまして、少なくとも現在の、年間四億三千万円の倍額程度は、中小鉱山維持育成のための必要探鉱量に見合うものとしてお願いをしておる次第でございます。  第二の要望事項は、金属鉱物探鉱促進事業団業務内容中小鉱山への拡大適用であります。事業団事業内容海外開発事業まで拡大されることは心から喜ぶものでございますが、国内においても、金山開発等が取り上げられまして、地質構造調査対象となるような場合におきましては、中小鉱山に対しても事業団門戸開放がはかられることを強く望むものであります。また中小鉱山への事業団融資につきましては、特別に探鉱融資のワクを御検討を願いたいと思うものでございます。  中小鉱山対策として、新鉱床探査費補助金制度強化拡充、すなわち単価引き上げ探鉱範囲拡大補助金総額の倍増と、また金属鉱物探鉱事業団中小鉱業への門戸開放の二点をただいまお願い申し上げたのでございますが、現在の日本国内の大鉱山は、当初は、いずれも中小、いな小鉱山として出発し、長年の歳月を経て今日のごとく大きくなったものでございます。すなわち、ことばをかえて申し上げれば、中小鉱山は将来大鉱山となるべき無限の可能性を有しており、したがって、現時点における国内金属非金属鉱山対策というものは、すべて中小鉱山対策に尽きるものではないかと申しても過言ではないと存ずる次第でございます。中小鉱山現状は、資金、労働力等多くの点からきわめて困難な状態にございますことは、先般申し上げたとおりでございますが、この際、中小鉱山対策に対する特別の御配慮を特にお願い申し上げる次第でございます。  以上をもちまして私の所見要望を終わります。御清聴ありがとうございました。
  8. 小峯柳多

    小峯委員長 ありがとうございました。  次に、鷲谷参考人にお願いいたします。
  9. 鷲谷政之助

    鷲谷参考人 私は、全日本金属鉱山労働組合連合会の副委員長をやっております鷲谷と申します。どうぞよろしくお願いいたします。  ちょうどいまから思い出すと五年前に、貿易自由化の問題で、金属鉱山労使が非常に追い詰められた中で、本日提案されておりますこの二つの法案について、超党派で成立させていただいたことについて、この機会を利用して厚く御礼を申し上げたいと思います。  さて、私は、今回提案されております安定臨時措置法廃止の問題と、探鉱促進事業団法の一部改正の問題について、私ども見解を申し上げたいと思います。  まず第一に、結論的に申し上げますと、探鉱促進事業団法の一部改正については、次の四、五点の要望を入れまして賛成をしたいというふうに思需うわけです。  その第一のわれわれの要望は、銅、鉛、亜鉛など要の増大に対処して、海外進出必要性はある程度どもも理解できますが、それによって国内対策を軽視し、またはすりかえてはならないというふうに強く思うわけです。  第二は、国内鉱山安定的発展自給度を高める努力があってこそ海外進出成功度も高いと思いますので、国内探鉱開発については、従来どおりに重点をかけていただきたいというふうに思うわけです。  第三は、政府並びに経営者において海外鉱山探鉱開発によって原料鉱石確保しようとしておりますけれども開発途上の諸国において経済開発政策を見る場合に、原料鉱石確保することを前提にした海外進出政策には将来大きな矛盾があるというふうに私どもは思いますので、これについては慎重に取り扱っていただきたいというふうに思うわけです。  第四は、探鉱促進事業団においては、ただ単に海外業務の追加にとどまらず、わが国の総合的な地下資源探鉱開発を一手に将来は行ない得るように改組強化するよう強く要望いたしまして、結論的に一部改正については賛成をしたいと思います。  次に、安定臨時措置法の問題については、なるほどこの法律は、五年という時限立法で、もうすでにその期限が来ておりますので、これを廃止するということについての法律手続上の問題については、私どもも納得できるわけですけれども先生方が御承知のとおり、地下資源産業という産業は、自然条件を相手にしましてやる関係上、他の装置工業と違いまして、非常な大きな山に対する愛着と愛情、それから努力、そういうものの積み重ねによって維持されるものだというふうに私どもは思います。そういう立場からいいますと、これは、農業政策と同様に、国民の財産だというような考え方に基づきまして、高度の政治的な判断を基礎にしました政策の立案、確立をする必要があるように思うわけです。  第二は、今日の鉱山の事態に対処するにあたっても、政策の基本は、私ども国内鉱業保護育成の問題をないがしろにしてはだめだ。第二は、需給及び価格の安定の問題を確立する必要があるだろう。第三は、労働者雇用と生活の安定にその基礎を置かなければならないというふうに思うわけです。  私どもは第三点としましては、今日鉱業審議会答申でも明らかなとおり、わが国鉱業はまだまだ発展可能性があります。一例をあげますと、秋田北鹿地帯における黒鉱開発に見られるように、政策のよろしきを得るならば、なお一そう飛躍的に開発見通しがあるというふうに私ども思います。  第四点は、政府安定臨時法廃止を提案しておりますけれども、私どもとしては、これはただ単に事業団法海外進出を追加することによってこれが可能だという見解については、いささか疑問を持っておるものでございます。現に鉱業審議会答申の中にもあるように、第一点は需給価格の安定の問題、第二は雇用確保の問題、第三は中小鉱山対策の問題、第四は鉱種別対策問題等等課題として出されておりますけれども、これらの問題については、何ら今日においても具体的に課題についての方向を出しておらないところでございます。私どもとしましては、むしろ安定臨時措置法発展的に強化拡充するために、鉱業安定法というような、いわゆる前向きの姿勢で取り組むように、強くお願いしたいというふうに思うわけです。  ここで私は、将来日本金属鉱業政策について検討するにあたっての諸問題なり課題を私ども見解として出しておきたいというふうに思うわけです。  その第一は、需給価格の安定の問題ですけれども、これは、銅、鉛、亜鉛など、国際市況の好転によりまして現在比較的順調に推移しておりますけれども鉱床の規模あるいは品位等自然条件においては外国と比べて非常に貧弱なものであります。したがいまして、今日におきましても、基本的に体質日本鉱山としては変わっておりません。加えて、価格の変動も激しく、かつ国際的に需要増大するので、私ども需給価格安売一つの構想としましては、一手買い取り機関というようなものを設置しまして、需給並びに価格安定化具体化をはかる必要があるんじゃないかというふうに思います。  第二は、中小鉱山対策強化の問題ですけれども中小鉱山の占めるウエート、果たしている役割りは、日本の場合は非常に大きいのでございます。従来の政策は、銅、鉛、亜鉛など比較的大手に偏重されておりまして、中小鉱山対策については軽視されてきましたきらいが非常に多かったわけです。私どもは、多くの鉱種を受け持っておる中小鉱山開発に対しては、まだまだ強い保護育成策が必要だというふうに思います。現在の新鉱床探査費制度は十七鉱種だけに限定されております。補助率は五〇%となっておりますけれども、実際は三〇%そこそこになっております。鉱種制限の撤廃の問題、補助単価補助率引き上げの問題、さらには探鉱促進事業団融資の問題、探鉱業務対象にする諸対策等、特にお願いしたいと思います。特にここで私は中小鉱山対策としましては、今後の課題としまして、共同化あるいは協業化の推進、あるいは買鉱条件の適正な改善等、今後の課題として取り上げていただきたいというように思うわけです。  第三は鉱種別対策の問題ですけれども中小鉱山対策とも関連しますが、鉱種日本鉱山として非常に多岐に分かれておりますので、もっともっときめのこまかい対策が必要であるというように思います。当面特に問題になっております金山対策の問題、硫黄鉱山対策の問題、石こう鉱山対策問題等々、緊急に国家的助成策の必要が迫られておる問題について、特に皆さんにお願いしたいというように思うわけです。  最後労働力対策の問題ですけれども鉱業審議会の中でも、雇用対策協議体制確立をしたらどうなのか、こういうような課題を出されておりますけれども産業政策は労働問題を抜きにしては私どもとしては考えられないというように思うわけです。鉱業審議会答申の中にも、労働力維持確保のための産業内労使雇用対策協議体制確立を指摘されております。雇用対策への労働組合参加制度化をこの際確立する必要があるというように思いますので、その点の配慮をお願いしたいと思います。  最後に私がお願いしたいことは、現在あります鉱業審議会民主的運営の問題についてですけれども鉱業審議会審議がより民主的に運営されるために、労働者側代表をも経営側代表と見合うような構成にふやしたらどうなのか。また、需要側労働者代表もこの際構成員の中に入れたらどうなのか。あるいは、鉱業審議会の中における分科会や専門委員会等にも労働者側代表を参加させるべきであるというように思います。なお、審議会や分科会あるいは通産当局の資料、その他の問題についても、できれば労働組合側にも流し、公開していただくよう、この際特にお願いしておきたいというように思います。  以上、私ども見解を申し上げまして、今後の鉱業政策の問題に取り組むにあたりましては、特段の御配慮をお願いしまして、簡単ですけれども終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
  10. 小峯柳多

    小峯委員長 次に、遠藤参考人にお願いいたします。
  11. 遠藤亨

    遠藤参考人 資源労連の遠藤亨であります。  私どもは、三十六年来、貿易の自由化対策に対処して、労働組合といたしましての産業政策に鋭意取り組んでまいったものであります。特に、三十六年来足かけ八年を迎えておりまするけれども、その間におきましては、年二回ないし三回にわたりまして、商工委員の諸先生をはじめ衆参両院の先生方に、具体的にわれわれの金属鉱業政策の要請なり御陳情を申し上げさしていただいたものであります。その一環といたしまして行なってまいりました内容は、国内探鉱の促進であり、さらに中小鉱山の抜本的対策強化であり、金属鉱業という数多くの鉱種別の具体的な対策の要請であります。そうした運動の中から、今日の時点に、諸先生方が御検討しておりまするところの、日本金属鉱業として、海外開発の促進が必要に迫られておるという認識に立たさしていただいておるものであります。このようなことは、労働組合の立場から言わせていただきますと、われわれの手によってわれわれの鉱山をいかにして守っていくか、きびしい環境の中ではあるけれども、将来希望の持てる産業にしなければならないと思っております。すなわち、そのことはわれわれの雇用の安定であり、労働条件の向上であり、われわれの労働組合運動の基本に産業政策運動というものが結びつかなければならないという考え方であります。したがいまして、今回御検討いただいておりまするところのこの二つの法案に対する私の見解は、前三者の参考人の申し上げられましたことと基本的考え方をにいたしますけれども、角度を変えた立場から両法案に対する意見を申し上げてみたいと思います。  最初に、わが国鉱業が将来日本経済においてどのような働きをし、どのような地位を占めるかという点について申し上げたいと思います。  金属鉱業に対する需要は、経済発展に伴って著しく拡大をしておりますが、これに対して、国内鉱山の振興、海外鉱山開発促進によってその低廉安定供給をはかるということは、日本経済の円滑な発展にとってきわめて重要であると思います。特に、資本の自由化、関税の一括引き下げ等、全面的な国際化に直面しておる現段階の日本経済にとって、わが国鉱業による産業基礎資材の低廉安定供給は、次のような点で国民経済的意義を有しておるものだろうと思うわけであります。  その第一点は、国内鉱山の振興、海外鉱山開発によって原材料の低廉安定供給をはかるということは、単に鉱山業の国際競争力強化してその発展を可能ならしめることだけを意味するものではなくて、現在有力な海外鉱山の多くが欧米の国際的大資本の支配下に置かれておりまして、その資源独占を背景にする日本への資本進出の脅威を考えますと、わが国鉱業による原材料の供給確保するということは、鉱山業はもとより、関連需要業界、ひいては日本経済にとって基本的な資本自由化対策としての意義を持っているのではないでしょうかと申し上げたいわけであります。  第二には、わが国は先進諸国とともに発展途上国の経済発展に寄与すべく努力しておりますが、これら発展途上国の主たる産業は農業と鉱業であります。したがって、その貿易構造は、主として一次産品を輸出し、工業製品を輸入するということですが、これらの国におきましては、資本蓄積の不足、技術のおくれ等によりまして、一次産品の開発が思うように進まず、国際収支の壁にぶつかり、その経済発展が必ずしも順調に進んでいないというのが現状であります。そこで、非鉄金属資源が世界的に見てこれらの発展途上国に偏在していることから、日本がこれらの海外鉱山開発を促進するということは、すなわち発展途上国における産業発展を促進し、雇用増大をもたらし、国際収支の改善に寄与するということになりますことは当然であると考えます。したがって、このことは、日本がアジアにおける先進国といたしまして、発展途上国への経済協力を通じて世界平和の維持につとめなければならないという国際的要請に合致するのではないでしょうか。すなわち、世界平和の達成は南北問題の解決にあるという自覚が国際化しまして、開発途上諸国への援助が具体的に進行するのではないかと申し上げたいわけであります。さらに、海外鉱山開発を促進するということは、開発に要する機材並びに技術の進出でありまして、開発関連事業の獲得を可能ならしめ、またこれらを通じてわが国のすぐれた商品なり技術に対する信頼感を醸成する等によって、直接輸出の伸長に寄与するばかりでなく、発展途上国の産業発展、国際収支の改善をもたらすことにより、日本経済との密接な協力関係が樹立をされることだと思います。そういうことが、すなわち発展途上諸国に対する長期にわたっての安定とわが国経済発展に寄与することが大ではないかと思いまして、この金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案については賛意を表したいと思うわけであります。  次に、金属鉱業等安定臨時措置法廃止、この問題につきましては、昭和三十八年の制定当時に比しまして、金属鉱業をめぐる諸情勢が著しい変化を遂げていることにかんがみまして、その廃存につき現在検討が加えられることについては事情やむを得ないものと考えます。ただし、近来今日の時点を考えてみまして、ややもするならば金属鉱業は安泰であると見られがちでありまするけれども、これはベトナム戦を契機とする世界的な需給状態の緊張など、あくまで一時的な異常体制下における状況であったことを私どもは忘れてはならないと思うわけでありまして、今後においてはこうした異常事態は当然に鎮静化することが予想されるでありましょう。かつケネディラウンドによる関税の引き下げあるいは年率五%にも及ぶ現実の物価高から来るコストアップ等を考え合わせるときに、情勢は楽観を許さないと思います。すなわち、そのことは、この法案制定当時よりもむしろきびしくなることも考えられると思うわけであります。これらを考え、制定の趣旨を思い合わせるならば、この法案は一応その歴史的使命を終えたと見ることができ、廃止については一応やむを得ないものと思われまするが、この法案廃止後といえども金属鉱業重要性とその特質を特に御認識いただきたいと思いまして、施策面においては、その立法趣旨を生かしていただきたいと思うわけであります。そのためには、たとえば関税の運用、滞貨買い上げ機関の設定等、需給状況に応じて流動性のある明確な行政措置をぜひおとりくださいまするようにお願いを申し上げまして、この金属鉱業等安定措置法を廃止する法律案に対する見解といたしたいと思うわけであります。  以上、私の御意見を申し上げさせていただきました。ありがとうございました。
  12. 小峯柳多

