○岡田(利)
委員 結局
わが国の産金政策は公定価格四百五円、そして実際に
国内金は六百六十円である、こういう二重価格制を設けることによって金産業を保護育成をする、こういう政策をとってきたわけです。直接
政府としてはこれに対していま述べられたようにグラム当たりわずか十円の補助金しか出していない。これが
わが国の政策の実情である。しかし、各国は積極的にむしろ産金政策として補助金政策に転換をして、それがいま述べられたオーストラリア、フィリピン、
カナダ、またアメリカにおいてすら先ほど申し上げましたような動きがあるわけです。こういう趨勢というものをわれわれは的確に把握する必要があるのではないか。たとえば、四百五円のグラム当たりの補助金を出せば、結局金価格というのは
わが国の貨幣で換算すると、四百五円でありますから八百十円ということになるわけです。そういう点から
考えますと、先般商工
委員会で——先ほど
橋口委員が
質問しましたように、
わが国の産金政策はかつて二十七トン
程度の記録を持っておる
実績にかんがみて、また最近の地質学の進歩、こういう面から港頭鉱床の発見、こういったようなことについてやはり画期的な手を打つべきではないか、こういう立場に立って本
委員会は満場一致で決議案を出したわけです。しかしながら、今年度の予算を見ますと、わずか一千万円の予算よりついていない。一千万円で基礎的な
調査をするというのでありますけれども、大体一千万円で行なう十一
地域を
対象にいたしてみますと、これはまあほんとうに手を染めたという以外にこの効果というものはあらわれてこないのではないかと
考えるわけです。そういう
意味で私は、この予算がきまるときに
通産省と大蔵省でいろいろ議論が行なわれて、ただ大蔵省と
通産省の関係の議論だけならばよろしいのでありますけれども、問題は、金緊急
合理化計画というのはもちろん業者の負担もございますし、またそれぞれの補助金もございますが、それと同時に昨年
昭和四十二年十トンの
輸入をし八トンの放出をした、その差益金の一部を充当してもこの政策を進める上に価値があるのではないか、こういう
意見を持っておりますけれども、主計当局としては、これは今日の財政状態からいって、
通産省の要求に対して、とにかく一千万円という査定をする。しかし一方
通産省の要求は、その差益金の貴金属特別会計からの大体四億か五億
程度の金の支出を要望した。それは主計当局の問題ではなくして、国際金融局の問題であるというような形で、どうも
通産省、大蔵省当局の関係ではなくして、そういう三角的な関係、
鉱山局、国際金融局、主計局の三角関係、こういうふうな中で結局最終的に一千万円ということにきまったように私はある筋から聞いておるわけです。私はそういう点非常に今日のこういう情勢からかんがみて残念に存ずるのでありますけれども、問題は、国際金融局としては、貴金属特別会計の性格上、これは別に何も高い
国内金の
開発にそれだけ特別会計から出す必要はないではないかという見解もあるでしょうし、もし必要であるとするならば、一般会計でやるといいのではないか、こういうことも言えるのでございますけれども、しかしながら従来までは、戦時中の手持ちの金の放出によって
国内需要をまかなってきたわけです。四十二年度十トン
輸入して八トン放出し、そこに差益金が生まれてまいったわけであります。そういう金が貴金属特別会計に入ったわけでありますから、そういう面から積極的な
助成をするということは、今日の産金政策のたてまえからいって、しごく当然の要求ではなかろうか。そういう配慮がなされてしかるべきではないか。たとえば農産物についても
輸入の乳製品の差益金、この差益金から金を出して、結局乳価不足払いで
国内原料乳の増産体制に寄与している。こういう政策が幾つかとられておるのでありますから、そういう
考え方はむしろ妥当なものではなかろうか、こう私どもは
考えるのでありますけれども、この点いかがですか。