    小峯委員長 ありがとうございました。  以上で参考人の御意見の御開陳は終わりました。
  13. 小峯柳多

    小峯委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。橋口隆君。
  14. 橋口隆

    ○橋口委員 本日提案されております二つの法案に関連をいたしまして、若干の質問をしたいと思います。  この前の委員会政府側に対して質問をいたしましたので、本日は参考人の皆さま方に御意見を伺いたいと存ずる次第でございます。  初めに、この金属鉱業等安定臨時措置法廃止に関連をいたしまして、日本鉱業協会河上理事にお伺いいたしたいと思います。  この安定臨時措置法は、一応歴史的な役割りを果たしたといわれておるわけでございまして、国際価格の上昇、また国内企業の合理化等によって一応の目的を達したものと見られております。しかしながら、ただいまちょうど全国金属資源労働組合の遠藤委員長からもお話がございましたように、これは一時的な安定であって、恒久的に見ればやはり情勢は楽観を許さないものがある。特に最近の国際価格の高水準は、ベトナム戦争あるいはローデシア問題あるいは海外の有力鉱山のストライキ等、そういう一時的な要因によるものが多いといわれてきたのでございます。したがって、今後どういうふうにこの需給発展をするかということは非常に注視を要する問題であるかと思うのでございますが、この点について河上理事の御見解を承りたいと思います。
  15. 河上健次郎

    河上参考人 ただいま先生から御質問の点につきまして、私ども業界の者といたしましても、これで金属鉱業界への政策的な支援、支持というものが全然必要がないということは毛頭考えておりませんのでございまして、おっしゃるとおり、国際競争力の点につきましては、まだまだ国際競争力が弱いのでございます。かつてのいろいろなブームの影響によりまして体質がかなり整ってまいったことは事実でございまして、その点は非常に幸いでございますけれども海外の諸国の鉱業界の事情と比べてみますと、まだまだ遜色がございます。  そこで、そういう点につきましての考え方でございますが、もういまの時点で日本の非鉄金属、銅、鉛、亜鉛需給の数字を見ますと、世界的に相当なスケールにのぼってきております。オーバーな表現かもしれませんが、日本の大きい業界で、たとえば原料をむちゃな買い方をする、あるいは製品をむちゃな買い方をするということになってまいりますと、これがたちまちメタルの世界相場に影響いたします。鉱石も直ちに世界的なセンセーションを起こしていくというふうな、国際的な立場から非常に鋭い目をもって見られておるというふうな情勢に実は成長してきておる点もございます。一方また、国際的な関税一括引き下げの問題といい、国際商品協定の趨勢といい、すべてが国際的な視野、動きが注目されていく段階になっております。こういう情勢でございますので、どうしても今後のあり方は、国際競争力をつけるという観点からいたしますると、むしろ体質強化のゆえんは、一つの大きな柱としては海外に相当有力な鉱源を見つけて、これを日本のひもつきの関係にしていくという動きをもっと活発にやるということによりまして、また業界としての力をつけていく、こういう動きが必要になってくるというふうなことで、たまたまいまの海外重点の動きにつきまして業界としては積極的な賛同を申し上げておるということを強調したわけでございます。  しかし反面、先ほど遠藤参考人からも言われましたような点につきましての諸問題がございます。これらは安定法廃止になりましても、通産省の設置法に基づきまして鉱業審議会がございます。この鉱業審議会の場で、業界意見も十分に活発に反映させまして、これによりまして、政策の面におきまして今後国のバックアップを要望するような点も多々あると思うのであります。こういうものとタイアップいたしまして、真に日本鉱業界が力をつけていくという方向に持っていく必要は、これは毛頭減殺さるべきものではない、こういうふうに考えておるわけでございます。
  16. 橋口隆

    ○橋口委員 ただいまのお話に関連をいたしまして、これから海外資源開発するという場合に、鉱石、そういうものの一手買い取り機関が必要だということを全日本金属鉱山労働組合の鷲谷委員長からお話がございましたが、この点についてはどういうふうにお考えでございますか。  あとたくさん質問者が控えておりますので、簡単にお答えいただいてけっこうでございます。
  17. 小峯柳多

    小峯委員長 いま質問者からもありましたが、きょうは質問者がたいへんたくさんおるものですから、御答弁は簡潔にひとつお願いいたします。
  18. 河上健次郎

    河上参考人 広い意味での需給安定のための方策はずいぶんたくさんございます。私が根本的に申し上げましたのは、先ほど申し上げましたような趣旨体質強化することが需給安定につながる根本的な問題だ、こういう考え方を持っておるわけでございます。ただ、需給安定の一つ方法として一手買い取りという機関の創設という御意見も、いままで、ずいぶん伺ったことはございます。一手買い取りということにつきまして、業界でもいろいろと検討をしたこともございますが、私ども見解といたしましては、一手買い取りという立場はとらない。そういう方式、そういう形での需給安定ということにつきましては、いろいろ問題があるわけでございまして、そういう方法はとらないという考え方を持っておるわけであります。
  19. 橋口隆

    ○橋口委員 銅、鉛、亜鉛等につきましては、需給あるいは価格は安定したようでございますけれども、まだ鉱業全般には国際競争力は非常に低いのでありまして、特に金とか硫黄、硫化鉱等については、かなり問題が残ると考えております。特に金の問題はきわめて重大ではないかと思いますが、その点につきまして御所見を承りたいと思います。
  20. 河上健次郎

    河上参考人 金の問題につきましては、これはかねがね業界といたしまして、現状ではどうにもならないということで、補助金を要望するということで出発したわけでございますが、だんだんと検討いたしました結果、そういう方法でなく、根本的に金の政策推進してもらうという立場から、ひとつこの際抜本的に金山可能性のある探鉱につきましての思い切った対策を講ずる必要があるという意見を具申いたしまして、諸先生方にもいろいろと御検討をいただいて、お願いを申し上げておるわけでございますが、ポテンシャルがあるという確信を持ちまして有識者ともいろいろ論議の結果、オーソドックスな探鉱から始めていく場合のアイデアは持っておるわけでございます。鉱山局でも計画の検討を進めていただいておるわけでございますが、総額約五十億円の五カ年計画でもって、産金を飛躍的にふやしていこうということでございます。まだまだ日本にはポテンシャルがありまして、私どもの推定では、金量にいたしまして約三百トン近いものがあるというふうに考えておりますので、そういうふうなオーソドックスな探鉱を進めていくということにつきましての特段の政策の実現を要望しておるというわけでございます。
  21. 橋口隆

    ○橋口委員 それでは、安定法の問題を終わります。  次に、金属鉱物探鉱促進事業団法の一部改正に関連をいたしまして、加賀山理事長に少しお伺いしたいと思います。  この大筋につきましては先般質問いたしましたので、主として事業団に関連する問題についてお伺いしたいと思いますけれども事業団が三十八年発足以来、非常に功績を残されたわけでございますけれども国内探鉱資金の貸し付け等の実績についてはどういうふうになっておりますか、簡単に御説明いただきたいと思います。
  22. 加賀山一

    加賀山参考人 お答えいたします。三十八年以降の融資関係の御質問だと思うのですが、坑道関係、試錐関係、物理探鉱関係、この三つで対象事業としての融資をしているわけでありますが、今日までに私どもの調べましたところ、三十八年以来の融資対象企業は十四社、百十二鉱山対象にしておりまして、探鉱事業量は坑道が五十九万五千メートル、試錐が二百十二万七千メートルであります。そしてその事業費は二百四億円が総事業費になっておりまして、これに対しまして、われわれのほうで融資しました額が百五億七千万円ということになっております。  そして探鉱の成果と申しますか結果は、これは技術の進歩とか、また企業の積極的な探鉱意欲というようなものと相まちまして、四十二年度末はまだはっきりいたしておりませんが、四十一年度末において付帯鉱量を含めまして、銅鉱において六千七百万トン、鉛、亜鉛鉱において約千四百万トン、マンガン百万トンというものを獲得鉱量として得たわけであります。これはむろんその金属の時価によって違いますが、ただいまの時価で勘定しますれば、少なくとも一兆円をこえる資源を獲得したというふうに考えていただいていいと思います。したがって、約百億の融資によって一兆円の資源を獲得できた、こういうふうにお考え願いたいと思います。
  23. 橋口隆

    ○橋口委員 ただいまの理事長の話で、百億円で一兆円の成果をあげたということでありますが、おそらくそのとおりであろうと思います。  そこで、わが国需給状況が非常に逼迫しているので、今後海外資源開発をやらなくてはならないわけでございますが、ことしからこの事業団に新しい事業が追加されるわけでございます。これにつきましては、長期の計画を立てて、そしてしかも着実にこれを推進することが必要だろうと思います。その意味で長期計画の概要、それから四十三年度の具体的計画、これも概要でけっこうでございますが、御説明いただきたいと思います。
  24. 加賀山一

    加賀山参考人 海外につきましては、国内の場合と趣を異にいたしまして、われわれのほうで今度の場合、調査するといたしましても、やはり調査するだけの対象が、日本のどこかの個人なり法人なりが探鉱する権利を獲得している場所でないと、われわれのほうが行っても意味がないわけでございます。したがいまして、それぞれ、現在において獲得できておる、探鉱権を持っておる、そういうような地域を選んで進出するよりほかにないのじゃないか、こういうふうに考えておりますので、ケースバイケースによって進めるよりほかはない。大体われわれのほうの考え方といたしましては、銅、鉛、亜鉛というものを対象にいたしますならば、中南米あるいは東南アジアあるいはアフリカの中南部というような発展途上国、またあるいはカナダ、オーストラリア、場合によってはソビエトロシアとかポーランドという先進国において開発計画を立てなければならぬ場合も起こると思います。ただいまのところ、長期にどこでなければならぬということは、ちょっと相手がきまっておりません場合が多いものですから、ただいま申したような国を対象にして進んでいきたい、こういうふうに考えております。
  25. 橋口隆

    ○橋口委員 鉱業協会の河上理事の資料によりますと、昭和五十年を目標にした場合、「鉱石輸入量は、銅六十八万トン、亜鉛三十九万トンに達する見込で、銅は四十万トン、亜鉛は十六万トン、それぞれ増加を図らねばならない。」ところが各国は非常に積極的に資源確保策を進めているので、きわめて不利な状況と思われる、こういうような資料が出ております。そこで、こういうような状況に対処するためには、ただいまも申し上げましたように、どうしても非常に不安定な条件が多いわけでございますけれども、できるだけ長期的にこれをやっていただくことが必要ではないかと思います。そこで、今後こういうような海外資源開発という大問題に事業団が取り組まれるわけでございますけれども、現在の陣容ではそれはなかなかむずかしいのじゃないかと思うのでございますが、今年度からどういうふうに陣容の強化をはかられるつもりでございますか。
  26. 加賀山一

    加賀山参考人 お話しのとおり、現在の陣容でとてもこの仕事はできないと存じます。そうして鉱山局のほうにもお願いいたしまして、ただいま大蔵省と折衝していただいておるのでございますが、さしあたり今年度はひとつ二十五名を増員していただきたいということでお願い申しておる最中でございます。できればこれがそのまま実現することを期待しておるものでございます。
  27. 橋口隆

    ○橋口委員 せっかくこれから大きな役割りを果たされるわけでございますから、通産当局その他とも十分打ち合わせの上、陣容を強化されて、国内資源開発について成功されたと同じような、それ以上の実績があげられますように特にお願いを申し上げる次第でございます。  なお、この機会にあわせてお聞きしたいと思いますが、産金対策は非常に重大だと思われますが、四十三年度は通産省から一千万円の委託を受けて、それによって探鉱の促進をされるお話のように聞いておりますけれども事業団自体の事業としてこれをお取り上げになって、同時に先ほど吉見中小鉱業の本部長からもお話がございましたように、中小鉱業鉱山等についても特別の施策を講ずるようなお考えはありませんか、それをちょっとお伺いしたいと思います。
  28. 加賀山一

    加賀山参考人 金山対策として、政府のとっておられる方策は、ただいま河上さんからもお話がありましたように、三段階の方式によって逐次成果をあげていく、こういう方式で進めるほかにないと思います。それについて政府が企画立案をされたものを事業団のほうへ実行に移すようなことに、おそらく四十三年度なってくると思います。われわれのほうといたしましては、その立案について、その実施方法を最も効果的に、できるだけ有効にその金を使うように考えたい、こういうふうに考えております。
  29. 橋口隆

    ○橋口委員 この事業団探鉱開発を促進するのが目的でございまして、探鉱開発そのものは個々の企業あるいは海外鉱物資源開発株式会社がこれを実施することになるわけでございます。そこで、本日山田社長がお見えになっておりますので、ちょっとお伺いしたいと思いますが、この資源株式会社はもともと準国策会社でもあり、この際同社のあり方を再検討して今後の海外資源開発に資することがきわめて大事だと思うのでございますが、この点につきまして何か一応の御計画をお持ちであるかどうか承りたいと思います。
  30. 山田義勇

    山田参考人 海外鉱発といたしましては、いま設立五カ年半を過ぎたのでありますが、海外に向かいまして、いままで調査費といたしまして七千六百万円、五千四百万円の補助費の見合いといたしまして七千六百万円の調査費を出しております。補助費がそれだけで、調査費全体は七千六百万円を使っております。そのほか国の委託によって鉱物資源の調査というものを委託費でやっておりますが、これは海外鉱発で出したわけじゃなくて、国家の費用だけであります。どういうことをしたかと申しますと、当社の事業活動の概要をお話し申し上げたいと思いますが、それに先立って、当社に対する昭和四十一年四月の金属鉱物探鉱促進事業団法改正に附帯します貴委員会の決議として、「海外における鉱物資源開発を促進するため、海外鉱物資源開発株式会社を積極的に活用できるよう強化措置を講ずること。」という附帯決議をしていただきましたことは、当社として感銘をもってこれに応ずべく献身の努力をしておる次第であります。  わが社は授権資本二十億でありますが、払い込み資本五億で発足いたしまして、いまやっと、この三月に授権資本二十億まできたのであります。政府補助金を受けて実施しました調査、それから海外技術協力事業団が行なう政府委託費による調査、それから調査、探鉱開発前提とする鉱業権等の権利取得のための交渉、それから探鉱権、鉱業権等取得後の調査探鉱の実施、海外の資料、情報の収集、こういうものをいままでやってきましたが、政府補助金を受けて実施しました調査は、ペルーの銅鉱、アフリカ、オートボルダのマンガン鉱、マレーシア、サバ州の銅鉱山、東アフリカ三カ国の銅、亜鉛鉱山、チリの航空調査、チリの鉛、亜鉛鉱の調査、インドネシアのすずの調査、アルゼンチンの鉱物資源の調査、こういういろいろな調査をやってまいりまして、いまその成果として残されたものはチャピー銅鉱山がありまして、この鉱山日本鉱業が以前それを探鉱いたしましたけれども、鉱量、品位が不十分であるために放棄したものをわが社に持ってこられましたので、わが社で調べましたところ……。
  31. 小峯柳多

    小峯委員長 お話し中ですが、御答弁は簡潔に願います。答弁の声も小さいということですから、どうぞその点も含んで……。
  32. 山田義勇

    山田参考人 そういうことで、海外探鉱等はわりあいに数多くやりましたけれども、いま残っておるのは、大きなプロジェクトといたしまして、マレーシア、サバ州のマムート銅鉱山の利権、探鉱権を取りまして、開発につながる大きなプロジェクト――それは品位は〇・七ですけれども、七千万以上の鉱量を有する世界的な銅山であります。それにわれわれはいま全力を注いで、その探鉱開発に精進しております。  なお政府の御指導もありまして、チリの鉱区調査を進めることを政府から御悪酒がありまして、各会社の援助を得て去年、おととしとやって、三つ、四つの有力鉱山をさがし当てまして、その探鉱権を取る、鉱区権を取る、それに引き続きことしもまた調査を遂行することで精一ぱいやっております。
  33. 橋口隆

    ○橋口委員 海外鉱物資源開発会社は、この際ひとつ海外資源開発のために事業団と提携して、一そうの努力をされますようにお願いを申し上げる次第でございます。  なお金属鉱物の海外資源開発に関連をいたしまして、ちょっと海外石油の問題について、島田総裁にお伺いしたいと思います。  石油公団は、昨年の十月発足以来、着々とその体制を整えておられると思うのでありますが、四十三年の御予定としてはどういう計画をお持ちでございますか、簡単に御説明いただきたいと思います。   〔委員長退席、島村委員長代理着席〕
  34. 島田喜仁

    島田参考人 四十二年度の財政資金は、公団といたしまして四十億でございましたが、そのうち海外事業に配分をいたしました資金は約二十億でございます。なお公団の機能といたしまして、債務保証基金を三億ほど積み立てておりますが、そのほかに大型機械のリースをいたしておりますのが約四億円でございます。そのほか公団の運営費等、それらのものを除きますと、ただいま申し上げましたように合計で海外投資に振り向けるべき金が三十億ございましたが、二十億を配分いたしまして、十億の配分は四十三年度と合わせて配分をいたしたい、こういうふうに考えております。四十三年度は財政資金六十億でございまして、その十億余りを合計いたしますと約七十億余りになりますが、その中でやはり機械のリース、債務保証基金等を除きますと、六十億余りの資金が海外事業の投融資の財源となるわけでございます。
  35. 橋口隆

    ○橋口委員 石油開発公団の仕事はこれから非常に重要でございますので、特に将来の長期計画が大事だろうと思われます。二十年あるいは五年のそういう計画を策定中のように聞いておりますけれども、これを促進されまして、長期の目標のもとに開発計画、資金計画等をお立てになりますよう、特にお願いを申し上げる次第でございます。この点につきまして簡単に……。
  36. 島田喜仁

    島田参考人 通産省の諮問機関でありますPEACを中心といたしまして、そこで海外開発の長期計画に関する専門委員会ができることになっておりまして、そこを中心にいたしまして長期計画を策定する準備を進めております。
  37. 橋口隆

    ○橋口委員 最後にお伺いしたいと思いますが、将来非常にばく大な資金が必要と思われるわけでございます。財源は産投会計の出資だけにたよるわけにもいかないだろうと考えるのでございます。そこで問題は、原油関係の関税収入額が四十三年度は七百九十三億円、四十四年度は八百七十七億円と見込まれておりますが、大部分は石炭対策用の財源と、一部は還付用財源に使われているのでございますけれども、エネルギー政策の転換に伴い、この海外石油の開発にもこの財源が使われるようにできないものかどうか、また事業団としてはそれを希望されないのかどうか、そういう点について御所見を承りたいと思います。
  38. 島田喜仁

    島田参考人 これはただいま御質問のございましたように、総合エネルギー政策の関係から、石油に対しましても政府は資金の確保をはかっていただけると期待しておりますが、ただ公団の立場から一言申し上げたいと思います。  率直に言わしていただきますが、御承知のように石油の海外開発の資金は、一たびあるプロジェクトに対しまして資金を投入する、海外開発をするという決意をいたしますと、利権の獲得から調査、探鉱、試掘の段階に応じまして急激に資金の量がふえるわけでございますが、同時に海外開発は継続的かつ長期にわたりまして膨大な資金を必要とするわけであります。ところが御承知のように予算は単年度でございます。一年だけの資金か前提にいたしまして海外開発をするということは、私ども公団の立場からいたしますと、非常にむずかしいわけでございます。そういう意味におきまして、できるだけ二、三年、できれば数年間の資金の大体の見通しを得ることによりまして海外進出をはかる必要があろう。御承知のようにフランスの国策会社であるエラップは年間八百億円の金を探鉱開発に投じております。なおイタリアの御承知のENIは、やはり円にいたしまして年間三百億円くらいの資金を海外開発に投じております。ドイツも百数十億を投じております。そういう観点からいたしますと、できるだけ資金の見通しを持って海外開発の進出をはかりたい。と同時に、御承知のように海外開発をいたします場合には、鉱区を取得するかあるいは利権を獲得したければならないわけでございますが、あらかじめ鉱区の公開入札の時期あるいは利権供与の呼びかけの時期というものを私どもとして予定をすることができない場合が多いわけでございまして、随時また極秘裏にそういう呼びかけがまいるわけでございますので、そのチャンスを逃がしますと、第三国に利権を獲得されたり、あるいは鉱区を獲得されるわけであります。と同時に、最近は産油国、権利を持っておる国々の条件がそういう国に対して有利な形、開発に参加しようとする国に上りましては非常にシビアーな、不利な条件になりつつある実情でございます。最近、中東動乱以降ここ一、二年海外開発ラッシュという状況になっておりますので、そういう面から見ますと、私どもといたしましては、そういうチャンスをつかむためにはある程度の手持ちの金というものを持っておらなければそのチャンスを逃がすという問題もございますので、できましたら私ども公団の立場から申しますと、ただいまの関税収入の財源も一般財源に――私どもが期待するほかに一部あるいは相当部分を石油開発に回していただけるようなことができれば幸いである、そういうふうに率直に申し上げさせていただきたいというふうに思います。
  39. 橋口隆

    ○橋口委員 それでは私の質問を終わりたいと思いますが、参考人の皆さん方にはお忙しいところを御出席いただきましてありがとうございました。今後一そうの御健闘を祈ります。
  40. 堀昌雄

    ○堀委員 議事進行。与党はいま四人しかいないのですが、これじゃ私ども委員会審議に応じられませんから、定数がそろうまで休憩をお願いいたします。
  41. 島村一郎

    ○島村委員長代理 暫時休憩いたします。    午前十一時五十八分休憩      ――――◇―――――    午後零時二十二分開議
  42. 小峯柳多

    小峯委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  参考人に対する質疑を続行いたします。岡田利春君。
  43. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 初めに四参考人に対して共通点について御質問申し上げます。  先ほど来御意見を承っておったのでありますが、今回金属鉱業等安定臨時措置法廃止になるわけです。もちろんこの法律ができた背景と今日の情勢は変わっておりますが、私はしかし、単に政策として進めていく、鉱業審議会で一応方向を出して政策を進めるというのではなくして、鉱業現状はいわば農業やあるいはまた今日置かれておる石炭鉱業――石炭鉱業の場合でも原料炭の場合は海外開発もしなければならぬという段階に入っているわけです。こういう情勢から考え、さらにまた長期的に見ますと、コストアップ要因というものが非常に大きいわけです。したがって私は、そういう意味では鉱業対策の基本法といいますか、あるいはまた鉱業安定のための一つの基準になる法案、こういうものがどうしても必要ではなかろうか、こういう判断を持っているわけです。したがって、そういう法律の内容に需給基本計画の作成、あるいはまた、いろいろ御意見もあるでしょうが需給調整機関についての問題、あるいは生産近代化の問題、あるいはまた資金の確保の問題、さらにまた新しい地域の開発、調査、これに付随する鉱区の調整問題、さらにまた現在設置法で設けられております鉱業審議会も、これら一連にしてこういう基本法の中に含める、こういう体制の中でこれからの鉱業政策を進めるという、そういう一番大事な時期にいま立っているのではないか。私は、そういう意味において、この臨時措置法が発展的に解消されて、鉱業対策の基本法的な法律をやはりつくるべき段階にある、その内容はいま申し上げましたことが含まれる問題である、こう思うのですが、この点についてそれぞれの参考人の御意見を承りたいと思います。  第二の問題は、先ほど労働者側からも意見が出ておりましたが、鉱業審議会答申をしている雇用対策の問題です。最近のわが国労働力需給関係から見れば、地下に働く労働力確保はこれまたきわめて重大な問題になるのではないか。したがって、審議会が答申しております雇用対策協議会を労使がまだ持っていないようでありますが、これはやはり答申の示す方向雇用対策協議会をもってこれらに対処しなければならぬのではなかろうか、実はこういう感じがいたすわけです。さらにまた、中小鉱山労働力確保は、よりむずかしくなっていくのではないかと思います。石炭鉱業には、同じ地下労働者であり、石炭対策の一環として、これはもちろん経営者だけが負担する年金でありますけれども、特別年金制度が創立をされています。しかし、鉱山の場合にも、やはりこういう制度をつくるという必要が雇用対策上あるのではないか。あるいはまた中小鉱山の場合を考えてみますと、私は退職金を保証するという点で既存の鉱山労働力確保して、たとえばAという鉱山がつぶれた場合にBという違う会社に行った場合に、これが退職金を保証されていく、こういうことがもう自主的に準備をされなければならないのではないか、こういう見解を私は持っているのですが、四参考人からこの二点についてそれぞれ御意見を承りたいと存じます。
  44. 河上健次郎

    河上参考人 ただいまの先生のおっしゃいました第一の、基本法を必要と考えないかということについてでございます。実はその点につきましても、私ども業界内部でも議論を戦わしたことがございます。それは鉱業審議会審議に際しまして、基本法をつくるということについての可否ということも一応議題にのぼったわけでございます。議題と申しますか、一つの検討問題ということであったと思いますが、いろいろ論議をいたしまして、今後の鉱業あり方をどう考えるか、あるいはそれに関連して業界の受け持つべき分野、鉱業政策の受け持つべき分野、そういうことの論議、検討が終わった段階でございまして、さて、そのグルンドに法律をつくるかどうかというところまでの突っ込んだ議論を実は詰めておりません。これは将来の問題だと思います。法律をつくるかどうかということよりも、むしろどういう考え方でやるかということが先行するわけでありまして、この段階であるというふうな考え方であります。  第二の雇用対策の問題につきましては、これは非常に重要な問題でございます。ただこれを進めますにつきましての審議会といったようなものにつきましては、いまのところ業界意見は消極的でございます。これは企業の場において行なうということをたてまえにして進めております。また、これに関連した業界レベルとそれから組合レベルにおける一つのかっちりした審議会の組織にいくということまでまだ意見の統一は見ておりません現状でございます。  以上でございます。
  45. 吉見泰二

    吉見参考人 安定臨時措置法の問題といまの雇用審議会の問題は、中小鉱山といえども全く大鉱山と同じ立場でございますので、特に私たちとしては河上参考人の御意見につけ加えることはございません。  ただ、中小鉱山労働力確保の問題は、これは御指摘のとおり非常に大事な問題でございまして、われわれ対策推進本部としても、中小鉱山なりに大鉱山とは違った行き方をしたいと思いまして、いま鋭意研究中でございます。ただ、御指摘の石炭におきます特別年金というふうな問題でございますが、中小鉱山と申しましても非常に鉱種が多く、相当労働事情が違いますので、画一的なそういうふうなことではたしてそれが全部救済できるかどうか、多少問題があるのじゃないかと思いまして、その点はさらに研究したいと思っております。
  46. 鷲谷政之助

    鷲谷参考人 私は、いまの質問について、さっきの意見に少し補足して申し上げますと、中小鉱山の問題について政策の基本になるものがかつて一つもなくて行政指導だけであった。はっきり申し上げると、関係官庁並びに政府は、口は出すけれども金は出さないというようなことで、寄りどころが一つもなくて――かつて私は戦争中に山におりましたけれども金山の全部の休山、そこの労働者は全部銅山に回す。銅については、政府の命令あるいは軍の命令で剣つき鉄砲で乱掘に乱掘を重ねて、戦後日本鉱山は荒廃の状態であった。ところが、そういう問題について一つもよりどころがないために、どこにそのしりを持っていくかということで、鉱山労働者並びに経営者側が非常に窮地に追い込まれたことが何回も何回もございます。したがって、今回廃止になります安定臨時法の内容を少し強化しまして、鉱山鉱業政策の基本になるものをここで確立しておく必要があるのではないか、かように私は思うわけであります。  それから第二点の、雇用対策の問題ですけれども、私どもの調査によりますと、五カ年間に金属鉱山から離職したいわゆる常用工が一万三千八百二十二人といっております。この中で不足した労働者分についてどうなっておるかというと、ほとんど社外工、組夫、臨時工、こういう者で補っておると思います。特に中小鉱山の場合には、大げさな言い方をすると大多数の労働者は社外工であり、臨時工である。このような状態なので、やはり早急に鉱山に対する雇用対策の協議会あるいはそういうよりどころをつくる必要があるのじゃないかというふうにも思うわけです。参考のために申し上げますと、この五年間に中学卒業生で鉱山に入った者は百三十人、これは十六鉱種鉱山を選んでやったわけです。それから高校卒業で入った者が二百八十七名、約五百人程度が最近において入った新中あるいは高校卒の者です。したがって、今日鉱山労働者の平均年齢は四十一歳になっております。このように非常に若い労働者鉱山に入ってこないというゆゆしき問題が今日起こっておるので、この対策についても早急に取り組む必要があるのじゃないかというふうに私は思うわけです。
  47. 遠藤亨

    遠藤参考人 安定法の問題につきましては、先ほども申し上げさせていただきましたけれども、われわれの金属鉱山重要性を十二分に御認識いただきますならば、今回一応廃止ということについてやむを得ないということを私は申し上げましたけれども、その前提は、あくまでも、ただいま岡田先生のおっしゃいますように、施策面においてその立法趣旨が生かされるよう、具体的な問題をぜひ明確に行政措置で明らかにしてもらいたい、こういうことを申し上げさせていただいたと思います。そのことは関税の運用の問題であり、滞貨買い上げ機関の設置であり、需給状況に応じてわれわれの金属鉱業というのはきわめて流動性があるわけですから、そういう御認識を十二分にいただいた上に、そういう具体的な行政措置をぜひお願いしたいというのが、やむを得ないという認識に立たされておるわけでございますので、そういう見解に御理解をいただきたいと思います。  第二点の問題は、われわれの資源労連として運動方針の中にすでに三年ほど前から明らかにしております。それは雇用対策と老齢年金制度の確立を強く要請し、また運動を続けておるものでありますが、その基本的な考え方は、現状を申し上げますと、若年労働者、さらに技術者の不足が金属鉱業にはきわめて著しいわけであります。したがって、今後鉱業の健全な発展をはかるためにも具体的な雇用対策を立てる必要があるだろうと思います。そのためには、先ほど岡田先生のおっしゃったように、金属鉱山にも老齢年金制度の確立を早急に樹立する運動を続けていただきたいと思いまするし、またわれわれ自体もそういう運動を現に続けておりますが、できる限り金属鉱山労働者老齢年金制度を設置をする、そのことは、すなわち老後の生活不安を解消することであるし、金属鉱業発展のためにも結びつくものであろうという認識に立たせていただいておりますので、今後ともこの種内容に対する運動を積極的に進めてもらいたいという願いでありますことを、お含み願いたいと思います。
  48. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 いま河上参考人から御意見もありましたけれども昭和三十年代といいますか、それと昭和四十年代の国内金属資源開発に対する考え方は、国際的な情勢の変化とともに大きく変わったのではないか。いわば昭和三十五年以来自由化対策の一環として、特にベースメタルを中心にして政策を立ててきたわけです。しかし今日のその情勢は、自給度国内資源をいかに確保するか、大体それぞれの価格の趨勢なり供給力を国際的に見ても、私は今日の段階は資源を一体どう確保するか、合理的に資源確保する、こういう立場に立って鉱業政策を立てなければならない段階に入ってきている、実はこういう理解をいたしておるわけです。そういう理解に立つならば、やはりこれらの問題は、審議会もあるでしょうし、業界内部としてもいまから十分検討しなければならぬ事項ではなかろうか。あるいはまた労働者の予測あるいは経済企画庁の予測から見ても、労働力確保という問題はより一そう一年一年ごとに深刻化していく、こういう情勢にあるということも間違いのない事実だと私は思うわけです。したがって、いまからやはりそういう対策を十分検討して、業種も非常に多うございますから、会社も多うございますから、そういう点の検討も進めて、養成するものは積極的に養成する、また自主的にやるものについては自主的にやる、こういう積極的な姿勢が、今日日本金属鉱山経営者あるいはまた労働者に一番要請されておる時期ではないか、こう理解をいたしますので、ぜひそういう点について御検討賜わりたいということを、この機会に私は希望申し上げておきたいと思うのです。  第二の問題は、これは河上参考人にお願いしますけれども、今度事業団海外に進出をするわけですが、国内の場合においても、いまベースメタルとマンガンだけがその融資対象になっておるわけです。したがってこれに対する、金の問題についてはすでに本委員会でも決議をし、先般もこの問題を取り上げていろいろ意見を述べたわけですけれども、この金、銀をやはり対象にすべきではないか。あるいはまた今日の、先ほど申し上げました認識からいえば、鉄、硫黄を含む硫化鉱、これらも当然対象に含めるべきではないか、実は私はこういう考えがあるのです。こういう点についての御見解はいかがですか。それと同時に、先ほど需給調整機関の問題について意見が述べられましたけれども、形態は別として、銅の場合には自主的な調整機関といいますか、そういうことをやられておるわけです。私はそういう意味においては、やはり何らかの需給調整機関というものが必要ではないか。ベースメタルあるいは卑金属の場合は、いうなればメタルバンクといいますか、こういう考え方に立ったきめこまやかなものがやはり自主的に検討され、政策が必要なものは政策に乗せていく、こういうものが必要ではないだろうか。こういうふうに考えるわけですが、この点についての御見解を承りたい。
  49. 河上健次郎

    河上参考人 第一の点でございますが、探鉱事業団業務鉱種に制限がある点につきまして、私ども意見は、全く先生の御発言のとおり、現状でよろしいということではなくて、ぜひ追加してほしい。金それから鉄鉱石、それから硫黄、硫化鉱といったようなものは、業界意見としてかねがね出しておるわけでございます。遺憾ながら実現に至っていないということであります。ベースメタルだけでも予算が不十分でございますので、全体的な高度の観点から見ての重要性ということで、どうも現状ではやむを得ないかと思いますが、業界としての立場要望は、そういう立場でございます。  それから、需給安定の一つの方策といたしまして、私どもは、かねがね、国家資金による需給安定機関の構想でかなり意見を強く出しまして、各方面と論議も進めたわけでございますが、遺憾ながら、まだ実現に至っておらないわけでございます。現状は、銅につきましては、銅地金会社の積み立てで自主的にやっております。約二十億くらいの積み立てができておるわけでございますが、これは業界の自己防衛の一つ方法でございます。これはこれで着実にやっていく。適当な機会、時期をねらって、できるだけ国の予算をもって、滞貨ができた場合買っておいて、これを不足の場合に放出するというような機能のものはつくっていきたい、こういうのが私ども立場での意見でございます。ただ、そういう構想につきまして、鉱業審議会でもだいぶ議論いたしました。結局、なかなか全会一致の意見を見るというところに至りませず、現状にきております。  以上でございます。
  50. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 古見参考人にお伺いいたしますが、いま中小鉱山に対しては、先ほど中小鉱山のウェートその他について述べられたわけですが、唯一の政策として新鉱床探査補助金が出されておるわけです。これはもうこの委員会でもしばしば問題にいたしておるのでありますが、五〇%の補助率が実際は三分の一だ、実績はそうなっておる。こういう点が実情に合わないのではないかという点を私どもも指摘をいたしておるわけです。  ただ、そこで、第一には、これも業種対策の問題ですが、この指定業種以外に、さらに業界としてもこれを拡大してほしい、かねがねそういう意向を聞いておるわけですが、この点については、一体どういう業種を対象として希望されておるかという点が第一点であります。  それと、第二点の問題は、融資補助金の関係の問題です。中小鉱山の場合には、もちろん、その指定業種も狭められておりますし、また、融資対象にはなっていないわけです。しかし、今日の中小鉱山の実情を見ますと、三分の一の補助金だけで構造的なボーリングをする、あるいはまた、坑道探査をするということは非常に問題が多いのではないか。たとえば探鉱の新鉱開発の場合は、四割の補助金を出すのと、四割の近代化資金、さらに四割の協調融資、二割は自己資金、どちらがいいですかと、こう言いますと、今日は金融情勢から見て、もらうほうがほんとうはいいのだけれども、そういう融資のほうがいいという希望が出てくるわけです。残念ながら、補助金よりも融資のほうがいいのだ、これはやはり金融事情の問題だと思うのです。したがって、たとえば三分の一補助金で、三分の一融資があって、あとの三分の一が自己資金でやるといいますか、自分のペースでやるとか、こういう組み合わせ混合的な政策を必要とするのではなかろうか。これからの金融情勢は、中小鉱山を取り巻く情勢を考えると、なお一そうその必要の感を強くするわけです。したがって、補助金をもらうということは、一方に分けることは非常に困難なのではないか。あるいはまた、これはその中小鉱山の基本になる坑道探査、これに限ってもいいのですが、そういう政策が現実的ではなかろうか、私は、実は、こう判断をいたしておるのですが、この点について、第二点として見解を承りたいと思います。  それから、第三点は、昭和鉱業株式会社さんは石こう山もあるのでありますが、化学石こうが非常に最近競合問題が出て、いろいろ業種対策として硫黄に次ぐ大きな問題化しつつあると思うわけです。しかし、鉱業審議会では、硫黄は鉱種対策の分科会が設けられて検討されておりますけれども石こうについては手が染められていないわけであります。私どもの聞くところによれば、それぞれの石こう企業の会社の意見がなかなか調整できない。いわば、端的に言いますと、業界のまとまりがつかぬといいますか、もちろん需要業界の関係もあるでしょうが、そういう点で、石こうが業種対策に浮かび上がってこない、こういうお話を実は聞いておるわけです。こういう点についてはどういう御見解を持っておられるか、承っておきたい。
  51. 吉見泰二

    吉見参考人 お答えをいたします。先ほどの新鉱床探査補助金が中小鉱山に対する唯一の政府の救済措置と申しますか、措置であるということは、まことにそのとおりでございまして、現在は相当の鉱種が入っておりますが、まだドロマイトとか耐火粘土とか、そういうふうな、比較的最近活動してまいりました非金属鉱種の中では、対象になっておらないものがございます。それらに関しましては、ぜひ対象鉱種に入れてほしいということは、われわれのほうからも関係方面にはお願いしているわけでございます。  それから、第二の、融資補助金かの問題でございますが、これは岡田先生おっしゃいますように、もちろん多々ますます弁ずでございまして、一応案としておっしゃいました、三分の一が補助金であり、三分の一が融資である、あとの三分の一は自己資金というふうな形がとれれば、まことに望ましいのでございます。ただ、その融資という場合には、普通探鉱に対する融資、ことに中小におきましては、なかなか一般の金融機関は取り上げにくい事情にございまして、これはやはり当たらない場合にはどうなるんだろうというようなことを金融機関は懸念いたしますので、やはりこの委員会の冒頭にも申し上げましたように、そういう場合には、できれば、金属鉱物探鉱促進事業団のようなところのいわゆる国の融資を仰ぐというのが一番望ましいというふうに考えるのでございます。  それから、第三の、鉱業審議会の中に石こう分科会ができないのはどういうわけであろうかということでございますが、これは石こうというのが実はセメント会社との結びつきが非常に古く、また密接でございまして、御指摘の、てまえどものような会社はそういうことはないのでありますが、いままでの石こうの古い、小さい山は、大部分がセメント会社とのいろいろな関係で出てまいります。したがいまして、これをいまそういうふうな公の場でいろいろディスカッションするというのは、取引上に非常に差しさわりがあるという声が強く、実はいまだに石こう分科会の実現を見ていないという現状でありまして、その辺にもやはり中小鉱山のむずかしさがあるわけでございます。  それから、ただいまの石こうにつきましては、現在国としても、いわゆる石こうと黒ものとが併存するというのが、これは通説でございます。現に、北鹿でも、石こうに当たった鉱床の周辺から黒ものが出ますが、そういう点で、現在、国としても、広域調査の対象に取り上げまして、石こう鉱山の周辺にあるであろう黒鉱の探査にいま力を入れております。これによりまして、やはり石こう鉱山が近き将来には黒鉱山に変わるという点も相当あるのでございまして、その辺にも一つの転換策があるかと存じます。
  52. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 河上参考人に伺いますが、事業団融資の実績が一応六割か七割以内、こう業務方法書で定められているわけです。しかし、この現状を調査してみますと、五四%から五六%ぐらいということで、以内ですから、それでけっこうなわけでしょうけれども、この点について私は、いま画一的な、メートル当たり幾ら、こういう融資方法補助金についても同様なわけです。私は、これは実情に合わないのではないか。大手の場合ですと、いろいろな鉱山があって、それはやりくりも可能なんでしょうけれども、そういう点では、ある程度三段階といいますか、深さとか、あるいは条件、地質構造、これを第一種、第二種、第三種ぐらいに分けて融資するほうが現実的ではないか。そういう基準を設ける必要があるのではないか、こういう見解を実は持つわけです。また、新鉱床探査補助金についても、これはもちろん加背もあるでしょうし、あるいはまた、対象鉱種によって地質構造も違うでしょうし、そういう面では、やはり三種ぐらいの基準をきめて補助金を出す必要があるのではないか。これは不公平なわけですね。実際は三分の一――五割なら五割出すのですけれども、受ける側から見れば、三分の一になってみたり、五割が五割以上になっているところもあるわけです。私の調査では、こういう点はやはり現実的に、ある程度、三つぐらいの基準をつくって、実情に即応するようにむしろ前進をすべきじゃないか、こういう意見を持っているのですが、この点についての御意見をお聞きしておきたいと思います。  それと、河上参考人に対して、全鉱あるいは資源労連というものは、私に言わせると非常に産業政策に熱心な労働組合であると実は理解をしております。そういう立場から見れば、むしろ、せっかく審議会が経営者も入って答申をされた雇用協議会といいますか、こういう面について、初めの段階は懇談会でもけっこうですから、そういう点についてこの問題を受けて立つという姿勢が私は当然あってしかるべきではないか、こういう気が実はするわけです。したがって、なかなか業界が御意見がございますから、はっきり述べることはむずかしいでしょうけれども、そういう点について、やはりせっかく審議会の答申していることであり、両組合は産業政策に非常に熱心な組合でもございますから、これを受けるという努力が私は必要ではないかと思うわけです。そういう点についてのお考え方を述べていただければ幸いだと存ずる次第です。
  53. 河上健次郎

    河上参考人 この新鉱床探査補助金なりあるいは事業団からの融資のいろいろのやり方、査定のやり方にも関連した点につきましての御意見が出ております。こういう問題は、やはり非常に重要な、せっかくの鉱業政策の大事な分野でございますので、実情に最も合い、しかも最も全般から見た効果的なやり方に種々インプルーブするということが必要だと思います。私、その方面につきましての十分の見解を持っておりませんので、的にどれがいいということをお答え申し上げかねる点がございますので、お許しをいただきたいと思います。  それから、お隣りに鷲谷さん、遠藤さんいらっしゃいますが、おっしゃるとおり、全鉱、資源労連とも、これは日本の組合のうちでは政策問題につきまして非常に地道な意見を出し、熱心であるということは、もう私ども接触をいたしておりましてよく存じております。問題は、それだからすぐ一つの単産ベースでそういう形をつくりあげたほうがいいという御意見、われわれのほうでは早急にそこまでいかなくてもいいという平行線できておりますが、しかし実際問題として、そういう  レベルでのディスカッションということは、残念ながら結論としては持っておりませんが、しかし平素の接触において、何をお互いに考えておるかということは、実はよく実際問題として話し合っておるわけでございます。そういうフォーミュラに直す直らぬという問題、これはもう少し時間をかけてじっくり解決すべき問題じゃないか、かように思っております。
  54. 吉見泰二

    吉見参考人 ただいまの、新鉱床探査補助金の段階を分けたらどうかという御意見でございますが、先生お話しのように、鉱山の坑道の加背の大きさとか、いろいろ条件がございますので、なかなか問題がむずかしいと思いますが、現在は実際の経費の半分にもいかない、三分の一の程度だ、それをせめて半分にしていただきたいとわれわれお願いしておるわけでございますが、それをさらに百尺竿頭一歩を進めまして、三段階にしてそれが現状に即したコストの半分になるということならば、われわれ中小鉱山としてはたいへんな喜びでございますが、ただ実務的に、いま各地方の鉱山部その他の人員が少ない場合に、そういうような三段階になった場合の事務の煩瑣と申しますか、事務量の増加をどうして解決されるかということに、私はちょっと問題点があるのではないかと思いますが、これはまあお役所の問題でございますから、われわれが申し上げることではないのでございますが、その辺が解決できるならばまことに私はありがたいと思います。
  55. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 海外の問題について若干承りたいのですが、海外鉱物資源開発株式会社も、これは政府業界とが入ってことし二十億の資本に到達をしたわけですが、しかしいまやっている事業はほとんど調査、探鉱事業でありますから、三億以上の赤字を出しておることは御承知のとおりであります。私はもう当然だと思うのです。これは有望な事業主体を持ちますとまた変わってくると思いますけれども、そういう意味では、せっかく各社が共同して、政府も出資をしてつくっておる会社でありますから、これがまずある一定の基盤をつくるということが非常に大事だと思うわけです。そして、さらにその上に政策をのせて、相協力をして全体的な海外資源調査あるいは探鉱を行なっていく、こういう姿勢が、五年もたったわけですから、もうこれから早急に確立をされなければならぬのではないか。このためにはやはり業界の相当の理解と協力がないと、特殊会社のほうは、いうなれば小さなプロジェクトの、あまり採算にのるかのらぬかわからぬようなものを開発をし、また大手企業の場合には海外進出をし、自分でもそれぞれコンサルタントを持っていますし、情報もまたそれぞれ関係業界ともありますから、大型のプロジェクトの開発をしていくということになりますと、この特殊会社をつくった目的というものがなかなか生きてこないのではないか。この間の調整を私はやはりはかる必要があるのではなかろうかと思うのですが、この点については河上参考人から御意見を聞きたいと思います。  それと、吉見参考人には、海外開発については大手はずいぶん進出をしておるわけです。しかし、中小鉱山は、先ほどから述べられているように、技術の蓄積もやはりあるわけですし、海外開発方向に対してむしろ中小鉱山が協力して一つの会社をつくるとか、そういうような点で海外の問題について考えられるのではなかろうか、こういう気がするわけです。そういう点について実際中小鉱山業界として検討されておるのかどうか、またそういう点について何か検討されて、希望があるのかどうか、もしそういう構想があれば、この機会に承っておきたいと思います。
  56. 河上健次郎

    河上参考人 ただいまの先生の御質問は、せっかく海外鉱物資源開発会社ができておるのに、業界の盛り立て方が少し不十分じゃないかというような御指摘と承ってよろしゅうございますか。――海外のプロジェクトに取っ組みます業界側の姿勢の点でございますが、おっしゃる点の御忠告、これはありがたくお受けする次第であります。率直に申し上げますと、今後ともそういう御叱正に対しまして十分考えていくべき点は残されておるかと思います。弁解になるようでございますが、必ずしもそういう意味ではなく、実情を申し上げるわけですが、相手方との話のいきさつ、相手の事情で、たとえば三井鉱山に話を持ってきたという場合には三井鉱山とやろうという気がまえでありまして、それでやろうじゃないかというところがむしろ自然でございます。そういうことで取っ組んで、やれる場合にはその社だけでやるという、これが従来の行き方でございます。これが自然なあれでございまして、海外鉱発ができたから、海外開発はそれがあくまで中心で、原則はもうそれに限るのだということになりますと、活発な話は持ってまいりません。また活発にこれをやり抜くということはできません。したがいまして、各社でどんどん活発に、自社のリスクと、自社の経験と、自社の信用とその力に基づいてやっていくということ、それからそうでなく、各社の話し合いのジョイントであるやり方、これが海外鉱発ができますまでの状態でございます。できましても、そういうものの流れはやはりやっております。しかし、海外鉱発ができまして、これが結集した開発の母体だというものができましたので、できるだけ大きなプロジェクトの場合には、最初からこれに話を持っていくというふうなかまえにだんだんなってまいっております。そういうことで、各方面の御援助、御叱正によりまして、業界もひとつ結集して盛り立てていく、こういうふうなことになっておりますので、ひとつ御信頼をお願いしたいと思います。  それから、今度の事業団でいよいよ海外基礎調査をやっていただくということになりましたので、そこで企業に直結したような段階になった探鉱は、これはいまの海外鉱発が中心になってやられるということに当然なっていこうかと思います。その辺で、事業団海外鉱発との関係もうまく調和がとれるだろうと思います。また業界も、できるだけ協調的にやっていくというふうな考え方でおります。
  57. 吉見泰二

    吉見参考人 お答えをいたします。鉱山は、大鉱山中小鉱山とはおのずから開発のしかたが違います。先ほど海外鉱発の山田参考人のおっしゃいましたようなマレーシアのサバ鉱山のような七千万トンというような鉱量を持っているような山は、これは当然いわゆる大鉱山としての機械による開発が必要でございますが、マンガンとかそういうふうな特殊なものは、やはり比較的小規模な、また特別な方法による開発が必要なんでございまして、それで、現在でも海外鉱発に話が参っておりますアフリカのオートボルタ鉱山に対しましては、中小の中外鉱業と蔵内金属の両社がその開発に参画しておりまして、中小鉱山会社といえども、何も内地ばかりにこもっておるわけではございませんので、積極的に海外に出る意欲は持っております。それには、やはりそれなりの規模に応じた山を開発していくということを考えておるわけであります。したがいまして、アフリカは一つの例でございますが、そういう遠隔でない、もっと東南アジアとか、お隣の韓国とか、ああいうところに中小としては目をつけていかなければならぬのじゃないかというふうに思っております。
  58. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 時間がありませんから、最後河上参考人にもう一つお聞きいたしますけれども海外開発をこれからそれぞれ――すでに開発を進められておる地点、あるいはまた商社が融資でやっておる面、あるいはまた技術協力でやっておる面、いろいろ多種多様実はあるわけです。ただそこで、ベースメタルが一応中心にならざるを得ないし、当然それに重点がかかっていくんだと思うわけです。しかし、いわゆる卑金属、貴金属に対する卑金属ですね。こういう面については相当きめこまやかな対策を立てる情勢下に来たんではなかろうか。もちろん銅のごとき、昭和五十年度で百万トンに達する、倍になる、いまから七年の間に二倍の需要が見込まれる。したがって、緊急に開発するということは大事でしょうけれども、たとえばニッケルでもクロームでも、もちろんボーキサイトやマンガンのように、ほとんど資源が独占されてしまったという鉱種は別ですが、東南アジア全体を考えてみた場合、またアフリカを含めて考えてみた場合、そういうきめこまやかな面もいまむしろやらなければ、いまそこに手を染めなければ、ボーキサイトのようなことになるのではないか。こういう卑金属鉱種開発ということが、海外の場合非常に検討されなければならない問題点ではなかろうか。まずその権利をつけておかないとどうもならぬわけですから、そういう一群大事な情勢にきておるのではないか。それが相当期間を逸すると、ボーキサイトのようになってしまうのではないか、こういう見解を実は持っておるわけですが、この点についての御見解をお聞きしたいと思います。  それから労働者側二団体に対してお聞きしたいのは、審議会では雇用問題の協議会をつくれというような答申がなされておるわけですが、いま河上参考人からも意見が述べられておるわけです。石炭の場合でもいま組織が三つもある。メタルの場合でも二つの組織がある。これは政党系列は別として。しかし、この鉱山の問題については全体として取り組まなければならない情勢下にいま置かれておるのだと思うわけです。特に産業政策、あるいはまた雇用問題についても、いうなれば初めはお互いに労使間の信頼を高めていくという面では懇談会から発足する、そういう提言が両者でむしろ行なわれておる。こういう方向というものが私は望ましいのではないか、こういう見解を持つわけですが、これらについての御意見を承っておきたい。
  59. 河上健次郎

    河上参考人 ただいま御指摘の点でございますが、ベースメタルのほうは幸いこういうふうな方向で相当大がかりな基礎的な探鉱ということの場面でいくわけでございますが、そういう大々的な行き方をしなくても、やはり小回りのきくやり方で早くつばをつけておくということが、地域によりまして、鉱種によりまして大きにあるわけでございます。それで、こういう点につきましてはかねがね私ども業界でも、そういう場合にできるだけ早くオプションをとったり権利をとりましたり、そういう場合にそうたいした金目でないわけでございますので、できるだけ早く外貨の支払い許可についてのアクションを早くとってもらうといったような行政措置を要望いたしまして、近ごろはおかげで非常に迅速に処理ができるようになりました。活発に処理できるようなことになってまいりました。そういう意味からでも、やはりいろいろなルート、触覚を働かしまして、そういうつばつけができるようなアクションをとるということがまさに必要でございます。業界としてもそういうふうな気持ちでおります。  それから、ついででございますが、特に東南アジアにつきまして私ども痛感いたしておりますのは、インドネシアとの関係でございます。これはこのほうの資源の関連で、特にニッケルにつきまして私ども苦労した経験から申しまして、やはりインドネシアと突っ込んだ資源開発をやりますためには投資保証制度、これをひとつどうしても結んでいただくということが必要であります。向こうから早くやってくれということも言っておるくらいでございます。そういったような重要な問題が海外開発につきましてはまだまだ、当面お取り上げいただいておる鉱業政策の裏にそういう大きな問題がございます。こういうものが解決しませんと、私企業のリスクでやれる分野というものはおのずから制限を加えられております。ひとつよろしく御賢察願います。
  60. 鷲谷政之助

    鷲谷参考人 雇用問題につきまして、私ども見解を再三申し上げておるわけですけれども、実はいま河上さんからお話があったように、労使の中では、雇用問題についてそれぞれ話があるわけですが、今日の段階になると、個別の企業内ではいわゆる雇用問題はもう解決のつかない段階にきておる。したがって産業別のレベルで全体の立場から雇用問題を検討する時期にきておる。こういう意味合いで私は労使の中で産業レベルでも雇用問題についての話し合いの場をつくる必要があるというふうに思うわけです。参考のために申し上げますと、名前ははばかりますけれども、今年の新高校卒で三十人募集した山があります。ところが鉱山所在地の高等学校を卒業した子供でこれに応募した者がわずか一名。そのような状態で、鉱山に最近若い学卒の人方はほとんど就職希望者がないというような状態です。これを補てんする意味で、さっき申し上げたとおり組夫とか社外工いわゆる臨時工というものが非常に多くふえてくる。しかもこの組夫そのものも最近では思うように採用できないような状態に追い込まれておるのじゃないか、全体から見た場合ですね。これと関連しまして労働災害の問題が、非常に未熟練な組夫なり臨時工が入る関係上、最近非常にふえておる。これは最近の統計をとってみますと、昭和三十五年には労働者が十万五千人おります。昨年、四十二年度で六万七千人に減っております。この中で三十五年度死亡災害だけをとってみても九十四名、昨年度は労働者数が非常に減っておる中で七十六名死亡があった。これを今度分けてみますと、昨年度だけの例をとりますと、直轄の死亡基四十九名で、組夫の死亡が二十七名、したがって労働者比率からいくと未熟練の労働者は熟練した労働者の三倍以上の死亡災害、もちろんこれは重度災害を除いて、こういう状態が出てきておる。したがって私どもは、何といっても瞬間的な臨時丁とか組夫でなくて、やっぱり安定した労働力鉱山に定着させるということになると、いろいろ九策がありますけれども、そういう問題を含めて産業別の中で話し合いをする段階にきておるというふうに理解しておるわけです。
  61. 遠藤亨

    遠藤参考人 御質問の趣旨はおそらく産業政府に取り組む姿勢と相関連をして雇用問題等について全鉱と資源労連は見解を異にするのか、もしくはどういう見解なのかという具体的な内容だろうと認識をいたしました。  産業政策の問題になりまして、たとえば国内探鉱の促進なり、今回のように海外進出というような問題についての産業政策の基本を打ち出す面については同一の見解を持っております。それに関連をいたしまして雇用対策等になりますと、現実にいま日本金属鉱業労働者の若年労働力不足、さらに技術者のあり方等から見まして、現に職業訓練問題等に取り組もうという段階になっておりますけれども、こういうことになりますと、若干ニュアンスが実は変わってまいっております。これは事実でありますけれども、願わくはこの種内容について早く両者の意見が統一をしてやはり取り組みができるような方策をとることもよろしいのじゃないかと思います。そのことが岡田先生のおっしゃっておる御趣旨に沿うことではないだろうか、こういうふうな見解を持っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
  62. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 どうもありがとうございました。
  63. 小峯柳多

  64. 永井勝次郎

    ○永井委員 参考人河上さん、それから労働組合側の鷲谷さんにお尋ねをしたいと思います。お尋ねしたいことはたくさんあるのですが、時間がありませんから一、二にしぼってお尋ねをしたいと思います。  一つは、探鉱に対する基本的政策についての立場探鉱といってもいろいろあろうと思うのですが、基本的には、私は探鉱というのは経済ベースを離れたもので、国にどのくらいの資源があるかという基本調査は国みずからがやらなければならない。そしてその資源は、これはもともと自然的に賦存しておる資源の量でもう問題はきまっているので、ただどこにどういうものがあるかということをさがし当てる、そういうことだと思うのです。そういうことのためには、国が基本的な政策を立てて、順序を立てて、日本列島を網の目のように順次精査していく、そういう長期のかまえの中で問題を解決していく。しかしそれだからといって、いまの知識なり技術なりで必ずしも全部を正確に把握することができないにしても、ある程度信用できる条件ができると思います。そういうふうなことをして、そこで国内にはもう取り組む資源がないというところで海外なり何なりということが順序だろうと思うのです。それから、海外の関係は並行するにしても、国際的に目を光らしているのですから、早くつばをつけるところはつばをつけなければならぬ、こういう政策的な面もあると思うのですが、探鉱の基本的な姿勢としては、まず国内に賦存している資源は明確に把握する、こういう作業が基本であると思うのです。  そういう考え方からいたしますと、いま日本政府の行なっておる国内資源の調査、ことに探鉱の面においては、やるという気持ちはあるのでしょうが、それを具体的に推進する政策としては、これは問題にならぬ状態にあるのではないか。夢のお告げでどこかに発見したとか、あるいはしろうとの山師たちがあっちこっちゃっていて発見したとか、そういう自然発生的にできたものをたよりになにするというふうに放任されているように思うのです。そこへもってきて営利会社に補助金を出して探鉱させる。もともと営利会社でありますから、採算を度外視して探鉱と基本的に取り組むというようなことはできるものではありません。ですから国から出す補助金はその企業にプラスになる形において、その限界においてそれを果たしていくということにならざるを得ない。でありますから、自分の骨組みの鉱山で、それからどういうふうに伸ばしたらいいか、こういうような坑内探鉱であるとか、あるいは坑外における近所の探鉱とか、そういう行動半径が企業を中心に全部行なわれるという探鉱に終わっておるのではないか。そういう探鉱のしかたでいいのかどうか。海外伸びるためにはいろいろありましょうが、海外伸びるためには、経済的なリスクのほかに、海外では政治的なリスクもさらに加わる。政治的なリスクというのはとても一応の経済ベースや何かでは判断できない非常に大きな問題があろうと思うのでありますが、そういうような点において、日本でいま取っ組んでおる地下資源探鉱というようなものが軌道に乗っておるのかどうか。予算が少ないから少しよりできない、予算が多くなればもっと事業量がふえるということで量的に問題が解決される程度に軌道に乗っているのかどうか。質的にもっと政策を転換しなければならない段階にあるのではないかということについて一点。  それから、現在のように営利会社まかせの探鉱では、これは営利会社の経営の中に吸収されて、探鉱という質的な仕事の発展というものが期待できないのではないかということが二点。  それから、海外探鉱というところに重点を置くことは、いまはやりの、海外に出て石油で成功したからというような何か一つのムードの中に動いているようで、科学的な基礎やあるいは経済的な採算の十分の見通しを持った上での政策のレールが敷かれるというものではないのではないか、こういうふうに思われる。その三点についてお尋ねをしますが、なお、その三点を骨組みにして、この探鉱についての基本政策樹立の上に参考になる御意見があれば、加えてお答えをいただきたいと思います。
  65. 河上健次郎

    河上参考人 ただいま先生のお尋ねの一つの点、いまの探鉱のやり方、これが大局的にあるいは長期的に見てほんとうに有効に行なわれているかどうかということの本質論でございまして、非常にむずかしい問題だと思いますが、私ども感じておりますのは、探鉱事業団ができる以前と探鉱事業団ができましたあととで、探鉱につきましての考え方、やり方が本質的に違ってきておる、オーソドックスな行き方に向いて今日にきておるというようなことを感じております。事業団として、国の費用を実際使う、みずからやるということになってまいりますと、これは企業ベースでの探鉱にまかしてはおけない、他の分野をやるというふうに考え方が当然なってくるわけでございます。いずれは企業ベースの探鉱を最終的にやって、開発の段階になるわけでございますけれども、企業ベースでやれないところを事業団のみずからの探鉱でやる、それから、企業ベースの探鉱をバックアップする、助けてやるのがその次に来る、こういうことになってまいります。そこで、いわゆる三段階方式、広域調査、精密調査、それから企業段階における開発に直結する方面の探査、この三つの段階、これを想定した探鉱考え方に整理されてまいっておる段階だというふうに思います。そういう意味では、おっしゃいますとおり、全部探鉱を企業ベースにまかせますと、どういたしましても、現在やっております地先の探鉱、それから周辺の探鉱にとらわれる探鉱しか、力がないからやらないというふうな傾向になってまいります。それと並行して、大いにあり得るんじゃないか、ここをやれば鉱床を発見し得る可能性があるのじゃないかというゾーンは、よほど余力がないとできない。余力がある会社じゃないとできないことになる。ましてや、根本的な――実際、一体そういう可能性があるのかないのかを確かめてみるといったような、最も基本的な地質構造を解明するような意味の大局的な探鉱、これはもうとてもそういう私企業ではできない。それを、一番最後に申し上げましたそういう広域調査を探鉱事業団ができましてからもう一ぺん考え直して、それじゃそういう考え方から全国をどこを重点的に取り上げるかということもそこで相当検討され、こいつをやる。それから、そういう広域調査が済みますと、ここでやはり鉱床発見の可能性がかなりある地帯がわかってくる。そうしますと、それについての精密調査の段階に入る。精密調査ということで、あらためて取り上げる。精密調査でいよいよ鉱床発見の可能性が濃厚であるということになりますと、そこであとは企業段階にまかせるということになります。そうしますと、これは事業団から融資のかっこうになる、あるいはそういう場合には、従来の新鉱床補助金というものが助けてくれるということで、企業段階探鉱が進むわけでございます。そういうふうに考え方がかなり秩序立つと申しますか、系統立った行き方が、事業団が発足いたしましてから、かなりそういう面の再吟味、再検討が加わりまして、現在では先生が御懸念になるような方向には向いておりませんで、大体いい方向に向きつつある。ただ、予算が非常に足りません。私どもから申しますと、いまのような予算ではとうてい国内に、一体まだあるのかないのかということについて、断定的な返事をとてもできない。何年たったらそれができるかわからぬというような状況でございますが、しかし方向はかなり着実な方向、いい方向に向かっておるということは申し上げられると思います。  それから、海外の問題はどう考えるかということでございます。先ほど来だんだんの御意見も出ておりましたが、国内がむしろ主ではないか――国内が主かどうかという議論はずいぶんやったわけでございますが、これは国内が主だとか海外が主だとかいう問題でなしに、並行的に考えるべき問題である。むしろある意味で申しますと、国内はほっておきましても、これは外国に持っていかれるという心配は、日本現状でまいりますと、資本自由化という問題もございますけれども国内鉱源を目がけて非常に外国の資本が入ってくるというほどのものではございません。そういう意味では心配ございません。むしろ心配は、いま非常に世界的な偏在資源を従来の植民政策で持っておった国は、これを放しておりません。独立しましても何らかの形でそれを握っておる。やっとはずれたコンゴに日本鉱業さんは非常に努力をして食い込まれた。これは相当なものであります。そういうチャンスをねらうべきである。やはり将来の百年の日本資源政策から見まして、どうしても、すきあらば日本からつばをつけるということをいまにしてやらないと、永久にとれない。日本のほうがほっておいても、どこかだれかがやるから。時期の点はどうかという、こういうような考え方からいたしますと、これは少なくとも海外資源に対するコネクションをつけるということを、いまにして抜本的な対策を考えないとおかしいということを私ども業界でも考え、特に私はそういう意見を申しておる一人であります。  そこで、今後ただそれを企業にまかしておっても、やはり目前の行動しかとれないということで、先ほど申しましたような事業団方式、そういう考え方で根本的な探鉱もやれるような態勢に一歩ひとつこの際進めていただくということで、これは将来の海外開発政策にとっては非常に大事であるというふうに歓迎しておるわけでございます。ですから海外開発につきましては、どちらが優先というようなことでなしに、やはり並行的にやるべきことであるというふうに考えております。  なお、いまも一言触れましたように、英米資本中心に相当資源をコントロールしようという動きをやっております。開発をあせらないで、資源を押えることを最近非常にアクティブに動いております。これと対抗してやっていくということは、相当の努力、リスクをおかしてやるべき問題でございまして、この辺にひとつ諸先生方の御理解と御後援をお願い申し上げたい、こう思う次第でございます。
  66. 鷲谷政之助

    鷲谷参考人 私は、探鉱の基本姿勢は、何といっても、これは個別の企業にまかせておっては非常に危険なものだ、したがって一口に言うと、基本姿勢としては、国家資金をやはり十分に活用しなくちゃいけないのじゃないかというふうに思うわけです。  そこで、少し具体的に言いますと、日本列島というのは、幸いにして火山国か何か知りませんけれども、量や質を抜きにした場合には、ダイヤモンド以外の金属はほとんど日本にあります。これはどの程度あるかということをほとんど把握されておらない。したがって広域調査なり――いま河上さんがおっしゃったように、事業団で広域調査ということで、かなり探鉱の問題については、経営側のほうでも頭の切りかえが徐々に行なわれてきておりますけれども、基本的に新鉱床探鉱あるいは広域調査、そういう問題については、国家資金を投入すべきではないか。そしていまここでやっておる探鉱は当然営業探鉱を中心にやるような方向でやるべきだ。具体的に申し上げますと、この鉱区権の調整の問題それから隣接鉱区のいわゆる共同探鉱の問題、これらの問題は経営側が考えるとできる問題を、やはりなわ張り根性でやっておらないので、隣接鉱区の問題については、ぜひとも経営側のほうの大乗的な立場から共同探鉱というような方向をとったらどうなのか。  それから鉱区権の問題なんですけれども、昔から鉱山というのは、山師というようなことばで表現されておりますとおり、いつかいいことがあるんじゃないかということで、鉱区だけをとっておいて、ほとんど探鉱や採掘の方向に持っていかないような鉱区がまだ国内に非常に多い、そういう問題をもう少し整理する段階に来ておるんじゃないか。  結論的に申し上げますと、広域調査なり新鉱床探鉱の問題については、ある程度経済ベースを離れて国の資源として探鉱する方法も考えていかなければならぬのではないかというような見解を私は持っておるわけです。
  67. 永井勝次郎

    ○永井委員 ソ連なんかのあのように広範な領域に対して、どこに何があるかは、企業として着手しなくても、大体資源調査は、ずっと大まかでありますができておるように私は思います。それから技術者にしても、たとえばハバロフスク大学なんかでは鉱山関係の技術者を年間何万人と養成されておる。ハバロフスクだけでも、そのほか各大学にいっても、こういう問題はこのくらいの学生がいる。学科数にしましても、地下資源関係あるいは製造関係の技術者というものに非常な力を入れた養成のしかたであります。日本はもともと貧鉱だということで、各大学における鉱山関係の技術者の養成等も非常に少ない。本格的に探鉱に取り組もうとする技術的な水準あるいはその陣容、そういうものからいえば非常に不十分ではないか。探鉱ということはただ金をかければできるというなら、それは簡単で、金をふやせばできるかもしれませんけれども、そういう人材養成なり技術者なり、そういうかまえをきちっと整えていくというのには相当の時間がかかるんではないか。そのためには、もう平素からそういうことを充実するために、私はきちっとした政策を立てて、その政策の裏づけとしてのいろいろな問題を充実していくということが必要だと思う。もし資源というものが、昔から言い伝えられておるようにないということならば問題ではないのでありますが、中共なんかも石油なんかどんどん出始めておりますし、あるいはシベリア開発における油田なんかも新しく発見されて企業化されている。銅鉱にしたってウドカンの鉱山なんかたいへんな鉱量だと思いますし、ヨーロッパなんかでも石油なんかないという所に出ておる。一つ資源開発が軌道に乗りますと、確かによそから手が触れられなくても、国の政策というものの基本を立てる場合の重要なファクターとしての国内資源というものが重要になってくるんで、単に経済ベースだけで問題が処理されるならこれはいいのですが、そうではないわけでありますから、そういう関係については、そういう経済ベースで、ぼやぼやしていると先に取られるからつばをつけるというだけの、国策が、基本が立たないで、場当たりで問題を処理するというような行き方は非常に危険だ、私はこう思うのです。そういう意味において、国の政策資源開発をやる。国の中でもやる外でもやるというような場合に、いま日本のそうした探鉱について欠けるものは金だけですか。ほかにもっと重要た条件というものが欠けていないかと思うのですが、その点について先ほどの参考人、それから吉見さんも加えて、それから遠藤さんの四人の方にそれだけをお尋ねしておきます。
  68. 河上健次郎

    河上参考人 探鉱鉱業にとりまして非常に本質的な問題でございますにしては、探鉱をバックアップする考え方が、私どもの経験なり苦労から見ましての感じでは非常に薄いのでございます。特に企業ベースの探鉱につきましては、大企業といえども正式の探鉱資金ということでは銀行は貸してくれません。しかし探鉱が必要だということはわかってくれておるのですけれども、わかってくれておるだけで、はっきりしたかっこうでバックアップするということにはなっていないわけでございます。しかしこれはだんだん調べてみますと、外国でもそういう銀行のあり方が多いのでございまして、探鉱だから貸すということには全部なっているわけではございません。そこで日本の銀行だけを責めるわけにもまいりませず、そこのところ非常に苦労しておるわけでございます。  そこで、国の姿勢で探鉱重点を注いでやるというやり方につきまして、やはりほかにもいるいろありますけれども、私どもは予算、これを金の面で大いにつけていただきたい。これは何と申しましても最重点でございます。それから広い意味におきまして、探鉱の有効な発展を阻むものという意味合いにおきましては、これはやはり探査に従事する人員の不足ということもかなり最近では問題になってまいりました。いままでは日本の持っておりまする探査の技術陣なんというものは、諸外国と比べますと、そう貧相なものではございませんでした。しかしだんだん国内の探査も少し本格的にやり、海外のほうもやるということになりますと、このごろはもう探査の人員が非常に不足であるというようなことに悩まされております。ということは、やはり大学の収容予定数もございましょうし、また優秀な学生がこれへ喜んで行かないというふうなこともだんだん起こってきておるようでございます。そういうふうに社会的な一つのムードと申しますか、そういう点につきましてもう少し教育層から始めまして、探査についての問題の重要性をPRするということが少し欠けておるのじゃないか。これは私どもも責任を痛感しておりますが、ひとつ諸先生方の御助力も仰ぎまして、そういう点にやはり根本的に考え方を変えていかないといけないのではないか。これは一例でございますが、ほかにもそういうことがいろいろあろうかと思います。気づきましたまま申し上げました。
  69. 吉見泰二

    吉見参考人 探査に対する認識とかPRの問題に関しましては、ただいま河上参考人が申し上げましたことと全く同意見でございますが、先ほども河上参考人が申されましたように、探鉱事業団ができましてから、日本国内における探鉱というのは非常に組織化されまして、着実な効果をあげておると思うのでございます。ただその調査の対象地域が一応二十七地域というふうにきまっておりまして、それに対して現在十一地域でございますかを実施しておるのでございますが、その後やはり開発が進みまして、まだ有望な地域があるので、その辺はさらにその対象地域をふやしていただいていくということが、われわれ中小鉱山から見ましても山を生かす道になるので、その辺は特にお願いしたいと思うわけでございます。
  70. 鷲谷政之助

    鷲谷参考人 私は探鉱の問題については、諸先生おっしゃったように、金だけの問題でない、いろいろな問題があると思うのです。  昨年、私ごとで申しわけないのですけれども、ソビエトの鉱山五カ所ほど入ってきましたのですけれども、これはもちろん政治体制なり経済体制というものが違うからあれですけれども、非常にうらやましいという感じを持ってきたわけです。とにかく国全体で計画的に探鉱を進め、そしてどこから手をつけていくかということを個別の鉱山経営にまかしていく。私は、政治体制なり経済体制なりが違っておっても、国の資産であり財産である地下資源というものは、できれば国家的な立場からこの財産を見つける、あるいは保護するというふうな、この基本的な姿勢は政策の中に貫いていく時期に来ておるのじゃないかというように思うわけです。  人材の問題等もいま河上さんその他の方がおっしゃったのですが、最近大学の鉱山学部を卒業した者は鉱山会社に入っておりません。これは大体優秀な人は商社とかそっちのほうにおもに行く。大体その次の次ぐらいの人が、大企業とか河上さんの三井とか三菱とかのほうに何とか無理して入っていくという状態で、優秀なのはほとんど別な産業に入っていく。こういう問題は、これは個別の企業にPRの問題等々をやっても、やっぱり国家的な一つの基本的な政策というものがあって、それにあわせて人材の問題、資金の投入の問題等々を計画的に考える必要が非常にあるのじゃないか、特にこういうように強く思うわけです。
  71. 遠藤亨

    遠藤参考人 私は、永井先生のおっしゃるように、第一点は少なくとも鉱業の基本課題だろうと思います。したがって、基本課題ということは、人間構造上からいえば探鉱、調査ということはわれわれののどわである、そういう認識をさしていただいております。したがって、ではどうなのかということになりますと、先ほど来三参考人の方からおっしゃっておりました事情の中で、すでに鉱業審議会等でも論議をし、私どももその中に参画をさしていただいております。二十七カ所の地域を指定したのはすでに三年ほど前でありますけれども現状約十一くらい手をつけておる実情であります。しかしそれにしても、先生御指摘されるように、やはり技術者の不足から来る困難性が現状の段階である。さらにたとえば、ではボーリングをやるにしても、現実の国家予算では現在資金的要素はきわめて微々たるものである。こういうふうに鉱業の基本課題である探鉱計画の伸長ができないという実情にあるわけでありますから、いま少し言わさしていただきますならば、より積極的な具体的な施策がほしいということを申し上げさしていただきたいと思うわけであります。
  72. 小峯柳多

    小峯委員長 玉置一徳君。
  73. 玉置一徳

    ○玉置委員 おそくなって申しわけありませんので、簡単に終わりたいと思いますから、ひとつ簡潔にお答えをいただきたいと思います。  まず最初に海外鉱物資源開発株式会社社長の山田さんにお伺いしたいと思うのですが、開放体制下の日本の経済界におきまして、鉱山もまた相なるべくは国際水準に最も近い安定的な供給をすることが必要だと思います。しかも、現状におきましても、鉱物によって違いますが、国内産で約三割というような自給度にあるものが多いわけでありますが、これが昭和五十年度になりますと、その需要はますます拡大されるということになれば、できれば海外のものでも比較的安定した供給をしたいというのが今度の事業団海外探鉱の着手だと思うのです。そこで、先ほどのお話にありましたとおり、諸外国がどんどんやっておったあとあわててあとからこれは出るわけでありますので、相当思い切った資金が要ると思いますが、わずかに今年度二億円と調査、探鉱の一億三千万、通産省だけでも十二億円要求されましたものに対して二億円であります。このような形ではたして皆さんの所望の探鉱ができ得るかどうか、御答弁をいただきたいと思います。
  74. 山田義勇

    山田参考人 海外探鉱につきましては、欧米がすでに八十年前からやっておりますし、われわれは多少おくれて二十年前ぐらいからやっておりますが、そういうハンディキャップもありますけれども、やはり産銅地帯というものがまだ残された地帯がたくさんあると思います。それに対してこの探鉱事業団ができまして、広域調査の準備時代は探鉱事業団がやれということになりまして、非常に組織的な基礎的な調査から始まりまして、そうしていいと思ったところを開発会社に実施させよう、こういうことになりましたことは、われわれはおくればせながらこれでもって十分今後やはり各国に劣らぬように資源開発がやれると思います。  なぜそういうことを言うかと申しますと、一昨年当居の御指導を得ましてチリの鉱物調査をやりましたところ、やはり残されたところに二百何十カ所の変質帯を発見しまして、そしてそれを昨年追跡しましたところ、四つの非常に有望なものがありまして、それぞれについてやっぱり鉱区を設定するとか、オプションをとるとか、こういうことで権利をとってまいりました。  なお、先ほど申しましたが、私たちはサバのマムート鉱山探鉱権を今度とりましたが、これについて考えますのは、これは先ほどからみなつばをつけておるようでありますけれども、やはり世の中が移り変わって、めいめいにやらせるよりもやはりもう少し相手国の産業、相手国の利益になるような理解ができた国にやらせたいというような気分が起こってきておるようであります。たとえばサバの問題にいたしましても、ソリアモントというフィリピンの会社、外国の会社が権利を五、六年も前にとっておりますけれども、それはつばをつけただけで一向探鉱もろくにやっておりません。今度私たちがとりましたマムート鉱山の大鉱床に対しては、昨年の十二月の八日にライセンスをもらって、十二月の二十二日にはすでに五名の技術者を派遣いたしまして、そういうことで非常にサバとしてはアプリーシエートされているわけであります。現地人も非常にこのことは喜んでおりますから、やはり交渉のしかた、条件によって急いでやれば非常に好感を持たれる。この例で適例をつくって東南アジアに進出したいと考えております。
  75. 玉置一徳

    ○玉置委員 私は、このような金額ではとうていその所望の目的が達し得ない、だからもっと思い切って予算を要求すべきであるということをあなたから私のほうへ言うていただこうと思って質問したのですが、おいておきます。  そこでもう一つ。私は、先ほども話がありましたのですが、南北問題の解決というよりは、日本の国がどうしても産業立国、したがって貿易の伸展をはからなければならないということになりますと、インドその他を歩いてまいりまして、向こうからこちらへ持ってくる何かの産物がないかということを、行けば非常に思います。こういう意味におきましても、ぜひとも鉱物資源の未開発国、後進国の開発をひとつ思い切って力を入れていただきたい、こう思うのですが、それと同時に、海外でそれだけ優秀な探鉱をやり、いろんな開発をやろうと思いますと、国内にそれだけの技術の温存がなければでき得ないことであります。自動車の輸出も同じことでありまして、国内にそれだけのベースがない限り外へ出るという力はあり得ません。こういう意味におきまして、今回金属鉱業安定臨時措置法廃止にはなりますけれども、私は、これは一応の目安はついたかもわかりませんけれども、この需要のどんどん伸びてまいります金属鉱業の、先ほど申しました海外も必要だけれども国内も必要であるという観点からすれば、この際この廃止廃止といたしましても、同時にここ五カ年計画くらいの、来年度くらいから五カ年計画をやって思い切った探鉱を実施する、その上に立って、おそらく労働のほうからも参ってくると思いますが、労働力確保は必要でありますが、それにしてもなかなか全般の産業が新卒を採るということが非常にむずかしくなったいま、そういう点から考えても、私は鉱山のある意味の構造改善というものに迫られてくる時期も、非常にいやな感じでありますけれども、せざるを得ないときも来るんじゃないだろうかというような点を考えましても、抜本的な、ひとつ五カ年計画ぐらいを組ます必要があるんじゃないか、かように思っておりますが、これに対して協会の河上さんから、その場合また中小鉱山問題点は一体どうするかというような点につきまして吉見さんの御意見をいただきたいと思います。
  76. 河上健次郎

    河上参考人 ただいま先生のおっしゃるような問題の重要性は私どもも感じております。今後のあり方といたしましては、安定法は一応この時点でなくなりましても、今後のあるべき鉱業の進路というものは相当やはりシビアな目で考える必要がございます。その場合に考えまする観点と申しますと、私どもの感覚では、一つにはやはり将来もっともっと国際化という段階にどんどん入ってまいります。そういう場合の国内資源あり方、これとの国際競争力をほんとうにつけるという意味の、単に高鍋価に恵まれた状態におけるということでなしに、将来の長期の状態を見た場合に、国内資源の競争性のあり方、もっともっとこれは探求しなければいかぬ問題だと思います。  それはそれとして、それから一方、需要が非常に伸びるということについての供給責任、これは日本鉱業界がそれだけの供給責任があるのか、もうこれは自由にやはりそういうものはどんどん地金を入れていったほうがいいのか、こういう問題が残るわけでございます。私どもは、これはできるだけ海外原料をつかみ、有利な鉱源もつかんで国内生産でいくということを主張いたします。しかし別の需要業界では、そういうことにあせる必要はない、必ずしも日本で生産をする必要はないので、安ければ安い状態でどんどん地金が入ってくる状態がむしろ自然ではないか、非常な無理までして国内で最終製品を出すということにあせる必要はない、これも一つの理論でございます。これとのディスカッションを通じまして、ほんとうにやはり日本のあるべき鉱業政策、関税のあり方、そういうものを考えないといかぬわけであります。そういうことで考えますと、きびしい国際化の要請、一方におきましては、国際競争力をつけながら供給の責任をはたしてまかない得るかどうか、こういう問題がございます。こういう点につきまして、法律をつくるというふうなことよりも、むしろ私どもはそういう考え方につきまして考え方をひとつ大いに各界と一緒にディスカッスして、あるべき政策を考えていく必要がある、またそういうことにつきまして要望すべき点は要望する必要がある、そういうことで将来の政策を考える立場から法律の制定が必要であれば、これは大いにそのとき積極的にお願いするということにもなりましょう。現在はそこまで結論は出ておりませんが、そういう心境でございます。そういう問題が大いに横たわっておるということを痛感いたしております。
  77. 吉見泰二

    吉見参考人 お答えをいたします。ただいまの御質問は、今後五カ年間に日本鉱山というものは相当大きな変革を要請されるだろう、それに対して中小鉱山はどう考えるかということだと思いますが、御承知のとおり、賃金の高騰とか、人間が集まりにくいとかいう問題から申しまして、中小鉱山は大鉱山以上の大きな問題をはらんでおります。先ほど来申し上げましたように、中小鉱山としては、やはり力をつける意味で探鉱強化して、その個々の山の力をつけるということが一番先でございますが、企業としてはその力に応じました海外の仕事もよろしいと思いますが、やはり中小鉱山がいわゆる群雄割拠の形で現在仕事をしている傾向がまだ多いのでございます。これは何としてもやはり協業化、合同操業というような形をとりまして合理化をしなければ、これから生きられぬのではないかと思いまして、この辺は中小対策本部としても積極的にその方針を打ち出してまいりたいと思っておるわけでございます。
  78. 玉置一徳

    ○玉置委員 河上さんにお伺いしたいのですが、大体金が六トン生産できる、十一トンが随伴鉱物として出てくる、合計十七、八トンですか。二十八トン需要があるとすれば、十トン余を輸入する。この輸入の問題は先般の金プール七カ国の中央銀行の総裁の会合で、非常にむずかしい問題に当面したわけでございます。政府の答弁は、予算が盛ってありますので購入いたします、こういう答えしか引き出せないわけですが、なかなか問題は多いと思います。かねて金の輸入の差益金でもって思い切って金山のあるいはその他の金属鉱業の振興をはかったらどうだ、こういうように申し上げておったのですが、なかなか大蔵省がうんと言わなかったのが現状であります。そこでかつては二十四トン、二十七トンまで掘れました金山、いま施策のよろしきを得れば、助成のよろしきを得れば、どのくらい掘れるとあなたはお思いになりますか。
  79. 河上健次郎

    河上参考人 私どもの見当、それから鉱山局でもいろいろ資料を集めていただきまして検討した結論によりますと、かなりの信憑性でもって私どももそう確信をしておるわけでございますが、潜在的にまだ三百トン近い金の保有量が鉱石のかっこうで眠っておるという推算が成り立ちます。でありますから、これをかつての二十七トンを三十トンにしても、十年間は掘れる。掘っている間にまた可能性も出てまいりましょう。鉱山というものはそういうものでございます。これがいまのお答えでございますが、どうしてもこれは、いろいろ金政策をお願いしました当時よりは、さらに現実問題として、こういう世界の情勢になってまいりまして、やはり金の今後の根本的な再開発についての努力は一そう必要がふえてきた、こういうふうに確信しておりますので、どうかひとつ――この事業団にわずか一千万円でございますけれども、そういう金の再開発のための探鉱資金というものに使っていただけるわけでございます。この芽を大いに育てていただきまして、再開発につきましても特段の今後の御配慮をお願い申し上げたいと思いますし、また差益金を使うという問題につきましても、七カ国のあの申し合わせは、私どもよくわかりませんが、市中から金を買う必要はないということの判断のようでございます。公的機関はほとんど市中から買うことの必要を認めないということのようでございますが、そこで、国が直接買うという形を避ける方法でこれを買いつけるということで、ロンドン市場から買うということは申し合わせの趣旨に違反したものでもないんじゃないかと私は思います。これは当然できるはずのものだと確信いたしますし、それから、差益の積み立てのプールはフェアな適当な方法で策定していただいて、やはり金山の復興の原動力の一つになりますように、ぜひあの構想を育てていただきたい、こういうふうに熱望いたしております。
  80. 玉置一徳

    ○玉置委員 私は、金のみならず、金属鉱山がこの開放体制の中にありまして、各種の鉱物、鉱産物を安定したしかも国際水準に近い供給を続けようと思うには、この五年間の経過の上に踏んまえまして、もう一度思い切った五年計画くらいのものを、先ほどのお話のように予算をかなり潤沢に盛ったものをして、それで五年の経過を見てみた上に立って次の施策を考えていいんじゃないだろうか。こういう意味で、法律よりは金だ、金が潤沢に回るような相談が早くできなければ意味がないということを申し上げたつもりなんですが、きょうは時間もございませんし、金の問題につきまして、ほんとはいろんなことを承りたいのですが、おなかもおすきでございましょうから、最後に労働組合の代表の方々に、先ほどからありました労働力の、ますますむずかしくなってきますこの確保の問題につきまして、一言ずつ、こういう問題だけは真剣に検討願いたいということがございましたらお教えをいただきたいと思います。
  81. 鷲谷政之助

    鷲谷参考人 私はこういうことを県側に提案しておるわけですけれども鉱山労働者というのは、石炭労働者と違いまして、土着の労働者が非常に多い。私ども親子三代つとめておるような状態で、したがって、鉱山の技術というのは非常に大事にしていかなければいけない。ところが、最近合理化によって鉱山から去る男は、鉱山に移りません。これはほとんど他の産業に移っていく。これはもちろん、鉱山の労働環境なり労働条件、いろいろあると思いますけれども、やはり長い間鉱山で育ち、鉱山の技術を身につけた労働者は必要な鉱山に配置転換できるような組織なり話し合いの場、これはさっき申し上げたとおり、企業別段階ではできないことですから、産業別段階でそういう方向をとるように、特にこれは法律や何かと違いまして、行政指導あるいは県側の努力業界全体の立場から、そういう方法をとる必要があるのじゃないかというように思います。
  82. 遠藤亨

    遠藤参考人 将来を展望してみまして、やはりわれわれの産業を、私ども自身金属鉱山労働者といたしまして、金属鉱山労働者であってよかったという、そういう産業にすることが基本だと思います。ところが、現実に鉱山に就職を求めて、一応請負なり、もしくは組へ入ってみて、三カ月なり保安教育を受けて、どうやら鉱山労働者業務ができるだろうという認識をしておりますと、またその鉱山を離職をしていくという実情に実はこの二、三年前まではあったわけであります。現状ではどうなのか。現状の段階でも、鉱山労働者が安定的にその職を求めてきておるということじゃございませんけれども、私どもはそういうことを築き上げるためには、やはりわれわれの産業政策というものを具体的に築き上げることが、この種内容の解決にも一致点を見出してくるだろうと認識をしております。  先ほどちょっと岡田先生の御質問のときにも申し上げましたけれども、職業訓練問題等にもわれわれみずからも積極的に取り組んでみて、労働組合の見解を明らかにしながら、鉱山労働者あり方を明確にして、この労働力不足に対処していくべきではないだろうかという考え方を持っておりますので、そのように御理解をいただきたいと思います。
  83. 小峯柳多

  84. 近江巳記夫

    ○近江委員 参考人の方には、非常に長時間にわたりまして恐縮に思います。私が最後でございますので、よろしくお願いします。私も簡潔にやっていきたいと思います。  この海外資源開発については、探鉱、新しいところを開拓していく、そういう重点的な考え方に立っておるわけでありますが、昨年の秋私も東南アジアをずっと回りまして、特にインドネシアなどで感じたことは、特にバンカ島のすずなんか、これは世界的に非常に有名なところでありますが、オランダが統治しておった当時に比べて――オランダがやっておったときは二十万トンぐらい掘れたんですね。ところが現在は一割くらいに減っている。こういう点において、新しいところをそのように探鉱していくということも非常に大事でありますけれども、そういう非常に疲弊しておる、しかも資源は絶対間違いない、こういうところに資本を投下してさらに再開発をしていく方向も考えていいのではないか、このように考えておるのですが、そのことについて河上さんから聞きたいと思います。
  85. 河上健次郎

    河上参考人 資源開発、探査につきまして、全然新しい方面の基礎的な調査から始めていこうというような行き方、これの重要性につきましては、先ほどだいぶ論議されたところでございます。比較的効果のある探査のやり方ということになりますと、どうしても既存の鉱床、その周辺ということになります。また、それにあまりとらわれておりますことが弊害のもとでもあることは、先ほどいろいろ御論議のあったところでございます。そこで、海外につきましても、やはりいまのような考え方で、既存の大鉱山、最も可能性の多いところにどうしても重点が移りがちでございます。むしろ従来は、どちらかと申しますとそういうことでやっておりました。しかし、あまり大きな、非常に有望だというところはもう押えられておりますので、まあスケールの小さなやつで、そういうところをねらうということが従来の方法でございました。今度はそういう方法以外に、やはり基礎的な調査から始めるという考え方も並行して、ことに事業団がみずからやる場合の行き方は、そういう基礎的な調査のほうからの取り上げ方をやる。それから、そういう開発に直結しそうな段階になりますと、海外鉱発が中心で探査をやる。あるいは各個に企業体がやる場合に、その探鉱についての貸し付けなりあるいは開発資金の保証ということを取り上げるということで、両々相待って、非常に方法としてはいいんじゃなかろうかと思います。先生がおっしゃいますようなことにつきましても、十分注意して進めていくべきだというふうに考えております。
  86. 近江巳記夫

    ○近江委員 この海外開発については、相当なリスクも伴うわけでありますが、しかし一つ当たれば相当な利益もあることでありますし、これから順調にいき、品質等においても非常にいい、だんだんとコストも下がってくるということになってきますと、だんだん国内のほうが軽視されてくる。こういう方向になってくるんじゃないか。この点を私は心配するわけです。そういう点で国内鉱山を今後さらに振興しなければならない、そういう立場から、将来起きてくるそういう問題について皆さん方の御意見をひとつ聞いておきたいと思うわけです。その点について鷲谷さんと吉見さんにお願いします。
  87. 鷲谷政之助

    鷲谷参考人 私も海外進出について必要だということは理解しております。技術以前の問題として、昨年私海外に参りましてアフリカの鉱山の人たちと交流したわけでありますけれども、このときにこういうことを言っているのであります。最近日本鉱山業界が非常に各国に手を伸ばして入っておられるが、アフリカの鉱山の方々も、白人の植民地時代から今度政治的に独立して、これからは経済的にも独立していこうということで非常に熱をあげておるわけでありますけれども、やはり一番手っとり早いのは鉱山関係であります。ところが最近その経営側の進出の姿勢について、アフリカの労働組合の幹部がかなりきびしい批判を浴びせております。これは手足がないから、商社の人々の情報なり折衝なりというものが盛んに行なわれる、そういう場合に、最近は商社が海外に行っても非常に競争が激しいために、白人がもとやったような手を使ってコネをつけていくという方向がとられている。そういうことに非常に不信感というか、批判が出てきておるのであります。したがって、私どもに、日本経営側が入ってくる場合に、国内日本の労働組合がそれをどう理解するのかということを非常に熱心に聞くわけでありますけれども、私は、海外開発や技術や金の問題以前の問題として、海外に出る場合には、海外の国民なりあるいは労働者なりに理解をさせるために、信頼を起こさせるという立場をまず先に国内確立をしたあとでなければ、将来失敗するきらいがあるのではなかろうか、そういう気持ちを一つ持っておるわけであります。  それから、一番冒頭に私、実は意見を申し上げたのでありますけれども、臨時措置法が廃止になった場合にどうなるのか。私どもいま量の問題で海外業界が目を向けておるときに、先生おっしゃったとおり、どうしても国内鉱山がおろそかになってくるきらいがある。したがって、さっきどなたさんかがおっしゃったとおり、海外に進出するための技術はやはり日本鉱山でなければ育っていきません。したがって、そういう立場日本鉱山の育成その他を、いわゆるそういう意味合いの勉強なり技術習得の場所でもあるという理解を深めた場合には、ただ単なる経済ベースだけでなくて、そういう問題も含めて、日本鉱山の育成強化というものに、さらに重点をかけていく必要があるのではないかと思うのであります。
  88. 吉見泰二

    吉見参考人 お答えをいたします。ただいまの先生の御指摘の問題は全く同感でございまして、われわれ中小鉱山立場から申しますと、やはり海外というと一応はなやかな非常にフットライトを浴びる感じがございますし、どうしても国内鉱山というものはその陰になる傾向が起きることはいなめないと思います。それで、冒頭に参考人としての意見を申し上げましたときに、国内の鉱物資源開発をより一そう推進することを前提として、今度の探鉱促進事業団法改正には賛成であるというふうに申し上げたのですが、国内の問題は、やはりまだまだ未開発地域も相当ございますし、国内自身まだこれからも相当な鉱山が出る余地があると思いますので、国内探鉱に関しましてもなお一そうの御配慮をお願いしたいというのが、われわれ中小立場の者の急見でございます。
  89. 近江巳記夫

    ○近江委員 そこで、金属鉱業等安定臨時措置法廃止する法律案、これが今回上がっておるわけでありますが、この件に関して、鷲谷さんは、やめてはならない、さらにもっと積極的な対策をとってもらいたい、遠藤さんは、まあやむを得ないという見方をしていらっしゃるわけでありますが、そういう点においてだいぶ食い違いがあるわけであります。ですから、この点もう少し掘り下げた、なぜそこの結論に至ったか、その辺をもう少しお二人からお聞きしたいと思うのです。
  90. 鷲谷政之助

    鷲谷参考人 私は、いまの安定臨時措置法というものは、このままではもう今日の段階では問題にならないのじゃないか、これは当時非常に追い詰められた中で、貿易の自由化に対処するための一つ合理化方針として消極的な意味の法案のたてまえをとったから、これを廃止することはかまわないと思う。ただこれがなくなったあとに、国内鉱山なりあるいは海外に進出するという場合、よりどころの法律というものが全然ない、あとは運用面でやれ、あるいは行政指導でやれというだけでは、これは少し力が弱いのじゃないか。いまのように、これから海外に行ってかなり進出する、国内もかなり開発するという段階になったときには、やはりよりどころの、前向きの、今日の段階の法案というものが確立したあとにこういうものを廃止すべきじゃないか、そういう見解を私は持っておるわけです。
  91. 遠藤亨

    遠藤参考人 この安定臨時措置法の基本は、御承知のように、貿易自由化対策として抜本的かつ強力な鉱業政策確立ということが基本だったと思います。いま先生おっしゃいましたように、鷲谷さんとは反対の、私がこういう認識に理解しておるという、この点は少し掘り下げてみてもよろしいと思うのです。私は、この安定法は一応その歴史的な使命というものは終わったのではないだろうかという認識に立っております。それは確かに鉱業審議会の過程と課題がまだ残っておるべき問題もありますから、この点は当然の処置として私どもは明らかに行政措置でやらなければならぬだろうということを言っておるわけです。この状態でよろしいとは言ってないわけです。さらに、金属鉱業現状の段階で安定しているという認識にも私は立っておりません。きわめてきびしい産業機構の中に置かれているであろう、こういう認識に立っておりますから、たまたま三十八年のときの時限立法の精神等を考えてみるならば、いまから拡大をしていかなければならない需要の動向なり、われわれの産業を見るときに、いま少し施策面からくる具体的な、この安定法を生かされた趣旨のものが今後あらわれてこなければならないだろう、ここが私の基本でございますので、そういう点で先生に御理解をいただければ、鷲谷さんのおっしゃっていたことと私の申し上げていることと、大きな見解の相違はないのではなかろうか、こういうことで御理解をいただきたいと思います。
  92. 近江巳記夫

    ○近江委員 先ほどからの御意見にも、国内資源のさらに強力な開発、このことが皆さんの御意見でわかったわけでありますが、今後さらにそういうような安定法、法的なそういう立場から推進をしていく、そういう方向もわかったわけです。それについて現在の政府のやり方というものは確かに貧弱な体制であります。そういう点で、この国内資源開発については、さらに海外のそういう探鉱と同時に、強力に推進をしなければならない、私も全く同感であります。  そこで、今後わが国として、国内資源開発のそういう長期計画というものをこれから立てていかなければならない、私はこういう意見を持っておるのですが、皆さん方それに対してどういうようにお考えになっていらっしゃいますか。その辺のところを四人の方からお聞きしたいと思います。
  93. 河上健次郎

    河上参考人 これはたびたび申し上げますように、探鉱は国全体の立場から見ましても、それから企業の立場から見ましても、まさに必要なことでございます。その意味で、企業の立場から申しましても、それぞれ長期計画を始終考えております。始終見直しております。したがいまして、五年程度の長期計画の探鉱計画くらいは、各社、各企業とも持ち合わせて、考えております。業界といたしましても、そういうことにつきましては、それぞれ探査方面につきましても、専門的な部会を持ちまして、始終検討はいたしております。ただ、オーソライズされた形の長期計画は出してもらたいわけでございますが、これは今後の新しい鉱業施策、将来の施策に関連いたしまして、業界としても十分取り上げるべき問題であり、国の立場からも、そういう点につきましても始終長期的に考えていくということの必要を痛感いたしております。
  94. 吉見泰二

    吉見参考人 いまの河上参考人の御意見と同じでございますが、先ほど申し上げましたように、やはりそれには金属鉱物探鉱事業団というものがございますから、それを活用していただきまして、それによる広域調査の範囲を広げていただきまして、それをさらにもっと全国でやるということが望ましいということじゃないかと思います。
  95. 鷲谷政之助

    鷲谷参考人 私は先生の御意見に全く賛成です。ただ、この中に特に業界の歩調をそろえていただきたい希望があるわけなんですが、これは各業界が、個別の企業、個人で探鉱しておった場合に、それぞれの情報なり資料を交換して有効に金を使うこと、業界がもう一つまとまってやる方向を私は強く希望したいと思うわけです。
  96. 遠藤亨

    遠藤参考人 基本的には、先生のおっしゃるとおりでありますけれども、やはりわれわれの産業のきびしさ、この実情をどう打開をしていくかということが、私は当面の一番大切なことではないだろうかと思います。先生のおっしゃるように、幅広く探鉱促進、国内探鉱、これは全く賛成です。しかし、現実を申しますと、銅は五十年に百万トンになる、亜鉛現状は、五十万トンがすでに今年度は六十万トンになる、五十年には八十万トンになるといわれております。ところが、それとは逆に、今度は現在の課徴金問題が出てくる。いろいろの産業経済的な動向があります。その山において鉱種がそれぞれ違うものですから、銅、鉛、亜鉛だけを取り上げるのではなくて、たとえば金山、実情はこの前に申しましたけれども昭和十五年の段階で百七十二の鉱山が、現在は四十鉱山しかないという実情です。それを先生のおっしゃるように、地下資源開発なり探鉱をやることができないのはやってもらいたいわけです。硫黄山でも、実情を申しますと、今後脱硫装置によって回収硫黄が出てくることによって鉱山業はどうなるのかという窮地に、すでに今日追い込まれているわけであります。石こう問題も先ほど吉見さんがおっしゃっておりましたような実情にあるわけであります。当面一番困っておるのはやはり金山であり、硫化鉱山であり、硫黄山であり、石こう山であります。こういう問題は当面すべき問題として具体的に取り組んでいく中に、いま先生のおっしゃっているような国内探鉱開発というものが進められていかないと、どれもこれも手をつけて大きくやろうと思ってもたいへん無理であります。そういう具体的な問題にぜひ取り組むことが私たちの任務でありましょうけれども、特に先生方にその点に対する御配慮をいただきたいというのが、私の現在の気持ちでございます。
  97. 近江巳記夫

    ○近江委員 これで終わりますが、最後鉱山局長、先ほど業界の方からも熱心な要望がありました。私も全く同感であります。この点はほんとうに力を入れてやっていかなければならぬ。私も深くその点は感じたわけであります。鉱山局長として、先ほど四人の方から御意見を申されましたが、それに対してどう受けとめていらっしゃるか、あなたの考えをここでひとつ言ってもらいたいと思うのです。
  98. 両角良彦

    ○両角政府委員 先ほど来参考人各位の貴重な御意見を私も十分拝聴いたしました。今後の鉱業政策の立案あるいは実施にあたりまして、これらの御意見を十分生かして考えてまいりたいと思います。
  99. 近江巳記夫

    ○近江委員 以上で終わります。
  100. 小峯柳多

    小峯委員長 参考人各位には、御多用の中、長時間にわたり御出席をいただき、かつ昼食をとる時間さえ差し上げず、まことに恐縮でございました。厚くお礼を申し上げます。  加賀山参考人並びに山田参考人には、次回来たる五日に再び参考人として御出席を願いたいと存じます。御多用中とは存じますが、御協力をお願い申し上げます。  次回は、明後五日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時二十六分散会